JPH1030450A - ダンパ - Google Patents

ダンパ

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JPH1030450A
JPH1030450A JP8204142A JP20414296A JPH1030450A JP H1030450 A JPH1030450 A JP H1030450A JP 8204142 A JP8204142 A JP 8204142A JP 20414296 A JP20414296 A JP 20414296A JP H1030450 A JPH1030450 A JP H1030450A
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way clutch
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Koichi Ogishima
宏一 荻島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 慣性質量を大きく設定することができ、装着
時における軸方向の占有スペースを小さく設定すること
ができ、しかもクラッチ作動時に発生する作動音や振動
がカバー63や外部に伝わりにくい構造のトーショナル
ダンパ1を提供する。 【解決手段】 スタータギヤ42およびワンウェイクラ
ッチ43を備えたエンジンスタータ41とともにクラン
クシャフト61に装着されるトーショナルダンパ1であ
って、クランクシャフト61の端部にインロー嵌合され
るボス部2aと、ワンウェイクラッチ43の外周側に配
置される円筒部2bとを備えたハブ2を有し、円筒部2
bの外周側に弾性体5を介して質量体6を接続するとと
もに、円筒部2bに、ワンウェイクラッチ43と組み合
わされてクラッチ機能を奏するスタータワンウェイとし
ての機能を設定することにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダンパに係り、更
に詳しくは、二輪車用のエンジン等において、エンジン
スタータとともにクランクシャフトに装着されるトーシ
ョナルダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】図2に示すように、公知のこの種のトー
ショナルダンパ21は、スタータギヤ42、ワンウェイ
クラッチ43、スタータワンウェイ44およびスタータ
ホイール45を備えたエンジンスタータ41とともにク
ランクシャフト61に装着されるようになっており、ま
たその構成部品の一つであるハブ22が、スタータホイ
ール45のボス部45aの外周側にインロー嵌合され
て、エンジンスタータ41とともにボルト62によって
共締めされるようになっている。
【0003】したがって、図示した装着状態を見ると、
スタータギヤ42の右側にスタータワンウェイ44およ
びスタータホイール45が配置され、更にその右側にト
ーショナルダンパ21の質量体23が配置されて、これ
らが軸方向に一列に並べられるために、容積が限られた
カバー63内の空間64において、質量体23の軸方向
長さを大きく設定することができない状況が発生してい
る。
【0004】またハブ22は円筒部22aを備えてお
り、この円筒部22aがスタータホイール45のボス部
45aの外周側にインロー嵌合されるとともに、この円
筒部22aの外周側にゴム状弾性材製の弾性体24を介
して質量体23が接続されている。したがって図示した
装着状態を見ると、クランクシャフト61の先端部の外
周側にスタータホイール45のボス部45a、ハブ22
の円筒部22aおよび弾性体24が配置され、更にその
外周側に質量体23が配置されている。スタータホイー
ル45のボス部45aの厚さ(径方向長さ)およびハブ
22の円筒部22aの厚さはそれぞれ、重量の都合から
自と定められて無闇に厚くできるものではなく、また弾
性体24の厚さもばね定数の関係から自と定められて其
程厚くできるものではなく、よってこれらのことから、
質量体23の径寸法を大きく設定することができない状
況が発生している。
【0005】したがって上記したところから従来技術に
は、質量体23の軸方向長さおよび径寸法が比較的小さ
いために、質量体23の体積によって定められる慣性質
量が比較的小さく、よって二輪エンジン用のトーショナ
ルダンパとして吸振許容範囲が狭い問題がある。
【0006】また同時に上記したように、スタータギヤ
42、スタータワンウェイ44、スタータホイール45
および質量体23が軸方向に一列に並べられるために、
この方向についての占有スペースが大きい問題があり、
更に、ワンウェイクラッチ43およびスタータワンウェ
イ44の組み合わせによるクラッチ作動部の外周側がカ
バー63に至るまで開放されているために、クラッチ作
動時に発生する作動音(放射音)や振動がカバー63に
伝わり易く、更にカバー63を介して外部に伝わり易い
