JPH10309513A - ポリアミド系樹脂成型品の静電塗装方法 - Google Patents

ポリアミド系樹脂成型品の静電塗装方法

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JPH10309513A
JPH10309513A JP11901897A JP11901897A JPH10309513A JP H10309513 A JPH10309513 A JP H10309513A JP 11901897 A JP11901897 A JP 11901897A JP 11901897 A JP11901897 A JP 11901897A JP H10309513 A JPH10309513 A JP H10309513A
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resin
coating
urethane
conductive
polyamide resin
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JP11901897A
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Tatsuya Itakura
達也 板倉
Masato Ishibashi
正人 石橋
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアミド系樹脂成型品に導電性プライマー
を塗装した後、ウエットオンウエットで自動車用中塗塗
料及び/又は上塗塗料を静電塗装する方法を提供する。 【解決手段】 自動車用ポリアミド系樹脂成型品に自動
車用中塗塗料及び/又は上塗塗料を静電塗装するに当た
り、ウレタン変性リニアポリエステル系樹脂/アミノ樹
脂の樹脂固形分比が、90/10〜50/50にあるウ
レタン変性リニアポリエステル系樹脂とアミノ樹脂との
混合組成物を50〜90重量%、導電材を50〜10重
量%を含有する導電性プライマーを、ポリアミド系樹脂
成型品に塗装した後、導電性プライマーの表面電気抵抗
値が塗装後5分以内で108 Ω・cm以下で、中塗塗
料及び/又は上塗塗料をウエットオンウエットで静電塗
装し、焼付硬化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、ポリアミド(以下
PAと称す)系樹脂成型品に導電性プライマーを塗装し
た後、ウエットオンウエットで自動車用中塗塗料及び/
又は上塗塗料を静電塗装する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PA系樹脂成型品は、プラスチックの軽
量性に加え、ポリマーアロイにより耐熱性、耐衝撃性に
優れることから自動車外装部品に広く使用されるように
なってきている。
【0003】PA系樹脂成型品に限らず自動車用樹脂成
型品に中塗塗料及び/又は上塗塗料を塗装する場合、中
塗塗料及び/又は上塗塗料の付着性向上並びに素材欠陥
の隠ぺいを目的として、一般に、有機溶剤拭きによる脱
脂処理後にプライマーを塗装した後、中塗塗装及び/又
は上塗塗装する方法が採られる。有機溶剤拭きによる脱
脂処理の他にも、アルカリ性処理液又は酸性処理液等の
薬剤で脱脂する方法があり、この場合は、プライマーを
塗装し、中塗塗装及び/又は上塗塗装するか、またはプ
ライマーを塗装せずに直接、中塗塗装及び/又は上塗塗
装される。
【0004】プライマーを塗装する場合には、熱可塑性
のポリオレフィン樹脂系プライマー(特開昭61−76
557号公報参照)、熱可塑性のポリウレタン樹脂/尿
素樹脂系プライマー(特開昭62−169864号公報
参照)、または熱硬化性オイルフリーポリエステル樹脂
/メラミン樹脂/エポキシ樹脂系プライマー(特開昭6
1−35886号公報参照)等を塗装した後、中塗塗料
を塗装して130℃〜180℃で15分〜60分焼付硬
化し、続いて上塗塗装して130℃〜180℃で15分
〜60分焼付硬化する方法が知られている。
【0005】プライマーを塗装せずに中塗塗料を直接塗
装する場合は、中塗塗料との密着性が確保できるように
自動車用樹脂成型品の表面処理(例えば、特開平2−1
87174号公報、特開平3−143571号公報参
照)を充分行った後、中塗塗料を塗装して130℃〜1
80℃で15分〜60分焼付硬化し、続いて上塗塗装し
て130℃〜180℃で15分〜60分焼付硬化する方
