JPH10299513A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JPH10299513A
JPH10299513A JP9123431A JP12343197A JPH10299513A JP H10299513 A JPH10299513 A JP H10299513A JP 9123431 A JP9123431 A JP 9123431A JP 12343197 A JP12343197 A JP 12343197A JP H10299513 A JPH10299513 A JP H10299513A
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JP
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throttle
engine
failure
opening
control
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JP9123431A
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Takuya Matsumoto
卓也 松本
Toru Hashimoto
徹 橋本
Mitsuhiro Miyake
光浩 三宅
Seiichi Inoue
誠一 井上
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、いわゆるドライブバイワイヤをそ
なえた車両に適用される、内燃機関の制御装置に関し、
ドライブバイワイヤの二重の制御系統のうち一方の制御
系統が故障した場合には、確実にドライバに修理を促す
ようにする。 【解決手段】 エンジンのスロットル弁を電気的に駆動
する複数組の電子スロットル制御系統231,232
と、上記電子スロットル制御系統231,232の故障
を判定する故障判定手段70と、全ての電子スロットル
制御系統231,232の故障が判定されるとスロット
ル弁を閉方向に駆動して所定量の吸気をエンジンに供給
する吸気量制御手段201と、故障判定手段70により
一組の電子スロットル制御系統231,232の故障が
検出されると正常な他の組の電子スロットル制御系統2
32,231によりスロットル弁を駆動するとともにア
クセルペダルの操作量に対するエンジンの出力を抑制す
る出力抑制手段234とをそなえるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スロットル弁を電
気的に駆動する電子スロットル制御装置、いわゆるドラ
イブバイワイヤ(DBW)をそなえた車両に適用され
る、内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等のエンジンにおい
て、アクセルペダルとスロットルバルブとの間を電気信
号で連絡するようにしたドライブバイワイヤ(以下、D
BWという)が開発されている。このようなDBWで
は、アクセルペダルとスロットルバルブとが機械的には
接続されておらず、アクセルペダルの操作量(アクセル
開度)の他にも種々のパラメータに基づいてコンピュー
タにより仮想のアクセル開度(疑似アクセル開度)を設
定し、これに応じてスロットルバルブを制御することが
でき、電子スロットル制御装置とも称される。
【0003】したがって、例えばアクセルペダルが操作
されていない(即ち、アクセル開度が微小な所定値以下
の)アイドル運転時に、スロットルバルブを微調整しな
がらアイドルスピードをコントロールしたりできるほ
か、車両の走行状態やエンジンの運転状態に応じてアク
セル開度(運転者の操作)を補正するようにして疑似ア
クセル開度を設定して、これに基づいたスロットル制御
により、フィーリングのよいエンジン運転を実現するこ
ともできる。
【0004】一方、近年、点火プラグにより火花点火す
る内燃機関(一般には、ガソリンエンジン)であって、
シリンダ内に直接燃料を噴射する火花点火式筒内噴射型
内燃機関(以下、エンジンという)が、実用化されてい
る。かかるエンジンでは、燃料噴射タイミングを自由に
行なえ混合気の形成状態を自由に制御できる特性を利用
して機関の燃費性能の向上と出力性能の向上とを両立さ
せることができる。
【0005】つまり、この火花点火式筒内噴射型エンジ
ンでは、圧縮行程で燃料を噴射することで、層状燃焼に
より燃料の極めて希薄な状態(即ち、空燃比が理論空燃
比よりも極めて大)での運転(超リーン燃焼運転)を行
なうことができ、その燃焼形態として超リーン運転モー
ド(圧縮行程噴射モード又は圧縮リーン運転モード)を
そなえており、燃料消費率の大幅な向上を実現すること
ができる。
【0006】火花点火式筒内噴射型エンジンでは、主と
して吸気行程で燃料を噴射する予混合燃焼運転も当然な
がら行なうことができ、この場合には、燃焼室(シリン
ダ内)へ直接燃料を噴射することにより、各燃焼サイク
ルで噴射した燃料の大半をその燃焼サイクル内で確実に
燃焼させることができるため、エンジン出力を向上させ
ることもできる。
【0007】このような予混合燃焼運転も、超リーン運
転モードほどではないが燃料の希薄な状態(即ち、空燃
比が理論空燃比よりも大)で運転を行なうリーン運転モ
ード(吸気リーン運転モード)と、空燃比が理論空燃比
となるようにO2 センサ情報等に基づいてフィードバッ
ク制御を行なうストイキオ運転モード(ストイキオフィ
ードバック運転モード)と、燃料の過濃な状態(即ち、
空燃比が理論空燃比よりも小)で運転を行なうエンリッ
チ運転モード(オープンループモード)とを、燃焼形態
として設定できる。
【0008】一般には、エンジンへの要求出力が小さけ
れば、即ち、エンジンの回転数が低く負荷も小さけれ
ば、圧縮リーン運転モードとして燃費の向上を図り、こ
れよりもエンジン回転数やエンジン負荷が増大するにし
たがって、吸気リーン運転モード,ストイキオ運転モー
ド,エンリッチ運転モードの順に選択するように構成さ
れている。
【0009】ところで、超リーン燃焼運転(圧縮リーン
運転)の場合、空燃比を大きくするために、燃焼室によ
り多くの空気を供給する必要があるが、この圧縮リーン
運転は、エンジン負荷の低い領域、即ち、アクセルペダ
ルの踏込量(アクセル開度)の小さい領域で運転を行な
うので、アクセル開度に応じたスロットルバルブ開度で
は所要の空燃比を満たすことができない。
【0010】そこで、スロットルバルブをそなえた吸気
通路を迂回するエアバイパス通路を設け、このエアバイ
パス通路に電子制御バルブ(エアバイパスバルブ)を介
装し、アクセル開度に応じたスロットルバルブ開度では
吸気不足となるときに、このエアバイパスバルブを必要
な空気量に応じて開放して空気供給を行なうようにした
技術も開発されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の火花
点火式筒内噴射型エンジンに、前述のドライブバイワイ
ヤ(DBW)を適用することも考えられる。つまり、D
BWではアクセル開度に対応せずにスロットルバルブ開
度を制御しうるので、アクセル開度に応じた量よりも多
量の空気を燃焼室に供給することができ、火花点火式筒
内噴射型エンジンの圧縮リーン運転時などにアクセル開
度が小さくても必要量の空気を燃焼室に供給することが
できるのである。
【0012】さて、このようなDBWを採用する場合、
DBWの万が一の故障に対する対策も用意しておきた
い。そこで、このような対策の一つとして、DBWに設
けられるアクセルポジションセンサ(APS)及びスロ
ットルポジションセンサ(TPS)等のセンサ類や、ス
ロットル弁を駆動するアクチュエータ等をそれぞれ複数
設けるように構成することが考えられる。
【0013】すなわち、これらのセンサ類やアクチュエ
ータ等(以下、これらをまとめて制御系統という)を二
重に設け、一方の制御系統が故障した場合には、他方の
制御系統を用いてDBWを制御するように構成するので
ある。そして、DBWにこのような二重の制御系統を設
けることでDBWのフェイルセーフ化を図り、DBWの
安全性や信頼性を高めることができるのである。
【0014】ところで、上述のようなDBWの二重の制
御系統のうち、一方の制御系統が故障した場合には、例
えばインストルメントパネル内の警告灯を点灯させて、
ドライバにセンサ等の異常を知らせたり、ドライバに修
理を促したりすればよい。しかしながら、ドライバがこ
のような警告に気がつかずに、そのまま走行を続けるこ
とも考えられる。また、仮にドライバがこのような警告
に気がついたとしても、このようなフェイルセーフシス
テムをそなえたDBWでは他方の(即ち、正常な方の)
制御系統によりDBWの制御が実行され、走行性能には
何ら影響を及ぼすことがないため、ドライバはそのまま
走行を続けることが考えられる。
【0015】そして、このように一方の制御系統が故障
した状態のまま走行を続け、さらに他方の制御系統が故
障してしまうと、今度は通常走行が困難なものとなって
しまうという課題がある。なお、特開昭64−9255
3号公報には、アクセル装置等の故障時に車両の安全性
