JP2926635B2 - ポリカーボネート樹脂押し出し発泡シート - Google Patents

ポリカーボネート樹脂押し出し発泡シート

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JP2926635B2
JP2926635B2 JP6228926A JP22892694A JP2926635B2 JP 2926635 B2 JP2926635 B2 JP 2926635B2 JP 6228926 A JP6228926 A JP 6228926A JP 22892694 A JP22892694 A JP 22892694A JP 2926635 B2 JP2926635 B2 JP 2926635B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカーボネート樹脂
押し出し発泡シートに関するものであり、更に詳しくは
加熱成形性の良好なポリカーボネート樹脂押し出し発泡
シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂発泡体は、耐熱
性、耐老化性、耐水性等が高く、電気的及び機械的性質
も良いから、自動車や建造物の内装材、包装材、各種容
器等への用途展開が期待されている。また、耐熱性が必
要な電子レンジ用やレトルト食品用の容器材料としては
特に有望である。このように利点が多いが、ポリカーボ
ネート樹脂の流動開始点がポリスチレン等のそれより大
幅に高い上に、溶融粘度が低く加熱シートの伸びが少な
いから通常の押し出し発泡法で所望の発泡シートを得る
のは困難である。そのため、溶解度係数6.5以上の有
機物を発泡剤とする方法(特開平2−261836号公
報)、沸点50〜150℃のイソパラフィンを発泡剤と
する方法(特公昭47−43183号公報)等が提案さ
れている。しかし、これらの発泡剤を使っても加熱成形
加工時に寸法安定性の良い発泡シートが得られず、その
ため加工時にシートが破れたり波打つ等の問題がある。
前記した押し出し発泡法のほか、シート状のポリカーボ
ネートに発泡剤を含浸させて加熱発泡させる方法、低級
アルキルベンゼンと低沸点溶剤でゲル化したポリカーボ
ネートを加熱発泡させる方法(特公昭46−31468
号公報)等も提案されている。しかし、これらの方法で
製造される発泡シートは、押し出し発泡シートよりコス
ト高となる上に加熱成形加工時の寸法安定性が向上する
こともないから、特別な場合を除いて有利な発泡シート
とは云えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、コスト的に
有利な押し出し発泡法によって製造できる上に、加熱し
て成形加工する際に寸法安定性が良いポリカーボネート
樹脂発泡シートを提供することをその課題とする。
【0004】
〔但し、Xはシート幅方向断面の厚み方向と直交する方向の平均気泡径(mm)を、Yはシート押し出し方向断面の厚み方向と直交する方向の平均気泡径(mm)を、Zはシート断面の厚み方向の平均気泡径(mm)を表している〕
【0005】本発明によるポリカーボネート樹脂押し出
し発泡シートの特徴を説明するために、押し出し発泡に
よる発泡シートの一般的製造方法を以下に記述する。 押し出し機内に樹脂と気泡調整剤等の添加剤とを仕込
み、該機内で加熱・溶融・混練する。 混練物に所望量の発泡剤を圧入して混練物に発泡剤を
練り込む。 発泡剤が練り込まれている混練物を、所定温度で押し
出し機先端のサーキュラダイから低圧部に押し出し、こ
れを円柱形状の樹脂冷却装置(マンドレル)の円柱側面
上に引取って管状発泡体を形成させてから、押し出し方
向に切り開いてシート状発泡体とする。 上記の方法で発泡シートを製造する場合、ポリスチレン
発泡シート等の一般的樹脂発泡シート作製時は、樹脂押
し出し速度より多少高速で管状発泡体が引取られるか
ら、管状発泡体に引取り方向の張力がかかって該発泡体
内の押し出し方向断面の気泡が偏平に形成される。そし
て、該シートを成形するために成形機内で加熱軟化させ
ると、シート内気泡が偏平状から球状になろうとしてシ
ートが収縮し、ピンと張った状態となる。その結果、加
熱ムラが無く形の良い成形品が得られ、曲げ強度や機械
的強度も向上すると考えられる。
【0006】一方、ポリカーボネート樹脂押し出し発泡
シートでは、ダイス出口から押し出される樹脂の伸びが
極めて小さいから、該樹脂がダイスから押し出される速
度より速い速度でマンドレルに引取るのが困難である。
そこで、実際には管状発泡体を多少だぶつかせながらマ
ンドレルに引取っており、気泡が形成されるダイス出口
