JPH10310658A - ポリカーボネート系樹脂発泡体 - Google Patents
ポリカーボネート系樹脂発泡体Info
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- JPH10310658A JPH10310658A JP9139229A JP13922997A JPH10310658A JP H10310658 A JPH10310658 A JP H10310658A JP 9139229 A JP9139229 A JP 9139229A JP 13922997 A JP13922997 A JP 13922997A JP H10310658 A JPH10310658 A JP H10310658A
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Abstract
いポリカーボネート系樹脂発泡体を提供する。 【解決手段】 芳香族ポリカーボネート系樹脂を主成分
とする基材(アクリル系樹脂との混合樹脂が好まし
い。)からなる密度0.04〜0.5g/cm3の発泡
体であって、該発泡体中のビスフェノール系化合物の含
有量が500ppm以下であることを特徴とするポリカ
ーボネート系樹脂発泡体。
Description
系樹脂発泡体に関するものであり、更に詳しくは耐加水
分解性が良好で発泡体の強度低下や外観低下が改善され
たポリカーボネート系樹脂発泡体に関するものである。
温脆性、耐熱性、耐老化性、耐水性、電気特性、機械的
物性に優れていることから、自動車や建造物の内装材、
食品や機械部品の包装材等への用途展開が期待されてい
る。ところが、このように期待されているポリカーボネ
ート系樹脂発泡体においても、耐加水分解性が劣ると云
う未だに解決されていない課題がある。
しては、例えば住友ダウ社製ポリカーボネート系樹脂に
みられるように、該樹脂中の残存塩化メチレン量を低減
することにより改善する方法等が挙げられる。しかし、
ポリカーボネート系樹脂自体の耐加水分解性は上記の方
法等で改善されてはいるものの、押出機を使用して得ら
れた発泡体においては、たとえ耐加水分解性に優れる樹
脂を使用しても、耐加水分解性は改善されず、経時とと
もに発泡体の機械的物性低下、発泡体表面の黄変という
問題を有するものであった。
ネート系樹脂発泡体の加水分解が原因と考えられる、経
時による機械的強度の低下及び発泡体表面の黄変による
外観低下が改善されたポリカーボネート系樹脂発泡体を
提供することを目的とする。
ボネート系樹脂自体において耐加水分解性が改善されて
いるにもかかわらず、発泡体においては耐加水分解性が
十分なものが得られない原因を検討した結果、耐加水分
解性が不十分なものは、発泡体中のビスフェノールA等
のビスフェノール系化合物成分の含有量が多いことを突
き止め、このビスフェノール系化合物成分が経時による
加水分解を進行させ発泡体の機械的物性の低下等を引き
起こしていることを見い出した。また、発泡体中のビス
フェノール系化合物成分の含有量を低下させるために
は、ポリカーボネート系樹脂と特定の樹脂との混合樹脂
を基材とすることにより、発泡体中のビスフェノール系
化合物成分の含有量が飛躍的に減少し、耐加水分解性が
改善されることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
ーボネート系樹脂を主成分とする基材からなる密度0.
04〜0.5g/cm3の発泡体であって、該発泡体中
のビスフェノール系化合物の含有量が500ppm以下
であることを特徴とするポリカーボネート系樹脂発泡体
が提供される。また、本発明によれば、前記基材が、芳
香族ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹脂との混合
樹脂であることを特徴とする前記ポリカーボネート系樹
脂発泡体が提供される。更に、本発明によれば、前記混
合樹脂の芳香族ポリカーボネート系樹脂とアクリル系樹
脂との混合割合が、芳香族ポリカーボネート系樹脂10
0重量部に対してアクリル系樹脂が0.3〜10重量部
であることを特徴とする前記ポリカーボネート系樹脂発
泡体が提供される。更にまた、本発明によれば、厚みが
0.3〜7mmの押出発泡体であることを特徴とする前
記ポリカーボネート系樹脂発泡体が提供される。
説明する。本発明におけるポリカーボネート系樹脂発泡
体の基材は、前記したように芳香族ポリカーボネート系
