JPH11228369A - 口腔用組成物 - Google Patents

口腔用組成物

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JPH11228369A
JPH11228369A JP4620998A JP4620998A JPH11228369A JP H11228369 A JPH11228369 A JP H11228369A JP 4620998 A JP4620998 A JP 4620998A JP 4620998 A JP4620998 A JP 4620998A JP H11228369 A JPH11228369 A JP H11228369A
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tcp
encapsulated
calcium
sodium
fluorine
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JP4620998A
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Koichi Saito
浩一 斉藤
Ami Nagata
亜美 永田
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 カプセル化されたα−第三リン酸カルシ
ウムを含有することを特徴とする口腔用組成物。 【効果】 本発明の口腔用組成物は、高い再石灰化促進
効果を安定して発揮するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カプセル化された
α−第三リン酸カルシウム(α−TCP)を含有し、従
来にない高い再石灰化促進効果を有する口腔用組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】う蝕を
予防するために、従来からフッ素が広く活用され、大き
な実績を残している。その活用形態には大きく分類し
て、全身的応用と局所的応用があり、前者には水道水や
食卓塩などにフッ素を添加する方法やフッ素錠剤などが
含まれ、後者にはフッ素を含む塗布剤、歯磨剤、洗口
剤、歯間フロスなどが含まれる。それぞれの方法には、
有効性、術式の簡便性、コスト、安全性などの面で一長
一短があり、色々な場面で使い分けられている。
【0003】フッ素製剤の有効性や安定性の向上などに
関する公知技術は、歯磨剤、洗口剤、塗布剤、錠剤、歯
間フロスなどの剤型の違いごとに過去数多く報告されて
いる。
【0004】例えば、フッ素化物と研磨剤用炭酸カルシ
ウムと可溶性アルカリ炭酸塩とからなり、フッ素と研磨
剤との反応性を防止し、フッ素の活性を維持する技術
(特公平5−9404号公報)、フッ化ナトリウムと水
溶性カルシウム塩と第三物質(糖誘導体)とからなり、
コロイド性フッ化物を形成し、フッ素の滞留性を向上さ
せる技術(特開平3−72415号公報、特開平6−2
98631号公報)、フッ化物と酒石酸と水溶性カルシ
ウム塩(或いは研磨剤用炭酸カルシウムを配合)とから
なり、カルシウム供給を向上させる技術(特公平8−3
2619号公報)、フッ化物と正リン酸塩とからなり、
pHが7〜11の非研磨性組成物(特開昭60−979
13号公報)、フッ化物とカルシウム塩とリン酸塩及び
ジアミンテトラメチレンホスホン酸などの有機物質とか
らなり、カルシウムイオンとリン酸イオンとの供給を向
上させる技術(特公昭63−47685号公報)、モノ
フルオロリン酸ナトリウムとグリセロリン酸カルシウム
とからなり、カルシウム供給を向上させる技術(特公昭
52−24572号公報)、水溶性カルシウム塩とフル
オロ珪酸塩などの錯フッ化物とからなり、フッ化カルシ
ウムを形成させるのに有利な技術(公表平4−5066
55号公報)、α−TCPを含み中性ないし弱アルカリ
性の歯磨剤(特開昭59−216813号公報)、α−
TCPとリン酸水素アルカリ塩とフッ素化合物からなる
口腔用組成物(特開平6−24929号公報)などが知
られている。
【0005】一方、近年ハイドロキシアパタイト等のリ
ン酸カルシウム化合物を配合し、再石灰化機能を訴求し
た歯磨剤等が発売されている。
【0006】再石灰化とは、局所におけるカルシウム濃
度、リン酸濃度、pHの上昇に伴い、歯質エナメル質の
アパタイトに対する飽和度が上昇した結果起こる現象で
ある。更にその効果はフッ素(F-)の存在により向上
することが知られている。従って、再石灰化を促進する
ためには、歯質表面のpHの上昇、カルシウム及びリン
酸イオン濃度を増加させ、更にこれら状況下で、Fを存
在させることが再石灰化の促進に繋がる。
【0007】しかし、上記公知技術からなる口腔用組成
物において、満足できる再石灰化効果を得るには至って
いない。その理由はエナメル質表面に十分なカルシウム
イオン、リン酸イオン、フッ素イオンを供給できないた
めと考えられる。
【0008】また、近年注目されているハイドロキシア
パタイトは最も溶解しにくいリン酸カルシウム化合物で
あるため、上記メカニズムから推察すればハイドロキシ
