JPH10306784A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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JPH10306784A
JPH10306784A JP13427097A JP13427097A JPH10306784A JP H10306784 A JPH10306784 A JP H10306784A JP 13427097 A JP13427097 A JP 13427097A JP 13427097 A JP13427097 A JP 13427097A JP H10306784 A JPH10306784 A JP H10306784A
Authority
JP
Japan
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joint
roller
orbiting scroll
scroll
casing
Prior art date
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Pending
Application number
JP13427097A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Mihara
宏之 三原
Kazutaka Suefuji
和孝 末藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10306784A publication Critical patent/JPH10306784A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オルダム継手を無給油式のものに適用した場
合でもオルダム継手をケーシングと旋回スクロールとの
間で円滑に作動させるようにする。 【解決手段】 可動継手15の各ガイド溝17内には各
継手ガイド13に対して垂直な方向に細長く延びる各ロ
ーラ18を配設する。そして、ローラ18を各ガイド溝
17の溝底としての転動面17Aとスラスト受部1Bの
転動面1Dとに対して摺動可能に接触させる。また、各
ガイド溝16内には各継手ガイド14に対して垂直な方
向に細長く延びる各ローラ19を配設する。そして、ロ
ーラ19を各ガイド溝16の溝底としての転動面16A
と旋回スクロール4の転動面8Cとに対して転動可能に
接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空気圧縮機
や真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ケーシングと、該ケーシングに
一体的に設けられた固定スクロールと、前記ケーシング
内に旋回可能に設けられ該固定スクロールとの間に複数
の圧縮室を画成する旋回スクロールと、該旋回スクロー
ルの自転を防止するオルダム継手等の自転防止機構とか
らなるスクロール式流体機械は知られている。
【0003】この種の従来技術によるスクロール式流体
機械では、外部から駆動軸を回転駆動して該旋回スクロ
ールを固定スクロールに対して一定の偏心寸法をもって
旋回運動させることにより、固定スクロールの外周側に
設けた吸込口から空気等の流体を吸込みつつ、この空気
を固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ
部との間の各圧縮室で順次圧縮し、固定スクロールの中
心部に設けた吐出口から圧縮空気を外部に向けて吐出す
るようになっている。
【0004】ここで、圧縮運転時には、固定スクロール
と旋回スクロールとの間に形成される圧縮室内が高圧と
なることにより、旋回スクロールには軸方向のスラスト
力(スラスト荷重)が発生し、このスラスト荷重は前記
オルダム継手等を介してケーシング側で受承される。そ
して、このときのスラスト荷重がオルダム継手等に直接
作用すると、オルダム継手が早期に摩耗、損傷されるこ
とになる。
【0005】そこで、従来技術では、オルダム継手とは
別体になったスラスト受部をケーシング側に設け、この
スラスト受部を旋回スクロールの鏡板に摺動接触させる
ことにより、圧縮運転時に生じるスラスト荷重を旋回ス
クロールの鏡板とケーシング側のスラスト受部との間で
受承させ、このときのスラスト荷重がオルダム継手に直
