JPH10310513A - 液体口腔用組成物 - Google Patents

液体口腔用組成物

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JPH10310513A
JPH10310513A JP5832198A JP5832198A JPH10310513A JP H10310513 A JPH10310513 A JP H10310513A JP 5832198 A JP5832198 A JP 5832198A JP 5832198 A JP5832198 A JP 5832198A JP H10310513 A JPH10310513 A JP H10310513A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1液式製剤で、高い濃度で口腔内全体にリン
酸イオン、カルシウムイオンを供給でき、口腔内のどの
ような場所にある歯の欠陥部をも再石灰化を可能にで
き、さらにブラッシングにより歯面から歯垢などを除去
できる技術を提供する。 【解決手段】 口腔内で洗口した時、口腔内にリン酸カ
ルシウム微細粒を供給することができる液体口腔用組成
物。前記カルシウム微細粒の供給源が第一リン酸カルシ
ウムであり、さらに好ましくは液体製剤中に第一リン酸
カルシウムが酸により溶解されている液体口腔用組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、口腔用組成物に関
し、特に液体組成物でありながら口腔内で洗口した時、
口腔内にリン酸カルシウム微細粒を供給する機能を備
え、歯を保護する作用を持つ一液性の口腔用組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、リン酸カルシウムは歯の研磨
剤として有効であることは知られている(「研磨剤の科
学」他)。そのため、歯磨剤には、リン酸カルシウムが
研磨剤として炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなど
と同様に使用され、配合されている。これらの研磨剤を
配合した歯磨剤を使用してブラッシングすることで歯面
に付着している歯垢、食べかすなどの歯に付着、沈着し
たものを歯面から除去できる。しかしながら、前記歯磨
剤を用いて歯面をブラッシングすると歯面からステイ
ン、歯垢などを除去できるが、実際には歯面自身も研磨
される。
【0003】そこで、リン酸カルシウムを歯の研磨剤と
する場合、それを用いて歯面をブラッシングしても歯面
を傷つけない歯磨剤が研究されている。例えば、粉歯磨
やペースト状の歯磨剤のための研磨剤として、ブラッシ
ングに伴う歯面の損傷を防止するために、平均丸味度が
0.45〜0.9であり、平均粒子径が2〜30μの球
状リン酸水素カルシウム・無水物を使用することが知ら
れている。また、特公平6−21053号公報には、水
不溶性粉末材料を水不溶性無機結合剤で結着させて顆粒
とし、該顆粒1個あたり0.1〜10gの荷重を加えた
とき顆粒が崩壊するようにし、過度にブラッシングして
も歯面の損傷が生じないようにした粉歯磨やペースト状
の歯磨剤が記載されている。
【0004】一方、虫歯は、いわゆる”白斑”病巣の発
生から出発し、放置すると病巣が成長し、病巣上のエナ
メル質が崩壊することによって起こるので、病巣にミネ
ラルを補給しようとする考え方があるが、そこにカルシ
ウムイオンとリン酸イオンを供給することが困難である
ので、抗核形成性添加剤を用いることにより欠損部にカ
ルシウムイオンとリン酸イオンが供給されるようにし
て、欠損部などに不溶性アパタイトを形成させ、欠損部
に起因する異常を回復する虫歯予防の方法について特公
平2−2860号公報に記載されている。このようなミ
ネラル補給、すなわち、リン酸イオン、カルシウムイオ
ンを供給する供給源としては、第三リン酸カルシウム、
第二リン酸カルシウムが良いことが知られており、これ
らを使用した口腔用組成物が研究されている。第三リン
酸カルシウムがミネラル補給の供給源として適当である
のは、第三リン酸カルシウムの組成Ca3(PO4)2 が、
実質上歯質の無機成分と類似の構造を有するハイドロキ
シアパタイトCa12(PO4)6(OH)2 の組成に近似し
