JP3889139B2 - 銀を含む酸化物超電導体及びその製造方法 - Google Patents
銀を含む酸化物超電導体及びその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は酸化物超電導部材に関するものであり、特に、電流リード、磁気軸受け、磁気シールド、バルクマグネット等に用いられる電磁気特性、機械強度及び耐環境性に優れた酸化物超電導体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
RE化合物(REは1種もしくは2種以上の希土類金属元素)、Ba化合物及びCu化合物を含む原料混合体を該原料混合体の融点温度以上に加熱溶融した後に、結晶を成長させ、RE−Ba−Cu−O系酸化物超電導体を製造する方法としては、例えば、特開平7−232917号公報に記載の方法が知られている。この公報に記載の方法は、低酸素分圧下で結晶育成を行うことにより、RE1-X Ba2+X Cu3 Od 相(REはSm、Gd、Eu、Laから選ばれる1種ないし2種以上の希土類金属元素で、かつ、0<x<0.5,6.8<d<7.2)の化学式で表される酸化物超電導体を製造することを可能にしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の従来の方法は、低酸素雰囲気下で製造を行っていたため、非常にコストのかかる製造方法であった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、大気中においても高い電磁気的特性を有する酸化物超電導体を製造することができる銀を含む酸化物超電導体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、
請求項1の発明は、
RE1-x Ba2+y Cu3 Od (REはYを含む希土類金属元素のうちの1種もしくは2種以上)相中に、RE2(1-q)Ba1+r CuO5+s 相ないしRE4(1-q)Ba2(1+r)Cu2 O2(5+s)相が微細に分散し、かつ、Agが1〜60wt%含まれることを特徴とする銀を含む酸化物超電導体である。
【0006】
但し、RE1-x Ba2+y Cu3 Od 相は、x,y,dがそれぞれ−0.3<x<0.3,−0.3<y<0.3,6.5<d<7.5の範囲の値をとる相が1種以上存在し、かつ、RE1 Ba2 Cu3 Od 相以外の相も存在する相であり、
また、RE2(1-q)Ba1+r CuO5+s 相及びRE4(1-q)Ba2(1+r)Cu2 O2(5+s)相は、q,r,sがそれぞれ−0.3<q<0.3,−0.3<r<0.3,−0.5<s<0.5の範囲の値をとる相が1種以上存在する相である。
【0007】
請求項2の発明は、
請求項1に記載の酸化物超電導体において、少なくとも縦横20mm以上厚さ2mm以上にわたって隣接する結晶間の方位のズレが±5°以下であることを特徴とする酸化物超電導体である。
【0008】
請求項3の発明は、
請求項1又は2に記載の酸化物超電導体において、Pt、Pd、Ru、Rh、Ir、Os、Re、Ceの1種もしくは2種以上の元素が0.05〜5wt%含まれることを特徴とする酸化物超電導体である。
【0009】
請求項4の発明は、
RE化合物(REはYを含む希土類金属元素のうちの1種もしくは2種以上)、Ba化合物及びCu化合物を含む原料混合体に、少なくとも該原料混合体の融点より高い温度領域における焼成工程を含む処理を施してREーBaーCuーO系酸化物超電導体を製造する酸化物超電導体の製造方法において、前記原料混合体にAgの金属又は化合物を1〜60wt%(化合物の場合はAgのみの元素重量で示す)添加し、大気中で部分的に溶融する温度以上で溶融した後、室温まで必要に応じて所定温度での保持及び又は徐冷処理を加えながら冷却することにより、請求項1に記載の銀を含む酸化物超電導体を製造することを特徴とする銀を含む酸化物超電導体の製造方法である。
【0010】
請求項5の発明は、
請求項4に記載の銀を含む酸化物超電導体の製造方法において、前記原料混合体にさらにPt、Pd、Ru、Rh、Ir、Os、Re、Ceの金属又は各化合物の1種又は2種以上の元素を0.05〜5wt%(化合物の場合はその金属のみの元素重量で示す)添加することを特徴とする酸化物超電導体の製造方法である。