を確保できるようにした技術が開示されているが、上記
公報の技術は、上述の課題を解決するようなものではな
かった 本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、電子ス
ロットル制御装置(ドライブバイワイヤ)をそなえた車
両において、二重の制御系統のうち一方の制御系統が故
障した場合には、ドライバに制御系統の故障を体感させ
てドライバに修理を促すようにした、内燃機関の制御装
置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の内燃機関の制御装置では、複数組の電子スロ
ットル制御系統が設けられており、このうち一組の電子
スロットル制御系統によりエンジンのスロットル弁が電
気的に駆動される。また、スロットル弁の開度はアクセ
ルペダルの操作量に基づいて設定される。
【0017】また、故障判定手段により複数組の電子ス
ロットル制御系統のうち一組の電子スロットル制御系統
の故障が判定されると、正常な他の組の電子スロットル
制御系統によりスロットル弁が駆動される。この時には
出力抑制手段によりアクセルペダルの操作量に対するエ
ンジンの出力が抑制されるため、ドライバがアクセペダ
ルを踏み込んでも、ドライバの意思よりもエンジンの出
力トルクが小さくなり、ドライバに電子スロットル制御
系統の修理を促す。
【0018】また、故障判定手段により複数組全ての電
子スロットル制御系統の故障が判定された場合には、吸
気量制御手段によりスロットル弁が閉方向に駆動され、
所定量の吸気がエンジンに供給される。なお、出力抑制
手段としては、ドライバのアクセルペダルの操作量に対
してスロットル弁の変化度合を小さくするのが好まし
い。
【0019】また、請求項2記載の本発明の内燃機関の
制御装置では、アクセルペダルの操作量はアクセル開度
検出手段により検出され、このアクセル開度検出手段の
検出結果に基づいてスロットル弁を開閉駆動するアクチ
ュエータの作動が制御される。また、スロットル弁の開
度はスロットル開度検出手段により検出されてフィード
バックされる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1〜図6は本発明の一実
施形態としての内燃機関の制御装置が適用される筒内噴
射式内燃機関を示すものであり、これらの図に基づいて
説明する。 〔筒内噴射内燃機関の全体説明〕まず、本実施例にかか
る火花点火式筒内噴射型内燃機関(以下、筒内噴射エン
ジンともいう)の構成について、図2を参照しながら説
明する。
【0021】図2において、1はエンジン本体、2は吸
気通路、3はスロットル弁設置部分、4はエアクリーナ
である。吸気通路2は、上流側から吸気管7,スロット
ルボディ5,サージタンク8,吸気マニホールド9の順
で接続された構成になっている。スロットルボディ5に
は、電気的に制御される電子制御スロットルバルブ(吸
気量調整手段)15が備えられており、この電子制御ス
ロットルバルブ15は後述するスロットル制御コンピュ
ータ(スロットルコントローラ)160を通じて開度制
御される。なお、スロットルバルブの目標開度(目標ス
ロットル開度)は、後述するエンジン制御コンピュータ
(エンジンECU)16で、アクセルポジションセンサ
(TPS1)51Aで検出されたアクセルペダル50の
踏込量(アクセル開度)及びエンジン運転状態に応じて
設定されるようになっている。
【0022】そして、このような電子制御スロットルバ
ルブ15及びエンジンECU16及びスロットルコント
ローラ160等から電子スロットル制御装置〔即ち、ド
ライブバイワイヤ(DBW)〕150が構成されてい
る。また、このような電子制御スロットルバルブ15と
並列に、リンプホームバルブ装置(LHV)12が装備
されている。このLHV12は、後述する電子制御スロ
ットルバルブ故障時(閉故障時)に機関の燃焼が成立す
るよう空気を供給するためのものであり、電子制御スロ
ットルバルブ15を迂回するようにサージタンク8上流
側に設けられたバイパス通路13と、このバイパス通路
13に介装されたLHV本体14とからなり、LHV本
体14は後述するエンジン制御コンピュータ(エンジン
ECU)16により制御されるリニアソレノイド(図示
略)で駆動されるようになっている。
【0023】また、17は排気通路、18は燃焼室であ
り、吸気通路2及び排気通路17の燃焼室18への開口
部、即ち吸気ポート2A及び排気ポート17Aには、吸
気弁19及び排気弁20が装備されている。さらに、2
1は燃料噴射弁(インジェクタ)であり、本実施形態で
は、インジェクタ21が燃焼室18へ直接燃料噴射する
ように配設されている。
【0024】また、22は燃料タンク、23A〜23E
は燃料供給路、24は低圧燃料ポンプ、25は高圧燃料
ポンプ、26は低圧レギュレータ、27は高圧レギュレ
ータ、28はデリバリパイプであり、燃料タンク22内
の燃料を低圧燃料ポンプ24で駆動して更に高圧燃料ポ
ンプ25で加圧して所定の高圧状態で燃料供給路23
A,23B,デリバリパイプ28を通じてインジェクタ
21へ供給するようになっている。この際、低圧燃料ポ
ンプ24から吐出された燃料圧力は低圧レギュレータ2
6で調圧され、高圧燃料ポンプ25で加圧されてデリバ
リパイプ28に導かれる燃料圧力は高圧レギュレータ2
7で調圧されるようになっている。
【0025】また、29は排出ガスの一部を吸気通路2
に還流する排出ガス還流通路(EGR通路)、30はE
GR29を通じた排出ガスの還流量を調整するEGRバ
ルブ(排出ガス量調整手段)であり、32はブローバイ
ガスを還元する流路であり、33はクランク室積極換気
用のバルブであり、34はキャニスタであり、35は排
出ガス浄化用触媒(ここでは、三元触媒)である。
【0026】ところで、図2に示すように、エンジンE
CU16では、インジェクタ21の駆動制御や、図示し
ない点火プラグを作動させる点火コイルの駆動制御や、
EGRバルブの開度制御や、高圧レギュレータ27によ
る燃圧制御等に加えて、LHV12の制御を、エンジン
の運転状態や故障状態に応じて行なうようになってい
る。また、スロットルコントローラ160では、電子制
御スロットルバルブ15の開閉制御をドライバのアクセ
ル指令やエンジンの運転状態や故障状態に応じて行なう
ようになっている。
【0027】そこで、エンジンECU16には、図2に
示すように、第1のアクセルポジションセンサ(APS
1)51A,エアフローセンサ(図示略),吸気温度セ
ンサ36,スロットル開度を検出するスロットルポジシ
ョンセンサ(TPS)37B,アイドルスイッチ38,
エアコンスイッチ(図示略),変速ポジションセンサ
(図示略),車速センサ(図示略),パワーステアリン
グの作動状態を検出するパワステスイッチ(図示略),
スタータスイッチ(図示略),第1気筒検出センサ4
0,クランク角センサ41,エンジンの冷却水温を検出
する水温センサ42,排出ガス中の酸素濃度を検出する
2 センサ43等から、検出信号が送信されるようにな
っている。なお、クランク角センサ41に基づいて機関
回転数(エンジン回転数)を算出しうるので、クランク
角センサ41を便宜上エンジン回転数センサとよぶ。
【0028】また、スロットルコントローラ160に
は、図2に示すように、アクセルポジションセンサ(A
PS)51B,スロットルポジションセンサ(TPS)
37A等から、検出信号が送信されるようになってい
る。そして、エンジンECU16とスロットルコントロ
ーラ160とは、互いに通信により情報を交換しうるよ
うに構成されている。
【0029】さらに、本エンジンには、自動変速機(A
T)170と、自動変速機170を制御する自動変速機
コントローラ(ATコントローラ)171とが付設され
ており、エンジンECU16とこのATコントローラ1
71との間でも通信により互いに情報を交換しうるよう
に構成されている。また、本エンジンには、オートクル
ーズ機能もそなえられており、オートクルーズ関連の入
力情報に応じて、スロットルコントローラ160による
スロットル開度制御等が行なわれるようになっている。
【0030】ところで、このような本エンジンでは、運
転モードとして、後期リーン燃焼運転モード(圧縮行程
噴射モード),前期リーン燃焼運転モード,ストイキオ
フィードバック運転燃焼運転モード,オープンループ燃
焼運転モードがあり、エンジンの運転状態(即ち、エン
ジン回転数及びエンジン負荷)や車両の走行状態等に応
じてこれらのモードの何れかが選択されるようになって
いる。
【0031】このうち、後期リーン燃焼運転モードは、
燃料噴射を圧縮行程後期のように極めて点火時期に近い
段階で行ない、しかも燃料を点火プラグの近傍に集めて
部分的にはリッチにし全体的にはリーンとしながら、層
状燃焼を行なうモードであり、着火性,燃焼安定性を確
保しつつ節約運転を行なうことのできる超希薄燃焼モー
ドである。本実施形態では総合空燃比が約24以上の領
域に設定されており、最も希薄燃焼を実現することがで
きるが、総合空燃比については、本実施形態よりも低い
領域(例えば総合空燃比が約23以上程度の範囲)に設
定してもよく、また、本実施形態よりも高い領域に設定
してもよい。