ているからである。
【0005】そして、前記ハイドロキシアパタイトを用
いると、傷の付いた歯面の再石灰化が可能とされている
が、ハイドロキシアパタイトの結晶は安定なもので反応
性に乏しく、歯面の再石灰化能力は小さい。前記特公平
2−2860号公報に示されている液体製剤は、液体製
剤中に含まれるリン酸カルシウムが、第三リン酸カルシ
ウムあるいは第二リン酸カルシウムであり、そのままで
は液体製剤中に安定に配合することは困難であるので、
2−ホスホノ−ブタン−三カルボン酸−1,2,4とそ
の水溶性塩から選ばれた抗核形成剤を配合して安定化さ
れた液体製剤である。前記公報によれば、この液体製剤
は口腔中で生理学的pHに調整されたとき、このハイド
ロキシアパタイトは前記抗核形成剤によって覆われて安
定化され、大きい不溶性の結晶に成長することが防止さ
れるので、病巣にリン酸イオン、カルシウムイオンが供
給され、病巣の修復に効果があるとしている。
【0006】しかし、第三リン酸カルシウムや第二リン
酸カルシウムとして液体製剤に添加するので水に溶けに
くく、その結果リン酸イオンやカルシウムイオンの濃度
が低くなってしまう。この他にも、第三リン酸カルシウ
ム配合の洗口液からは口腔内の生理学的pHより高くし
ても、リン酸カルシウム微粒子の析出は起こらず、リン
酸イオン、カルシウムイオンが歯面に吸着するのみであ
ったことからも前記抗核形成剤を配合し、口腔内の生理
学的pHより高いpHとしなければ虫歯予防のできる歯
の液体製剤とすることは困難である。
【0007】また、前記の技術は、歯質の組織に親和性
のあるリン酸カルシウムを処理液として口腔内に提供
し、所望の部位を前記処理液で処理した後、当該部位を
塩基性の後処理液で処理することにより、リン酸カルシ
ウムを虫歯の病巣に供給し、そこで塩基性後処理剤を作
用させて病巣にリン酸カルシウムを析出させる機能を回
復させる技術である。しかしながら、この製剤は2液式
の製剤であるので、この技術は実用的ではない。しか
も、これらの技術は、口腔内にリン酸イオンやカルシウ
ムイオンのみを供給するという考え方であるため、歯磨
として使用する場合に歯磨剤となる研磨作用を与える物
質については何ら考慮されていないために、それは液体
歯磨として使用するには適していない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記の説明から理解さ
れるように、1液式製剤で、口腔に適用した際に、口腔
内でブラッシングした場合に歯面から歯石、歯垢などの
ステインを除去することができるような研磨作用をもつ
研磨剤物質が存在し得るようにするとともに、口腔内全
体に、均一にリン酸イオン、カルシウムイオンを供給
し、従って口腔内の虫歯の病巣(歯の欠陥部である。)
にリン酸イオンとカルシウムイオンを供給し、そこで生
理学的pHにもたらせることによりそれらイオンを歯質
に親和性の良いリン酸カルシウムとして析出させること
により効率良く歯の欠陥部の再石灰化を可能にできる技
術が望まれている。本発明は、前記したように、1液式
製剤であって、口腔内で研磨作用をし得る物質が生成し
て、液体歯磨となりうるとともに、歯質に対して親和性
の良いリン酸カルシウムの析出が可能であるような、極
めて優れた液体口腔用組成物を提供することを目的とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、本発明の前記課題を解決することができるこ
とを見出した。すなわち、 (1)口腔内で洗口した時、口腔内にリン酸カルシウム
微細粒を供給する機能を具備したことを特徴とする液体
口腔用組成物。 (2)前記リン酸カルシウム微細粒の供給源が第一リン
酸カルシウムであることを特徴とする前記(1)記載の
液体口腔用組成物。 (3)第一リン酸カルシウムが酸により溶解されている
ことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の液体口
腔用組成物。
【0010】本発明の液体口腔用組成物は1液式の液体
口腔用組成物であり、液中に溶解されるイオン源として
は、第一リン酸カルシウムが好適であり、第三リン酸カ
ルシウムあるいは第二リン酸カルシウムより水に溶解性
が良く、抗核形成剤を使用しなくてもpH6.0〜6.
