JP3847475B2 - 旋回系油圧装置の制御方法及び制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械等の1台の油圧ポンプで旋回用油圧モータと他のアクチュエータを同時に駆動する旋回系油圧装置の制御方法及び制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧ショベルに於いて、図1に示すような、ブームシリンダa、旋回用油圧モータb、他のアクチューエータなどを1台の油圧ポンプcからの吐出流体で駆動することが行われている。該シリンダaや油圧モータbなどのアクチュエータは、夫々手動切換弁eを介して該油圧ポンプcの吐出回路dに接続され、各切換弁eを切換操作することにより該シリンダa等が作動してブーム等の作動体が駆動される。油圧ショベルによる建設作業では、バケットを上下と左右に同時に移動させて作業することがしばしば行われており、このような複合動作の場合、該旋回用油圧モータbの他にシリンダa等のアクチュエータが同時に作動される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
該旋回用油圧モータbと他のアクチュエータの複合動作を各切換弁eをフルストロークさせて行った場合、旋回用油圧モータbは大きな慣性負荷を持つので、吐出回路dの回路圧は定常状態では図2に示すようなブームシリンダaによる負荷圧になる。この状態では投入馬力即ちポンプが発生する馬力の全部がブームシリンダaへ供給されるが、旋回用油圧モータbが加速されるにつれ、徐々に旋回用油圧モータbへの供給配分が多くなる。そして、旋回用油圧モータbの吸収流量が油圧ポンプcの吐出量に等しくなる直前で、ブームシリンダaへの油の供給が殆ど無くなり、旋回用油圧モータbへ投入馬力の全てが供給されるようになる。更に旋回用油圧モータbの吸収流量が油圧ポンプcの吐出量に等しくなると、吐出回路dのポンプ圧は該旋回用油圧モータbを定速回転させるに必要な圧力まで急激に低下し、従って、投入馬力も急減してしまう。即ち、旋回用油圧モータbに必要以上の馬力が投入され、その加速が終わると投入馬力そのものが実質的に無くなってしまい、ブームシリンダaなどの他のアクチュエータの駆動に支障を来す欠点がある。
【0004】
また、旋回用油圧モータbを減速させる場合は、これの切換弁eを中立位置方向へ戻して該モータbへの流量を絞ることにより、メータアウト側圧力を上昇させ、ブレーキングトルクを発生させているが、この時、図3に示したように、旋回慣性体に蓄積されていたエネルギーは熱となり、無駄に捨てられてしまう不都合がある。
【0005】
更に、該旋回用油圧モータbを停止させる場合は、これの切換弁eを該モータbへの流量を絞りながら中立位置へ戻すことになるが、その過程で油の供給側であるメータイン通路も絞られるので、該モータbへの油の供給が不足し、例えば該モータbで駆動する旋回体が自走状態になったときなどは、キャビテーションを発生し易くなる。
【0006】
本発明は、1台の油圧ポンプにより同時に駆動される旋回用油圧モータと他のアクチュエータを確実に作動制御でき、エネルギーの無駄がなくキャビテーションの発生を防止できる制御方法とこれに適した装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、1台の可変容量型油圧ポンプの吐出回路に旋回用油圧モータと他の油圧アクチュエータを並列に接続し、該他の油圧アクチュエータを電磁比例切換弁を介して該吐出回路に接続した旋回系油圧装置に於いて、該旋回用油圧モータに可変容量型油圧モータを使用し、該可変容量型油圧モータを、回路圧を一定にするような特別の油圧機器を介在させずに直接に該吐出回路へ接続し、該可変容量型油圧モータ及び他の油圧アクチュエータの作動指令値から演算した演算値により該可変容量型油圧ポンプの吐出圧を設定し、該可変容量型油圧モータのモータ容量を、該可変容量型油圧モータの作動指令値から演算された速度指令値と該油圧モータの実回転速度との付合せ演算により形成される速度閉ループ系で決定することにより、油圧アクチュエータの作動速度を確実に制御する目的が達成される。