JPH10310497A - 酸化物超電導バルク材料とその製造方法 - Google Patents
酸化物超電導バルク材料とその製造方法Info
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Abstract
導バルク材料を提供する。 【構成】 内部に5から35体積%以下の211相が分
散するか、白金またはロジウムが添加された配向した超
電導バルク平板の積層体であり、平板の積層方向がc軸
方向になっており、平板のab面方向の半径が20mm
以上でc軸方向の高さが0.3mmから15mmである
ことを特徴とする酸化物超電導バルク材料とその製造方
法。 【効果】 均一かつ十分に酸素付加されるため、バルク
全体の超伝導特性が向上する。
Description
流器等に利用される酸化物超電導体に関する。
導体( REBa2Cu3Oxと表記。REはY、La、Ce、P
r、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb、Luからなる群から選ばれた1
種以上の元素をさす。)は他の酸化物超電導体に比較し
て磁束ピンニング力が大きく、特に液体窒素温度(77
K)に近い高温でも臨界電流密度が高いため、その利用
が期待されている。しかしながら、この超電導体は結晶
粒界が著しく臨界電流密度を低下させるため、結晶粒が
高度に配向している必要がある。現在の技術では、結晶
配向した希土類系超電導体を製造する方法として、格子
定数の近い基盤上に成膜させる方法と溶融法が挙げられ
る。
4、および特開平5−193938)で代表されるよう
な溶融法は、一度RE2BaCuO5相とBa-Cu-Oを主成分とした
液相が共存する温度領域まで昇温し、これをREBa2Cu3Ox
が生成する包晶温度直上まで冷却し、この温度から徐冷
をおこなうことにより結晶成長させ、大きな結晶粒を得
る手法である。特に、特開平5−193938に開示し
た包晶温度が高い結晶を種結晶として結晶成長させるシ
−ディング法により、現在、約20cm2以上の結晶粒
をもったバルク超電導材料を作製することができる。こ
の材料の臨界電流密度は77K、1Tで10000A/
cm2以上であり、臨界電流密度が優れている。臨界電
流密度が高く、大型の材料が得られることからこれを磁
気浮上、磁気シ−ルド、バルク磁石等に使用することが
期待されている。
と臨界電流密度で決定する。したがって、結晶粒が大き
ければ大きいほど磁石の特性が優れることになる。
比性があり、xの値で6.5以下の場合は正包晶、6.5以上
の場合は斜包晶構造となる。平衡する酸素量は温度に依
存し、高温ではxの値が小さくなり、低温では大きくな
る。例えば、大気中では900℃で6.1から6.2、700℃で6.
5から6.6、500℃で約6.7であり、純酸素中では900℃で
6.2から6.3、700℃で6.4から6.5、500℃で約6.8であ
る。超電導体になるのは斜方晶構造のもので、良好な超
電導特性を得るにはxの値で6.8から7.0が必要となる。
例えば、YBa2Cu3Oxの場合、溶融法にて結晶成長が終了
する温度は960℃から990℃であるが、この時点では正方
晶構造であり、低温に冷却しても超電導体にはならな
い。これを最終的に超電導体とするためには酸素付加処
理をする必要があり、通常は酸素雰囲気中にて500℃以
下の温度でアニ−ルをおこなう。
でも平衡状態の場合であって、バルクが大きくなると、