【0032】また、前期リーン燃焼運転モードも希薄燃
焼モードであるが、このモードでは、燃料噴射を後期リ
ーン燃焼運転モードよりも前(主として、吸気行程)に
行ない、燃料を予混合して全体的には理論空燃比よりも
リーンとしながら着火性,燃焼安定性を確保しつつある
程度の出力を得るようにしながら、節約運転を行なうモ
ードである。ここでは、前期リーン燃焼運転モードの領
域を、総合空燃比が約24以下で理論空燃比以上の領域
に設定されている。
【0033】また、ストイキオフィードバック燃焼運転
モードは、O2 センサの出力に基づいて、空燃比をスト
イキオ状態に維持しながら十分なエンジン出力を効率よ
く得られるようにしている。このモードでは、吸気行程
での燃料噴射に基づく予混合燃焼が行なわれる。また、
オープンループ燃焼運転モードでは、加速時や発進時等
に十分な出力が得られるように、オープンループ制御に
よりストイキオ又はリッチな空燃比での燃焼を行なう。
このモードでは、吸気行程での燃料噴射に基づく予混合
燃焼が行なわれる。
【0034】このような各運転モードは、エンジン回転
数及びエンジン負荷に応じて、後述するエンジンECU
16により選択されるが、通常は、低回転,低負荷状態
では後期リーン燃焼運転モードが選択され、エンジン回
転数やエンジン負荷が増加していくと、前期リーン燃焼
運転モード、ストイキオ燃焼運転モードの順に切り替え
られ、さらにエンジン回転数やエンジン負荷が増加すれ
ばオープンループモード(エンリッチ燃焼運転モード)
へと切り替えられる。
【0035】エンジンECU16では、このように運転
モードを選択した上で、各種制御を行なうが、スロット
ルバルブ制御に着目すると、圧縮行程で燃料噴射して空
燃比の極めて大きい後期リーン燃焼運転モードでは、目
標空燃比を実現するためには、アクセル開度に応じたス
ロットルバルブ開度では空気不足になるため、アクセル
開度に応じたスロットルバルブ開度よりも大幅に大きい
目標開度(疑似目標開度)を設定してこれに基づいてス
ロットルバルブの開度制御を行なうようになっている。
また、ストイキオフィードバック燃焼運転モードやオー
プンループ燃焼運転モードでも、アクセル開度に応じた
スロットルバルブ開度では空気不足になる場合があり、
この場合には、アクセル開度に応じたスロットルバルブ
開度よりも適当に大きい目標開度(疑似目標開度)を設
定してこれに基づいてスロットルバルブの開度制御を行
なうようになっている。 〔吸気制御系の説明〕ここで、本発明の制御装置に関す
る電子スロットル制御装置(DBW)150及びLHV
12の制御系(即ち、リンプホームバルブ制御装置)1
20に着目して説明すると、これらの制御系は、図1に
示すように構成される。
【0036】つまり、DBW150を構成する電子制御
スロットルバルブ15は、スロットルボディ5内の吸気
通路5Aに介装されたバタフライ弁151と、バタフラ
イ弁151を支持する軸152に外装されてバタフライ
弁151に閉動付勢力を与えるリターンスプリング15
3と、軸152を回転駆動する電動モータ(スロットル
アクチュエータ)154と、アクチュエータ154と軸
152との間に介装されたギヤ機構155とをそなえて
いる。
【0037】そして、軸152には、バタフライ弁15
1の開度(スロットル弁開度)を検出するスロットルポ
ジション37として、第1のスロットルポジションセン
サ(TPS1)37Aと第2のスロットルポジションセ
ンサ(TPS2)37Bとが付設されている。このよう
に、本装置では、二つのスロットルポジションセンサ
(TPS1,TPS2)37A,37Bが設けられてい
るが、これは、スロットルポジションセンサ37A,3
7Bの故障時にそなえたものである。
【0038】DBW150は、このような電子制御スロ
ットルバルブ15と、この電子制御スロットルバルブ1
5の目標開度を設定するエンジンECU16と、エンジ
ンECU16で設定された目標開度に基づいてアクチュ
エータ154の作動を制御してスロットルバルブ開度を
調整するスロットルコントローラ160とから構成され
ている。
【0039】このため、図1に示すように、エンジンE
CU16には、目標開度設定部16Aがそなえられ、ス
ロットルコントローラ160には、スロットル開度フィ
ードバック制御部160Aがそなえられている。図3は
スロットル制御に着目した制御ブロック図であり、図3
に示すように、エンジンECU16の目標開度設定部1
6Aには、第1のアクセルポジションセンサ(APS
1)51Aからの検出情報とクランク角センサ41(図
2参照)の検出結果から得られるエンジン回転数とから
目標エンジントルクを設定する機能16aと、この設定
された目標エンジントルクに吸気温補正及び大気圧補正
を施す機能16bと、エアコン,電気負荷等に関する補
正を施す機能16cと、この補正後の目標エンジントル
クとエンジン回転数とから目標スロットル開度を設定す
る機能16dとがそなえられる。
【0040】目標開度設定部16Aには、さらに、第2
のスロットルポジションセンサ(TPS2)37Bから
の検出情報に基づいてダッシュポット制御開度を設定す
る機能16eと、水温センサ(WTS)で検出されたエ
ンジンの冷却水温情報等に応じてアイドルスピード制御
開度を設定する機能16fとをそなえるとともに、これ
らの各設定開度の中から最大値を選択する機能16gを
そなえており、選択した最大設定開度をスロットルバル
ブの目標開度として、スロットルコントローラ160に
出力するようになっている。
【0041】そして、スロットルコントローラ160の
スロットル開度フィードバック制御部160Aでは、こ
のエンジンECU16から出力されたスロットルバルブ
目標開度に応じてモータ駆動電流を決定し、アクチュエ
ータ(スロットル制御サーボともいう)154の駆動を
制御するが、この際、スロットルコントローラ160内
では、第1のスロットルポジションセンサ(TPS1)
37Aで検出されたスロットルバルブ開度(実開度)に
応じてスロットルバルブをフィードバック制御するよう
になっている。
【0042】ところで、本装置では、図1に示すよう
に、スロットルポジションセンサ(TPS1,TPS
2)37A,37Bの場合と同様に、アクセルポジショ
ンセンサ51も、第1のアクセルポジションセンサ(A
PS1)51Aと第2のアクセルポジションセンサ(A
PS2)51Bとの二つが設けられているが、これも故
障時にそなえたものである。
【0043】そして、第1のアクセルポジションセンサ
(APS1)51Aの検出信号はエンジンECU16に
入力されてスロットルバルブ目標開度の設定に用いら
れ、第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51
Bの検出信号はスロットルコントローラ160に入力さ
れて、第1のアクセルポジションセンサ51Aの故障時
にはこの第2のアクセルポジションセンサ51Bの検出
信号がスロットルコントローラ160から通信によりエ
ンジンECU16に送信されてスロットルバルブ目標開
度の設定に用いられるようになっている。
【0044】スロットルポジションセンサ37Bについ
ても、第1のスロットルポジションセンサ(TPS1)
37Aの検出信号はスロットルコントローラ160に入
力されてスロットルバルブ15のフィードバック制御に
用いられ、第2のスロットルポジションセンサ(TPS
2)37Bの検出信号はエンジンECU16に入力され
て、前述のダッシュポット制御等に用いられるほか、第
1のスロットルポジションセンサ37Aの故障時にはこ
の第2のスロットルポジションセンサ37Bのの検出信
号がエンジンECU16から通信によりスロットルコン
トローラ160に送信されてスロットルバルブのフィー
ドバック制御に用いられるようになっている。
【0045】一方、リンプホームバルブ装置12は、ス
ロットルボディ5内の吸気通路5Aと並列に(即ち、電
子制御スロットルバルブ15のバタフライ弁151の上
流側と下流側との間に)装備されたバイパス通路13
と、このバイパス通路13にLHV本体14と、このL
HV本体14を開閉駆動する図示しないリニアソレノイ
ドと、このリニアソレノイドの作動を制御するエンジン
ECU16とから構成され、その制御系(リンプホーム
バルブ制御装置)120は、リニアソレノイド及びエン
ジンECU16とから構成される。
【0046】リンプホームバルブ装置12は、DBW1
50の万が一の故障に対処するためにそなえられている
が、本装置では、このようなDBW150の故障対策と
して、エンジンECU16及びスロットルコントローラ
160において、種々の故障判定を行なうようになって
おり、各故障判定に対して例えばリンプホームバルブ装
置12を用いるなどしてそれぞれの対応処理を行なうよ
うになっている。
【0047】なお、図1に示すように、この故障対応処
理に利用しうるように、バッテリ61からスロットルコ
ントローラ160への電源供給回路には、電源リレー6
2が介装されており、エンジンECU16によって適宜
オン・オフしうるようになっている。ここで、各故障判
定処理について説明する。 A.ポジションフィードバック故障 まず、電子制御スロットルバルブ15の開度(ポジショ
