JP3634601B2 - 旋回式建設機械の油圧ポンプ制御装置 - Google Patents

旋回式建設機械の油圧ポンプ制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル等の上部旋回体を備えた建設機械に好適に用いられる旋回式建設機械の油圧ポンプ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体に俯仰動可能に設けられた作業装置と、該作業装置を駆動する作業用の油圧アクチュエータと、前記上部旋回体を旋回駆動する旋回用の油圧モータと、前記作業用の油圧アクチュエータ及び旋回用の油圧モータに圧油を供給する油圧ポンプとからなる油圧ショベル等の旋回式建設機械は、例えば特開平4−333730号公報等によって知られている。
【0003】
この種の従来技術による油圧ショベルでは、作業装置がブーム、アーム及びバックホウ式のバケット等からなり、前記ブームは下ブームと上ブームとの2分割構造になっている。そして、作業用の油圧アクチュエータは、下ブームを俯仰動させるブームシリンダと、該下ブームの先端側で上ブームを左,右に回動させるオフセットシリンダと、前記上ブームの先端側でアームを上,下に俯仰動させるアームシリンダと、アームの先端側で前記バケットを回動させるバケットシリンダとから構成されている。
【0004】
ここで、前記上部旋回体と下ブームとの間には該下ブームの俯仰動角を検出するブーム角度センサが設けられ、下ブームと上ブームとの間には該上ブームの回動角を検出するオフセット角度センサが設けられている。また、上ブームとアームとの間にはアームの俯仰動角を検出するアーム角度センサが設けられている。また、上部旋回体側に設けたマイクロコンピュータ等からなる制御装置は、これらの各角度センサからの検出信号に従って下ブーム、上ブーム及びアームの先端位置を演算し、これらの演算結果に基づいて下ブーム、上ブーム及びアーム等からなる作業装置がどのような姿勢をとっているかを判別する。
【0005】
そして、制御装置は作業装置の姿勢判別結果により、アームの先端側に設けたバケットが上部旋回体の運転室に接近しているか否かを判定し、接近時にはバケットの先端爪部等が運転室に接触(干渉)する虞れがあるから、前記ブームシリンダ、オフセットシリンダ、アームシリンダ及びバケットシリンダ等の作動を停止させ、バケットによる運転室の損傷防止を図ると共に、作業上の安全性を確保できるようにしている。
【0006】
一方、特開昭55−12245号公報等による他の従来技術には、容量可変部を有し、作業用の油圧アクチュエータ及び旋回用の油圧モータ等に圧油を供給する可変容量式の油圧ポンプと、該油圧ポンプの吐出量を可変に制御するため前記容量可変部を駆動する容量制御手段とからなる油圧ポンプの出力制御装置が開示されている。
【0007】
そして、この場合には油圧ポンプを駆動する原動機に過負荷が作用するのを防止するため、油圧ポンプから吐出される圧油の圧力(吐出圧)等に従って容量制御手段により油圧ポンプの容量可変部を駆動し、圧油の吐出量を吐出圧等に応じて可変に制御するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、油圧ポンプから吐出される圧油を作業用の油圧アクチュエータと旋回用の油圧モータとに給排する構成としているから、例えば作業用の油圧アクチュエータと旋回用の油圧モータとを複合操作している途中で、旋回単独操作に切換えたときに、油圧ポンプから作業用の油圧アクチュエータと旋回用の油圧モータとに分流して供給されていた圧油が、旋回単独操作への切換時に全て旋回用の油圧モータに供給されることになり、これによって上部旋回体の旋回速度が大きく変動し、旋回急加速を起こすという問題がある。
【0009】
また、作業装置のアーム先端側等を上部旋回体から大きく離した状態での大旋回姿勢と上部旋回体側に比較的近付けた状態での小旋回姿勢とでは、上部旋回体を旋回駆動するときの慣性モーメントが大きく変化する。そして、作業装置を小旋回姿勢とした状態で上部旋回体を旋回起動するときには、上部旋回体に作用する慣性モーメントが小さくなるため、旋回起動時に急加速が生じ易く、旋回操作を行うオペレータ等に余分な負担を与えるという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明は旋回用油圧モータの単独操作時に旋回急加速等が生じるのを抑えることができ、上部旋回体の旋回動作を安定させ得ると共に、旋回操作時には作業装置の姿勢に応じて油圧ポンプの吐出量を可変に制御でき、旋回時の操作性等を向上できるようにした旋回式建設機械の油圧ポンプ制御装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明は、下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体に俯仰動可能に設けられた作業装置と、該作業装置を駆動する作業用の油圧アクチュエータと、前記上部旋回体を旋回駆動する旋回用の油圧モータと、容量可変部を有し前記作業用の油圧アクチュエータ及び旋回用の油圧モータに圧油を供給する可変容量式の油圧ポンプと、該油圧ポンプの吐出量を可変に制御するため制御信号に応じて前記容量可変部を駆動する容量制御手段とからなる旋回式建設機械の油圧ポンプ制御装置に適用される。
【0012】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記旋回用の油圧モータが駆動操作されているか否かを検出する旋回操作検出手段と、前記作業用の油圧アクチュエータが駆動操作されているか否かを検出する作業操作検出手段と、前記作業装置の姿勢を検出する姿勢検出手段と、該姿勢検出手段、作業操作検出手段及び旋回操作検出手段からの検出信号に従って前記容量制御手段に制御信号を出力する信号出力手段とを備え、該信号出力手段は、前記油圧アクチュエータと油圧モータを複合操作している途中で該油圧モータの旋回単独操作に切換えたときに、前記油圧ポンプの吐出量を減少させる制御信号を前記容量制御手段に出力する構成としたことにある。