接作用するのを防止している。
【0006】さらに、他の従来技術の自転防止機構とし
て、例えば特開昭60−198301号公報(特公平5
−67761号公報)では、多数個の球体と、同数のガ
イド円孔をもつ2枚のリング状板からなり、前記球体は
旋回スクロールの自転を防止する機能と該旋回スクロー
ルのスラスト荷重に対するスラスト軸受の機能を併せ持
つボールカップリング方式のものが開示されている。
【0007】一方、別の従来技術の自転防止機構とし
て、例えば特開昭62−78494号公報等には、複数
の補助クランクを用いたものが開示されている。即ち、
前記ケーシングと旋回スクロールの背面側との間に位置
して、該旋回スクロールに設けた旋回軸受の外周側に複
数の補助クランクを設け、これにより、旋回スクロール
の自転を防止している。そして、この種の各補助クラン
クによる自転防止機構の場合、各補助クランクの潤滑性
を維持するために、各補助クランクの回動部ににグリー
ス等の潤滑剤を供給するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるスクロール式流体機械では、圧縮運転時の
スラスト荷重がオルダム継手等の自転防止機構に付加さ
れるのを抑えるために、ケーシングにはスラスト受部を
設け、該スラスト受部を旋回スクロールの摺動面等に摺
動接触させることにより前記スラスト荷重をスラスト受
部で受承させるようにしている。しかし、この場合に
は、ケーシングのスラスト受部と旋回スクロールの摺動
面等に潤滑油を供給しない限り、両者の摺動面が早期に
摩耗、損傷される可能性があり、給油式のスクロール式
流体機械には適用できるが、無給油式のものには適用が
難しいという問題がある。
【0009】また、他の従来技術として、ボールカップ
リング方式を用いた自転防止機構では、旋回スクロール
の自転防止を円滑に行うためにボールの個数を全体的に
増やす必要がある上に、該各ボールの加工時に高精度の
加工技術が要求され、コストアップを招くという問題が
ある。
【0010】さらに、別の従来技術による複数の補助ク
ランクを用いた自転防止機構では、該各補助クランクを
構成する全体の部品点数が増加してコストがかかる上
に、旋回スクロールからのスラスト荷重により駆動軸の
クランクおよび各補助クランクの回転摩擦を増加させ、
駆動性能を低下させると共に、駆動軸のクランクおよび
補助クランクの異常摩耗や摩擦熱の高温化を招き、該各
補助クランクを円滑に作動させるのが難しいという問題
がある。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はオルダム継手からなる自転防止
機構を無給油式のものにした場合でも、旋回スクロール
からのスラスト荷重を確実に受承できると共に、自転防
止機構をケーシングと旋回スクロールとの間で円滑に作
動させることができ、長期に亘って安定した性能を発揮
できるようにしたスクロール式流体機械を提供すること
を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、ケーシングと、該ケーシングに一体的
に設けられた固定スクロールと、前記ケーシング内に旋
回可能に設けられ該固定スクロールとの間に複数の圧縮
室を画成する旋回スクロールと、該旋回スクロールの自
転を防止する自転防止機構とからなるスクロール式流体
機械に適用される。
【0013】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記自転防止機構を、前記ケーシング側に設け
られる第1の継手ガイドと、前記旋回スクロールの背面
側に設けられる第2の継手ガイドと、該第1,第2の継
手ガイド間に設けられ、該第1,第2の継手ガイドによ
り互いに直交する2軸方向にガイドされる可動継手と、
該可動継手と前記ケーシング側との間に転動可能に設け
られ前記第1の継手ガイドに対して垂直な方向に延びる
第1のローラと、前記可動継手と旋回スクロールの背面
側との間に転動可能に設けられ前記第2の継手ガイドに
対して垂直な方向に延びる第2のローラとから構成した
ことにある。
【0014】上記構成によれば、可動継手を第1の継手
ガイドによりガイドするときには、第1のローラを該可
動継手とケーシング側との間で転動させることができ
る。また可動継手を第2の継手ガイドによりガイドする
ときには、第2のローラを可動継手とケーシング側との
間で転動させることができる。これにより、旋回スクロ
