JP2009170550A - 酸化物超伝導マグネット及びその製造方法、並びに冷却方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却効率が高く強磁場発生が可能な高性能マグネット、その製造方法及びその冷却方法を提供できるようにする。
【解決手段】単結晶状のREBa2Cu3O7-x相(REはYを含む希土類元素及びそれらの組合せ、xは酸素欠損量)中に非超伝導相が微細分散した組織を有する酸化物超伝導体からなるコイルを有する酸化物超伝導マグネットであって、冷却媒体が通過する流路をコイル平面と平行に有することにより、超伝導マグネット内で発生する熱を効率よく抜熱でき、超伝導導体の温度を低温に保ち、高特性を維持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸化物超伝導マグネット、酸化物超伝導マグネットの製造方法及び酸化物超伝導マグネットの冷却方法に関する。
現在、超伝導マグネットとして実用化になっているのは、Nb-Ti系の超伝導線材をコイルに巻いたものが中心である。他には、Nb3SnやV3Ga系の超伝導材料が線材化され、線材化された超伝導線材をコイルに巻くことによって形成された高磁界用超伝導マグネットが用いられている。これらの金属系の超伝導マグネットは、臨界温度が低いため、液体ヘリウム等により極低温に冷却する必要がある。
一方、酸化物高温超伝導体の発見以後、安価で取り扱いが容易な液体窒素等の冷媒により冷却し使用できる、77K以上の臨界温度を有する酸化物超伝導物質を用いた超伝導マグネットの研究開発が盛んに行われている。現在、主流となっているのは、Bi系の材料をAgのシース中に詰め、これをテープ状に加工することによって、配向した超伝導材料を含む銀シーステープ材を作製し、作製した銀シーステープ材をコイルに巻く方法である。しかしながら、このようなテープ材は、77K、強磁場中において十分な臨界電流密度(Jc)が得られていない。
現在のところ、77Kにおいて強磁場中においても高いJcを有するマグネットの材料として使用可能なバルク材料は、単結晶状のREBa2Cu3O7-X中に非超伝導相が微細分散した材料である。この中で、主な非超伝導相がRE2BaCuO5である材料はQMGと呼ばれ、種々な用途に応用することが検討されている。
QMG材料を用いたマグネットは、特許文献1において初めて提案された。前記特許文献1に記載されているものは、円筒形のQMG超伝導体に切れ込み加工することにより、ソレノイド状のマグネットを形成するものである。
また、最近では、例えば特許文献3には、渦巻き形状酸化物超伝導コイルの精密加工法及び精密加工された酸化物超伝導渦巻きコイルを用いた超伝導マグネットに関して記載されている。さらに、例えば特許文献4には、時間的に安定で空間的に均一なクエンチし難い酸化物超伝導コイル及び製造方法が記載されている。また、非特許文献3には、スプリット型に配置された2つのQMGマグネットに関して報告されている。
また、特許文献5には、超電導磁石を構成するコンジェット型強制冷却超電導導体及びこれを用いたマグネットに関して記載されている。しかしながら、特許文献5では、マグネットを構成するコイル状の超電導巻き線に沿って流路が構成されており、流路長が極めて長くなるため効率の良いマグネットの冷却は望めない。
実開平4−15811号公報 特開平7−245211号公報 特開2005−191538号公報 特開2006−332577号公報 特開2002−124143号公報 Proceedings of 7th US-JAPAN workshop on high-Tc Superconductors, October 24〜25 (1995) p.128〜132 Physica C, 236-240 (1994) p.209〜212 第74回秋季低温工学・超伝導学会講演概要集(2006) p.218
単結晶状のREBa2Cu3O7-X(REはYを含む希土類元素又はこれらの組合せ、xは酸素欠損量)中に非超伝導相(RE2BaCuO5)が微細分散したバルク超伝導材料であるQMGを用いたコイルマグネットにおいて、マグネット内で発生する熱を効率良くマグネット外部に抜熱することにより、強磁場発生を可能にすることが望ましい。
常伝導接合部を有する上記のマグネットは、接合部において僅かながら発熱がある。また、磁場強度を変化させる場合、超伝導導体内を磁束が移動するため、超伝導体内で相当の熱が発生する。超伝導マグネット内の発熱量に対して、適切な冷却手段を講じ、抜熱が充分な場合、発熱量と抜熱量のバランスから、温度上昇は低く抑えられ、マグネット内の温度は、一定に保たれるが、抜熱が不十分な場合、マグネット内の温度上昇は大きくなり、さらには、超伝導導体の臨界電流が通電電流値を下回るまで温度が上昇し、また、さらには、マグネットがクエンチ(常伝導転移)し、焼損を引き起こす。
