JP2001179866A - ポリプロピレン系樹脂板状発泡体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂板状発泡体

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JP2001179866A
JP2001179866A JP37418999A JP37418999A JP2001179866A JP 2001179866 A JP2001179866 A JP 2001179866A JP 37418999 A JP37418999 A JP 37418999A JP 37418999 A JP37418999 A JP 37418999A JP 2001179866 A JP2001179866 A JP 2001179866A
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polypropylene resin
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Yoshihiro Kawaguchi
嘉弘 川口
Osamu Miyama
治 三山
Haruo Tomita
春生 冨田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断熱性にすぐれるポリプロピレン系樹脂の板
状発泡体を提供する。 【解決手段】 密度が10〜50kg/m3で厚みが少
なくとも10mmのポリプロピレン系樹脂発泡体1の表
面および/または内部に少なくとも1層の金属薄膜2を
含有する。ポリプロピレン系樹脂からなる低密度の発泡
体1から構成され、かつ熱伝導率が極めて低いことから
断熱材、構造材として極めて有用なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
樹脂の発泡体を利用した板状発泡体に関する。さらに詳
しくは、たとえば建築物の壁、床間仕切などの構造材、
断熱材などに好適に使用し得る、断熱性にすぐれるポリ
プロピレン系樹脂の発泡体を利用した板状発泡体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂からなる発泡体は、一般
に、軽量で断熱性や外部からの応力の緩衝性が良好であ
ることから、断熱材、緩衝材、芯材、食品容器などとし
て、幅広く利用されている。なかでも、ポリプロピレン
系樹脂からなる発泡体は、耐薬品性、耐衝撃性および耐
熱性が良好であるため、とくに、緩衝材として好適に利
用されている。
【0003】しかしながらポリプロピレン系樹脂からな
る発泡体に断熱性を付与しようとした場合、ポリプロピ
レン系樹脂はガスバリア性が低いため発泡剤から発生す
る熱伝導率の低い気体が気泡より外部へ散逸されやすく
断熱性能にすぐれる発泡体を得ることは非常に困難であ
る。一般にポリプロピレン系樹脂からなる発泡体の平均
温度20℃における熱伝導率を0.040W/m・K以
下とすることは極めて困難である。
【0004】またポリプロピレン系樹脂は、結晶性樹脂
であるために、溶融時の粘度および抗張力が低く、この
樹脂を発泡させる場合、発泡時に気泡壁の強度が充分に
保持されない。そのため、ポリプロピレン系樹脂を発泡
させることにより、気泡径の小さい低密度の発泡体を得
ることが困難であった。
【0005】このように、ポリプロピレン系樹脂からな
る低密度で断熱性にすぐれた発泡体を得ることは従来か
ら困難であることが知られている。
【0006】このような困難性を克服する試みとして、
近年、特開平10−24540号公報には厚み1〜7m
mの板状ポリプロピレン系樹脂発泡体の少なくとも片面
に厚み0.3〜3mmのポリオレフィン系樹脂発泡シー
トを積層した積層板が開示されている。また特開平10
−138425号公報には倍率1.5〜5倍のポリプロ
ピレン発泡シートの両面に金属薄板を積層する製造方法
が開示されている。
【0007】しかしながらこれらの方法はいずれも薄物
のシートを基材としたプロピレン系樹脂積層発泡シート
であり、低密度で厚物のポリプロピレン系樹脂からなる
発泡体とするにはいまだ充分でない。
【0008】このように、ポリプロピレン系樹脂からな
る低密度で厚物の発泡体から構成され、断熱性にすぐれ
た板状発泡体がいまだ見出されていないのが現状であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリプロピ
レン系樹脂の発泡体を利用した断熱性にすぐれる板状発
泡体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、所定の特性を有するポリプロピレン系樹脂の発
泡体の表面および/または内部に少なくとも1層の金属
薄膜を含有する板状発泡体は、断熱性にすぐれることを
見出し本発明を完成するにいたった。
【0011】すなわち、本発明は、密度が10〜50k
g/m3で厚みが少なくとも10mmのポリプロピレン
系樹脂発泡体の表面および/または内部に少なくとも1
層の金属薄膜を含有することを特徴とするポリプロピレ
ン系樹脂板状発泡体に関する(請求項1)、本発明は、
ポリプロピレン系樹脂が、ポリプロピレン樹脂と、スチ
