JPH1077891A - 内燃エンジンの制御装置 - Google Patents

内燃エンジンの制御装置

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Publication number
JPH1077891A
JPH1077891A JP23231996A JP23231996A JPH1077891A JP H1077891 A JPH1077891 A JP H1077891A JP 23231996 A JP23231996 A JP 23231996A JP 23231996 A JP23231996 A JP 23231996A JP H1077891 A JPH1077891 A JP H1077891A
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JP
Japan
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abnormality
throttle valve
internal combustion
fuel
combustion engine
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Pending
Application number
JP23231996A
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English (en)
Inventor
Takuya Matsumoto
卓也 松本
Mitsuhiro Miyake
光浩 三宅
Toru Hashimoto
徹 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成にして、スロットル弁装置の異常
時において内燃エンジンを良好に制御可能に図った内燃
エンジンの制御装置を提供する。 【解決手段】 内燃エンジンの加速操作部材の操作量情
報(θTHT)とスロットル弁の開度(θTH)とに基づい
てスロットル弁装置の異常を検出する異常検出手段(S1
0)と、スロットル弁装置に異常が検出されたときスロッ
トル弁を閉方向に強制的に駆動する駆動手段(S12)と、
上記異常が検出されたとき内燃エンジンの燃焼室に所定
量の空気を導入可能な補助吸気手段(S14)と、上記異常
が検出されたとき所定量の空気と加速操作部材の操作量
(θTHT)とに応じて燃焼室に供給する燃料噴射量を制
御する燃料制御手段(S16)とを備えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃エンジンの制
御装置に係り、詳しくは、スロットル弁装置の異常時対
応を考慮した内燃エンジンの制御装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】近年、車両に搭載されるガソリン
エンジンにおいて、有害排出ガス成分の低減や燃費の向
上等を図るため、希薄空燃比運転可能に設計された吸気
管噴射型のエンジンや燃焼室に直接燃料を噴射する構成
にしてやはり希薄空燃比運転可能に設計された筒内噴射
型のエンジンが種々提案されている。
【0003】ところで、このような希薄空燃比運転可能
なガソリンエンジンでは、空燃比を希薄なものとするた
め、理論空燃比運転時よりも多くの吸気を必要とする。
従って、従来は、スロットル弁をバイパスするバイパス
通路を設けるようにしてこの吸気量増加分を補正するよ
うにしていた。しかしながら、この方式では補正吸気量
に限りがある。そこで、最近では、大径の吸気通路面積
を有するとともにモータを用いて電気的にスロットル弁
を開閉するようにし、このスロットル弁の開度調節によ
って上記吸気量増加分をも補正可能にした構成のスロッ
トル弁装置(電子式吸入空気量制御弁装置)が開発さ
れ、実用化されている。
【0004】ところが、このような電子式吸入空気量制
御弁装置では、モータ等の電気部品を用いていることか
ら、経時劣化等により断線やショートといった故障を発
生する可能性がある。このような故障が発生すると、も
はや電子式吸入空気量制御弁装置は正常に作動しなくな
り、つまり作動異常となり、エンジンの運転状態を悪化
させる虞がある。
【0005】そこで、電子式吸入空気量制御弁装置に異
常が発生したときにおいて、スロットル弁を閉じる一方
でバイパス通路を介して一定量の吸気を行い、これによ
りエンジンの運転状態の悪化を防止して最小限の車両走
行を可能にする構成の装置が実開平1−22835号公
報等に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
は、電子式吸入空気量制御弁装置に異常が発生したとき
にバイパス通路を介して一定量の吸気を行うことが開示
されているものの、この状況でエンジン制御を行うこと
に関しては何ら記載されていない。最近では、車両を高
速道路等で高速走行させることが多く、このような高速
走行状態で電子式吸入空気量制御弁装置に異常が発生し
たような場合等には、車両の走行安全性の点から車速を
急激に低下させないようエンジン制御を行うことが望ま
れる。
【0007】そこで、例えば、電子式吸入空気量制御弁
装置に併せて従来のケーブル索を接続し、つまり、電子
式吸入空気量制御弁装置に異常が発生したときに手動で
スロットル弁の開閉を行えるようにし、これにより、電
子式吸入空気量制御弁装置に異常が発生したときでも電
子式吸入空気量制御弁装置が正常に作動しているときと
同様にしてエンジンの出力トルク調節を可能にした構成
