JP2001114576A - 接合体およびそれに使用する酸化物超電導体 - Google Patents
接合体およびそれに使用する酸化物超電導体Info
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Abstract
び熱伝導性が高くなるように接合した接合体を提供し、
酸化物超電導体を組込んだシステムを簡素化し、高効率
化する。 【解決手段】 RE1+pBa2+q(Cu1−bAg
b)3O7−x(REは1種または2種以上の希土類金
属元素、−0.2≦p≦0.2、−0.2≦q≦0.
2、0≦b≦0.05、−0.2≦x≦0.6)相中
に、RE2+rBa1 +s(Cu1−dAgd)O
5−y相およびRE4+rBa2+s(Cu1−dAg
d)2O10−y相(−0.2≦r≦0.2、−0.2
≦s≦0.2、0≦d≦0.005、−0.2≦y≦
0.2)の少なくとも一方の相が微細に分散した酸化物
超電導体(1、4)と、90Kにおける熱伝導率が1W
/m・Kよりも大きい熱伝導性部材(3、6)とを、3
00℃以下の融点の金属(半田)からなる低融点接合剤
(2、5)により接合する。
Description
に使用する酸化物超電導体に関し、特に、磁気軸受け、
電流リード、磁気シールド、バルクマグネットなどに用
いられる電気特性、磁気特性、機械強度および耐環境性
に優れた酸化物超電導体、およびこのような酸化物超電
導体を使用する接合体に関する。
体の固定方法として、酸化物超電導体を金属の枠内に嵌
め込み、上から蓋をすることにより固定する方法が知ら
れている。また、電気リードにおける酸化物超電導体の
固定方法として、特開平11−144938号公報に記
載された方法が知られている。この方法は、酸化物系超
電導体と熱伝導性部材とを半田を用いて接合し、従来の
金属のみからなる導体に比べてジュール熱損の少ない電
流リードとして使用するものである。
の磁気軸受けにおける酸化物超電導体の固定方法では、
ケースや蓋がある程度の厚さを必要とするために、バル
クマグネットとして用いる際には、実質的に利用できる
磁場強度が低く抑えられてしまう。また、磁気軸受けと
して用いる際には、相手磁石とのギャップを大きくしな
ければならなくなり、有効磁気反発力が小さくなる。さ
らに、電流リードとして用いる場合には配線が複雑にな
り、また、磁気シールドタイルとして用いる場合には支
持する材料の加工が複雑になり、コストが高くなる。
公報に記載された超電導体と熱伝導性部材との接合体で
は、超電導体と半田等とのぬれ性が不足するため、熱伝
導性部材と接着しても密着性が弱くなり、機械強度、耐
久性および熱伝導性が低く、特に高い応力が加わるよう
な強磁場マグネット用電気リードやバルクマグネット、
磁気シールド体および軸軸受け部品として使用するには
十分でないという問題がある。例えば、超電導電磁石と
超電導バルクマグネットとの磁気反発力による力は49
×104Pa程度であり、安全性を考慮すると、その3
倍の147×104Pa以上の接着強度が必要とされ、
上記の特開平11−144938号公報に記載された超
電導体と熱伝導性部材との接合体では、このような接着
強度を得ることができない。
問題点に鑑み、酸化物超電導体と熱伝導性部材を密着性
および熱伝導性が高くなるように接合した接合体を提供
し、酸化物超電導体を組込んだシステムを簡素化し、高
効率化することを目的とする。
を達成するために鋭意研究した結果、酸化物超電導体と
して、RE1+pBa2+q(Cu1−bAgb)3O
7−x(REは1種または2種以上の希土類金属元素、
−0.2≦p≦0.2、−0.2≦q≦0.2、0≦b
≦0.05、−0.2≦x≦0.6)相中に、RE
2+rBa1+s(Cu1−dAgd)O5−y相およ
びRE4+rBa2+s(Cu1−dAgd)2O
10−y相(−0.2≦r≦0.2、−0.2≦s≦
0.2、0≦d≦0.005、−0.2≦y≦0.2)