法が知られている。
【0006】このとき、通常塗装される上塗塗料として
は次のようなものがあげられるが、焼付条件、塗料タイ
プ、塗膜構成ともに、これに限定されるものではない。 アミノアルキド樹脂系1コート1べーク型ソリッド
カラー アミノアクリル樹脂系2コート1べーク型ソリッド
カラー アミノアクリル樹脂系1コート1べーク型メタリッ
クカラー アミノアクリル樹脂系2コート1べーク型メタリッ
クカラー
【0007】上記塗装において、従来、自動車用樹脂成
型品の塗装と自動車車体の塗装を別塗装する方法(例え
ば、特開昭58−17866号公報、特開昭58−11
9379号公報参照)、予め導電処理を施した自動車用
樹脂成型品を自動車車体に装着して一体塗装する方法
(例えば、特開昭54−25947号公報参照)、自動
車車体に自動車用樹脂成型品を装着した後、自動車用樹
脂成型品に導電処理を施して一体塗装する方法(例え
ば、特開昭61−74682号公報、特開昭62−17
1781号公報参照)等が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、自動車生産コス
トの低減の一環として、従来の塗膜性能、塗装品質を維
持しながら自動車の生産コストを低減する要求がでてき
ている。このため、今まで以上に、自動車生産工程の簡
略化、生産時間の短縮化、また、塗装工程での塗料ロス
の低減、さらに、自動車用樹脂部品に対して、自動車車
体を構成する鋼板に用いる塗料と同じ中塗塗料及び/又
は上塗塗料が使用可能であるといったことが必要とされ
ている。
【0009】また、自動車の生産性を考慮しても、前記
のように自動車用樹脂成型品を自動車車体の塗装と別塗
装するより、自動車用樹脂成型品と自動車車体とを一体
で塗装する方法が好ましい。
【0010】特に、自動車用樹脂成型品と自動車車体と
を一体で塗装する方法においては、中塗塗料及び/又は
上塗塗料は、通常、静電塗装されるため前記のように熱
可塑性ポリオレフィン樹脂系、熱可塑性ポリウレタン樹
脂/尿素樹脂系、熱硬化性オイルフリーポリエステル樹
脂/メラミン樹脂/エポキシ樹脂系等の導電性プライマ
ーが塗装されていた。しかしながら、これら従来の導電
性プライマーでは、以下に示すような問題点があった。 (1)熱可塑性のポリオレフィン樹脂系導電性プライマ
ーでは、中塗塗料及び/又は上塗塗料とのウエットオン
ウエット時において、導電性プライマーの表面電気抵抗
値を確保すると導電性プライマーのミスト部の上塗り外
観が低下する。また、導電性プライマーのミスト部の外
観を確保すると中塗塗装及び/又は上塗塗装する際に静
電塗装に必要とされる導電性プライマーの表面電気抵抗
値が得られない。すなわち、静電塗装時の導電性プライ
マーの表面電気抵抗値とミスト部の上塗外観との両方を
同時に確保することが困難であった。 (2)熱可塑性のポリウレタン樹脂/尿素樹脂系導電性
プライマーでは、使用樹脂の構造上、ウレタン結合及び
尿素結合が多く極性が高いため、使用する溶剤も極性が
高く、且つ沸点の高い(=乾燥性が悪い)ものを用いる
必要がある。このため、導電性プライマー塗装後、5分
以内といった短時間に静電塗装時に必要な導電性プライ
マーの表面電気抵抗値を得ることが困難で生産上の問題
があった。 (3)熱硬化性のオイルフリーポリエステル樹脂/メラ
ミン樹脂/エポキシ樹脂系導電性プライマーでは、PA
系樹脂成型品に対して充分な密着性が確保できなかっ
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点の解決のため鋭意研究した結果、導電性プライマ
ーをウレタン変性リニアポリエステル樹脂/アミノ樹脂
系とすることで上記問題点を解決するに至った。
【0012】即ち、本発明は、自動車用PA系樹脂成型
品に自動車用中塗塗料及び/又は上塗塗料を静電塗装す
るに当たり、ウレタン変性リニアポリエステル系樹脂/
アミノ樹脂の樹脂固形分比が90/10〜50/50に
あるウレタン変性リニアポリエステル樹脂とアミノ樹脂
との混合組成物を50〜90重量%、導電材を50〜1
0重量%を含有する導電性プライマーを、PA系樹脂成
型品に塗装した後、導電性プライマーの表面電気抵抗値
を塗装後5分以内に108 Ω・cm以下とし、中塗塗料
及び/又は上塗塗料をウエットオンウエットで静電塗装
し、焼付硬化するPA系樹脂成型品の静電塗装方法に関
するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明におけるPA系樹脂成型品