【0011】
請求項6の発明は、
請求項4又は5に記載の銀を含む酸化物超電導体の製造方法において、前記大気中で部分的に溶融する温度以上で溶融する工程を、酸素分圧P0 =2×10-1〜1atmとして部分的に溶融する温度以上で溶融する工程とすることを特徴とする銀を含む酸化物超電導体の製造方法である。
【012】
請求項7の発明は、
請求項4ないし6のいずれかに記載の銀を含む酸化物超電導体の製造方法において、前記大気中で部分的に溶融する温度以上で溶融する工程の前に、前記原料混合体を酸素分圧P0 =0〜1×10-1atm中、800℃〜1050℃で仮焼成することを特徴とする銀を含む酸化物超電導体の製造方法である。
【0013】
従来から、RE化合物、Ba化合物を主な元素とする原料を用いて溶融後結晶化させてRE1-x Ba2+y Cu3 Od 相を有する酸化物超電導体を製造する場合、その雰囲気の酸素分圧を大気中におけるレベルにすると、BaサイトにREが過度に置換し、超電導体の電磁気特性である臨界電流密度特性や臨界温度特性が低下することが知られている。このため、従来は、酸素分圧が1×10-2atm程度になるように酸素分圧を制御する必要があった。
【0014】
本発明者等は、原料中に適当量のAgを添加することによって酸素分圧が大気中におけるレベルにあっても上記過度の置換を押さえることが可能であることを発見した。すなわち、Agの金属ないし化合物を添加して徐冷して結晶化を行うと、Agが一部酸化することにより超電導体を還元し、酸素分圧が大気圧レベルでもBaサイトにREが過度に置換することを抑えて高特性の酸化物超電導体を製造することが可能であることを発見した。本発明はこの発見に基づくものである。
【0015】
本発明よれば、Agを添加することによって、大気中での製造が可能になり、製造を著しく容易にするとともに、その製造コストの大幅な低減も可能になるという画期的効果が得られる。また、Agを添加することによってクラックの発生が抑制され、耐水性も向上すると効果も得られる。なお、種々の実験によれば、添加するAgの量としては、1wt%以下ではその効果が低く、60wt%より多く添加すると超電導体の電流パスが全体を流れにくくなることがわかった。また、原料混合体を酸素分圧P0 =0〜10-1atm中、800℃〜1050℃で仮焼成すると、原料混合体の酸素量が減り、結晶化後の試料に発生するマイクロクラックをより抑制できることがわかった。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態にかかる銀を含む酸化物超電導体の製造方法を実施例に即して説明する。
【0017】
(実施例1)
Sm2 O3 、BaCO3 、CuOの各原料粉末をSm:Ba:Cu=18:24:34になるように秤量し、さらにPtの金属粉末を0.5wt%加えて混合した。次に、この混合粉を、大気中、室温から880℃まで10時間で昇温し、30時間保持した後、10時間かけて室温まで降温することにより焼成した。この仮焼された混合粉に平均粒径1μmのAg粉末をそれぞれ5、10、30、50wt%添加してライカイ機により混合粉砕し、平均粒径を約20μmとした。次に、これを外形53mm厚さ28mmのディスク状にプレス成形して成形体を作製した。
【0018】
この成形体をアルミナ基板状に乗せて、大気中、1130℃で半溶融状態にした後、成形体の上部が低温側となるように上下に5℃/cmの温度勾配を加えて1020℃まで10℃/minで降温し、予め作製しておいたAgを含まないSm1.1 Ba1.9 Cu3 O7-z 相中にSm2 BaCuO5 相が組成比で1:0.4であるように分散した種結晶を成長方向がc軸と平行になるように成形体の上部に接触させた。次に、1℃/hrの速度で850℃まで徐冷し、そこから室温まで10℃/hrで降温することによって結晶化を行った。得られた材料はどれも収縮のため外径約45mm厚さ約23mmとなった。
【0019】
結晶化した成形体はガス置換を行える炉の中に設置した。次に、ロータリーポンプで0.1Torr程度まで炉内を排気した後、酸素ガスを流し込んで酸素分圧が95%以上である大気圧の雰囲気にした。その後も0.5L/minの流量で酸素ガスを炉内に流しながら、室温から600℃まで10時間で昇温し、600℃から300℃まで200時間かけて徐冷し、300℃から室温まで10時間で降温した。