8の範囲で安定に存在でき、析出可能なpH6.0〜
7.5でリン酸カルシウム微細粒を析出させることがで
きる。これに対し、例えば第三リン酸カルシウムを用い
た場合、前記したように、(抗核形成剤を使用せず、)
pHを低くして可溶化した後、中性付近(pH6.0〜
7.5)にもどしてもリン酸カルシウム微細粒の析出は
起こらない。従って、第三リン酸カルシウムを用い(抗
核形成剤を使用せず、)1液式の液体口腔用組成物を調
製しても、該液体口腔用組成物は口腔内でリン酸カルシ
ウム微細粒の析出は起こらず、単にカルシウムイオンお
よびリン酸イオンが歯面に吸着するのみである。
【0011】本発明の液体口腔用組成物では、例えば第
一リン酸カルシウムを用いて調製するので、口腔内にお
いてリン酸カルシウムの微細粒の析出が起こる。従っ
て、口腔内で洗口に使用したとき、口腔内に均一に広が
り、歯面や虫歯の病巣(歯の欠陥部)を再石灰化するこ
とを促進することができる。また、洗口した後口腔内に
リン酸カルシウム微細粒が残るので、その後ブラッシン
グにより歯面からステイン、歯垢などを除去できる。前
記したように本発明の技術は、イオン源として第一リン
酸カルシウムを用いて、イオン濃度を従来より高い濃度
として、抗核形成剤を使用せず1液式製剤で、口腔内全
体に、均一にリン酸イオンとカルシウムイオンを高い濃
度で供給し、口腔内のどのような場所であっても、そこ
で自然に生理学的pHにもたらせることにより、口腔内
でリン酸カルシウムを微細粒として析出させ、効率良く
歯の欠陥部の再石灰化を可能にでき、さらには同時にブ
ラッシングによりその微細粒の析出を促進させ、また歯
面から歯石、歯垢などのステインを除去するということ
は、従来全くない技術思想であり、もちろん従来技術に
は一切記載されていない全く新規な技術である。
【0012】おそらく、歯面の再石灰化は、液体中にカ
ルシウムイオンとリン酸イオンがハイドロキシアパタイ
ト組成比で存在している場合、それらカルシウムイオン
とリン酸イオンが歯の欠陥部に付着し、そこで微結晶状
態で析出することで歯の欠陥部の再石灰化が可能である
ものと推測される。前記本発明の新規な技術により、口
腔内にリン酸イオン、カルシウムイオンを液状で供給し
ながら、口腔内でリン酸カルシウムを微細粒として析出
させ、ブラッシングにより、歯面から歯石、歯垢や食べ
かすなどを除去し、同時に病巣のような欠損部にリン酸
カルシウムを微細粒として析出させることができるよう
になった。
【0013】本発明の口腔用組成物の特徴とするところ
は、その好ましい態様を示せば、次のような性質を有す
るものである。製剤中にリン酸カルシウムを第一リン
酸カルシウム(「リン酸一カルシウム」ともいう。)と
して配合する。液体製剤であって、第一リン酸カルシ
ウムが溶解された状態で存在している。リン酸二ナト
リウムなど他のリン酸イオン濃度調節剤を配合するこ
と。口腔内で洗口すると、口腔内にリン酸カルシウム
微細粒が析出する、第一リン酸カルシウムの一部はイ
オンとして歯面に吸着・コーティングされる。なお、
調剤時、第一リン酸カルシウムの溶解に際しては、他の
配合成分の種類により、pHの調整が必要となる場合が
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の口腔用組成物は、う蝕予
防が可能で、かつブラッシングにより歯垢などが除去で
きる、第一リン酸カルシウムと例えばリン酸二ナトリウ
ムとを配合した液体口腔用組成物であって、第一リン酸
カルシウムを酸で可溶化した1液式製剤である。本発明
の液体口腔用組成物の処方の特徴は、次に挙げる点であ
る。 (1)第一リン酸カルシウムは多量に添加することが可
能で、0.03〜0.2g/100mlの濃度に配合す
ることができる。 (2)本発明の液体口腔用組成物は、pHを歯面脱灰が
起こらないpH5.5以上に設定した口腔用組成物とす
る。好ましくは、口腔内唾液のpHであるpH6.8以
下に設定する。特に好ましくはpH6.0〜6.5に設
定する。 (3)本発明の液体口腔用組成物の調製に当たり、イオ
ン源を可溶化させるために酸(特に有機酸)を使用する
ことが好ましい。イオン源の可溶化の後にはpH調整剤
により、前記のpHの範囲になるように調整を行う。 (4)本発明の液体口腔用組成物は、pH6.0〜6.