酸素の拡散に関わる問題が生じてくる。第一は材料が大
きくなると酸素付加に大きな時間を要するようになる点
である。低温になればなるほど酸素付加に要する時間が
かかり、大きな試料では十分に酸素付加ができなくな
る。第二は、酸素付加に伴うクラックの問題である。正
方晶から斜方晶への転移は結晶構造を歪ませるため、こ
れがクラックの発生と拡大の要因になっている。希土類
型酸化物超電導材料の場合、c軸に垂直な面、すなわち
ab面で劈開割れを起こしやすいが、材料の大きさが大き
いほどクラック入りやすくなる。クラックが発生した部
位は酸素が通りやすく、その部分が優先的に酸素付加さ
れるため、場所による酸素量の不均一を拡大し、またそ
れが大きなクラック進展の引き金となる。これらの酸素
の問題は、この材料を大型化すると共に大きくなり、特
に半径が20mmを超えると大型化した分だけ磁石特性が向
上しない問題があった。
素付加が均一かつ十分になされた半径が20mmを超えるよ
うな大型の希土類系酸化物超電導バルク材料とその製造
方法を提供する。
上記の問題を解決するために、酸素付加前の配向したRE
Ba2Cu3Ox系バルクをc軸に垂直に0.3から15mmの厚さに
スライスした後、酸素付加をおきない斜方晶構造とし、
再度c軸方向に積層しバルク体を再構成し、図1または
図2に示すような構造とする手段を講じたものである。
図1の構造は主としてバルク磁石として使用される。ま
た図2に示す構造は主として磁気シ−ルド体に使用され
る。本発明におけるバルク超電導材料とその製造方法に
おいては以下の要件が必要である。 1.結晶配向したREBa2Cu3Ox系バルクが製造可能な組成
であること。 2.切断前のバルク体は正方晶であること。 3.結晶配向しており、切断面がc軸に垂直であるこ
と。
径20mm以上の酸化物超電導バルク材料で有効である。
は、現在のところ先に述べたような溶融法以外にはな
い。しかし、この材料はバリウムを含むため、半溶融時
で反応性が高く、坩堝は使用できない。したがって、半
溶融時は下面のみ原料の重さを支えなければならず、RE
2BaCuO5相とBa-Cu-Oを主成分とした液相が共存する温度
に加熱し半溶融状態になった時、形状を保持している必
要がある。このためには2つの方法がある。
の量を増加することである。この場合実施例で示すよう
に、最終的にREBa2Cu3Oxバルク中にRE2BaCuO5相が5体
積%以上残留するような組成である必要がある。しか
し、REとBaとCuの比が1:2:3の比から大幅にずらし
てRE2BaCuO5相を増加させるとBaとCuが欠乏するためず
れ、結晶成長が阻害されるため、大型の結晶が製造でき
なくなる。最終的なRE2BaCuO5相の残留組成は35体積
%以内であることが望ましい。実際は、実施例に示すよ
うに、現在の溶融法においては、これ以上の体積率のRE
2BaCuO5相はREBa2Cu3Oxバルク中に残留できない。
相を微細化することである。最終的に残留するRE2BaCuO
5相が少ない、例えばREとBaとCuの比が1:2:3の比
においても、半溶融状態において大きく形が崩れること
はない。半溶融状態においてRE2BaCuO5相を微細化する
方法として白金またはロジウムを添加する方法がある。
これを形状保持の目的に使用する場合はREBa2Cu3Ox系バ
ルク超電導材料中に白金で0.1重量%、ロジウムで0.01
重量%のロジウムが含まれている必要がある。上限は1.