の少なくとも一方の相が微細に分散した機械強度が高い
酸化物超電導体を使用することにより、酸化物超電導体
と熱伝導性部材とを接合強度、密着性および熱伝導性が
高くなるように接合できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
1+pBa2+q(Cu1−bAgb)3O7−x(R
Eは1種または2種以上の希土類金属元素、−0.2≦
p≦0.2、−0.2≦q≦0.2、0≦b≦0.0
5、−0.2≦x≦0.6)相中に、RE2+rBa
1+s(Cu1−dAgd)O5−y相およびRE
4+rBa2+s(Cu1−dAgd)2O10−y相
(−0.2≦r≦0.2、−0.2≦s≦0.2、0≦
d≦0.005、−0.2≦y≦0.2)の少なくとも
一方の相が微細に分散した酸化物超電導体と、90Kに
おける熱伝導率が1W/m・Kよりも大きい熱伝導性部
材と、酸化物超電導体と熱伝導性部材を接合する300
℃以下の融点の金属からなる接合剤とから構成されるこ
とを特徴とする。
10〜500μmの空孔が分散して存在するのが好まし
い。また、酸化物超電導体の密度が理論密度の85〜9
5%であるのが好ましい。また、酸化物超電導体が1〜
60wt%のAgを含むのが好ましい。さらに、酸化物
超電導体が、Pt、Pd、Ru、Rh、Ir、Os、R
eおよびCeの金属およびこれらの化合物から選ばれる
1種以上を0.05〜5wt%(化合物の場合はその金
属のみの元素重量で示す)含むのが好ましい。なお、上
記の接合体は、バルクマグネット、磁気シールド体、電
流リード、磁気搬送部品または軸受け部品として使用す
ることができる。
では、接合する酸化物超電導体として、RE 1+pBa
2+q(Cu1−bAgb)3O7−x(REは1種ま
たは2種以上の希土類金属元素、−0.2≦p≦0.
2、−0.2≦q≦0.2、0≦b≦0.05、−0.
2≦x≦0.6)相中に、RE2+rBa1+s(Cu
1−dAgd)O5−y相およびRE4+rBa2+s
(Cu1−dAgd)2O10− y相(−0.2≦r≦
0.2、−0.2≦s≦0.2、0≦d≦0.005、
−0.2≦y≦0.2)の少なくとも一方の相が微細に
分散した酸化物超電導体を用いる。この酸化物超電導体
は、密度が高く機械強度が高いことから、熱伝導性およ
び密着強度が高くなり、電気特性および磁気特性が高い
接合体が得られる。
μmの空孔を分散させると、この空孔に接合剤が浸透し
て低融点金属との密着強度が向上する。この空孔を酸化
物超電導体の密度が理論密度の85〜95%となる程度
に分散させると、超電導特性を損なうことなく、機械強
度および密着強度の強い接合体が得られる。この空孔
は、超電導体を作製する際に、平均粒径5〜80μm程
度の粗い仮焼粉を成形して、溶融結晶化を行うことによ
って適正に分散させることができる。
wt%のAgを添加することにより、接合剤とのぬれ性
が向上し、密着強度および熱伝導性が向上する。
おける熱伝導率が1W/m・Kよりも大きい熱伝導性の
高い部材とを接合することにより、酸化物超電導体をシ
ステムに簡便に組み込むことが可能になる。また、熱伝
導性部材を介して酸化物超電導体を間接的に冷却するこ
とが可能になり、酸化物超電導体が熱伝導性部材と接触
していない部分を何らかの物質で覆う必要がなくなり、
酸化物超電導体に近づけるべき所望の材料との間隔を実
質的に短くすることが可能になり、マグネット、磁気軸
受け部品、磁気シールド材などとしての効率を向上させ
ることができる。さらに、酸化物超電導体と熱伝導性部
材を接合する物質として、300℃以下の融点の金属か
らなる低融点接合剤を用いることにより、酸化物超電導
体と熱伝導性部材とを接合する際に、酸化物超電導体の
酸素量や組織の変化が起こらず、超電導特性を劣化させ
ずに接合することできる。
u、Rh、Ir、Os、ReおよびCeの金属およびこ
れらの化合物から選ばれる1種以上を0.05〜5wt
%(化合物の場合はその金属のみの元素重量で示す)含