【0020】
図1は実施例1の方法で製造した酸化物超電導体中に存在する主な結晶相の組成分析結果を示す図である。図1に示した分析は透過型電子顕微鏡を用いて行った。組成比はmol比である。また、図1において、A相はSmBa2 Cu3 O6.8 相、B相はSm0.9 Ba2.1 Cu3 O6.75相、C相はSm1.1 Ba1.92Cu3 O6.87相、D相はSm2 BaCuO5 相であると考えられる。
【0021】
さらに切断して断面を偏光顕微鏡及び電子線マイクロアナライザー(EPMA)で観察したところ、上記A、B、C相中に約0.1〜30μm程度のD相及び0.1〜100μm程度のAg粒子が微細に分散した結晶が得られた。また、種結晶を反映して材料全体がc軸に配向し、隣接する結晶間の方位のズレが±5℃以下である実質的に単結晶状の材料が得られた。このとき、結晶方位のズレは背面反射ラウエ法により、縦横約1cm間隔で4箇所、計16点を試料上に適当に定めて測定することにより確認した。
【0022】
図2は実施例1で得られたディスク状超電導体の77Kにおける臨界電流密度の磁場依存性の測定結果を示す図である。図2に示されるように、高磁場下でも減少せず、高い値を示していた。この場合、得られたディスク状材料の臨界温度(Tc)は92Kであった。
【0023】
図3は実施例1で製造した酸化物超電導体が捕捉できる最大の磁束密度の測定結果を表にして示した図である。図3に示した補足磁束密度の最大値の測定は、実施例1で得られたディスク状超電導体の外径を45mmのまま厚さを10mmに切断して、温度77K、外部磁場1.38T中で冷却した後、磁場を取り去り、これらの材料に捕捉された磁束密度のディスク状試料の軸方向の最大値をホール素子を用いて測定したものである。図3に示されるように、高磁場下においても臨界電流密度が高いために高い値が得られた。図4は図3に示した測定結果の中におけるAg10%の場合の捕捉磁束密度分布を示す図である。
【0024】
(実施例2)
Nd2 O3 、BaCO3 、CuOの各原料粉末をNd:Ba:Cu=18:24:34になるように秤量し、さらにPtの金属粉末を0.5wt%加えて混合した。次に、この混合粉を、大気中、室温から880℃まで10時間で昇温し、30時間保持した後、10時間かけて室温まで降温することにより焼成した。この仮焼された混合粉に平均粒径1μmのAg粉末をそれぞれ10、30wt%添加してライカイ機により混合粉砕し平均粒径を約20μmとした。次に、これを外径53mm厚さ28mmのディスク状にプレス成形して成形体を作製した。
【0025】
この成形体をアルミナ基板状に乗せて、大気中、1130℃で半溶融状態にした後、成形体の上部が低温側となるように上下に5℃/cmの温度勾配を加えて1030℃まで10℃/minで降温し、予め作製しておいたAgを含まないNd1.2 Ba1.8 Cu3 O7-z 相中にNd4 Ba2 Cu2 O10相が組成比で1:0.2であるように分散した種結晶を成長方向がc軸と平行になるように成形体の上部に接触させる。次に、1℃/hrの速度で850℃まで徐冷し、そこから室温まで10℃/hrで降温することによって結晶化を行った。得られた材料はどれも収縮のため外径約45mm厚さ約23mmとなった。
【0026】
結晶化した成形体はガス置換を行える炉の中に設置した。次に、ロータリーポンプで0.1Torr程度まで炉内を排気した後、酸素ガスを流し込んで酸素分圧が95%以上である大気圧の雰囲気にした。その後も0.5L/minの流量で酸素ガスを炉内に流しながら、室温から600℃まで10時間で昇温し、600℃で50時間保持した後、600℃から300℃まで200時間かけて徐冷し、300℃から室温まで10時間で降温させた。
【0027】
図5は実施例2の方法で製造した酸化物超電導体中に存在する主な結晶相の組成分析結果を示す図である。図5に示した分析は透過型電子顕微鏡を用いて行った。組成比はmol比である。また、図5において、E相はNdBa2 Cu3 O6.8 相、F相はNd0.9 Ba2.1 Cu3 O6.75相、G相はNd1.2 Ba1.8 Cu3 O6.9 相、H相はNd4 Ba2 Cu2 O10相であると考えられる。