更に、該閉ループ制御に於いて、該可変容量型油圧モータに投入できるモータ投入可能馬力と該油圧ポンプの吐出圧と該油圧モータの回転速度とから算出した値を該油圧モータの容量リミットとして使用すると、各油圧アクチュエータの作動に定馬力制御動作を付与できる。該モータ投入可能馬力は該油圧ポンプで決まる全投入馬力から該他の油圧アクチュエータに投入された他のアクチュエータ投入馬力を減算して決定することができる。該可逆吐出型の可変容量型油圧モータの回転速度を低下させる操作が行われたときに該可逆吐出型の可変容量型油圧モータにポンプ作動を行わせてタンクから油を直接吸入し上記吐出回路へシーケンス弁で圧力制御して供給することにより該油圧モータを制動する。
【0008】
上記構成の可逆吐出型の可変容量型油圧モータを使用した旋回系油圧装置に於いて、該可変容量型油圧モータを該吐出回路へ接続する回路に該可変容量型油圧モータから該吐出回路への流体圧力を制御するシーケンス弁を設け、該可逆吐出型の可変容量型油圧モータに設けたモータ容量制御装置に、該可変容量型油圧モータ及び他の油圧アクチュエータの作動指令値から演算した演算値により該可変容量型油圧ポンプの吐出圧を設定し、該可変容量型油圧モータのモータ容量を、該油圧モータの回転指令値及びその実回転速度と該吐出回路の圧力及び各作動指令値から演算した該油圧モータの旋回のために投入可能なモータ投入可能馬力とにより速度閉ループ制御で決定するコントローラを接続することにより、該旋回系油圧装置の確実な制御を行える。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図4の旋回系油圧装置に基づき説明すると、同図に於いて、符号1はエンジン等の適当な原動機により駆動された可変容量型油圧ポンプを示し、該油圧ポンプ1の吐出回路2に旋回負荷16を旋回させる1台の旋回用油圧モータ3と1台もしくは複数台の油圧シリンダー等の他の油圧アクチュエータ4を並列に接続した。該他の油圧アクチュエータ4は夫々電磁比例切換弁5、5を介して該吐出回路2に接続される。該旋回系油圧装置が例えば油圧ショベルに適用される場合は、該旋回用油圧モータ3は油圧ショベルのバケット等の負荷16を回転し、他のアクチュエータ4は1台若しくは複数台の油圧シリンダで構成されてバケット等の負荷を俯仰する。
【0010】
該旋回用油圧モータ3及び他の油圧アクチュエータ4を同時に作動させている場合には、前記したように旋回用油圧モータ3の回転状態が他の油圧アクチュエータ4の作動に影響を及ぼす等の不都合があるが、本発明に於いては、該旋回用油圧モータ3に可変容量型油圧モータを使用してこれを特別の油圧制御機器を介在させずに直接に吐出回路2へ接続し、図5に示したように、該可変容量型油圧モータ3のモータ操作装置12及び他の油圧アクチュエータ4の操作装置8からマイクロプロセッサ等を用いたコントローラ7へ入力させた作動指令値を演算し、その演算値をポンプ吐出圧指令値として該可変容量型油圧ポンプ1に設けたポンプ圧力制御装置11へ出力することによりポンプの吐出圧を設定し、該油圧モータ3の回転速度をロータリエンコーダ等のモータ回転数検出器6により検出すると共に圧力センサー9で吐出回路2のポンプ吐出圧即ちポンプ実吐出圧を検出して該コントローラ7に入力させ、該可変容量型油圧モータの回転時のモータ容量を、該油圧モータの回転速度と該吐出回路の圧力及び各作動指令値から演算した該油圧モータの旋回のために投入可能なモータ投入可能馬力とにより該コントローラ7に於いて速度閉ループ制御で決定し、該可変容量型油圧モータ3が定速回転になったとき該コントローラ7から該可変容量型油圧モータ3に設けられた斜板傾転角等を制御するモータ容量制御装置10へ制御信号を出力し、斜板の傾転角を減少させてモータ容量を減少させることにより速度閉ループ制御を行い、他の油圧アクチュエータ4が旋回用油圧モータ3の回転状態の影響を受けずに作動するようにした。
【0011】