むことにより、RE2BaCuO5が微細になる。
物超電導体の接合面を、予め蒸着やスパッターにより、
90Kにおける熱伝導率が1W/m・Kよりも大きい元
素または化合物で被覆することにより、密着強度をさら
に高めることができる。
体およびそれに使用する酸化物超電導体について詳細に
説明する。
Oの各原料粉末をY:Ba:Cu=1.8:2.4:
3.4になるように秤量した後、BaCO3とCuOの
みを880℃で30時間焼成して、BaCuO2とCu
Oの仮焼粉を得た(モル比でBaCuO2:CuO=
2.4:1.0)。次に、この仮焼粉に、予め秤量して
おいたY2O3と0.5wt%のPt粉末(平均粒径
0.01μm)を加えて混合して、大気中900℃で1
0時間焼成した。この仮焼粉をライカイ機で粉砕して、
平均粒径約10μmとした。このようにして作製された
合成粉を外径53mm、厚さ27mmのディスク状にプ
レス成形して前駆体を作製した。
中1100℃で半溶融状態にした後、成形体の上部が低
温側となるように上下に5℃/cmの温度勾配を加えな
がら、成形体の上部が1000℃となるまで10℃/m
inで降温させ、予め作製しておいたY1.8(Ba
0.75Sr0.25)2.4Cu3.4Oz系溶融体
(z=17〜18)の種結晶を、成長方向がc軸と平行
になるように成形体の上部に接触させ、50時間保持し
た後、1℃/hrの速度で900℃まで徐冷し、その
後、室温まで10℃/cmで降温させることによって結
晶化を行った。
換可能な炉の中に設置し、ロータリーポンプで13Pa
まで炉内を排気した後、炉内に酸素ガスを流し込んで、
酸素分圧が95%以上である大気圧の雰囲気にした。そ
の後も0.5L/minの流量で酸素ガスを炉内に流し
ながら、室温から450℃まで10時間で昇温させ、4
50℃から250℃まで200時間かけて徐冷し、25
0℃から室温まで10時間で降温させた。
顕微鏡で観察したところ、YBa2Cu3O7−x相中
に0.1〜30μmのY2BaCuO5相が微細に分散
し、さらに10〜500μmの空孔が10〜200個/
mm2の割合で微細に分散していた。また、種結晶を反
映して材料全体がc軸に配向し、実質的に単結晶状の材
料が得られた。また、得られた材料の外径および厚さ
は、焼き縮みのために、外径45mm、厚さ23mmと
なり、密度は理論密度6.3g/cm2の92%の5.
8g/cm2であった。
の上部を2mm程度、下部を6mmスライス切断して、
厚さを15mmとした。
0W/m・Kの銅基板を50mm×50mm×8mmに
加工し、200℃に加熱されたホットプレート上に設置
して、In(融点約156℃)を表面に塗って溶かし、
この上に上記で作製した酸化物超電導体を設置した。そ
の後、超音波により酸化物超電導体にInを浸透させ、
空孔が埋まるように接合して、図1に示すような接合体
を得た。この図1において、参照符号1は酸化物超電導
体、2はInからなる低融点接合剤、3は銅基板を示
す。
温に戻し、また冷却するというヒートサイクル試験を1
0回繰り返した後、引っ張り強度を測定したところ、3
48×104Paであった。
ールドヘッドを接触させ、酸化物超電導体の表面の中心
付近にホール素子を設置し、13Paの真空中で外部磁
場1.5Tを加えながらコールドヘッドを室温から温度
77Kまで1時間で冷却し、5分間保持した後、磁場を
取り去って5分後に磁束密度を測定したところ、超電導
体の表面の温度も77Kとなり、最大1.0Tの捕捉磁
束密度が得られた。
セルの先端に取り付けた直径39.2mm、内径16m
m、厚さ49mmのNd−Fe−B系磁石(表面最大磁
束密度0.53T)を近づけて、オートグラフによって
以下のように磁気反発力を測定した。まず、リング磁石
の軸方向とディスク状超電導体の軸方向がほぼ一致する
ように、磁石を超電導体から100mm離して設置し
た。次いで、磁石を軸方向に沿って速度5mm/min
で超電導体に近づけた。超電導体と磁石との間隔が0.