ールからのスラスト荷重を可動継手とケーシングとの
間、および可動継手と旋回スクロールとの間でそれぞれ
各ローラを介して受承でき、これらの各ローラの転動動
作によって可動継手をケーシングと旋回スクロールとの
間で各継手ガイドを介して円滑に摺動させることができ
る。
【0015】ここで、各ローラはその軸方向に一定の長
さをもってケーシング側および旋回スクロール側に接触
するから、ケーシングおよび旋回スクロールに対する各
ローラの接触面積(実際には線接触状態となる)をロー
ラの軸長に応じて増やすことができ、各ローラの面圧を
低減できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態によるス
クロール式流体機械をスクロール式空気圧縮機に用いた
場合を例に挙げて説明する。
【0017】ここで、本発明の第1の実施例を図1およ
び図2に基づいて説明する。
【0018】図において、1は当該スクロール式空気圧
縮機の本体を構成する段付筒状のケーシングを示し、該
ケーシング1は、有底筒状をなしたケーシング本体1A
(底部側は図示せず)と、該ケーシング本体1Aの内周
面から径方向内向きに延設された環状のスラスト受部1
Bと、前記ケーシング本体1Aの開口端から径方向外向
きに延設された環状の衝合部1Cと、ケーシング本体1
の底部側に設けられ、後述の駆動軸3を支持する軸受部
(図示せず)とから大略構成されている。
【0019】ここで、前記スラスト受部1Bは図2に示
す如く、後述する各継手ガイド13間に位置した端面が
転動面1Dとなっており、該転動面1D上で後述の各ロ
ーラ18を転動させる構成になっている。
【0020】2はケーシング1の開口端側に一体に設け
られた固定スクロールを示し、該固定スクロール2は駆
動軸3の軸線と一致するように配設された略円板状の鏡
板2Aと、該鏡板2Aの外縁側から突出し、その突出端
側がケーシング1の衝合部1Cにボルト等を介して固着
された段付筒状の取付フランジ部2Bと、鏡板2Aの表
面側から軸方向に立設され、中心側が巻始め端となり外
周側が巻終り端となった渦巻状のラップ部2Cとから大
略構成されている。
【0021】3はケーシング1の軸受部に軸受(図示せ
ず)等を介して回転自在に軸支された駆動軸を示し、該
駆動軸3の先端側はケーシング1内へと伸長してクラン
ク3Aとなり、該クランク3Aの軸線は駆動軸3の軸線
に対して所定寸法δ(以下、偏心寸法δという)だけ偏
心している。そして、駆動軸3は駆動源(図示せず)で
回転駆動されることにより、クランク3Aを介して後述
の旋回スクロール4を旋回運動させる。また、前記クラ
ンク3Aの基端側にはバランスウェイト(図示せず)が
固着され、旋回スクロール4の旋回運動に対して駆動軸
3全体の回転バランスをとっている。
【0022】4は固定スクロール2と対向するようにケ
ーシング1内に旋回可能に配設された旋回スクロールを
示し、該旋回スクロール4は、円盤状に形成された鏡板
4Aと、該鏡板4Aの表面に立設され、該鏡板4Aの中
心側が巻始め端となり外周側が巻終り端となった渦巻状
のラップ部4Bと、旋回スクロール4の背面側に設けら
れた後述の板状カバー8とから大略構成されている。こ
こで、旋回スクロール4のラップ部4Bは、固定スクロ
ール2のラップ部2Cに所定角度だけずらして重なり合
うように配設され、該ラップ部2C,4B間に複数の圧
縮室5,5,…を形成している。
【0023】そして、当該スクロール空気圧縮機の運転
時には、固定スクロール2の外周側に設けた吸込口6か
ら外周側の圧縮室5内に空気を吸込みつつ、この空気を
旋回スクロール4が旋回運動する間に各圧縮室5内で順
次圧縮し、最後に中心側の圧縮室5から固定スクロール
2の中心に設けた吐出口7に向けて外部に圧縮空気を吐
出する。また、前記鏡板4Aの背面側には各放熱フィン
4Cが立設され、圧縮室5内で生じる高温の圧縮熱は各
放熱フィン4Cを介して後述する放熱空間11側へと外
部に効率よく放熱される。
【0024】8は旋回スクロール4の一部を構成する板
状カバーで、該板状カバー8は、図1に示す如く旋回ス
クロール4の鏡板4Aとほぼ同一径の円板状に形成さ
れ、その中央にはボス部8Aが突設されている。また、
該板状カバー8にはボス部8Aとは反対側に位置して一
対の冷却フィン8B,8Bが立設されている。そして、
板状カバー8は、スペーサ9、ボルト(図示せず)等を
介して旋回スクロール4に一体的に取付けられ、この状