このように、超伝導マグネット内の発熱を効率よく外部に放出することが、強磁場発生を行うには重要な課題となる。特に、磁場強度が時間と共に大きく変化する変動磁場発生用マグネットの場合、重大な問題となる。
本発明は前述の問題点に鑑み、冷却効率が高く強磁場発生が可能な高性能マグネット、その製造方法及びその冷却方法を提供できるようにすることを目的としている。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1) 単結晶状のREBa2Cu3O7-x相(REはYを含む希土類元素又はこれらの組合せ、xは酸素欠損量)中に非超伝導相が微細分散した組織を有する酸化物超伝導体からなるコイルを有する酸化物超伝導マグネットであって、前記コイルが複数積層されており、前記複数積層されたコイル間に冷媒が通過できる流路を有し、前記流路の少なくとも1つが前記組織を有する酸化物超伝導体からなる連続したコイルが形成する平面に平行に存在することを特徴とする酸化物超伝導マグネット。
(2) 前記流路を構成する流路層が、前記複数積層された酸化物超伝導体からなるコイル間に配置され、マグネットとして一体化されていることを特徴とする(1)に記載の酸化物超伝導マグネット。
(3) 前記流路が繊維強化プラスチックから構成され、前記繊維強化プラスチックの繊維方向が前記コイルが形成する平面に平行に存在し、前記繊維方向の熱膨張係数が8×10-6〜15×10-6-1であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の酸化物超伝導マグネット。
(4) 前記流路がコイルの径方向に放射状に存在することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の酸化物超伝導マグネット。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の酸化物超伝導マグネットを製造する方法であって、酸化物超伝導体からなる積層したコイル間に樹脂を挿入し、真空又は減圧樹脂含浸をした後、前記流路を前記積層したコイル間に冷媒が通過できる流路を形成することを特徴とする酸化物超伝導マグネットの製造方法。
(6) 前記積層したコイル間に、内部に流路が形成された流路層をその開口部を塞いだ状態で積層し、樹脂含浸後に前記塞がれた開口部を開口することを特徴とする(5)に記載の酸化物超伝導マグネットの製造方法。
(7) 前記流路層の材質が繊維強化プラスチックであることを特徴とする(6)に記載の酸化物超伝導マグネットの製造方法。
(8) (1)〜(4)のいずれかに記載の酸化物超伝導マグネットに形成された流路に、液体窒素、液体酸素、液体ネオン、液体水素及び液体ヘリウムのうち、1種又は2種以上を通流して前記酸化物超伝導マグネットを冷却することを特徴とする冷却方法。
本発明によれば、抜熱に優れ冷却効率が高い超伝導マグネットを提供するものであり、長時間の変動磁場発生が可能なマグネットを提供することができるので、通常の電磁石等では得られない高磁界を発生でき、その工業的効果は甚大である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態の超伝導コイルに使用する材料としては、単結晶状のREBa2Cu3O7-x相(REはYを含む希土類元素又はこれらの組合せ、xは酸素欠損量)中にRE2BaCuO5相等に代表される非超伝導相が微細分散した組織を有するものが望ましい。ここで、単結晶状というのは、完璧な単結晶でなく、小傾角粒界等の実用に差支えない欠陥を有するものも包含する。
REBa2Cu3O7-x相(123相)及びRE2BaCuO5相(211相)におけるREは、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる希土類元素及びそれらの組合せで、La、Nd、Sm、Eu、Gdを含む123相は123の化学量論組成から外れ、REのサイトにBaが一部置換した状態になることもある。また、非超伝導相である211相においても、La、Ndは、Y、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luとは幾分異なり、金属元素の比が非化学量論的組成であったり、結晶構造が異なっていたりすることが知られている。
前述のBa元素の置換は、臨界温度を低下させる傾向がある。また、より酸素分圧の小さい環境においては、Ba元素の置換が抑制される傾向にある。このことから、大気中よりはむしろ、アルゴン又は窒素中に酸素を微量混合した0.1〜1%酸素雰囲気内で、結晶成長を行うことが望ましい。また、材料中に銀を添加することにより、機械的強度及び臨界電流密度(Jc)が増加する傾向があり、銀を5〜20質量%添加することが望ましい。