の装置が開発されている。
【0008】しかしながら、このように、ケーブル索を
別途設けることは、電子式吸入空気量制御弁装置の構造
を複雑なものとするとともにコストアップに繋がり好ま
しいことではない。本発明は、上述した事情に基づきな
されたもので、その目的とするところは、簡単な構成に
して、スロットル弁装置の異常時において内燃エンジン
を良好に制御可能に図った内燃エンジンの制御装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、内燃エンジンの加速操作を行
う加速操作部材の操作量を検出する加速操作量検出手段
と、前記加速操作量検出手段の検出結果に基づき駆動さ
れるモータ、及び、前記内燃エンジンの吸気管に配設さ
れ、前記モータにより開閉駆動されるスロットル弁を有
するスロットル弁装置と、前記スロットル弁装置の異常
を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段により前
記異常が検出されたとき、前記スロットル弁を閉方向に
駆動する駆動手段と、前記異常検出手段により前記異常
が検出されたとき、前記内燃エンジンの燃焼室に所定量
の空気を導入可能な補助吸気手段と、前記異常検出手段
により前記異常が検出されたとき、前記所定量の空気と
前記加速操作量検出手段の検出結果とに応じて前記燃焼
室に供給する燃料噴射量を制御する燃料制御手段とを備
えたことを特徴としている。
【0010】従って、モータ等に故障が生じ、異常検出
手段によりスロットル弁装置に異常が検出されると、モ
ータによらずに駆動手段によってスロットル弁が閉方向
に駆動され、また、補助吸気手段によって内燃エンジン
の燃焼室に所定量の空気が導入され、さらに、所定量の
空気と加速操作量検出手段の検出結果とに応じて燃料制
御手段により燃料噴射量が制御される。
【0011】これにより、スロットル弁装置に異常が検
出されたときには、略一定量の吸気が行われるとともに
加速操作部材の操作量に応じて燃料噴射量が好適に制御
され、つまり空燃比が好適に制御され、スロットル弁装
置の異常時であっても、内燃エンジンの出力トルクが好
適に調節され、内燃エンジンの運転状態が良好に維持さ
れる。特に、内燃エンジンが車両に搭載されている場合
にあっては、車両の走行安全性とともに比較的良好なド
ライバビリティが確保される。
【0012】また、請求項2の発明では、前記スロット
ル弁装置は前記スロットル弁の開度を検出するスロット
ル開度検出手段をさらに備え、前記異常検出手段は、前
記加速操作量検出手段の検出結果と前記スロットル開度
検出手段の検出結果との比較に基づいて前記異常を検出
することを特徴としている。従って、加速操作量検出手
段の検出結果とスロットル開度検出手段の検出結果との
比較に基づいて、スロットル弁装置の異常が容易に検出
される。
【0013】また、請求項3の発明では、前記駆動手段
は、前記モータへ供給される駆動電流を遮断する電流遮
断手段と、前記電流遮断手段により前記駆動電流が遮断
されたとき、前記スロットル弁を閉方向に付勢する付勢
手段とを含んでなることを特徴としている。従って、ス
ロットル弁装置に異常が検出されると、電流遮断手段に
よってモータへ供給される駆動電流が遮断されてモータ
力が解放されるとともに、付勢手段によってスロットル
弁が閉方向に容易にして良好に駆動される。
【0014】また、請求項4の発明では、前記補助吸気
手段は、前記スロットル弁装置に設けられ、前記スロッ
トル弁をバイパスするバイパス通路を含み、前記スロッ
トル弁が閉方向に駆動されたとき、前記バイパス通路を
介して吸気を行うことを特徴としている。従って、スロ
ットル弁装置に異常が検出され、スロットル弁が閉方向
に駆動されると、バイパス通路を介して吸気が行われ
る。これにより、スロットル弁装置に異常が検出された
ときにおいて、スロットル弁が閉弁状態とされる一方で
常に一定量の吸気が確保され、内燃エンジンの運転状態
が良好に維持される。
【0015】また、請求項5の発明では、前記補助吸気
手段は、前記スロットル弁の全閉位置を閉塞位置よりも
所定量だけ開側に変更する全閉位置変更手段を含んでな
ることを特徴としている。従って、スロットル弁装置に
異常が検出されたときには、スロットル弁が閉方向に駆
動されてもスロットル弁は僅かに開弁した状態に保持さ
れる。これにより、スロットル弁を利用した簡単な構成
にして、スロットル弁装置に異常が検出されたときにお
いて、常に一定量の吸気が確保され、内燃エンジンの運
転状態が良好に維持される。
【0016】また、請求項6の発明では、前記内燃エン
ジンは複数の気筒を有し、前記燃料制御手段は、前記複
数の気筒のうち所定気筒の燃料カットを行うものである
ことを特徴としている。従って、スロットル弁装置に異
常が検出されたときには、略一定の吸気量のもとに所定
気筒の燃料カットによって燃料噴射量が好適に制御さ
れ、つまり空燃比が好適に制御される。これにより、略
一定量の吸気のもとでは単純に燃料噴射量の増減制御に
より出力トルクを調節できないような吸気管噴射型の内
燃エンジンであっても、スロットル弁装置に異常が検出
され吸気量が略一定とされたときにおいて、出力トルク
が良好に調節されて運転状態が好適に維持される。
【0017】また、請求項7の発明では、前記内燃エン
ジンは、燃焼室に燃料を直接噴射する燃料噴射弁を有
し、運転状態に応じて吸気行程で燃料噴射を行う吸気行
程噴射モードと圧縮行程で燃料噴射を行う圧縮行程噴射
モードとを選択可能であって且つ希薄空燃比運転可能な
筒内噴射型火花点火式内燃エンジンであることを特徴と