態でボス部8Aは旋回軸受10等を介して駆動軸3のク
ランク3Aに回転可能に支持されている。
【0025】ここで、板状カバー8は、後述する継手ガ
イド14間に位置した端面が転動面8Cとなっており、
この転動面8C上で後述の各ローラ19を転動させる構
成になっている。また、板状カバー8は旋回スクロール
4の鏡板4Aとの間で放熱空間11を形成し、旋回軸受
10側で生じる摺動熱を各冷却フィン8Bを介して放熱
空間11側へと効率よく放熱させ、旋回軸受10等の冷
却効果を高めるようになっている。
【0026】12は旋回スクロール4の自転を防止する
自転防止機構を示し、該自転防止機構12は図1および
図2に示す如く、後述の各継手ガイド13,14、可動
継手15および各ローラ18,19等から構成され、該
可動継手15を各継手ガイド13,14を介してX,Y
軸方向にガイドすることにより、各継手ガイド13,1
4と一体となった旋回スクロール4の自転を防止し、該
旋回スクロール4に所定の旋回半径をもった円運動(旋
回運動)を与えるようになっており、所謂オルダム継手
を構成している。
【0027】13,13,…はケーシング1の転動面1
Dに一体に設けられた合計4個の第1の継手ガイド(図
2中に3個のみ図示)で、該各継手ガイド13は図2に
示す如く細長い角板状に形成され、X,Y軸方向で互い
に離間しかつX軸方向に沿って平行に延びている。そし
て、各継手ガイド13間には可動継手15が装着され、
該可動継手15がケーシング1に対してX軸方向に相対
変位するのを補償し、Y軸方向に相対変位するのを規制
している。
【0028】14,14,…は旋回スクロール4の板状
カバー8に一体に設けられた合計4個の第2の継手ガイ
ドで、該各継手ガイド14は図2中に一点鎖線で示す如
く前記各継手ガイド13とほぼ同様に形成され、X,Y
軸方向で互いに離間しかつY軸方向に沿って平行に延び
ている。そして、各継手ガイド14間には可動継手15
が装着され、該可動継手15が旋回スクロール4に対し
てY軸方向に相対変位するのを補償し、X軸方向に相対
変位するのを規制している。
【0029】15はケーシング1のスラスト受部1Bと
旋回スクロール4の板状カバー8との間に摺動可能に設
けられた可動継手を示し、該可動継手15は耐摩耗性を
有する樹脂材料等から、図1および図2に示す如く外形
が略正方形状をなした厚肉の平板材として形成されてい
る。また、可動継手15の中央部には板状カバー8のボ
ス部8Aが貫通する逃がし穴15Aが穿設されている。
【0030】そして、可動継手15は、Y軸方向で対向
した両側面が各継手ガイド13に対して摺動可能に配設
されることによりX軸方向に沿ってガイドされ、X軸方
向で対向した両側面が各継手ガイド14に対して摺動可
能に配設されることにより、Y軸方向に沿ってガイドさ
れるものである。
【0031】ここで、可動継手15の表面15Bには図
2に示す如く、X,Y軸方向に互いに離間して合計4個
の各ガイド溝16が設けられる。そして、該各ガイド溝
16は、横断面が略凹形状をなしてX軸方向に長めに延
びた略長方形状の切欠溝として形成され、その溝底は各
ローラ19に対する転動面16Aとして形成されてい
る。
【0032】また、このガイド溝16はその長尺側の溝
幅(寸法a)がローラ19の軸長とほぼ対応するように
設定され、短尺側の溝幅(寸法b)は前記偏心寸法δの
約2倍程度(b=2δ)の長さに設定されるものであ
る。また、ガイド溝16の溝深さ(寸法c)はローラ1
9の直径よりも少なくとも小さく、好ましくはローラ1
9の直径よりも僅かに小さくなるように形成されてい
る。そして、各ガイド溝16はその内部にそれぞれ各ロ
ーラ19を収容し、各ローラ19がY軸方向へと転動す
るのを許すようになっている。
【0033】また、これと同様に可動継手15の裏面1
5Cについても合計4個の他のガイド溝17(図1中に
2個のみ図示)がガイド溝16とは反対にY軸方向に長
めに延びるように配設されている。そして、該各ガイド
溝17はその溝幅および溝深さが各ガイド溝16と同様
に前記寸法a,b,cをもって形成され、その溝底はロ
ーラ18に対する転動面17Aとして形成されている。
そして、各ガイド溝16はその内部にそれぞれ各ローラ
18を収容し、各ローラ18がX軸方向へと転動するの
を許すようになっている。
【0034】18,18,…は可動継手15とケーシン
グ1のスラスト受部1Bとの間に転動可能に設けられた
合計4個の第1のローラ(図2中に3個のみ図示)、1