は、PA樹脂を主素材として成型された成型品であっ
て、自動車部品等がその対象となる。PA樹脂として
は、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘ
キサメチレンポリアミド(ナイロン66)、ポリヘキサ
メチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリウンデカ
ンアミド(ナイロン11)、非晶性ナイロン等の重合体
及び混合物があげられる。これらのPA系樹脂成型品に
導電性プライマーを塗装した後、自動車車両を構成する
鋼材に取り付けるか、取り付けた後にPA系樹脂成型品
に導電性プライマーを塗装し、一体的に中塗塗料及び/
又は上塗塗料を静電塗装する。
【0014】本発明における導電性プライマーは、ウレ
タン変性リニアポリエステル樹脂、アミノ樹脂及び導電
材を必須成分としている。
【0015】主体樹脂であるウレタン変性リニアポリエ
ステル樹脂はウレタン結合を有するため、水素結合力に
よりPA系樹脂成型品と良好な密着性を有する。また、
アミノ樹脂の配合により熱硬化性塗膜とすることで、耐
チッピング性等の耐衝撃性が向上する。
【0016】このとき、ウレタン変性リニアポリエステ
ル樹脂とアミノ樹脂との混合組成物中、樹脂固形分でウ
レタン変性リニアポリエステル樹脂が90重量%を越え
る(アミノ樹脂が10重量%未満になる)と架橋密度が
不十分となり、耐チッピング性が低下する。また、ウレ
タン変性リニアポリエステル樹脂が50重量%未満にな
る(アミノ樹脂が50重量%を越える)と、可撓性が不
十分となり、チッピング性等の耐衝撃性能が低下する。
従って、ウレタン変性リニアポリエステル樹脂/アミノ
樹脂の樹脂固形分比は90/10〜50/50が好まし
い。
【0017】また、基本樹脂であるウレタン変性リニア
ポリエステル樹脂の重量平均分子量が5000未満の場
合は、チッピング性等の耐衝撃性能が低下し、重量平均
分子量が60000を越える場合は、スプレー塗装時に
糸引き現象を生じ易くなるので好ましくない。
【0018】基体樹脂の一方であるアミノ樹脂について
は、ウレタン変性リニアポリエステル樹脂との相溶性の
観点から、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹
脂、混合アルキル化メラミン樹脂等の1種又は2種以上
が好適に使用される。
【0019】本発明の導電性プライマーは、前記PA系
樹脂成型品に塗装した後、導電性プライマーの表面電気
抵抗値を塗装後5分以内に108 Ω・cm以下とし、中
塗塗料及び/又は上塗塗料をウエットオンウエットで静
電塗装を可能とするため、導電材も必須成分となる。
【0020】導電材としては、導電性カーボン、導電性
酸化チタン、金属粉、金属酸化物、カーボンファイバ
ー、金属被覆ファイバー、金属フレーク等があるが、コ
ストから考えると、導電性カーボンが好ましい。
【0021】導電性プライマーにおける導電材が10重
量%未満になる〔前記基本樹脂(混合組成物)が90重
量%を越える〕と、導電性プライマーの表面電気抵抗値
を塗装後5分以内に108 Ω・cm以下とすることが困
難となる。また、導電材が50重量%を越える〔前記基
本樹脂(混合組成物)が50重量%未満になる〕と、導
電性プライマーの表面に凹凸が発生しやすく、上塗外観
が低下して好ましくない。
【0022】次に、PA系樹脂成型品の塗装に用いる導
電性プライマーの塗膜形成成分の1つであるウレタン変
性オイルフリーリニアポリエステル樹脂の製造に当た
り、主に使用されるモノマーとしては、下記のものがあ
げられる。
【0023】(1)二塩基酸として、コハク酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、フマル酸、マレイン酸、メサコン酸、シトラコン
酸、イタコン酸等。
【0024】(2)酸無水物として、無水コハク酸、無
水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルエ
ンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水
フタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、アルケニルコハク酸無水
物等。