樹脂を主成分とするものである。具体的には、芳香族ポ
リカーボネート系樹脂単独、又は芳香族ポリカーボネー
ト系樹脂を主成分とし、アクリル系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、そ
の他の樹脂から選ばれる1種又は2種以上を副成分とす
る混合樹脂からなるものである。この内、アクリル系樹
脂は発泡体中のビスフェノール系化合物の含有量の低減
・抑制効果を有するため、芳香族ポリカーボネート系樹
脂を主成分とし、少なくともアクリル系樹脂を副成分と
する混合樹脂を基材とするものが特に好ましい。尚、上
記基材中の主成分である芳香族ポリカーボネート系樹脂
の含有量は、基材の50重量%以上、好ましくは70〜
100重量%である。
基材の主成分として使用される芳香族ポリカーボネート
系樹脂は、炭酸成分と、少なくともビスフェノール系化
合物を含む芳香族ジオール成分またはこれを主とするジ
オール成分から形成されるポリ炭酸エステル、或いはそ
れらの混合物である。この内、分子鎖にジフェニルアル
カンを有する芳香族ポリカーボネート系樹脂は結晶性が
高く高融点の上に、耐熱性、耐侯性及び耐酸性に優れて
いる点で好適である。このようなポリカーボネート系樹
脂としては、2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロ
パン(別名ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−オ
キシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−オキシフェ
ニル)イソブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニ
ル)エタン等のビスフェノール系化合物から形成される
ポリカーボネート系樹脂が例示される。
分とする基材は、動的粘弾性試験によって与えられる貯
蔵弾性率が特定の値を示すものが押出発泡において発泡
性、目的寸法等の制御性の面で優れるため好ましい。す
なわち、250℃の温度条件下で振動歪みを与える動的
粘弾性測定において、貯蔵弾性率G’〔dyn/c
m2〕と角周波数ω〔rad/sec〕との関係を下記
回帰式(1)で表した場合、角周波数ω=100〜101
〔rad/sec〕の範囲における貯蔵弾性率G'の傾
きBが0〜2.0の範囲にあり、切片A(ω=10゜の
時のG'の値)が2.0〜5.0の範囲にあるものが好
ましい。 G'=A×ωB ・・・(1)
弾性測定機(例えばレオメトリック・サイエンティフィ
ック・エフ・イー社製のダイナミックアナライザーSR
200型等)により測定することができる。貯蔵弾性
率:G'の傾き値とは、250℃に温度を保持した状態
で、線形領域内において角周波数:ωを変化させて動的
粘弾性測定を行って得た貯蔵弾性率:G'の対数値を縦
軸に、G'に対応するωの対数値を横軸にプロットした
結果より求めることができる。
2mmの測定用サンプル樹脂板を調製し、このサンプル
を動的粘弾性測定機の直径25mmのパラレルプレート
間に挟んで250℃に昇温し、更に約10分間放置した
後、線形領域内(応力1×104dyn/cm2)で行っ
た。本発明における貯蔵弾性率:G'の傾き値とは、上
記のようにして求めたG'の対数値を縦軸に、G'に対応
するωの対数値を横軸にプロットし、ベキ乗回帰計算に
より、前記回帰式のAの値として切片が、Bの値として
傾きが求められる。尚、ω=100〜101の範囲におけ
るωとG'との値は対数値のグラフ上においてほぼ等間
隔に選択される5点以上のデータを基に算出するものと
する。
して250℃を選定した理由は次の通りである。即ち、
ダイスリップ内での発泡剤を含む樹脂の粘性挙動より求
められる樹脂のダイスリップ内の見かけ粘度とフローテ
スタの等速昇温試験(装置:島津フローテスタCFT−
500、オリフィス:直径1mm、ランド長:2mm、
荷重:10kg、昇温速度:5℃/分)によって求めら
れる樹脂の250℃における見かけ粘度とがほぼ一致す
るため、動的粘弾性の測定温度を250℃に選定した。
脂が発泡する際に形成される気泡が破れ良好な発泡体を
得ることが困難となる可能性があり、一方、切片Aが
5.0を越える場合は、樹脂の弾性が大きすぎる為、発
泡が困難となる可能性がある。又、上記G'の傾きBが
0未満の場合はなく、Bが2.0を越える場合は、気泡
を維持する力が急激に低下することにより破泡を起こし
