JPH10312508A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH10312508A
JPH10312508A JP9119591A JP11959197A JPH10312508A JP H10312508 A JPH10312508 A JP H10312508A JP 9119591 A JP9119591 A JP 9119591A JP 11959197 A JP11959197 A JP 11959197A JP H10312508 A JPH10312508 A JP H10312508A
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magnetic
film
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cao
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JP9119591A
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English (en)
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Katsuyuki Himeshima
克行 姫島
Toshiyuki Fujine
俊之 藤根
Akio Kitatani
明雄 北谷
Takashi Kimura
喬 木村
Nobuyuki Yamada
信行 山田
Kenichi Tsunoda
健一 角田
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Sharp Corp
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アジマス精度の劣化、放電ノイズの発生、摺
動性の悪化による出力の低下、および透磁率の低下、面
粗れ、リセスの発生で生じるスペーシングロスによる出
力低下を解決する。 【解決手段】 セラミックの非磁性基板1上に軟磁性膜
である蒸着法により成膜したFeAlSi蒸着膜2を積
層し、積層膜3を形成する。層間は2000ÅのSiO
2 膜による絶縁膜4を蒸着して絶縁する。また、走行方
向に対して積層膜3を斜めに設定する。非磁性基板1は
LaO3/2 −CoO−NiO−CaO−TiO2 の5成
分を主成分とし、LaO3/2 +CaOが45mol%以
上、50mol%以下、且つ、CaOとTiO2 との配
合比が略1:2とした材料を用い、非磁性基板1に略V
字状の溝を形成し、その斜面上に軟磁性膜を形成して磁
気ヘッドを構成する。前記非磁性基板の相は、CaTi
3 相が生成することなく、略単相とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気回路を構成する
軟磁性膜と、その軟磁性膜を支持する非磁性基板からな
る磁気ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の高密度化に伴い磁気記録媒体
の高保磁力化が進み、磁気ヘッドにおいて使用されるコ
ア材料は高い飽和磁束密度が要求されてきている。更
に、システムの広帯域化、低ノイズ化等の要請から薄膜
積層型磁気ヘッドの実用化が進んできている。薄膜積層
ヘッドの作成方法は平面な非磁性基板の上に、軟磁性膜
を積層したものを重ね合わせてブロックを得る作成方法
(例えば、特開昭63−213109)が一般的であ
る。
【0003】従来の薄膜積層ヘッドの代表的な構造につ
いて図3を参照して説明する。非磁性基板1は膨張係数
αが130×10-7以下のセラミック基板であって、こ
のセラミック基板に積層膜3が挟み込まれている。ま
た、符号5はギャップであり、符号8は巻線窓である。
【0004】磁気ヘッドの加工方法としてはフェライト
