JPH1030606A - 油圧モータ制御装置 - Google Patents

油圧モータ制御装置

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JPH1030606A
JPH1030606A JP20424496A JP20424496A JPH1030606A JP H1030606 A JPH1030606 A JP H1030606A JP 20424496 A JP20424496 A JP 20424496A JP 20424496 A JP20424496 A JP 20424496A JP H1030606 A JPH1030606 A JP H1030606A
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hydraulic
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Hidetoshi Satake
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/38Control of exclusively fluid gearing
    • F16H61/40Control of exclusively fluid gearing hydrostatic
    • F16H61/42Control of exclusively fluid gearing hydrostatic involving adjustment of a pump or motor with adjustable output or capacity
    • F16H61/421Motor capacity control by electro-hydraulic control means, e.g. using solenoid valves

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  • Operation Control Of Excavators (AREA)
  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧モータの起動時や停止時に発生する衝撃
を緩和すると共に、油圧モータの起動や停止が遅れる等
の問題を解消できるようにする。 【解決手段】 油圧モータ31を可変容量式油圧モータ
で構成し、油圧モータ31の容量可変部32をレギュレ
ータ33によって最小傾転角と最大傾転角の範囲内で傾
転駆動する。また、油圧モータ31の回転速度Vを速度
センサ35で検出し、コントローラ36で油圧モータ3
1の起動時(停止時)における回転速度Vの変化率を加
速度(減速度)として求めるようにする。そして、コン
トローラ36ではレギュレータ33を加速度(減速度)
に応じて作動させ、容量可変部32の傾転角を最小傾転
角から最大傾転角の範囲内で変化させることにより、油
圧モータ31の起動時(停止時)における駆動トルク
(減速トルク)を上部旋回体側の慣性負荷(慣性モーメ
ント)に対応させる構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に好適に用いられる油圧モータ制御装置
に関し、特に、旋回用油圧モータの起動時や停止時に衝
撃が発生するのを緩和できるようにした油圧モータ制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6および図7に従来技術の油圧モータ
制御装置として、油圧ショベルの旋回用油圧回路を例に
挙げて示す。
【0003】図において、1は油圧ショベルの基台とな
る下部走行体、2は該下部走行体1上に旋回可能に搭載
された上部旋回体を示し、該上部旋回体2は骨組み構造
をなす旋回フレーム3を備え、該旋回フレーム3上には
運転室4、機械室5およびカウンタウエイト6等が設け
られている。
【0004】ここで、上部旋回体2には旋回フレーム3
の中央部側に後述の図7に示す旋回用の油圧モータ11
が旋回用減速機(図示せず)等と共に配設され、上部旋
回体2は下部走行体1上で油圧モータ11により旋回駆
動される構成となっている。また、上部旋回体2には旋
回フレーム3の前部側に作業装置7が俯仰動可能に設け
られ、該作業装置7はブーム8、アーム9およびバケッ
ト10等によって構成されている。
【0005】11は上部旋回体2の旋回フレーム3上に
配設される旋回用の油圧モータを示し、該油圧モータ1
1は斜板型または斜軸型の油圧モータ等によって構成さ
れ、その出力軸11Aにより上部旋回体2全体を前記減
速機等を介して旋回駆動するものである。また、該油圧
モータ11にはネガティブ式のブレーキ装置(図示せ
ず)が付設され、このブレーキ装置は上部旋回体2の旋
回停止時に制動力を付与し、例えば坂道の途中等で上部
旋回体2が下部走行体1に対して不用意に旋回(回転)
してしまうのを規制する構成となっている。
【0006】12はタンク13と共に油圧源を構成する
油圧ポンプを示し、該油圧ポンプ12は上部旋回体2の
機械室5内に原動機(図示せず)と共に設けられ、この
原動機で回転駆動されることによってタンク13内の作
動油を後述する主管路14A,14Bのいずれかに吐出
させるものである。
【0007】14A,14Bは油圧モータ11を油圧ポ
ンプ12、タンク13に接続する一対の主管路、15は
該主管路14A,14Bの途中に配設された方向切換弁
を示し、該方向切換弁15はオペレータが操作レバー1
5Aを手動操作することにより中立位置(イ)から切換
位置(ロ),(ハ)に切換えられ、この切換位置
(ロ),(ハ)で油圧ポンプ12から油圧モータ11に
給排する圧油の方向を切換える構成となっている。
【0008】16は油圧モータ11と方向切換弁15と
の間の位置で主管路14A,14Bを分岐管路17A,