123相は、211相とBaとCuとの複合酸化物からなる液相との以下に示す包晶反応によりできる。
211相+液相(BaとCuの複合酸化物)→123相
そして、この包晶反応により、123相ができる温度(Tf:123相生成温度)は、ほぼRE元素のイオン半径に関連し、イオン半径の減少に伴いTfも低くなる。また、低酸素雰囲気及び銀添加に伴い、Tfは低下する傾向にある。
単結晶状の123相中に211相が微細分散したQMG材料は、123相が結晶成長する際、未反応の211粒が123相中に取り残されるためにできる。即ち、QMG材料は、以下に示す反応によりできる。
211相+液相(BaとCuの複合酸化物)→123相+211相
QMG材料中の211相の微細分散は、Jc向上の観点から極めて重要である。Pt、Rh及びCeの少なくとも1つを微量添加することにより、半溶融状態(211相と液相からなる状態)での211相の粒成長を抑制し、結果的にQMG材料中の211相を約1μm以下に微細化する。添加量は、微細化効果が現れる量及び材料コストの観点から、Ptで0.2〜2.0質量%、Rhで0.01〜0.5質量%、Ceで0.5〜2.0質量%が望ましい。添加されたPt、Rh、Ceは123相中に一部固溶する。また、固溶できなかった元素は、BaやCuとの複合酸化物を形成し、材料中に点在することになる。
また、コイルを構成する超伝導体は、磁場中においても高いJcを有する必要がある。この条件を満たすには、超伝導的に弱結合となる大傾角粒界を含まない単結晶状の123相である必要がある。さらに高いJc特性を有するためには、磁束の動きを止めるためのピンニングセンターが必要となる。このピンニングセンターとして機能するものが微細分散した211相であり、より細かく多数分散していることが望ましい。
前述したように、PtやRh、Ceは、この211相の微細化を促進する働きがある。また、ピンニングサイトとして、BaCeO3、BaSiO3、BaGeO3、BaSnO3等が知られている。また、211相等の非超伝導相は、劈開し易い123相中に微細分散することによって、超伝導体を機械的に強化し、バルク材料として成り立たす重要な働きをも担っている。
123相中の211相の割合は、Jc特性及び機械強度の観点から、5〜35体積%が望ましい。また、材料中には、50〜500μm程度のボイド(気泡)を5〜20体積%含むことが一般的であり、さらに銀添加した場合、添加量によって10〜500μm程度の銀又は銀化合物を0体積%超25体積%以下含む。
線断面積を小さくした場合、比較的大きなボイド及び銀又は銀化合物粒子は、線断面積中に占める超伝導相の割合を極端に低下させる危険性があり、ボイド径及び銀粒子径は、200μm以下にすることが望ましい。
また、結晶成長後の材料の酸素欠損量xは、0.5程度で半導体的な抵抗率の温度変化を示す。これを各RE系により350℃〜600℃で100時間程度、酸素雰囲気中においてアニールすることにより酸素が材料中に取り込まれ、酸素欠損量は0.2以下となり、良好な超伝導特性を示す。
結晶成長後のバルク材料から同心円状コイルやレーストラック型のコイル形状への加工は、まずスライス切断を行い、ウエハー状に加工した後、サンドブラスト等により付与される。スライス切断には、外周刃及び内周刃加工、又は、マルチブレード加工等が適している。サンドブラストによる精密加工は、ガラス、アルミナ、シリコン等の硬脆性材料に対し、高分子材料等の弾性素材のマスクを施し、SiC、Al2O3等の砥粒を空気等の気体と共にワーク(加工対象物)に吹き付け、任意形状にワークを加工する方法で、マスクをホトレジスト等の技術により精密に加工することで、数十μmオーダーの精密加工が可能となる。
123相は2次元的な積層構造をとるため、QMGは、a−b面間にマイクロクラックが比較的発生し易い。したがって、極力a−b面内に通電電流が流れるように、コイル面はa−b面と平行、即ち、c軸方向と垂直にスライス切断を行うことが望ましい。
本実施形態の磁場発生装置である超伝導マグネットの一例を図1に示す。ほぼ同心円状の渦巻きコイルを16層積層してネジ8で固定された超伝導マグネット1であり、中央部分(8層目と9層目との間)に繊維強化プラスチック(FRP)からなる流路が設けられている。FRPに用いる繊維としては、ガラス繊維が特性面から望ましい。液体窒素浸漬冷却時には、液体窒素が流路を通過し超伝導マグネット1の内部からも冷却する。このとき、流路は、各コイルが形成する面に対しほぼ平行であり、アスペクト比(コイル径/コイルの厚さ)が大きい形態の場合、冷却面積の割合が大きくなり、特に有効である。また、超伝導マグネット1の下部に下部銅電極5が接続されており、下部銅電極5は絶縁体6を介して上部銅電極4と接続されている。そして、超伝導マグネット1の上部と上部銅電極4とが超伝導体7によって接続されている。