している。
【0018】従って、筒内噴射型火花点火式内燃エンジ
ンは、多用される圧縮行程噴射モード領域や希薄空燃比
運転領域で燃料噴射量と出力トルクとが略比例関係にあ
り、故に、筒内噴射型火花点火式内燃エンジンでは、ス
ロットル弁装置に異常が検出され吸気量が略一定とされ
ても、燃料噴射量の増減制御により内燃エンジンの出力
トルクが従来エンジンに比べて比較的容易に調節可能と
される。
【0019】また、請求項8の発明では、前記異常検出
手段により前記異常が検出されたとき、前記圧縮行程噴
射モードに切換えるモード切換手段をさらに備えること
を特徴としている。従って、筒内噴射型火花点火式内燃
エンジンは、特に圧縮行程噴射モードで燃料噴射量と出
力トルクとが略完全に比例関係にあり、故に、スロット
ル弁装置に異常が検出されたときに吸気量が略一定とさ
れても、圧縮行程噴射モードとされることで、燃料噴射
量の増減制御により内燃エンジンの出力トルクが容易に
してより適正に調節可能とされる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
一実施形態を詳細に説明する。図1は、車両に搭載され
た本発明に係る内燃エンジンの制御装置の一実施形態を
示す概略構成図である。以下、同図に基づき、内燃エン
ジンの制御装置の構成について説明する。
【0021】エンジン1としては、吸気行程での燃料噴
射(前期噴射モード)とともに圧縮行程での燃料噴射
(後期噴射モード)を実施可能であって、且つ希薄空燃
比、即ちリーン空燃比での燃焼が可能な、筒内噴射型直
列4気筒ガソリンエンジンが適用される。この筒内噴射
型のエンジン1では、燃焼室を始め吸気装置や排ガス再
循環(EGR)を行うEGR装置(排ガス再循環装置)
等が筒内噴射専用に設計されており、また、容易にして
リッチ空燃比、理論空燃比(ストイキオ)AFS(AFS
=14.7)、リーン空燃比(希薄空燃比)での運転が
実現可能とされている。
【0022】エンジン1のシリンダヘッド2には、各気
筒毎に点火プラグ3とともに電磁式の燃料噴射弁4も取
り付けられており、燃焼室5内に燃料が直接噴射される
ようにされている。また、シリンダ6に上下摺動自在に
保持されたピストン7の頂面には、圧縮行程後期に燃料
噴射弁4からの燃料噴霧が到達する位置に、半球状の窪
み、即ちキャビティ8が形成されている。また、このエ
ンジン1の圧縮比は、吸気管噴射型のものに比べ高く
(例えば、12程度)設定されている。動弁機構として
はDOHC4弁式が採用されており、シリンダヘッド2
の上部には、吸排気弁9,10をそれぞれ駆動すべく、
吸気側カムシャフト11と排気側カムシャフト12とが
回転自在に支持されている。
【0023】シリンダヘッド2には、両カムシャフト1
1,12の間を抜けるようにして、略直立方向に吸気ポ
ート13が形成されており、この吸気ポート13を通過
した吸気流は燃焼室5内において、通常のタンブル流と
は逆方向のタンブル流である逆タンブル流を発生可能と
されている。一方、排気ポート14については、通常の
エンジンと同様に略水平方向に形成されているが、斜め
下方に向け大径の排ガス再循環ポート、即ちEGRポー
ト15が分岐している。
【0024】図中、符号16は冷却水温Twを検出する
水温センサである。また、符号17は各気筒の所定のク
ランク位置(例えば、5°BTDCおよび75°BTDC)でク
ランク角信号SGTを出力するベーン型のクランク角セン
サであり、このクランク角センサ17はクランク角信号
SGTに基づきエンジン回転速度Neを検出可能とされて
いる。符号19は点火プラグ3に高電圧を出力する点火
コイルである。なお、クランクシャフトの半分の回転数
で回転するカムシャフトには、気筒判別信号SGCを出力
する気筒判別センサ(図示せず)が設けられており、こ
れにより、上記クランク角信号SGTがどの気筒のものか
判別可能とされている。
【0025】吸気ポート13には、サージタンク20を
有する吸気マニホールド21を介して、電子式吸入空気
量制御弁装置、即ち、ドライブバイワイヤ型のスロット
ルボディ(スロットル弁装置であって、以下、DBW−
T/Bと略す)23、エアフローセンサ32及びエアク
リーナ22を備えた吸気管25が接続されている。DB
W−T/B23には、ステッパモータ24によって駆動
されて流路を開閉するバタフライ式のスロットルバルブ
(スロットル弁)28とともに、スロットルバルブ28
の開度、即ちスロットル開度θTHを検出するスロットル
ポジションセンサ(スロットル開度検出手段であって、
以下、TPSという)29と、スロットルバルブ28の
略全閉状態を検出してエンジン1のアイドリング状態を
認識するアイドルスイッチ30等が備えられている。な
お、実際には、TPS29からは、スロットル開度に応
じたスロットル電圧ETPSが出力され、このスロットル
電圧ETPSに基づいてスロットル開度θTHが認識され
る。
【0026】なお、DBW−T/B23は、筒内噴射型
のエンジン1が後期リーンモードの特に超リーン空燃比
での燃焼時に大量の吸気を必要とすることから、その最
大流路面積は通常のスロットルボディに比べて大きなも
のとされている。吸気管25には、DBW−T/B23
をバイパスして吸気マニホールド21に吸気可能なリン
プホームパイプ(補助吸気手段、バイパス通路)26が
併設されており、その管路にはリニアソレノイド式のリ
ンプホームバルブ27が設けられている。
【0027】このリンプホームバルブ27は、詳しくは
後述するが、DBW−T/B23の故障等の異常時にお
いて開弁するような構成とされている。つまり、DBW