0重量%である。これは、これ以上増やすと臨界温度が劣
化するためである。
は、その表面積はなるべく大きいがよいが、酸素付加前
からクラックが存在していた場合、クラックの不均一な
進展を招くため、酸素アニ−ル前にはクラックは極力避
ける必要がある。したがって、スライス前に、クラック
発生の原因になる斜方晶への転移は避ける必要がある。
現状の技術では、直接薄板試料を製造することは難し
い。これは、材料製造時に材料を保持する支持基材との
熱膨張差や反応等によって、薄板試料の高さ方向にクラ
ックが発生してしまうからである。高さ方向の割れは電
流の経路を遮断してしまうため避ける必要がある。した
がって、半径に対して高さが1/2以上の材料を作製し
て、その後にスライスする方法が望ましい。
散係数がc軸方向の拡散係数に比較して圧倒的に大きい
が、実際には酸素付加はc軸方向の厚さにも影響され、
ab面方向の半径が20mmを超える場合、c軸方向の厚さが
15mm以上になると十分な特性が得られないことがわかっ
た。スライスは半導体の切断製造を利用できる。現在通
常使用されているダイヤモンドブレ−ドの刃厚は0.3mm
程度であり、材料の切断厚さが薄くなると歩留まりが低
下することから、0.3mm以下の薄さに切断することは現
実的ではない。
材料として使用する場合、磁場は円柱、あるいは円筒に
垂直に印加し、超電導電流はその垂直な面を環流するよ
うに使用される。したがって、超電導電流が臨界電流密
度の小さいc軸方向に流れるような使用法は避けること
が望ましく、切断はc軸に垂直に切断する必要がある。
またクラックはc軸に垂直に発生しやすいため、c軸に
垂直に切断することはその意味でも合理的である。
角柱や六角柱状等の多角柱、あるいは円筒形等の様々な
形状の大型バルク材料に適用できる。この場合もab面方
向の半径相当径が約20mmを超え、c軸方向の高さが15mm
以上になる大型バルク材料に適用される。
方向に再積層したREBa2Cu3Oxバルク超電導体は、短時間
の酸素アニ−ルで酸素が均一かつ十分に付加される。こ
のため、切断しないで酸素アニ−ルしたREBa2Cu3Oxバル
ク超電導体に比較して、バルク全体の超電導特性をあら
わす磁気特性に優れる。したがって、優れた特性を有す
るバルク磁石、磁気シ−ルド体の製造が可能である。
った。原料粉末として、Y2O3,BaO2,CuOおよび白金、ロ
ジウム粉末を様々な組成に秤量し、半溶融時における形
状保持の状態を調べた。YとBaとCuの比は1:2:3の
ものと1.05:1.95:2.9の2種類用意した。これらは、最
終的にYBa2Cu3Oxバルク中にY2BaCuO5相が0mol%、およ
び5mol%残留する組成である。白金とロジウムは0、0.
005、0.01、0.1、0.2 、0.5、0.8、1.0、1.5重量%を2
種類の組成の粉末に対しそれぞれ添加した。したがっ
て、本実施例において試験された原料粉末は35種類で
ある。これらの原料粉末をアルミナ乳鉢中にてよく混練
し、60mmΦの金型を用いて高さ20mmに成形し、
その後2ton/cm2の圧力にて静水圧成形を施し、原料
成形体とした。
た後、結晶成長熱処理をおこなった。始めに1150℃
に加熱し、30分保持した後、1時間で1005℃に冷
却した。その冷却過程1030℃で3mm角のSmBa2Cu3
Oxの劈開面(ab面)を半溶融状態の成形体上面に接触させ
るシ−ディング操作をおこなった。その後、960℃ま
で0.3℃/hの冷却速度で徐冷し、この温度から室温
までは8時間で炉冷した。
相とBa-Cu-Oを主成分とした液が共存する半溶融状態に
なっている。シ−ディング時に炉内の半溶融状態にある
原料成形体を観察すると、Y:Ba:Cuの比が1:2:3の比で粉
末で白金とロジウムがどちらも無添加もの、白金を添加
したもので、0.1重量%の組成未満の2種類、およびロ
ジウムを0.005重量%添加したものは、中央部が大きく
へこみ、重力によって形が大きく歪んでいた。Y:Ba:Cu
の比が1.05:1.95:2.9の組成のものは全て円柱形に形状
を保持していた。
−ディング時に形状が歪んでいた4種類以外は円柱形が
保持され、バルク全体にわたって結晶成長しており、ま
たc軸が円柱の高さ方向を向いていることがわかった。
最終的な大きさは直径45mm,高さは15mmであっ
た。また、組織を偏光顕微鏡にて観察したところY:Ba:C
uの比が1:2:3の粉末を原料とした試料では、配向したYB
a2Cu3Oxマトリックス中に局所的に5μm程度の大きさ