ヘッドと同様に基板に略V字状の溝を形成し、その斜面
上に軟磁性膜を形成することによりブロック一体加工を
可能とした薄膜積層ヘッドが実用化されている(例え
ば、特開昭63−146204)。
【0005】この薄膜積層ヘッドの作成方法について図
4を参照して説明する。結晶化ガラス基板1aにV字状
の溝10を形成し〔図4(a)〕、その斜面上に軟磁性
膜であるFeAlSi蒸着膜の積層膜3を形成する〔図
4(b)〕。低融点の溶着ガラス7をモールドし〔図4
(c)〕、余分のガラスを研削した後、結晶化ガラス基
板1aを切断し複数のピース11を得る〔図4
(d)〕。巻線窓の切削、ギャップ面のポリッシングを
行った後、ギャップ材をスパッタリングにて形成する
〔図4(e)〕。その後2つのピース11を溶着し〔図
4(f)〕、摺動面の研磨を行った後、チップスライス
を行いヘッドチップコア9を得る〔図4(g)〕。
【0006】この略V字状の溝10を形成して作成する
薄膜積層ヘッド(以下、「V字溝タイプ」と呼称する)
は、重ね合わせてブロックを得る作成方法による薄膜積
層ヘッド(以下、「ラミネートタイプ」と呼称する)に
比べて軟磁性膜の磁路が小さく磁気抵抗が大きくなると
いう問題点がある。更に、成膜される基板表面が切削仕
上げのため、粗くなり透磁率が低下するという問題があ
る。従ってラミネートタイプと同等の特性を得るために
は膜特性そのものをラミネートタイプより良くする必要
がある。
【0007】そこで従来のV字溝タイプは蒸着法による
FeAlSiを軟磁性膜とすることで、スパッタリング
法よりも2倍以上の透磁率を実現し、更に基板材料を結
晶化ガラスにして膜と基板の熱膨張差を小さくすること
により、膜の内部応力を小さくし、ヘッド特性をラミネ
ートタイプと同等以上にすることができた。
【0008】実際に実用化されたヘッドは上述した対応
によりラミネートタイプと比較してコア効率は同等であ
る。一方、コアの断面積が小さいために同一インダクタ
ンスを得るにはコイルの巻数を増加させる必要があり、
このため再生出力はラミネートタイプより大きくなるも
のである。従って薄膜積層ヘッドにおいてV字溝タイプ
はヘッド製造の簡略化とヘッド特性の両面においてラミ
ネートタイプを凌駕している。
【0009】しかしながら、V字溝タイプの薄膜積層ヘ
ッドにおいては結晶化ガラス基板1aを用いた場合、以
下に記述する問題がある。
【0010】まず、その第一はヘッド製造プロセスの溶
着工程において最高570℃の熱プロセスが施される
が、このとき結晶化ガラス基板の軟化変形、およびボン
ディングガラスと結晶化ガラスの化学反応等が起こり、
図5に示すように積層膜3が結晶化ガラス基板1aに食
い込む現象が発生する。図5において通常は破線で示す
アジマスを有するギャップになるが、結晶化ガラス基板
1aに積層膜3が食い込むことにより、アジマス角度が
θだけマイナス側にずれた実線で示すアジマスを有する
ギャップとなる。従って、この現象はヘッドのアジマス
精度の劣化につながり、ヘッド製造時の歩留りを低下さ
せる。
【0011】その第二はヘッドとテープ間の摩擦に関す
る問題であって、VHS、S−VHSシステムのVTR
において、ある特定のテープを使用した場合、ヘッドと
テープの摺動による摩擦帯電が発生し、最終的に放電ノ
イズとして再生画像の劣化を招く現象である。
【0012】第三の問題もヘッドとテープ間の摩擦に関
していて、特に塗布型テープとの摺動性が悪い場合にお
ける、出力の低下を招く現象である。なかでも30%以
下の低湿度において顕著であり、図6に示すように結晶
化ガラス基板1a、ボンディング用の溶着ガラス7に白
濁12が発生し、軟磁性の積層膜3には焼き付きの一種
である、所謂、ブラウンスポット13が発生する。
【0013】更にV字溝タイプの薄膜積層ヘッドにおい
ては、結晶化ガラス基板の代わりにセラミック基板を用
いた場合、以下に記述する問題がある。
【0014】まず、その第一は従来のセラミック基板上