満足な発泡体を得られなくなるおそれがある。更に、上
記切片Aの好ましい範囲は2.5〜4.0であり、傾き
Bの好ましい範囲は1.0〜2.0、更に好ましくは
1.5〜2.0であり、切片A及び傾きBがこのような
範囲にある場合は、気泡の均一性、独立気泡率等の発泡
体物性に影響する気泡構造において、より良好な発泡体
を得ることができる。
泡体の基材として芳香族ポリカーボネート系樹脂とアク
リル系樹脂との混合樹脂を使用する場合、芳香族ポリカ
ーボネート系樹脂と混合されるアクリル系樹脂として
は、メタクリル酸、メタクリル酸メチル等のメタクリル
酸エステル、アクリル酸、またはアクリル酸メチル等の
アクリル酸エステルを原料単量体とする単独重合体、或
いはこれら単量体を原料単量体の主成分とする共重合
体、及びそれらの変性物、アクリロニトリル・ブタジエ
ン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共
重合体等が挙げられる。
ート系樹脂とアクリル系樹脂との混合割合は、芳香族ポ
リカーボネート系樹脂100重量部に対してアクリル系
樹脂が0.3〜10重量部であることが好ましい。アク
リル系樹脂が0.3重量部未満の場合は、飛躍的な耐加
水分解性改善効果が発揮されない可能性があり、一方、
10重量部を越えるとポリカーボネート系樹脂の流動性
が変化してしまい安定した発泡ができなくなるおそれが
ある。
製造するために使用される発泡剤は、無機発泡剤、揮発
性発泡剤、分解型発泡剤のいずれも使用可能であるが、
押し出し発泡法の場合は分解型発泡剤を使用すると発泡
倍率の高い発泡体を得ることが難しいため、無機発泡剤
や揮発性発泡剤を使用するのが好ましい。無機発泡剤と
しては、二酸化炭素、空気、窒素等が好ましく用いられ
る。揮発性発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i
−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ヘキサン等の
低級脂肪族炭化水素;シクロブタン、シクロペンタン等
の低級肪環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール等の脂肪
族低級一価アルコール;アセトン、メチルエチルケトン
等の低級脂肪族ケトン;1−クロロ−1,1−ジフルオ
ロエタン、ペンタフルオロエタン、1,1,1,2−テ
トラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン等の低
沸点ハロゲン化炭化水素;等が例示される。
混合して使用可能であり、例えば無機発泡剤と揮発性発
泡剤のように異なった型の発泡剤の併用も可能である。
発泡剤の使用量は発泡剤の種類や所望する発泡倍率によ
っても異なり、発泡倍率によって該発泡体の密度が定ま
るから、主に所望する発泡体の密度によって発泡剤の使
用量を定める。そして、本発明の発泡体は密度0.04
〜0.5g/cm3、好ましくは0.06〜0.5g/
cm3である。また、耐加水分解性に影響するビスフェ
ノール系化合物の含有量が多くなりやすい高密度のもの
程、耐加水分解性改善効果が顕著である為、発泡体密度
を0.15〜0.5g/cm3とするのが更に望まし
い。なお、本発明の発泡体密度が0.04g/cm3未
満では成形品の強度が小さすぎるし、密度が0.5g/
cm3を超えると断熱性低下や重量増加の上に製造原価
も増加する。このような点から必要な発泡剤量は樹脂1
kg当り揮発性発泡剤では0.05〜2.0モル、無機
発泡剤では0.05〜7モル程度である。
脂を円滑に発泡させるために、樹脂と発泡剤との溶融混
練物中に必要に応じて気泡調整剤を添加することができ
る。この場合の気泡調整剤としては、タルクやシリカ等
の無機粉末、多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボン酸
と炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムとの混合物等が
好ましい。その添加量は、樹脂100重量部当り0.0
1〜1.0重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部
とするのが良い。
侯性向上剤、着色剤、ゴム成分等のように、通常の発泡
体に添加される公知の添加剤を添加することができる。
500ppm以下であるポリカーボネート系樹脂発泡体