該ポンプ圧力制御装置11は該油圧ポンプ1のポンプ容量即ちポンプ傾転角を制御することにより、該吐出回路2の圧力を制御するが、ポンプ実吐出圧が該ポンプ圧力制御装置11への指令値通りになるか否かは、該ポンプ吐出圧指令値と他の油圧アクチュエータ4の負荷圧、電磁比例切換弁5の開度等により決まる。例えば、他の油圧アクチュエータ4の電磁比例切換弁5の開度が100%で、該アクチュエータ4が一定速で動作している場合、ポンプ実吐出圧は該油圧アクチュエータ4の負荷圧となる。
【0012】
該旋回用油圧モータ3は、操作レバー等のモータ操作装置12の操作量に応じてモータ容量を制御することにより回転制御され、他のアクチュエータ4は操作レバー等の操作装置8からの入力信号を該コントローラ7で演算してその操作量を算出し、その算出値により電磁式の比例切換弁5を移動させて供給油量を制御することにより作動制御される。モータ容量制御装置10とポンプ圧力制御装置11は同一の構成とすることが可能であり、図示の場合、両装置10、11を、大小の制御シリンダ13、14と該コントローラ7からの出力信号で作動する電磁式のサーボ弁15を備え、各サーボ弁に該モータ3やポンプ1の斜板等を機械的に連結した公知の構成とし、サーボ弁スプールの移動距離に追従して斜板等の傾転角が変わるようにした。
【0013】
該速度閉ループ制御の詳細は、図5に示した通りで、該モータ操作装置12からの作動指令値に基づき旋回速度指令値を決定し、これとモータ回転数検出器6からの検出値との偏差を演算し、その偏差に基づき位置制御系でPID制御や最適制御等の制御アルゴリズムにより補正値を求め、これに該回転数検出器6で測定した該油圧モータ3の周期と該旋回速度指令値とを付合せ演算して速度制御系にて再度PID制御や最適制御等のアルゴリズムを用いて速度閉ループ補正値を求め、この速度制御系出力と最大旋回投入流量を表す容量リミット演算値の信号のいずれか小さい方の値を選択することにより該モータ容量制御装置10の具体的な移動値を演算して該モータ容量制御装置10を作動させ、これで決定された流量を該ポンプ1からの流量から消費して該油圧モータ3が回転する。該容量リミットの演算は、圧力センサー9の検出値と該周期とモータ投入可能馬力とから行われ、該モータ投入可能馬力は各操作装置8、12からの作動指令値から演算される。換言すると、該容量リミットQは、H/P(H:モータ投入可能馬力、P:ポンプ実吐出圧)により演算される。また、該移動値の演算は、該油圧モータ3のモータ容量制御装置10が斜板等を傾転させて可変する形式のものである場合、該回転数検出器6で測定される該油圧モータ3の速度Vと該容量リミット演算値Qとから斜板等の傾転角αを求めることにより行われ、モータ容量制御装置10は傾転角αとなるように移動する。
【0014】
該油圧モータ3は、吐出回路2に切換弁のような該油圧モータ3自体の回転方向や速度を制御する機器を介在させずに直接に接続されるが、この接続回路17に、該吐出回路2から該油圧モータ3への流れを許容するチェック弁18と該油圧モータ3から吐出回路2への流れを圧力制御するシーケンス弁19を並列に設け、該油圧モータ3がブレーキ作動を行う場合、該油圧モータ3にポンプ作用を行わせてタンク20から吐出回路2へ流量を供給することによりエネルギーを回収し且つ該他の油圧アクチュエータ4の作動が保証されるようにした。
【0015】
該他の油圧アクチュエータ4が作動されているときにモータ操作装置12を操作して該油圧モータ3を起動すると、モータ容量制御装置10がその容量を最大とした状態例えば最大傾転角の状態で起動され、図6の曲線Aに示すように、次第にモータ回転数即ち速度を増加させる(定トルク領域)。その後、該コントローラ7における容量リミットの演算値が最大移動値(最大傾転値)になると、徐々に速度を増しながら、容量リミット演算値の低下に合わせて定馬力線上に沿って傾転角即ちモータ容量を小さくする(定馬力加速域)。そして、該油圧モータ3の旋回速度がモータ操作装置12からの作動指令値に達すると、モータ容量制御装置10の移動量(傾転量)は速度維持のためだけに必要なトルクを発生する値にまで降下させられる(定速度域)。
【0016】
