JPH10313584A - ブラシレスモータの位置検出回路 - Google Patents

ブラシレスモータの位置検出回路

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JPH10313584A
JPH10313584A JP9119293A JP11929397A JPH10313584A JP H10313584 A JPH10313584 A JP H10313584A JP 9119293 A JP9119293 A JP 9119293A JP 11929397 A JP11929397 A JP 11929397A JP H10313584 A JPH10313584 A JP H10313584A
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Takahiro Nakayama
貴裕 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブラシレスモータの位置検出回路において、
比較のための基準電圧を他の2相によって作った従来の
回路では、回路部品のばらつき等によって各相の直流電
位にずれがあった場合に正しく比較できなくなるという
問題があった。 【解決手段】 本発明のブラシレスモータの位置検出回
路は、電機子巻線の各々につながれた1次フィルタ及び
交流結合回路3組と、各フィルタ出力を互いに違う比で
加算した3相の和を求める加算器3組と、前記加算器の
出力の1つとフィルタ出力の1つを比較する比較器3組
とを設けることにより、3相の和の加算器の加算割合を
変えることによって位置検出信号の位相が操作できる。
また、加算器に3相の波形全てを入力して比較の基準電
圧を作るために、回路部品のばらつき等によって発生す
る3相間のオフセット電圧を補正した比較が可能とな
り、安価な回路部品でより正確な位置検出信号を得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電機子巻線に発生す
る誘起電圧によって磁石回転子と電機子巻線との間の相
対的位置を検出するようにしたブラシレスモータの位置
検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ブラシレスモータは様々な方面で
使用されているが、一般的にはこのモータを駆動するに
は磁石回転子の位置を検出するためにホール素子等の位
置検出用センサが必要である。ところが使用環境の悪い
ところではセンサの信頼性に問題があることと、駆動回
路とモータ本体の間の配線の本数が多くなって煩わしい
ことなどから、電機子巻線の誘起電圧から磁石回転子の
相対的な位置を検出する方法が幾つか提案されている。
【0003】以下図面を参照しながら従来例について説
明する。図9は電機子巻線の誘起電圧から磁石回転子の
相対的な位置を検出して磁石回転子を回転させるブラシ
レスモータの全体回路図である。1は直流電源、2は6
個の半導体スイッチング素子Q1〜Q6を3相ブリッジ
接続して形成した半導体コミュテータ装置である。3は
電機子巻線4と磁石回転子5を有したモータ本体であ
る。6は電機子巻線U,V,W各相の端子電圧を入力
し、位置検出信号 U-CMP,V-CMP,W-CMPを生成する位置検
出回路である。7はマイクロプロセッサであり、位置検
出信号より転流信号U+,V+,W+,U-,V-,W-を生成する転流
ロジック部8、モータ印加電圧を調整するためのPWM
デューティ制御部9、モータ起動時に低周波同期起動を
行うための起動シーケンス制御部10よりなる。11は
PWMパルス変換回路、12は半導体スイッチング素子
Q1〜Q6のドライブ回路である。
【0004】上記構成においての位置検出回路6および
転流ロジック部8の動作原理を示したのが図10であ
る。(a)〜(c)は位置検出回路6に入力されるU,V,W
各相の端子電圧、(g)〜(i)は位置検出回路6が出力する
位置検出信号であり、 (j)は(g)〜(i)をもとに転流ロジ
ック部8が生成する転流信号である。また、(d)〜(f)は
位置検出回路6の中にある1次フィルタの出力波形であ
り、これらの波形はフィルタの入力波形である(a)〜(c)
の波形に対して90度の遅れ位相になっている。これら
の(d)〜(f)を別回路によって生成された基準電圧と比較
器により比較した結果が位置検出信号(g)〜(i)である。
以下では、この比較のための基準電圧の生成方法を中心
に従来の位置検出回路の例について具体的に説明する。
【0005】図4は従来のブラシレスモータの位置検出
回路その1を示すものであり、これは特開昭52-144727