17Bまたは他の分岐管路18A,18Bを介してタン
ク13に接続するタンク管路、19A,19Bは分岐管
路17A,17Bの途中にそれぞれ配設されたメイクア
ップ用のチェック弁を示し、該チェック弁19A,19
Bはタンク13から主管路14A,14B側に向けて作
動油(油液)が流通するのを許すことにより、主管路1
4A,14B内が負圧状態になるのを防止するものであ
る。
【0009】20A,20Bは油圧モータ11と方向切
換弁15との間に位置して分岐管路18A,18Bの途
中にそれぞれ設けられたリリーフ手段としての一対のオ
ーバロードリリーフ弁で、該オーバロードリリーフ弁2
0A,20Bは圧力設定ばね21A,21Bを有し、該
圧力設定ばね21A,21Bによりリリーフ設定圧が一
定の圧力値(例えば200〜260kg/cm2 程度)
に決められている。
【0010】そして、オーバロードリリーフ弁20A,
20Bは油圧モータ11の慣性回転時等に主管路14A
または14B内に、例えばリリーフ設定圧以上の圧力
(過剰圧)が発生すると、オーバロードリリーフ弁20
A,20Bの弁体(図示せず)を開弁させ、この圧力
(過剰圧)をタンク管路16側へとリリーフさせつつ、
主管路14A,14B内の圧力をリリーフ設定圧以下に
制御するものである。
【0011】さらに、22は油圧ポンプ12の吐出側と
タンク13との間に配設されたメインのリリーフ弁を示
し、該リリーフ弁22は油圧ポンプ12の最高吐出圧を
設定し、これ以上の過剰圧をタンク13側にリリーフさ
せるものである。
【0012】このように構成される油圧ショベルの旋回
用油圧回路では、まず方向切換弁15が中立位置(イ)
にあるときには、油圧モータ11に付設した前記ブレー
キ装置が制動ばね等によって油圧モータ11の出力軸1
1A側に制動を与え、上部旋回体2が不用意に動いてし
まうのを防止している。
【0013】次に、上部旋回体2を一方向に旋回させる
ためにオペレータが方向切換弁15を中立位置(イ)か
ら、例えば切換位置(ロ)に切換えると、油圧ポンプ1
2からの圧油がモータ駆動圧となって主管路14A側に
供給され、前記ブレーキ装置による制動が解除されて油
圧モータ11が回転駆動されるようになり、上部旋回体
2は前記減速機を介して油圧モータ11により一方向に
旋回し始める。そして、油圧モータ11からの戻り油は
主管路14Bを介してタンク13側に排出される。
【0014】次に、油圧モータ11の回転を停止させる
ために、方向切換弁15を再び中立位置(イ)に戻す
と、油圧ポンプ12から主管路14A側への圧油の供給
が断たれ、主管路14Bは方向切換弁15によりタンク
13に対して遮断される。そして、このときに上部旋回
体2からの慣性負荷等で油圧モータ11が慣性回転する
ようになると、該油圧モータ11はポンプ作用を行な
い、主管路14A側から吸込んだ圧油を主管路14B側
に吐出することにより主管路14B側を高圧とし、これ
を油圧モータ11のブレーキ圧として該油圧モータ11
に油圧ブレーキをかける。
【0015】そして、オーバロードリリーフ弁20B
は、主管路14B側のブレーキ圧(圧力)が圧力設定ば
ね21Bによるリリーフ設定圧まで上昇すると、オーバ
ロードリリーフ弁20Bの弁体が開弁し、このときの過
剰圧をタンク管路16側に排出することにより、油圧モ
ータ11を徐々に停止させる。
【0016】また、油圧ショベルの上部旋回体2を他方
向に旋回すべく方向切換弁15を切換位置(ハ)に切換
えたときには、油圧ポンプ12からの圧油がモータ駆動
圧となって主管路14B側に供給され、油圧モータ11
からの戻り油は主管路14Aを介してタンク13側に排
出される。そして、油圧モータ11の回転を停止させる
ため、方向切換弁15を中立位置(イ)に戻したとき
に、油圧モータ11が慣性回転するようになると、主管
路14A側が高圧となってオーバロードリリーフ弁20
Aの弁体が開弁し、このときの過剰圧をタンク管路16
側に排出することにより、油圧モータ11を徐々に停止
させる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、オーバロードリリーフ弁20A,20Bの
リリーフ設定圧を、圧力設定ばね21A,21Bにより
一定の圧力値に設定(固定)しているに過ぎないから、
上部旋回体2側の慣性負荷(慣性モーメント)が小さい
状態のときには油圧モータ11の停止時または起動時に
衝撃等が発生し易くなり、逆に慣性負荷が大きくなった
ときには油圧モータ11の停止または起動が遅れ易くな
るという問題がある。
【0018】即ち、油圧ショベルの上部旋回体2は旋回
フレーム3の前部側に図6に示す如く作業装置7を備え
る構成であるから、該作業装置7のバケット10内に掘
削土砂等を積込んでいるときと、積込んでいないとき、
さらには作業装置7のブーム8を上向きに仰動させ、ア
ーム9をブーム8側に小さく折り畳むようにした場合
と、ブーム8を下向きに俯動させ、図6に示す如くアー
ム8を前方に大きく延ばすようにした場合とでは、上部
旋回体2を油圧モータ11で旋回駆動(停止)するとき
の慣性負荷(慣性モーメント)が大きく変わってしま
い、油圧モータ11に供給すべきモータ駆動圧(停止時
のブレーキ圧)が土砂等の積込み具合や作業装置7の姿
勢(ブーム8の俯仰動等)によって大きく変化すること
になる。
【0019】しかし、従来技術では、オーバロードリリ
ーフ弁20A,20Bのリリーフ設定圧が圧力設定ばね
21A,21Bにより一定の圧力値に固定されているか
ら、圧力設定ばね21A,21Bのばね荷重を高めに設
定しリリーフ設定圧を、例えば200kg/cm2 を越
える高い圧力値とした場合は、前記方向切換弁15を中
立位置(イ)に戻して回転(旋回)中の油圧モータ11
を停止させるときに、該油圧モータ11の慣性回転によ
って主管路14B(14A)内には高圧のブレーキ圧が
発生し、このブレーキ圧でオーバロードリリーフ弁20
B(20A)が開弁するときに衝撃が発生し易くなり、