は、例えば基材の芳香族ポリカーボネート系樹脂を主成
分とする基材を押出機を使用して高温高圧下で前記発泡
剤と溶融混練し発泡性溶融体とし、該溶融体を押出機先
端のダイス部より低圧域に押出して発泡体とする。ま
た、押出機ダイス部形状は目的の発泡体形状に応じて任
意に選択すればよく、例えば、板状発泡体を得ようとす
る場合は、フラットダイスを使用し、また、シート状発
泡体を得ようとする場合はサーキュラーダイスやフラッ
トダイスの中でも特にT型ダイスを使用すれば良い。特
に発泡シートを製造する場合はサーキュラーダイスを使
用して押出発泡する方法が広幅のものが得られる為好ま
しい。
ビスフェノール系化合物含有量は、前記したように50
0ppm以下であり、好ましくは350ppm以下、更
に好ましくは100ppm以下である。このように、ポ
リカーボネート系樹脂発泡体のビスフェノール系化合物
の含有量を低減・抑制する方法としては、特に制限がな
く、低剪断型デザインの押出機スクリューを使用する方
法、ポリカーボネート系樹脂をドライホッパー等を使用
して十分乾燥させて押出機に供給する方法、押出機に真
空ベントを単数もしくは複数設けて吸引する方法等を使
用することができる。また、前記したように、特に芳香
族ポリカーボネート系樹脂にアクリル系樹脂を混合した
ものを基材として押出発泡する方法を使用することがで
き、この場合は、上記のスクリューデザイン、基材の十
分な乾燥、ベント等の操作と比較して格段に発泡体中の
ビスフェノール系化合物の含有量を低減・抑制する効果
がある。そして、これらの方法を2種以上組み合わせて
行なうことにより、発泡体中のビスフェノール系化合物
の含有量を低減・抑制する効果を更に向上させることが
できる。
は0.3〜50mmが好ましく、特に発泡シートにおい
ては0.3〜7mmであることが好ましい。発泡体の厚
みが0.3mm未満の場合は発泡体及びその成形体の強
度において不十分なものとなり、発泡体厚みが7mmを
越える場合は熱成形が難かしく、主に板状発泡体として
の用途に使用される。発泡体の厚みが50mmを越える
場合は発泡体の表面状態等の不良が生じ良好なものが得
られない。
は、耐加水分解性に悪影響を与えるビスフェノール系化
合物の含有量が少ないものであるため、耐加水分解性に
優れ、加水分解が原因と考えられる発泡体の経時による
機械的強度の低下、黄色に着色して行く黄変が改善され
る。
ーボネート系樹脂発泡体は、ポリカーボネート系樹脂本
来の特性を十分発揮した発泡体であり、そのままでも板
材やシート材として使用することができる。しかし、更
に発泡体の機械的強度を強くする必要がある場合には、
該発泡体の両面又は一方の面に熱可塑性樹脂を積層する
のが好ましい。そして、この場合の熱可塑性樹脂として
は、発泡体との接着性が良いポリカーボネート系樹脂を
使用するのが好ましく、該ポリカーボネート系樹脂には
回収樹脂を使うことができる。すなわち、この場合の積
層樹脂として新樹脂を使っても回収樹脂を使っても発泡
体強度はほとんど変らない。また、同様の目的で、本発
明のポリカーボネート系樹脂発泡体とガラス繊維や炭素
繊維等で強化された不飽和ポリエステル樹脂や熱可塑性
樹脂又は熱硬化性樹脂からなる積層材とを積層すること
もできる。
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるも
のではない。
的粘弾性測定における角周波数ω=100〜101〔ra
d/sec〕の範囲における貯蔵弾性率G'〔dyn/
cm2〕がG'=AωB(A=3.3、B=1.7)の関
係にあるポリカーボネート系樹脂100重量部に表1に
示す量のメタクリル酸メチル樹脂を混合し、更にタルク
を0.02重量%加えて押出機内で加熱、溶融、混練
し、発泡剤としてn−ペンタンを混合樹脂1kgに対し
て0.23モル押出機内へ圧入し、樹脂温度210〜2
20℃で押出機先端のサーキュラーダイスより発泡剤を
含有した溶融樹脂を押出し、管状発泡体とし、該発泡体
の内部及び外部を空気により冷却しながら円柱状の冷却
装置外周側面上に引き取り、その後押し出し方向に切り
開いてシート状の発泡体とした。尚、各実施例において
運転条件として押出機に設けられているベント口からの
真空ベントの有無、押出機供給原料乾燥の有無、押出機
のスクリュー形状として低剪断タイプのものと通常使用
される高剪断タイプのものを使用し低剪断スクリュー使
用と高剪断スクリュー使用(表1には低剪断スクリュー