号公報に記載されているものである。図において、13
は1次フィルタであり、その回路定数はモータの使用回
転数に相当する周波数よりも十分に低い周波数が遮断周
波数になるように設定される。すなわち、その時定数は
大きな値を持つことになる。これにより、モータの使用
回転数において、フィルタの出力波形は入力波形に対し
て90度の遅れ位相となる。15は比較器(コンパレー
タ)であり、14はフィルタ出力を比較器に入力する際
に不要な直流分を除去するための交流結合回路である。
この回路は進み要素となるので、その回路定数は使用回
転数において1次フィルタの位相遅れに影響を与えない
ように設定される。すなわち、この回路の時定数も大き
な値である。そして16が比較のための基準電圧を生成
する回路であり、各フィルタ出力から直流分を除いた波
形を同じ値の抵抗3本で結合した加算器となっている。
各フィルタ出力から直流分を除いた波形が互いに120
度の位相差がある正弦波で近似できるとすれば、これら
をVa,Vb,Vc と置いたとき、上記回路16によって
生成される基準電圧Vr の波形は以下の様に計算でき
る。
【0006】 Va = Vsinωt Vb = Vsin(ωt - 2π/3) Vc = Vsin(ωt - 4π/3) Vr = (1/3)Va + (1/3)Vb + (1/3)Vc = (1/3)Vsinωt + (1/3)Vsin(ωt - 2π/3) + (1/3)Vsin(ωt - 4π/3) = (V/3)[ sinωt + {sinωt cos(2π/3) - cosωt sin(2π/3)} + {sinωt cos(4π/3) - cosωt sin(4π/3)} ] = (V/3)[ sinωt + {(-1/2)sinωt - (√3/2)cosωt} + {(-1/2)sinωt + (√3/2)cosωt} ] = (V/3){(1 - 1/2 - 1/2)sinωt + (-√3/2 + √3/2)cosωt} = 0 よって、基準電圧Vr はVa,Vb,Vc の零点となる。
特開昭52-144727号公報ではこの波形のことを中性点電
圧と呼んでいるので、ここでも中性点と呼ぶことにす
る。
【0007】図5は上記回路構成での実際の動作波形を
示すものである。同図(a)に示す様に駆動電圧波形には
スパイク電圧の成分が重畳されている。このスパイク電
圧は半導体スイッチング素子ターンオフ時に電機子巻線
に電流を流し続けるために発生するものである。また、
そのスパイク電圧の幅はモータの負荷トルクが大きいほ
ど、すなわち電機子巻線に流れる電流が大きいほど、広
くなる。そして同図(b)に示す様に、スパイク電圧はフ
ィルタの出力波形を歪めてしまい、結果的にフィルタ出
力は入力波形に対して90度の位相遅れとはならず、そ
れよりも幾分進み位相になってしまう。そのため、この
フィルタ出力と中性点の波形を比較器で比較した出力信
号(同図(c))は、期待する90度の遅れ位相信号と中
性点がクロスする点よりも手前で変化することになる。
よって、同図(c)の信号をもとに転流を行うと、同図(a)
の様に正規の転流タイミングに対して進み位相で転流が
行われる。負荷トルクが増大すると更に進み位相とな
り、30度以上の進み位相になるとモータは脱調してし
まう。よって、この回路構成では負荷トルクの限界点を
大きく取れず、脱調しやすいという問題があった。ま
た、進み位相で転流することにより、振動や騒音に悪影
響を及ぼすことも問題であった。
【0008】以上の問題点に鑑みて考えられたのが図6
に示す従来のブラシレスモータの位置検出回路その2で
あり、特開昭61-191290号公報に記載されているもので
ある。図において17が比較のための基準電圧を生成す
る回路であり、比較器の+端子に入力される相に対して
他の2相を違う値の抵抗2本で結合した加算器となって
おり、これが3相分それぞれ独立して用意されている。
ここで、2本の抵抗の値をR2,R3とし、先ほどと同じ様
に、上記回路17によって生成される基準電圧Vr の波
形を計算すると以下の様になる。
【0009】 Va = Vsinωt Vb = Vsin(ωt - 2π/3) Vc = Vsin(ωt - 4π/3) Vr = ((1/R2)/(1/R2 + 1/R3))Vb + ((1/R3)/(1/R2 + 1/R3))Vc = (R3/(R2 + R3))Vsin(ωt - 2π/3) + (R2/(R2 + R3))Vsin(ωt - 4π/3) = (V/(R2 + R3))[ R3{sinωt cos(2π/3) - cosωt sin(2π/3)} + R2{sinωt cos(4π/3) - cosωt sin(4π/3)} ] = (V/(R2 + R3))[ R3{(-1/2)sinωt - (√3/2)cosωt} + R2{(-1/2)sinωt + (√3/2)cosωt} ] = (V/(R2 + R3)){(-1/2)(R2 + R3)sinωt + (√3/2)(R2 - R3)cosωt} = (V/2){-sinωt + √3((R2 - R3)/(R2 + R3))cosωt} ここで、R2=R3 のとき第2項は0となるので、Vr は元