流路を形成する素材としては、変動磁場による発熱を避ける意味から絶縁材料が望ましい。また、QMGの場合、RE成分にもよるがa−b面方向の300K近傍の熱膨張係数は、約8〜11×10-6-1であるから、僅かに圧縮応力がかかる8×10-6〜15×10-6-1の熱膨張係数を有することが望ましい。ガラス繊維強化プラスチック(GRRP)は、繊維の含有量と樹脂の量とを調整することによって、熱膨張係数を調整することが可能である。また、流路の構造上、繊維方向の熱膨張係数が8×10-6〜13×10-6-1であることがさらに望ましい。
通常、GFRP等は、縦横に繊維を織った布状の補強材を平らに積層し、これに樹脂をしみこませて製造される。このような構造を有するFRPの場合、コイルの積層方向でなければ、繊維方向はコイルの径方向でも周方向でもよい。また、流路は、放射状に構成することにより、流路の壁が超伝導マグネット1の内部への冷媒の出入りを妨がないようにすることが望ましい。
前述のような、冷却流路を有する超伝導マグネットの製造方法は、まず、コイル間に樹脂を挿入し、コイルを補強するための真空又は減圧樹脂含浸工程が必要となる。また、この樹脂含浸によって、超伝導マグネット全体が一体化し、実施例中に後述するように補強リング及びGFRPカバー等により、強磁場発生時の大きなフープ力から超伝導マグネット全体の破壊を防ぐことが可能となる。
このように、超伝導マグネットを組立てる時に真空又は減圧樹脂含浸を行うことから、一旦、流路を塞いだ状態で樹脂含浸を行い、しかる後、開口部3を設けて開口することが望ましい。このような超伝導マグネットの製造工程には、比較的高い熱伝導率を有する樹脂を真空樹脂含浸するため、樹脂含浸工程前に流路を開口した場合、流路内に樹脂が侵入して、これを取り除かなければならなくなり、製造工程上煩雑になる。流路を構成するGFRP層2は、予め封じきった状態にし、真空樹脂含浸後に一部加工することより開口することが望ましい。
また、前記封じきったGFRP層2は、真空樹脂含浸工程での減圧時に膨張し、その両側のコイル間の接続部を劣化させないために、GFRP層2内は、一体の空洞とするのではなく、放射状の流路で形成する間仕切りを設けることによって減圧時の膨張を抑制すると同時に、超伝導マグネット1の内部への冷媒の出入りを妨がないようにすることが望ましい。また、このような構造は超伝導マグネット1全体の強度向上の観点からも効果的である。
図2の(a)〜(d)に、流路を有するGFRP層2の作製方法の一例を示す。まず、図2(a)に示すように、コイルの形状に合わせ中央に穴を有し、かつ、流路層の上下の超電導コイルを接続するためのくぼみを有する2枚の円板(流路層の上下板)の間に、それぞれの内周及び外周部に対応する厚さを一定にしたリング9aを配置する。さらに、流路の壁がマグネット内部への冷媒の出入りを妨がないようにリングと同じ厚さの棒状GFRP10を放射状に配置し、内外周のリング9a及び棒状GFRP10を樹脂により接着する。次に、NiCr等の補強リングと一体化するためのネジ止め用穴11を設ける。このような作製工程により、後工程で開口することで流路を構成でき、かつ、真空又は減圧時に膨張し難い密閉された(封じ切られた)流路を作製することができる。封じ切った流路の開口方法としては、外周リングへのドリル穴開け加工、切削工具による開口加工等がある。図2(d)は、外周リングの一部を削り、開口されたGFRP層2内の流路の様子を示す。9bは削りとられた部分9bである。
また、高比抵抗を有する金属等で作製した流路層等では、開口部3を低融点の半田等で塞いでおき、樹脂含浸後に開口部分を加熱、溶融することで半田を除去し開口する方法等もある。
このような流路を有する超伝導マグネット1は、超伝導マグネットの使用目的等によっても異なるが、酸化物超伝導材料の臨界温度(約90K)以下の沸点(大気圧下)を有する冷媒が使用される。このような冷媒としては、液体窒素(77K)、液体酸素(90K)、液体ネオン(28K)、液体水素(23K)又は液体ヘリウム(4.2K)等があり、これらの1種又は2種以上の液体冷媒による冷却が効果的である。磁場強度が変動する超伝導マグネットにおいては、超伝導マグネットの内部で発熱が大きくなる。このような場合、超伝導マグネットの内部に液体の冷媒が存在し効果的に冷却できることが望ましい。
(実施例1)
市販されている純度99.9%の各試薬Gd2O3、BaO2、CuOをGd:Ba:Cuの金属元素のモル比が13:17:24(即ち、最終組織の123相:211相のモル比が7:3)になるように混合した。さらに、白金を0.5質量%添加した。混合粉は一旦890℃で8時間仮焼し、さらに粉砕した。仮焼粉は酸化銀(Ag2O)を10質量%添加し、内径110mmの円筒状金型により、厚さ約35mmの円盤状に成形した。また、Gd2O3の代わりにSm2O3及びYb2O3を用いて、上記Gd系成形体と同様の方法により、厚さ4mmのSm系及びYb系円盤状成形体を作製した。