【0028】
さらに実施例2で得られた超電導体を切断して断面を偏光顕微鏡及び電子線マイクロアナライザー(EPMA)で観察したところ、上記E、F、G相中に約0.5〜50μm程度のH相及び0.1〜100μm程度のAg粒子が微細に分散した結晶が得られていることがわかった。また、種結晶を反映して材料全体がc軸に配向し、隣接する結晶間の方位のズレが±5℃以下である実質的に単結晶状の材料が得られた。このとき、結晶方位のズレは背面反射ラウエ法により、縦横約1cm間隔で4箇所、計16点を試料上に適当に定めて測定することにより確認した。
【0029】
図6は実施例2で得られたディスク状超電導体の77Kにおける臨界電流密度の磁場依存性の測定結果を示す図である。図6に示されるように、高磁場下でも減少せず、高い値を示していた。この場合、得られたディスク状材料の臨界温度(Tc)は94Kであった。
【0030】
図7は実施例2で製造した酸化物超電導体が捕捉できる最大の磁束密度の測定結果を表にして示した図である。図7に示した補足磁束密度の最大値の測定は、実施例1で得られたディスク状超電導体の外径を45mmのまま厚さを10mmに切断して、温度77K、外部磁場1.38T中で冷却した後、磁場を取り去り、これらの材料に捕捉された磁束密度のディスク状試料の軸方向の最大値をホール素子を用いて測定したものである。図7に示されるように、高磁場下においても臨界電流密度が高いために高い値が得られた。図8は図7に示した測定結果の中におけるAg10%の場合の捕捉磁束密度分布を示す図である。
【0031】
(実施例3)
Sm2 O3 、BaCO3 、CuOの各原料粉末をSm:Ba:Cu=18:24:34になるように秤量し、さらにPtの金属粉末を0.5wt%加えて混合した。次に、この混合粉を、大気中、室温から880℃まで10時間で昇温し、30時間保持した後、10時間かけて室温まで降温することにより焼成した。この仮焼された混合粉に平均粒径1μmのAg粉末を20wt%添加してライカイ機により混合粉砕し平均粒径を約20μmとした。次に、これを外形53mm厚さ28mmのディスク状にプレス成形して成形体を作製した。
【0032】
この成形体をアルミナ基板上に乗せて、酸素分圧PO2 =10-1atm中、1130℃で半溶融状態にした後、成形体の上部が低温側となるように上下に5℃/cmの温度勾配を加えて1010℃まで10℃/minで降温し、予め作製しておいたAgを含まないSm1.1 Ba1.9 Cu3 O7-z 相中にSm2 BaCuO6 相が組成比で1:0.4であるように分散した種結晶を成長方向がc軸と平行になるように成形体の上部に接触させる。次に、1℃/hrの速度で850℃まで徐冷し、そこから室温まで10℃/hrで降温することによって結晶化を行った。得られた材料はどれも収縮のため外径約45mm厚さ約23mmとなった。
【0033】
結晶化した成形体をガス置換を行える炉の中に設置した。次に、ロータリーポンプで0.1Torr程度まで炉内を排気した後、酸素ガスを流し込んで酸素分圧が95%以上である大気圧の雰囲気にした。その後も0.5l/minの流量で酸素ガスを炉内に流しながら、室温から600℃まで10時間で昇温し、600℃から300℃まで200時間かけて徐冷し、300℃から室温まで10時間で降温した。
【0034】
得られた材料を透過型電子顕微鏡でSm、Ba、Cuのみの組成比を何点か分析したところ、実施例1とほぼ同様な組成の物質が得られた。
【0035】
さらに切断して断面を偏光顕微鏡及び電子線マイクロアナライザー(EPMA)で観察したところ、上記A、B、C相中に約0.1〜30μm程度のD相及び0.1〜100μm程度のAg粒子が微細に分散した結晶が得られた。また、種結晶を反映して材料全体がc軸に配向し、隣接する結晶間の方位のズレが±5℃以下である実質的に単結晶状の材料が得られた。このとき、結晶方位のズレは背面反射ラウエ法により、縦横約1cm間隔で4箇所、計16点を試料上に適当に定めて測定することにより確認した。
【0036】
図9は実施例3で得られたディスク状超電導体の77Kにおける臨界電流密度の磁場依存性の測定結果を示す図である。図9に示されるように、高磁場下でも減少せず、高い値を示していた。この場合、得られたディスク状材料の臨界温度(Tc)は92Kであった。