1mmとなるまで磁石を近づけて、この時発生する反発
力を測定したところ、超電導体と磁石との間隔が0.1
mmのとき、磁気反発力が196Nであり、高い磁気反
発力が得られた。
uOの各原料粉末をSm:Ba:Cu=1.4:2.
2:3.2になるように秤量した後、BaCO3とCu
Oのみを880℃で30時間焼成して、BaCuO2と
CuOの仮焼粉を得た(モル比でBaCuO 2:CuO
=2.4:1.0)。次に、この仮焼粉に、予め秤量し
ておいたSm 2O3と0.5wt%のPt粉末(平均粒
径0.01μm)と10wt%のAg粉末(平均粒径
0.45μm)を加えて混合して、大気中900℃で1
0時間焼成した。この仮焼粉をライカイ機で粉砕して、
平均粒径約10μmとした。このようにして作製された
合成粉を外径53mm、厚さ27mmのディスク状にプ
レス成形して前駆体を作製した。
中1100℃で半溶融状態にした後、成形体の上部が低
温側となるように上下に5℃/cmの温度勾配を加えな
がら、成形体の上部が1010℃となるまで10℃/m
inで降温させ、予め作製しておいたSm1.8(Ba
0.75Sr0.25)2.4Cu3.4Oz系溶融体
(z=17〜18)の種結晶を、成長方向がc軸と平行
になるように成形体の上部に接触させ、50時間保持し
た後、1℃/hrの速度で900℃まで徐冷し、その
後、室温まで10℃/cmで降温させることによって結
晶化を行った。
換可能な炉の中に設置し、ロータリーポンプで13Pa
まで炉内を排気した後、炉内に酸素ガスを流し込んで、
酸素分圧が95%以上である大気圧の雰囲気にした。そ
の後も0.5L/minの流量で酸素ガスを炉内に流し
ながら、室温から450℃まで10時間で昇温させ、4
50℃から250℃まで200時間かけて徐冷し、25
0℃から室温まで10時間で降温させた。
みのため、外径約45mm、厚さ約23mmとなってい
た。この材料を切断して断面をEPMAで観察したとこ
ろ、Sm1+pBa2+q(Cu1−bAgb)3O
7−x相中に0.1〜30μm程度のSm2+rBa
1+s(Cu1−dAgd)O5−y相が微細に分散し
ていた。ここで、p、q、r、s、yはそれぞれ−0.
2〜0.2の値であり、xは−0.2〜0.6の値であ
った。また、bは0.0〜0.05の値であり、平均的
には0.030程度であった。さらに、dは0.0〜
0.005の値であった。また、Sm2+rBa1+s
(Cu1−dAgd)O5−y相の平均粒径は1.5μ
mであった。また、試料全体にわたって0.1〜100
μm程度のAgが微細に分散していた。さらに、10〜
500μmの空孔が10〜200個/mm2の割合で微
細に分散していた。また、種結晶を反映して材料全体が
c軸に配向し、実質的に単結晶状の材料が得られた。ま
た、密度は理論密度7.16g/cm2の90%の6.
46g/cm2であった。
の上部を2mm程度、下部を6mmスライス切断して、
厚さを15mmとした。また、真空蒸着装置を用いて真
空度を10−4Torrにして、抵抗加熱によって切断
面の一方にAuを約20μmの厚さに成膜した。
0W/m・Kのアルミニウム基板を50mm×50mm
×8mmに加工し、250℃に加熱されたホットプレー
ト上に設置して、Pb36%、Sn62%、Ag2%の
半田(融点約179℃)を表面に塗って溶かし、この上
に上記で作製した酸化物超電導体のAuで被覆した面を
設置した。その後、超音波により酸化物超電導体に半田
を浸透させ、空孔が埋まるように接合し、接合体を得
た。
温に戻し、また冷却するというヒートサイクル試験を1
0回繰り返した後、引っ張り強度を測定したところ、4
21×104Paであった。
ールドヘッドを接触させ、酸化物超電導体の表面の中心
付近にホール素子を設置し、13Paの真空中で外部磁
場1.5Tを加えながらコールドヘッドを室温から温度
77Kまで1時間で冷却し、5分間保持した後、磁場を
取り去って5分後に磁束密度を測定したところ、超電導
体の表面の温度も77Kとなり、最大1.2Tの捕捉磁
束密度が得られた。
セルの先端に取り付けた直径39.2mm、内径16m
m、厚さ49mmのNd−Fe−B系磁石(表面最大磁
束密度0.53T)を近づけて、オートグラフによって
以下のように磁気反発力を測定した。まず、リング磁石
の軸方向とディスク状超電導体の軸方向がほぼ一致する
ように、磁石を超電導体から100mm離して設置し
た。次いで、磁石を軸方向に沿って速度5mm/min
で超電導体に近づけた。超電導体と磁石との間隔が0.