【0025】(3)二価アルコールとして、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、
1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、エチルジグリコール、ブチルジグリコール、1,3
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ポリエチレン
グリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、
ポリプロピレングリコール、二塩基酸とモノグリシジル
化合物の付加物、二価アルコールへのε−カプロラクト
ン付加物、二価アルコールへのγ−ブチルラクトン付加
物、両末端ヒドロキシル基の二価アルコールとジイソシ
アネート付加反応物等。
【0026】(4)ジメチルテレフタレート等。
【0027】(5)ヘキサメチレンジイソシアネート
(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフ
チレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、キシリ
レンジイソシアネート(XDI)、水添エックス・ディ
ー・アイ(H6 XDI)等。
【0028】この他に鎖延長モノマーとして、ε−カプ
ロラクトン、γ−ブチルラクトン等が好適に使用され
る。
【0029】また、高分子量化を目的として、3官能以
上のカルボン酸含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノ
マーあるいはポリイソシアネートも使用できる。
【0030】ウレタン変性リニアポリエステル樹脂の合
成にあたっては、当業者周知の方法が利用でき、有機溶
剤としては、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等
の芳香族系炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、
酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル等のエステ
ル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン等の一般に塗料用として使用される溶剤等が使用でき
る。
【0031】本発明の基体樹脂としては、上記ウレタン
変性リニアポリエステル樹脂の他に前述のアミノ樹脂を
必須成分として使用するが、配合量を限定すればその他
にもリニアポリエステル樹脂、オイルフリーポリエステ
ル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ブロックイソシアネート、
ポリイソシアネート、繊維素誘導体樹脂等を添加しても
よい。
【0032】また、顔料としては、前述の導電性カーボ
ン、導電性酸化チタン、導電性雲母等を含む導電材の
他、通常のカーボンブラック、二酸化チタン、亜鉛華、
タルク、シアニンブルー等の着色顔料、体質顔料等を併
用することもできる。
【0033】さらに、添加剤として、シリコーン系、非
シリコーン系添加剤、アクリル系表面調整剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、アマイド系
ワックス等を用いることができる。
【0034】この発明の導電性プライマー組成物は、公
知の顔料と樹脂の分散方法によって製造することができ
る。すなわち、導電材、必要に応じて他の顔料とウレタ
ン変性リニアポリエステル樹脂及びアミノ樹脂を混合
し、サンドグラインドミル、ボールミル又はロールミル
等の適宜手段で分散し、その後、適宜に溶剤、添加剤、
必要に応じて他の樹脂を加え、均一に攪拌することによ
り導電性プライマー用組成物が得られる。
【0035】この発明において、導電性プライマーの膜
厚は特に限定はないが、2μm以上塗装することが好ま
しい。2μm未満では安定した連続膜とならず中塗塗料
及び/又は上塗塗料の静電塗装に支障をきたすことが考
えられる。また、導電性プライマーの膜厚が30μmあ
るいは40μmといった厚膜になる場合は、コストが高
くなり好ましくない。
【0036】導電性プライマーの塗装方法は、特に制限
はないが、エアースプレー、エアレススプレー、ハケ塗
り等の方法が適用される。
【0037】本発明は、前記のようにこの導電性プライ
マーを塗装した後、一体的に中塗塗料及び/又は上塗塗