−T/B23の異常時において、スロットルバルブ28
が閉弁されたときでも、リンプホームバルブ27が開弁
することで、リンプホームパイプ26を介して一定流量
(所定量)の吸気が可能とされている。
【0028】上記エアフローセンサ32は、吸入空気量
Qaを検出するものであって、例えば、カルマン渦式フ
ローセンサが使用される。なお、吸入空気量Qaは、サ
ージタンク20にブースト圧センサを取付け、このブー
スト圧センサにより検出される吸気管圧力から求めるよ
うにしてもよい。一方、排気ポート14には、O2セン
サ40が取付けられた排気マニホールド41を介して、
三元触媒42や図示しないマフラー等を備えた排気管4
3が接続されている。また、上述のEGRポート15
は、大径のEGRパイプ44を介して、吸気マニホール
ド21の上流に接続されており、その管路にはステッパ
モータ式のEGRバルブ45が設けられている。
【0029】燃料タンク50は、車両の図示しない車体
後部に設置されている。燃料タンク50に貯留された燃
料は、電動式の低圧燃料ポンプ51に吸い上げられ、低
圧フィードパイプ52を介してエンジン1側に送給され
る。低圧フィードパイプ52内の燃圧は、リターンパイ
プ53の管路に介装された第1燃圧レギュレータ54に
より、比較的低圧(低燃圧)に調圧される。エンジン1
側に送給された燃料は、シリンダヘッド2に取り付けら
れた高圧燃料ポンプ55により、高圧フィードパイプ5
6とデリバリパイプ57とを介して、各燃料噴射弁4に
送給される。
【0030】高圧燃料ポンプ55は、例えば斜板アキシ
ャルピストン式であり、排気側カムシャフト12または
吸気側カムシャフト11により駆動され、エンジン1の
アイドル運転時においても5MPa〜7MPa以上の吐出
圧を発生可能とされている。そして、デリバリパイプ5
7内の燃圧は、リターンパイプ58の管路に介装された
第2燃圧レギュレータ59により、比較的高圧(高燃
圧)に調圧される。
【0031】図中、符号60は第2燃圧レギュレータ5
9に取付けられた電磁式の燃圧切換弁である。この燃圧
切換弁60は、オン状態で燃料をリリーフし、これによ
りデリバリパイプ57内の燃圧を低燃圧に低下させるこ
とが可能である。また、符号61は高圧燃料ポンプ55
の潤滑や冷却等に利用された一部の燃料を燃料タンク5
0に還流させるリターンパイプである。
【0032】車両の車室内には、入出力装置、制御プロ
グラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(RO
M,RAM,BURAM等)、中央処理装置(CP
U)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子制御ユニ
ット)70が設置されており、このECU70によっ
て、エンジン1の総合的な制御が実施される。ECU7
0には、上記各種センサ類以外に、さらに、アクセルペ
ダル74に接続され、アクセル開度に応じたアクセル電
圧EAPSを出力するアクセルポジショニングセンサ(加
速操作量検出手段であって、以下、APSと略す)72
が接続されており、これらセンサ類等からの情報が入力
する。実際には、APS72からアクセル電圧EAPSが
出力されると、このアクセル電圧EAPSに基づいてアク
セル開度θACCが認識される。
【0033】そして、ECU70は、これらの検出情報
に基づき、燃料噴射モードを始めとして、燃料噴射量、
点火時期、EGRガスの導入量等を決定し、燃料噴射弁
4や点火コイル19、EGRバルブ45の他、ステッパ
モータ24やリンプホームバルブ27等を駆動制御す
る。なお、ECU70の入力側には、説明を省略する
が、上記各種センサ類の他、図示しない多数のスイッチ
やセンサ類が接続されており、一方、出力側には警告灯
76や図示しない各種機器類等も接続されている。な
お、ECU70は、バッテリ80からの電力供給を受け
て作動する。
【0034】以下、上記のように構成されたエンジン1
の基本的な燃焼制御内容についてここで簡単に説明して
おく。エンジン1が冷機状態にあるときには、運転者が
イグニッションキーをオン操作すると、ECU70は、
低圧燃料ポンプ51とレギュレータバイパスバルブ60
をオンにして、燃料噴射弁4に低燃圧の燃料を供給す
る。
【0035】そして、運転者がイグニッションキーをス
タート操作すると、図示しないセルモータによりエンジ
ン1がクランキングされ、同時にECU70により燃焼
制御が開始される。この時点では、ECU70は、前期
噴射モード(即ち、吸気行程噴射モード)を選択し、比
較的リッチな空燃比となるように燃料を噴射する。エン
ジン1の始動が完了し、エンジン1がアイドル運転を開
始すると、高圧燃料ポンプ55が定格の吐出作動を始め
ることになり、ECU70は、レギュレータバイパスバ
ルブ60をオフにして燃料噴射弁4に高圧の燃料を供給
する。この際、要求される燃料噴射量は、高圧燃料ポン
プ55の吐出圧と燃料噴射弁4の開弁時間、即ち燃料噴
射時間とから得られる。
【0036】そして、冷却水温Twが所定値に上昇する
までは、ECU70は、始動時と同様に前期噴射モード
を選択してリッチ空燃比となるよう燃料を噴射する。エ
ンジン1が暖機状態になると、ECU70は、APS7
2からのアクセル電圧EAPSに基づくアクセル開度情報
θACCとクランク角センサ17からのエンジン回転速度
情報Neとに基づき、目標出力に対応する目標平均有効
圧Peを演算する。実際には、アクセル開度情報θACCと
エンジン回転速度Neとの関係を示すマップが予め設定
されており、目標平均有効圧Peは、このマップから読