のVa の波形、すなわち sinωt の位相に対して、-sin
ωt の逆位相の波形となる。そして、R2>R3 のとき、第
2項の cosωt の成分が第1項に加算されることによ
り、Vr は -sinωtよりも遅れ位相の信号となる。図8
は R2=51kΩ, R3=22kΩ としてVa とVr の関係を上
式より計算し、グラフ化したものである。この例ではV
a とVrがクロスする点は、Va と零点がクロスする点
よりも約13度遅れていることがわかる。R2/R3の比を
大きく取ればこの遅れは大きくなり、逆にR2/R3の比を
1に近づけるとこの遅れは小さくなる。
【0010】図7は上記回路構成での実際の動作波形を
示すものである。同図(b)及び同図(c)に示す様に、他の
2相の和の波形を比較の基準電圧とすることにより、フ
ィルタ出力とこの波形を比較した比較器の出力信号は、
中性点すなわち零点と比較した場合よりも遅れて変化す
る。そして、このクロス点はR2/R3の比を最適に取るこ
とによって、この図の様に期待する90度の遅れ位相信
号と零点とのクロス点とほぼ同位相にすることができ
る。よって、この回路では同図(a)の様に正規の転流タ
イミングでの転流が可能となる。図8のグラフに示した
R2=51kΩ, R3=22kΩ の組合せは、正規の転流が可能
となる最適な値の一例である。この最適値はモータの定
数や負荷トルクの大きさによって変わるので、現物での
調整が必要である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】これまでに述べた様
に、図6の回路を用いることによって、正規の転流タイ
ミングでの転流が可能となり、図4の回路での問題点は
解決できる。しかしながら、図6の回路には以下に説明
する様な問題があった。
【0012】1次フィルタおよび交流結合回路の回路定
数は、先に説明した様に大きな時定数を持つことにな
り、そのためにはこれらを構成する抵抗、コンデンサの
値を大きくする必要がある。特にコンデンサを大きな値
にするためには、アルミ電解コンデンサ等の部品を使う
必要があるが、これは部品個々のばらつきが大きいの
で、回路の時定数も3相の間でばらつくことになる。ま
た、比較器の+端子に入力される交流結合した後の直流
電位は定常的にオフセットを持っており、零レベルでは
ない。さらに、モータ印加電圧を変化させると、この直
流電位も過渡的に変化してしまう。
【0013】図6の回路では、比較のための基準電圧が
比較対象の相の他の2相によって作られるため、上記の
様な回路特性によって、各相の直流電位にずれがあった
場合に正しく比較できなくなるという問題があった。具
体的に説明すると、U相の比較器の+端子に入力される
波形の直流電位が、V相,W相の波形の直流電位に対し
てオフセット電圧Voff を持っていた場合、V相,W相
の和で作られるVr とVa はオフセット電圧Voff を持
ったまま比較器で比較されることになる。この場合、比
較器の出力信号のHとLの期間は等しくならず、この信
号を元に転流を行うと通電間隔もばらばらになってしま
う。特に起動時にはモータ印加電圧を変化させてモータ
を加速していくので、この現象が顕著に現れる。よっ
て、低周波同期運転から位置検出運転に移行する場合
に、正確な位置がつかめなかったり、あるいは位置検出
信号が波形割れを起こしてしまったりして、起動に失敗
する確立が高かった。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明のブラシレスモータの位置検出回路は、電機
子巻線の各々につながれた1次フィルタ及び前記1次フ
ィルタの出力から不要な直流分を除去するための交流結
合回路3組と、各フィルタ出力から直流分を除いた波形
の各々を互いに違う比で加算した3相の和を求める加算
器3組と、前記加算器の出力の1つと1次フィルタの出
力から直流分を除いた波形の1つを比較する比較器3組
とよりなるという構成を備えたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は上記した構成において、
3相の和の加算器の加算割合を変えることによって位置
検出信号の位相が操作でき、正規の転流タイミングでの