問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
み、慣性質量を従来より大きく設定することが可能であ
り、装着時における軸方向の占有スペースを従来より小
さく設定することが可能であり、しかもクラッチ作動時
に発生する作動音(放射音)や振動がカバーや外部に伝
わりにくい構造のトーショナルダンパを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のダンパは、スタータギヤおよびワンウェイ
クラッチを備えたエンジンスタータとともにクランクシ
ャフトに装着されるトーショナルダンパであって、前記
クランクシャフトの端部にインロー嵌合されるボス部
と、前記ワンウェイクラッチの外周側に配置される円筒
部とを備えたハブを有し、前記円筒部の外周側にゴム状
弾性材製の弾性体を介して質量体を接続するとともに、
前記円筒部に、前記ワンウェイクラッチと組み合わされ
てクラッチ機能を奏するスタータワンウェイとしての機
能を設定することにした。
【0009】
【作用】上記構成を備えた本発明のダンパにおいては、
その構成部品であるハブが、スタータワンウェイとして
の機能と、このスタータワンウェイを支持するスタータ
ホイールとしての機能とを兼ね備えているために、当該
ダンパとともにクランクシャフトに装着されるエンジン
スタータの構成部品からスタータワンウェイおよびスタ
ータホイールを省略することが可能となる。またハブの
円筒部がワンウェイクラッチの外周側に配置されるため
に、この円筒部およびワンウェイクラッチが装着時にお
ける軸方向の占有スペースを共用することになる。した
がって従来技術において、スタータギヤ、スタータワン
ウェイ、スタータホイールおよび質量体の四部品が軸方
向に一列に並べられていたのに対して、本発明によれ
ば、スタータギヤおよび質量体の二部品が軸方向に並べ
られることになり、スタータワンウェイおよびスタータ
ホイールが省略された分だけ、質量体の軸方向長さを大
きくすることができ、またはエンジンスタータおよびダ
ンパによる軸方向の占有スペースを小さくすることがで
きる。
【0010】またその一方で、ハブの円筒部がワンウェ
イクラッチの外周側に配置されるために、この円筒部は
その径寸法が従来より大きく設定されており、この円筒
部の外周側に弾性体を介して質量体が接続されているた
めに、質量体の径寸法も従来より大きく設定されること
になる。
【0011】したがって質量体の軸方向長さおよび径寸
法を共に従来より大きく設定することが可能なために、
その体積にしたがって定められる慣性質量の大きさを従
来より大きく設定することが可能となり、これによりダ
ンパの吸振許容範囲を拡大することができる。
【0012】またワンウェイクラッチおよびハブの円筒
部の組み合わせによるクラッチ作動部の外周側に弾性体
および質量体が配置され、クラッチ作動部が全体として
ダンパに覆われることになるために、クラッチ作動時に
発生する作動音(放射音)や振動がカバーや外部に伝わ
るのを抑えることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】クランクシャフトの先端部にイン
ロー嵌合されるハブのボス部と、ワンウェイクラッチの
外周側に配置される円筒部とは、両者をウェブ部を介し
て連結し、このボス部、ウェブ部および円筒部を鋳鉄等
を材料として一体に成形するのが好適である。
【0014】またダンパのタイプには、ハブの円筒部の
外周側に、スリーブ、弾性体および質量体よりなるブッ
シュを嵌着するブッシュタイプや、ハブの円筒部と質量
体の間に弾性体を軸方向一方から圧入する嵌合タイプ等
があるが、本発明はこのタイプを問わないものである。
【0015】
【実施例】つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説
明する。
【0016】図1に示すように、当該実施例に係るトー
ショナルダンパ1は、スタータギヤ42およびワンウェ
イクラッチ43を備えたエンジンスタータ41とともに
クランクシャフト61に装着されるものであって、クラ
ンクシャフト61の端部にインロー嵌合されるボス部2
aと、ワンウェイクラッチ43の外周側に配置される円
筒部2bとをウェブ部2cを介して一体に連結した鋳鉄
製のハブ2を有しており、このハブ2の円筒部2bの外
周側に、板金製のスリーブ4、ゴム状弾性材製の弾性体
5および鋳鉄製の質量体(振動リングとも称する)6を
備えたブッシュ3が嵌着されるとともに、この円筒部2
bの内周部のうち、ウェブ部2cより左側の部分に、ワ
ンウェイクラッチ43と組み合わされてクラッチ機能を
奏するスタータワンウェイとしての機能部7が設けられ
ている。スタータギヤ42およびワンウェイクラッチ4
3を図示したように組み付けたエンジンスタータ41
に、従来のようなスタータワンウェイおよびスタータホ
イールは備えられていない。