レン、イソプレンまたは1,3−ブタジエンから選ばれ
る少なくとも1種の単量体と、ラジカル重合開始剤と
を、ラジカル重合開始剤が分解する温度以上で溶融混練
させて得られる改質ポリプロピレン樹脂を含有する請求
項1記載の板状発泡体に関する(請求項2)。
【0012】本発明は、金属薄膜がアルミニウム薄膜で
ある請求項1記載の板状発泡体に関する(請求項3)。
【0013】本発明は、平均温度20℃における等価熱
伝導率が0.040W/m・K(0.0344kcal
/m・hr・℃)以下である請求項1記載の板状発泡体
に関する(請求項4)。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは、所定の密度(低密
度)で所定の厚み(厚物)を有するポリプロピレン系樹
脂の発泡体に輻射率の小さい金属薄膜を含有するポリプ
ロピレン系樹脂板状発泡体は、著しく断熱性が改善され
ることを見出した。
【0015】従来、このような低密度で厚物のポリプロ
ピレン系樹脂の発泡体から構成され、かつ断熱性にすぐ
れた板状発泡体は知られておらず、驚くべきことであ
る。
【0016】本発明の板状発泡体は、密度が10〜50
kg/cm3で厚みが少なくとも10mmのポリプロピ
レン系樹脂発泡体の表面および/または内部に少なくと
も1層の金属薄膜を含有することを特徴とする。
【0017】ポリプロピレン樹脂としては、ホモポリプ
ロピレンやプロピレン成分を80%以上含むランダムま
たはブロック共重合体、これらを改質した改質ポリプロ
ピレン樹脂を使用することができる。ポリプロピレン系
樹脂としては、1種または2種以上のポリプロピレン樹
脂を使用することができ、また、1種または2種以上の
ポリプロピレン樹脂と1種または2種以上のポリプロピ
レン樹脂以外の樹脂とをポリプロピレン樹脂の含有量が
50重量%以上となる範囲で混合して使用することもで
きる。
【0018】改質ポリプロピレン樹脂は、たとえば、改
質していない線状のポリプロピレン樹脂に放射線を照射
する方法、または、改質していない線状のポリプロピレ
ン樹脂に1種または2種以上の単量体および1種または
2種以上のラジカル重合開始剤を添加して溶融混合する
方法などにより得ることができる。
【0019】単量体としては、たとえば、スチレン、イ
ソプレン、1,3−ブタジエンなどを使用することがで
きる。230℃でのメルトテンションを5g以上とする
ために、通常は、単量体の使用量をポリプロピレン樹脂
100重量部に対して0.1〜20重量部程度の範囲に
することが望ましい。単量体の使用量が少ないとメルト
テンションが5g未満となる傾向があり、多いと経済性
が損なわれる傾向がある。
【0020】ラジカル重合開始剤としては、たとえば、
1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサンなどを使用することができる。
230℃でのメルトテンションを5g以上とするため
に、通常は、ラジカル重合開始剤の使用量をポリプロピ
レン樹脂100重量部に対して0.01〜3重量部程度
の範囲にすることが望ましい。ラジカル重合開始剤の使
用量が少ないとメルトテンションが5g未満となる傾向
があり、多いと経済性が損なわれる傾向がある。
【0021】230℃でのメルトテンションが5g以上
あるポリプロピレン系樹脂(たとえば改質ポリプロピレ
ン樹脂)を使用すると低密度で厚みのある発泡体が得ら
れやすい傾向がある。230℃でのメルトテンションが
5g以上ある改質ポリプロピレン樹脂は、たとえば、改
質していないポリプロピレン樹脂と、スチレン、イソプ
レンまたは1,3−ブタジエンから選ばれる少なくとも
1種の単量体と、ラジカル重合開始剤とを、ラジカル重
合開始剤が分解する温度以上で溶融混練することによっ
て得ることができる。
【0022】ポリプロピレン樹脂以外の樹脂としては、
高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどのポリオ
レフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレンアクリロニト
リル共重合体などのポリスチレン系樹脂;エチレンプロ
ピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴムなどのオレ
フィン系エラストマー;スチレンブタジエンゴム、スチ
レンブタジエンスチレンゴム、スチレンエチレンプロピ
レンゴムなどのスチレン系エラストマーを使用すること
ができる。
【0023】本発明の板状発泡体を構成する発泡体の密
度は10〜50kg/m3、好ましくは10〜30kg
/m3である。発泡体の密度が小さいと所望の厚みを有
する発泡体が得られない傾向がある。
【0024】本発明の板状発泡体を構成する発泡体の厚
みは10mm以上、より好ましくは20mm以上であ
る。本発明の板状発泡体を構成する発泡体は、好ましく
は独立気泡率が20%以上、より好ましくは50%以上
である。
【0025】本発明の板状発泡体を構成する発泡体は、
好ましくは平均気泡径が2.0mm以下、より好ましく
は1.5mm以下である。平均気泡径が大きいと断熱性
が改善された板状発泡体が得られにくい傾向がある。一
般には平均気泡径は小さいほど好ましいが、通常は0.