取られる。また、同時にエアフローセンサ32からの吸
入空気量情報Qaに基づき、体積効率Evを演算する。
【0037】このように、目標平均有効圧Peと体積効
率Evとが求められると、燃料噴射モードが後期噴射モ
ードである場合には、目標平均有効圧Peに基づいて目
標A/F、噴射終了時期Tend、点火時期Tig、EGR
量Legrの各燃焼パラメータが設定される。一方、前期
噴射モードである場合には、体積効率Evに基づいて各
種燃焼パラメータは設定される。ここに、前期噴射モー
ドとしては前期リーンモード、ストイキオフィードバッ
クモード(以下、S−F/Bモードという)、オープン
ループモード(以下、O/Lモードという)があり、後
期噴射モードとしては後期リーンモードがある。そし
て、これらの燃料噴射モードは、燃料噴射モードの設定
マップ(図示せず)に基づいてエンジン回転速度Neと
目標平均有効圧Pe或いは体積効率Evとに応じて切換え
られるようにされているが、ここではその切換えについ
ての詳細な説明は省略する。
【0038】このようにして、目標A/F、燃料の噴射
終了時期Tend、点火時期Tig、EGR量Legr等が設定
されると、目標A/Fに基づいて燃料噴射時間Tinjが
設定され、燃料噴射量が決定される。そして、燃料噴射
時間Tinjに対応する信号が燃料噴射弁4に供給され、
燃料噴射時間Tinjに応じた量の燃料が燃料噴射弁4か
ら噴射される。このとき、燃料の噴射終了時期Tendに
対応する信号も同時に燃料噴射弁4に供給され、これに
より燃料の噴射時期が確定される。
【0039】また、点火時期Tig信号が点火コイル19
に供給され、EGR量Legr信号がEGRバルブ45に
供給され、最適な燃焼制御が実施されることになる。従
って、例えば、アイドル運転時や低速走行時のようにエ
ンジン1が低負荷域にあるときには、燃料噴射モードは
後期リーンモードとされ、圧縮行程において燃料噴射が
実施されるとともに、目標平均有効圧Peに基づくリー
ンな目標A/F(例えば、A/F=30〜40程度)と
なるよう燃料噴射量が決定され、やはり目標平均有効圧
Peに基づいて点火時期Tig、EGR量Legrが設定され
て、良好な燃焼制御が行われる。
【0040】なお、後期リーンモードでの燃焼について
より詳しく説明すると、この筒内噴射型のエンジン1で
は、前述したように、ピストン7の上面にキャビティ8
が形成されている。このことから、吸気ポート13から
流入した吸気流がキャビティ8に沿い上記逆タンブル流
を形成するため、燃料噴射弁4から噴射された燃料と吸
入空気との混合気、即ち燃料噴霧は、点火プラグ3近傍
に良好に集約される。その結果、点火時点において点火
プラグ3の周囲には理論空燃比AFSに近い混合気が常
に層状に形成されることになる。従って、この後期噴射
モードにおいては、全体としてリーン空燃比であっても
良好な着火性が確保されるのである。
【0041】また、例えば、定速走行時のようにエンジ
ン1が中負荷域にあるときには、燃料噴射モードは前期
リーンモード或いはS−F/Bモードとされる。前期リ
ーンモードの場合、燃料噴射が吸気行程で実施されると
ともに、体積効率Evに基づく比較的リーンな目標A/
F(例えば、A/F=20〜23程度)となるよう燃料
噴射量が決定され、やはり体積効率Evに基づいて点火
時期Tig、EGR量Legrが設定されて、良好な燃焼制
御が行われる。
【0042】一方、S−F/Bモードでは、燃料噴射は
やはり吸気行程で行われ、体積効率Evに基づいて点火
時期Tig、EGR量Legrが設定されることになるが、
この場合には、O2センサ40の出力電圧に応じて空燃
比フィードバック制御が行われることになり、目標A/
Fに関しては、理論空燃比AFSとなるよう制御され
る。
【0043】ところで、図2を参照すると、上記DBW
−T/B23、リンプホームパイプ26、リンプホーム
バルブ27及びECU70、即ち、本発明に係る制御装
置の構成がより詳しく示されており、以下、同図を参照
して、本発明に係る制御装置のより詳細な構成について
説明する。なお、ここでは、既に上述したものについて
は説明を省略する。
【0044】先ず、DBW−T/B23について説明す
ると、ステッパモータ24には、ギヤユニット24aを
介してスロットルバルブ軸28aが接続されており、上
記スロットルバルブ28はこのスロットルバルブ軸28
aに中央で結合されている。従って、スロットルバルブ
28は、ステッパモータ24の回転に応じて、スロット
ルバルブ軸28aの軸線周りにスロットルバルブ軸28
aとともに回動可能とされている。また、スロットルバ
ルブ28を挟んでギヤユニット24aと反対側のスロッ
トルバルブ軸28a周りにはコイルスプリング(駆動手
段、付勢手段)28bが設けられている。このコイルス
プリング28bは、ステッパモータ24に駆動信号が供
給されないときに、スロットルバルブ28を閉弁側に付
勢する働きをしている。また、図中符号28cは、スロ
ットルバルブ28が閉弁側に作動したときのスロットル
バルブ28の回動ストッパであり、このストッパ28c
には、ショックを軽減するための緩衝部材(コイルスプ
リング等)が設けられている。
【0045】一方、ECU70には、上記のようにエン
ジン1の主制御を行うエンジン制御部70aの他、DB
W−T/B23の作動制御を行うDBW制御部70b及
びDBW制御部70bへの電源供給の断接を行うDBW
電源リレー70cとが含まれている。なお、エンジン制
御部70aとDBW制御部70b間では、互いに信号の
やりとりが自在とされている。
【0046】同図に示すように、エンジン制御部70a