近付では管状発泡体がだぶついているから、形成される
気泡が厚み方向に多少縦長の球状になる。このように気
泡が形成されているために、該発泡シートを成形機内で
加熱軟化させて成形加工する場合には、軟化温度で気泡
が真球状になろうとするために発泡シートが伸びてしま
う。しかし、成形機内ではシート端部が押えられている
から伸びたシートの逃げ場がなく、成形機内でシートが
波打ってあばれて加熱ムラが発生し、その様なシートを
成形することによりナキや破れ等の不具合が生じて成形
品の品質が低下してしまう。なお、前記したナキは発泡
シート表面に形成されるスキン層に亀裂が入っている状
態を意味している。
【0007】以上のほか、従来のポリカーボネート樹脂
押し出し発泡シートの製造では、シート幅500mmを
超える発泡シート製造が困難なことも欠点の一つであ
る。これは、管状発泡体の伸びが小さいために、サーキ
ュラダイ直径より250%程度以上直径が大きいマンド
レルでは、押し出された管状発泡体を円滑に引取るのが
難かしいために起る問題である。そして、シート幅が狭
いと建築資材用としては作業効率が悪いし大型の成形品
製造も困難になる。また、一般に包装用容器等の連続加
熱成形機は、作業効率面から最低でも500mmを超え
る幅のシートを使うように設計されているから、500
mm幅以下のシートでは使用可能な成形機の機種が限定
される。これらを解決するために、例えば強引に直径の
大きいマンドレルで管状発泡体を引取る方法を採用して
も、この方法ではシートが破れてしまったりシート厚が
薄くなったり表面状態が悪くなる等の問題が起り、高品
質の発泡シートを得ることができない。そこで、サーキ
ュラダイの直径を大きくして幅広のシートを得ることも
試みられたが、この場合はサーキュラダイ直径が大きい
から押し出し機先端のダイス圧力を保持するのが難かし
く、そのためにダイス内部で発泡現象が起こって得られ
る発泡シートの表面状態や機械的物性等の品質が低下す
る。
【0008】本発明のポリカーボネート樹脂押し出し発
泡シートは、加熱下に成形加工する際の寸法安定性が良
いからシートが破れたり波打ったりせず、高品質成形品
を歩留り良く製造できる発泡シートである。また、幅5
00mmを超える優れた発泡シートである。そして、X
をシート幅方向断面の厚み方向と直交する方向の平均気
泡径(mm)、Yをシート押し出し方向断面の厚み方向
と直交する方向の平均気泡径(mm)、Zをシート断面
の厚み方向の平均気泡径(mm)とした場合、1<X/
Z≦3、好ましくは1.5<X/Z≦3で、1<Y/Z
≦5、好ましくは1.5<Y/Z≦5の形状を持つ気泡
発泡シートである。気泡の大きさは、(X+Y+Z)/
3≧0.1mmから分るように平均直径0.1mm以
上、好ましくは0.2〜0.5mmに形成されている発
泡シートである。この押し出し発泡シートを図1に示す
が、図1の(a)は該発泡シートの斜視図、(b)は
(a)のAで示される部分の拡大断面図、(c)は
(a)のBで示される部分の拡大断面図である。また、
図1のX、Y、Zはそれぞれシート幅方向、シート押し
出し方向及びシート厚み方向を表し、X1、X2、Y1
2、Z1、Z2は個々の気泡のそれぞれの方向における
径を表している。
【0009】この発泡シートは前記形状の気泡で形成さ
れているために、170℃で30秒間加熱した際の寸法
変化が樹脂押し出し方向で0〜−30%、特に好ましく
は−3〜−30%の範囲にあり、加熱成形時には多少縮
むから、ポリスチレン発泡シート等の成形時と同様に加
熱ムラがなく形の良い成形品を得ることができる。ま
た、上記加熱条件における幅方向の寸法変化は、−1〜
−10%、特に−3〜−7%の範囲であることが加熱ム
ラ防止の点で好ましい。なお、加熱寸法変化の測定は以
下のようにして求める。170×170mmの試験片を
作製し、その中央部分に流れ方向(MD)と幅方向(T
D)に沿って長さ100mmの直線を十字に引く。この
試験片を、170±2℃のオーブン内で30秒間熱処理
してから前記直線の長さを測定し、下式によって加熱寸
法変化を求める。 加熱寸法変化=〔(加熱後の長さmm−100mm)/
100mm〕×100 この試験を3回行って平均値をMD方向及びTD方向の
加熱寸法変化とする。
【0010】以上に詳記した本発明のポリカーボネート
樹脂押し出し発泡シートは、種々の方法で製造すること
ができる。例えば、原料のポリカーボネートに粘度平均
分子量が25000以上で、250℃における溶融張力
が2.3g以上のものを使うことで達成可能である。こ
のようなポリカーボネートとしては、三菱ガス化学社製
ユーピロンS−1000〔粘度平均分子量26000、