これらをAl2O3の支持材の上に、Sm系、Yb系、Gd系の順番で下から重ね、炉内に配置した。これらの前駆体は、大気中において1040℃まで100時間で昇温し、さらに1150℃まで1時間で昇温、30分保持した後、1030℃まで1時間で降温し、1時間保持した。その間、予め作製しておいたSm系の種結晶(QMG結晶)を用い、種結晶を半溶融状態の前駆体上に乗せた。種結晶の方位はc軸が円盤状の前駆体の法線方向になるように、劈開面を前駆体の上に乗せた。その後、1005〜980℃まで150時間かけて冷却し、Gd系QMG結晶の成長を行った。さらに常温まで約15時間かけて冷却し、外径85mmの円柱形の単結晶状のGd系QMG結晶を得た。なお、組織観察の結果、約1μmの211相がほぼ均一に分散した材料であった。ここで、Sm系前駆体は、種付け後、早期に固化(結晶化)することにより、Al2O3の支持材からのAlの不純物混入を防ぎ、Yb系前駆体は、Sm系前駆体層からの多結晶化を防ぎ、Gd系前駆体を種結晶から成長した単結晶状の結晶にする働きをする。
次に、マルチブレードソーを用いて、得られた結晶を切断(スライス)することによって、厚さ0.85mmの円盤状Gd系QMG材を得た。そして、片面に銀スパッタリングにより約2μm成膜した。
次に、ウレタン系のポジ型レジストフィルムを超伝導体に貼り付けた後、図3に示すようなコイル形状(外径:74.0mm、内径:12.8mm、線幅:約1.3mm、線間隔:約0.25mm、14ターン)をホトレジスト工程により超伝導体表面に形成した。この超電導体のフィルム貼付面に対して、平均粒径50μmの炭化珪素(SiC)を砥粒として、サンドブラスト加工した。このとき使用したノズルの内径は8mmで、吹き付け速度を80m/sで砥粒を吹き付けた。このようにして、得られたコイルを2枚積層し、内側の端部を銀ペーストにより接続した。得られた2層コイルは、減圧酸素中で約850℃に昇温することで焼結し、電気的に接続した。さらに、大気圧の酸素気流中において、約450℃中150時間保持することにより酸素アニール処理を行った。
次に、このようにして得られた8つの2層コイル(合計16層のコイル)に対し、外側の端部がコイル面に対し約0.1mm飛び出るよう、スペーサーを配置し、コイルを弾性変形し、樹脂で固定した。次に、図4に示すように、下部GFRPカバー13の上に下から1層目のコイル14を配置し、下部銅電極12に半田接続し、随時から8層目までを直列に半田接続を行った。
封じ切ったGFRP製流路は、次のように作製した。図2(a)のように外径86mm、内径12.5mm、厚さ0.5mmのGFRP製の円板に窪みを作製し、流路を形成するGFRP層の上下の板を作製した。この窪み部分は、8層目のコイルと9層目のコイルとを繋ぐ超伝導導体17が入るためのものである。
次に、図2(b)に示すように、厚さ1.0mmの内周12.5mm、外周18.5mmのGFRPのリング9a、及び、窪みを有する厚さ0.5mm、外径86mm、内径74mmのリング9aを配置した。さらに、厚さ1.0mm、幅2.0mm、長さ12.0mmの11本の棒状GFRP10を放射状に配置した。これらのリング9a及び棒状GFRP10のGFRP製部材は、繊維方向をコイル平面とほぼ平行になるようにした。なお、用いたGFRP製部材の繊維方向の熱膨張係数は13×10-6-1であった。
そして、厚さ1.0mmのこれらのGFRP製部材を図2(a)に示した上下板に挟み込むようにエポキシ系樹脂により接着し、固定した。さらに、図2(c)に示すネジ止め用穴11のように、ネジ止め用の貫通穴19(φ2.0mm)を作製した。このような方法により、後工程の開口工程により流路を構成し、かつ、真空又は減圧時に膨張し難い密閉された(封じ切られた)GFRP製流路層を作製した。
そして、開口されていない状態のGFRP製の流路を有するGFRP層16を挿入した後、GFRP流路の厚み分(約2.0mm)の超伝導導体17を8層目と9層目とをつなぐ導体として窪み部分に挿入し、半田接続した。
さらに、1〜8層目と同様にして、順次16層目まで積層し、上部GFRPカバー18を被せ、絶縁体26を介して下部銅電極12と上部銅電極20とを接続し、上部銅電極20と16層目の端部とを繋ぐ超伝導体21を半田接続した。また、上部GFRPカバー18、下部GFRPカバー13及び補強リング15をネジ止めし、上部銅電極20及び下部銅電極12に固定することで超伝導マグネットを一体化した。
続いて、一体化した超伝導マグネットに真空(減圧)樹脂含浸を行い、コイル間等に十分樹脂を含浸させた後、余分な樹脂を拭き取り、樹脂を固化させた。そして、封じ切ったGFRP層への開口方法は、図2(d)に示す流路構造のように、電着ダイヤを有する切削工具を用いて外周リングの一部を削り取ることにより、流路の開口加工を行った。このように、マグネット中央部(8層目と9層目との間)にコイル面と平行な流路を有する16層マグネットを作製した。