とDBW制御部70bとは、ともにバッテリ80からの
電源供給を受けて作動するが、DBW制御部70bへの
電源供給は、DBW電源リレー70cを介して行われる
ようにされている。エンジン制御部70aの入力側に
は、TPS29やAPS72の他各種センサ類が接続さ
れている。一方、出力側には、リンプホームバルブ2
7、各種駆動部や警告灯76の他、上記DBW電源リレ
ー70cも接続されている。
【0047】このエンジン制御部70aでは、図中に示
すように、APS72及びクランク角センサ17からの
入力信号に基づき、目標スロットル開度θTHTの算出が
行われるとともに、上述したように、各種センサ類から
の入力信号に基づいて燃料噴射弁4、点火コイル19、
EGRバルブ45等の各種駆動部の制御並びに上記目標
スロットル開度θTHTの補正が行われる。さらには、や
はり図中に示すように、DBW−T/B23の異常処理
制御が行われる。このDBW−T/B23の異常処理制
御(DBW異常処理制御)は、後述のDBW制御部70
bでのDBW異常検出に基づいて実施されるものであ
り、詳しくは後述する。
【0048】DBW制御部70bの入力側には、上記同
様にTPS29やAPS72の他各種センサ類が接続さ
れ、一方、出力側には、ステッパモータ24が接続され
ている。このDBW制御部70bでは、上記エンジン制
御部70aで算出された目標スロットル開度θTHTとT
PS29からのスロットル開度情報θTHに基づき、スロ
ットル開度フィードバック制御(スロットル開度F/B
制御)が行われてステッパモータ24が駆動制御される
他、上述したようにDBW−T/B23の異常検出が行
われる。
【0049】ここで、図3を参照すると、本発明に係る
DBW異常処理制御ルーチンのフローチャートが示され
ており、以下、上記図2と図3とに基づき、DBW異常
処理の制御手順について説明する。図3のステップS1
0では、目標スロットル開度θTHTとTPS29から出
力されるスロットル開度情報θTHとの差の絶対値が所定
値X1より大きい(|θTHT−θTH|>X1)か否かを判
別する。この判別は、即ち、DBW−T/B23に異常
があるか否かの判別である。つまり、DBW−T/B2
3のステッパモータ24やTPS29が断線やショート
等により異常作動しているか否かを判別している(異常
検出手段)。
【0050】通常、DBW−T/B23のステッパモー
タ24やTPS29が正常に作動していれば、APS7
2からの出力信号に基づく上記目標スロットル開度θTH
Tに応じてステッパモータ24が作動しスロットルバル
ブ28が開閉作動すると、TPS29からの出力信号、
つまりスロットル開度θTHは、上記目標スロットル開度
θTHTに応じたものとなるはずである。
【0051】しかしながら、ステッパモータ24やTP
S29に断線やショート等の故障が起こり、DBW−T
/B23に異常が発生すると、スロットル開度θTHと目
標スロットル開度θTHTとの差の絶対値はもはや所定値
X1ではなくなる。従って、このステップS10では、
このスロットル開度θTHと目標スロットル開度θTHTと
の差を監視するようにし、これによりステッパモータ2
4やTPS29の異常、即ちDBW−T/B23の異常
を判別するようにしている。
【0052】ステップS10の判別結果が真(Yes)
で、スロットル開度θTHと目標スロットル開度θTHTと
の差の絶対値が所定値X1より大きい(|θTHT−θTH|
>X1)場合には、DBW−T/B23に異常があると
判定でき、この場合には、次にステップS12に進む。
ステップS12では、通常エンジン1の運転時において
エンジン制御部70aからDBW電源リレー70cに供
給している信号を断ち、DBW電源リレー70cをオフ
状態とする。従って、バッテリ80からDBW制御部7
0bへの電源供給が遮断されてDBW制御部70bによ
る一切の制御が停止される。
【0053】これにより、DBW制御部70bからステ
ッパモータ24への駆動信号の供給が停止され、ステッ
パモータ24は非通電状態となる(電流遮断手段)。こ
のようにステッパモータ24が非通電状態となると、コ
イルスプリング28bの付勢力によってスロットルバル
ブ28が閉弁側に付勢されることになり、故に、スロッ
トルバルブ28は閉状態とされる。
【0054】即ち、DBW−T/B23に異常があるよ
うな場合、つまり、スロットルバルブ28が正常に作動
しないような状況にあっては、エンジン1の運転状態が
悪化するばかりでなく車両の走行状態が不安定なものと
なる可能性があるのであるが、このようにスロットルバ
ルブ28が閉弁状態、即ち原位置に戻されることで、そ
のような不具合が良好に防止されることになるのであ
る。
【0055】しかしながら、スロットルバルブ28が閉
弁状態とされると、吸気が殆ど行われなくなり、つま
り、エンジン1の運転が略停止されることになる。この
ように、エンジン1の運転が略停止状態とされると、車
両が走行中の場合にあっては、車両の走行状態が急変す
ることになり好ましいことではない。そこで、次のステ
ップS14において、リンプホームバルブ27を開弁
し、スロットルバルブ28が閉弁状態とされたと略同時
にリンプホームパイプ26を介して吸気が行われるよう
にする。これにより、DBW−T/B23に異常がある
場合には、リンプホームパイプ26を介してあまり多く
はないが一定量の吸気が行われることになる。つまり、
走行中にDBW−T/B23に異常が発生したような場
合であっても、必要最小限の所定車速V1での走行が可
能なようにされているのである。この車速V1として
