JP3907077B2 - ポリカーボネート樹脂連続気泡型板状押出発泡体 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂連続気泡型板状押出発泡体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気泡構造が連続気泡型であるポリカーボネート樹脂発泡体に関し、高い耐熱性、耐老化性、耐水性、通気性、透水性、吸着性、吸音性、電気的及び機械的性質により、種々の用途、例えば高温環境下における軽量構造材、断熱材、緩衝材等の用途に用いられる発泡体に関するものである。特に、真空断熱材用途に使用した場合、従来の無機系の充填材に比べ、著しく軽量化できる特徴を有する発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂発泡体は耐熱性、耐老化性、耐水性が高く、電気的及び機械的性質も良好であり、自動車や建築用内装材、包装材、各種容器への用途展開が期待されている。特に、高い耐熱性、耐老化性、耐水性、自消性及び優れた機械的性質の要求される、建材用途の軽量構造材、断熱材、内装材などに幅広く用途が期待されている。
このようにポリカーボネート樹脂発泡体は利用価値が高いが、樹脂の流動開始点が高く、溶融粘度も高いことから、高温高圧条件下での押出発泡を強いられ、一方該条件下では溶融張力が小さいため、通常の押出発泡法では所望の発泡ボードを得ることは困難である。そのため、沸点50〜150℃のイソパラフィンを発泡剤とする方法(特公昭47−43183号公報)等が提案されている。だが、これらの方法により得られる発泡体は、機械的強度に欠け、厚みにおいても不十分な物であるなどの問題を抱えていた。
【0003】
本発明の目的とする連続気泡構造の発泡体に関しては、シート状のポリカーボネート樹脂に発泡剤を含浸させて加熱発泡する方法(特開平7−33094号公報)も提案されている。ただ、この方法で得られる連通気泡を有するポリカーボネート発泡体は、高圧下で物理発泡剤を含浸させる必要があり、含浸には高圧容器が使用され、含浸工程に時間がかかるという問題があり、また含浸発泡では十分な厚み発泡倍率が得られないという難点がある。更に、バッチ操作による発泡工程であり、設備的、コスト的にもかなり問題を抱えている。しかも、上記発明により得られたものは、発泡剤を樹脂シートに含浸させて発泡する方法であるため、必然的に気泡構造が微細な多面体構造のものとなり、特定の圧縮強度を得るためには、気泡径を1〜20μmの微細なものとしたり、発泡倍率を低くしなければならないなどの制約を伴うものであった。
【0004】
また、射出成形金型を使用する射出発泡による板状発泡体を製造することはできるものの、やはりバッチ操作による発泡工程であり、発泡体の寸法変更においても金型を作り直さなければならず、発泡体の表面には厚い非発泡層が形成され、通気性を有するものは製造することが困難であった。
【0005】
このように前述の方法で製造される発泡体は、製造工程、発泡体寸法等に関して、かなりの制約を抱えており、連続的に製造可能な押出発泡法と比較してコスト高になる上に、製造過程で厚み、強度、通気性の全てを満足するものは得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術より見られる前記問題を解決し、押出発泡法により従来得ることが難しかった高い厚み、高い倍率を有し、且つ圧縮強度においても優れ、連続気泡型の気泡構造により通気性のある、軽量構造材、通気性断熱材、真空断熱材用芯材等に好適なポリカーボネート樹脂連続気泡型板状押出発泡体を提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来技術より見られる前記問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特に気泡を1〜20μmの微細構造に調整すること無く、充分な厚み、発泡倍率を有し、通気性、圧縮強度に優れ、高エネルギー緩衝材、断熱材、建築材料、真空断熱材用の芯材等として好適なポリカーボネート樹脂連続気泡型板状押出発泡体を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明によれば、第一に、連続気泡率が60%以上、密度が30〜600kg/m、厚みが10〜50mm、平均気泡径が100μm以上で、且つ10%圧縮強度が3kg/cm以上であり、ダイスから押出された発泡体を、押出発泡直後に、成形装置に接触通過させることにより製造されたものであることを特徴とするポリカーボネート樹脂連続気泡型板状押出発泡体が提供される。