5としたもので、口腔内に入る時には、口腔内の条件に
より、リン酸カルシウムが再析出する。そして、歯の欠
陥部の再石灰化をし、歯面修復ができる。
【0015】本発明の液体口腔用組成物の調合の方法
は、例えば下記に示す方法で行う。下記する順序で調合
することが安定した製剤とするのに好ましい。 (a)水にイオン源の可溶化のための酸(例えばクエン
酸)を添加し、pHを酸性(約4.0以下)にする。 (b)(a)の水溶液に、イオン源(カルシウムイオン
源、リン酸イオン源)及び酸以外の成分を混合し、水に
溶解する。 (c)次に、イオン源(例えば第一リン酸カルシウム)
を前記(b)の水溶液に添加して溶解させる。 (d)(c)の水溶液に例えばリン酸二ナトリウムを添
加し、製剤のpHをpH6.0〜6.5に調節する。p
Hの調整には他のpH調整剤、例えば水酸化ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウムなどを使用することができる。 (e)必要によりフッ化ナトリウム、モノフルオロリン
酸ナトリウムなどのフッ素との併用も可能であるため、
本発明の液体口腔用組成物は歯面強化にも使用できる。
【0016】本発明の液体口腔用組成物の別の特徴は、
第一リン酸カルシウムは、第三リン酸カルシウムや第二
リン酸カルシウムよりも水溶液中に可溶化し易いため、
少ない酸量でも製剤化が可能である。このため、製剤中
に添加する酸量(例えばクエン酸等の有機酸量)は、イ
オン源(例えば第一リン酸カルシウム)の可溶化に必要
な最小量でよい。また、添加する酸量により再析出する
pH値の調節が可能である。
【0017】本発明においてイオン源としては、カルシ
ウムイオン源、リン酸イオン源があり、前者としては例
えば第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第
三リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、酢酸カ
ルシウム、グルコン酸カルシウム、オレイン酸カルシウ
ム、酒石酸カルシウム、クエン酸カルシウムなど公知の
カルシウムイオン源を挙げることができる。この中では
第一リン酸カルシウムやグルコン酸カルシウムが好まし
く、特に第一リン酸カルシウムが好ましいが、その他の
カルシウムイオン源を必要により併用しても良い。口腔
用組成物であるので直接添加するカルシウムイオン源は
もちろん、塩や遊離の酸として衛生的に安全なものであ
ることが望ましい。また、本発明においてリン酸イオン
源としては、リン酸、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナ
トリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウムなどの
他オルトリン酸のアルカリ金属塩、オルトリン酸のアン
モニウム塩、酸性オルトリン酸のアルカリ金属塩、酸性
オルトリン酸のアンモニウム塩、メタリン酸のアルカリ
金属塩、メタリン酸のアンモニウム塩などの他公知のも
のを挙げることができる。これらは、pH調整剤として
の機能を合わせもたせることができる。リン酸イオン源