また、比較材として、図4に示すGFRP製流路及び8層目と9層目とを繋ぐ超伝導体を共に有しない16層マグネットを同様の方法により作製した。
次に、作製したこれらの超伝導マグネットに対して、液体窒素(77K)中で、通電実験を行った。まず、流路を有する16層マグネットに対し、図5に示す変動電流を通電し、各フラットトップでの各層の超伝導コイル内で発生する電圧の合計(Va)を測定した。図6に、フラットトップ時の通電電流値(Ip)に対する前記発生電圧の値を示す。22は、本実施例で作製した流路を有する超伝導マグネットの特性である。
285(A)の通電までは、発生電圧は、ほぼゼロであるが、この値を上回る付近から、発生電圧が確認され、通電電流の増加と共に加速度的に増加する傾向が見られた。この現象は、Ipの増加に伴い、発生磁場マグネットを構成する各超伝導導体内で、Ipが磁束密度と温度との関数である臨界電流(Ic(B、T))に近づくと共に、発生磁場の増大に伴う磁束密度の増加と変動磁場によって発生する熱に伴う温度上昇によって、Icが低下して行くことが同時に発生し、このような現象が観測される。したがって、抜熱がよりよい超伝導マグネットは、不十分なものに比べ、超伝導マグネットの温度上昇を抑えることができるため、Vaの上昇が、より大きいIpで発生することになり、より高い発生磁場が得られることとなる。
このように、前述した比較通電実験を行うことによって、抜熱効率を比較することが可能となる。また、定常通電電流値(Icon)をx軸に取り、Vaの変化を調べることによって、変動磁場による超伝導コイル内での発熱がない状態での臨界電流密度を評価することが可能となる。この時のIconは、抜熱効率が極めて高い場合のIpと考えることができる。
一方、流路を有しない比較用の超伝導マグネットに対し、同様に、図5に示す変動電流を5分間通電し、5分後の、各フラットトップでの各層の超伝導コイル内で発生する電圧の合計(Va)を測定し、結果を図6中に示す。23は、比較例として作製した流路を有さない超伝導マグネットの特性である。220(A)通電までは、発生電圧は、ほぼゼロであるが、この値を上回る付近から、発生電圧が確認され、通電電流の増加と共に加速度的に増加する同様の傾向が見られた。
この比較実験から、超伝導マグネット内部の冷却流路の有無によるIpに対するVaの変化の違いとなって現れており、通電可能な電流値(Im)としての閾値を20μVとすると、流路を有する超伝導マグネットのImが310(A)で、発生磁場が1.4(T)であるのに対し、冷却流路を有しない超伝導マグネットのImは250(A)で、発生磁場が1.2(T)となり、冷却流路の有効性を示すことができた。
(実施例2)
流路層がNiCr製であることを除いて、実施例1と同様に16層の超伝導マグネットを作製した。最終的に開口されたNiCr製の流路層の形状及び構造は、実施例1のGFRP製流路層と同じであるが、開口前の密閉されたNiCr層は、開口部を55℃の融点を有する半田により塞いだ。開口は、樹脂含浸工程の後、約80℃に温度設定した半田ごてにより、半田を溶融・除去することで行った。
次に、実施例1と同様に、図5に示す通電評価を行い、結果を図6中に示す。24は、本実施例で作製した超伝導マグネットの特性である。GFRP製流路を有する超伝導マグネットに比べ特性は劣るものの、流路の無い超伝導マグネットに比べ優れていることが判る。これは、流路の無い超伝導マグネットに比べ、NiCr製流路により抜熱の効果が得られているものの、NiCrは電気伝導性を有するため、変動磁場による発熱を伴う分、GFRP製流路を有する超伝導マグネットに比べ、特性は劣った。
(実施例3)
本実施例では、GFRP製流路層の内部構造が、図2(d)に示したように放射状ではなく、図8に示すように同心円状の流路を構成するGFRP製流路層を作製した。このGFRP製流路層を用いること以外は、実施例1と同様に、GFRP製流路を有する超伝導マグネットを作製した。
次に、実施例1と同様に、図5に示す通電評価を行い、結果を図6中に示す。25は、本実施例で作製した超伝導マグネットの特性である。図2(b)に示す流路構造を有するGFRP製流路を用いた超伝導マグネットに比べ特性は劣るものの、流路の無い超伝導マグネットに比べ優れていることが判る。これは、放射状の流路を有するマグネットに比べ同心円状の流路の方が、幾分、冷媒が出入りし難くなり、抜熱効率が低くなるためである。
(実施例4)