【0013】
このように構成することにより、姿勢検出手段で作業装置がどのような姿勢をとっているか検出でき、作業操作検出手段と旋回操作検出手段とによって作業用の油圧アクチュエータと旋回用の油圧モータとが複合操作されているか、旋回単独操作が行われているかを検出できる。そして、信号出力手段は容量制御手段に制御信号を出力することにより、作業装置の旋回姿勢に応じて油圧ポンプから吐出される圧油の吐出量を可変に制御できると共に、複合操作時と旋回単独操作時とで油圧ポンプの吐出量を変化させることができる。そして、作業用の油圧アクチュエータと旋回用の油圧モータとを複合操作している途中で旋回単独操作に切換えたときには、油圧ポンプから吐出される圧油の吐出量を自動的に減少でき、旋回用の油圧モータに過剰な圧油が供給されるのを防止できると共に、旋回単独操作により上部旋回体の旋回速度が急変するのを抑え、旋回動作を安定させることができる。
【0014】
また、請求項2の発明では、前記信号出力手段は、前記作業操作検出手段により前記作業用アクチュエータの停止を検出し、前記旋回操作検出手段により前記旋回用の油圧モータの作動を検出し、かつ前記姿勢検出手段により前記作業装置の小旋回姿勢を検出したときに、前記油圧ポンプの吐出量を減少させる制御信号を前記容量制御手段に出力する構成としている。
【0015】
これにより、作業装置を小旋回姿勢にした状態で油圧モータの旋回単独操作を行うときには、油圧ポンプから吐出される圧油の吐出量を自動的に減少でき、旋回用の油圧モータに過剰な圧油が供給されるのを防止できると共に、小旋回姿勢での旋回起動時に上部旋回体が急に旋回動作し始めるのを抑え、旋回動作を安定させることができる。
【0016】
さらに、請求項3の発明では、前記信号出力手段は、前記姿勢検出手段からの検出信号に従って前記作業装置が予め決められた基準の旋回半径内に収められる小旋回姿勢にあるか否かを判定する姿勢判定手段と、前記作業操作検出手段及び旋回操作検出手段からの検出信号に従って前記油圧モータの旋回単独操作が行われるか否かを判定する旋回単独判定手段と、前記姿勢判定手段の判定結果により前記作業装置が小旋回姿勢にある状態で、かつ前記旋回単独判定手段の判定結果により前記油圧モータが旋回単独操作されるときに、前記油圧ポンプの吐出量を減少させる制御信号を出力する制御信号出力手段とから構成している。
【0017】
この場合には、姿勢判定手段により作業装置が小旋回姿勢にあると判定した状態で、旋回単独判定手段により油圧モータの旋回単独操作時と判定したときには、油圧ポンプから吐出される圧油の吐出量を自動的に減少でき、旋回用の油圧モータに過剰な圧油が供給されるのを防止できると共に、小旋回姿勢での旋回起動時に上部旋回体が急に旋回動作し始めるのを抑え、旋回動作を安定させることができる。
【0020】
一方、請求項の発明では、油圧アクチュエータは作業装置のブームを俯仰動させるブームシリンダからなり、作業操作検出手段は該ブームシリンダによるブーム上げ操作を検出する構成としている。
【0021】
これにより、旋回用の油圧モータとブームシリンダを複合操作するときには、油圧ポンプからの圧油を油圧モータとブームシリンダとに分流して供給でき、旋回単独操作時には油圧ポンプから吐出される圧油の流量を減少させることによって、旋回用の油圧モータに供給する圧油の流量が大きく変化するのを抑えることができる。
【0022】
また、請求項の発明では、上部旋回体は運転室を有し、油圧アクチュエータは作業装置により側溝堀を行うためのオフセットシリンダを有し、姿勢判定手段は姿勢検出手段からの検出信号に基づき前記作業装置が運転室に接近しているか否か判定する構成としている。
【0023】
これにより、作業装置の先端側(例えばバケット)が上部旋回体の運転室に接近しているか否かを姿勢判定手段で識別でき、運転室への接近時には作業装置の作動を停止させることが可能となる。また、オフセットシリンダを作動させることによって側溝掘作業等を容易に行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による旋回式建設機械の油圧ポンプ制御装置を添付図面に従って説明する。
【0025】
ここで、図1ないし図5は本実施の形態による旋回式建設機械の油圧ポンプ制御装置を、小型の油圧ショベルに適用した場合を例に挙げて示している。
【0026】
図において、1は油圧ショベルの基台となる下部走行体、2は該下部走行体1上に旋回可能に搭載された上部旋回体で、該上部旋回体2は骨組み構造をなす旋回フレーム3を備え、該旋回フレーム3上には運転室4、機械室5及びカウンタウエイト6等が設けられている。そして、上部旋回体2には旋回フレーム3の中央部側に後述の図2に示す旋回モータ17が旋回用減速機(図示せず)等と共に配設され、上部旋回体2は下部走行体1上で旋回モータ17により旋回駆動される構成となっている。
【0027】
また、上部旋回体2の運転室4、機械室5及びカウンタウエイト6等は、旋回フレーム3の旋回中心に対して比較的小さい旋回半径の仮想円(いずれも図示せず)内に収められるように、全体的に丸みをもって形成されている。そして、当該油圧ショベルは都市部等の狭い作業現場でも、後述の作業装置7を前記仮想円の範囲内に小さく折り畳んだ状態で上部旋回体2を旋回させることにより、土砂等の掘削作業(側溝堀を含む)を容易に行い得るようになっている。
【0028】
7は上部旋回体2の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置を示し、該作業装置7は、旋回フレーム3の前部側に俯仰動可能に取付けられた下ブーム8と、該下ブーム8の先端側に左,右方向(水平方向)で回動可能に取付けられた上ブーム9と、該上ブーム9の先端側に俯仰動可能に取付けられたアーム10と、該アーム10の先端側に回動可能に取付けられた作業具としてのバックホウ式のバケット11とによって大略構成されている。