ン)を、指令通りに調整できないという故障(ポジショ
ンフィードバック故障)の判定処理について説明する。
【0048】ポジションフィードバックの故障とは、
バルブ系の固着(全閉固着を含む)や、モータ出力オ
ープン故障があり、ポジションフィードバック故障信号
を受信した場合に、故障と判定する。ただし、イグニ
ッションスイッチがオンである。モータリレーがオン
である、又は、エンジンECU16からスロットルコン
トローラ160への通信異常が発生している。バッテ
リ電圧Vbが所定値以上ある。スロットルコントロー
ラ160からエンジンECU16への通信異常は発生し
ていない。といった故障判定前提条件が全て成立した場
合にこの故障判定を行なう。
【0049】このポジションフィードバック故障の一つ
に、電子制御スロットルバルブ15の固着があるが、こ
の場合、第1のスロットルポジションセンサ(TPS
1)37Aで固着した電子制御スロットルバルブ15の
開度を検出できる。そこで、この開度情報から、スロッ
トルバルブ15が第1所定開度以上で固着した場合(バ
ルブ開固着)には、開固着対応処理(バルブ開固着フェ
ール処理)を行ない、スロットルバルブ15が第2所定
開度以下で固着した場合(バルブ閉固着)には、閉固着
対応処理(バルブ閉固着フェール処理)を行なうように
なっている。 B.モータ故障 モータ故障には、モータ地絡,モータ天絡(過電流
検出)があるが、モータ出力の地絡,天絡故障信号を受
信した場合に、故障と判定する。ただし、モータリレ
ーがオンである。スロットルコントローラ160から
エンジンECU16への通信異常は発生していない。と
いった故障判定前提条件が全て成立した場合にこの故障
判定を行なう。このようなモータ故障時には、後述する
リンプホームモード処理を行なう。 C.TPS故障 スロットルポジションセンサ37には、第1及び第2の
2つのTPS37A,37Bがあるが、スロットルコン
トローラ160によるフィードバック制御に用いられる
第1のスロットルポジションセンサ(TPS1)37A
については、電流回路のオープン又はショートによる
故障とリニアリティ不良とがあり、第2のスロットル
ポジションセンサ(TPS2)37Bについては、特
性異常と電流回路のオープン又はショートによる故障
とがあり、それぞれの故障信号を受信した場合に、故障
と判定する。
【0050】ただし、この故障判定は、イグニッショ
ンスイッチがオンである。スロットルコントローラ1
60からエンジンECU16への通信異常は発生してい
ない。という故障判定前提条件が全て成立した場合にお
いて行なう。そして、第1のスロットルポジションセン
サ(TPS1)37Aの故障時には、スロットルバルブ
のフィードバック制御に支障を来すので、エンジンの運
転領域を制限する処理を行なう。また、第1のスロット
ルポジションセンサ(TPS1)37Aの故障時に、既
に第2のスロットルポジションセンサ(TPS2)37
Bが故障していたり、後述する通信異常(エンジンEC
U16からスロットルコントローラ160への通信異
常)があると、リンプホーム処理を行なう。 D.通信故障 通信は、エンジンECU16とスロットルコントローラ
160との間で行なわれ、通信故障には、エンジンEC
U16からスロットルコントローラ160への通信異常
と、スロットルコントローラ160からエンジンECU
16への通信異常とがある。
【0051】・エンジンECU16からスロットルコン
トローラ160への通信異常については、スロットルコ
ントローラ160がエンジンECU16からの通信故障
信号を受信した場合に、故障と判定する。ただし、この
故障判定は、バッテリ電圧Vbが所定値以上ある。
スロットルコントローラ160からエンジンECU16
への通信異常は発生していない。といった故障判定前提
条件が全て成立した場合において行なう。
【0052】この通信故障時には、エンジンECU16
で設定されたスロットルバルブの目標開度をスロットル
コントローラ160で取り込めず、吸気量制御を適切に
行なえないおそれが高くなるため、次のような処理を行
なう。 リーン運転禁止処理 クルーズコントロール制御禁止処理 エンジン高回転時(例えばNe≧3000rpm)燃
料カット処理 ・スロットルコントローラ160からエンジンECU1
6への通信異常については、以下の条件のいずれかが成
立した場合に、故障と判定する。
【0053】チェックサムエラーがある。 オーバラン・フレーミングエラーがある。 所定時間(例えば25msec間)通信未完である。 ただし、この故障判定は、バッテリ電圧Vbが所定値
以上ある。クルージングスイッチがオフである。とい
った故障判定前提条件が全て成立した場合において行な
う。
【0054】この通信故障時にも、エンジンECU16
がスロットルコントローラ160から制御信号等を取り
込めず、吸気量制御を適切に行なえないおそれが高くな
るため、次のような処理を行なう。 スロットルコントローラ160に通信フェイルを送信 リーン運転禁止処理 クルーズコントロール制御禁止処理 エンジン高回転時(例えばNe≧3000rpm)燃
料カット処理 ブレーキ踏込時、エンジンECU16からのスロット
ルバルブ15の指令目標開度を上限クリップする。 E.スロットルコントローラ故障 スロットルコントローラ160の故障については、以下
〜の条件の全てが成立した場合、又は、以下〜
の条件の全てが成立した場合に、故障と判定する。
【0055】イグニッションスイッチがオンである。 第2アクセルポジションセンサ(APS2)51B及
び第2スロットルポジションセンサ(TPS2)37B
に異常がない。 エンジンECU16からスロットルコントローラ16
0への通信異常が発生している。
【0056】 |(VAPS2)/2−(5v−VTPS2)|≧1v イグニッションスイッチがオンである。 第2アクセルポジションセンサ(APS2)51B及
び第2スロットルポジションセンサ(TPS2)37B
に異常がない。 スロットルコントローラ160からエンジンECU1
6への通信異常が発生している。
【0057】 |(エンジンECU指令開度電圧−VTPS2)|≧1v このようなスロットルコントローラ160の故障が判定
されたら、リンプホーム処理を行なう。 F.APS故障 アクセルポジションセンサ51には、第1及び第2の2
つのAPS51A,51Bがあるが、これらの第1及び
第2のアクセルポジションセンサ(APS1,APS
2)51A,51Bについては、電流回路のショート
による故障,センサGNDオープンによる故障と、電
流回路のオープンによる故障,センサGNDショートに
よる故障と、特性異常とがある。 ・第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51B
の電流回路のショートによる故障,センサGNDオープ
ンによる故障は、通信異常がなく、且つ、第1のア
クセルポジションセンサ(APS1)51Aに異常がな
いという条件が成立していることを前提に、以下の両条
件が成立したら判定する。
【0058】第2のアクセルポジションセンサ51B
の出力値VAPS2が所定値V1以上である(例えはV1=
4.5vとすると、VAPS2≧4.5vである)。 第1のアクセルポジションセンサ51Aの出力値V
APS1が所定領域内にある(例えは0.2v≦VAPS1
2.5v)である。 ・第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51B
の電流回路のオープンによる故障,センサGNDショー
トによる故障は、第2のアクセルポジションセンサ51
Bの出力値VAPS2が所定値V2以下である(例えはV2
=0.2vとすると、VAPS2<0.2vである)ときに
判定する。 ・第1のアクセルポジションセンサ(APS1)51A
の電流回路のショートによる故障,センサGNDオープ
ンによる故障は、通信異常がなく、且つ、第2のア
クセルポジションセンサ(APS2)51Bに異常がな
いという条件が成立していることを前提に、以下の両条
件が成立したら判定する。
【0059】第1のアクセルポジションセンサ51A
の出力値VAPS1が所定値V3以上である(例えはV2=
4.5vとすると、VAPS1≧4.5vである)。 第2のアクセルポジションセンサ51Bの出力値V
APS2が所定領域内にある(例えは0.2v≦VAPS2
2.5v)である。 ・第1のアクセルポジションセンサ(APS1)51A
の電流回路のオープンによる故障,センサGNDショー
トによる故障は、第1のアクセルポジションセンサ51
Aの出力値VAPS1が所定値V4以下である(例えはV4
=0.2vとすると、VAPS1<0.2vである)ときに
判定する。 ・また、アクセルポジションセンサの特性異常は、アイ
ドルスイッチがオン(即ち、アイドル運転中)を前提条
件に、VAPS2≧1.1vのときに判定する。
【0060】そして、第2のアクセルポジションセンサ
51Bの故障時には、次のような処理を行なう。 VAPS =VAPS1/2に設定 リーン運転禁止処理 クルーズコントロール制御禁止処理 エンジン出力上限クリップ処理 ただし、第2のアクセルポジションセンサ(APS2)
51Bの故障検出後に、スロットルコントローラ160