この傾向は特に慣性負荷が小さいときほど顕著になると
いう問題がある。
【0020】また、圧力設定ばね21A,21Bのばね
荷重を低めに設定しリリーフ設定圧を、例えば100k
g/cm2 程度の低い圧力値まで下げるようにした場合
には、前記方向切換弁15を中立位置(イ)に戻して油
圧モータ11が停止するまで慣性回転するときに、油圧
モータ11の主管路14B(14A)内に発生するブレ
ーキ圧がこのリリーフ設定圧(100kg/cm2
度)を越えた時点で、オーバロードリリーフ弁20B
(20A)は早期に開弁するようになり、特に慣性負荷
が大きくなった状態では、このときの負荷をオーバロー
ドリリーフ弁20B(20A)で十分には吸収しきれず
に、油圧モータ11の停止時期が遅れてしまうという問
題がある。
【0021】一方、方向切換弁15を中立位置(イ)か
ら切換位置(ロ)または(ハ)に切換えて油圧モータ1
1を起動する場合でも、オーバロードリリーフ弁20
A,20Bのリリーフ設定圧を高めに設定すると、上部
旋回体2側の慣性負荷(慣性モーメント)が小さい状態
のときに起動時の衝撃が大きくなり、逆にリリーフ設定
圧を低めに設定すると、上部旋回体2側の慣性負荷(慣
性モーメント)が大きい状態のときに油圧モータ11の
起動が遅れて、上部旋回体2を早期に旋回駆動できなく
なるという問題がある。
【0022】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は油圧モータの起動時や停止時に
衝撃等が発生するのを効果的に緩和でき、例えば上部旋
回体の旋回動作等を円滑化できる上に、油圧モータの起
動や停止が遅れる等の問題を確実に解消でき、信頼性を
高めることができるようにした油圧モータ制御装置を提
供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1に記載の発明は、容量可変部を有する
可変容量式の油圧モータと、該油圧モータの容量可変部
を駆動し該油圧モータの容量を変化させるレギュレータ
と、前記油圧モータを油圧源に接続する一対の主管路
と、該各主管路の途中に設けられ、前記油圧源から油圧
モータに給排する圧油の方向を切換える方向切換弁と、
該方向切換弁と油圧モータとの間に位置して前記各主管
路の途中に設けられ、該各主管路内の圧力をリリーフ設
定圧以下に制御するリリーフ手段と、前記油圧モータの
回転速度を検出する速度検出手段と、該速度検出手段か
らの信号に基づき前記油圧モータの回転速度の変化率を
演算する変化率演算手段と、該変化率演算手段で演算し
た回転速度の変化率に基づいて前記レギュレータを作動
させ、前記油圧モータの容量を可変に制御する容量制御
手段とからなる構成を採用している。
【0024】このように構成することにより、変化率演
算手段で演算した回転速度の変化率が小さいときには油
圧モータの回転速度がほとんど変化せず、例えば油圧モ
ータに起動時にあっては駆動トルクを増大させるべき状
態であるから、容量制御手段で油圧モータの容量を大き
くすることによって該油圧モータの駆動トルクを増大で
き、該油圧モータの回転速度を速やかに増速できる。一
方、前記回転速度の変化率が大きいときには油圧モータ
の回転速度が急激に変化し、例えば油圧モータの停止時
にあっては主管路内のブレーキ圧が急増して油圧モータ
の減速トルクが過大となった状態であるから、容量制御
手段で油圧モータの容量を減少させることによって前記
油圧モータの減速トルクを小さくでき、油圧モータが急
激に停止するのを防止できる。
【0025】また、請求項2に記載の発明では、前記油
圧モータを、基台上で上部旋回体を旋回駆動する旋回用
油圧モータによって構成している。
【0026】これにより、旋回用油圧モータの回転速度
がほとんど変化しないときには、上部旋回体側の慣性モ
ーメント(慣性負荷)が大きい状態であるから、容量制
御手段で油圧モータの容量を大きくすることによって、
旋回用油圧モータの駆動トルク(減速トルク)を増大で
き、該油圧モータの回転速度を速やかに増速(減速)で
きる。一方、旋回用油圧モータの回転速度が急激に変化
しているときには、上部旋回体側の慣性モーメント(慣
性負荷)が小さい状態であるから、容量制御手段で油圧
モータの容量を減少させることによって、旋回用油圧モ
ータの駆動トルク(減速トルク)を小さくでき、旋回用
油圧モータの回転速度が大きく急変するのを防止でき
る。
【0027】さらに、請求項3に記載の発明では、前記
方向切換弁が中立位置と切換位置とのいずれかに切換操
作されたか否かを判定する操作判定手段を備え、前記変
化率演算手段は、該操作判定手段によって前記方向切換
弁が切換操作されたと判定した時点から微少な一定時間
が経過するまでの間に前記油圧モータの回転速度の変化
率を演算する構成としている。
【0028】これにより、前記操作判定手段の判定結果
から油圧モータの起動時と停止時とを判別でき、油圧モ
ータの起動(停止)時には前記変化率演算手段による油
圧モータの回転速度の変化率を起動(停止)時の加速度
(減速度)として取り出すことができる。そして、起動
(停止)時の微少な一定時間における油圧モータの加速
度(減速度)が小さいときには、例えば上部旋回体側の
慣性負荷が大きい場合であると判断でき、前記油圧モー
タの容量を大きくすることによって油圧モータの駆動ト
ルク(減速トルク)を増大させつつ、該油圧モータの回
転速度を速やかに増速(減速)できる。
【0029】さらにまた、請求項4に記載の発明では、
前記容量制御手段は、前記操作判定手段によって方向切
換弁が切換操作されたと判定した時点で前記レギュレー
タにより油圧モータの容量可変部を最小の容量位置と
し、その後に微少な一定時間が経過した時点では該油圧
モータの容量可変部を、前記変化率演算手段による回転
速度の変化率に応じて前記最小の容量位置よりも大きい
容量位置まで前記レギュレータにより駆動させる構成と
している。