溶融張力2.4g(250℃)〕、ユーピロンE−10
00〔粘度平均分子量32000、溶融張力6.4g
(250℃)〕、ユーピロンE−2000〔粘度平均分
子量29000、溶融張力2.6g(250℃)〕等が
例示される。このほか、上記以外のポリカーボネートと
特定の発泡剤とを組合せることによって達成可能な場合
もある。以上に加えて、押し出し機から出る樹脂温度の
制御、或いは管状発泡体の引取り方法改善等で本発明の
発泡シートが得られる。すなわち、以下の通りである。
【0011】一般に押し出し機のダイス先端から低圧域
に押し出された管状発泡体は、内部から空気によって膨
らませられながらバルーン(管状発泡体の径がダイス径
からマンドレル径まで拡大される部分)を形成した後
に、マンドレルの円柱側面上に引き取られる。そして、
ポリスチレン系樹脂発泡体やポリエチレン系樹脂発泡体
の製造時には、前記の空気として常温のコンプレッサー
の空気を使えば良いが、本発明の発泡シートの基材樹脂
はポリカーボネート樹脂であり、ガラス転移点が150
℃と高温なために、常温のコンプレッサーの空気ではす
ぐに管状発泡体が固化して引き取り操作がむずかしくな
る。しかし、該空気の温度を51〜200℃の範囲内で
調整すれば引き取り操作を容易にすることができる。ま
た、引取り操作の際に引取り速度が遅いと、発泡シート
を構成する気泡の押し出し方向への配向が不充分となる
から、引取り速度は下記式によって求められる速度より
大きくすることが好ましく、この方法によって本願の目
的とする良好なポリカーボネート樹脂押し出し発泡シー
トが得られる。
【0012】上記のように、本発明のポリカーボネート
樹脂押し出し発泡シートを製造する場合の原料や発泡剤
は限定される場合もあるが、使用可能な原料や発泡剤等
の範囲について記述すると以下の通りである。本発明の
発泡シート原料として使用されるポリカーボネートは、
炭酸とグリコール又はビスフェノールから形成されるポ
リエステルである。そして、分子鎖にジフェニルアルカ
ンを有する芳香族ポリカーボネートは、結晶性が高く高
融点の上に、耐熱性、耐候性及び耐酸性に優れているか
ら好適である。このようなポリカーボネートとしては、
2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパン(別名ビ
スフェノールA)、2,2−ビス(4−オキシフェニ
ル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)シク
ロヘキサン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)イソ
ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)エタン等
のビスフェノールから誘導されるポリカーボネートが例
示される。
【0013】本発明の発泡シート製造の際に使われる発
泡剤は、無機発泡剤、揮発性発泡剤、分解型発泡剤のい
ずれも使用可能であるが、押し出し発泡法の場合は分解
型発泡剤を使うと発泡倍率の高い発泡体が得られないか
ら、無機発泡剤や揮発性発泡剤を使用するのが好まし
い。なお、無機発泡剤としては、二酸化炭素、空気、窒
素等が好ましく用いられる。揮発性発泡剤としては、プ
ロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−
ペンタン、ヘキサン等の低級脂肪族炭化水素;シクロブ
タン、シクロペンタン等の低級脂環式炭化水素;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の低級芳香族炭化水素;メタ
ノール、エタノール等の脂肪族低級一価アルコール;ア
セトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1
−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、ペンタフルオロ
エタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,
1−ジフルオロエタン等の低沸点ハロゲン化炭化水素;
等が例示される。
【0014】以上に詳記した発泡剤は、単独又は2種以
上混合して使用可能であり、例えば無機発泡剤と揮発性
発泡剤のように異なった型の発泡剤の併用も可能であ
る。発泡剤使用量は発泡剤の種類や所望する発泡倍率に
よっても異なり、発泡倍率によって該発泡シートの密度
が定まるから、主に所望する発泡シートの密度で発泡剤
の使用量が定まると云える。そして、本発明の発泡シー
トは密度0.04〜0.4g/cm3、好ましくは0.