に成膜した場合、結晶化ガラス基板と比較して膜特性が
低下し、これに伴いヘッド出力が低下する現象である。
透磁率を確保するためにFeAlSiを軟磁性膜とする
場合、蒸着法を採用しているが、FeAlSi膜の熱膨
張係数は700℃で160×10-7/℃である。ところ
が従来のセラミックはMnO−NiO系、CaTiO3
−NiO系で145×10-7/℃が限界であった。
【0015】表1に、従来の結晶化ガラスの基板A、セ
ラミックの基板B(MnO−NiO系)、セラミックの
基板C(CaTiO3 −NiO系)に厚さ5μmのFe
AlSi膜を4層積層したときの実効透磁率μeff とヘ
ッド出力の比較を示す。基板B、Cの実効透磁率μeff
について周波数1MHz、5MHz、10MHzにおけ
る値を基板Aに対するdB値で、また、基板B、Cの記
録再生出力について周波数1MHz、5MHz、7MH
zにおける値を基板Aに対するdB値で表1に記載して
ある。また、各基板の熱膨張率αを表2に示す。表1お
よび表2より、セラミック基板の場合、熱膨張率αの低
下と共に実効透磁率μeff は劣化し、ヘッド出力も低下
することが分かる。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】第二の問題はヘッドとテープ間の摩擦に関
する問題である。一般的に薄膜積層ヘッドに用いられる
セラミックは粒径が数μmの複数の相の集合体であり、
各相毎に機械的強度、熱膨張係数等の物性値が異なる。
このためVHSシステムのような高いテンションがかか
る場合、更にHi8システムで用いられる蒸着テープの
ような特殊な表面状態を有するテープにおいて、図7に
示すようなセラミック基板1bのテープタッチ領域内で
結晶粒の一部が脱落する、所謂、面粗れ14が発生す
る。
【0019】更に、図8に示すように蒸着テープの場
合、磨耗速度は膜材料の方が基板材料よりも大きいため
ヘッド摺動面に、非磁性基板1に対して積層膜3が低く
なる段差(以下、「リセス」と呼称する)が生じる。面
粗れやリセスが生じるとスペーシングロスによる出力劣
化の問題が発生する。尚、図8(a)はテープ摺動面の
平面図であり、図8(b)は図8(a)のA−Aにおけ
る断面図である。
【0020】また、LaCox Niy3 −NiCoO
2 (x+y=1,x>y)系、(LaCox Niy3
−NiCoO2 )+ZrO2 (x+y=1,x>>y)
系、(LaCox Niy3 −NiCoO2 )+ZrO
2 +CaTiO3 (x+y=1,x>>y)系のセラミ
ック基板を用いると、従来のセラミック基板を用いた場
合の第一の問題は、熱膨張係数を700℃で160×1
-7/℃とすることが可能であるため解決する。しかし
ながら、これらの基板においても粒径が数μmの複数の
相の集合体であり、各相毎に機械的強度、熱膨張係数等
の物性値が異なる。従って、従来のセラミック基板を用
いた場合の第二の問題はそのまま残ることになる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、V溝タイプの薄膜積層ヘッドにおいて結晶化ガラス
基板を用いた場合の基板の軟化変形によるアジマス精度
の劣化、ヘッドとテープの摺動で発生する摩擦帯電によ
る放電ノイズの発生、および摺動性の悪化による出力の
低下について解決すると共に、V溝タイプの薄膜積層ヘ
ッドにおいてセラミック基板を用いた場合の透磁率の低
下による出力の低下、および面粗れ、リセスの発生で生
じるスペーシングロスによる出力低下の問題を解決す
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
成されたものであって、LaO3/2 −CoO−NiO−
CaO−TiO2 の5成分を主成分とし、LaO3/2
CaOが45mol%以上、50mol%以下、且つ、
CaOとTiO2 との配合比が略1:2である非磁性基