【0030】この結果、油圧モータを起動(停止)し始
めるときには、油圧モータの容量可変部を予め最小の容
量位置とし、その後に微少な一定時間が経過した時点で
該油圧モータの容量可変部をより大きい容量位置に増大
させることができ、このときにモータ容量(容量位置)
を前記油圧モータの加速度(減速度)に応じて変化させ
ることにより、該油圧モータの駆動トルク(減速トル
ク)を例えば上部旋回体側の慣性負荷に適した大きさに
制御できる。
【0031】さらに、請求項5に記載の発明では、前記
変化率演算手段による回転速度の変化率を予め決められ
た判定値と比較判定する比較判定手段を備え、前記容量
制御手段は、該比較判定手段により前記回転速度の変化
率が判定値よりも小さいと判定したときに、前記レギュ
レータにより油圧モータの容量可変部を最大の容量位置
まで駆動させ、前記回転速度の変化率が判定値よりも大
きいと判定したときには、前記レギュレータにより前記
最小の容量位置と最大の容量位置との間で前記回転速度
の変化率に対応した容量位置まで前記油圧モータの容量
可変部を駆動させた後に、前記最大の容量位置まで徐々
に駆動させる構成としている。
【0032】この結果、油圧モータを起動(停止)し始
めて微少な一定時間が経過するまでの間に、例えば上部
旋回体側の慣性負荷が予め決められた判定値より大きい
か小さいかを比較判定でき、回転速度の変化率が判定値
よりも小さく、慣性負荷が大きいと判定したときには油
圧モータの容量可変部を最大の容量位置に増大させるこ
とによって、油圧モータの回転速度を速やかに増速(減
速)できる。
【0033】また、前記回転速度の変化率が判定値より
も大きく、例えば上部旋回体側の慣性負荷が小さいと判
定したときには、前記油圧モータの容量可変部を前記最
小の容量位置と最大の容量位置との間で、前記回転速度
の変化率(慣性負荷)に対応した容量位置まで駆動した
後に、前記最大の容量位置まで徐々に駆動することによ
り、油圧モータの駆動トルク(減速トルク)を上部旋回
体側の慣性負荷に適した大きさに制御できる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って説明する。
【0035】ここで、図1ないし図5は本発明の実施例
を示し、本実施例では前述した図6および図7に示す従
来技術と同一構成要素に同一符号を付し、その説明を省
略するものとする。
【0036】図中、31は本実施例による旋回用の油圧
モータを示し、該油圧モータ31は従来技術で述べた油
圧モータ11とほぼ同様に構成され、出力軸31Aによ
り上部旋回体2全体を旋回用減速機等を介して旋回駆動
するものである。しかし、該油圧モータ31は容量可変
部32を可変容量式油圧モータからなり、そのモータ容
量が容量可変部32の傾転角θ(容量位置)に応じて可
変に制御される構成となっている。
【0037】33は油圧モータ31の容量可変部32を
傾転駆動するレギュレータを示し、該レギュレータ33
は例えば電磁比例式のアクチュエータ等によって構成さ
れ、後述のコントローラ36から制御信号が出力される
ことにより、この制御信号の電流値に応じて油圧モータ
31の容量可変部32を、図2および図3に示す最小傾
転角θL (最小の容量位置)と最大傾転角θH (最大の
容量位置)との間で傾転駆動する。
【0038】ここで、油圧モータ31のモータ容量q
は、
【0039】
【数1】q=C×θ 但し、C:定数 となって、容量可変部32の傾転角θに比例して増減
し、レギュレータ33により容量可変部32を最小傾転
角θL まで傾転駆動したときにはモータ容量qが最小と
なり、容量可変部32を最大傾転角θH まで傾転駆動し
たときにはモータ容量qが最大となる。
【0040】また、油圧モータ31の起動時における駆
動トルクまたは停止時の減速トルクは出力トルクTout
として、下記の式の如く求められる。
【0041】
【数2】Tout =η×P×q/2π 但し、η:定数 P:モータ駆動圧(ブレーキ圧)
【0042】そして、出力トルクTout (駆動トルクま
たは減速トルク)は、モータ容量q(容量可変部32の
傾転角θ)に対応して増減し、容量可変部32を最小傾
転角θL まで傾転駆動したときにはモータ容量qが最小
となって、出力トルクTout(駆動トルクまたは減速ト
ルク)を減少させることができ、容量可変部32を最大
傾転角θH まで傾転駆動したときにはモータ容量qが最
大となって、出力トルクTout (駆動トルクまたは減速
トルク)を増大させることができる。
【0043】34は方向切換弁15に設けられた位置検
出器を示し、該位置検出器34は方向切換弁15が中立
位置(イ)または切換位置(ロ),(ハ)のいずれの位
置にあるかを検出し、その検出信号をコントローラ36
に出力するものである。そして、コントローラ36は位
置検出器34と共に操作判定手段を構成し、方向切換弁
15が中立位置(イ)から切換位置(ロ)または(ハ)
に切換えられる油圧モータ31の起動時と、方向切換弁
15が逆に切換位置(ロ),(ハ)から中立位置(イ)
に戻される油圧モータ31の停止時とを判別するように
なっている。
【0044】35は油圧モータ31の回転速度を検出す
る速度検出手段としての速度センサを示し、該速度セン
サ35は油圧モータ31の出力軸31A等に近接して配
設され、出力軸31Aの回転を検出することによりその
検出信号をコントローラ36に出力する構成となってい
る。
【0045】36はマイクロコンピュータ等から構成さ
れたコントローラを示し、該コントローラ36は入力側
が位置検出器34および速度センサ35等に接続され、
出力側がレギュレータ33等に接続されている。そし
て、コントローラ36はその記憶回路内に図4および図
5に示すプログラム等を格納し、油圧モータ31の起動
時制御処理および停止時制御処理等を行うようになって
いる。
【0046】また、コントローラ36の記憶回路はその
記憶エリア36A内に、後述のタイマTと、例えば0.