第二に、厚み方向垂直断面の気泡形状が少なくとも板状発泡体表面から500μmの範囲内において、略球状で且つ平均気泡径が50〜200μmであることを特徴とする上記第一に記載したポリカーボネート樹脂連続気泡型板状押出発泡体が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の板状発泡体は連続気泡率が60%以上であり、好ましくは80%以上である。連続気泡率が60%未満の場合は、通気性、吸音性、真空断熱材用芯材使用時の真空保持性において不十分なものとなる。
【0010】
尚、本発明における連続気泡率の値は、エアピクノメーター法(空気比較式比重計による方法)に準拠し、下記式により算出したものである。
【数1】
Figure 0003907077
但し、式中Fo、Va、Vx、ρf、ρsは次のことを表す。
Fo:連続気泡率(%)
Va:発泡体見掛け容積(cm3
Vx:発泡体実容積(cm3
ρf:発泡体密度(g/cm3
ρs:ポリカーボネート樹脂密度(g/cm3
【0011】
また、本発明の板状発泡体は平均気泡径が100μm以上のものであり、好ましくは500〜3000μmのものである。平均気泡径が100μm未満の場合は、気泡を構成する気泡膜の厚みが薄いものとなり、高い発泡倍率のものを得る場合に単位密度当たりの圧縮強度が小さなものとなってしまい、低密度の発泡体において高い圧縮強度のものが得られない。
【0012】
次に、本発明の板状発泡体の気泡構造について説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂連続気泡型板状押出発泡体は、厚み方向垂直断面の気泡形状が上下表層において略球状をしていることが好ましい。また、表層は0.5〜3mmの厚みで形成され、平均気泡径50〜200μmであることが、板状発泡体の表面平滑性、表面のクッション性、風合いに優れたものとなるため好ましい。表層以外の中央層においては、図1及び図2に示されるように、表層と同様に略球状の気泡形状を示すものや、厚み方向に延ばされた隋円球状の気泡形状を示すもの等、発泡体全体の柔軟性、機械的強度等の発泡体の使用目的に応じて調整される。尚、ポリカーボネート樹脂発泡体は発泡温度付近での粘弾性変化が大きいため、厚み方向中心部の芯層で残存する熱により図2に示すように帯状に気泡が座屈することがあるが、特に板状発泡体の機械的強度に悪影響を及ぼすことはない。また、中央層の平均気泡径(但し、図2に示される芯層のような気泡が座屈した部分は除く)は200〜2000μm、特に300〜1000μmであることが、断熱性、機械的強度、特に圧縮強度において優れたものが得られるため好ましい。
【0013】
尚、本発明における平均気泡径とは20〜100倍の顕微鏡や、電子顕微鏡写真にて、発泡体押出方向垂直断面及び幅方向垂直断面を観察し、ASTM D−3576に準拠し、上記断面の気泡を垂直方向及び水平方向に横断する線分の長さ(L)と該線分に横断される気泡の数(N)を基にL/Nで求められる各断面の水平方向及び垂直方向の平均気泡径の総平均値として算出した値である。
【0014】
本発明の発泡体の発泡体密度は30〜600kg/m3である。密度が30kg/m3未満の場合、発泡体強度が極端に弱くなる傾向にあり、逆に発泡体密度が600kg/m3を超えると、発泡体は重くなり、軽量化の割含が小さくなる傾向にあるためである。本発明の発泡体密度は、好ましくは40〜460kg/m3、より好ましくは50〜300kg/m3の範囲である。
【0015】
本発明の発泡体の厚みは10〜50mmである。発泡体厚みが小さすぎる場合、発泡体の気泡径並びに連続気泡率を調整することが難しく、気泡の破壊による近接する気泡との合体が原因の巨大気泡の形成や、気泡破壊が原因の発泡剤の抜けによる気泡の潰れや、気泡骨格の座屈などが発生し、断熱性に欠けるものしか得られなくなる。発泡体厚みが大きすぎる場合、当然それに必要な口金のクリアーに設定しなければならないが、そのため、ダイス先端での圧力保持が難しく、落圧などにより表面に凹凸のある外観の悪い発泡体となるおそれがある
【0016】