9,19,…は可動継手15と旋回スクロール4の板状
カバー8との間に転動可能に設けられた合計4個の第2
のローラを示し、該各ローラ18,19は、例えば高炭
素クロム軸受鋼鋼材(SUJ)等の耐摩耗性に優れた金
属材料により図1および図2に示す如く、細長の円柱体
として形成されている。
【0035】そして、各ローラ18,19のうち第1の
ローラ18は継手ガイド13に対して垂直な方向、即ち
Y軸方向に沿って延びるように可動継手15の各ガイド
溝17内に配設されている。ここで、前述したように各
ローラ18の直径はガイド溝18の溝深さ(寸法c)よ
りも僅かに大きい寸法でもって形成され、これによっ
て、各ローラ18はスラスト受部1Bの転動面1Dおよ
びガイド溝17の転動面17Aに対して転動可能に接触
している。従って、可動継手15の裏面15Cは、転動
面1Dとの間に僅かな隙間が確保され、該裏面15Cと
転動面1Dとが互いに摺動接触することはなくなる。
【0036】そして、可動継手15が各継手ガイド13
によりスラスト受部1Bに対して相対変位するときに
は、これに連動して各ローラ18はガイド溝17を介し
て転動1D,17A間で転動しつつ旋回スクロール4か
らのスラスト荷重を可動継手15と共に受承するもので
ある。
【0037】一方、第2のローラ19は継手ガイド14
に対して垂直な方向、即ちX軸方向に沿って延びるよう
に各ガイド溝16内に配設されている。ここで、前述し
たように各ローラ19の直径は各ローラ18と同様にガ
イド溝17の溝深さ(寸法c)よりも僅かに大きい寸法
でもって形成され、これによって、各ローラ19はそれ
ぞれ板状カバー8の転動面8Cおよび旋回ガイド溝16
の転動面16Aに対して転動可能に接触している。従っ
て、可動継手15の表面15Bは転動面8Cとの間に僅
かな隙間が確保され、該表面15Bと転動面8Cとが互
いに摺動接触することはなくなる。
【0038】そして、可動継手15が各継手ガイド14
により旋回スクロール4に対して相対変位するときに
は、これに連動して各ローラ18はガイド溝16を介し
て転動面8C,16A間で転動しつつ、旋回スクロール
4からのスラスト荷重を可動継手15と共に受承するも
のである。
【0039】本実施例によるスクロール式空気圧縮機は
上述の如き構成を有するもので、次にその圧縮動作につ
いて説明する。
【0040】まず、駆動源により駆動軸3を回転させる
と、旋回スクロール4が旋回駆動されることにより、固
定スクロール2のラップ部2Cと旋回スクロール4のラ
ップ部4Bとの間に画成された圧縮室5,5,…が連続
的に縮小する。これにより、固定スクロール2の吸込口
6から吸込んだ外気は該各圧縮室5内で順次圧縮され、
この圧縮空気は固定スクロール2の吐出口7から外部の
空気タンク等に吐出される。
【0041】次に、各継手ガイド13,14、可動継手
15および各ローラ18,19からなる自転防止機構1
2の動作について説明する。
【0042】まず、駆動軸3が回転すると、可動継手1
5は図2中のY軸方向で対向した両側面が各継手ガイド
13に沿って摺動変位することによってY軸方向への変
位が規制されつつ、ケーシング1に対してはX軸方向に
摺動変位する。また、可動継手15のY軸方向で対向し
た両側面が各継手ガイド14に沿って摺動変位すること
によってX軸方向への変位が規制されつつ、旋回スクロ
ール4に対してはY軸方向に摺動変位する。
【0043】この結果、駆動軸3を介した旋回スクロー
ル4の自転トルクは可動継手15と継手ガイド13,1
4との間で受承され、これによって、旋回スクロール4
の自転が規制され、該旋回スクロール4は偏心寸法δの
旋回半径をもって旋回運動を行う。
【0044】ここで、圧縮運転時には各圧縮室5内が高
圧となるため、旋回スクロール4は可動継手15側に向
けてスラスト方向に強く押圧される。
【0045】そこで、本実施例では、各ローラ18を可
動継手15の各ガイド溝17内に収容することにより、
該ローラ18をケーシング1と各ガイド溝17との転動
面1D,17Aに対してX軸方向へと転動可能に接触さ
せると共に、各ローラ19を各ガイド溝16内に収容す
ることにより、該ローラ19を旋回スクロール4とガイ
ド溝16との転動面8C,16Aに対してY軸方向へと
転動可能に接触させる構成としている。
【0046】これによって、可動継手15が各継手ガイ
ド13によりケーシング1に対してX軸方向に相対変位
するときには、各ローラ18を前記転動面1D,17A