からエンジンECU16への通信異常が生じた場合に
は、リンプホーム処理を行なう。
【0061】また、第1のアクセルポジションセンサ5
1Aの故障時には、次のような処理を行なう。 VAPS =VAPS2/2に設定 リーン運転禁止処理 クルーズコントロール制御禁止処理 エンジン出力上限クリップ処理 ただし、既に第2のアクセルポジションセンサ(APS
2)51Bが故障していれば、リンプホーム処理を行な
う。
【0062】アクセルポジションセンサの特性異常時に
は、次のような処理を行なう。 VAPS =VAPS1/2に設定 リーン運転禁止処理 クルーズコントロール制御禁止処理 エンジン出力上限クリップ処理 ただし、既に第1のアクセルポジションセンサ(APS
1)51Aが故障していれば、リンプホーム処理を行な
う。
【0063】G.LHV故障 LHV12の故障は、LHVソレノイドがオフ、且
つ、端子電圧Lo検出された場合に行なう。このLH
V12の故障時には、以下の処理を行なう。 強制圧縮リーン運転とする。
【0064】エンジン高回転時(例えばNe≧300
0rpm)燃料カット処理 EGRをカットする。 アイドルスピードコントロールのエンジン回転数フィ
ードバック制御を禁止する。 ところで、リンプホーム処理は次のように行なう。
【0065】A:燃料カット処理 1)前進走行時 第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51B
の出力値が所定値以下〔(5v−VAPS2)>1.5v〕
のときには、全気筒燃料噴射する。 第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51B
の出力値が所定値以上〔(5v−VAPS2)≦1.5v〕
のときには、一部の気筒(例えば全6気筒なら3気筒)
を燃料噴射カットする。
【0066】第2のアクセルポジションセンサ(AP
S2)51Bの故障時には、一部の気筒(例えば全6気
筒なら3気筒)を燃料噴射カットする。 ブレーキ踏込時には、一部の気筒(例えば全6気筒な
ら3気筒)を燃料噴射カットする。 2)後退走行時 一部の気筒(例えば全6気筒なら3気筒)を燃料噴射カ
ットする。
【0067】B:モータリレーをオフにする。 C:LHV12をオンにする〔ただし、ブレーキ踏込時
(ブレーキスイッチオン時)には所定時間(例えば2秒
間)LHV12を5Hzでデューティ制御する。 D:リーン運転を禁止する。
【0068】E:クルーズコントロール制御禁止処理 F:エンジン回転数フィードバック制御を禁止する。 G:警告灯を点灯する。 H:一旦リンプホームモードに移行したら、イグニッシ
ョンスイッチがオフ操作されるまでは正常復帰しない。
【0069】さて、次に本発明の特徴となる部分に着目
して説明する。上述したように、このドライブバイワイ
ヤ(DBW)150では、ドライブバイワイヤ150の
故障時にそなえて2つのアクセルポジションセンサ(ア
クセル開度検出手段)51A,51B及び2つのスロッ
トルポジションセンサ(スロットル開度検出手段)37
A,37Bが設けられており、これにより2組の電子ス
ロットル制御系統231,232が構成されている(図
6参照)。
【0070】ここで、第1の電子スロットル制御系統
(以下、第1制御系統という)231は、第1のアクセ
ルポジションセンサ(APS1)51A,第1のスロッ
トルポジションセンサ(TPS1)37A及び電動モー
タ(スロットルアクチュエータ)154とから構成さ
れ、第2の電子スロットル制御系統(以下、第2制御系
統という)232は、第2のアクセルポジションセンサ
(APS2)51B,第2のスロットルポジションセン
サ(TPS2)37B及び電動モータ(スロットルアク
チュエータ)154とから構成されている。なお、本実
施形態においては、第1制御系統231と第2制御系統
232とで共通のモータ154を用いているが、第1,
第2制御系統231,232においてそれぞれ異なるモ
ータを設けて構成してもよい。
【0071】そして、通常時には、上述したように、第
1のアクセルポジションセンサ(APS1)51Aから
のアクセル開度情報に基づいてスロットルコントローラ
160にてスロットル開度が設定され、スロットルコン
トローラ160からの制御信号に基づいて、バタフライ
弁151が設定開度となるように電動モータ154が駆
動される。また、このバタフライ弁151の開度は第1
のスロットルポジションセンサ(TPS1)37Aによ
り、スロットルコントローラ160のフィードバック制
御部160Aにフィードバックされるようになってい
る。
【0072】一方、図1,図6に示すように、ECU1
6及びスロットルコントローラ160には、故障判定手
段70が設けられており、この故障判定手段70によ
り、各センサ類やモータ154の故障が判定されるよう
になっている。そして、第1制御系統231のうち、第
1のアクセルポジションセンサ(APS1)51Aや第
1のスロットルポジションセンサ(TPS1)37Aが
故障していると判定されると、第2制御系統232によ
り、DBW150が制御されるのである。
【0073】このように、DBW150の制御系統を二
重化することにより、一方の制御系統231が故障して
も、他方の制御系統232によりDBW150を制御す
ることでフェイルセーフを図るようになっているのであ
る。また、第1制御系統231の故障が判定された場合
には、ECU16により警告手段180が作動するよう
になっている。この警告手段180は、例えば車両のイ
ンストルメントパネル内に設けられた警告灯であって、
この警告灯を点灯させることにより、第1制御系統23
1に故障が生じたことをドライバに知らせ、早期の修理
を促すようになっている。
【0074】ところで、このような第1制御系統231
の故障時であっても、ドライバが上述のような警告に気
がつかずにそのまま走行を続けることも考えられる。ま
た、仮にドライバがこのような警告に気がついたとして
も、上述したような二重の制御系統をそなえたDBW1
50では、他方の制御系統232によりDBW150の
制御が実行され、走行性能には何ら影響を及ぼすことが
ないため、ドライバはそのまま走行を続けることが考え
られる。
【0075】そして、一方の制御系統231が故障した
状態で走行を続け、その後さらに他方の制御系統232
が故障してしまうと、今度は通常走行が困難なものとな
ってしまう。なお、この場合には上述したリンプホーム
処理が実行されるため、最低限の走行能力は確保される
ものの通常の走行は困難な状態となるのである。そこ
で、本発明の内燃機関の制御装置では、第1制御系統2
31のアクセルポジションセンサ(APS1)51Aの
故障が判定された場合には、ドライバのアクセルペダル
踏み込み量に対するスロットル弁15の開度を意図的に
抑制するように構成されているのである。
【0076】すなわち、図1に示すように、スロットル
コントローラ160には出力抑制手段234が設けられ
ており、この出力抑制手段234では、故障判定手段7
0によってアクセルポジションセンサ(APS1)51
Aの故障が判定されると、ドライバのアクセルペダル踏
み込み量に対応して設定されるスロットル弁15の開度
よりも実際の弁開度を低下させて、ドライバに第1制御
系統231の故障を認識させるようになっているのであ
る。
【0077】ここで、出力抑制手段234によるエンジ
ン出力の抑制制御について説明すると、第1制御系統2
31の故障が判定された場合には、第2のアクセルポジ
ションセンサ(APS2)51Bにより得られるアクセ
ル開度出力値VAPS2の1/2をアクセル開度として設定
するようになっている。即ち、スロットルコントローラ
160では、VAPS =VAPS2/2と設定することで、ア
クセル開度に基づくスロットル弁15の開度を通常時の
半分に設定するようになっているのである。
【0078】そして、このような出力抑制手段234を
設けることにより、第1制御系統231の故障時にはド
ライバの要求に対するエンジン出力が抑制されるので、
ドライバは車両の異常を体感することになり、ドライバ
に第1制御系統231の故障を確実に認識させることが
できるのである。また、ドライバが第1制御系統231
の故障を警告手段180の作動により認識していながら
走行を続けた場合でも、エンジン出力が抑制されるため
にドライバに修理の必要性を認識させることができるの
である。
【0079】なお、第1制御系統231が正常で、第2
制御系統232が異常と判定された場合も上述と同様の
制御が行なわれるようになっている。すなわち、この場
合には、VAPS =VAPS1/2と設定され、エンジンの出
力がやはり抑制されるようになっているのである。とこ
ろで、故障判定手段70により、両方の制御系統23
1,232の故障が判定されるとリンプホーム処理が実
行されるが、リンプホーム処理モードとなると、スロッ
トルコントローラ160に設けられた吸気量制御手段2
01により、モータリレーがオフに制御されて電動モー
タ154の電源が遮断されるとともに、LHV12がオ
ンに制御されるようになっている。
【0080】この場合は、電動モータ154の電源がオ