料をウエットオンウエットで静電塗装するものであり、
導電性プライマーの表面電気抵抗値を確保することがで
きると共にミスト部の上塗外観を確保することができ
る。尚、中塗塗料、上塗塗料については何等制限するも
のではなく、それぞれ一種以上の塗料を用いることもあ
る。
【0038】
【実施例】以下、合成例、比較合成例、製造例、比較製
造例、実施例、比較例により本発明を説明する。なお、
例文中、特に断りのない限り「部」は重量部を、「%」
は重量%を示す。
【0039】〔合成例1〕温度計、かきまぜ機、還流用
コンデンサー及び脱水装置を備えたガラス製2リットル
フラスコに、アジピン酸140.4部、テレフタル酸1
59.6部、イソフタル酸79.8部、エチレングリコ
ール89.4部、ネオペンチルグリコール50.1部、
1,6−ヘキサンジオール113.4部を仕込み、系内
を窒素ガスで置換した後、160℃まで約1時間をかけ
て昇温し、さらに3時間をかけて230℃まで昇温しな
がら脱水反応させ、その後230℃に達した時点でキシ
レン50部を少量づつフラスコ内にコンデンサー上部よ
り添加し、ソルベントクッキングを続けた。ソルベント
クッキング開始後、約3時間でワニス酸価が0.9とな
ったのでキシレン310部、酢酸ブチル360部を加
え、50℃まで冷却して恒温状態とした。このときの脱
水量は、合計86.7部であった。つぎに、HMDI
(ヘキサメチレンジイソシアネート)53.9部を加え
て50℃の恒温状態で約3時間反応を続けた。ここで、
1600型フーリエ変換赤外分光分析装置(株式会社パ
ーキンエルマージャパン製)にて、2270cm-1のイ
ソシアネートのピークの消失が確認されたので反応を終
了した。反応終了後、メチルエチルケトンを180部を
加えて室温まで冷却し、不揮発成分40.2重量%のウ
レタン変性リニアポリエステル樹脂溶液1を得た。高速
GPC装置(東ソー株式会社製HLC−8020)によ
る重量平均分子量は14100であった。尚、使用した
各原料を重量%に換算して表1に示した。
【0040】〔合成例2〜5、比較合成例1〜2〕前記
合成例1と同様な反応装置を用い、表1に示した原料組
成にて同様な操作を行い、ウレタン変性リニアポリエス
テル樹脂溶液2〜5及び7〜8を得た。
【0041】〔合成例6〕温度計、かきまぜ機、還流用
コンデンサー及び脱水装置を備えたガラス製2リットル
フラスコに、テレフタル酸151.1部、イソフタル酸
75.6部、ネオペンチルグリコール94.8部、1,
6−ヘキサンジオール53.7部、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール65.5部を仕込み、系内を窒素ガス
で置換した後、160℃まで約1時間をかけて昇温し、
さらに3時間をかけて230℃まで昇温しながら脱水反
応させ、その後230℃に達した時点でキシレン50部
を少量づつフラスコ内にコンデンサー上部より添加し、
ソルベントクッキングを続けた。ソルベントクッキング
開始後、約3時間でワニス酸価が0.7となったのでキ
シレン310部を加えて100℃まで冷却した。このと
きの脱水量は、合計49部であった。ここで、ε−カプ
ロラクトン155.7部を加え、徐々に昇温して還流温
度とし、5時間反応を行った。このとき、不揮発成分が
理論値の60.3%に達したので、反応を終了し、酢酸
ブチル360部を加え、50℃まで冷却して恒温状態と
した。つぎに、TDI(トリレンジイソシアネート)を
52.8部を加えて50℃の恒温状態で約3時間反応を
続けた。ここで、1600型フーリエ変換赤外分光分析
装置(株式会社パーキンエルマージャパン製)にて、2
270cm-1のイソシアネートのピークの消失が確認さ
れたので反応を終了した。反応終了後、メチルエチルケ
トンを180部を加えて室温まで冷却し、不揮発成分4
0.2重量%のウレタン変性リニアポリエステル樹脂溶
液6を得た。高速GPC装置(東ソー株式会社製HLC
−8020)による重量平均分子量は15700であっ
た。尚、使用した各原料を重量%に換算して表1に示し
た。
【0042】
【表1】
【0043】〔製造例1〕Printex XE2(デ
グサ社製、登録商標)を14.4部、ウレタン変性リニ
アポリエステル樹脂溶液1を144.5部、メチルイソ
ブチルケトンを100部混合し、ディゾルバーで十分混
練りし、次いでペイントシェーカーで1時間混練りし
た。得られたミルベースにメチル化メラミン樹脂である
サイメル325(固形分80%、三井サイアナミド株式