アパタイト自体に再石灰化促進効果があるとは言い難
く、また第二リン酸カルシウムは、局所で溶解してもp
Hの急激な上昇には繋がらず、十分な再石灰化促進効果
は期待できない。
【0009】一方、解剖学的には極めて複雑な形態をし
ている小窩裂溝部、或いは隣接面などは歯垢も溜まり易
く、う蝕発生率は平滑面よりも高い。歯垢の下はpHが
低く、歯質が脱灰され易い環境下にあり、この状態でフ
ッ素だけを処置しても必ずしも十分な脱灰抑制、再石灰
化効果が発揮されるとは言えない。
【0010】特開平6−24929号公報によれば、α
−TCPとリン酸水素アルカリ塩とフッ素化合物からな
る口腔用組成物が提案されているが、それらの組成は水
と接触したときアパタイト様の難溶性の成分が生成し、
安定な組成とは言い難く、全く実用的ではない。
【0011】即ち、α−TCPは再石灰化効果は期待さ
れる一方、水存在下でアパタイト化合物へ転換する性質
がある。その反応はフッ素化合物或いはその他水溶性の
リン酸カルシウム化合物の存在で加速され、いわゆる自
己硬化反応を起こすため、それらを配合した安定な組成
が得られ難い。つまりアパタイト化合物の生成は、再石
灰化に必要なカルシウムイオン、リン酸イオン、フッ素
イオンを自己消費することを意味し、再石灰化に必要な
各イオンの供給を妨げることになる。
【0012】従って、本発明の目的は、水系でも安定な
組成であり、更に各イオンの急な反応を抑制し、歯質の
局所的なpHの上昇と十分なカルシウムイオン、リン酸
イオン、更にはフッ素化合物の配合によりフッ素イオン
を供給することが可能で、高い再石灰化効果を有する口
腔用組成物を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、
カプセル化したα−TCPを含有する組成物は、フッ素
化合物を併用しても水系で安定であり、更に歯磨行為等
で口腔内でカプセルが徐々に剥離するのでα−TCPの
溶解によるカルシウムイオンとリン酸イオンが徐々に放
出され、自己反応を抑制すると共に歯質の局所的なpH
の上昇と効率的なカルシウムイオン、リン酸イオン、更
には、フッ素化合物を併用した場合、フッ素イオンの供
給により、優れた再石灰化促進効果を発揮することを見
出した。
【0014】即ち、α−TCPはハイドロキシアパタイ
トに比べ溶解し易く、局所のpHを上昇させる点で、類
似のカルシウム化合物である第二リン酸カルシウムとは
異なった性質を有する。プラークで酸が産生された場合
(即ち、歯の脱灰が進行する時)は、その酸によってα
−TCPが一層速やかに溶解してカルシウムイオン及び
リン酸イオン濃度が上昇する。更に同部位にフッ素が存
在すると、フルオロアパタイトに関して過飽和状態とな
り、歯の脱灰を抑制すると同時に再石灰化促進効果を発
揮するものである。一方、酸が産生されていない平常時
でも、上記と同様の予防効果を実現することができる。
更にα−TCPは高濃度のリン酸イオンとカルシウムイ
オンを供給するため、低濃度のフッ素化合物でも高い再
石灰化促進効果が期待される。
【0015】しかし、上述したように、α−TCPは水
存在下でアパタイト化合物へ転換する性質を有し、口腔
用組成物にそのまま配合した場合にはその効果が十分発
揮されないものであるが、α−TCPをカプセル化して
配合した場合には、安定した製剤が得られ、α−TCP
の上述した効果が有効に発揮され、高い再石灰化効果を
与え、またフッ素化合物との併用により高いう蝕予防効
果を与えることを知見し、本発明をなすに至ったもので
ある。
【0016】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の口腔用組成物は、カプセル化したα−TCP
(α−第三リン酸カルシウム)を含有するものであり、
好ましくはこのカプセル化したα−TCPとフッ素化合
物とを併用したものである。
【0017】ここで、α−TCPとしては、その製造法
に制限はなく、公知の方法によって得られたものを用い
ることができる。また、α−TCPの粒度分布も特に制
限されるものではないが、平均粒径が0.05〜50μ
m、特に0.5〜20μmであることが好ましい。
【0018】α−TCPのカプセル化の方法としては、
機械的製法、物理化学的製法、化学的製法の既知の方法
を応用して製造することが可能である。例えば、物理化
学的製法では、有機溶媒系からの相分離法などが用いら
れ、エチルセルロース−四塩化炭素−石油エーテル、ポ
リスチレン−キシレン−石油エーテル、ポリエチレン−
キシレン−塩化アミル、ポリメチルメタクリレート−ア
セトン−キシレン、アクリロニトリル・スチレン共重合
体−メチルエチルケトン、ポリ酢酸ビニル−クロロホル
ム−エタノール等の組み合わせによる使用が可能であ
る。膜剤の膜厚は3〜100μmが好ましい。また、必
要に応じ相分離誘起用補助高分子が使用される。
【0019】カプセル化したα−TCPの配合量は、組
成物の配合成分の組み合わせ等によって適宜選択できる
が、組成物全体の0.05〜30重量%、特に0.2〜
10重量%であることが好ましい。
【0020】また、再石灰化促進効果の持続、或いは効