転流が可能となる。また、加算器に3相の波形全てを入
力して比較の基準電圧を作るために、回路部品のばらつ
き等によって発生する3相間のオフセット電圧を補正し
た比較が可能となり、安価な回路部品でより正確な位置
検出信号を得ることができる。これにより、安価で信頼
性の高い位置検出回路の実現が可能である。
【0016】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照しな
がら説明する。
【0017】図1は本発明の実施例におけるブラシレス
モータの位置検出回路を示すものである。図において、
18が各フィルタ出力から直流分を除いた波形の3相を
互いに違う値の抵抗3本で結合した3相の和を求める加
算器であり、比較のための基準電圧を生成する回路であ
る。各フィルタ出力から直流分を除いた波形が互いに1
20度の位相差がある正弦波で近似できるとすれば、こ
れらをVa,Vb,Vcと置いたとき、上記回路18によ
って生成される基準電圧Vr の波形は、3本の抵抗の値
を R4,R5,R6 とすると以下の様に計算できる。
【0018】 Va = Vsinωt Vb = Vsin(ωt - 2π/3) Vc = Vsin(ωt - 4π/3) Vr = ((1/R4)/(1/R4 + 1/R5 + 1/R6))Va + ((1/R5)/(1/R4 + 1/R5 + 1/R6))Vb + ((1/R6)/(1/R4 + 1/R5 + 1/R6))Vc = ((1/R4)/(1/R4 + 1/R5 + 1/R6))Vsinωt + ((1/R5)/(1/R4 + 1/R5 + 1/R6))Vsin(ωt - 2π/3) + ((1/R6)/(1/R4 + 1/R5 + 1/R6))Vsin(ωt - 4π/3) = (V/(1/R4 + 1/R5 + 1/R6))[ (1/R4)sinωt + (1/R5){sinωt cos(2π/3) - cosωt sin(2π/3)} + (1/R6){sinωt cos(4π/3) - cosωt sin(4π/3)} ] = (V/(1/R4 + 1/R5 + 1/R6))[ (1/R4)sinωt + (1/R5){(-1/2)sinωt - (√3/2)cosωt} + (1/R6){(-1/2)sinωt + (√3/2)cosωt} ] = (V/(1/R4 + 1/R5 + 1/R6))× [ {(1/R4) - (1/2)(1/R5 + 1/R6)}sinωt - (√3/2)(1/R5 - 1/R6)cosωt ] ここで、 {(1/R4) - (1/2)(1/R5 + 1/R6)} ≒ 0 のとき
第1項はほぼ0となり、さらに、R5>R6 とすれば第2項
の係数のは正の値となる。このとき、Vr は元のVa の
波形、すなわち sinωt の位相に対して、 cosωt の位
相とほぼ同相となる。図3は上記の関係を満たす様に R
4=33kΩ, R5=51kΩ, R6=22kΩ としてVa とVr の
関係を上式より計算し、グラフ化したものである。この
例ではVr の位相は cosωt の位相よりもわずかに進み
位相になっているが、これは R4の値を 2/(1/R5 + 1/
R6) よりもわずかに大きくして上式の第1項の係数を
負の値としているからである。そしてVa とVr は、V
a と零点がクロスする点よりも約13度遅れてクロスし
ているが、上の様な値を選ぶことで、このクロス点にお
いてVa の立ち上がりとVr の立ち下がり、Va の立ち
下がりとVr の立ち上がりが比較される様になり、確実
な比較が可能となる。この様な関係を保った上で、 R5
/R6 の比を大きく取ればVr の振幅が大きくなり、Vr
とVa のクロス点の位相の遅れは大きくなる。逆に R5
/R6 の比を1に近づけるとVr の振幅が小さくなり、
この遅れは小さくなる。
【0019】図2は上記回路構成での実際の動作波形を
示すものである。同図(b)及び同図(c)に示す様に、3相
の和の波形を比較の基準電圧とすることにより、フィル
タ出力とこの波形を比較した比較器の出力信号は、中性
点すなわち零点と比較した場合よりも遅れて変化する。
そして、このクロス点はR4,R5,R6の値を最適なものに
することで、この図の様に期待する90度の遅れ位相信
号と零点とのクロス点とほぼ同位相にすることができ
る。よって、この回路では同図(a)の様に正規の転流タ
イミングでの転流が可能となる。図3のグラフに示した
R4=33kΩ, R5=51kΩ, R6=22kΩの組合せは、正規の
転流が可能となる最適な値の一例である。この最適値は
モータの定数や負荷トルクの大きさによって変わるの
で、現物での調整が必要である。
【0020】一方、3相の和で比較の基準電圧を作るこ