該油圧モータ3の旋回中にモータ操作装置12の操作量を小さくすると、コントローラ7はブレーキング作動を行わせるべく、モータ容量制御装置10にモータ容量がマイナス即ち該油圧モータ3がポンプ作用を営むように例えば斜板の傾転角を逆にする等の逆移動を行わせる。この逆移動の量は、任意に設定できるが、最大トルクを発生させたい場合は、最大に逆移動或いは最大に逆傾転させる。
【0017】
該コントローラ7は該油圧モータ3に与えるブレーキトルクに見合うだけの逆移動量・逆傾転量を該モータ容量制御装置12に生じさせてブレーキング及び動力回収を行うが、安全のために最大ブレーキトルクが油圧ポンプ吐出圧力の如何に拘わらず得られなければならず、そのために該接続回路17にシーケンス弁19が介在されている。該シーケンス弁19は該油圧モータ3側の接続回路17が設定圧になったとき開弁するもので、その開弁以後に該油圧モータ3から動力の回収が行われる。そのためシーケンス弁19の設定圧とポンプ吐出圧の差(図7参照)が無駄な動力として熱に変換されてしまうが、残りの動力が他の油圧アクチュエータ4の駆動に有効に利用できる。もし、他の油圧アクチュエータ4が操作されていない場合や、わずかにしか操作されておらず該油圧モータ3からの回収流量が余る場合は、メインリリーフ弁21から放出されることになる。
【0018】
図5に示した位置制御系は、旋回速度指令値を積分して位置指令とし、モータ回転数検出器6からのフィードバックパルスを積分カウントしてその偏差をとることによりループを形成する。しかし、該油圧モータ3の通常の速度制御域では不要であり、基本的に速度=0近傍でのみ有効である。通常旋回時はゲイン=0とする。速度検出可能値より速度が小さくなった場合は速度制御から位置制御に切り換わらなければならないので、遷移域を設けてゲインの増減を徐々に行う。
【0019】
図4に示した例の作動につき以下に説明する。該油圧ポンプ1のポンプ吐出圧制御装置には、吐出回路2にブリードオフ型のバルブを使用するのが一般的であるが、図示の例では、特開平10−47306号公報に見られるように、該油圧ポンプ1のポンプ圧力制御装置11をコントローラ7で制御してブリードオフ制御を行い、流量損失を伴わずにポンプ吐出圧を制御した。
【0020】
該油圧モータ3が単独で旋回操作される場合、該油圧モータ3にはモータ操作装置12の操作入力が100%になってもエンジン馬力の1/3〜1/2が投入されるのが一般的である。この場合、ポンプ吐出圧には負荷16の加速性を確保するために該油圧モータ3又は該油圧ポンプ1の定格最大圧が選択される。該操作入力が100%未満であるならば、操作入力に応じて任意に与えるべき操作性を実現すべくポンプ吐出圧を設定すれば良い。いずれにせよ油圧モータ3のみが単独で旋回操作される場合は、該操作入力により該油圧モータ3へのモータ投入馬力とポンプ吐出圧指令値とが決定される。ポンプ吐出圧指令値がポンプ圧力制御装置11に対して出力され、圧力センサー9で圧力をフィードバックすることにより圧力制御がなされる。図5に示すように、モータ操作装置12からの作動指令値により該コントローラ7は旋回速度指令値を算出し、モータ容量制御系に指令する。該油圧モータ3の旋回速度は、暫くの間、該旋回速度指令値よりもかなり低いので、モータ容量(モータ傾転角)は最大としたまま旋回を加速することになる。実モータ投入馬力が決定された前記モータ投入馬力に等しくなると、図8に示すように、定馬力線に従い、徐々にモータ容量(モータ傾転角)を減少させながら更に加速される。油圧モータ3の旋回速度が旋回速度指令値に至ると、加速の必要がなくなるので、油圧モータ3が定速回転するに足りるだけのモータ容量(モータ傾転角)を減少させる。そして、旋回速度を低下させる場合は、モータ容量をマイナス即ち吐出する状態に反転させて負荷16の慣性で旋回する該油圧モータ3にポンプ作用を行わせ、これにより流れの方向が逆になってブレーキが掛かる。油はシーケンス弁19を通って吐出回路2へ流れ込むが、他のアクチュエータ4への通路は切換弁5により閉じられているので、装置の漏れとして吸収されない分はリリーフ弁21からタンクへ放出される。
【0021】