5〜1.0秒程度の微少な一定時間T1 と、油圧モータ
31の起動時における加速度αa の比較判定を行うため
に予め決められた判定値αa0と、油圧モータ31の停止
時における減速度αd の比較判定を行うために予め決め
られた判定値αd0と、図2に示す加速度(減速度)に対
する傾転角θの特性マップ等とが格納されている。
【0047】そして、この特性マップでは、速度センサ
35で検出した油圧モータ31の回転速度Vによる加速
度αa または減速度αd が、例えば1G(重力加速度)
以下となるときにレギュレータ33による容量可変部3
2の傾転角θを最小傾転角θL から、加速度αa (減速
度αd )が小さくなるに応じて反比例的に最大傾転角θ
H まで増大させ、加速度αa または減速度αd が1G
(重力加速度)以上となったときには、レギュレータ3
3による容量可変部32の傾転角θを最小傾転角θL に
保持する特性となっている。
【0048】本実施例による油圧ショベルの旋回用油圧
回路は上述の如き構成を有するもので、その基本的作動
については従来技術によるものと格別差異はない。
【0049】そこで、本実施例の特徴であるコントロー
ラ36による油圧モータ31の起動時制御処理および停
止時制御処理について図4および図5を参照して説明す
る。
【0050】まず、図4の起動時制御処理では処理動作
がスタートすると、ステップ1で位置検出器34からの
検出信号に基づき、方向切換弁15が中立位置(イ)か
ら切換位置(ロ)または切換位置(ハ)に切換えられた
か否かを判定し、「NO」と判定する間は油圧モータ3
1が停止している場合であるから、レギュレータ33に
出力する制御信号の電流値を、例えば最低レベル(零)
としてレギュレータ33により容量可変部32の傾転角
θを最大傾転角θH に保持し、油圧モータ31のモータ
容量qを最大容量まで高めるようにして該油圧モータ3
1を停止状態に置く。
【0051】そして、ステップ1で「YES」と判定し
たときには方向切換弁15が中立位置(イ)から、例え
ば切換位置(ロ)に切換操作され、油圧モータ31を起
動させようとする場合であるから、ステップ2に移って
レギュレータ33に出力する制御信号の電流値を、例え
ば最高レベルまで上昇させることによりレギュレータ3
3で容量可変部32の傾転角θを最大傾転角θH から最
小傾転角θL まで傾転駆動させる。
【0052】この場合、油圧モータ31の主管路14
A,14Bのうち、例えば主管路14A側に油圧ポンプ
12から圧油(モータ駆動圧)を供給すると、主管路1
4A内の圧力は方向切換弁15のストローク量に対応し
た速度で上昇(増大)する。しかし、油圧モータ31は
容量可変部32の傾転角θを最小傾転角θL としてモー
タ容量qが最小容量になっているから、前記数2の式に
より油圧モータ31の出力トルクTout (駆動トルク)
は低トルクに抑えられた状態となる。
【0053】次に、ステップ3ではタイマTをスタート
させ、ステップ4に移って速度センサ35からの信号に
基づき油圧モータ31の起動時における回転速度Vを、
まず起動初期の回転速度Vi として読込む。そして、次
のステップ5では微少な一定時間T1 (例えば0.5〜
1.0秒程度)が経過したか否かを判定し、「NO」と
判定する間はステップ4に戻って速度センサ35から油
圧モータ31の回転速度Vを順次読込み、ステップ5で
「YES」と判定したときにステップ6に移ってタイマ
Tを停止させる。なお、ステップ5で「YES」と判定
する前に、ステップ4で最後に読込んだ回転速度Vが、
時間T1 の経過時に読込んだ最後の回転速度Ve とな
る。
【0054】次に、ステップ7では前記起動初期の回転
速度Vi と最後の回転速度Ve との速度差(Ve −Vi
)を時間T1 で割算することにより、油圧モータ31
の起動時における回転速度Vの変化率を、
【0055】
【数3】αa =(Ve −Vi )/T1 加速度αa として演算し、ステップ8に移ってこのとき
の加速度αa が予め決めた判定値αa0以下であるか否か
を判定する。
【0056】そして、ステップ8で「YES」と判定し
たときには、上部旋回体2側の慣性負荷(慣性モーメン
ト)が大きいために、油圧モータ31の起動初期におけ
る加速度αa を大きくできず、容量可変部32の傾転角
θを最小傾転角θL とし油圧モータ31のモータ容量q
を最小容量にした状態では、油圧モータ31を早期に旋
回駆動(起動)するのが困難と判定できるから、ステッ
プ9に移ってレギュレータ33により容量可変部32の
傾転角θを最大傾転角θH まで傾転駆動(増大)させ、
ステップ10でリターンする。
【0057】この結果、レギュレータ33により容量可
変部32の傾転角θは図3中に点線で示す特性線37の
如く、一定時間T1 の経過後に最小傾転角θL から最大
傾転角θH まで短時間で傾転駆動(増大)され、前記数
1の式により油圧モータ31のモータ容量qは最大容量
となるから、前記数2の式による油圧モータ31の出力
トルクTout (駆動トルク)を増大させることができ、
油圧モータ31を早期に旋回駆動(起動)することがで
きる。
【0058】また、前記ステップ8で「NO」と判定し
たときには、油圧モータ31の起動初期における加速度
αa が判定値αa0よりも大きくなっているから、ステッ
プ11に移って図2に示す特性マップを読出し、このと
きの加速度αa (例えば加速度αM )に適した容量可変
部32の傾転角θを、例えば中間の傾転角θM として算
定しつつ、レギュレータ33を作動させることにより容
量可変部32の傾転角θを図3中に実線で示す特性線3
8の如く、時間T1 の経過後に最小傾転角θLから中間
の傾転角θM まで短時間で増大させる。
【0059】そして、次なるステップ12ではレギュレ
ータ33により容量可変部32の傾転角θを、図3中の
特性線38に沿って中間の傾転角θM から徐々に最大傾
転角θH まで傾転駆動(増大)させ、油圧モータ31の
モータ容量qを中間の容量から最大容量まで徐々に増大
させる。
【0060】この結果、油圧モータ31の出力トルクT
out をモータ容量qに対応させて徐々に増大でき、上部
旋回体2側の慣性負荷(慣性モーメント)に適した出力
トルクTout (駆動トルク)をもって油圧モータ31を
回転駆動できると共に、油圧モータ31の起動時におけ
る回転速度が急激に変化するのを抑えることができる。
【0061】なお、前記ステップ7による加速度αa が
十分に大きい場合には、図3に一点鎖線で示す特性線3
9の如く、前記ステップ11で容量可変部32の傾転角
θを最小傾転角θL に保ち、ステップ12の処理で容量