フに制御されることにより、スロットル弁15の弁体
(バタフライ弁)151がリターンスプリング153の
付勢力により閉動駆動され、スロットル弁15が略全閉
状態となる。また、LHV12がオンに制御されること
によりバイパス通路13が開放されて、吸気通路2に取
り入れられた吸気はスロットルボディ5内のバイパス通
路13を通って一定量の吸気がエンジン1に供給される
ようになっている。
【0081】したがって、万が一両方の制御系統23
1,232が故障したとしても、車両の走行に必要な最
低限の吸気量が確保されるので、車両が立ち往生するこ
となく、修理工場等までは自力で走行できるようになっ
ているのである。ここで、車両の走行に必要な最低限の
吸気量とは、例えば車両が80km/h程度の車速で走
行可能な程度の吸気量である。
【0082】なお、上述では、電子スロットル制御系統
として2組の制御系統231,232を設けた場合につ
いて説明しているが、電子スロットル制御系統を3組以
上設けて構成してもよい。そして、このような出力抑制
手段234を設けることにより、ドライバの要求に対す
るエンジン出力が抑制されるとともに、ブレーキ踏込時
にはエンジン出力が低下するので、ドライバは車両の異
常を体感して、ドライバに第1制御系統231の故障を
確実に認識させることができるのである。
【0083】本発明の一実施形態としての内燃機関の制
御装置は、上述のように構成されているので、吸気制御
系の故障、即ち、電子スロットル制御装置(DBW)1
50及びLHV12系の故障に対しては、例えば図4に
示すように、処理が行なわれる。つまり、まず、LHV
故障判定ルーチン(ステップA10)により、LHV故
障の判定にかかる処理を行なう。LHV故障の判定は、
LHVソレノイドがオフであるか否か、及び、端子
電圧Lo検出されているか否かを判定するが、LHV
ソレノイドがオフ且つ端子電圧Lo検出されていれ
ば、LHV故障であると判定する。この場合には、ステ
ップA20の判定を経て、ステップA30でエンジン出
力抑制処理を行なう。具体的には、次の各処理を行な
う。
【0084】運転モードを強制的に後期リーン燃焼運
転モード(圧縮行程噴射モード)に設定し、エンジン出
力の抑制を図る。 エンジン回転数Neが所定回転数(例えば3000r
pm)以上になったら、燃料をカット(燃料供給停止)
を行ない、エンジン出力の抑制を図る。 EGRをカット(停止)し、排気ガス浄化よりも安定
燃焼を優先させる。
【0085】アイドルスピードコントロールについ
て、エンジン回転数フィードバック制御を禁止して、安
定燃焼を優先させる。一方、LHV故障でなければ、ス
テップA20の判定を経て、ステップA40に進み、A
PSフェイルフラグFfail1 が1であるか否かを判定す
る。このAPSフェイルフラグFfail1 は、アクセルポ
ジションセンサ(APS)51A,51Bのいずれかが
故障した場合には1となり、そうでなければ0となる。
ここで、フラグFfail1 が1であればステップA80の
APS二重故障判定ルーチンへ進み、フラグFfail1
1でなければステップA50のAPS故障判定ルーチン
へ進む。
【0086】ステップA50のAPS故障判定ルーチン
では、第1のアクセルポジションセンサ(APS1)5
1A,第2のアクセルポジションセンサ(APS2)5
1Bのそれぞれについて、電流回路のショートによる
故障,センサGNDオープンによる故障、電流回路の
オープンによる故障,センサGNDショートによる故
障、特性異常時について、前述のような判定処理を行
なう。
【0087】ここで、APS故障が判定されると、ステ
ップA70を経て、ステップA80に進み、APS故障
が二重故障、即ち、第1及び第2のアクセルポジション
センサ(APS1,APS2)51A,51Bがいずれ
も故障しているか否かが判定される。APSが二重故障
なら、ステップA300に進み、リンプホーム処理を行
ない、APSが二重故障でなければ、即ち、2つのAP
Sの一方のみが故障している場合は、ステップA90に
進む。
【0088】ステップA90では、ブレーキスイッチが
オンか否か、即ち、ブレーキ操作が行なわれているか否
かが判定される。ブレーキ操作が行なわれていれば、ス
テップA100に進み、スロットル開度指令値を所定の
上限値にクリップ処理して、吸気量を抑えることで、エ
ンジン出力を抑制する。ブレーキ操作が行なわれていな
ければステップA120に進み、APS故障に応じて、
各故障時処理を行なう。
【0089】つまり、第2のアクセルポジションセンサ
51Bの故障時には、VAPS =VAPS1/2に設定し、
リーン運転を禁止し、クルーズコントロール制御を
禁止し、エンジン出力上限をクリップ処理する。ただ
し、第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51
Bの故障検出後に、スロットルコントローラ160から
エンジンECU16への通信異常が生じた場合には、リ
ンプホーム処理を行なう。
【0090】第1のアクセルポジションセンサ51Aの
故障時には、VAPS =VAPS2/2に設定し、リーン
運転を禁止し、クルーズコントロール制御を禁止し、
エンジン出力上限をクリップ処理する。ただし、既に
第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bが
故障していれば、リンプホーム処理を行なう。また、ア
クセルポジションセンサの特性異常時には、VAPS
APS1/2に設定し、リーン運転を禁止し、クルー
ズコントロール制御を禁止し、エンジン出力上限をク
リップする。ただし、既に第1のアクセルポジションセ
ンサ(APS1)51Aが故障していれば、リンプホー
ム処理を行なう。
【0091】一方、APS故障でない場合は、ステップ
A60からステップA130のETV判定ルーチンへ進
む。このETV判定ルーチンでは、スロットルコントロ
ーラの故障を判定する。イグニッションスイッチがオ
ンであり、第2アクセルポジションセンサ(APS
2)及び第2スロットルポジションセンサ(TPS2)
に異常がなく、エンジンECU16からスロットルコ
ントローラ160への通信異常が発生していて、|
(VAPS2)/2−(5v−VTPS2)|≧1vである場
合、又は、イグニッションスイッチがオンであり、
第2アクセルポジションセンサ(APS2)及び第2ス
ロットルポジションセンサ(TPS2)に異常がなく、
スロットルコントローラ160からエンジンECU1
6への通信異常が発生していて、|(エンジンECU
指令開度電圧−VTPS2)|≧1vの場合、スロットルコ
ントローラの故障と判定する。
【0092】スロットルコントローラの故障が判定され
たら、ステップA140を経て、ステップA300に進
み、リンプホーム処理を行ない、スロットルコントロー
ラの故障が判定されなければ、ステップA150の通信
故障判定ルーチンへ進む。この通信故障判定ルーチンで
は、通信故障には、エンジンECU16からスロットル
コントローラ160への通信異常と、スロットルコント
ローラ160からエンジンECU16への通信異常とが
判定される。
【0093】エンジンECU16からスロットルコント
ローラ160への通信異常については、バッテリ電圧
Vbが所定値以上あり、スロットルコントローラ16
0からエンジンECU16への通信異常は発生していな
い状況下(ゾーン)において判定し、スロットルコント
ローラ160がエンジンECU16からの通信故障信号
を受信した場合に、故障と判定する。
【0094】スロットルコントローラ160からエンジ
ンECU16への通信異常については、バッテリ電圧
Vbが所定値以上あり、クルージングスイッチがオフ
である状況下(ゾーン)において判定し、チェックサ
ムエラーがあり、オーバラン・フレーミングエラーが
あり、所定時間(例えば25msec間)通信未完で
ある場合に、故障と判定する。
【0095】このような通信故障が判定されたら、ステ
ップA160を経て、ステップA170に進み、通信故
障対応処理を行なう。つまり、エンジンECU16から
スロットルコントローラ160への通信異常時には、吸
気量制御を適切に行なえないおそれが高くなるため、
リーン運転を禁止し、クルーズコントロール制御を禁
止し、エンジン高回転時(例えばNe≧3000rp
m)には燃料カットを行なう。
【0096】また、スロットルコントローラ160から
エンジンECU16への通信異常時には、吸気量制御を
適切に行なえないおそれが高くなるため、スロットル
コントローラ160に通信フェイルを送信して、リー
ン運転を禁止し、クルーズコントロール制御を禁止
し、エンジン高回転時(例えばNe≧3000rp
m)には燃料カットを行ない、ブレーキ踏込時には、
エンジンECU16からのスロットルバルブの指令目標
開度を上限クリップする。
【0097】通信故障が判定されなければ、ステップA
160を経て、ステップA180のモータ故障判定ルー
チンに進む。モータ故障判定ルーチンでは、モータリ
レーがオンであり、スロットルコントローラ160か
らエンジンECU16への通信異常は発生していない状
況下(ゾーン)で、モータ出力の地絡,天絡故障信号を
受信した場合に、モータ故障と判定する。