間で転動させることができ、また、可動継手15が各継
手ガイド14により旋回スクロール4に対してY軸方向
に相対変位するときには、各ローラ19を前記転動面8
C,16A間で転動させることができる。
【0047】この結果、圧縮運転時には前述した旋回ス
クロール4に作用するスラスト荷重を可動継手15の他
に前記各ローラ18,19にも常に受承させることがで
き、可動継手15がそれぞれスラスト受部1B、板状カ
バー8に対して強く摺動接触してしまうのを各ローラ1
8,19により確実に防止することができる。これによ
って、可動継手15を転動面1D,8C間で各ローラ1
8,19を転動させつつ各継手ガイド13,14を介し
て円滑に相対変位させることができ、可動継手15が早
期に摩耗、損傷するのを防止することができる。
【0048】ところで、例えば各ローラ18,19に替
えて球形のボール(図示せず)等を用いた場合には、こ
れらのボールは相手方の転動面に対して点接触状態とな
り、これらのボールには旋回スクロール4からのスラス
ト荷重が所謂「ヘルツ応力」となって集中的(局所的)
に作用し、各ボールの摩耗、損傷等を早めてしまうこと
がある。
【0049】然るに本実施例では、各ローラ18をY軸
方向に沿って延びる細長の円柱体として形成すると共
に、各ローラ19をX軸方向に沿って延びる細長の円柱
体として形成したから、各ローラ18,19をその軸方
向に一定の長さをもって前記転動面1D,8C,16
A,17Aに広く接触(実際には線接触状態となる)さ
せることができ、これによって、各ローラ18,19に
対して作用する転動面1D,8C,16A,17Aから
の面圧を低減することができる。
【0050】従って、本実施例によれば、各ローラ1
8,19を前記転動面1D,8C,16A,17Aに対
して転動接触させることにより、可動継手15と共に各
ローラ18,19が早期に摩耗、損傷等するのを防止す
ることができ、該各ローラ18,19等の寿命等を延ば
すことができ、自転防止機機構12にオイル等の潤滑油
を特別に供給する必要なく、無給油式の圧縮機として当
該スクロール式空気圧縮機を長期に亘って安定して作動
させることができる。
【0051】また、各ローラ18,19と前記転動面1
D,8C,16A,17Aとの間で生じる摩擦抵抗(転
がり抵抗)を大幅に低減することができ、圧縮運転時の
機械損失等を小さくでき、装置の性能を向上させること
ができる。
【0052】さらに、各ローラ18,19により可動継
手15等の摩耗を防止できるから、固定スクロール2の
ラップ部2Cと旋回スクロール4の鏡板4Aとの間、お
よびラップ部4Bと鏡板2Aとの間のクリアランスが長
期の運転によって変化するのを抑えることができ、これ
によって、ラップ部2C,4B間で形成される各圧縮室
5内での圧縮効率を高めて性能等を安定させることがで
きる。
【0053】さらにまた、継手ガイド13,14および
可動継手15には旋回スクロール4の自転を防止する機
能を与え、各ローラ18,19には旋回スクロール4か
らのスラスト荷重を受承する機能を与えることにより、
それぞれの機能を別々の部材で分担させる構成としたか
ら、自転防止機構12全体が仮に圧縮運転時の摺動熱等
で熱膨張したとしても、継手ガイド13,14、可動継
手15および各ローラ18,19が互いの動作を束縛し
合うことがなくなり、自転防止機構12全体を円滑に作
動させることができる。
【0054】また、自転防止機構12の全体構成を各継
手ガイド13,14、可動継手15、各ローラ18,1
9等により単純化でき、該自転防止機構12の製作コス
ト等を大幅に低減することができる。
【0055】次に、図3および図4は本発明の第2の実
施例を示し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。しか
し、本実施例の特徴は、自転防止機構31を構成する可
動継手32の表面32Bに一対の他のガイド溝33,3
3をX軸方向に向けて延びるように形成し、これとは反
対に裏面32Cには一対のガイド溝34,34をY軸方
向に向けて延びるように形成し、これらの各ガイド溝3
4および各ガイド溝33内にはそれぞれ第1,第2のロ
ーラ35,36を転動可能に配設すると共に、各ガイド
溝33,34の溝底には耐摩耗性を有する各金属板37
を一体に固着して設ける構成としたことにある。
【0056】ここで、前記可動継手32は前記第1の実
施例で述べた可動継手15とほぼ同様に構成され、逃が