未使用と表示)とに分け、それぞれを表1に示した。得
られた発泡体の密度、厚み、引張り伸び、YI値を以下
の測定方法により測定、評価し、表1に示す。
体1.0gを200mlの三角フラスコにいれジクロロ
メタン20mlを加える。発泡体を溶解させた後に撹拌
しながらアセトン100mlを滴下し、3000rpm
で10分間遠心分離を行なう。その後、上澄液を減圧濃
縮器にて約2mlになるまで濃縮をする。次いでアセト
ニトリル10mlを加え、更に水を加え20mlとす
る。その溶液より1mlを採取し孔径0.5μm以下の
メンブランフィルターでろ過し、試験溶液とする。この
試験溶液中のビスフェノール系化合物量を液体クロマト
グラフィー装置を使用し検量線に基づき定量する。 〈引張り伸び及びYI値〉加水分解性テスト条件とし
て、温度120℃、相対湿度99%の条件下で0時間
(ブランク)、72時間、132時間放置後の発泡体の
引張り伸び及び黄変の度合(YI値:値が大きい程、黄
色の着色度が大きい)を調べた。測定条件については以
下の通りである。 引張り伸び JIS K6767に準拠し、標線間40mm、つかみ
治具間70mm、引張り速度100mm/minの条件
で(株)東洋ボールドウィン社製UTMIII型の装置に
て測定した。 YI値 ASTM E313に準拠し、(株)カラーテクノシス
テム社製コンパクト色彩計X−Rite948Lにて測
定した。
同様にしてシート状の各発泡体を得た。これらの発泡体
の物性についても実施例1〜6と同様に測定し、表1に
示す。
〜3で得られたシート状発泡体とを比較すると、両者は
一見全く遜色ないものであったが、スチーム等条件下で
の加水分解性テスト結果を示す0時間、72時間、13
2時間後の発泡シートの引張り伸びやYI値のデータよ
り明らかなように、比較例のものが経時とともに、黄変
の度合が大きくなり外観が低下し、また、引張り伸びの
値も低下の度合が大きく機械的物性の低下が見られるの
に対し、実施例のものは、このような外観の低下や機械
物性の低下の度合が極めて少なく、耐加水分解性に優れ
ていることが判る。そして、比較例のシート状発泡体は
発泡体中のビスフェノールA成分の含有量が多く、発泡
体中のビスフェノールA成分の含有量が多いものは、加
水分解が促進され、外観、発泡体物性の低下が起きてい
ると考えられる。また、実施例、比較例より、発泡体中
のビスフェノールA含有量と押出発泡体操作における原
料乾燥、真空ベント、押出機スクリューによる剪断の運
転条件との関係において、運転条件を変えるとビスフェ
ノールA含有量が変化していることより、これらは関連
性があることが判るが、実施例1〜6、特に実施例6よ
り、アクリル系樹脂を混合することにより、運転条件の
影響を上回る飛躍的なビスフェノールA含有量低減・抑
制効果が得られることが判る。
は、発泡体を得る際に発生し、発泡体の耐加水分解性低
下の原因となる発泡体中のビスフェノール系化合物含有
量を低減・抑制したものである為、発泡体の耐加水分解
性を向上させることができ、発泡体の経時による黄変に
よる外観低下、引張り伸び等の機械的物性低下を改善す
ることができる。また、特に芳香族ポリカーボネート系
樹脂とアクリル系樹脂との混合樹脂を基材とする場合、
発泡体中のビスフェノール系化合物含有量を飛躍的に低
減・抑制された発泡体となり、外観低下、機械的物性低
下に対し飛躍的な改善効果が得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 芳香族ポリカーボネート系樹脂を主成分
とする基材からなる密度0.04〜0.5g/cm3の
発泡体であって、該発泡体中のビスフェノール系化合物
の含有量が500ppm以下であることを特徴とするポ
リカーボネート系樹脂発泡体。 - 【請求項2】 前記基材が、芳香族ポリカーボネート系
樹脂とアクリル系樹脂との混合樹脂であることを特徴と
する請求項1記載のポリカーボネート系樹脂発泡体。 - 【請求項3】 前記混合樹脂の芳香族ポリカーボネート
系樹脂とアクリル系樹脂との混合割合が、芳香族ポリカ
ーボネート系樹脂100重量部に対してアクリル系樹脂
が0.3〜10重量部であることを特徴とする請求項2
記載のポリカーボネート系樹脂発泡体。 - 【請求項4】 厚みが0.3〜7mmの押出発泡体であ
ることを特徴とする請求項1、2又は3記載のポリカー
ボネート系樹脂発泡体。
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