【0098】このモータ故障判定時には、ステップA1
90を経て、ステップA300に進み、リンプホーム処
理を行ない、モータ故障が判定されなければ、ステップ
A200のTPS故障判定ルーチンに進む。TPS故障
判定ルーチンでは、イグニッションスイッチがオンで
あり、スロットルコントローラ160からエンジンE
CU16への通信異常は発生していないという状況下
(ゾーン)で、それぞれの故障信号を受信した場合に、
故障と判定する。なお、スロットルコントローラ160
によるフィードバック制御に用いられる第1のスロット
ルポジションセンサ(TPS1)37Aについては、
電流回路のオープン又はショートによる故障とリニア
リティ不良とがあり、第2のスロットルポジションセン
サ(TPS2)37Bについては、特性異常と電流
回路のオープン又はショートによる故障とがある。
【0099】このようなTPS故障判定ルーチンの判定
結果に基づいて、ステップA210で、TPS1とTP
S2とのいずれか一方が故障しているか否かが判定され
る。ここで、TPS1とTPS2とのいずれか一方が故
障していれば、ステップA220に進み、TPS1とT
PS2との両方が共に故障しているか否かが判定され
る。
【0100】TPS1とTPS2との両方が共に故障し
ていれば、ステップA300に進み、リンプホーム処理
を行ない、そうでなければ(即ち、TPS1とTPS2
とのいずれか一方のみが故障している場合)、ステップ
A230に進み、リーンモード禁止処理を行なう。この
リーンモード禁止処理は、リーンモードは、高精度なス
ロットル制御の基に成立するモードなので、TPS故障
時にはリーンモードでは安定燃焼を損なうおそれがあ
る。これを回避するためにリーンモードを禁止するので
ある。
【0101】一方、スロットルポジションセンサ(TP
S)がいずれも故障していなければ、ステップS210
を経て、ステップS240のポジションフィードバック
故障判定ルーチン(POS F/B故障判定ルーチン)
に進む。ポジションフィードバック故障判定ルーチンで
は、ポジションフィードバックの故障、つまり、バル
ブ系の固着(全閉固着を含む)や、モータ出力オープ
ンを判定するが、この判定は、イグニッションスイッ
チがオンであって、モータリレーがオンである、又
は、エンジンECU16からスロットルコントローラ1
60への通信異常が発生していて、バッテリ電圧Vb
が所定値以上あり、スロットルコントローラ160か
らエンジンECU16への通信異常は発生していない状
況下(ゾーン)で、ポジションフィードバック故障信号
を受信した場合に、故障と判定する。
【0102】ポジションフィードバック故障が判定され
なければ、ステップA250を経て、故障処理は行なわ
ない(リターンする)が、ポジションフィードバック故
障が判定されれば、ステップA250を経て、ステップ
A260に進み、第2スロットルバルブ開度VTPS2が所
定値K1(K1:バルブ全開に近い値)以上か否かが判
定される。ここで、第2スロットルバルブ開度VTPS2
所定値K1以上なら、ステップA280へ進み、バルブ
開固着フェイル処理を行なう。
【0103】ステップA260で、第2スロットルバル
ブ開度VTPS2が所定値K1以上でなければ、ステップA
270に進み、第2スロットルバルブ開度VTPS2が所定
値K2(K2:バルブ全閉に近い値)以下か否かが判定
される。ここで、第2スロットルバルブ開度VTPS2が所
定値K2以下なら、ステップA290へ進み、バルブ閉
固着フェイル処理を行なう。
【0104】また、第2スロットルバルブ開度V
TPS2が、所定値K1,K2の間の値であれば、ステップ
A300に進み、リンプホーム処理を行なう。そして、
ステップA300のリンプホーム処理は、図5に示すよ
うに行なわれる。つまり、リーン運転モードを禁止する
(ステップB10)。つまり、高精度なスロットル制御
を要求するリーン運転モードを回避して、ストイキオモ
ード等によってより安定した燃焼が行なえるようにす
る。
【0105】次に、モータリレー(電源リレー)62を
オフにする。これにより、スロットルコントローラ16
0には電力供給されなくなり、スロットルコントローラ
160を通じたスロットルバルブ制御は行なわれなくな
り、リンプホームバルブ14のみを制御して吸気量調整
を行なうようになる。そして、ブレーキスイッチがオン
か否か、即ち、ブレーキ操作が行なわれているか否かが
判定される(ステップB30)。ブレーキスイッチがオ
ンならば、リンプホームバルブ(LHV)14を所定時
間(例えば2秒間)だけデューティ制御する(ステップ
B40)。
【0106】つまり、このリンプホームバルブ14は、
通常時にはオンかオフかのいずれかにセットされるオン
・オフバルブであが、電磁バルブなので、デューティ制
御も可能であり、ここでは、例えばデューティ50%程
度としてLHV14の開度を抑制することで、バイパス
通路13に流れる空気量を低下させるのである。そし
て、これにより吸気マニホールド9の負圧を増加させマ
スタバック負圧を確保するようになっているのである。
したがって、ドライブバイワイヤ150が故障してリン
プホーム処理が行なわれても、ブレーキ操作時には十分
なマスタバック負圧が確保されるので、通常時と同等の
制動力を確保できるのである。
【0107】また、このような処理は、ブレーキ操作開
始時の所定時間(ここでは2秒間)で十分であり、所定
時間経過したら、デューティ制御は終了する。なお、こ
のリンプホームバルブ14のデューティ制御を所定時間
内に規制することで、ソレノイドの耐久性も確保され
る。一方、ブレーキスイッチがオフならば、リンプホー
ムバルブ(LHV)14をオン(開)状態にする(ステ
ップB50)。
【0108】そして、ステップB40,B50の処理を
行なったら、ステップB60に進み、車両が前進してい
るか否かを判定する。車両が前進していなければ、車両
は後退していることになり、一部の気筒の燃料カット
(例えば6気筒中の3気筒を燃料カット)を行ない、エ
ンジン出力の抑制を行なう(ステップB110)。車両
が前進していれば、ステップB70に進み、第2のアク
セルポジションセンサ(APS2)51Bの出力値が所
定値以上か否か〔(5v−VAPS2)>1.5vか又は
(5v−VAPS2)≦1.5vか〕を判定する。
【0109】ここで、(5v−VAPS2)≦1.5vかの
ときには、ステップB110に進み、一部の気筒の燃料
カット(例えば6気筒中の3気筒を燃料カット)を行な
い、エンジン出力の抑制を行なう。また、(5v−V
APS2)>1.5vなら、ステップB80に進み、第2の
アクセルポジションセンサ(APS2)51Bが故障し
ているか否かを判定する。この故障判定は前述のように
行なう。
【0110】APS2が故障していれば、ステップB1
10に進み、一部の気筒の燃料カット(例えば6気筒中
の3気筒を燃料カット)を行ない、エンジン出力の抑制
を行なう。APS2が故障していなければ、ステップB
90に進み、ブレーキスイッチがオンか否か、即ち、ブ
レーキ操作が行なわれているか否かが判定される。ここ
で、ブレーキスイッチがオンならば、一部の気筒の燃料
カット(例えば6気筒中の3気筒を燃料カット)を行な
い、エンジン出力の抑制を行なう。ブレーキスイッチが
オンでなければ、ステップB100に進み、全気筒で燃
料噴射を行ない、出力を確保する。
【0111】また、リンプホーム処理時には、警告灯1
80の点灯も行なう。このように、リンプホーム処理
は、前進走行時で、APS2故障がなく(即ち、APS
2情報からドライバの速度要求意思を把握できる状態で
ある)、ブレーキ操作がされていないで、アクセル開度
が所定値以上ある場合、すなわち、ドライバがエンジン
出力を要求している時には、燃料カットは行なわない
が、後進走行時や、APS2故障時や、ブレーキ操作時
や、アクセル開度が所定値以下の場合には、安全側の制
御として、一部の気筒の燃料カット(例えば6気筒中の
3気筒を燃料カット)を行ない、エンジン出力の抑制を
行なうのである。
【0112】そして、ドライバは、ブレーキ操作しなけ
れば車速を得ることができ、ブレーキ操作すれば減速や
停止をおこなうことができ、吸気系の故障時にも、残さ
れたドライバ意思反映手段であるブレーキ操作情報に基
づいて、ドライバ意思を反映した車速制御を一定レベル
で行なえるのである。ところで、本発明の内燃機関の制
御装置の特徴となる動作について説明すると、本装置で
は、上述のステップA120で説明したように、2つの
アクセルポジションセンサ51A,51Bのうち、いず
れか一方のアクセルポジションセンサ(例えば第1のア
クセルポジションセンサ51A)の故障が検出された場
合には、正常なアクセルポジションセンサ(例えば第2
のアクセルポジションセンサ51B)により得られるア
クセル開度出力値VAPS2を1/2にする。そして、V
APS =VAPS2/2と設定することで、アクセル開度に基
づくスロットル弁15の開度が通常時の半分に設定され
るのである。
【0113】これにより、一方の制御系統231の故障
時(具体的には第1のアクセルポジションセンサ51A
の故障時)には吸気量が半減して、ドライバの要求に対
してエンジン出力が抑制される。したがって、ドライバ