1mmとなるまで磁石を近づけて、この時発生する反発
力を測定したところ、超電導体と磁石との間隔が0.1
mmのとき、磁気反発力が206Nであり、高い磁気反
発力が得られた。
Sm50%、Gd50%)、BaCO3、CuOの各原
料粉末をRE:Ba:Cu=1.4:2.2:3.2に
なるように秤量した後、BaCO3とCuOのみを88
0℃で30時間焼成して、BaCuO2とCuOの仮焼
粉を得た(モル比でBaCuO2:CuO=2.2:
1.0)。次に、この仮焼粉に、予め秤量しておいたR
E2O3および0.5wt%のPt粉末を加えるととも
に、Ag元素量で20wt%となるようにAg2O粉末
を加えて混合して、大気中900℃で10時間焼成し
た。この仮焼粉をライカイ機で粉砕して、平均粒径約1
0μmとした。
3mm、厚さ27mmのディスク状にプレス成形して前
駆体を作製した。
中1100℃で半溶融状態にした後、成形体の上部が低
温側となるように上下に5℃/cmの温度勾配を加えな
がら、成形体の上部が1000℃となるまで10℃/m
inで降温させ、予め作製しておいたAgを含まないR
E1.8Ba2.4Cu3.4Oz系溶融体(z=17
〜18)の種結晶を、成長方向がc軸と平行になるよう
に成形体の上部に接触させ、50時間保持した後、1℃
/hrの速度で900℃まで徐冷し、その後、室温まで
10℃/cmで降温させることによって結晶化を行っ
た。
みのため、外径約45mm、厚さ約23mmとなってい
た。この材料を切断して断面をEPMAで観察したとこ
ろ、RE1+pBa2+q(Cu1−bAgb)3O
7−x相中に0.1〜30μm程度のRE2+rBa
1+s(Cu1−dAgd)O5−y相が微細に分散し
ていた。ここで、p、q、r、s、yはそれぞれ−0.
2〜0.2の値であり、xは−0.2〜0.6の値であ
った。また、bは0.0〜0.05の値であり、平均的
には0.030程度であった。さらに、dは0.0〜
0.005の値であった。また、RE2+rBa1+s
(Cu1−dAgd)O5−y相の平均粒径は1.2μ
mであった。また、試料全体にわたって0.1〜100
μm程度のAgが微細に分散していた。さらに、10〜
500μmの空孔が10〜200個/mm2の割合で微
細に分散していた。また、種結晶を反映して材料全体が
c軸に配向し、実質的に単結晶状の材料が得られた。ま
た、密度は理論密度7.58g/cm2の90%の6.