本発明のポリカーボネート樹脂発泡体の圧縮強度は、3.0kg/cm2以上である必要がある。一般的に真空断熱材の充填材として使用した場合、10-1Torr以上の減圧度で使用される。例えば、一般的に真空断熱材用途に使用される素材として、連続気泡を有するポリウレタン発泡体があるが、ポリウレタン発泡体の場合、連続気泡構造にすることにより極端に圧縮強度が低下することが知られている。ところが、本発明の発泡体の場含、圧縮強度が高いことにより、従来のポリウレタン発泡体と比較して、発泡体の密度を低くすることが可能となり、真空断熱材として有利に用いられる。また、通気性軽量構造材等その他の用途においても、軽量性と圧縮強度を兼ね備えることは有意義なことである。本発明のポリカーボネート樹脂発泡体の圧縮強度は、好ましくは5.0kg/cm2以上である。尚、上記圧縮強度はJIS K7220による10%圧縮強度の値である。
【0017】
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂としては、例えば、2、2−ビス(4−オキシフェニル)プロパン、2、2−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1、1−ビス(4−オキシフェニル)シクロヘキサン、1、1−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1、1−ビス(4−オキシフェニル)イソブタン、1、1−ビス(4−オキシフェニル)エタン等のビスフェノールから誘導される芳香族ポリカーボネートが耐熱性で優れている点で好適である。また、本発明の目的、効果を逸脱しない範囲において、その他の樹脂をポリカーボネート樹脂に添加することができる。
【0018】
また、本発明で用いる発泡剤は、揮発性発泡剤が使用される。発泡剤としては脂肪族炭化水素が好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の低級脂肪族炭化水素、またシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの低級脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの低級芳香族炭化水素、メタノール、エタノールなどの脂肪族低級一価アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン、1−クロロ−1、1−ジフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、1、1、1、2−テトラフルオロエタン、1、1−ジフルオロエタン、エチレンクロライド、メチレンクロライド、エチルクロライド、メチルクロライド等の低沸点ハロゲン化炭化水素等が例示される。
以上に詳記した発泡剤は、単独又は2種以上混合して使用可能であり、他の発泡剤についても適宜添加してもよい。
【0019】
また、添加剤としては熱可塑性樹脂の成形に一般的に使用されている各種添加剤を用いることは可能である。例えば、可塑剤、滑剤、またタルク、クレー、シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、クエン酸−重炭酸ナトリウム混合物等の造核剤等が挙げられる。
【0020】
以下、本発明のポリカーボネート樹脂連続気泡型板状押出発泡体を製造する方法について説明する。本発明の板状押出発泡体を得るためには、例えば前述のポリカーボネート樹脂及び発泡剤からなる混合物を、ダイスの樹脂押出口が水平なフラットダイス又は縦型スリットが多数並列に設けられているスリットダイスを通して高圧帯域から低圧帯域へ押出し発泡体を得る。更に、押出発泡直後に、押出発泡体表面を大気に開放された上下板又は上下ベルトコンベアーからなる成形装置に接触通過させることにより、表面平滑性が良好で厚み及び発泡倍率の高い板状発泡体が得られる。また、本発明の発泡体は連続気泡型のものであり、連続気泡率の調整は押出発泡温度、気泡調整剤、滑剤等の添加剤量、発泡剤量、発泡剤の溶解度パラメーター値、押出発泡直後の冷却、上記成形装置通過時の発泡体圧縮量又は展開量や上記成形装置の冷却等により調整される。
【0021】
また、本発明の発泡体を製造する上で、前述のポリカーボネート樹脂の中でも特に以下の粘弾性特性を有するものが好ましい。
すなわち、250℃の温度条件下で振動歪みを与える動的粘弾性測定において、角周波数ω=10-1〜101〔rad/sec〕の範囲での貯蔵弾性率G′〔dyn/cm2〕が下記近似式の関係を満足するポリカーボネート樹脂である。
【数1】
logG′=α・logω+β
α=0〜2.0
β=2.20〜6.50
(但し、α及びβはlogω=−1、logω=1に対応するlogG′の2点間の傾き及び切片である)
【0022】