可変部32の傾転角θを最小傾転角θL から徐々に最大
傾転角θH まで増大させるように制御してもよい。
【0062】次に、図5を参照して油圧モータ31の停
止時制御処理について説明するに、まず、処理動作がス
タートすると、ステップ21で位置検出器34からの検
出信号に基づき、方向切換弁15が切換位置(ロ)また
は切換位置(ハ)から中立位置(イ)に戻されたか否か
を判定し、「NO」と判定する間は油圧モータ31が回
転している場合であるから、レギュレータ33により容
量可変部32の傾転角θを最大傾転角θH に保持し、油
圧モータ31の出力トルクTout (駆動トルク)を大き
くすることによって、バケット10による土砂等の掘削
作業で慣性負荷が増大したときにも、上部旋回体2側を
油圧モータ31で確実に旋回駆動できるようにする。
【0063】そして、ステップ21で「YES」と判定
したときには方向切換弁15が、例えば切換位置(ロ)
から中立位置(イ)に切換操作され、油圧モータ31を
停止させようとする場合であるから、ステップ22に移
ってレギュレータ33により容量可変部32の傾転角θ
を最大傾転角θH から最小傾転角θL まで傾転駆動(減
少)させる。
【0064】ここで、油圧モータ31が上部旋回体2側
の慣性負荷(慣性モーメント)により慣性回転を始め、
ポンプ作用を行うようになると、該油圧モータ31から
の戻り油が主管路14A,14Bのうち、例えば主管路
14B側に封じ込められることによって、該主管路14
B側にブレーキ圧が発生する。そして、このブレーキ圧
はオーバロードリリーフ弁20Bのリリーフ設定圧まで
漸次増大し、該オーバロードリリーフ弁20Bが開弁し
たときに熱エネルギーに変換されることによって油圧モ
ータ31は停止するようになる。
【0065】しかし、ステップ22の処理により油圧モ
ータ31はモータ容量qが一旦最小容量になるまで、レ
ギュレータ33により容量可変部32の傾転角θを最小
傾転角θL に傾転駆動しているから、前記ポンプ作用に
より油圧モータ31から主管路14B側に排出する戻り
油の流量を最小流量とし、主管路14B側に発生するブ
レーキ圧が前記オーバロードリリーフ弁20Bのリリー
フ設定圧まで急激に増大する抑え得ると共に、前記数2
の式により油圧モータ31の出力トルクTout(減速ト
ルク)を低トルクに保つことができる。
【0066】次に、ステップ23ではタイマTをスター
トさせ、ステップ24に移って速度センサ35からの信
号に基づき油圧モータ31の停止時における回転速度V
を、まず慣性回転初期の回転速度Vi として読込む。そ
して、次のステップ25では微少な一定時間T1 (例え
ば0.5〜1.0秒程度)が経過したか否かを判定し、
「NO」と判定する間はステップ24に戻って速度セン
サ35から油圧モータ31の回転速度Vを順次読込み、
ステップ25で「YES」と判定したときにステップ2
6に移ってタイマTを停止させる。なお、ステップ25
で「YES」と判定する前に、ステップ24で最後に読
込んだ回転速度Vが、時間T1 の経過時に読込んだ後の
回転速度Ve となる。
【0067】次に、ステップ27では前記慣性回転初期
の回転速度Vi と後の回転速度Veとの速度差(Vi −
Ve )を時間T1 で割算することにより、油圧モータ3
1の停止(慣性回転)時における回転速度Vの変化率
を、
【0068】
【数4】αd =(Vi −Ve )/T1 減速度αd として演算し、ステップ28に移ってこのと
きの減速度αd が予め決めた判定値αd0以下であるか否
かを判定する。
【0069】そして、ステップ28で「YES」と判定
したときには、上部旋回体2側の慣性負荷(慣性モーメ
ント)が大きいために、油圧モータ31の慣性回転初期
における減速度αd を大きくできず、前述の如く容量可
変部32の傾転角θを最小傾転角θL に設定した状態で
は、油圧モータの減速トルク(出力トルクTout )が小
さ過ぎて、油圧モータ31を早く停止させるのが困難と
判定できるから、ステップ29に移ってレギュレータ3
3により容量可変部32の傾転角θを最大傾転角θH ま
で傾転駆動(増大)させ、ステップ30でリターンす
る。
【0070】この結果、容量可変部32の傾転角θはレ
ギュレータ33により図3中に点線で示す特性線37の
如く、一定時間T1 の経過後に最小傾転角θL から最大
傾転角θH まで短時間で傾転駆動(増大)されるように
なり、前記ポンプ作用により油圧モータ31から主管路
14B側に排出する戻り油の流量を最大流量まで増大さ
せることによって、主管路14B側に発生するブレーキ
圧を前記オーバロードリリーフ弁20Bのリリーフ設定
圧まで速やかに増大でき、上部旋回体2側の慣性負荷が
大きくなることによって、油圧モータ31の停止動作が
遅れてしまうのを確実に防止できる。
【0071】また、前記ステップ28で「NO」と判定
したときには、油圧モータ31の慣性回転初期における
減速度αd が判定値αd0よりも大きくなっているから、
ステップ31に移って図2に示す特性マップを読出し、
このときの減速度αd (例えば減速度αM )に適した容
量可変部32の傾転角θを、例えば中間の傾転角θMと
して算定しつつ、レギュレータ33により容量可変部3
2の傾転角θを図3中に実線で示す特性線38のよう
に、時間T1 の経過後に最小傾転角θL から中間の傾転
角θM まで短時間で増大させる。
【0072】そして、次なるステップ32ではレギュレ
ータ33により容量可変部32の傾転角θを、図3中の
特性線38に沿って中間の傾転角θM から徐々に最大傾
転角θH まで傾転駆動(増大)させ、油圧モータ31の
モータ容量qを中間の容量から最大容量まで徐々に増大
させる。
【0073】この結果、油圧モータ31の出力トルクT
out (減速トルク)をモータ容量qに対応させて徐々に
増大でき、上部旋回体2側の慣性負荷(慣性モーメン
ト)に適した出力トルクTout (減速トルク)をもって
油圧モータ31を徐々に停止させることができると共
に、油圧モータ31の停止時における慣性回転の速度が
急激に変化するのを抑えることができる。
【0074】また、前記ステップ27による減速度αd
が十分に大きい場合には図3に一点鎖線で示す特性線3
9の如く、前記ステップ31で容量可変部32の傾転角
θを最小傾転角θL に保ち、ステップ32の処理で容量
可変部32の傾転角θを最小傾転角θL から徐々に最大
傾転角θH まで増大させるように制御してもよい。
【0075】かくして、本実施例によれば、上部旋回体
2側を旋回駆動する油圧モータ31の起動時または停止
時に、レギュレータ33で容量可変部32の傾転角θを