【0029】
そして、作業装置7の下ブーム8は旋回フレーム3との間に設けたブームシリンダ12により上,下に俯仰動され、該ブームシリンダ12は作業用の油圧アクチュエータを構成している。また、下ブーム8と上ブーム9との間には平行四辺形構造をなすリンク機構13とオフセットシリンダ14とが設けられ、該オフセットシリンダ14は上ブーム9を下ブーム8に対しリンク機構13を介して左,右に回動させる構成となっている。
【0030】
さらに、上ブーム9とアーム10との間には該アーム10を上,下に俯仰動させるアームシリンダ15が設けられ、アーム10とバケット11との間には該バケット11を上,下に回動させるバケットシリンダ16が設けられている。そして、作業装置7は作業用の油圧アクチュエータとなるブームシリンダ12、オフセットシリンダ14、アームシリンダ15及びバケットシリンダ16によって駆動され、側溝堀を含む土砂等の掘削作業を行う構成となっている。
【0031】
ここで、ブームシリンダ12は図2に示す如く、ロッド側油室12Aとボトム側油室12Bとを有し、下ブーム8を上向きに仰動させるブーム上げ操作時にはボトム側油室12B内に圧油を供給させると共に、ロッド側油室12Aから圧油を排出させることによりロッド12Cを伸長させる。また、ブームシリンダ12は下ブーム8を下向きに俯動させるブーム下げ操作時にロッド側油室12Aに圧油を供給すると共に、ボトム側油室12Bから圧油を排出させ、ロッド12Cを縮小させる。
【0032】
17は上部旋回体2の旋回フレーム3上に配設される旋回用の油圧モータ(以下、旋回モータ17という)で、該旋回モータ17は斜板型または斜軸型の油圧モータ等によって構成され、出力軸からの回転出力により上部旋回体2全体を前記減速機等を介して旋回駆動するものである。
【0033】
18は上部旋回体2の機械室5内に設けられるディーゼルエンジン等からなる原動機、19,20は該原動機18により回転駆動される油圧ポンプで、該油圧ポンプ19,20は可変容量式の斜板型または斜軸型の油圧ポンプからなり、タンク21と共にメインの油圧源を構成している。そして、油圧ポンプ19はタンク21内の作動油を高圧の圧油としてセンタバイパス管路22等に向け吐出し、油圧ポンプ20はタンク21内の作動油を高圧の圧油としてセンタバイパス管路23等に向け吐出させるものである。
【0034】
また、油圧ポンプ19,20は斜板または斜軸等からなる容量可変部19A,20Aを有し、該容量可変部19A,20Aは後述の傾転アクチュエータ25で傾転駆動されることによりポンプ容量を変化させると共に、圧油の吐出量を傾転角に応じて増減させるものである。
【0035】
24は油圧ポンプ19,20と共に原動機18によって回転駆動されるパイロットポンプで、該パイロットポンプ24はタンク21と共にパイロット油圧源を構成するものである。
【0036】
25は油圧ポンプ19,20の容量可変部19A,20Aを傾転駆動する傾転アクチュエータを示し、該傾転アクチュエータ25は後述の比例電磁弁31と共に容量制御手段を構成し、常時は油圧ポンプ19,20の容量可変部19A,20Aをスプリング26によりロッド27を介して矢示A方向に付勢(傾転)させることにより、容量可変部19A,20Aが最大傾転位置(吐出量の増加)側に傾転駆動されるのを許すようになっている。
【0037】
また、傾転アクチュエータ25はパイロットポンプ24からの圧力が比例電磁弁31及び後述の制御管路33を介して供給されると、このときの圧力により油圧ポンプ19,20の容量可変部19A,20Aをロッド28を介してスプリング26に抗し矢示B方向に変位(傾転)させ、容量可変部19A,20Aを最小傾転位置(吐出量の減少)側に傾転駆動する。
【0038】
さらに、傾転アクチュエータ25は油圧ポンプ19,20の吐出圧が検出管路29,30を介して導かれることにより、該検出管路29,30からの圧力に応じて油圧ポンプ19,20の容量可変部19A,20Aを矢示B方向へとスプリング26に抗して変位させ、容量可変部19A,20Aが前記吐出圧に対応した許容最大傾転位置まで傾転駆動されるのを許す構成となっている。
【0039】
即ち、傾転アクチュエータ25は油圧ポンプ19,20の容量可変部19A,20Aが前記許容最大傾転位置を越えて矢示A方向(大傾転側)に傾転されるのを規制し、油圧ポンプ19,20から吐出される圧油の許容最大吐出量を制限することにより、これ以上の負荷(過負荷)が原動機18に作用するのを防止する機能を有している。
【0040】
そして、傾転アクチュエータ25は許容最大傾転位置よりも小さい傾転角の範囲内で、比例電磁弁31の切換操作に応じて油圧ポンプ19,20の容量可変部19A,20Aを矢示A,B方向に傾転駆動するものである。
【0041】
31は傾転アクチュエータ25と共に容量制御手段を構成する容量制御弁としての比例電磁弁で、該比例電磁弁31は3ポート2位置の電磁比例式サーボ弁等からなり、パイロットポンプ24からの圧力を制御管路32,33を介して傾転アクチュエータ25に給排する構成となっている。そして、比例電磁弁31は図2に示す如く低圧位置(a)にある間、制御管路33をタンク21に接続することにより、傾転アクチュエータ25が油圧ポンプ19,20の容量可変部19A,20Aを前記許容最大傾転位置まで矢示A方向(大傾転側)に傾転駆動するのを許す。
【0042】
また、比例電磁弁31は後述のコントローラ52から制御信号が出力されるときに、制御信号の電流値等に比例したストロークをもって低圧位置(a)から高圧位置(b)側に切換制御され、制御管路33内の圧力を比例電磁弁31のストロークに対応して漸次増大させる。そして、比例電磁弁31が高圧位置(b)に完全に切換わったときには、制御管路33内の圧力がパイロットポンプ24の吐出圧に対応した最高圧力となり、傾転アクチュエータ25は油圧ポンプ19,20の吐出量を最小流量とすべく容量可変部19A,20Aを最小傾転位置まで矢示B方向に傾転駆動するようになる。