【0017】クランクシャフト61の先端部は先細のテ
ーパ状とされて、これに合うようにボス部2aの内周面
がテーパ状とされ、ハブ2がワッシャ65を介してボル
ト64によって固定されている。ハブ2とクランクシャ
フト61の回止めは、前者に設けられたキー溝2dと後
者に設けられたキー66との組み合わせによってなされ
ている。
【0018】上記構成を備えたトーショナルダンパ1
は、エンジンスタータ41とともにクランクシャフト6
1に装着されて、このクランクシャフト61に生起され
る捩り振動を吸収するもので、以下の作用効果を奏す
る。
【0019】すなわち、ハブ2が、スタータワンウェイ
としての機能と、このスタータワンウェイを支持するス
タータホイールとしての機能とを兼ね備えているため
に、当該トーショナルダンパ1とともにクランクシャフ
ト61に装着されるエンジンスタータ41の構成部品か
らスタータワンウェイおよびスタータホイールが省略さ
れている。またハブ2の円筒部2bがワンウェイクラッ
チ43の外周側に配置されるために、この円筒部2bお
よびワンウェイクラッチ43が装着時における軸方向の
占有スペースを共用することになる。したがって従来技
術において、スタータギヤ、スタータワンウェイ、スタ
ータホイールおよび質量体の四部品が軸方向に一列に並
べられていたのに対して、当該実施例によれば、スター
タギヤ42および質量体6の二部品が軸方向に並べられ
ることになり、スタータワンウェイおよびスタータホイ
ールが省略された分だけ、質量体6の軸方向長さを大き
くすることができ、またはエンジンスタータ41および
トーショナルダンパ1による軸方向の占有スペースを小
さくすることができる。
【0020】またその一方で、ハブ2の円筒部2bがワ
ンウェイクラッチ43の外周側に配置されるために、こ
の円筒部2bはその径寸法が従来より大きく設定されて
おり、この円筒部2bの外周側にスリーブ4および弾性
体5を介して質量体6が接続されているために、質量体
6の径寸法も従来より大きく設定されることになる。
【0021】したがって質量体6の軸方向長さおよび径
寸法を共に従来より大きく設定することが可能なため
に、その体積にしたがって定められる慣性質量の大きさ
を従来より大きく設定することが可能となり、これによ
りトーショナルダンパ1の吸振許容範囲を拡大すること
ができ、吸振性能を向上させることができる。
【0022】またワンウェイクラッチ43およびハブ2
の円筒部2bに設けられた機能部7の組み合わせによる
クラッチ作動部の外周側にスリーブ4、弾性体5および
質量体6が配置され、クラッチ作動部が全体としてトー
ショナルダンパ1に覆われることになるために、クラッ
チ作動時に発生する作動音(放射音)や振動がカバー6
3や外部に伝わるのを抑えることができる。また上記し
たようにエンジンスタータ41の部品点数を減らすこと
ができる。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。すなわ
ち、上記した作用から導かれる結論として、慣性質量を
従来より大きく設定することができ、装着時における軸
方向の占有スペースを従来より小さく設定することがで
き、しかもクラッチ作動時に発生する作動音(放射音)
や振動がカバーや外部に伝わりにくい構造のダンパを提
供することができ、高速回転する二輪用エンジンに装着
されるに相応しいトーショナルダンパを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るダンパの装着状態を示す
半裁断面図
【図2】従来例に係るダンパの装着状態を示す半裁断面
【符号の説明】
1 トーショナルダンパ 2 ハブ 2a ボス部 2b 円筒部 2c ウェブ部 2d キー溝 3 ブッシュ 4 スリーブ 5 弾性体 6 質量体 7 機能部 41 エンジンスタータ 42 スタータギヤ 43 ワンウェイクラッチ 61 クランクシャフト 62 ボルト 63 カバー 65 ワッシャ 66 キー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタータギヤ(42)およびワンウェイ
    クラッチ(43)を備えたエンジンスタータ(41)と
    ともにクランクシャフト(61)に装着されるトーショ
    ナルダンパ(1)であって、 前記クランクシャフト(61)の端部にインロー嵌合さ
    れるボス部(2a)と、前記ワンウェイクラッチ(4
    3)の外周側に配置される円筒部(2b)とを備えたハ
    ブ(2)を有し、 前記円筒部(2b)の外周側にゴム状弾性材製の弾性体
    (5)を介して質量体(6)を接続するとともに、前記
    円筒部(2b)に、前記ワンウェイクラッチ(43)と
    組み合わされてクラッチ機能を奏するスタータワンウェ
    イとしての機能を設定したことを特徴とするダンパ。
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