06〜0.24g/cm3とするのが望ましいから、こ
の範囲となるように発泡剤を使えばよい。なお、本発明
の発泡シート密度が0.04g/cm3未満では成形品
の強度が小さすぎるし、密度が0.4g/cm3を超え
ると断熱性低下や重量増加の上に製造原価も増加する。
発泡シートの密度は0.06〜0.24g/cm3とす
るのが好ましく、そのために必要な発泡剤量は樹脂10
0重量部当り揮発性発泡剤では0.5〜10重量部(ブ
タンを使用した場合)、無機発泡剤では0.2〜3.0
重量部(二酸化炭素を使用した場合)程度である。
【0015】本発明の発泡シートでは、ポリカーボネー
ト樹脂を円滑に発泡させるために、樹脂と発泡剤との溶
融混練物中に必要に応じて気泡調整剤を添加することが
できる。この場合の気泡調整剤としては、タルクやシリ
カ等の無機粉末、多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボ
ン酸と炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムとの混合物
等が好ましい。その添加量は、樹脂100重量部当り
0.01〜1.0重量部、好ましくは0.05〜0.5
重量部とするのが良い。本発明の発泡シートには、難燃
剤、熱安定剤、耐候性向上剤、着色剤等のように、通常
の発泡シートに添加される公知の添加剤を添加すること
ができる。本発明の発泡シートは、気泡がポリカーボネ
ート樹脂膜で形成されているために、好ましくは酸素透
過量が標準状態で24時間当り6500cm3/m2以下
の発泡シートである。そして、このように酸素透過量が
少ないために、断熱性が良く圧縮強度の低下も少ない上
に永久歪みも小さい発泡シートである。
【0016】発泡シート内気泡の酸素透過量は、発泡シ
ートの表皮層や気泡構造の差によって変動する。そし
て、連続気泡が形成されている場合には酸素透過量が多
くなることが自明であるが、表皮層に孔がなく主に独立
気泡で構成されているように見える発泡体であっても、
内部の気泡が連続気泡を形成している場合には酸素透過
量が多くなる。従って、本発明の発泡シートでは酸素透
過量が少ないと云うことは、表皮層に孔がほとんど無い
上に気泡構造、特に厚み方向中央部のように連続気泡が
形成され易い部分であっても、大部分が独立気泡より成
ることを意味している。このほか、気泡径や気泡膜厚も
酸素透過量に影響することが容易に推定されるが、気泡
膜厚が厚いと酸素透過量が少なく圧縮強度は増加するこ
とからも分るように、前記した各種の要素が酸素透過を
困難にする方向にあると、発泡シート物性が向上するこ
とが確かめられている。すなわち、酸素透過率を指標に
して断熱性、圧縮強度、永久歪み等の物性を推測するこ
とができる。
【0017】酸素透過量の測定は以下のようにして行な
うことができる。気体が透過しない容器の開口面を該開
口面と同寸法の測定用発泡シートで蓋をしてから、エポ
キシ系接着剤で該発泡シートと該開口面とを接着すると
共に発泡シートの切断面を充分にシールする。この容器
にはガス置換用の2本の銅パイプが接続されているか
ら、容器内を窒素で充分置換してから一方の銅パイプか
ら窒素を20ml/分の速度で供給し、他方の銅パイプ
から容器内ガスを排出する。このようにして得られた排
出ガス中の酸素分を、MODERN CONTROLS
社製 OX−TRAN100等の酸素検出器で検出し、
24時間当りの酸素検出量x〔cm3/24hr〕(2
5℃、1atm)を求める。この値と空気中の酸素モル
分率及び容器開口面積に相当する測定用発泡シート面積
S〔m2〕から、酸素透過量X〔cm3/m2/24h
r〕を下記式により算出する。 X〔(STP)cm3/m2・24hr〕=(100・
x)/(21・S)
【0018】本発明の発泡シートは、原料樹脂の溶融粘
度と粘度平均分子量との関係や、押し出された管状発泡
体の引取り方法等に留意しているために、サーキュラダ
イ直径より250%以上、更には300〜350%の直
径を持つマンドレルに管状発泡体を引取ることができ
る。そして、サーキュラダイ直径より250%以上も直
径が大きいマンドレルに管状樹脂を引取っても、シート
厚が部分的又は全面的に薄くなることがなく、シートの
厚みを0.5〜10mm、特に1〜5mmの均一厚にす
ることができる。なお、発泡シート厚が0.5mm未満
では該シートで形成される成形品の強度が小さく、厚み
が10mmを超えると加熱成形の際にシート表面と内面
の温度が不均一となり、そのために成形不良となること
が多い。前記のように、本発明の発泡シートは均一な厚
みのシートとして得られるが、厚みをより均質にするた
めにはサーキュラダイの開口部付近における樹脂流路