果向上を図るため、必要に応じカプセル化したα−TC
Pに以下の化合物と組み合わせて配合させることが可能
である。α−TCPより溶解度が低いβ−TCP、更に
は第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第四
リン酸カルシウム、リン酸8カルシウム、ハイドロキシ
アパタイト、フッ素含有アパタイト、更にプラークが産
生する酸を中和する効果のある炭酸カルシウム等が挙げ
られる。これらの成分の配合量は、0.05〜10重量
%であることが好ましい。
【0021】これらの化合物は、カプセル化せずに配合
することも可能であるが、フッ素化合物との反応性が問
題となる場合はα−TCPと共に非水系でカプセル化
し、配合することが好ましい。
【0022】フッ素化合物としては、フッ化アンモニウ
ム、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロ
ンチウム、フッ化マグネシウム、フッ化スズ、フッ化ア
ルミニウム、フッ化リチウム、フッ化カリウム、フッ化
ナトリウム、ケイフッ化化合物、モノフルオロリン酸ナ
トリウム、モノフルオロリン酸アンモニウム、モノフル
オロリン酸カリウム、モノフルオロリン酸リチウムなど
から1種又はそれらを組み合わせて選ぶことができる。
これらの中で好ましくはフッ化ナトリウム、モノフルオ
ロリン酸ナトリウムである。
【0023】配合するフッ素化合物の濃度は、Fイオン
として2000ppmを超えない濃度が好ましく、特に
好ましくは50〜1500ppmである。
【0024】フッ素化合物は、非水系のカプセル化であ
る限りはα−TCPと共にカプセル化して製剤に配合す
ることも可能である。
【0025】本発明は、歯磨剤、洗口剤或いは塗布剤な
どの口腔用組成物、またチューインガムやトローチなど
の食品の形態でも応用できる。この場合、上記の如くα
−TCPとフッ素とが予め一つの相に配合されて使用さ
れる形態、或いは両者が別々の二相に分離され、使用時
に混合されて使用される形態のいずれでもよい。
【0026】代表的な口腔用組成物である歯磨剤を製造
する場合の主な原料の例を以下に示す。
【0027】研磨剤としては、従来使用されている研磨
剤用炭酸カルシウムをはじめ、第二リン酸カルシウム二
水和物又は無水物、シリカ、水酸化アルミニウム、アル
ミナ、ピロリン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリ
ウム、ハイドロキシアパタイト、プラスチック粒子など
があるが、好ましくは、フッ素と反応性の少ないもの、
或いは、反応性を低下させる処理を施したものがよい。
これらの研磨剤は1種又は2種以上を併用して常用量で
用いることができる。
【0028】また、歯磨剤や洗口剤などを調製する場
合、製剤の保存安定性やpHコントロールのため、炭酸
ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウ
ム、炭酸カリウムナトリウム、炭酸リチウム、尿素、ア
ミノ酸オリゴマーなどを配合することができる。同様
に、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、グリセロリン酸カルシウム、水酸化カルシウムなど
の無機性カルシウム化合物や、乳酸カルシウム、酢酸カ
ルシウム、マロン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、
グリコン酸カルシウム、グリセリン酸カルシウム、酒石
酸カルシウム、フィチン酸カルシウムなどの有機酸カル
シウムを配合でき、これらの1種単独で或いは2種以上
を組み合わせて使用することができる。その配合量は、
0.05〜10重量%であることが好ましい。
【0029】歯磨剤のpHは、配合する原料の種類や配
合量により適宜決められ、また口腔粘膜への刺激性か
ら、概ねpH6〜10が好ましい。その時に使用される
pH調整剤は、上記成分の他、塩酸などの鉱酸やクエン
酸などの有機酸、或いは水酸化ナトリウムなどの水酸化
物などの可溶性炭酸塩などが使用できる。
【0030】更に、可溶性フッ素化合物以外の種々の薬
用成分も、目的に応じて併用できる。例えば、クロルヘ
キシジン、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、塩
化ベンゼトニウムなどの抗菌殺菌剤、クエン酸亜鉛、塩
化亜鉛、グルコン酸銅、塩化銅などの金属化合物、ピロ
リン酸塩、ポリリン酸塩、エタンヒドロキシホスフォン
酸などの歯石予防剤、トラネキサム酸、グリチルリチン
酸ジカリウムなどの抗炎症剤、デキストラナーゼ、ムタ
ナーゼ、リゾチームなどの酵素剤、ビタミンA,C,
E,B6、パントテン酸塩などのビタミン類、グリシ
ン、リジン、ヒスチジンなどのアミノ酸類、塩化ナトリ
ウム、重曹などの収斂剤、乳酸アルミニウム、硝酸カリ
ウムなどの知覚過敏防止剤、ザルコシネート、タンニン
様物質などの抗酵素剤等と併用することもできる。
【0031】本発明の口腔用組成物を歯磨剤、洗口剤な
どとして用いる場合には、上記成分以外にも下記に示し