板を用いると共に、該非磁性基板に略V字状の溝を形成
し、その斜面上に軟磁性膜を形成して構成する磁気ヘッ
ドを提供する。また、前記非磁性基板の相は、CaTi
3 相が生成することなく、略単相である構成にして上
記課題を解決する。
【0023】上述した構成を採ることにより、V溝タイ
プの薄膜積層ヘッドにおいて、結晶化ガラス基板を用い
た場合に生ずる前述した第一ないし第三の問題につい
て、および従来のセラミックを用いた場合に生じる前述
した第一ないし第二の問題について、本発明に係わるセ
ラミック基板を用いることにより解決が可能である。
【0024】まず、結晶化ガラス基板を用いた場合の第
一の問題であるアジマス精度の劣化は積層膜が基板に食
い込むことに起因するものであり、これは溶着温度によ
る基板の軟化変形が原因である。図2に示すように結晶
化ガラスの基板Aは520℃で熱膨張係数が大きく変化
する。この原因は結晶化ガラスは完全な結晶体ではな
く、非晶質ガラス部分が転位、屈伏を起こすことによ
る。即ち、溶着温度より約50℃低い温度で非晶質ガラ
ス部分の変態が起こり、基板の軟変化が生じている。本
発明に係わるセラミックの基板E、F、Gは溶着温度付
近での変態はなく、図2に示すようにその膨張は一定、
もしくは増加傾向であって、積層膜は基板に食い込むこ
とはなくアジマス精度は保証される。
【0025】また、結晶化ガラス基板を用いた第二の問
題の放電ノイズの発生はVTRドラムの高速度回転によ
るテープとヘッドの帯電摩擦が原因であり、テープとヘ
ッドの摩擦により摩擦帯電を起こさない組み合わせ、ま
た、摩擦により帯電した電化が逃げやすい構成にすると
良い。塗布型テープに用いられているバインダーは多種
の高分子材料からなり、帯電系列の中で大きくマイナス
帯電となり、一方、ガラス材は大きくプラス帯電となる
ことが知られている。このため結晶化ガラス基板は摩擦
帯電量が多い。
【0026】摩擦帯電量の測定は、例えば「セラミック
スの磨耗における摩擦帯電の影響」(佐々木信也著 機
械技術研究所所報 Vol.44,No.4,p24−
31,1990)に示されているように、一般に磨耗の
評価に用いるピンオンディスク試験を使って表面電位計
による測定方法がある。
【0027】この方法で測定を行った結果を図9に示
す。摩擦帯電量は結晶化ガラスでは同図(a)に示すよ
うに約3291Vである。一方、従来のセラミックのM
nO−NiO系では同図(b)に示すように7.3V、
CaTiO3 −NiO系では同図(c)に示すように0
Vであり、セラミックにおいて摩擦帯電は殆ど生じな
く、セラミックを基板として用いる効果は大きいことが
分かる。
【0028】また、第三の問題である結晶化ガラス基板
における出力劣化は、結晶化ガラス基板とテープとの摩
擦係数が大きいことによる。特に低温度では凝固摩擦形
態になるため摩擦抵抗が上昇し、接触点での温度上昇を
招き、ガラス部分は白濁を生じ、膜部分はブラウンスポ
ットを生じるが、セラミック基板では一般にガラスより
も摩擦抵抗が小さいのでこの問題は生じない。
【0029】一方、従来のセラミック基板を用いた場合
に生じる第一の透磁率が低く出力が低下する問題は、複
合材料の熱応力が温度差と熱膨張の差により発生するた
め、基板と軟磁性膜の熱膨張係数が一致すれば解決でき
る。従って、軟磁性膜が蒸着法によるFeAlSi膜の
場合、700℃において熱膨張係数αを膜と同等のα=
160×10-7/℃にすればよい。La−Co−Ni−
Ca−Tiを含む酸化物系セラミック基板はLaO3/2
+CaO=45〜50mol%、CaO:TiO2
1:2として、LaO3/2 とCaOの比率を変えること
により、熱膨張係数αの制御が可能であって、α=16
0×10-7/℃を得ることが可能である。
【0030】従来のセラミック基板を用いた場合に生じ
る第二の問題の面粗れ、リセスによる出力劣化は、シス
テムの異なるVTR、および使用する磁気テープにより