最小傾転角θL から最大傾転角θH の範囲内で変えるこ
とによって、油圧モータ31のモータ容量qを最小容量
から最大容量の範囲内で可変に制御でき、このときに容
量可変部32の傾転角θを図2に示す特性マップに基づ
いて上部旋回体2側の慣性負荷(慣性モーメント)に適
した傾転位置(容量位置)とすることができ、モータ容
量qを慣性負荷(慣性モーメント)に適した容量に制御
できる。
【0076】そして、このときに容量可変部32の傾転
角θを最大傾転角θH よりも低い、例えば中間の傾転角
θM または最小傾転角θL に設定した場合には、図3に
示す特性線38または39の如く容量可変部32の傾転
角θをその後に徐々に最大傾転角θH まで増大させるこ
とにより、油圧モータ31の回転速度が急激に変化する
のを効果的に防止でき、油圧モータ31を円滑に起動ま
たは停止させることができる。
【0077】従って、旋回用の油圧モータ31を起動す
るとき、または停止させるときに上部旋回体2からの慣
性負荷(慣性モーメント)によって油圧モータ31の回
転速度が急変したり、油圧回路内等に衝撃が発生したり
するのを効果的に緩和でき、上部旋回体2の旋回動作を
円滑化することができる上に、油圧モータ31の起動や
停止が遅れる等の問題も解消でき、旋回用油圧モータ制
御装置としての信頼性を確実に高めることができる。
【0078】なお、前記実施例では、図4および図5に
示すプログラムのうち、ステップ7およびステップ27
が変化率演算手段の具体例を示し、ステップ9、ステッ
プ11およびステップ12とステップ29、ステップ3
1およびステップ32とが容量制御手段の具体例を示し
ている。また、ステップ1およびステップ21は操作判
定手段の具体例であり、ステップ8およびステップ28
が比較判定手段の具体例である。
【0079】また、前記実施例では、油圧ショベルの旋
回用油圧回路を例に挙げて説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、例えば油圧クレーン等の種々
の建設機械に設ける旋回用油圧モータ制御回路に適用し
てもよい。また、例えば油圧ショベルや油圧クレーン等
の種々の建設機械に設ける走行用またはロープウインチ
用等の油圧モータ制御回路に適用してもよい。さらに、
油圧モータ31としては斜板型または斜軸型の可変容量
式油圧モータに限らず、例えばラジアルピストン型の可
変容量式油圧モータ等を用いるようにしてもよい。
【0080】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、速度検出手段からの信号に基づき変化率演
算手段で油圧モータの回転速度の変化率を演算し、容量
制御手段では該変化率演算手段で演算した回転速度の変
化率に基づいてレギュレータを作動させることにより、
油圧モータの容量(モータ容量)を可変に制御する構成
としたから、例えば油圧モータの回転速度がほとんど変
化しない場合には、容量制御手段で油圧モータの容量を
増大させることによって前記油圧モータの駆動トルク
(減速トルク)を大きくでき、該油圧モータの回転速度
を速やかに増速(減速)できる。一方、油圧モータの回
転速度が急激に変化している場合には、例えば容量制御
手段で油圧モータの容量を減少させることによって前記
油圧モータの駆動トルク(減速トルク)を小さくするこ
とができ、油圧モータの回転速度が大きく急変するのを
防止できる。従って、油圧モータの起動時や停止時に衝
撃等が発生するのを効果的に緩和できると共に、油圧モ
ータの起動や停止が遅れる等の問題を確実に解消でき、
信頼性を高めることができる。
【0081】また、請求項2に記載の発明では、基台上
で上部旋回体を旋回駆動する旋回用油圧モータとして前
記油圧モータを構成することにより、旋回用油圧モータ
の回転速度がほとんど変化しない場合には、容量制御手
段で油圧モータの容量を増大させることによって、旋回
用油圧モータの駆動トルク(減速トルク)を大きくで
き、上部旋回体を速やかに旋回駆動(起動)または停止
させることができる。一方、旋回用油圧モータの回転速
度が急激に変化している場合には、容量制御手段で油圧
モータの容量を減少させることによって、旋回用油圧モ
ータの駆動トルク(減速トルク)を小さくすることがで
き、旋回用油圧モータが急激に起動または停止されるの
を防止できる。従って、旋回用油圧モータの起動時や停
止時に衝撃等が発生するのを効果的に緩和でき、上部旋
回体の旋回動作等を円滑化できる上に、油圧モータの起
動や停止が遅れる等の問題を確実に解消でき、信頼性を
高めることができる。
【0082】さらに、請求項3に記載の発明では、前記
方向切換弁が中立位置と切換位置とのいずれかに切換操
作されたか否かを判定する操作判定手段を備えることに
よって、該操作判定手段の判定結果から油圧モータの起
動時と停止時とを判別でき、油圧モータの起動(停止)
時には前記変化率演算手段による油圧モータの回転速度
の変化率を起動(停止)時の加速度(減速度)として取
り出しつつ、起動(停止)時の微少な一定時間における
油圧モータの加速度(減速度)が小さいときには、例え
ば上部旋回体側の慣性負荷が大きい場合であると判断で
き、油圧モータの容量を増大させることによって油圧モ
ータの駆動トルク(減速トルク)を大きくしつつ、該油
圧モータの回転速度を速やかに増速(減速)できる。一
方、前記一定時間における油圧モータの加速度(減速
度)が大きいときには、例えば上部旋回体側の慣性負荷
が小さい場合であると判断でき、油圧モータの容量を減
少させることによって、該油圧モータの回転速度が起動
(停止)時に急変するのを抑えることができる。
【0083】さらにまた、請求項4に記載の発明では、
前記容量制御手段は、前記操作判定手段によって方向切
換弁が切換操作されたと判定した時点で前記レギュレー
タにより油圧モータの容量可変部を最小の容量位置と
し、その後に微少な一定時間が経過した時点では該油圧
モータの容量可変部を、前記変化率演算手段による回転
速度の変化率に応じて前記最小の容量位置よりも大きい
容量位置まで前記レギュレータにより駆動させる構成と
しているから、油圧モータを起動(停止)し始めるとき
には、油圧モータの容量可変部を最小の容量位置とし、
その後に微少な一定時間が経過した時点で該油圧モータ
の容量可変部をより大きい容量位置に増大させることが
でき、このときの容量位置を前記油圧モータの加速度
(減速度)に応じて変化させることにより、該油圧モー
タの駆動トルク(減速トルク)を例えば上部旋回体側の
慣性負荷に適した大きさに制御できる。
【0084】さらに、請求項5に記載の発明では、前記