のY2BaCuO5相が観察されるが、 Y2BaCuO5相の体積分率
はほぼ0%であった。一方、Y:Ba:Cuの比が1.05:1.95:
2.9の組成のものは、YBa2Cu3Oxマトリックス中のY2BaCu
O5相の体積分率はほぼ5%であった。 Y2BaCuO5相の大
きさは、白金・ロジウムの添加量が増えるにしたがって
小さくなっていたが、白金を0.1重量%添加したものと
ロジウムを0.01%添加したもので、2μm以下になって
いた。形状保持の効果は Y2BaCuO5相が微細化されたた
めと考えられる。
体を製造するためには、 YBa2Cu3Ox単相になる組成では
形状を保持することができなく、5体積%程度Y2BaCuO5
相が過剰に導入させる組成にする必要があることがわか
った。また、 YBa2Cu3Ox単相になる組成でも白金または
ロジウムを添加することによって、半溶融時に形状を保
持できることがわかった。形状保持の効果はロジウムの
方が高く、白金では0.1重量%必要であるのに対し、ロ
ジウムでは0.01重量%以上で形状保持効果が得られるこ
とがわかった。
を作製し、その超電導特性を調べた。実施例1と同じ原
料粉末をもちいて、Y2BaCuO5相が15mol%、30mol%、45
mol %残留する組成になるように秤量した。白金粉末は
それぞれ0.5重量%添加した。この添加量は、小試料を
使用した臨界電流密度測定で得られた最適組成である。
これら3つの組成から出発して作製したYBa2Cu3Oxバル
ク超電導体を15%211、30%211および45%
211とする。
を表面から観察する限りにおいては、直径45mm厚さ15m
mの円柱状バルクは1つのYBa2Cu3Oxバルク結晶粒から
構成されていた。円柱試料の上面と下面を少し研磨して
平行で平滑な面に仕上げ、上面のX線回折実験をおこな
い、c軸が円柱の高さ方向になっていることを確かめ
た。この後、酸素気流中にて450℃で240時間の酸素アニ
−ルを施し、酸素付加をおこなった。
いて、室温でc軸方向に1.5Tの磁場を印加して、この
まま液体窒素にて冷却した後、磁場を0に低下させた。
その後、液体窒素中で上面の捕捉磁場分布をホ−ル素子
にて測定した。測定は面の垂直成分についておこなっ
た。
おり、同心円、円錐状の分布をしていた。中心の最も捕
捉磁場の大きくなっている磁場(B−trap)を表1に示
した。
x3mmの試料を切り出し、直流磁化測定法により臨界電
流密度を測定した。磁場はc軸に平行な3mmの一辺に
平行に印加した。この結果得られた1Tにおける臨界電
流密度(Jc−before)を表1に示す。また、この測定試
料を酸素気流中にて450℃で24時間酸素アニ−ルを施
して同様に直流磁化測定をおこない、この結果得られた
1Tにおける臨界電流密度(Jc-after)も表1に示し
た。バルク試料を鏡面研磨して、その面の偏光顕微鏡写
真から画像解析によって求めたY2BaCuO5相の体積率(V
211)も同時に表1に示した。いずれの試料も配向し
たYBa2Cu3Oxバルク結晶粒中に1μm程度の大きさのY2B
aCuO5相が分散していた。
る。捕捉される磁場の強さは15%211よりも30%
211の方が大きかった。これは、臨界電流密度(Jc-b
efore)の大きさの差によるものと考えられる。(Jc-be
fore)の差は内部に分散するY2BaCuO5相の体積率による
ものと考えられる。一方、30%211と45%211
の捕捉磁場の大きさが変わらなかったのは臨界電流密度
(Jc-before)がほとんど変わらなかったためである。
これは、45%211のY2BaCuO5相の体積率が目的の組
成になっておらず、30%211の組成とほとんど変わ
らなかったためと考えられる。したがって、結晶成長時
に取り込まれるY2BaCuO5相の量は最大でも35%程度で
あり、残りは試料端部などに偏析するものと考えられ
る。実際、試料の底部にY2BaCuO5相の偏析が観察され
た。(Jc-before)と(Jc-after)を比較すると、(Jc-
after)の方が大きくなっている。これは、バルクの酸
素アニ−ルが不十分であることを意味する。
スライスした後に酸素アニ−ルし、積層した試料の特性
を測定し、実施例2の結果と比較した。使用したバルク
の組成は実施例における30%211を使用した。バル
クの形状と結晶方位も同一である。アニ−ル前の試料を
刃厚0.3mmの内周刃ダイヤモンドカッタ−にてc軸
と垂直方向(円柱試料の中心軸と垂直方向)に厚さ1.