【0043】
34はセンタバイパス管路23の途中に配設された旋回用制御弁で、該旋回用制御弁34は例えば6ポート3位置の油圧パイロット式方向切換弁により構成され、その両側には一対の油圧パイロット部34A,34Bが設けられている。そして、旋回用制御弁34は一対の流出入ポートが旋回用の主管路35A,35Bを介して旋回モータ17に接続され、中立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)に切換えられたときに旋回モータ17を油圧ポンプ20、タンク21に接続する構成となっている。
【0044】
ここで、旋回用制御弁34は油圧パイロット部34A,34Bがパイロット管路36A,36Bを介して後述の操作弁40に接続され、操作弁40からのパイロット圧に応じたストローク量をもって中立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)に切換えられる。そして、旋回用制御弁34はこの切換位置(ロ),(ハ)で油圧ポンプ20から旋回モータ17に給排する圧油の方向を切換えると共に、ストローク量に応じて圧油の流量を制御する構成となっている。
【0045】
37は旋回用制御弁34と共にセンタバイパス管路23の途中に配設されたブーム用制御弁を示し、該ブーム用制御弁37は例えば6ポート3位置の油圧パイロット式方向切換弁により構成され、その両側には一対の油圧パイロット部37A,37Bが設けられている。そして、ブーム用制御弁37は一対の流出入ポートがブーム用の主管路38A,38Bを介してブームシリンダ12の油室12A,12Bに接続され、中立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)に切換えられたときにブームシリンダ12を油圧ポンプ20、タンク21に接続する構成となっている。
【0046】
ここで、ブーム用制御弁37は油圧パイロット部37A,37Bがパイロット管路39A,39Bを介して後述の操作弁41に接続され、操作弁41からのパイロット圧に応じたストローク量をもって中立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)に切換えられる。そして、ブーム用制御弁37はこの切換位置(ロ),(ハ)で油圧ポンプ20からブームシリンダ12に供給する圧油の方向を切換えると共に、ストローク量に応じて圧油の流量を制御する構成となっている。
【0047】
なお、図2中ではセンタバイパス管路23の途中に旋回用制御弁34とブーム用制御弁37とを配設した場合を示しているが、センタバイパス管路23の途中にはこれ以外に、例えばオフセットシリンダ14用の制御弁、走行用の制御弁(いずれも図示せず)等が配設される。また、他方の油圧ポンプ19側に接続されたセンタバイパス管路22の途中には、例えばアーム10用の制御弁、他の走行用の制御弁またはバケット11用の制御弁(いずれも図示せず)等が配設されるものである。
【0048】
40,41は運転室4内に設けられる旋回用,ブーム用の操作弁で、該操作弁40,41は減圧弁型パイロット弁により構成され、それぞれのポンプポート,タンクポート(図示せず)がパイロットポンプ24,タンク21に接続されている。そして、操作弁40は旋回用の遠隔操作手段を構成し、その出力ポートはパイロット管路36A,36Bを介して制御弁34の油圧パイロット部34A,34Bに接続されている。また、操作弁41はブーム用の遠隔操作手段を構成し、その出力ポートはパイロット管路39A,39Bを介してブーム用制御弁37の油圧パイロット部37A,37Bに接続されている。
【0049】
ここで、操作弁40,41は運転室4内でオペレータが傾転操作する操作レバー42,43を備え、該操作レバー42,43の傾転操作量に対応したパイロット圧をパイロット管路36A,36B、39A,39B内に発生させる。そして、制御弁34,37はこのときのパイロット圧に応じたストローク量をもって中立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)側に切換えられ、油圧ポンプ20から旋回モータ17,ブームシリンダ12に給排する圧油の流量をストローク量に応じて可変に制御する。
【0050】
44は旋回用の操作弁40を旋回用制御弁34に接続するパイロット管路36A,36B間に配設された高圧選択弁としてのシャトル弁、45は該シャトル弁44で選択した高圧側の圧力を検出する旋回操作検出手段としての圧力センサを示し、該圧力センサ45はパイロット管路36A,36Bのうち、高圧側のパイロット圧をシャトル弁44を介して検出し、検出信号をコントローラ52に出力することにより旋回モータ17(上部旋回体2)の旋回操作が行われているか否かを判定させるものである。
【0051】
46はパイロット管路39Aの途中に設けられた作業操作検出手段としての圧力センサで、該圧力センサ46は、ブーム用制御弁37によりブームシリンダ12の上げ操作を行うときに、操作弁41によりパイロット管路39A内に発生されるパイロット圧を検出する。そして、圧力センサ46は検出信号をコントローラ52に出力することによりブームシリンダ12(下ブーム8)の上げ操作が行われているか否かを判定させるものである。
【0052】
47A,47Bはパイロット管路36A,36Bの途中に設けられたブーム停止手段としての電磁弁で、該電磁弁47A,47Bは掘削作業時等にコントローラ52からの駆動信号で励磁されることにより図2に示す供給位置(c)に切換わり、操作弁41からのパイロット圧がブーム用制御弁37の油圧パイロット部37A,37Bに供給されるのを許す。そして、後述の如く作業装置7のバケット11等が運転室4に接近したときに、電磁弁47A,47Bはコントローラ52により通電が解除(消磁)され、供給位置(c)から排出位置(d)に自動的に切換わる。
【0053】