し穴32A、表面32Bおよび裏面32C等を有するも
のの、該可動継手32の表面32B、裏面32Cには、
それぞれ各ガイド溝34および各ガイド溝33が形成さ
れている。
【0057】そして、各ガイド溝33,34は前記第1
の実施例で述べた各ガイド溝16,17とほぼ同様に形
成されているものの、該ガイド溝33,34のうち各ガ
イド溝33(図4中に1個のみ図示)は、Y軸方向で互
いに離間しX軸方向に沿って細長く平行に延びている。
また、これとは反対に各ガイド溝34はX軸方向で互い
に離間しY軸方向に沿って細長く平行に延びている。
【0058】また、前記各ローラ35,36は前記第1
の実施例で述べた各ローラ18,19とほぼ同様に形成
され、各継手ガイド13,14および可動継手32と共
に自転防止機構31を構成しているものの、該各ローラ
35,36はその軸長が前記各ガイド溝33,34に対
応して前記各ローラ18,19よりも長めに形成されて
いる。そして、該各ローラ35はケーシング1の転動面
1Dおよび各金属板37に対して転動可能に接触すると
共に、ローラ36は旋回スクロール4の転動面8Cおよ
び各金属板37に対して転動可能に接触している。
【0059】さらに、前記各金属板37は各ローラ3
5,36(各ローラ18,19)と同様に、例えば高炭
素クロム軸受鋼鋼材(SUJ)等の耐摩耗性に優れた金
属材料により図4に示す如く平板状に形成され、それぞ
れの表面は各ローラ35,36に対する転動面を構成し
ている。
【0060】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の効果を得ることが
できるが、特に本実施例では、各ローラ35,36の軸
長を前記各ローラ18,19に比較して十分に長めに設
定したから、圧縮運転時に各ローラ35,36に対して
作用する転動面1D,8Cおよび各金属板37からの面
圧を前記第1の実施例に比較してより一層低減すること
ができ、これによって、各ローラ35,36が早期に摩
耗、損傷等するのを確実に防止することができ、該各ロ
ーラ35,36等の寿命をさらに延ばすことができる。
【0061】しかも、各ガイド溝35,36の溝底には
耐摩耗性を有する金属板37を一体に取付けたから、こ
の金属板37を含めた可動継手32全体の寿命等を確実
に延ばすことができる。
【0062】次に、図5は本発明の第3の実施例を示
し、本実施例では前記第2の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとするに、
本実施例の特徴は、前記第2の実施例で述べた各ガイド
溝33,34を廃止して、各ガイド溝41,42をそれ
ぞれケーシング1のスラスト受部1Bおよび旋回スクロ
ール4の板状カバー8に設けることにより、各ローラ3
5,36を各ガイド溝33,34を介してスラスト受部
1Bと可動継手43との間、および板状カバー8と可動
継手43との間にそれぞれ転動可能に設け、各継手ガイ
ド13,14、各ローラ35,36および可動継手43
から自転防止機構44を構成したことにある。
【0063】ここで、前記各ガイド溝41,42は前記
各ガイド溝33,34とほぼ同様の形状を有し、該各ガ
イド溝41,42のうちガイド溝41は一点鎖線で示す
如く各継手ガイド14間をX軸方向に向けて細長く延び
るように形成され、また、他のガイド溝42は各継手ガ
イド13間をY軸方向に向けて細長く延びるように形成
されている。そして、各ガイド溝41,42の溝底には
各金属板37(各ガイド溝42側のみ図示)が一体的に
固着され、該金属板37の表面はローラ35,36に対
する転動面を構成している。
【0064】また、前記可動継手43は、耐摩耗性を有
する樹脂材料等から前記第2の可動継手32とほぼ同様
に形成され、逃がし穴43A、表面43Bおよび裏面4
3C等を有しているものの、該可動継手43は表面43
Bが各ローラ36に対する転動面として形成され、裏面
43Cは各ローラ35に対する転動面として形成されて
いる。
【0065】かくして、このように構成される本実施例
でも各ローラ35,36を各ガイド溝41,42を介し
てスラスト受部1Bと可動継手43との間、および板状
カバー8と可動継手43との間で円滑に転動させること
ができ、前記第2の実施例とほぼ同様の作用効果を得る
ことができる。
【0066】なお、前記第1の実施例では、各ガイド溝
16,17の転動面16A,17Aを可動継手15に直