更に好ましいのは、250℃の温度条件下で振動歪みを与える動的粘弾性測定において、角周波数ω=10-1〜101〔rad/sec〕の範囲でのtan(δ)の値が1乃至100の範囲内にあるポリカーボネート樹脂である。
α及びβ、更にtanδの値が上記範囲内のものは、厚み及び倍率において高いものを容易に製造することができる。
【0023】
尚、α及びβ、更にtanδの値は、下記のようにして求められる。
α及びβの値:
動的粘弾性装置[ダイナミックアナライザーSR200型(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)]を使用し、温度を250℃一定にし、線形領域内のおいて角周波数ω〔rad/sec〕を変化させ、貯蔵弾性率G′〔dyn/cm2〕を求め、縦軸にlogG′、横軸にlogωとしたグラフ上に曲線を得る。次に、logω=−1及びlogω=1の時のlogG′の値を曲線上から読み取り、その2点の値を基にlogG′=α・logω+βの一次式に近似し、該近似式で与えられる2点間の傾きをα、近似式の切片をβとする。なお、厚さ約2mmの測定サンプル樹脂板を直径25mmのパラレルプレート間に挟んで250℃に達するまで約10分間放置し、応力制御方式により線形領域内(応力2×104dyn/cm2)で測定を行なう。
【0024】
tan(δ)の値:
ダイナミックアナライザーSR200型(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)を使用し、温度を250℃一定にし、線形領域内において角周波数ω〔rad/sec〕を変化させ、貯蔵弾性率G′を求めるのと同様にしてtan(δ)=G″/G′を求める。
【0025】
また、前述の気泡構造を有する板状押出発泡体を得るための方法としては、例えば以下の方法が採用される。
図2の気泡形状のものを得るためには、押出機のフラットダイスから押出発泡直後に上下板からなる成形装置に接触通過させ、更に該成形装置を冷却調整して発泡体表面を接触冷却する方法が採用される。尚、成形装置の上下板の間隔を狭くすると板状発泡体垂直断面の中心線付近(水平方向)の気泡が座屈、溶融してできた発泡倍率の低い芯層が形成される。また、成形装置の冷却と上下板の間隔、発泡体の引取り速度の調整により、表層の厚みを調整することができる。
【0026】
一方、図1の気泡形成のものを得るためには、基材樹脂であるポリカーボネート樹脂の粘弾性の調整が必要となり、前述の動的粘弾性試験により与えられるtanδの値が、角周波数ω=10-1〜101〔rad/sec〕の範囲内で1〜90であるものが好ましく使用され、押出発泡直後に上下板又は上下ベルトコンベアーからなる成形装置を接触通過させる方法が採用される。
【0027】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。
【0028】
実施例1
ビスフェノールAから誘導される表1、樹脂Aの芳香族ポリカーボネート樹脂をタルク(気泡調整剤)と共に押出機に供給し、更に発泡剤としてn−ペンタンを押出機に圧入することにより、発泡性溶融樹脂とした後、押出機先端の幅150mm、スリット幅3mmのフラットダイスより該溶融樹脂を、大気に開放された入口部から徐々に間隔が広がり、その後平行となり、平行部には冷媒により冷却される構造を持つ上下板からなる成形装置間に押出し、該上下板に接触通過させて板状押出発泡体を得た。尚、上下板の間隔は入口部を6mm、平行部を15mmとし、上下板に流した冷媒温度は5℃に調節した。結果を表2に示す。
【0029】
実施例2
表2の発泡条件を採用し、且つ成形装置の平行部の間隔を22mmにした以外は、実施例1と同様にして板状押出発泡体を得た。
【0030】
実施例3
表2の発泡条件を採用し、且つビスフェノールAから誘導される表1、樹脂Bの芳香族ポリカーボネート樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして板状押出発泡体を得た。
【0031】
実施例4
実施例3において得られた発泡体の表層部を削り仕上げした以外は、実施例3と同様にして板状押出発泡体を得た。
【0032】
実施例5
表2の発泡条件を採用し、表1、樹脂Bの芳香族ポリカーボネート樹脂を用い、且つ成形装置の平行部の間隔を22mmとした以外は、実施例1と同様にして板状押出発泡体を得た。
【0033】
実施例6
表2の発泡条件を採用し、且つ成形装置の平行部の間隔を18mmとした以外は実施例3と同様にして板状押出発泡体を得た。