3mm以上である。
【0026】本発明の板状発泡体の平均温度20℃での
等価熱伝導率は、好ましくは0.040W/m・K
(0.0344kcal/m・hr・℃)以下である。
【0027】本発明の板状発泡体を構成する発泡体を製
造する具体的な方法としては、ポリプロピレン系樹脂
(たとえば改質ポリプロピレン樹脂)、発泡剤および必
要に応じて添加されるそのほかの添加材料からなる混合
物を押出機中で溶融混練し、該混合物を発泡に適した温
度に調温したのち低圧下に吐出する方法、溶融させた状
態のポリプロピレン系樹脂(たとえば改質ポリプロピレ
ン樹脂)またはポリプロピレン系樹脂(たとえば改質ポ
リプロピレン)と必要に応じて添加されるそのほかの添
加材料との混合物に発泡剤を添加または圧入し、該混合
物を発泡に適した温度に調温したのち低圧下に吐出する
方法などがあげられる。
【0028】前記発泡剤としては、たとえばプロパン、
ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭
化水素類;シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキ
サンなどの脂環式炭化水素類;二酸化炭素、チッ素、空
気などの無機ガス;水などがあげられ、1種または2種
以上を使用してもよい。
【0029】前記発泡剤の添加量(混練量)は、発泡剤
の種類および目標発泡倍率により異なるが、ポリプロピ
レン系樹脂(たとえば改質ポリプロピレン樹脂)100
重量部に対して、2〜50重量部の範囲内にあることが
好ましい。発泡剤の添加量が少ないと低密度の板状発泡
体が得られない傾向がある。
【0030】また発泡体の気泡径を適宜の大きさにコン
トロールするために、必要に応じて、重炭酸ソーダ−ク
エン酸またはタルク、マイカなどの発泡核剤を併用して
もよい。必要に応じて用いられる該発泡核剤の添加量
は、通常、ポリプロピレン系樹脂(たとえば改質ポリプ
ロピレン樹脂)100重量部に対して、0.01〜5重
量部であることが好ましい。発泡核剤の添加量が少ない
と平均気泡径が大きくなる傾向があり、多いと板状発泡
体の厚みが小さくなる傾向がある。
【0031】前記押出機はポリプロピレン系樹脂(たと
えば改質ポリプロピレン樹脂)を溶融状態に加熱し得、
適宜の剪断応力を与えながら混練し得る装置であればと
くに制限はなく、単軸または二軸押出機のいずれでもよ
い。またこれらの押出機を直列に二段、三段、多段と組
合わせて使用してもよい。とくにポリプロピレン系樹脂
(たとえば改質ポリプロピレン樹脂)と発泡剤の混合組
成を均一にし、かつ生産性の点から二段のタンデム型押
出機がより好ましい。
【0032】金属薄膜としては、たとえば、アルミニウ
ム箔、アルミニウム合金板、亜鉛メッキ板、銅板、アル
ミニウム蒸着ポリエチレンフイルム、アルミニウム蒸着
ポリプロピレンフイルムなどを使用することができる。
【0033】金属薄膜としては、室温付近における金属
表面の輻射率が小さいほど好ましい。たとえば25℃に
おける輻射率が0.01〜0.5の金属薄膜を使用する
ことが好ましい。金属薄膜の輻射率が大きいと断熱性が
改善されない傾向がある。
【0034】本発明の金属薄膜の厚みは、板状発泡体の
特性(柔軟性など)を損ねない範囲が望ましく、通常
は、10〜1000μmの範囲が好ましく、10〜50
0μmの範囲がより好ましい。
【0035】本発明の板状発泡体は、金属薄膜を発泡体
の少なくとも片面に積層する形態および/または発泡体
の厚みが金属薄膜で仕切られた多層構造となるように内
部に積層する形態で含有することができる。
【0036】金属薄膜は、好ましくは発泡体との積層面
に対して60%以上、より好ましくは90%以上を被覆
するように含有することが好ましい。発泡体との積層面
に対して被覆する割合が低いと断熱性が改善されない傾
向がある。
【0037】本発明の板状発泡体は、金属薄膜を発泡体
の積層面に接着する形態で含有することができる。金属
薄膜と発泡体の接着方法はとくに制限がなく、本発明の
効果が損なわれない範囲で粘着テープまたは粘着剤など
を使用すること、熱圧着させることができる。
【0038】粘着テープとしては、たとえば、汎用され
ているポリオレフィン、ポリエステル、セロハン系粘着
テープなどがあげられる。粘着剤としては、たとえば、
汎用的なアクリル、ウレタン、エラストマー、シリコー
ン系粘着剤などがあげられる。
【0039】熱圧着させる方法としては、ポリプロピレ
ン系樹脂からなる発泡体の表面に粘着テープまたは粘着
剤を介在させて金属薄膜を積層させた積層体を、発泡体