とで、比較の対象となる相が他の相に対してオフセット
があった場合でも、基準電圧に加算されたその相自身に
よって基準電圧の方も同相に振れることになり、オフセ
ットを補正する効果がある。また、図8と図3、あるい
は図7と図2を比較すれば分かるが、ほぼ同じ位相遅れ
を得たい場合に、3相の和で作った基準電圧の振幅の方
が、他の2相の和で作った基準電圧の振幅よりも小さ
く、さらに3相の和で作った基準電圧はピーク値に近い
ところがクロス点となるため、多少オフセットがかかっ
ても基準電圧が比較対象の波形の中心から大きくはずれ
ることはない。このため、1次フィルタ及び交流結合回
路の回路部品に、安価で大容量のアルミ電解コンデンサ
等を使用しても、多少の部品個々ばらつきならば、回路
での補正が可能となる。
【0021】なお、図1の実施例では1次フィルタ及び
交流結合回路は抵抗及びコンデンサで構成しているが、
オペアンプ等を用いた他の構成でも良く、また、1次フ
ィルタと交流結合回路の順序は入れ替わっても良い。一
方、3相の和の加算器を実施例では抵抗3本で結合した
構成としているが、これもオペアンプ等を用いた他の構
成でも良い。
【0022】
【発明の効果】以上の様に本発明は電機子巻線の各々に
つながれた1次フィルタ及び前記1次フィルタの出力か
ら不要な直流分を除去するための交流結合回路3組と、
各フィルタ出力から直流分を除いた波形の各々を互いに
違う比で加算した3相の和を求める加算器3組と、前記
加算器の出力の1つと1次フィルタの出力から直流分を
除いた波形の1つを比較する比較器3組とを設けたブラ
シレスモータの位置検出回路とすることにより、3相の
和の加算器の加算割合を変えることによって位置検出信
号の位相が操作でき、正規の転流タイミングでの転流が
可能となる。また、加算器に3相の波形全てを入力して
比較の基準電圧を作るために、回路部品のばらつき等に
よって発生する3相間のオフセット電圧を補正した比較
が可能となり、安価な回路部品でより正確な位置検出信
号を得ることができる。これにより、安価で信頼性の高
い位置検出回路の実現が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるブラシレスモータの位
置検出回路図
【図2】本発明の実施例における位置検出回路の動作波
形図
【図3】本発明の実施例における位置検出回路での基準
電圧波形の計算例のグラフ
【図4】従来のブラシレスモータの位置検出回路を示す
【図5】位置検出回路その1の動作波形図
【図6】従来のブラシレスモータの位置検出回路を示す
【図7】位置検出回路その2の動作波形図
【図8】位置検出回路その2での基準電圧波形の計算例
のグラフ
【図9】ブラシレスモータの全体回路の構成図
【図10】位置検出回路および転流ロジック部の動作原
理図
【符号の説明】
1 直流電源 2 半導体コミュテータ装置 3 モータ本体 4 電機子巻線 5 磁石回転子 6 位置検出回路 7 マイクロプロセッサ 8 転流ロジック部 9 PWMデューティ制御部 10 起動シーケンス制御部 11 PWMパルス変換回路 12 半導体スイッチング素子のドライブ回路 13 1次フィルタ 14 交流結合回路 15 比較器 16 3相を同じ値の抵抗3本で結合した加算器 17 2相を違う値の抵抗2本で結合した加算器 18 3相を違う値の抵抗3本で結合した加算器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中性点非接地結線された電機子巻線と、6
    個の半導体スイッチング素子を3相ブリッジ接続して形
    成した半導体コミュテータ装置と、磁石回転子を有する
    ブラシレスモータにおいて、前記電機子巻線の各々につ
    ながれた1次フィルタ及び前記1次フィルタの出力から
    不要な直流分を除去するための交流結合回路3組と、各
    フィルタ出力から直流分を除いた波形の各々を互いに違
    う比で加算した3相の和を求める加算器3組と、前記加
    算器の出力の1つと1次フィルタの出力から直流分を除
    いた波形の1つを比較する比較器3組とよりなるブラシ
    レスモータの位置検出回路。
  2. 【請求項2】3相の和を求める加算器を各フィルタ出力
    から直流分を除いた波形の各々を互いに違う値の抵抗3
    本で結合した構成とした請求項1記載のブラシレスモー
    タの位置検出回路。
  3. 【請求項3】1次フィルタ及び交流結合回路を抵抗及び
    コンデンサで構成した請求項1及び請求項2記載のブラ
    シレスモータの位置検出回路。
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