これにより、電磁弁47A,47Bはパイロット管路36A,36B内の圧力をタンク圧まで低下させ、ブーム用制御弁37を中立位置(イ)に自動復帰させる。そして、ブームシリンダ12はブーム用制御弁37が中立位置(イ)に復帰することにより、下ブーム8の作動を停止させ、作業装置7のバケット先端等がこれ以上運転室4に接近するのを防止するものである。
【0054】
48は油圧ポンプ20に過剰圧が作用するのを防止するためのリリーフ弁で、該リリーフ弁48はセンタバイパス管路23等の圧力が過剰に高くなると、開弁することによりタンク21側にリリーフさせ、油圧ポンプ20に過負荷が作用するのを防ぐものである。なお、油圧ポンプ19側にも同様のリリーフ弁(図示せず)が設けられている。
【0055】
次に、49,50,51はブーム用,オフセット用,アーム用の角度センサを示し、該角度センサ49〜51は図3に示すようにコントローラ52の入力側に接続されている。そして、ブーム用の角度センサ49は図1に示した上部旋回体2の旋回フレーム3と下ブーム8との間に設けられ、下ブーム8の俯仰動角を検出して検出信号をコントローラ52に出力する。
【0056】
また、オフセット用の角度センサ50は下ブーム8と上ブーム9との間に設けられ、オフセットシリンダ14により上ブーム9が左,右に回動されるときの回動角を検出する。さらに、アーム用の角度センサ51は上ブーム9とアーム10との間に設けられ、アーム10の俯仰動角を検出するものである。
【0057】
52はマイクロコンピュータ等により構成された信号出力手段としてのコントローラで、該コントローラ52は入力側が旋回操作用の圧力センサ45、ブーム上げ操作用の圧力センサ46、ブーム用の角度センサ49、オフセット用の角度センサ50及びアーム用の角度センサ51等に接続され、出力側がポンプ制御用の比例電磁弁31、ブーム上げ停止用の電磁弁47A及びブーム下げ停止用の電磁弁47B等に接続されている。そして、コントローラ52はROM、RAM等からなる記憶部52A内に図4及び図5に示すプログラム等を格納し、作業装置7の姿勢判別処理及びポンプ容量制御処理等を行うようになっている。
【0058】
また、コントローラ52の記憶部52A内には、図1に例示するように運転室4の前面からの基準距離L0 (例えば2〜3m前,後)と、この基準距離L0 に基づいて作業装置7が小旋回姿勢にあるか否かを判定するフラグFと、作業装置7のアーム10先端側(バケット11)が運転室4に危険な位置まで接近したか否かを判定するための危険面の座標等とが格納されている。そして、前記フラグFは作業装置7が小旋回姿勢にある間は、F=1に設定され、作業装置7が小旋回姿勢ではなく、大旋回姿勢のときには、F=0に設定されるものである。
【0059】
本実施の形態による小型の油圧ショベルは上述の如き構成を有するもので、次に図2等を参照して旋回モータ17及びブームシリンダ12の作動について説明する。
【0060】
まず、下部走行体1上で上部旋回体2を旋回させるために、オペレータが操作弁40の操作レバー42を一方向に傾転操作すると、例えばパイロット管路36A,36Bのうちパイロット管路36A側により高いパイロット圧が発生し、旋回用制御弁34はこのときのパイロット圧で中立位置(イ)から切換位置(ロ)に切換わる。
【0061】
そして、旋回用制御弁34が切換位置(ロ)に切換わると、油圧ポンプ20からの圧油がモータ駆動圧となって主管路35A側に供給され、旋回モータ17が回転駆動されるようになり、上部旋回体2は旋回用の減速機等を介して旋回モータ17により一方向に旋回し始める。また、旋回モータ17からの戻り油は主管路35Bを介してタンク21側に排出される。
【0062】
このとき、パイロット管路36A,36B間に設けたシャトル弁44は高圧側のパイロット圧を圧力センサ45に導くことにより、該圧力センサ45で旋回モータ17の旋回を検出させ、この検出信号を旋回操作信号としてコントローラ52に出力する。
【0063】
一方、作業装置7を作動させるためオペレータが、例えばブーム用の操作弁41の操作レバー43を傾転操作したときには、パイロット管路39A,39Bのいずれかに一方により高いパイロット圧が発生し、ブーム用制御弁37がこのときのパイロット圧で中立位置(イ)から切換位置(ロ)または切換位置(ハ)に切換わる。
【0064】
そして、ブーム用制御弁37が切換位置(ロ)に切換わったときには、油圧ポンプ20からの圧油が主管路38Bを介してブームシリンダ12のボトム側油室12Bに供給され、ロッド側油室12A内の圧油は主管路38A側からタンク21に排出される。これにより、ブームシリンダ12はロッド12Cを上向きに伸長させ、下ブーム8の上げ操作を行う。
【0065】
また、ブーム用制御弁37を切換位置(ハ)に切換えたときには、ブームシリンダ12のロッド12Cが下向きに縮小し、下ブーム8は下げ操作される。しかし、この場合には作業装置7全体の荷重(重量)が下ブーム8を介してブームシリンダ12に作用するから、ブームシリンダ12はボトム側油室12Bの圧油をタンク21側に排出するだけで、ロッド12Cが自動的に縮小し、ロッド側油室12Aには低圧の圧油を流入させるだけでよく、油圧ポンプ20からの高圧の圧油を特に供給する必要はない。
【0066】
このため、旋回用制御弁34による旋回モータ17の旋回操作とブーム用制御弁37によるブーム下げ操作とを複合操作している途中で、旋回単独操作に切換えたとしても、油圧ポンプ20から旋回モータ17に供給される圧油の流量が大きく変動することはない。
【0067】
しかし、旋回用制御弁34による旋回モータ17の旋回操作とブーム用制御弁37によるブーム上げ操作とを複合操作している途中で旋回単独操作に切換えた場合には、油圧ポンプ20から旋回モータ17に供給される圧油の流量が大きく変動し、上部旋回体2の旋回速度は急変し易くなる。
【0068】