幅を狭める;サーキュラダイから押し出された管状発
泡体をマンドレルに引取って冷却する際に、マンドレル
表面及び外側から管状発泡体の内表面及び外表面に冷却
空気を吹き付ける;等の方法を1種又は2種以上行なえ
ば良い。
【0019】以上のようにして得られたポリカーボネー
ト樹脂発泡シートは、成形性が良い上にポリカーボネー
ト樹脂本来の特性を持つ発泡シートであり、そのままで
も成形品を作製することができる。しかし、更に発泡シ
ートの機械的強度を強くする必要がある場合には、該発
泡シートの両面又は一方の面に熱可塑性樹脂を積層する
のが好ましい。そして、この場合の熱可塑性樹脂として
は、発泡シートとの接着性が良いポリカーボネート樹脂
を使用するのが好ましく、該ポリカーボネート樹脂には
回収樹脂を使うことができる。すなわち、この場合の積
層樹脂としては新樹脂を使っても回収樹脂を使っても成
形品強度はほとんど変らない。なお、自明のことである
が、ガラス繊維や炭素繊維等で強化された不飽和ポリエ
ステル樹脂や熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる積
層材と、本発明のポリカーボネート樹脂発泡シートとを
積層することもできる。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるも
のではない。
【0021】実施例1 ビスフェノールAから誘導される粘度平均分子量250
00、密度1.2g/cm3、250℃での溶融張力
2.2gのポリカーボネート樹脂100重量部に、気泡
調整剤としてタルク0.02重量部を加え、これを押し
出し機内で加熱・溶融・混合してから、n−ペンタンを
0.53モル/kg樹脂となるように押し出し機内に圧
入し、樹脂温度200℃で押し出し機先端のサーキュラ
ダイから発泡剤を含浸した管状樹脂を押し出し、管状発
泡体の内部及び外部を80℃の熱風で加熱しながらバル
ーンを形成させ、これを直径200mmのマンドレルで
引取ってから、押し出し方向に沿って切り開いてシート
状発泡体を得た。なお、サーキュラダイ直径は65m
m、ダイスクリアーは0.7mmである。また、管状発
泡体の吐出量は50kg/hr、該樹脂の引取り速度は
6.5m/分とした。得られた発泡シートの密度、厚
み、幅、気泡の形状及び大きさ並びに170℃に30秒
間加熱した場合の寸法変化を表1に示す。なお、この表
に示されているX、Y、Zは、気泡の形状を説明するた
めに前記したX、Y、Zであり、MDはシートの縦方向
(押し出し方向)を、TDはシートの幅方向を示してい
る。
【0022】実施例2 n−ペンタンの添加量を0.97モル/kg樹脂とし、
管状発泡体の引取り速度を8.0m/分とした以外は、
実施例1の場合と同様にして発泡シートを作製した。得
られた発泡シートの密度、厚み、幅、気泡の形状及び大
きさ並びに実施例1の場合と同様にして測定された加熱
時の寸法変化は表1の通りである。
【0023】実施例3 n−ペンタンの添加量を1.33モル/kg樹脂とし、
マンドレルの直径を350mmとして管状発泡体の引取
り速度を11.0m/分とした以外は、実施例1の場合
と同様にして発泡シートを作製した。得られた発泡シー
トの密度、厚み、幅、気泡の形状及び大きさ並びに実施
例1の場合と同様にして測定された加熱時の寸法変化は
表1の通りである。
【0024】実施例4 発泡剤に炭酸ガスを使用し、その添加量を0.52モル
/kg樹脂として、管状発泡体の引取り速度を6.2m
/分とした以外は、実施例1の場合と同様にして発泡シ
ートを作製した。得られた発泡シートの密度、厚み、
幅、気泡の形状及び大きさ並びに実施例1の場合と同様
にして測定された加熱時の寸法変化は表1の通りであ
る。
【0025】比較例1 発泡剤に塩化メチルを使用し、その添加量を0.97モ
ル/kg樹脂として、直径150mmのマンドレルによ
って管状発泡体を3.5m/分の速度で引取った以外
は、実施例1の場合と同様にして発泡シートを作製し
た。得られたシートの密度、厚み、幅、気泡の形状及び
大きさ並びに実施例1の場合と同様にして測定された加
熱時の寸法変化は表1の通りである。
【0026】比較例2 使用するマンドレルの直径を200mmとし、それ以外
は比較例1の場合と同様にして発泡シートの作製を試み
たが、サーキュラダイの出口における樹脂の伸びが充分
にないためにシートを形成することができなかった。
【0027】比較例3 管状発泡体の引取り速度を3.5m/分とし、それ以外
は実施例1の場合と同様にして発泡シートを作製し、表
1に示す密度、厚み、幅、気泡の形状及び大きさ並びに
加熱時の寸法変化(実施例1の場合と同様にして測定)
を持つ発泡シートを得た。この発泡シートは、縦方向の