た基剤を配合して調製することができる。即ち、バイン
ダー又は有機性増粘剤として、カルボキシメチルセルロ
ース、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、
グアーガム、アルギン酸ナトリウム、プルロニック(商
品名)、ガントレッツ(商品名)、ポリアクリル酸、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、シクロデ
キストリン、リン酸化デンプン、キチン・キトサン及び
その硫酸化/リン酸化誘導体、カゼイン、ゼラチンなど
が挙げられる。
【0032】界面活性剤として、陽イオン系、陰イオン
系、非イオン系、或いは両性系のいずれの活性剤も使用
できる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイル
ジエタノールアミド、ラウロイルザルコシネート、N−
アシルグルタミン酸ナトリウム、モノステアリン酸エス
テル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油、モノオレイン酸ソルビタン、CAE(商品
名)(味の素社製)、アミオープLL(商品名)(味の
素社製)等が挙げられる。
【0033】保湿剤として、ポリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ソルビトール、グリセリン、キ
シリトール等が挙げられる。
【0034】その他の成分として、歯磨剤、洗口剤、塗
布剤等には、アルコール、ジメチルシロキサン等のシリ
コーン性物質、ピロリン酸、メタリン酸等の縮合リン酸
誘導体、フィチン酸、クエン酸亜鉛、塩化亜鉛等の亜鉛
化合物、塩化マグネシウム等のマグネシウム塩、リン酸
化デンプン、カゼイン等のリン酸エステル化合物、ポリ
アクリル酸等の多カルボン酸誘導体、EHDP等の有機
リン酸系化合物、防腐剤、着色剤、香料等も添加するこ
とができる。
【0035】これらもα−TCP、フッ素化合物と一緒
にカプセル中に封入して製剤に配合することも可能であ
る。
【0036】
【発明の効果】本発明の口腔用組成物は、高い再石灰化
促進効果を安定して発揮するものである。
【0037】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、下記例において%は重量%を示
す。
【0038】下記実施例において、防腐剤とはメチルパ
ラベンや安息香酸などの従来のものを指し、またサッカ
リンや防腐剤の項目で微量配合と表記した量は、概ね
0.5重量%以下を意味している。また、実施例中のカ
プセル化α−TCPとは、膜剤にポリエチレンを、溶媒
にキシレン、塩化アミルを用い、相分離法でカプセル化
したものを用いた。生成したカプセル化α−TCPは平
均粒径が1mm、膜厚が15μmであった。また、下記
例において、再石灰化効果の評価は下記の通り行った。実験方法 ヒトエナメル質平滑面の5×5mmのウィンドウ以外
をマニュキュアでコーティングした後、37℃で下記脱
灰液(*1)に2日間浸漬し、表層下脱灰を形成させ
た。繰り返し数は一群3歯とした。 脱灰直後のエナメル質を、ウィンドウ部を含む縦断面
で薄切し、更に研磨して約200μmの厚さのエナメル
スラブを作製した。このスラブを下記条件でコンタクト
マイクロラジオグラム撮影(*2)し、表層下脱灰部ミ
ネラル密度の初期値とした。 下記実施例及び比較例の歯磨剤及び無研磨ゲルを水で
4倍希釈したスラリーを試験液とし、上記の表層下脱
灰歯を試験液に浸漬し、3分処置ブラッシング後、水洗
浄した。 処置した脱灰歯は、37℃で下記再石灰化液(*3)
に6時間浸漬した。 その後、上記の操作を繰り返し、再び再石灰化液に
浸漬した。 以上の操作を1日2回ずつ繰り返し、2週間継続し
た。 2週間後、と同様にエナメルスラブを作製した。こ
のスラブを上記と同様にコンタクトマイクロラジオグラ
ム撮影(*2)し、処置後の表層下脱灰部のミネラル密
度とした。 上記とを比較し、下記基準で官能評価した。結果
を表1に示す。 〈評価基準〉 初期値と比べ、ほとんど再石灰化していない :1 初期値と比べ、僅かに再石灰化した :2 初期値と比べ、少し再石灰化した :3 初期値と比べ、かなり再石灰化した :4
【0039】歯磨剤 [実施例1] フッ化ナトリウム 0.22% カプセル化α−TCP 4.0 シリカ 15.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 ソルビトール 20.0 キシリトール 10.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量精製水 残量 計 100.0%
【0040】 [実施例2] モノフルオロリン酸ナトリウム 0.8% カプセル化α−TCP 4.0 第二リン酸カルシウム 25.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 グリセリン 20.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量 塩化セチルピリジニウム 0.3精製水 残量 計 100.0%