会社製、登録商標)59.4部、イソプロピルアルコー
ル50部、トルエン281.7部、酢酸エチル200
部、メチルイソブチルケトン190部、シクロヘキサノ
ン50部、モダフロー(モンサント社製、登録商標)1
0部を加え、ディゾルバーで十分混合し、導電性プライ
マー希釈塗料Aを得た。尚、使用した各原料を重量%に
換算して表2に示した。
【0044】〔製造例2〜5,比較製造例1〜6〕前記
製造例1と同様にして、表2に示した導電性プライマー
希釈塗料B〜E及びa〜gを得た。
【0045】
【表2】
【0046】〔実施例1〕0.8mm×70mm×15
0mmの冷間圧延鋼板を、ボンデライト#3004(日
本パーカライジング株式会社製、商品名)によりリン酸
亜鉛処理し、カチオン電着塗料であるアクアNo.41
00(日本油脂株式会社製、商品名)を塗装し、175
℃で20分焼付乾燥した。得られた電着塗装の乾燥膜厚
は、15μmであった。一方、3mm×150mm×1
50mmのPA樹脂(UBEナイロン1013R、宇部
興産株式会社製、商品名)板をイソプロピルアルコール
で洗浄し、これを上記電着塗装を施した鋼板に取り付
け、ついで、導電性プライマー希釈溶液Aを空気霧化塗
装により塗装し、5分後に、ウエットオンウエットで、
中塗塗料であるHSH−200ライトグレー(日本油脂
株式会社製、商品名)を静電空気霧化塗装し、140℃
で30分間焼付乾燥した。この時、導電性プライマーの
塗装作業性に異常はなく、塗装後5分の導電性プライマ
ーの表面電気抵抗値は、45×106 Ω・cmであっ
た。また、得られた塗装板の導電性プライマーの乾燥膜
厚は4〜6μm、中塗塗膜の乾燥膜厚は35〜38μm
であった。次に、静電空気霧化塗装により、ベースコー
トであるベルコートNo.6000/YR509P(日
本油脂株式会社製、商品名)を塗装し、さらに、クリヤ
ーコートであるベルコートNo.6100クリヤー(日
本油脂株式会社製、商品名)を塗装し、140℃×30
分間焼付乾燥した。得られた上塗塗膜の乾燥膜厚は、ベ
ースコートが15〜18μmであり、クリヤーコートが
33〜36μmであった。塗膜の上塗外観は良好であっ
た。上記塗装板について、下記塗膜性能試験項目を確認
した結果、特に問題のないことが確認された。以上、導
電性プライマーの塗装作業性、表面電気抵抗値、上塗外
観性および塗膜性能試験結果を表3に示した。
【0047】1.塗装作業性;空気霧化塗装機W−61
−2S(岩田塗装機工業株式会社製、商品名)にて塗装
作業性を下記基準にて評価した。 ○:スプレー作業、プライマーの造膜性良好。 △:スプレー作業で糸引きがあり、プライマーの造膜性
もやや悪い。 ×:スプレー作業、プライマーの肌共に不良である。
【0048】2.表面電気抵抗値;電池式絶縁抵抗計モ
デル3301(共立電気計器株式会社製、商品名)に
て、測定間距離を10mmとし、20℃の温度条件で導
電性プライマー塗装後、5分で測定、評価した。
【0049】3.塗膜の上塗外観;塗面の平滑性、鮮映
性および色調を目視で下記基準にて総合評価した。 ◎:非常に良好。 ○:良好。 △:不良。 ×:非常に不良。
【0050】4.塗膜試験 4−ア.初期密着性;JIS K5400 8.5.2
(1990)に準じて塗膜に2mm間隔でカッターナイ
フにて切れ目を入れ、2×2mmの正方形を100個有
するゴバン目を作り、その表面に粘着セロハンテープを
張り付け、急激に剥した後の塗面を評価した。 ◎:剥離が全くない。 ○:剥離面積が5%以下である。 △:剥離面積が5%を越え、20%以下である。 ×:剥離面積が20%を越える。
【0051】4−イ.耐湿性;温度、湿度共に調整可能
な密閉箱を使用し、試験片を温度50±1℃、相対湿度
97%以上に調整した密閉箱に約30度で定置し、24
0時間後にフクレの発生および塗膜の変化の状態を評価
した。 ◎:フクレの発生なし。 ○:小さなフクレが発生するが24時間後には消滅して
いる。 △:1mm程度のフクレが発生し時間を経ても消失しな
い。 ×:1mm以上のフクレが発生し時間を経ても消失しな
い。
【0052】4−ウ.耐ガソリン性;20±1℃に調整
した無鉛ガソリン溶液に、40mm×40mmのクロス
カットを入れた試験片を7時間浸潰し、剥離の状態を評
価した。 ◎:剥離が全くない。 ○:剥離面積が5%以下である。 △:剥離面積が5%を越え、20%以下である。 ×:剥離面積が20%を越える。
【0053】4−エ.耐チッピング性;飛石試験機JA
400L(スガ試験機株式会社製、商品名)を用い、−