は車両の異常を体感することになり、ドライバは車両に
何かしらの異常が生じていることを認識するようにな
る。
【0114】また、ドライバはエンジンの出力が抑制さ
れることで、インストルメントパネルを見ることが考え
られる。この場合はそれまで警告灯180の点灯に気が
ついていなくても、インストルメントパネルを見ること
で警告灯180の点灯に気付いて、ドライバに制御系統
231の故障を認識させることができるのである。ま
た、ドライバが第1制御系統231の故障を警告手段1
80の作動により認識していながら走行を続けた場合で
も、エンジン出力が抑制されるためにドライバに修理の
必要性を確実に認識させることができるのである。
【0115】また、フェイル判定のリセット条件につい
て簡単に述べると、リセット条件としては、イグニッシ
ョンキーOFF,バッテリOFF等があり、再走行時に
前述した制御を繰り返すとともに、再判定時にDBW正
常とされた場合は、通常制御に復帰する。なお、その際
に、フェイル情報としてフェイル内容をコンピュータに
記憶させれば、車両点検時にDBWシステムの再チェッ
クを行なうことができる。
【0116】なお、第1制御系統231の故障や第2制
御系統232の故障として、アクセルポジションセンサ
51A,51Bの故障を例に挙げて説明しているが、本
発明は、このようなアクセルポジションセンサ51A,
51Bの故障時にのみに限定されるものではなく、各制
御系統231,232を構成する他のセンサ類の故障が
判定された場合にも適用することができる。そして、こ
のようアクセルポジションセンサ51A,51B以外に
も本発明の装置を適用することでさらに安全性及び信頼
性の高い電子スロットル制御装置を提供することができ
るのである。
【0117】なお、本実施形態では、筒内噴射式内燃機
関に本制御装置を適用した場合について説明したが、本
発明の内燃機関の制御装置は、このような実施形態に限
定されるものではなく、電子スロットル制御装置と、複
数組の電子スロットル制御系統とをそなえた車両に広く
適用することができる。
【0118】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の内燃機関の制御装置によれば、故障判定手段によ
り複数組の電子スロットル制御系統のうち一組の電子ス
ロットル制御系統の故障が検出されると、正常な他の組
の電子スロットル制御系統によりスロットル弁が駆動さ
れるとともに、出力抑制手段によりアクセルペダルの操
作量に対するエンジンの出力が抑制されるため、ドライ
バに一方の電子スロットル制御系統の故障を確実に認識
させることができる利点がある。また、ドライバが一方
の電子スロットル制御系統の故障を認識していながら走
行を続けた場合でも、エンジン出力が抑制されるために
ドライバに修理の必要性を認識させることができ、安全
性が向上する。
【0119】また、請求項2記載の本発明の内燃機関の
制御装置によれば、電子スロットル制御系統を、アクセ
ル開度検出手段,スロットル弁を開閉駆動するアクチュ
エータ及びスロットル開度検出手段により構成して、こ
れらのアクセル開度検出手段,アクチュエータ及びスロ
ットル開度検出手段のうちの少なくとも1つを複数組設
けることにより、電子スロットル制御装置のフェイルセ
ーフを図ることができ、電子スロットル制御装置の安全
性や信頼性を高めることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる内燃機関の制御装
置の要部を示す模式的な構成図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる内燃機関の制御装
置を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる内燃機関の吸気制
御系を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる内燃機関の吸気制
御系のフェイル対策処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態にかかる内燃機関の吸気制
御系のフェイル対策処理のうちのリンプホーム処理を示
すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態にかかる内燃機関の制御装
置の要部機能に着目した模式的なブロック図である。
【符号の説明】
1 エンジン 16 エンジン制御コンピュータ(エンジンECU) 37 スロットル開度検出手段としてのスロットルポジ
ションセンサ 37A 第1のスロットルポジションセンサ(TPS
1) 37B 第2のスロットルポジションセンサ(TPS
2) 51 アクセル開度検出手段としてのアクセルポジショ
ンセンサ 51A 第1のアクセルポジションセンサ(APS1) 51B 第2のアクセルポジションセンサ(APS2) 70 故障判定手段 150 電子スロットル制御装置又はドライブバイワイ
ヤ(DBW) 154 電動モータ(スロットルアクチュエータ) 160 スロットル制御コンピュータ(スロットルコン
トローラ) 180 警告手段 201 吸気量制御手段 231 第1制御系統(第1の電子スロットル制御系
統) 232 第2制御系統(第2の電子スロットル制御系
統) 234 出力抑制手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 11/10 F02D 11/10 U 41/22 310 41/22 310E (72)発明者 井上 誠一 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクセルペダルの操作量に基づいてエン
    ジンのスロットル弁を電気的に駆動する複数組の電子ス
    ロットル制御系統と、 該複数組の電子スロットル制御系統のうち少なくとも一
    組の電子スロットル制御系統の故障を判定するととも
    に、該複数組全ての電子スロットル制御系統の故障を判
    定する故障判定手段と、 該故障判定手段により該複数組全ての電子スロットル制
    御系統の故障が判定されると、該スロットル弁を閉方向
    に駆動するとともに、所定量の吸気をエンジンに供給す
    る吸気量制御手段と、 該故障判定手段により該複数組の電子スロットル制御系
    統のうち一組の電子スロットル制御系統の故障が判定さ
    れると、正常な他の組の電子スロットル制御系統により
    該スロットル弁を駆動するとともに該アクセルペダルの
    操作量に対する該エンジンの出力を抑制する出力抑制手
    段と、をそなえていることを特徴とする、内燃機関の制
    御装置。
  2. 【請求項2】 該電子スロットル制御系統が、該アクセ
    ルペダルの操作量を検出するアクセル開度検出手段と、
    該アクセル開度検出手段の検出結果に基づいて該スロッ
    トル弁を開閉駆動するアクチュエータと、該スロットル
    弁の開度を検出するスロットル開度検出手段とにより構
    成されるとともに、 該アクセル開度検出手段,該アクチュエータ及び該スロ
    ットル開度検出手段のうちの少なくとも1つが複数組設
    けられていることを特徴とする、請求項1記載の内燃機
    関の制御装置。
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US09/061,185 US6047679A (en) 1997-04-25 1998-04-17 Control apparatus for an internal combustion engine
KR1019980014462A KR100329297B1 (ko) 1997-04-25 1998-04-23 내연기관의제어장치
DE69827189T DE69827189T2 (de) 1997-04-25 1998-04-27 Steuereinrichtung für eine Brennkraftmaschine
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001174212A (ja) * 1999-12-21 2001-06-29 Denso Corp 回転角度検出センサのフェイルモード調整方法
US6647959B2 (en) 2002-03-28 2003-11-18 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Fail-safe device for electronic throttle control system
JP2004225538A (ja) * 2003-01-20 2004-08-12 Mitsubishi Electric Corp スロットルバルブ制御装置
JP2010133277A (ja) * 2008-12-02 2010-06-17 Yamaha Motor Co Ltd スロットル装置およびそれを備えた自動二輪車

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