市販されている純度99.9%の各試薬RE2O3(REはGd及びDy)、BaO2、CuOをRE:Ba:Cuの金属元素のモル比が5:7:10(即ち、最終組織の123相:211相のモル比が75:25)になるように混合した。さらに、Ptを0.3質量%、CeO2を0.8質量%、Ag2Oを15質量%添加したREがGd及びDyの混合粉を作製した。各混合粉は、一旦880℃で8時間仮焼した。さらに前記Gd系仮焼粉とDy系仮焼粉とを90:10、及び80:20で混合した仮焼粉を作製した。これらGd系仮焼粉、Gd(90)−Dy(10)系仮焼粉及びGd(80)−Dy(20)系仮焼粉の3種類の仮焼粉は、内径150mmの円筒状金型中に、図7に示すように、中心部から外周方向へGd系仮焼粉、Gd(90)−Dy(10)系仮焼粉、Gd(80)−Dy(20)系仮焼粉の順に3層構造になるよう充填し、厚さ約25mmの円盤状に成形した。また、Sm2O3及びYb2O3を用いて、上記成形体と同様の方法により、厚さ4mmのSm系とYb系円盤状成形体を作製した。さらに、各成形体について等方静水圧プレスにより圧縮加工した。
これらをAl2O3の支持材の上に、Sm系、Yb系、Gd−Dy系成型体の順番で下から重ね、炉内に配置した。これらの前駆体は、大気中において700℃まで12時間、1045℃まで150時間、さらに1150℃まで1時間で昇温し、30分保持した後、1030℃まで1時間で降温し、1時間保持した。その間、予め作製しておいたNd−Sm系の種結晶(QMG結晶)を用い、種結晶を半溶融状態の前駆体上に乗せた。種結晶の方位は、c軸が円盤状の前駆体の法線になるように、劈開面を前駆体の上に乗せた。その後、1mol%O2の窒素雰囲気中において1000〜965℃まで240時間かけて冷却し、Gd−Dy系QMG結晶の成長を行った。さらに、常温まで約15時間かけて冷却し、外径120mmの円柱形の単結晶状のGd−Dy系QMG結晶を得た。なお、組織観察の結果、約1μmの211相がほぼ均一に分散した材料であった。
次に、マルチブレードソーを用いて、得られた結晶を切断(スライス)することによって、厚さ1.0mmの円盤状QMG材を得た。そして、この両面に銀被膜を約1μmスパッタにより成膜した。
次に、ウレタン系のポジ型レジストフィルムを超伝導体に貼り付けた後、ホトレジスト工程により、コイル形状(外径:115.0mm、内径:16.0mm、線幅:約1.9mm、線間隔:約0.4mm、19ターン)のマスクを施した。この超電導体のマスク貼付面に対して、平均粒径20μmの炭化珪素(SiC)を砥粒として、片面ずつ両面にサンドブラスト加工を行った。このとき使用したノズルの内径は9mmで、吹き付け速度を70m/sで砥粒を吹き付けた。
このようにして、得られたコイルを2枚積層し、内側の端部を銀ペーストにより接続した。得られた2層コイルは、減圧酸素中で約850℃に昇温することで焼結し、電気的に接続した。さらに、大気圧の酸素気流中において、約450℃中150時間保持することにより酸素アニール処理を行った。
次に、実施例1と同様にして、得られた12個の2層コイルに対し、外側の端部がコイル面に対し約0.05mm飛び出るよう、スペーサーを配置し、コイルを弾性変形して、樹脂で固定した。4つの2層のコイルを、図4と同様に、下部GFRPカバー13の上に下から1層目のコイル14を配置し、下部銅電極12に半田接続し、随時から8層目までを直列に半田接続を行った。
続いて、開口されていない状態のGFRP製の流路を有するGFRP層16を挿入した。また、GFRP流路の厚み分の超伝導導体17を8層目と9層目とをつなぐ導体として挿入し、半田接続した。さらに、順次16層目まで積層し、同様に、開口されていない状態のGFRP製の流路を有する層を挿入した。さらに、同様に16層目と17層目とをつなぐ超伝導導体17を挿入し半田接続し、24層目までを半田接続した。
続いて、上部GFRPカバー18を被せ、絶縁体26を介して下部銅電極12と上部銅電極20とを接続し、上部銅電極20と24層目の端部とを繋ぐ超伝導体21を半田接続した。また、上部GFRPカバー18、下部GFRPカバー13及び補強リング15をネジ止めし、上部銅電極20及び下銅電極に固定することで超伝導マグネットを一体化した。
続いて、一体化した超伝導マグネットに真空(減圧)樹脂含浸を行い、コイル間等に十分樹脂を含浸させた後、余分な樹脂を拭き取り、樹脂を固化させた。次に、GFRP層の流路端部を切削し開口することにより、マグネット中央部の2箇所(8層目と9層目との間及び16層目と17層目との間)にコイル面と平行な流路を有する24層マグネットを作製した。
また、比較材として、GFRP製流路、8層目と9層目とを繋ぐ超伝導体及び16層目と17層目とを繋ぐ超伝導体を共に有しない24層マグネットを同様の方法により作製した。
次に、作製したこれらマグネットに対して、液体窒素(77K)中で、通電実験を行った。まず、流路を有する16層マグネットに対し、図5に示す変動電流を5分間通電し、5分後の各フラットトップでの各層の超伝導コイル内で発生する電圧の合計(Va)を測定した。そして、実施例1の図6と同様に、フラットトップ時の通電電流値(Ip)に対する前記発生電圧の値をプロットした。520(A)通電までは、発生電圧は、ほぼゼロであるが、この値を上回る付近から、発生電圧が確認され、通電電流の増加と共に加速度的に増加する傾向が見られた。