は、高速道路での走行をも考慮して、例えば、V1=8
0〜120km/hとされている。即ち、リンプホームパイ
プ26は、少なくともこの車速V1(V1=80〜120
km/h)を確保可能なように流路面積が設定されている。
【0056】ところで、リンプホームパイプ26を介し
て吸気が行われることになると、吸入空気量Qaが一定
量に制限されることになるため、これに応じて燃料噴射
量を設定する必要があり、これにより適正なエンジン1
の出力トルクを得るようにしている。しかしながら、車
両の走行安全性を向上させる上では、さらに、通常の走
行時と同様にして出力トルクの可変制御ができるのが望
ましい。
【0057】この点に関し、筒内噴射型のエンジン1で
は、燃料噴射モードが後期リーンモードのときに燃料噴
射量を決定する目標A/Fが目標平均有効圧Peに基づ
いて設定されることからも明らかであるが、吸入空気量
Qaが一定のときには、エンジン1の出力トルクは、図
4に示すように燃料噴射量に良好に比例することが知ら
れている。この関係は、燃料噴射モードが後期リーンモ
ードの場合に限られず、前期リーンモードの場合にも良
好に適用される。
【0058】つまり、筒内噴射型のエンジン1にあって
は、後期噴射モードの場合には、燃料が常に点火プラグ
3の周りに集められて着火され燃焼するために、燃料噴
射量に応じて出力トルクを変化させることが可能であ
り、また、燃料噴射量を減らして前期リーンモードの場
合に比べて空燃比をリーン化させてもエンジン回転変動
が生じにくく、ドライバビリティを悪化させることがな
く、一方、エンジン1が前期リーンモードでリーン燃焼
しているときにおいても、燃焼室5内の層状流の作用に
よって燃料が常に点火プラグ3の周りに集められるため
に、やはり同様にして燃料噴射量に応じて出力トルクを
変化させることが可能とされるのである。
【0059】従って、筒内噴射型のエンジン1では、次
のステップS15において、例えば、車速Vに応じて強
制的に燃料噴射モードを後期リーンモードまたは前期リ
ーンモードに設定する(モード切換手段)。そして、次
のステップS16において、目標スロットル開度θTH
T、即ち、運転者のアクセルペダル74の踏込量に基づ
くAPS72の出力に応じて燃料噴射量を算出し、この
燃料噴射量に基づいて燃料噴射弁4から燃料を噴射する
ようにしている(燃料制御手段)。つまり、空燃比制御
を行うようにしている。これにより、DBW−T/B2
3の異常によりスロットルバルブ28を作動停止した場
合にあっても、運転者のアクセルペダル74操作に応じ
て出力トルクが良好に調節可能とされ、DBW−T/B
23異常時の車両の走行安全性が確保される。
【0060】また、出力トルクを調節することを目的と
するのであれば、燃料噴射量を調節することなく、燃料
噴射を行う気筒を選択するようにしてもよい。つまり一
部の気筒(所定気筒)の燃料カットを行うことでエンジ
ン1の出力トルクを調節するようにしてもよい。これに
より、出力トルクの調節域が拡大する。従って、当該ス
テップS16では、必要に応じて、燃料カット気筒の設
定をも行うようにしている(燃料制御手段)。
【0061】但し、燃料カットによって出力トルク調節
を行う場合、出力トルクは階段状に変化することにな
り、トルクショックが発生する虞がある。従って、燃料
カットを行う場合には、燃料カットを行う気筒数に応じ
て上記燃料噴射量の調節を行い、これにより出力トルク
を徐々に変化させるのがよい。具体的には、空燃比をリ
ーンとして出力を低下させた後に燃料カットを行い、こ
のとき、燃料カットした気筒以外の気筒の空燃比を濃化
させる。これにより、燃料カットを行ったときには出力
トルクが急激に低下するのであるが、このような出力ト
ルクの急激な低下が好適に防止される。そして、その
後、空燃比を再度リーン化して上記燃料噴射量の調節に
よる燃料制御を繰り返すようにする。これにより、燃料
カットによる場合であっても、出力トルクを徐々に滑ら
かに変化させて出力トルク調節を良好に行うことができ
ることになる。
【0062】そして、ステップS18では、DBW−T
/B23に異常があって上記一連の処理を行っているこ
とを運転者に知らせるため、警告灯76を点灯させる。
ところで、上記ステップS10の判別結果が偽(No)
で、スロットル開度θTHと目標スロットル開度θTHTと
の差の絶対値が所定値X1以下(|θTHT−θTH|≦X
1)の場合には、DBW−T/B23は正常と判定で
き、この場合には、次にステップS20に進み、通常の
DBW制御を行う。つまり、この場合には、上述したよ
うにして燃焼制御が適正に行われ、DBW制御部70b
によって良好にステッパモータ24が制御される。
【0063】以上、詳細に説明したように、本発明の内
燃エンジンの制御装置によれば、電子式吸入空気量制御
弁装置、即ちドライブバイワイヤ型のスロットルボディ
(DBW−T/B)23を有しており、このDBW−T
/B23に異常が発生したような場合には、スロットル
バルブ28を閉弁状態とするとともにリンプホームバル
ブ27を開弁し、これによりリンプホームパイプ26を
介しDBW−T/B23をバイパスするようにして一定
量の吸気を行うようにしている。
【0064】従って、ステッパモータ24やTPS29
等に故障が発生し、DBW−T/B23が異常状態にな
ったことが確認されたときには、スロットルバルブ28
を閉弁してエンジン1の運転状態の悪化を防止できると
ともに、リンプホームパイプ26を介して一定量の吸気
を行うことで、通常運転時よりもエンジン1の出力トル
クは制限されるものの、安定したエンジン1の運転状態