【0041】 [実施例3] フッ化ナトリウム 0.22% カプセル化α−TCP 4.0 シリカ 15.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 グリセリン 10.0 キシリトール 10.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 ラウロイルザルコシネート 0.3 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量精製水 残量 計 100.0%
【0042】 [実施例4] モノフルオロリン酸ナトリウム 0.8% カプセル化α−TCP 4.0 水酸化アルミニウム 20.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 グリセリン 10.0 キシリトール 10.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量精製水 残量 計 100.0%
【0043】 [実施例5] モノフルオロリン酸ナトリウム 0.8% カプセル化α−TCP 4.0 シリカ 15.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 キシリトール 10.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 ラウロイルザルコシネート 0.3 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量精製水 残量 計 100.0%
【0044】 [実施例6] フッ化ナトリウム 0.22% カプセル化α−TCP 4.0 水酸化アルミニウム 20.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 グリセリン 20.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量 トリクロサン 0.3精製水 残量 計 100.0%
【0045】 [実施例7] モノフルオロリン酸ナトリウム 0.8% コロイド性炭酸カルシウム 4.0 カプセル化α−TCP 2.0 シリカ 15.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 ソルビトール 20.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量 ピロリン酸ナトリウム 5.0精製水 残量 計 100.0%
【0046】 [実施例8] モノフルオロリン酸ナトリウム 0.8% カプセル化α−TCP 4.0 歯磨剤用炭酸カルシウム 25.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 グリセリン 25.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量 デキストラナーゼ 0.3精製水 残量 計 100.0%
【0047】 [実施例9] モノフルオロリン酸ナトリウム 0.8% カプセル化α−TCP 4.0 歯磨剤用炭酸カルシウム 25.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 グリセリン 30.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 フィチン酸 1.0 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量 デキストラナーゼ 3.0精製水 残量 計 100.0%
【0048】 [実施例10] フッ化ナトリウム 0.22% カプセル化α−TCP 4.0 シリカ 15.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 キシリトール 20.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量 トラネキサム酸 0.3精製水 残量 計 100.0%
【0049】 [実施例11] モノフルオロリン酸ナトリウム 0.8% カプセル化α−TCP 1.0 第二リン酸カルシウム 25.0 塩化カルシウム 5.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 ソルビトール 20.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 防腐剤 微量 香料 1.0 重曹 5.0 サッカリン 微量 塩化セチルピリジニウム 0.3精製水 残量 計 100.0%
【0050】 [実施例12] フッ化ナトリウム 0.11% カプセル化α−TCP 2.0 シリカ 15.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 キシリトール 20.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量 デキストラナーゼ 0.3精製水 残量 計 100.0%