接形成するものとして述べたが、これに替えて、転動面
16A,17Aに前記第2の実施例と同様にして耐摩耗
性を有する金属板37を設けるようにしてもよい。
【0067】また、前記各実施例では、スクロール式空
気圧縮機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限ら
ず、空気以外の気体を圧縮する圧縮機にも適用でき、ま
た真空ポンプ等にも適用できる。
【0068】
【発明の効果】以上、詳述した通り本発明によれば、可
動継手と前記ケーシング側との間に第1のローラを転動
可能に設け、可動継手と旋回スクロールの背面側との間
に第2のローラを転動可能に設ける構成としたから、圧
縮運転時のスラスト荷重等によりケーシングと可動継手
との間および旋回スクロールと可動継手との間でそれぞ
れのローラに作用する面圧を低減でき、各ローラが可動
継手と共に早期に摩耗、損傷するのを確実に防止でき
る。これにより、自転防止機構にオイル等の潤滑油を特
別に供給する必要なく、無給油式の圧縮機として当該ス
クロール式流体機械を長期に亘って安定して作動させる
ことができる。また、各ローラの転動動作に伴って生じ
る摩擦抵抗(転がり抵抗)を大幅に低減でき、これによ
って、可動継手をケーシング側と旋回スクロール側との
間で各継手ガイドを介して円滑に摺動させることがで
き、圧縮運転時の機械損失等を小さくして装置の性能を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるスクロール式空気
圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】図1中の自転防止機構を拡大して示す分解斜視
図である。
【図3】本発明の第2の実施例によるスクロール式空気
圧縮機の自転防止機構を示す分解斜視図である。
【図4】図3中の可動継手およびローラを拡大して示す
一部破断の縦断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例によるスクロール式空気
圧縮機の自転防止機構を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 固定スクロール 4 旋回スクロール 8 板状カバー 12,31,44 自転防止機構 13 第1の継手ガイド 14 第2の継手ガイド 15,32,43 可動継手 18,35 第1のローラ 19,36 第2のローラ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシングに一体的に
    設けられた固定スクロールと、前記ケーシング内に旋回
    可能に設けられ該固定スクロールとの間に複数の圧縮室
    を画成する旋回スクロールと、該旋回スクロールの自転
    を防止する自転防止機構とからなるスクロール式流体機
    械において、 前記自転防止機構は、前記ケーシング側に設けられる第
    1の継手ガイドと、前記旋回スクロールの背面側に設け
    られる第2の継手ガイドと、該第1,第2の継手ガイド
    間に設けられ、該第1,第2の継手ガイドにより互いに
    直交する2軸方向にガイドされる可動継手と、該可動継
    手と前記ケーシング側との間に転動可能に設けられ前記
    第1の継手ガイドに対して垂直な方向に延びる第1のロ
    ーラと、前記可動継手と旋回スクロールの背面側との間
    に転動可能に設けられ前記第2の継手ガイドに対して垂
    直な方向に延びる第2のローラとから構成したことを特
    徴とするスクロール式流体機械。
JP13427097A 1997-05-08 1997-05-08 スクロール式流体機械 Pending JPH10306784A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020112142A (ja) * 2019-01-16 2020-07-27 サンデン・オートモーティブコンポーネント株式会社 スクロール型流体機械

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020112142A (ja) * 2019-01-16 2020-07-27 サンデン・オートモーティブコンポーネント株式会社 スクロール型流体機械

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