5mmに切断して、この円盤試料について450℃、2
40時間の酸素アニ−ルを施した。その後、再び元のよ
うに積層し、周囲をテフロンテ−プで固定して実施例2
と同じ方法で試料に磁場を捕捉させた。円柱試料上面の
表面磁場のc軸成分の分布は実施例2の結果と同様に同
心円状で中心部程大きくなっているが、その中心磁場は
1.3Tと実施例2の結果に比較して大きくなった。こ
れは、磁場を捕捉する超電導永久電流の流れを阻害する
ことなくスライスしたことと、スライスして体積を小さ
くした試料に対し酸素アニ−ルを施したために、酸素付
加が均一かつ十分になされたためと考えられる。
配向しているYBa2Cu3Oxバルク試料を実施例2および3
と同様な熱処理方法で作製し、バルク試料のままアニ−
ルした超伝導バルクとab面に沿って3mm厚にスライス
し、これを酸素アニ−ルして再び元のように積層した超
伝導バルクの捕捉磁束を測定した。捕捉磁束密度の測定
方法は実施例2と同じである。
柱状のもので、試料の半径が10mm、15mm、1
7.5mm、20mm、30mmのバルク試料をそれぞ
れ2個ずつ用意した。酸素アニ−ルは酸素気流中にて4
50℃にて300時間おこなった。表2にバルク試料の
ままアニ−ルした超伝導バルク試料の半径と高さ、及び
捕捉磁束密度の最大値を示した。この捕捉磁束密度の最
大値をB-trap-bとした。また表2にはスライスし、これ
を酸素アニ−ルして再び元のように積層した超伝導バル
クの捕捉磁束の最大値も同時に示した。これを B-trap-
sとした。スライスした試料の体積は切りしろによって
高さが減少した分、約10%減少した。
体積が小さいうちはスライスした試料のほうが小さくな
っている。これは、試料が小さいため、バルクのままア
ニ−ルをおこなっても酸素アニ−ルによって酸素が十分
入り、体積が大きい分だけスライスした試料よりも捕捉
磁束密度が大きくなっているものと解釈出来る。一方、
半径が20mmを超えるとスライスした後アニ−ルした試料
の捕捉磁束密度のほうが大きくなった。これは、試料が
大きいため、バルクのままアニ−ルしたのでは、酸素が
均一かつ十分に入らないためと解釈出来る。
配向している円筒状のYBa2Cu3Oxバルク試料を作製し、
バルク試料のままアニ−ルした超伝導バルクとab面に沿
って2mm厚にスライスし、これを酸素アニ−ルして再
び元のように積層した超伝導バルクの捕捉磁束を測定し
た。捕捉磁束密度の測定方法は実施例2とほぼ同じであ
るが、測定場所が異なる。円筒の中央部にホ−ル素子を
設置し、印加磁場と平行な方向(c軸方向)の捕捉磁場
を測定した。これはこの円筒試料の磁気シ−ルド特性に
相当する。
等しく、内径が外径の1/2になっている円筒状のもの
である、試料の外径の1/2が10mm、15mm、1
7.5mm、20mm、30mmのバルク試料をそれぞ
れ2個ずつ用意した。酸素アニ−ルは酸素気流中にて4
50℃にて300時間おこなった。表3にバルク試料の
ままアニ−ルした超伝導バルク試料の外径の1/2と高
さ、及び捕捉磁束密度を示した。この捕捉磁束密度をB-
trap-bとした。また表3にはスライスし、これを酸素ア
ニ−ルして再び元のように積層した超伝導バルクの捕捉
磁束密度も同時に示した。これを B-trap-sとした。ス
ライスした試料の体積は切りしろによって高さが減少し
た分、約16%減少した。
さいうちはスライスした試料のほうが小さくなってい
る。これは、試料が小さいため、バルクのままアニ−ル
をおこなっても酸素アニ−ルによって酸素が十分入り、
体積が大きい分だけスライスした試料よりも捕捉磁束密
度が大きくなっているものと解釈出来る。一方、半径が
20mmを超えるとスライスした後アニ−ルした試料の捕捉
磁束密度のほうが大きくなった。これは、試料が大きい
ため、バルクのままアニ−ルしたのでは、酸素が均一か
つ十分に入らないためと解釈出来る。
Cu3Oxバルク試料を作製し、バルク試料のままアニ−ル
した超電導バルクとab面に沿って様々な厚さにスライス
し、これを酸素アニ−ルして再び元のように積層した超
伝導バルクの捕捉磁束を測定した。超電導バルク中のY2
BaCuO5相の体積率は25%であり、ロジウムを原料粉体中
に0.1重量%添加しているためにその粒径は約1mm程度に