【0037】
さらに、実施例3で得られたディスク状超電導体の外径を45mmのまま厚さを10mmに切断して、温度77K、外部磁場1.38T中で冷却した後、磁場を取り去り、これらの材料に捕捉された磁束密度のディスク状試料の軸方向の最大値をホール素子を用いて測定したところ、高磁場下においても臨界電流密度が高いため、最大0.8Tを示した。図10は実施例3で得られた超電導体試料のAg20%の場合の捕捉磁束密度分布を示す図である。
【0038】
(実施例4)
Nd2 O3 、Y2 O3 、BaCO3 、CuOの各原料粉末をNd:Y:Ba:Cu=9:9:24:34になるように秤量し、さらにCe及びPtの金属粉末を0.5wt%加えて混合した。次に、この混合粉を、大気中、酸素分圧PO2 =10-2atm中、室温から880℃まで10時間で昇温し、30時間保持した後、10時間かけて室温まで降温することにより焼成した。この仮焼された混合粉に平均粒径1μmのAg粉末を20wt%添加してライカイ機により混合粉砕し平均粒径を約20μmとした。次に、これを外形53mm厚さ28mmのディスク状にプレス成形して成形体を作製した。
【0039】
この成形体をアルミナ基板上に乗せて、大気中、1130℃で半溶融状態にした後、成形体の上部が低温側となるように上下に5℃/cmの温度勾配を加えて1035℃まで10℃/minで降温し、予め作製しておいたAgを含まないNd1.2 Ba1.8 Cu3 O7-z 相中にNd4 Ba2 Cu2 O10相が組成比で1:0.2であるように分散した種結晶を成長方向がc軸と平行になるように成形体の上部に接触させる。次に、1℃/hrの速度で900℃まで徐冷し、そこから室温まで10℃/hrで降温することによって結晶化を行った。得られた材料はどれも収縮のため外径約45mm厚さ約23mmとなった。
【0040】
結晶化した成形体をガス置換を行える炉の中に設置した。次に、ロータリーポンプで0.1Torr程度まで炉内を排気した後、酸素ガスを流し込んで酸素分圧が95%以上である大気圧の雰囲気にした。その後も0.5L/minの流量で酸素ガスを炉内に流しながら、室温から600℃まで10時間で昇温し、600℃で50時間保持した後、600℃から300℃まで200時間かけて徐冷し、300℃から室温まで10時間で降温した。
【0041】
図11は実施例4の方法で製造した酸化物超電導体中に存在する主な結晶相の組成分析結果を示す図である。図11に示した分析は透過型電子顕微鏡を用いて行った。組成比はmol比である。また、図11において、I相はNd0.5 Y0.5 Ba2 Cu3 O6.8 相、J相はNd0.4 Y0.5 Ba2.1 Cu3 O6.75相、K相はNd0.7 Y0.5 Ba1.8 Cu3 O6.9 相、L相は(NdY)2 Ba1 Cu1 O5 相であると考えられる。
【0042】
さらに得られた試料を切断して断面を偏光顕微鏡及び電子線マイクロアナライザー(EPMA)で観察したところ、上記I、J、K相中に約0.5〜50μm程度のL相及び0.1〜100μm程度のAg粒子が微細に分散した結晶が得られた。また、種結晶を反映して材料全体がc軸に配向し、隣接する結晶間の方位のズレが±5℃以下である実質的に単結晶状の材料が得られた。このとき、結晶方位のズレは背面反射ラウエ法により、縦横約1cm間隔で4箇所、計16点を試料上に適当に定めて測定することにより確認した。
【0043】
図12は実施例4で得られたディスク状超電導体の77Kにおける臨界電流密度の磁場依存性の測定結果を示す図である。図12に示されるように、高磁場下でも減少せず、高い値を示していた。この場合、得られたディスク状材料の臨界温度(Tc)は93Kであった。
【0044】
さらに、実施例4で得られたディスク状超電導体の外径を45mmのまま厚さを10mmに切断して、温度77K、外部磁場1.38T中で冷却した後、磁場を取り去り、これらの材料に捕捉された磁束密度のディスク状試料の軸方向の最大値をホール素子を用いて測定したところ、高磁場下においても臨界電流密度が高いため、最大0.8Tを示した。図13は実施例4で得られた超電導体試料のAg20%の場合の捕捉磁束密度分布を示す図である。
【0045】
(比較例1)