82g/cm2であった。
の上部を2mm程度、下部を6mmスライス切断して、
厚さを15mmとし、外筒の研削により直径を44mm
とした。さらに、この上面以外の部分にAgペーストを
塗布し、900℃で焼成することにより50μmのAg
を被覆した。
な炉の中に設置し、ロータリーポンプで13Paまで炉
内を排気した後、炉内に酸素ガスを流し込んで、酸素分
圧が95%以上である大気圧の雰囲気にした。その後も
0.5L/minの流量で酸素ガスを炉内に流しなが
ら、室温から450℃まで10時間で昇温させ、450
℃から250℃まで200時間かけて徐冷し、250℃
から室温まで10時間で降温させてアニールを行った。
0W/m・KのSUS304製の板75mm×75mm
×25mmに直径44.1mm、深さ15.1mmの穴
を開けて、230℃に加熱されたホットプレート上に設
置して、In97%、Ag3%の半田(融点約141
℃)を穴の内面に塗って溶かし、この中に上記で作製し
た酸化物超電導体のAgで被覆した面を設置した。その
後、超音波により酸化物超電導体に半田を浸透させ、空
孔が埋まるように接合し、図2に示すような接合体を得
た。この図2において、参照符号4は酸化物超電導体、
5は半田からなる低融点接合剤、6はSUS基板を示
す。
温に戻し、また冷却するというヒートサイクル試験を1
0回繰り返した後、引っ張り強度を測定したところ、3
94×104Paであった。
のコールドヘッドを接触させ、酸化物超電導体の表面の
中心付近にホール素子を設置し、13Paの真空中で外
部磁場1.5Tを加えながらコールドヘッドを室温から
温度77Kまで1時間で冷却し、5分間保持した後、磁
場を取り去って5分後に磁束密度を測定したところ、超
電導体の表面の温度も77Kとなり、最大1.1Tの捕
捉磁束密度が得られた。
セルの先端に取り付けた直径39.2mm、内径16m
m、厚さ49mmのNd−Fe−B系磁石(表面最大磁
束密度0.53T)を近づけて、オートグラフによって
以下のように磁気反発力を測定した。まず、リング磁石
の軸方向とディスク状超電導体の軸方向がほぼ一致する
ように、磁石を超電導体から100mm離して設置し
た。次いで、磁石を軸方向に沿って速度5mm/min
で超電導体に近づけた。超電導体と磁石との間隔が0.
1mmとなるまで磁石を近づけて、この時発生する反発
力を測定したところ、超電導体と磁石との間隔が0.1
mmのとき、磁気反発力が206Nであり、高い磁気反
発力が得られた。
した厚さ15mmの酸化物超電導体の外筒を研削して、
外径44mmとした。次に、温度90Kにおける熱伝導
率が約1W/m・KのFRP製の板75mm×75mm
×25mmに直径44.05mm、深さ15.05mm
の穴を開けて、この酸化物超電導体を接合剤を使用せず
に嵌め込んだ。この上に温度90Kにおける熱伝導率が
約1W/m・Kの厚さ2mmのFRP製の板を被せてね
じ止めすることにより、酸化物超電導体を固定した。次
に、下側のFRP板に冷凍機のコールドヘッドを接触さ
せ、上側のFRP板の上部の酸化物超電導体の表面の中
心付近にホール素子を設置し、13Paの真空中で外部
磁場1.5Tを加えながらコールドヘッドを室温から温
度77Kまで1時間で冷却し、5分間保持した後、磁場
を取り去って5分後に磁束密度を測定したところ、熱の
伝導性が悪く、超電導体の表面の温度は79K程度であ
り、酸化物超電導体が十分に冷却されず、さらに酸化物
超電導体の表面からの距離があるために、最大0.4T
の捕捉磁束密度しか得られなかった。
セルの先端に取り付けた直径39.2mm、内径16m
m、厚さ49mmのNd−Fe−B系磁石(表面最大磁
束密度0.53T)を近づけて、オートグラフによって
以下のように磁気反発力を測定した。まず、リング磁石
の軸方向とディスク状超電導体の軸方向がほぼ一致する
ように、磁石を超電導体から100mm離して設置し
た。次いで、磁石を軸方向に沿って速度5mm/min
で超電導体に近づけた。超電導体と磁石との間隔が0.
1mmとなるまで磁石を近づけて、この時発生する反発
力を測定したところ、超電導体と磁石との間隔が0.1
mmのとき、磁気反発力が78Nであり、磁気反発力は
低かった。
をBi2223相の焼結体に変えて、他は同様にして接
合体を作製した。
温に戻し、また冷却するというヒートサイクル試験を1
0回繰り返した後、引っ張り強度を測定したところ、3
9×104Paと低かった。
RE1+pBa2+q(Cu1−bAgb)3O7−x
(REは1種または2種以上の希土類金属元素、−0.
2≦p≦0.2、−0.2≦q≦0.2、0≦b≦0.