大きく異なる。面粗れはセラミックにおける複数の相の
磨耗速度の差により発生するものである。従来の2相以
上のセラミックにおいて、面粗れはHi8ME、S−V
HS、Hi8MP、DVCMEの順に小さくなる傾向を
示す。しかしながら単相系セラミックにおいては、セラ
ミック内の相は1つのため磨耗速度は一定であり、従っ
て面粗れの発生はない。
【0031】
【発明の実施の形態】図1に示すようにセラミックの非
磁性基板1上に軟磁性膜である蒸着法により成膜された
FeAlSi蒸着膜2が積層されていて、積層膜3が形
成されている。層間は2000ÅのSiO2 膜による絶
縁膜4を蒸着することにより絶縁されている。また、テ
ープとの摺動性を考慮して形状的にリセスの小さくな
る、走行方向に対して積層膜3を斜めになるように設定
している。
【0032】FeAlSi蒸着膜2の一層の厚みは使用
するVTRの周波数帯域により変えている。S−VH
S、Hi8システムの場合4〜5μm、民生用デジタル
VTRの場合2.5〜3.5μmとしている。トラック
幅は各システムで決定され、これにより積層数が決定さ
れる。また、ギャップ5を介した2つのコア6a、6b
は低融点の溶着ガラス7によってボンディングされてい
る。図示は省略するが巻線窓8にコイルが巻かれて支持
ベースに接着され、磁気ヘッドを構成している。ヘッド
作成方法は図4を参照して説明した方法と同一である。
【0033】本発明に係わるセラミックの基板E〜Gの
複合体組成系と熱膨張係数αを前掲の表2に示す。ま
た、基板E〜Gの配合組成を表3に示す。尚、この場
合、熱膨張係数αが160×10-7/℃近傍になる配合
を目標とし、CaTiO3 相が生成することなく略単相
となり、また、ボイドを発生せず、焼結可能な範囲とし
てこれら配合比を定めた。
【0034】
【表3】
【0035】図2に示す基板の温度に対する熱膨張係数
αの変化から、結晶化ガラスの基板Aは520で熱膨張
が低下し、その後また上昇する。この理由は前述したよ
うに、結晶化ガラスにおいて非晶質ガラス部分が転位、
屈服したため基板が軟化したことによる。一方、全ての
セラミック基板においては熱膨張の低下はなく、従って
ヘッド作成プロセスの温度範囲において変態、変形は起
こらない。
【0036】表4に基板E、Fを用いた磁気ヘッドの記
録再生出力と従来の結晶化ガラスと同等の出力のあるセ
ラミックの基板Dを用いた磁気ヘッドの記録再生出力を
示す。基板Dの出力を基準(0dB)とし、周波数0.
47MHz、10.5MHz、20MHzにおいて測定
した。磁気ヘッドの積層膜の積層数は3であって、トラ
ック幅Tw=11μm、ギャップ長G1=0.2μm、
インダクタンスL=0.85μH(周波数21MHzに
於ける)のDVC仕様である。出力はDVCテープを用
い、相対速度10.2m/secで測定した。本発明の
基板E、Fを用いたヘッドの記録再生出力の低下は1d
B以内であり、結晶化ガラスのヘッドと略同レベルの出
力が得られることが分かる。
【0037】
【表4】
【0038】尚、基板Dの実効透磁率については周波数
1MHz、5MHz、10MHzにおける値を基板Aに
対する値として、また、基板Dの記録再生出力について
は周波数1MHz、5MHz、7MHzにおける値を基
板Aに対する値としてdBで前掲の表1に記載してあ
る。
【0039】また、本発明に係わる基板E、Fを用いた
磁気ヘッドのV字溝の加工において、加工負荷が基板D
を用いたものよりも小さいものであった。従って、加工
性にも優れているものである。
【0040】従来の基板Dを用いた磁気ヘッドと本発明
に係わる基板Fを用いた磁気ヘッドを民生用デジタルV
TRについて搭載してエージングテストを行った。エー
ジング時間は500時間とし、テープは100時間ごと
に交換した。テープは1時間に相当する長さのDVC用
のMPテープを用いた。
【0041】出力は500時間エージング後に基板Fを
用いた磁気ヘッドの方が基板Dを用いたものよりも1.