また、センタバイパス管路23の途中には旋回用制御弁34、ブーム用制御弁37の他に、例えばオフセットシリンダ14用の制御弁等が設けられている。しかし、オフセットシリンダ14等はブームシリンダ12に比較して小径の油圧シリンダからなり、複合操作の途中でオフセットシリンダ14を停止させても、旋回モータ17に供給される圧油の流量がブーム上げ操作時のように大きく変動することはない。
【0069】
そこで、本実施の形態の特徴であるコントローラ52による作業装置7の姿勢判別処理及び比例電磁弁31によるポンプ容量制御処理について図4及び図5を参照して説明する。
【0070】
まず、処理動作がスタートすると、ステップ1で角度センサ49〜51からブーム角度、オフセット角度及びアーム角度を読込み、ステップ2に移ってこれらの角度信号と下ブーム8の長さ、上ブーム9の長さ、アーム10の長さ等とに基づきアーム10先端の位置座標を求め、これにより運転室4の前面側からアーム10先端までの距離Lを図1に示す如く算出する。
【0071】
次に、ステップ3では算出した距離Lが前述した基準距離L0 (例えば2〜3m前,後)よりも小さいか否か、即ち作業装置7のアーム10先端側(バケット11)が予め決められた基準の旋回半径内に収められたいるか否かをステップ3で判定する。そして、ステップ3で「YES」と判定したときには、ステップ4に移って作業装置7が図1に示す如く小旋回姿勢にあるとしてフラグFを、F=1に設定する。
【0072】
また、ステップ3で「NO」と判定したときには、アーム10の先端側が図1に示す基準距離L0 以上に運転室4の前面側から大きく離れている場合であるから、ステップ9に移って作業装置7が大旋回姿勢にあるとしてフラグFを、F=0に設定し、ステップ8に移ってリターンする。
【0073】
次に、ステップ5では小旋回姿勢にある作業装置7のアーム10先端側(バケット11)が運転室4に危険な位置まで接近したか否かを判定し、「YES」と判定したときにはステップ6に移って作業装置7を強制停止させる。この場合、ブーム用制御弁37は電磁弁47A,47Bがコントローラ52からの信号で消磁され、供給位置(c)から排出位置(d)に切換制御されることにより、パイロット管路36A,36B内の圧力が電磁弁47A,47Bを介してタンク圧まで低下され、中立位置(イ)へと自動復帰される。
【0074】
そして、ブーム用制御弁37が中立位置(イ)に復帰することにより、ブームシリンダ12は下ブーム8の作動を停止させる。また、オフセットシリンダ14及びアームシリンダ15等も同様に停止され、作業装置7のバケット先端等がこれ以上運転室4に接近するのを自動的に制限することができる。
【0075】
また、ステップ5で「NO」と判定したときには、作業装置7のアーム10先端側(バケット11)が運転室4から十分に離れている場合であるから、ステップ7に移って作業装置7の作動を許可する。この場合、ブーム用制御弁37は電磁弁47A,47Bがコントローラ52からの信号で励磁されて供給位置(c)に切換制御されることにより、操作レバー43の操作量に対応したストローク量で中立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)に切換操作される。
【0076】
そして、その後はステップ8でリターンすることにより、ステップ1以降の処理を繰返すものである。
【0077】
次に、図5に示すポンプ容量制御処理は前述した姿勢判別処理と並行して行われるもので、まず、ステップ11では圧力センサ45,46から旋回操作信号とブーム上げ操作信号を読込む。次に、ステップ12では前記フラグFが、F=1となって作業装置7が小旋回姿勢をとっているか否かを判定する。
【0078】
そして、ステップ12で「YES」と判定したときには、次なるステップ13に移り、小旋回姿勢にある作業装置7の下ブーム8がブーム上げ操作されているか否かを判定し、ステップ13で「NO」と判定したときには、次なるステップ14で旋回操作が行われているか否かを判定する。
【0079】
ここで、ステップ14で「YES」と判定したときには作業装置7を小旋回姿勢にした状態で、旋回単独操作が行われる場合であるから、ステップ15に移ってポンプ制御用の比例電磁弁31を低圧位置(a)から高圧位置(b)側に切換制御する。これにより、制御管路33内の圧力はパイロットポンプ24からの制御管路32を介した圧力に対応して増大し、傾転アクチュエータ25によって油圧ポンプ19,20の容量可変部19A,20Aを小傾転側へと矢示B方向に傾転駆動させ、油圧ポンプ19,20の吐出量(ポンプ容量)を減少させる。
【0080】
この結果、作業装置7を小旋回姿勢にした状態で、旋回単独操作が行われる場合には、油圧ポンプ20から吐出される圧油の吐出量を自動的に減少でき、旋回モータ17による上部旋回体2の旋回起動時等に急加速が生じるのを良好に防止できると共に、旋回操作を行うオペレータの負担を軽減することができる。
【0081】
また、ステップ12で「NO」と判定したときには作業装置7が大旋回姿勢となっているので、ステップ18に移ってブーム上げ操作と旋回操作の複合操作から旋回単独操作に切換えられたか否かを判定し、「YES」と判定したときには前記ステップ15に移って油圧ポンプ19,20の吐出量(ポンプ容量)を減少させる制御を行う。
【0082】
これにより、ブームシリンダ12と旋回モータ17とを複合操作しているときに、油圧ポンプ20からブームシリンダ12と旋回モータ17とに分流して供給されていた圧油が、旋回単独操作への切換時に全て旋回モータ17に供給されたとしても、油圧ポンプ20の吐出量を減少させることによって、上部旋回体2の旋回速度が変動するのを抑制でき、旋回急加速を起こす等の問題を解消することができる。
【0083】
また、ステップ18で「NO」と判定したときには、例えば複合操作等が行われているから、ステップ17に移って通常のポンプ容量制御を続行し、ステップ16でリターンする。さらに、ステップ13で「YES」と判定したときにも、ブーム上げ操作等が行われているから、ステップ17に移って通常のポンプ容量制御を続行する。また、ステップ14で「NO」と判定したときには、旋回操作の停止時であるから、この場合にもステップ17に移って通常のポンプ容量制御を続行し、ステップ16でリターンする。