20℃の温度条件で、7号砕石50gを2Kg/cm2
のエアー圧のもと、角度90度にて試験板に吹き付
け、塗膜に衝撃を与えた。次いでその表面に粘着セロハ
ンテープを張り付け、塗膜を急激に剥離した後、塗膜を
目視にて評価した。 ◎:上塗塗膜の一部に衝撃によるキズが認められるが、
PA素材、電着塗膜、亜鉛処理面からの剥離は全く認め
られない。 ○:上塗塗膜に衝撃によるキズが認められ、PA素材、
電着塗膜、亜鉛処理面からの剥離も僅か認められる。 △:上塗塗膜に衝撃によるキズが多く認められ、PA素
材、電着塗膜、亜鉛処理面からの剥離も認められる。 ×:上塗塗膜に衝撃によるキズが多く認められ、PA素
材、電着塗膜、亜鉛処理面からの剥離もかなり多く認め
られる。
【0054】〔実施例2〜5、比較例1〜10〕前記実
施例1と同様の操作を行い、表3に示す結果を得た。
【0055】
【表3】 比較例1,7,9は塗装後5分の表面電気抵抗値が10
8 Ω・cmよりも高く、塗装作業上の生産性は実施例に
比べて低い。比較例2,3,4,5,6,8,10は、
外観性、塗膜性能において問題がある。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のポリアミ
ド系樹脂成形品の静電塗装方法は、導電性プライマーの
塗装作業性が良く、しかも短時間で静電塗装に必要な表
面電気抵抗値が得られ、さらに上塗外観性および塗膜性
能についても優れている。したがって、本発明の採用に
より、自動車の生産コストを低減できることが見込まれ
る。
【0057】特に、ウレタン変性リニアポリエステル樹
脂の重量平均分子量が5000〜60000の範囲にあ
る導電性プライマーを用いた場合、塗装作業性、表面電
気抵抗値の発現および塗膜性能に優れるものであり、P
A樹脂成型品の静電塗装に効果が認められるものであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C09D 167/00 C09D 167/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車用ポリアミド系樹脂成型品に自動
    車用中塗塗料及び/又は上塗塗料を静電塗装するに当た
    り、ウレタン変性リニアポリエステル系樹脂/アミノ樹
    脂の樹脂固形分比が、90/10〜50/50にあるウ
    レタン変性リニアポリエステル系樹脂とアミノ樹脂との
    混合組成物を50〜90重量%、導電材を50〜10重
    量%を含有する導電性プライマーを、ポリアミド系樹脂
    成型品に塗装した後、導電性プライマーの塗装後5分以
    内の表面電気抵抗値が108 Ω・cm以下で、中塗塗料
    及び/又は上塗塗料をウエットオンウエットで静電塗装
    し、焼付硬化するポリアミド系樹脂成型品の静電塗装方
    法。
  2. 【請求項2】 ウレタン変性リニアポリエステル樹脂の
    重量平均分子量が5000〜60000である請求項1
    に記載のポリアミド系樹脂成型品の静電塗装方法。
  3. 【請求項3】 アミノ樹脂が、メチル化メラミン樹脂、
    ブチル化メラミン樹脂、混合アルキル化メラミン樹脂の
    1種又は2種以上からなる請求項1又は2の何れか一項
    に記載のポリアミド系樹脂成型品の静電塗装方法。
  4. 【請求項4】 導電材が、導電性カーボンである請求項
    1〜3の何れか一項に記載のポリアミド系樹脂成型品の
    静電塗装方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003201439A (ja) * 2002-01-09 2003-07-18 Kansai Paint Co Ltd ポリオレフィン用導電性水性塗料
JP2004262988A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Kansai Paint Co Ltd 高白色パール調複層塗膜の形成方法
US7288217B2 (en) 2002-07-23 2007-10-30 Otsuka Chemical Co., Ltd. Electroconductive compound in flake form and electroconductive composition

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