該油圧モータ3と他の油圧アクチュエータ4を同時に作動させる複合操作が行われる場合、各操作装置8、8、12が100%の操作量で操作されても油圧モータ3へ投入されるモータ投入馬力は一般的にエンジン馬力の約1/3である。この場合もポンプ吐出圧には負荷16の加速性を確保するために該油圧モータ3又は該油圧ポンプ1の定格最大圧が選択される。演算されたポンプ吐出圧の指令値がポンプ圧力制御装置11に対して出力され、圧力センサー9で圧力をフィードバックするすることにより圧力制御がなされるが、切換弁5がフルストロークされていれば、吐出回路2の圧力はブーム等の負荷圧になっている。操作装置8、8、12の操作量が100%未満であれば、その操作量に応じて他の油圧アクチュエータ4、4と油圧モータ3に与えるべき操作性が実現されるようなポンプ吐出圧が設定され、実際のポンプ吐出圧はこの設定されたポンプ吐出圧と該負荷圧との中間の圧力になる。そして図5に示すようにモータ操作装置12からの作動指令値により、コントローラ7は他の油圧アクチュエータ4、4との複合操作に適した旋回速度指令値を算出し、モータ容量制御系に指令する。油圧モータ3の旋回速度は暫くの間、旋回速度指令値よりもかなり小さいのでモータ容量(モータ傾転角)は最大となったまま旋回を加速することになる。実モータ投入馬力が設定されたモータ投入馬力に等しくなると定馬力線に従い、徐々にモータ容量(モータ傾転角)を減少させながら、更に加速される。油圧モータ3の旋回速度が旋回速度指令値に至ると、加速の必要がなくなるので、油圧モータ3が定速回転するに足るだけにモータ容量(モータ傾転角)を減少させる。駆動圧がブーム等の負荷圧になっており、そのことにより加速性が異なる事以外は前記した単独操作の場合と基本的には変わらない。ブーム等の他の油圧アクチュエータ4の負荷の動きは、油圧モータ3の旋回との関わりで変化する。その加速開始時はポンプ吐出量の全量が他の油圧アクチュエータ4、4に流入しており、旋回が増速するに従い油圧モータ3に分流された分だけ他の油圧アクチュエータ4の速度が低下する。そして油圧モータ3が定馬力加速域に達すると、油圧モータ3への分流流量は一定になるので、他の油圧アクチュエータ4、4の速度の低下がなくなる。以上により他の油圧アクチュエータ4との複合操作性が確保される。また、旋回加速が終了すると、油圧モータ3での油圧動力の消費は、該油圧モータ3の定速回転を確保するだけに減少するので、他の油圧アクチュエータ4への流量配分が増加し、ブーム等の作動速度が速くなる。
【0022】
旋回を減速させた場合は、モータ傾転角を逆方向に傾転させる等の作動によりモータ容量をマイナスとし、該油圧モータ3にポンプ作用を行わせ、流れの方向が逆になるので該油圧モータ3にブレーキが掛かる。油はシーケンス弁19を通って吐出回路2へ流れ込むが、複合操作をしている場合は該吐出回路2と他のアクチュエータ4との通路が開いているから、回収された油の全量が他のアクチュエータ4へ流れ、ブーム等の駆動のために消費される。油圧モータ3がポンプ作用を行っている間、油圧モータ3の吐出ポートから油を吸い込むことになるが、このポートは図1の回路と異なりタンク20に直結されていて口径も大きくできるからキャビテーションの発生を回避できる。ブレーキング時に油圧モータ3に吸い込まれた油は必ずシーケンス弁19を通過するので、シーケンス弁19の設定圧とモータ容量(モータ傾転角)とでブレーキングトルクを決定でき、ポンプ吐出圧と切り離して最大能力でブレーキングできるから、安全性も確保できる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明によるときは、1台の可変容量型油圧ポンプの吐出回路に旋回用油圧モータと他の油圧アクチュエータを並列に接続する形式の旋回系油圧装置に於いて、該旋回用油圧モータに可変容量型油圧モータを使用してこれを直接に該吐出回路へ接続し、これらの油圧モータ及び他の油圧アクチュエータの作動指令値から演算て該油圧ポンプの吐出圧を設定し、該可変容量型油圧モータのモータ容量を、該油圧モータの回転速度と該吐出回路の圧力及び各作動指令値から演算した該油圧モータの旋回のために投入可能なモータ投入可能馬力とにより速度閉ループ制御で決定するようにしたので、馬力制御を油圧モータ側で行うことができ、該油圧ポンプの出力馬力配分の制御が容易になって確実に旋回用油圧モータと他のアクチュエータを作動制御でき、該油圧モータにポンプ作動を行わせることによりエネルギーの無駄がなくキャビテーションの発生を防止でき、ポンプ作動でブレーキが掛かるので安全性が高まり、請求項5の構成とすることにより本発明の方法を的確に実施できる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の説明線図