【0084】
従って、本実施の形態によれば、作業装置7を小旋回姿勢にした状態で旋回モータ17を単独操作するとき等に旋回急加速等が生じるのを抑制でき、上部旋回体2の旋回動作を安定させることができると共に、作業装置7の旋回姿勢に応じて油圧ポンプ19,20の吐出量を可変に制御でき、旋回時の操作性等を確実に向上できる。
【0085】
また、作業装置7に設ける複数の油圧シリンダのうち、圧油の流入出量が最大となるブームシリンダ12の上げ操作時を圧力センサ46からの検出信号で検出し、ブーム上げ操作と旋回操作の複合操作から旋回単独操作への切換時に、油圧ポンプ20の吐出量を減少させる構成としたから、他の油圧シリンダ(例えばオフセットシリンダ14)等の操作を特別に考慮する必要がなく、制御回路の構成等を簡略化できると共に、ブーム上げ操作の停止時に上部旋回体2の旋回速度が急変するのを確実に抑えることができ、旋回急加速を起こす等の問題を解消できる。
【0086】
さらに、例えば旋回モータ17を単独操作している途中で、ブームシリンダ12によるブーム上げ操作(複合操作)を行ったときには、油圧ポンプ20の吐出量を逆に増大させることができ、旋回モータ17の回転速度(上部旋回体2の旋回速度)が、ブームシリンダ12の作動等に影響されて変動するのを抑えることができ、上部旋回体2の旋回動作を安定させることができる。
【0087】
なお、前記実施の形態では、図4及び図5に示すプログラムのうち、ステップ3が姿勢判定手段の具体例を示し、ステップ13及びステップ14が旋回単独判定手段の具体例を示し、さらにステップ15が制御信号出力手段の具体例を示している。
【0088】
また、前記実施の形態では、ブームシリンダ12によるブーム上げ操作を圧力センサ46からの検出信号により検出するものとして述べたが、これに替えて、例えばブーム用制御弁37の切換操作を位置センサまたはストロークセンサ等で検出する構成としてもよく、主管路38A,38Bの途中等に作業操作検出手段としての圧力センサまたは流量センサを設け、ブームシリンダ12の作動状態を検出する構成としてもよい。
【0089】
さらに、旋回モータ17の旋回操作を検出する旋回操作検出手段についても、圧力センサ45に替えて、例えば旋回用制御弁34の切換操作を位置センサまたはストロークセンサ等で検出する構成としてもよく、主管路35A,35Bの途中等に旋回操作検出手段としての圧力センサまたは流量センサ等を設け、旋回モータ17の作動状態を検出する構成としてもよい。
【0090】
さらにまた、前記実施の形態では、側溝堀等を行う小型の油圧ショベルを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限ものではなく、例えばオフセットシリンダ等を備えていない他の型式の油圧ショベルに適用してもよい。また、上部旋回体を備える油圧クレーン等の種々の旋回式建設機械に適用してもよい。
【0091】
一方、油圧ポンプ19,20としては、斜板型または斜軸型の可変容量式油圧ポンプに限らず、例えばラジアルピストン式の可変容量型油圧ポンプ等を用いるようにしてもよい。
【0092】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1に記載の発明によれば、姿勢検出手段で作業装置がどのような姿勢をとっているか検出し、作業操作検出手段と旋回操作検出手段とにより作業用の油圧アクチュエータと旋回用の油圧モータとが複合操作されているか、旋回単独操作が行われているかを検出すると共に、信号出力手段により容量制御手段に制御信号を出力し油圧ポンプの吐出量を可変に制御し、前記油圧アクチュエータと油圧モータを複合操作している途中で該油圧モータの旋回単独操作に切換えたときには、油圧ポンプの吐出量を減少させる制御信号を信号出力手段から容量制御手段に出力する構成としているので、作業装置の旋回姿勢に応じて油圧ポンプから吐出される圧油の吐出量を可変に制御できると共に、複合操作時と旋回単独操作時とで油圧ポンプの吐出量を変化させることができる。そして、複合操作の途中で旋回単独操作に切換えたときには、油圧ポンプから吐出される圧油の吐出量を自動的に減少でき、旋回用の油圧モータに供給する圧油の流量が急激に変動するのを防止できると共に、旋回単独操作への切換時にも上部旋回体の旋回動作を安定させることができる。従って、旋回用油圧モータの単独操作時に旋回急加速等が生じるのを抑え、上部旋回体の旋回動作を安定させることができると共に、旋回操作を行うオペレータの負担等を確実に軽減でき、旋回時の操作性等を向上させることができる。
【0093】
また、請求項2に記載の発明では、作業操作検出手段及び旋回操作検出手段により油圧モータの旋回単独操作を検出し、姿勢検出手段により作業装置が小旋回姿勢にあることを検出したときに、油圧ポンプの吐出量を減少させる制御信号を信号出力手段から容量制御手段に出力する構成としているから、作業装置を小旋回姿勢にした状態での油圧モータの旋回単独操作時に、油圧ポンプから吐出される圧油の吐出量を自動的に減少でき、旋回用の油圧モータに多量の圧油が供給されるのを防止できると共に、旋回起動時等に上部旋回体が急旋回したりするのを抑え、上部旋回体の旋回動作を安定させることができる。
【0094】
さらに、請求項3に記載の発明では、姿勢検出手段からの検出信号に従って作業装置が予め決められた基準の旋回半径内に収められる小旋回姿勢にあるか否かを姿勢判定手段で判定すると共に、作業操作検出手段及び旋回操作検出手段からの検出信号に従って油圧モータの旋回単独操作が行われるか否かを判定する操作判定手段で判定し、該操作判定手段及び姿勢判定手段の判定結果により前記作業装置が小旋回姿勢にある状態で前記油圧モータが旋回単独操作されるときに、油圧ポンプの吐出量を減少させる制御信号を制御信号出力手段から容量制御手段に出力する構成としているから、作業装置を小旋回姿勢にした状態での油圧モータの旋回単独操作時に、油圧ポンプから吐出される圧油の吐出量を自動的に減少でき、旋回用の油圧モータに多量の圧油が供給されるのを防止できると共に、旋回起動時等に上部旋回体が急旋回したりするのを抑え、上部旋回体の旋回動作を安定させることができる。