加熱時寸法変化が+8.5%のために、加熱成形時に成
形機内での波打ちによるあばれが激しく、良好な成形体
が得られなかった。
【0028】比較例4 発泡剤にクロロジフルオロメタンを使用し、その添加量
を0.56モル/kg樹脂とした以外は、実施例1の場
合と同様にして発泡シートの作製を試みたが、サーキュ
ラダイの出口における樹脂の伸びが足りないためにシー
トを作製することができなかった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート樹脂押し出し
発泡シートは、発泡気泡が偏平に形成されているために
加熱して成形加工する際に寸法安定性が良く、そのため
に成形の際に発泡シートが破れたり波打ったりすること
が少なく、歩留り良く高品質の成形品を得ることができ
る発泡シートである。また、本発明のポリカーボネート
樹脂押し出し発泡シートは、酸素透過量が6500(S
TP)cm3/m2・24hr以下の場合は、軽量で断熱
性が高い上に成形品の圧縮強度等の機械的強度も大きい
発泡シートである。さらに、本発明のポリカーボネート
樹脂押し出し発泡シートは、特に密度0.04〜0.4
g/cm3、厚み0.5〜10mm、シート押し出し方
向と直交する幅500mm以上の発泡シートを製造する
ことが可能であるから、大形成形品の製造や建築資材用
の発泡シートとして好適な上に、現在使用されている全
部の種類の連続加熱成形機に使用することのできる発泡
シートである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発泡シートにおける気泡形状を説明す
る図である。
【符号の説明】
X シート幅方向 Y シート押し出し方向 Z シート厚み方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 69:00 (56)参考文献 特開 昭48−39564(JP,A) 特開 昭51−34966(JP,A) 特開 昭58−67423(JP,A) 特開 昭60−245538(JP,A) 特開 平2−261836(JP,A) 特開 平6−79816(JP,A) 特開 平6−339966(JP,A) 特開 平4−202540(JP,A) 特開 平6−340760(JP,A) 特開 平6−172577(JP,A) 特開 平2−286725(JP,A) 実開 昭51−66571(JP,U) 特公 昭47−43183(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 47/00 - 47/96 C08J 9/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押し出し機でポリカーボネート樹脂と発
    泡剤とを溶融混練後に、該溶融混練物を押し出し機先端
    のダイスから低圧域に押し出して得られる発泡シートに
    おいて、発泡シート内気泡の平均径及び形状が下記条件
    式を満足していることを特徴とするポリカーボネート樹
    脂押し出し発泡シート。 1<X/Z≦3 1<Y/Z≦5 (X+Y+Z)/3≧0.1mm 〔但し、Xはシート幅方向断面の厚み方向と直交する方
    向の平均気泡径(mm)を、Yはシート押し出し方向断
    面の厚み方向と直交する方向の平均気泡径(mm)を、
    Zはシート断面の厚み方向の平均気泡径(mm)を表し
    ている〕
  2. 【請求項2】 酸素透過量が標準状態で24時間当り6
    500cm3/m2以下であることを特徴とする請求項1
    に記載したポリカーボネート樹脂押し出し発泡シート。
  3. 【請求項3】 密度が0.04〜0.4g/cm3、厚
    みが0.5〜10mm、シート押し出し方向と直交する
    幅が500mmを超えることを特徴とする請求項1又は
    2に記載したポリカーボネート樹脂押し出し発泡シー
    ト。
  4. 【請求項4】 170℃で30秒間加熱した場合の寸法
    変化が、押し出し方向で0〜−30%の範囲にあること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載したポリカ
    ーボネート樹脂押し出し発泡シート。
  5. 【請求項5】 押し出し発泡シートが分子鎖にジフェニ
    ルアルカンを有する芳香族ポリカーボネート樹脂押し出
    し発泡シートであることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のポリカーボネート樹脂押し出し発泡シー
    ト。
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