が熱劣化しない温度、通常は50〜150℃で加熱し、
圧力0.1〜10kgf/cm2程度に加熱圧着する方
法があげられる。
【0040】本発明の板状発泡体は、ポリプロピレン系
樹脂からなる低密度の発泡体から構成され、かつ熱伝導
率が極めて低いことから断熱材、構造材として極めて有
用なものである。
【0041】
【実施例】つぎに本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0042】なお、実施例1〜3および比較例1〜2の
板状発泡体の構造を図1に示す。図1中(a)は実施例
1、(b)は実施例2、(c)は実施例3、(d)は比
較例1、および、(e)は比較例2の板状発泡体の構造
を模式的に示す断面図である。また、実施例および比較
例で用いた評価方法を以下にまとめて示す。
【0043】(メルトテンション)東洋精機製メルトテ
ンションテスターを用い、口径1mm、長さ10mm、
流入角45度のオリフィスから230℃に加熱したポリ
プロピレン系樹脂を10mm/minの速度でキャピラ
リーから押出し、該押出物をキャピラリー出口から35
cm離れた張力検出用プーリーを通過させて1m/mi
nの速度から40m/min2の加速度で加速させなが
ら巻き取り、該押出物が切断されるまでの引取りに要す
る張力を測定する。
【0044】(熱伝導率の測定)縦200mm、横20
0mm、厚み20mmのサンプルについてJIS A1
412にしたがい測定した。熱伝導率測定装置(英弘精
機製:HC−072)を使用し、測定条件は250kg
/m2荷重下で平均温度が20℃での熱伝導率を測定し
た。板状発泡体の厚み方向の熱伝導率を等価熱伝導率と
した。
【0045】(独立気泡率)ASTM D−2856に
記載の方法に準じエアピクノメータにより測定した。
【0046】(平均気泡径) 平均気泡径:発泡体中央部の厚み方向(HD)、幅方向
(TD)、押出方向(MD)の直線上の気泡弦長を測定
し、1.623を掛け3方向の平均を算出した。
【0047】気泡径=1.623×直線上の気泡弦長
【0048】実施例1 エチレンランダムポリプロピレン(グランドポリマー
(株)製のハイポールB230、MFR0.5g、エチ
レン含有量3重量%)100重量部、ラジカル重合開始
剤として1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂(株)
製、パーヘキサ3M、1分間半減期温度147℃)0.
5重量部、安定剤(チバガイギー製イルガノックスB2
25)0.2重量部、ブレンドオイル(越谷化成(株)
製のスーパーイーズ)0.05重量部からなる配合物を
スーパーフロータで攪拌混合した。
【0049】該混合物を計量フィーダを使用して50k
g/hrとなるように44mm二軸押出機ホッパー口に
投入し、イソプレンが1.25kg/hrとなるように
付属の液送ポンプ(日機装(株)製のダイアフラム:型
式C22X−08F−14D1D、吐出圧力50kgf
/cm2)を使用して押出機シリンダー中途からイソプ
レン約2.5重量部を圧入した。イソプレン圧入前を1
80℃、圧入後を200℃に設定して回転数150rp
mで該混合物を押出し、230℃でのメルトテンション
が8gである改質ポリプロピレン樹脂を作製した。
【0050】得られた改質ポリプロピレン樹脂80重量
部、ポリスチレン樹脂(旭化成(株)製、スタイロンG
9305、MFR1.5)20重量部、スチレン−エチ
レン−プロピレンブロック共重合体(クラレ(株)製、
セプトン2104)5重量部に重炭酸ナトリウム−クエ
ン酸(永和化成(株)製、セルボン)0.2重量部、ブ
レンドオイル(越谷化成(株)製のスーパーイーズ)
0.1重量部を添加してリボンブレンダーで混合した。
【0051】ついで65−90mmφタンデム型押出機
に供給し、第1段押出機(65mmφ)の回転数を80
rpm、温度200℃に設定し該混合物を溶融させたの
ち、発泡剤としてイソブタンを改質ポリプロピレン樹脂
とポリスチレン樹脂の合計100重量部に対し12重量
部圧入混合した。
【0052】つぎに回転数10rpm、温度140℃に
設定された第2段押出機(90mmφ)に該混合物を送
給する。さらに回転数7rpm、温度141℃に調温さ
れた長さ1.5m、内径155mmφの冷却機に送給し
冷却混合機内で10分間滞留させ、吐出量50kg/h
rで幅50mm、ダイギャップ2.5mmのスリットダ
イスから該混合物を吐出させた。得られた発泡体は密度
18kg/m3、幅200mm、厚み25mm、独立気
泡率70%、平均気泡径1.3mmの発泡体であった。