Nd2 O3 、BaCO3 、CuOの各原料粉末をNd:Ba:Cu=1.8:2.4:3.4になるように秤量した後、BaCO3 、CuOのみを、880℃で30時間焼成してBaCuO2 とCuOの仮焼粉を得た(モル比でBaCuO2 :CuO=2.4:1.0)。この仮焼をポットミルで粉砕して、平均粒径3μmとした。次に、この仮焼粉とあらかじめ秤量しておいたNd2 O3 及び0.5wt%のPt粉末を加えて混合して、外形50mm厚さ28mmのディスク状にプレス成形して成形体を作製した。
【0046】
この成形体をアルミナ基板状に乗せて、大気中、1150℃で半溶融状態にした後、成形体の上部が低温側となるように上下に5℃/cmの温度勾配を加えて1060℃まで10℃/minで降温し、予め作製しておいたSm1 (Ba0.875 Sr0.125 )2 Cu3 O7-z 相中にSm2 (Ba0.875 Sr0.125 )2 CuO5 相が組成比で1:0.4であるように分散した種結晶を成長方向がc軸と平行になるように成形体の上部に接触させる。次に、1℃/hrの速度で900℃まで徐冷し、そこから室温まで10℃/hrで降温することによって結晶化を行った。
【0047】
結晶化した成形体をガス置換を行える炉の中に設置した。次に、ロータリーポンプで0.1Torr程度まで炉内を排気した後、酸素ガスを流し込んで酸素分圧が95%以上である大気圧の雰囲気にする。その後も0.5L/minの流量で酸素ガスを炉内に流しながら、室温から600℃まで10時間で昇温し、600℃から300℃まで100時間かけて除冷し、600℃で50時間保持した後、300℃から室温まで10時間で降温させた。
【0048】
図14は比較例1の方法で製造した酸化物超電導体中に存在する主な結晶相の組成分析結果を示す図である。図14に示した分析は透過型電子顕微鏡を用いて行った。組成比はmol比である。また、図14において、M相はNd1.3 Ba1.7 Cu3 O6.87相、N相はNd4 Ba2 Cu2 O10相であると考えられる。
【0049】
さらに得られた試料を切断して断面を偏光顕微鏡及び電子線マイクロアナライザー(EPMA)で観察したところ、上記M相中に約0.1〜30μm程度のN相が微細に分散した結晶が得られた。また、種結晶を反映して材料全体がc軸に配向し、隣接する結晶間の方位のズレが±5℃以下である実質的に単結晶状の材料が得られた。このとき、結晶方位のズレは背面反射ラウエ法により、縦横約1cm間隔で4箇所、計16点を試料上に適当に定めて測定することにより確認した。
【0050】
しかしながら、得られたディスク状超電導体試料の臨界温度(Tc)は85Kであり、かつ、77Kにおける臨界電流密度の磁場依存性の測定結果も上述の図2に示したとうり非常に低い値であった。
【0051】
さらに、比較例1で得られたディスク状超電導体の外径を45mmのまま厚さを10mmに切断して、温度77K、外部磁場1.38T中で冷却した後、磁場を取り去り、これらの材料に捕捉された磁束密度のディスク状試料の軸方向の最大値をホール素子を用いて測定したところ、高磁場下においても臨界電流密度が低いため、最大0.5Tと低かった。図15は比較例1で得られた超電導体試料の捕捉磁束密度分布を示す図である。
【0052】
なお、上述した実施例では、REとしてNd、Smをそれぞれの例として示したが、他の希土類金属元素Pr、Euについても、さらにこれらの混合物についても同様な効果が得られることを確認している。
【0053】
さらにPt、Pd、Ru、Rh、Ir、Os、Re、Agについては金属粉末を用いた例を示したが、これらを含む化合物であれば、同様の効果を示すことが確認されている。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、酸化物超電導体の製造方法の一つであるいわゆる溶融法を用いてREーBaーCuーO系超電導体を作製する際に、適量のAg金属又はその化合物を添加し、除冷・結晶化等の処理を行うことにより、大気中でもBaサイトにREが過度に置換することを抑えて高特性の酸化物超電導体を製造することを可能にしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の方法で製造した酸化物超電導体中に存在する主な結晶相の組成分析結果を示す図である。