変化率演算手段による回転速度の変化率を予め決められ
た判定値と比較判定する比較判定手段を備え、該比較判
定手段により前記回転速度の変化率が判定値よりも小さ
いと判定したときには、前記容量制御手段により油圧モ
ータの容量可変部を最大の容量位置にレギュレータで駆
動させ、前記比較判定手段により前記回転速度の変化率
が判定値よりも大きいと判定したときには、前記油圧モ
ータの容量可変部を前記最小の容量位置と最大の容量位
置との間で前記回転速度の変化率に対応した容量位置ま
で増大させた後に、前記最大の容量位置まで徐々に増大
させる構成としているから、油圧モータを起動(停止)
し始めて微少な一定時間が経過するまでの間に、例えば
上部旋回体側の慣性負荷が予め決められた判定値より大
きいか小さいかを比較判定でき、回転速度の変化率が判
定値よりも小さく、慣性負荷が大きいと判定したときに
は油圧モータの容量可変部を最大の容量位置に増大させ
ることによって、油圧モータの回転速度を速やかに増速
(減速)できる。
【0085】また、前記回転速度の変化率が判定値より
も大きくなって、上部旋回体側の慣性負荷が比較的小さ
い場合と判定したときには、前記油圧モータの容量可変
部を最小の容量位置と最大の容量位置との間で、前記回
転速度の変化率(慣性負荷)に対応した容量位置まで駆
動した後に、前記最大の容量位置まで徐々に駆動するこ
とにより、油圧モータの駆動トルク(減速トルク)を上
部旋回体側の慣性負荷に適した大きさに制御でき、油圧
モータの回転速度が急激に変化するのを効果的に防止で
きる。従って、油圧モータを円滑に起動または停止させ
ることが可能となり、油圧回路内等に衝撃が発生したり
するのを効果的に緩和できる上に、油圧モータの起動や
停止が遅れる等の問題も解消でき、油圧モータ制御装置
としての信頼性を確実に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による油圧モータ制御装置が適
用された油圧ショベルの旋回用油圧回路図である。
【図2】コントローラの記憶エリア内に格納した加速度
(減速度)に対する傾転角の特性マップを示す説明図で
ある。
【図3】傾転角の制御特性を示す特性線図である。
【図4】コントローラによる油圧モータの起動時制御処
理を示す流れ図である。
【図5】コントローラによる油圧モータの停止時制御処
理を示す流れ図である。
【図6】従来技術による油圧モータ制御装置が設けられ
た油圧ショベルの斜視図である。
【図7】従来技術による油圧モータ制御装置が適用され
た油圧ショベルの旋回用油圧回路図である。
【符号の説明】
1 下部走行体(基台) 2 上部旋回体 7 作業装置 12 油圧ポンプ(油圧源) 13 タンク 14A,14B 主管路 15 方向切換弁 31 油圧モータ 32 容量可変部 33 レギュレータ 34 位置検出器 35 速度センサ(速度検出手段) 36 コントローラ 36A 記憶エリア

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容量可変部を有する可変容量式の油圧モ
    ータと、該油圧モータの容量可変部を駆動し該油圧モー
    タの容量を変化させるレギュレータと、前記油圧モータ
    を油圧源に接続する一対の主管路と、該各主管路の途中
    に設けられ、前記油圧源から油圧モータに給排する圧油
    の方向を切換える方向切換弁と、該方向切換弁と油圧モ
    ータとの間に位置して前記各主管路の途中に設けられ、
    該各主管路内の圧力をリリーフ設定圧以下に制御するリ
    リーフ手段と、前記油圧モータの回転速度を検出する速
    度検出手段と、該速度検出手段からの信号に基づき前記
    油圧モータの回転速度の変化率を演算する変化率演算手
    段と、該変化率演算手段で演算した回転速度の変化率に
    基づいて前記レギュレータを作動させ、前記油圧モータ
    の容量を可変に制御する容量制御手段とから構成してな
    る油圧モータ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記油圧モータは、基台上で上部旋回体
    を旋回駆動する旋回用油圧モータによって構成してなる
    請求項1に記載の油圧モータ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記方向切換弁が中立位置と切換位置と
    のいずれかに切換操作されたか否かを判定する操作判定
    手段を備え、前記変化率演算手段は、該操作判定手段に
    よって前記方向切換弁が切換操作されたと判定した時点
    から微少な一定時間が経過するまでの間に前記油圧モー
    タの回転速度の変化率を演算する構成としてなる請求項
    1または2に記載の油圧モータ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記容量制御手段は、前記操作判定手段
    によって方向切換弁が切換操作されたと判定した時点で
    前記レギュレータにより油圧モータの容量可変部を最小
    の容量位置とし、その後に微少な一定時間が経過した時
    点では該油圧モータの容量可変部を、前記変化率演算手
    段による回転速度の変化率に応じて前記最小の容量位置
    よりも大きい容量位置まで前記レギュレータにより駆動
    させる構成としてなる請求項3に記載の油圧モータ制御
    装置。
  5. 【請求項5】 前記変化率演算手段による回転速度の変
    化率を予め決められた判定値と比較判定する比較判定手
    段を備え、前記容量制御手段は、該比較判定手段により
    前記回転速度の変化率が判定値よりも小さいと判定した
    ときに、前記レギュレータにより油圧モータの容量可変
    部を最大の容量位置まで駆動させ、前記回転速度の変化
    率が判定値よりも大きいと判定したときには、前記レギ
    ュレータにより前記最小の容量位置と最大の容量位置と
    の間で前記回転速度の変化率に対応した容量位置まで前
    記油圧モータの容量可変部を駆動させた後に、前記最大
    の容量位置まで徐々に駆動させる構成としてなる請求項
    4に記載の油圧モータ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013003998A1 (zh) * 2011-07-04 2013-01-10 长沙中联重工科技发展股份有限公司 液压控制回路

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