についても同様に衛生的に安全なものであることが望ま
しい。
【0018】本発明の液体口腔用組成物を調製する際に
使用するイオン源を可溶化するための酸としては、有機
酸が好ましく、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、し
ゅう酸、酢酸、安息香酸、炭酸などを挙げることができ
るが、クエン酸が好ましい。これらの酸の使用量として
は十分な量のイオン源が可溶化するように使用すればよ
いので、その量を特に特定する必要はないが、例えば、
イオン源(第一リン酸カルシウム):酸の比率でいう
と、クエン酸の場合を例に挙げれば8:1〜1:5の比
の範囲が適している。具体的には、その比として8:
1、4:1、2:1、5:4、5:3、1:1、3:
4、2:3、1:2、1:4のような比の値を取ること
ができる。このような比でクエン酸を用いていずれもイ
オン源を可溶化することができる。本発明の液体口腔用
組成物において、歯面強化のために共用できるフッ化ナ
トリウムなどのフッ素イオン源としては、フルオロリン
酸塩、シリコン系のフッ化物、フルオロほう酸塩などを
挙げることができる。これらフッ素イオン源の配合濃度
としては、50〜1000ppmが配合できる。また、
pH調節用のためのpH調整剤としては、前記した炭酸
水素ナトリウムの他に公知のpH調整剤を使用すること
ができる。
【0019】本発明の液体口腔用組成物においてはこの
他エタノール、ポリエチレングリコールなどの希釈剤、
グリセリン等の湿潤剤、発泡剤、甘味料、香料、保存
料、着色剤などの添加物を配合することができる。湿潤
剤としては、グリセリンの他ソルビトール、プロピレン
グリコール、グルコースなどを挙げることができる。甘
味料としては、サッカリンナトリウム、サッカリン、ア
スパルテーム、パラチノース、麦芽糖、庶糖、ソルビト
ール、キシリトール、エリスリトール、トレハロースな
どを挙げることができる。香料としては、メントール、
チモール、アネトール、シネオール、オイゲノール、ミ
ント油、ハッカ油、レモン油、オレンジ油、ケイ皮油、
チョウジ油、シナモン油、ユーカリ油、ハーブ油など、
各種の香料を挙げることができる。コーティング剤とし
ては、セラック、ロウ、ミリスチルリン酸、ポリビニル
ピロリドンなどが挙げられる。
【0020】
【実施例】以下に実施例により、本発明について説明す
る。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 本発明の液体口腔用組成物(洗口液)として、第1表に
示す組成のものを調製した。この組成物の調製に際して
は、まずイオン源及びpH調整剤以外の成分を水に溶解
して溶液(以下「基本水溶液」という)を調製する。こ
れに酸としてクエン酸を、第3表に示すように0.00
5%から0.09%の濃度になるように6段階に添加
し、これにカルシウムイオン源として第一リン酸カルシ
ウムを、第3表に示すように0.02%から0.06%
の濃度に5段階に分けて溶解し、pHが約4.0の水溶
液を調製した。この水溶液にリン酸イオン源兼pH調整
剤としてリン酸水素二ナトリウムを加えてpHを約6.