【図2】実施例1及び比較例1で得られたディスク状超電導体の77Kにおける臨界電流密度の磁場依存性の測定結果を示す図である。
【図3】実施例1で製造した酸化物超電導体が捕捉できる最大の磁束密度の測定結果を表にして示した図である。
【図4】図3に示した測定結果の中におけるAg10%の場合の捕捉磁束密度分布を示す図である。
【図5】実施例2の方法で製造した酸化物超電導体中に存在する主な結晶相の組成分析結果を示す図である。
【図6】実施例2で得られたディスク状超電導体の77Kにおける臨界電流密度の磁場依存性の測定結果を示す図である。
【図7】実施例2で製造した酸化物超電導体が捕捉できる最大の磁束密度の測定結果を表にして示した図である。
【図8】図7に示した測定結果の中におけるAg10%の場合の捕捉磁束密度分布を示す図である。
【図9】実施例3で得られたディスク状超電導体の77Kにおける臨界電流密度の磁場依存性の測定結果を示す図である。
【図10】実施例3で得られた超電導体試料のAg20%の場合の捕捉磁束密度分布を示す図である。
【図11】実施例4の方法で製造した酸化物超電導体中に存在する主な結晶相の組成分析結果を示す図である。
【図12】実施例4で得られたディスク状超電導体の77Kにおける臨界電流密度の磁場依存性の測定結果を示す図である。
【図13】実施例4で得られた超電導体試料のAg20%の場合の捕捉磁束密度分布を示す図である。
【図14】比較例1の方法で製造した酸化物超電導体中に存在する主な結晶相の組成分析結果を示す図である。
【図15】比較例1で得られた超電導体試料の捕捉磁束密度分布を示す図である。
Claims (3)
- RE化合物(REはYを含む希土類金属元素のうちの1種もしくは2種以上)、Ba化合物及びCu化合物を含む原料混合体に、少なくとも該原料混合体の融点より高い温度領域における焼成工程を含む処理を施してRE−Ba−Cu−O系酸化物超電導体を製造する酸化物超電導体の製造方法において、
前記原料混合体にAgの金属又は化合物を1〜60wt%(化合物の場合はAgのみの元素重量で示す)添加し、大気中で部分的に溶融する温度以上で溶融した後、予め作製しておいたAgを含まない、Sm1.1 Ba1.9 Cu3 O7-z 相中にSm2 BaCuO5 相を分散させた結晶、または、Nd1.2 Ba1.8 Cu3 O7-z 相中にNd4 Ba2 Cu2 O10相を分散させた結晶、を種結晶として接触させて、室温まで必要に応じて所定温度での保持及び又は徐冷処理を加えながら冷却することにより、
RE1-x Ba2+y Cu3 Od 相中に、RE2(1-q)Ba1+r CuO5+s 相又はRE4(1-q)Ba2(1+r)Cu2 O2(5+s)相が微細に分散し、かつ、Agが1〜60wt%含まれ、且つ、少なくとも縦横20mm以上厚さ2mm以上にわたって隣接する結晶間の方位のズレが±5°以下である酸化物超電導体を製造することを特徴とする銀を含む酸化物超電導体の製造方法。
但し、RE1-x Ba2+y Cu3 Od 相は、x,y,dがそれぞれ−0.3<x<0.3,−0.3<y<0.3,6.5<d<7.5の範囲の値をとる相が1種以上存在し、かつ、RE1 Ba2 Cu3 Od 相以外の相も存在する相であり、また、RE2(1-q)Ba1+r CuO5+s 相及びRE4(1-q)Ba2(1+r)Cu2 O2(5+s)相は、q,r,sがそれぞれ−0.3<q<0.3,−0.3<r<0.3,−0.5<s<0.5の範囲の値をとる相が1種以上存在する相である。 - 請求項1に記載の銀を含む酸化物超電導体の製造方法において、前記原料混合体にさらにPt、Pd、Ru、Rh、Ir、Os、Re、Ceの金属又は各化合物の1種又は2種以上の元素を0.05〜5wt%(化合物の場合はその金属のみの元素重量で示す)添加することを特徴とする酸化物超電導体の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の銀を含む酸化物超電導体の製造方法において、前記大気中で部分的に溶融する温度以上で溶融する工程の前に、前記原料混合体を酸素分圧P0 =0〜1×10-1atm中、800℃〜1050℃で仮焼成することを特徴とする銀を含む酸化物超電導体の製造方法。
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