【0051】 [実施例13] モノフルオロリン酸ナトリウム 0.4% カプセル化α−TCP 4.0 シリカ 25.0 キシリトール 10.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 グリセリン 20.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量 塩化セチルピリジニウム 0.3精製水 残量 計 100.0%
【0052】 [実施例14] フッ化ナトリウム 0.11% カプセル化α−TCP 2.0 シリカ 15.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 キシリトール 20.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 ピロリン酸 1.0 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量 デキストラナーゼ 0.3精製水 残量 計 100.0%
【0053】 [実施例15] フッ化ナトリウム 0.06% カプセル化α−TCP 1.0 シリカ 15.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 キシリトール 20.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 トリクロサン 0.2 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量 デキストラナーゼ 0.3精製水 残量 計 100.0%
【0054】 [実施例16] モノフルオロリン酸ナトリウム 0.2% カプセル化α−TCP 2.0 シリカ 25.0 キシリトール 10.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 ソルビトール 25.0 トラネキサム酸 0.3 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量 塩化セチルピリジニウム 0.3精製水 残量 計 100.0%
【0055】無研磨ゲル [実施例17] フッ化ナトリウム 0.05% カプセル化α−TCP 5.0 香料 1.0 グリセリン 25 キシリトール 5.0 サッカリン 0.01 ノニオン活性剤 1.0 カルボキシメチルセルロース 3.0 防腐剤 微量 pH調整剤 微量 色素 微量精製水 バランス 計 100.0% pH 8.5
【0056】 [実施例18] フッ化ナトリウム 0.22% カプセル化α−TCP 4.0 香料 1.0 グリセリン 20 キシリトール 5.0 サッカリン 0.01 ノニオン活性剤 1.0 カルボキシメチルセルロース 2.5 防腐剤 微量 pH調整剤 微量 色素 微量精製水 バランス 計 100.0% pH 7.5
【0057】歯磨剤 [比較例1] フッ化ナトリウム 0.22% α−TCP 4.0 シリカ 15.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 ソルビトール 20.0 キシリトール 10.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量精製水 残量 計 100.0%
【0058】 [比較例2] モノフルオロリン酸ナトリウム 0.8% α−TCP 4.0 第二リン酸カルシウム 25.0 カルボキシメチルセルロース 1.5 ポリエチレングリコール 3.0 グリセリン 20.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 防腐剤 微量 香料 1.0 サッカリン 微量 塩化セチルピリジニウム 0.3精製水 残量 計 100.0%
【0059】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カプセル化されたα−第三リン酸カルシ
    ウムを含有することを特徴とする口腔用組成物。
  2. 【請求項2】 フッ素化合物を配合した請求項1記載の
    口腔用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005104911A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Sunstar Inc 口腔用組成物
JP2008201791A (ja) * 2000-11-02 2008-09-04 Kuraray Co Ltd 充填剤及び該充填剤を含有する歯科用複合材料
WO2018168997A1 (ja) 2017-03-16 2018-09-20 江崎グリコ株式会社 歯牙の再石灰化を促進できる口腔用組成物

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