0として洗口液を作成した。
【0021】また、前記クエン酸の代わりに酸兼リン酸
イオン源としてリン酸を0.03%の濃度で添加し、第
一リン酸カルシウムを、第3表に示すように0.05%
又は0.06%の濃度に2段階として溶解して洗口液を
作成した。別に、前記クエン酸の代わりに乳酸を0.3
%又は0.15%の2段階で添加し、第一リン酸カルシ
ウムを0.05%の濃度で溶解して洗口液を作成した。
比較のために、前記基本水溶液にクエン酸を0.06%
又は0.08%添加し、pHを約4.0以下にし、それ
に第三リン酸カルシウムを0.02%の濃度に溶解した
溶液に水溶液を作成した。
【0022】比較の口腔用液体製剤の組成と液体製剤1
00ml中の添加量を第2表に示す。第三リン酸カルシ
ウムは本発明の口腔用液体製剤の場合の第一リン酸カル
シウムを使用する場合に比較して水に溶解しにくいた
め、溶解には多量のクエン酸を必要とする。従って比較
の口腔用液体製剤の組成の場合第三リン酸カルシウムの
濃度は0.02%とした。これら洗口液を20mlず
つ、30秒間洗口し、洗口前と洗口後の液の濁りの様子
を目視により観察した。その結果を第3表に併記した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】第3表に示した液の濁りの様子の結果か
ら、本発明の洗口液ではリン酸カルシウム微細粒が析出
しているのに対して、比較例1の洗口液では液の濁りは
なくリン酸カルシウム微結晶の析出がないことがわか
る。
【0027】処方例 本発明の洗口液に関して、その応用として種々の処方の
ものを作成した。なお、各表において、例えば第4表の
「酸」のように、その項目の剤又は物質の種類を特定し
ていないものは、例えば、下記の液体製剤Aの項に挙
げている「クエン酸」、「乳酸」又は「リン酸」のいず
れかのように、その剤又は物質について挙げている物の
一つに変えてその製剤をつくることができることを示し
ているものである。このため,各製剤により変える剤又
は物質の種類が異なるようにしている。 液体製剤A・・・・・第4表 カルシウムイオン源:第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム リン酸イオン源 :リン酸二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム 酸 :クエン酸、乳酸、リン酸 液体製剤B・・・・・第5表 カルシウムイオン源:第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム リン酸イオン源 :リン酸二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム 酸 :クエン酸、乳酸、リン酸
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】 液体製剤C・・・・・第6表 カルシウムイオン源:第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム リン酸イオン源 :リン酸二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム 酸 :クエン酸、乳酸、リン酸 液体製剤D・・・・・第7表 カルシウムイオン源:第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム リン酸イオン源 :リン酸二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム 酸 :クエン酸、乳酸、リン酸
【0031】
【表6】
【0032】
【表7】
【0033】液体製剤E・・・・・第8表 殺菌剤 :塩化セチルピリジウム、塩化ベン
ゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウ
ム、塩酸アルキルジアミノエチルグルシン、塩酸クロル
ヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピ
ルメチルフェノール、トリクロサン 抗炎症剤 :ε−アミノカプロン酸、グリチル
リチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチ
ン酸、酢酸−トコフェロール、ニコチン酸−トコフェロ
ール、塩化リゾチーム
【0034】
【表8】
【0035】液体製剤F・・・・・第9表 洗浄剤 :ピロリン酸ナトリウム、トリポリ
リン酸ナトリウム等のポリリン酸塩、エデト酸2ナトリ
ウム
【0036】
【表9】
【0037】
【発明の効果】本発明により、下記のような優れた特性
の液体製剤が提供できる。1液式の液体製剤であるので
使用が簡単で、口腔内に使用した際には、口腔内全体
に、リン酸カルシウムの微細粒を析出させることができ
るため、ブラッシングにより歯面から歯石、歯垢などの
ステインを除去できるので、液体歯磨としての作用を有
効に行うことができる。また、それとともに、口腔内全
体に、均一にリン酸イオンとカルシウムイオンを高い濃
度で供給できる。それにより、口腔内のどのような場所
にある虫歯の病巣(歯の欠陥部)にリン酸イオンとカル
シウムイオンを供給し、その他の処理を行うことなく、
自然に生理学的pHにもたらせることにより、効率良く
歯の欠陥部の再石灰化できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 口腔内で洗口した時、口腔内にリン酸カ
    ルシウム微細粒を供給する機能を具備したことを特徴と
    する液体口腔用組成物。
  2. 【請求項2】 前記リン酸カルシウム微細粒の供給源が
    第一リン酸カルシウムであることを特徴とする請求項1
    記載の液体口腔用組成物。
  3. 【請求項3】 第一リン酸カルシウムが酸により溶解さ
    れていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の液体口腔用組成物。
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