5dBの出力上昇が認められた。500時間エージング
後の磨耗量は、双方とも1.2μmであった。また、リ
セスは基板Dを用いた磁気ヘッドが4nm、基板Fを用
いた磁気ヘッドが8nmであり、実用上略同等であっ
た。基板Dを用いた磁気ヘッドは面粗れが発生していた
が、基板Fを用いた磁気ヘッドにはこの発生は認められ
なかった。
【0042】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、組成がL
aO3/2 −CoO−NiO−CaO−TiO2 の5成分
を主成分とし、LaO3/2 +CaOが45〜50mol
%で、且つ、CaOとTiO2 の配合比が略1:2であ
る非磁性基板を用い、該非磁性基板に略V字状の溝を形
成し、その斜面上に軟磁性膜を形成して磁路とした磁気
ヘッドを構成することで、フェライトヘッドと同様にブ
ロック一体加工が可能であり、従来の結晶化ガラスで問
題であったアジマス精度も確保でき、生産性に優れた磁
気ヘッドが構成できる。
【0043】また、従来のセラミック基板では達成でき
なかった高い出力が得られ、従来の結晶化ガラスで問題
であった放電ノイズの発生がない磁気ヘッドが構成でき
る。
【0044】更に、組成がLa−Co−Ni−Ca−T
iを含む酸化物系の非磁性基板をCaTiO3 相が生成
することなく、略単相構造とすることにより、面粗れの
ない優れた摩擦特性を有する磁気ヘッドを構成すること
ができる。
【0045】従って、上述したようにV溝タイプの薄膜
積層ヘッドにおいて、La−Co−Ni−Ca−Tiを
含む酸化物系基板は、如何なる種類のVTR、およびテ
ープに対しても用いることが可能であり、更に高密度化
が進む磁気記録再生装置に好適であって工業的利用価値
が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気ヘッドのヘッドチップコアの構
造を示す斜視図である。
【図2】 各基板と温度の熱膨張係数の関係を示すグラ
フである。
【図3】 従来のラミネート型薄膜積層ヘッドのヘッド
チップコアの構造を示す斜視図である。
【図4】 V溝型薄膜積層ヘッドの製造方法を示す図で
ある。
【図5】 従来の結晶化ガラス基板を用いた磁気ヘッド
における膜の基板への食い込みを示す図である。
【図6】 従来の結晶化ガラス基板を用いた磁気ヘッド
における塗布型テープ走行時の摺動面の劣化現象を示す
図である。
【図7】 セラミック基板のテープ走行時における摺動
面の面粗れを示す図である。
【図8】 リセスを示す図である。
【図9】 ピンオンディスク装置を用いて表面電位計で
摩擦帯電量を測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 非磁性基板 1a 結晶化ガラス基板 1b セラミック基板 2 FeAlSi蒸着膜 3 積層膜 4 絶縁膜 5 ギャップ 6a、6b 磁気ヘッドコア 7 溶着ガラス 8 巻線窓 9 ヘッドチップコア 10 V溝 11 ピース 12 白濁 13 ブラウンスポット 14 面粗れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北谷 明雄 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 木村 喬 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 山田 信行 東京都千代田区丸の内2丁目1番2号 日 立金属株式会社内 (72)発明者 角田 健一 東京都千代田区丸の内2丁目1番2号 日 立金属株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LaO3/2 −CoO−NiO−CaO−
    TiO2 の5成分を主成分とし、LaO3/2 +CaOが
    45mol%以上、50mol%以下、且つ、CaOと
    TiO2 との配合比が略1:2である非磁性基板を用い
    ると共に、 該非磁性基板に略V字状の溝を形成し、その斜面上に軟
    磁性膜を形成して構成することを特徴とする磁気ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記非磁性基板の相は、CaTiO3
    が生成することなく、略単相であることを特徴とする、
    請求項1に記載の磁気ヘッド。
JP9119591A 1997-05-09 1997-05-09 磁気ヘッド Pending JPH10312508A (ja)

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