なっている。捕捉磁束密度の測定方法は実施例2と同じ
である。
スライスしていない30mmものを用意した。スライスし
た1枚の試料を単位試料とする。酸素アニ−ルは450
℃にて300時間おこなった。表2に単位試料の高さと
捕捉磁束密度を示した。この捕捉磁束密度をB-trapとし
た。
さ15mm以下のものを積層したバルク超電導体の捕捉磁束
密度が大きくなっていることがわかった。これは、試料
が小さいため、バルクのままアニ−ルをおこなっても酸
素アニ−ルによって酸素が十分入り、体積が大きい分だ
けスライスした試料よりも捕捉磁束密度が大きくなって
いるものと解釈出来る。
2Cu3Ox系バルク超電導体を電流を阻害しないab面に沿っ
て薄くスライスして、酸素アニ−ルをおこなうことによ
って、均一かつ十分に酸素付加され特性が向上する。こ
の方法が有効になるのは試料の形状に多少依存すると考
えられるが、おしなべてab面方向の半径相当径が20mm、
c軸方向の高さが15mmを超える大型酸化物超電導バルク
材料に対して有効である。
態
態
Claims (3)
- 【請求項1】 内部に5から35体積%以下のRE2BaCuO
5相が分散し、かつab面方向の半径が20mm以上であり、
c軸方向の厚さが0.3mm以上15mm以下である単結晶状に
配向したREBa2Cu3Ox系バルク超電導平板がc軸方向に積
層されて構成された酸化物超電導バルク材料。ここで、
REはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、E
u、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu
からなる群から選ばれた1種以上の元素をさす。 - 【請求項2】 内部に0.1から1.0重量%の白金、または
0.01から1.0重量%のロジウムが含まれており、かつab
面方向の半径が20mm以上であり、c軸方向の厚さが0.3m
m以上15mm以下である単結晶状に配向したREBa2Cu3Ox系
バルク超電導平板がc軸方向に積層されて構成された酸
化物超電導バルク材料。ここで、REはY、La、C
e、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群から選ば
れた1種以上の元素をさす。 - 【請求項3】 半径方向がab面になっており、かつ半径
20mm以上である正方晶構造の配向したREBa2Cu3Ox系バル
クを、0.3mm以上15mm以下の厚さでc軸に垂直にスライ
スした後、酸素付加をおこない斜方晶構造とし再度c軸
方向に積層することを特徴とする請求項1および2に記
載のREBa2Cu3Ox系バルク超電導材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12786697A JP4101903B2 (ja) | 1997-05-02 | 1997-05-02 | 酸化物超電導バルク材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP12786697A JP4101903B2 (ja) | 1997-05-02 | 1997-05-02 | 酸化物超電導バルク材料及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10310497A true JPH10310497A (ja) | 1998-11-24 |
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Family
ID=14970598
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JP12786697A Expired - Fee Related JP4101903B2 (ja) | 1997-05-02 | 1997-05-02 | 酸化物超電導バルク材料及びその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP4101903B2 (ja) |
Cited By (7)
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