【0096】
一方、請求項に記載の発明にあっては、作業装置のブームを俯仰動させるブームシリンダによるブーム上げ操作を作業操作検出手段で検出する構成としているから、通常の作業装置に設ける複数の油圧シリンダのうち、圧油の流入出量が最も大流量となるブームシリンダと旋回用の油圧モータとの複合操作から旋回単独操作への切換時等に、油圧ポンプから吐出される圧油の流量を自動的に減少させることができ、旋回単独操作時に油圧モータに供給される圧油量が大きく変化するのを防止できる。
【0097】
また、請求項に記載の発明では、作業装置が側溝堀等を行うためのオフセットシリンダを有する構成とし、姿勢判定手段は姿勢検出手段からの検出信号に基づき作業装置が運転室に接近しているか否か判定する構成としたから、作業装置の先端側(例えばバケット)が上部旋回体の運転室に接近しているか否かを姿勢判定手段で識別でき、運転室への接近時には作業装置の作動を停止させて作業上の安全性を確保できる。また、オフセットシリンダを作動させることによって側溝掘作業等を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による油圧ポンプ制御装置が適用された油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】図1中のブームシリンダ及び旋回モータの駆動回路を可変容量式の油圧ポンプ等と共に示す油圧回路図である。
【図3】本実施の形態による油圧ポンプ制御装置を示す制御ブロック図である。
【図4】コントローラによる作業装置の姿勢判別処理を示す流れ図である。
【図5】コントローラによる比例電磁弁のポンプ容量制御処理を示す流れ図である。
【符号の説明】
1 下部走行体
2 上部旋回体
4 運転室
7 作業装置
8 下ブーム
9 上ブーム
10 アーム
11 バケット
12 ブームシリンダ(作業用の油圧アクチュエータ)
14 オフセットシリンダ
15 アームシリンダ
16 バケットシリンダ
17 旋回モータ(油圧モータ)
20 油圧ポンプ
20A 容量可変部
25 傾転アクチュエータ
31 比例電磁弁(容量制御手段)
34 旋回用制御弁
37 ブーム用制御弁
40 操作弁(旋回用の遠隔操作手段)
41 操作弁(ブーム用の遠隔操作手段)
45 圧力センサ(旋回操作検出手段)
46 圧力センサ(作業操作検出手段)
49,50,51 角度センサ(姿勢検出手段)
52 コントローラ(信号出力手段)

Claims (5)

  1. 下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体に俯仰動可能に設けられた作業装置と、該作業装置を駆動する作業用の油圧アクチュエータと、前記上部旋回体を旋回駆動する旋回用の油圧モータと、容量可変部を有し前記作業用の油圧アクチュエータ及び旋回用の油圧モータに圧油を供給する可変容量式の油圧ポンプと、該油圧ポンプの吐出量を可変に制御するため制御信号に応じて前記容量可変部を駆動する容量制御手段とからなる旋回式建設機械の油圧ポンプ制御装置において、
    前記旋回用の油圧モータが駆動操作されているか否かを検出する旋回操作検出手段と、前記作業用の油圧アクチュエータが駆動操作されているか否かを検出する作業操作検出手段と、前記作業装置の姿勢を検出する姿勢検出手段と、該姿勢検出手段、作業操作検出手段及び旋回操作検出手段からの検出信号に従って前記容量制御手段に制御信号を出力する信号出力手段とを備え
    該信号出力手段は、前記油圧アクチュエータと油圧モータを複合操作している途中で該油圧モータの旋回単独操作に切換えたときに、前記油圧ポンプの吐出量を減少させる制御信号を前記容量制御手段に出力する構成としたことを特徴とする旋回式建設機械の油圧ポンプ制御装置。
  2. 前記信号出力手段は、前記作業操作検出手段により前記作業用アクチュエータの停止を検出し、前記旋回操作検出手段により前記旋回用の油圧モータの作動を検出し、かつ前記姿勢検出手段により前記作業装置の小旋回姿勢を検出したときに、前記油圧ポンプの吐出量を減少させる制御信号を前記容量制御手段に出力する構成としてなる請求項1に記載の旋回式建設機械の油圧ポンプ制御装置。
  3. 前記信号出力手段は、前記姿勢検出手段からの検出信号に従って前記作業装置が予め決められた基準の旋回半径内に収められる小旋回姿勢にあるか否かを判定する姿勢判定手段と、前記作業操作検出手段及び旋回操作検出手段からの検出信号に従って前記油圧モータの旋回単独操作が行われるか否かを判定する旋回単独判定手段と、前記姿勢判定手段の判定結果により前記作業装置が小旋回姿勢にある状態で、かつ前記旋回単独判定手段の判定結果により前記油圧モータが旋回単独操作されるときに、前記油圧ポンプの吐出量を減少させる制御信号を出力する制御信号出力手段とから構成としてなる請求項1または2に記載の旋回式建設機械の油圧ポンプ制御装置。
  4. 前記油圧アクチュエータは作業装置のブームを俯仰動させるブームシリンダからなり、前記作業操作検出手段は該ブームシリンダによるブーム上げ操作を検出する構成としてなる請求項1,2または3に記載の旋回式建設機械の油圧ポンプ制御装置。
  5. 前記上部旋回体は運転室を有し、前記油圧アクチュエータは作業装置により側溝堀を行うためのオフセットシリンダを有し、前記姿勢判定手段は姿勢検出手段からの検出信号に基づき前記作業装置が運転室に接近しているか否か判定する構成としてなる請求項3に記載の旋回式建設機械の油圧ポンプ制御装置。
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