一方、流路を有しない比較用マグネットに対しても、同様に、図5に示す変動電流を通電し、各フラットトップでの各層の超伝導コイル内で発生する電圧の合計(Va)を測定した。380(A)通電までは、発生電圧は、ほぼゼロであるが、この値を上回る付近から、発生電圧が確認され、通電電流の増加と共に加速度的に増加する同様の傾向が見られた。
この比較実験から、マグネット内部の冷却流路の有無によるIpに対するVaの変化の違いとなって現れており、通電可能な電流値(Im)としての閾値を20μVとすると、流路を有する超伝導マグネットのImが535(A)で、発生磁場が1.7(T)であるのに対し、冷却流路を有しない超伝導マグネットのImは395(A)で、発生磁場が1.3(T)となり、冷却流路の有効性を示すことができた。
流路がコイルの形成する面に平行に存在する酸化物超伝導マグネットの一例を示す図である。 流路が形成される様子を示す図である。 渦巻きコイルの形状を示す図である。 実施例1の超伝導マグネット組立工程を説明する図である。 実施例で用いたフラットトップを有する交流通電波形を示す図である。 pに対するVaの変化を示す図である。 実施例2で用いた3層構造を有する円盤状の成形体を示す図である。 同心円状の流路を有するGFRP流路層の内部構造を示す図である。
符号の説明
1 超伝導マグネット
2 GFRP層
3 開口部
4 上部銅電極
5 下部銅電極
6 絶縁体
7 超伝導体
8 ネジ
9a リング
9b 削りとられた部分
10 棒状GFRP
11 ネジ止め用穴
12 下部銅電極
13 下部GFRPカバー
14 コイル
15 補強リング
16 流路を有するGFRP層
17 超伝導導体
18 上部GFRPカバー
19 貫通穴
20 上部銅電極
21 超伝導体
22 超伝導マグネットの特性
23 超伝導マグネットの特性
24 超伝導マグネットの特性
25 超伝導マグネットの特性
26 絶縁体

Claims (8)

  1. 単結晶状のREBa2Cu3O7-x相(REはYを含む希土類元素又はこれらの組合せ、xは酸素欠損量)中に非超伝導相が微細分散した組織を有する酸化物超伝導体からなるコイルを有する酸化物超伝導マグネットであって、前記コイルが複数積層されており、前記複数積層されたコイル間に冷媒が通過できる流路を有し、前記流路の少なくとも1つが前記組織を有する酸化物超伝導体からなる連続したコイルが形成する平面に平行に存在することを特徴とする酸化物超伝導マグネット。
  2. 前記流路を構成する流路層が、前記複数積層された酸化物超伝導体からなるコイル間に配置され、マグネットとして一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超伝導マグネット。
  3. 前記流路が繊維強化プラスチックから構成され、前記繊維強化プラスチックの繊維方向が、前記コイルが形成する平面に平行に存在し、前記繊維方向の熱膨張係数が8×10-6〜15×10-6-1であることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化物超伝導マグネット。
  4. 前記流路がコイルの径方向に放射状に存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化物超伝導マグネット。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸化物超伝導マグネットを製造する方法であって、酸化物超伝導体からなる積層したコイル間に樹脂を挿入し、真空又は減圧樹脂含浸をした後、前記流路を前記積層したコイル間に冷媒が通過できる流路を形成することを特徴とする酸化物超伝導マグネットの製造方法。
  6. 前記積層したコイル間に、内部に流路が形成された流路層をその開口部を塞いだ状態で積層し、樹脂含浸後に前記塞がれた開口部を開口することを特徴とする請求項5に記載の酸化物超伝導マグネットの製造方法。
  7. 前記流路層の材質が繊維強化プラスチックであることを特徴とする請求項6に記載の酸化物超伝導マグネットの製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸化物超伝導マグネットに形成された流路に、液体窒素、液体酸素、液体ネオン、液体水素及び液体ヘリウムのうち、1種又は2種以上を通流して前記酸化物超伝導マグネットを冷却することを特徴とする冷却方法。
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