【0034】
比較例1
押出の際、成形装置の上板に接触させないように通過させて発泡体を得た以外、実施例3と同様にして板状押出発泡体を得た。ただ、得られた板上押出発泡体は独立気泡率が高く、通気性において不十分なものであった。
【0035】
比較例2
ビスフェノールAから誘導される表1、樹脂Bの芳香族ポリカーボネート樹脂を用い、押出機を用いて0.7mmのシートを作成した。
このシートから100×100mmのサンプルを切り出し、小型オートクレーブに入れ、炭酸ガスを40kg/cm2まで圧入し、室温で72時間放置した。圧を開放し、サンプルの重量を測定したところ、サンプル重量に対して7.4重量部の炭酸ガスが含浸されていた。
この含浸サンプルをオイルバスにて160℃で50秒間加熱して発泡させ、表2に示す発泡体を得た。
【0036】
尚、表1中のα、β及びtan(δ)の値は、以下のようにして求めた。
α及びβの値:
動的粘弾性装置:[ダイナミックアナライザーSR200型(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)]を使用し、温度を250℃一定にし、線形領域内において角周波数ω〔rad/sec.〕を変化させ、貯蔵弾性率G′〔dyn/cm2〕を求め、縦軸にlogG′、横軸にlogωとしたグラフ上に曲線を得る。次に、logω=−1及びlogω=1の時のlogG′の値を曲線上から読み取り、その2点の値を基にlogG′=α・logω+βの一次式に近似し、該近似式で与えられる2点間の傾きをα、近似式の切片をβとした。なお、厚さ約2mmの測定サンプル樹脂板を直径25mmのパラレルプレート間に挟んで250℃に達するまで約10分間放置し、応力制御方式により線形領域内(応力2×104dyn/cm2)で測定を行なった。
【0037】
tan(δ)の値:
ダイナミックアナライザーSR200型(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)を使用し、温度を250℃一定にし、線形領域内において角周波数ω〔rad/sec.〕を変化させ、貯蔵弾性率G′を求めるのと同様にしてtan(δ)=G″/G′を求め、logω=−1〜1の範囲内でのtan(δ)の値の範囲を示した。
【0038】
また、表2中、板状発泡体の表面状態の評価は、以下の基準に従った。
◎・・・微細気泡による平滑なスキン層が形成されている。
○・・・表面から荒い気泡が確認されるが、平滑な表面である。
△・・・気泡断面が露出している。
【0039】
【表1】
Figure 0003907077
【0040】
【表2】
Figure 0003907077
【0041】
【発明の効果】
本発明の発泡体は十分な厚みを有し、軽量なものでありながら、圧縮強度等の機械的物性に優れ、且つ通気性を有するものであるから、木材の様な通気性を示す軽量構造材や内装材、湿気を通すことができる通気性断熱材、またポリカーボネート樹脂の低温条件下での安定した機械的物性を活かした、冷凍倉庫等で使用される野菜等の保管箱、その他、冷蔵庫等の断熱に使用される真空断熱材用の芯材、高エネルギー吸収材、吸音性能と機械的物性に優れることにより、防音壁等、各種用途に好適に使用される。
更に、板状発泡体表面の気泡が50〜200μmの略球状であることにより、板状発泡体の表面部のクッション性、風合いが良好なものとなり、高エネルギー吸収用緩衝芯材として使用する場合や、建築用通気性断熱材として使用する場合に、表皮材等の積層素材とのフィット性にも優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の板状押出発泡体の一例の気泡構造を示す概略図である。
【図2】本発明の板状押出発泡体の他の一例の気泡構造を示す概略図である。

Claims (2)

  1. 連続気泡率が60%以上、密度が30〜600kg/m、厚みが10〜50mm、平均気泡径が100μm以上で、且つ10%圧縮強度が3kg/cm以上であり、ダイスから押出された発泡体を、押出発泡直後に、成形装置に接触通過させることにより製造されたものであることを特徴とするポリカーボネート樹脂連続気泡型板状押出発泡体。
  2. 厚み方向垂直断面の気泡形状が少なくとも板状発泡体表面から500μmの範囲内において、略球状で且つ平均気泡径が50〜200μmであることを特徴とする請求項1記載のポリカーボネート樹脂連続気泡型板状押出発泡体。
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