05、−0.2≦x≦0.6)相中に、RE2+rBa
1+s(Cu1−dAgd)O5−y相およびRE4+
rBa2+s(Cu1−dAgd)2O10−y相(−
0.2≦r≦0.2、−0.2≦s≦0.2、0≦d≦
0.005、−0.2≦y≦0.2)の少なくとも一方
の相が微細に分散した酸化物超電導体と、90Kにおけ
る熱伝導率が1W/m・Kよりも大きい熱伝導性部材と
を、300℃以下の融点の金属からなる接合剤により接
合することにより、酸化物超電導体をシステムに組み込
む際に加工しやすく、熱伝導性の高い金属部材と酸化物
超電導体とを密着強度および熱伝導性が高くなるように
接合して、電気特性および磁気特性が高い接合体を得る
ことができるとともに、酸化物超電導体を組込んだシス
テムを簡素化し、高効率化することができる。
μmの空孔を分散させると、この空孔に接合剤が浸透し
て、低融点金属との密着強度を向上させることができ
る。また、この空孔を酸化物超電導体の密度が理論密度
の85〜95%となる程度に分散させると、超電導特性
を損なうことなく、機械強度および密着強度の強い接合
体を得ることができる。さらに、この酸化物超電導体に
1〜60wt%のAgを添加することにより、接合剤と
のぬれ性が向上し、密着強度および熱伝導性を向上させ
ることができる。
的に示す図。
的に示す図。
Claims (6)
- 【請求項1】 RE1+pBa2+q(Cu1−bAg
b)3O7−x(REは1種または2種以上の希土類金
属元素、−0.2≦p≦0.2、−0.2≦q≦0.
2、0≦b≦0.05、−0.2≦x≦0.6)相中
に、RE2+rBa1+s(Cu1−dAgd)O
5−y相およびRE4+rBa2+s(Cu 1−dAg
d)2O10−y相(−0.2≦r≦0.2、−0.2
≦s≦0.2、0≦d≦0.005、−0.2≦y≦
0.2)の少なくとも一方の相が微細に分散した酸化物
超電導体と、90Kにおける熱伝導率が1W/m・Kよ
りも大きい熱伝導性部材と、前記酸化物超電導体と前記
熱伝導性部材を接合する300℃以下の融点の金属から
なる接合剤とから構成される接合体。 - 【請求項2】 前記酸化物超電導体に10μm乃至50
0μmの空孔が分散して存在することを特徴とする、請
求項1に記載の接合体。 - 【請求項3】 前記酸化物超電導体の密度が理論密度の
85%乃至95%であることを特徴とする、請求項1ま
たは2に記載の接合体。 - 【請求項4】 前記酸化物超電導体が1wt%乃至60
wt%のAgを含むことを特徴とする、請求項1乃至3
のいずれかに記載の接合体。 - 【請求項5】 前記酸化物超電導体が、Pt、Pd、R
u、Rh、Ir、Os、ReおよびCeの金属およびこ
れらの化合物から選ばれる1種以上を0.05wt%乃
至5wt%(化合物の場合はその金属のみの元素重量で
示す)含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれ
かに記載の接合体。 - 【請求項6】 バルクマグネット、磁気シールド体、電
流リード、磁気搬送部品または軸受け部品として使用さ
れることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記
載の接合体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP29453399A JP2001114576A (ja) | 1999-10-15 | 1999-10-15 | 接合体およびそれに使用する酸化物超電導体 |
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JP29453399A JP2001114576A (ja) | 1999-10-15 | 1999-10-15 | 接合体およびそれに使用する酸化物超電導体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001114576A true JP2001114576A (ja) | 2001-04-24 |
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ID=17809022
Family Applications (1)
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JP29453399A Pending JP2001114576A (ja) | 1999-10-15 | 1999-10-15 | 接合体およびそれに使用する酸化物超電導体 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001114576A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003002483A1 (fr) * | 2001-06-29 | 2003-01-09 | International Superconductivity Technology Center, The Juridical Foundation | Procede de jonction d'oxyde supraconducteur et corps a cet effet |
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US8512799B2 (en) | 2002-06-12 | 2013-08-20 | International Superconductivity Technology Center, The Juridical Foundation | Process of producing a superconducting magnet made of a high-temperature bulk superconductor |
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-
1999
- 1999-10-15 JP JP29453399A patent/JP2001114576A/ja active Pending
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