【図2】図1の作動状態の説明線図
【図3】図1の場合の減速状態の説明線図
【図4】本発明の実施の形態を示す線図
【図5】図4のコントローラの説明図
【図6】図4の作動状態の説明線図
【図7】図4の減速状態の説明線図
【図8】図4の作動状態に於けるトルクと回転数の関係図
【符号の説明】
1 可変容量型油圧ポンプ、2 吐出回路、3 旋回用油圧モータ、4 他の油圧アクチュエータ、5 電磁切換弁、7 コントローラ、8 操作装置、9 圧力センサー、10 モータ容量制御装置、11 ポンプ圧力制御装置、12 モータ操作装置、16 旋回負荷、17 接続回路、19 シーケンス弁、20 タンク、
Claims (5)
- 1台の可変容量型油圧ポンプの吐出回路に旋回用油圧モータと他の油圧アクチュエータを並列に接続し、該他の油圧アクチュエータを電磁比例切換弁を介して該吐出回路に接続した旋回系油圧装置に於いて、該旋回用油圧モータに可変容量型油圧モータを使用し、該可変容量型油圧モータを、回路圧を一定にするような特別の油圧機器を介在させずに直接に該吐出回路へ接続し、該可変容量型油圧モータ及び他の油圧アクチュエータの作動指令値から演算した演算値により該可変容量型油圧ポンプの吐出圧を設定し、該可変容量型油圧モータのモータ容量を、該油圧モータへの指令回転数とその実回転速度と該吐出回路の圧力及び各作動指令値から演算した該油圧モータの旋回のために投入可能なモータ投入可能馬力とにより速度閉ループ制御で決定することを特徴とする旋回系油圧装置の制御方法。
- 上記閉ループ制御に於いて、上記モータ投入可能馬力と上記油圧ポンプの吐出圧と該油圧モータの回転速度とから算出した値を該油圧モータの容量リミットとして使用することを特徴とする請求項1に記載の旋回系油圧装置の制御方法。
- 上記モータ投入可能馬力を上記油圧ポンプで決まる全投入馬力から上記他の油圧アクチュエータに投入された他のアクチュエータ投入馬力を減算して決定することを特徴とする請求項2に記載の旋回系油圧装置の制御方法。
- 上記旋回用油圧モータに可逆吐出型の可変容量型油圧モータを使用し、該可逆吐出型の可変容量型油圧モータの回転速度を低下させる操作が行われたときに該可逆吐出型の可変容量型油圧モータにポンプ作動を行わせてタンクから油を直接吸入し上記吐出回路へシーケンス弁で圧力制御して供給することにより該油圧モータを制動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の旋回系油圧装置の制御方法。
- 1台の油圧ポンプの吐出回路に旋回用油圧モータと他の油圧アクチュエータを並列に接続し、該他の油圧アクチュエータを電磁比例切換弁を介して該吐出回路に接続した旋回系油圧装置に於いて、該旋回用油圧モータに可逆吐出型の可変容量型油圧モータを使用し、該可変容量型油圧モータを該吐出回路へ接続する回路に該可変容量型油圧モータから該吐出回路への流体圧力を制御するシーケンス弁を設け、該可逆吐出型の可変容量型油圧モータに設けたモータ容量制御装置に、該可変容量型油圧モータ及び他の油圧アクチュエータの作動指令値から演算した演算値により該可変容量型油圧ポンプの吐出圧を設定し、該可変容量型油圧モータのモータ容量を、該油圧モータへの指令回転数とその実回転速度と該吐出回路の圧力及び各作動指令値から演算した該油圧モータの旋回のために投入可能なモータ投入可能馬力とにより速度閉ループ制御で決定するコントローラを接続したことを特徴とする旋回系油圧装置の制御装置。
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