【0053】つぎに前記発泡体から縦200mm、横2
00mm、厚み20mmの板状の発泡体(1)を切り出
した。前記板状の発泡体(1)の片面に縦200mm、
横200mm、厚み15μmのアルミニウム薄膜(輻射
率約0.06)(2)を接着剤(綜研化学:SKダイン
801B)で接着させ、板状発泡体を得た(図1
(a))。
【0054】実施例2 実施例1の板状の発泡体(1)の両面に縦200mm、
横200mm、厚み15μmのアルミニウム薄膜(2)
を積層し、板状発泡体を得た(図1(b))。
【0055】実施例3 実施例1の板状の発泡体を縦200mm、横200m
m、厚み10mmの2枚の発泡体(1)に切り出し、積
層面が厚み15μmのアルミニウム薄膜(2)となるよ
うに、切り出した2枚の板状の発泡体(1)を積層し、
板状発泡体を得た(図1(c))。
【0056】比較例1 実施例1でアルミニウム薄膜を積層させる前の板状の発
泡体(1)をそのまま使用した(図1(d))。
【0057】比較例2 230℃でのメルトテンションが8gである改質ポリプ
ロピレン樹脂に代えてエチレンランダムポリプロピレン
(グランドポリマー(株)製のハイポールB230、M
FR0.5g、エチレン含有量3重量%)を使用した他
は実施例1と同様にして板状発泡体を得た(図1
(e))。
【0058】(結果)板状発泡体を構成する発泡体の密
度、独立気泡率、セル径および熱伝導率を表1に、等価
断熱性能を表2に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】表1より、本発明(実施例1〜3および比
較例1)の板状発泡体を構成する発泡体(1)は、密度
が低く、独立気泡率が高く、セル径が小さく均一なセル
構造を有していること、および、熱伝導率が低く断熱性
にすぐれることがわかる。
【0062】表2より、本発明の板状発泡体(実施例1
〜3)は、アルミニウム薄膜(2)を含有しない板状の
発泡体(1)(比較例1)と比較して、等価熱伝導率が
低く、断熱性が向上していることがわかる。
【0063】比較例2の板状発泡体を構成する発泡体
(1)は、内部に大きな空隙が見られ、商品価値が低
く、厚みが10mmよりも薄いものしか得られなかっ
た。
【0064】
【発明の効果】本発明の板状発泡体はポリプロピレン系
樹脂からなる低密度の発泡体から構成され、かつ熱伝導
率が極めて低いことから断熱材、構造材として極めて有
用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施例1、(b)は実施例2、(c)
は実施例3、(d)は比較例1、および、(e)は比較
例2の板状発泡体の構造を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 発泡体 2 アルミニウム薄膜
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01A AB10A AK07B AK07C AK07J AK12B AK12C AK12J AK28B AK28C AK28J AK29B AK29C AK29J AL04B AL04C AL06B AL06C BA02 BA03 BA06 BA10A BA10B BA10C BA13 DJ01B DJ01C GB07 JJ01 JJ02 JL03 JM02A YY00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度が10〜50kg/m3で厚みが少
    なくとも10mmのポリプロピレン系樹脂発泡体の表面
    および/または内部に少なくとも1層の金属薄膜を含有
    することを特徴とするポリプロピレン系樹脂板状発泡
    体。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂が、ポリプロピレ
    ン樹脂と、スチレン、イソプレンまたは1,3−ブタジ
    エンから選ばれる少なくとも1種の単量体と、ラジカル
    重合開始剤とを、ラジカル重合開始剤が分解する温度以
    上で溶融混練させて得られる改質ポリプロピレン樹脂を
    含有する請求項1記載の板状発泡体。
  3. 【請求項3】 金属薄膜がアルミニウム薄膜である請求
    項1記載の板状発泡体。
  4. 【請求項4】 平均温度20℃における等価熱伝導率が
    0.040W/m・K以下である請求項1記載の板状発
    泡体。
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