を維持することができる。
【0065】さらに、本発明の内燃エンジンの制御装置
によれば、エンジン1が筒内噴射型であって且つリーン
空燃比運転可能な内燃エンジンであるため、燃料噴射モ
ードを後期リーンモードまたは前期リーンモードに設定
することで、一定量の吸気のもとに、アクセルペダル7
4の踏込量に応じて一部の気筒の燃料カットとともに燃
料噴射量の調節を行って出力トルクを良好に調節でき、
故に、車両の走行中においてDBW−T/B23が異常
状態となっても、車両の走行状態を通常の走行状態のと
きと同様にして好適に可変制御することができる。これ
により、従来のようにアクセル索を別途設けることな
く、DBW−T/B23の異常時において、走行安全性
とともに比較的良好なドライバビリティを確保すること
が可能とされる。
【0066】なお、上記実施形態では、エンジン1を筒
内噴射型のリーン空燃比運転可能な内燃エンジンとした
が、通常の吸気管噴射型の内燃エンジンに適用すること
も可能である。この場合、内燃エンジンが吸気管噴射型
でありながらリーン空燃比運転可能に設計されていれ
ば、混合気の層状化によって燃料を点火プラグ近傍に好
適に集めることができるため、上記同様にして出力トル
ク調節を燃料噴射量の調節で行うことができる。一方、
リーン空燃比運転可能に設計されていない内燃エンジン
のように、燃焼可能な空燃比が理論空燃比AFS近傍の
みと狭く、出力トルク調節を燃料噴射量の調節で行うこ
とが困難である場合には、出力トルク調節を一部の気筒
の燃料カットで行うようにすればよい。
【0067】また、上記実施形態では、DBW−T/B
23の異常時には、リンプホームパイプ26とリンプホ
ームバルブ27とを用いてDBW−T/B23をバイパ
スするようにして一定量の吸気を行うようにしたが、こ
れに限られず、例えば、上記ストッパ28c(図2参
照)に電磁式のアクチュエータを連結し、DBW−T/
B23の異常が検出されたときにこの電磁式のアクチュ
エータにECU70から駆動信号を供給してストッパ2
8cを突出させるような構成にしてもよい(全閉位置変
更手段)。これにより、ステッパモータ24への信号供
給が停止されたときでもスロットルバルブ28を閉塞さ
せることなく僅かに開弁させた状態に保持でき、上記リ
ンプホームパイプ26を介して吸気したときの吸気量と
略同量の吸気が可能とされる。故に、上記実施形態同様
の効果が得られる。
【0068】また、上記実施形態では、DBW−T/B
23、即ちステッパモータ24、TPS29等に異常が
発生したときにのみ警告灯76を点灯させるようにした
が、これに加え、例えば、ECU70にリンプホームバ
ルブ27の断線やショートによる異常の検出機能を持た
せ、このリンプホームバルブ27の異常が検出されたと
きに警告灯76を点灯させるようにしてもよい。これに
より、リンプホームバルブ27を常に作動可能な状態に
維持しておくことが可能とされる。
【0069】また、上記実施形態では、APS72を一
個のみ用いるようにしたが、検出精度の安定性を考慮し
て複数設けるようにするのがよい。
【0070】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、請求項1
の内燃エンジンの制御装置によれば、モータ等に故障が
生じ、異常検出手段によりスロットル弁装置に異常が検
出されると、モータによらずに駆動手段によってスロッ
トル弁を閉方向に駆動でき、また、補助吸気手段によっ
て内燃エンジンの燃焼室に所定量の空気を導入でき、さ
らに、上記所定量の空気と加速操作量検出手段の検出結
果に応じて燃料制御手段により燃料噴射量を制御するこ
とができる。
【0071】従って、スロットル弁装置に異常が検出さ
れたときには、略一定量の吸気を行うとともに加速操作
部材の操作量に応じて燃料噴射量を好適に制御でき、つ
まり空燃比を好適に制御でき、スロットル弁装置の異常
時であっても、内燃エンジンの出力トルクを好適に調節
して内燃エンジンの運転状態を良好に維持することがで
きる。特に、内燃エンジンが車両に搭載されている場合
にあっては、車両の走行安全性とともに比較的良好なド
ライバビリティを確保することができる。
【0072】また、請求項2の内燃エンジンの制御装置
によれば、加速操作量検出手段の検出結果とスロットル
開度検出手段の検出結果との比較に基づいて、スロット
ル弁装置の異常を容易に検出することができる。また、
請求項3の内燃エンジンの制御装置によれば、スロット
ル弁装置の異常が検出されたときには、電流遮断手段に
よってモータへ供給される駆動電流を遮断してモータ力
を解放でき、そして付勢手段によってスロットル弁を閉
方向に容易にして良好に駆動することができる。
【0073】また、請求項4の内燃エンジンの制御装置
によれば、スロットル弁装置に異常が検出され、スロッ
トル弁が閉方向に駆動されたときには、バイパス通路を
介して吸気を行うことができる。従って、スロットル弁
装置に異常が検出されたときにおいて、スロットル弁を
閉弁状態とする一方で常に一定量の吸気を確保でき、内
燃エンジンの運転状態を良好に維持することができる。
【0074】また、請求項5の内燃エンジンの制御装置
によれば、スロットル弁装置に異常が検出されたときに
は、スロットル弁を僅かに開弁した状態に保持すること
ができる。従って、スロットル弁を利用した簡単な構成
にして、スロットル弁装置に異常が検出されたときにお
いて、常に一定量の吸気を確保でき、内燃エンジンの運
転状態を良好に維持することができる。
【0075】また、請求項6の内燃エンジンの制御装置
によれば、スロットル弁装置に異常が検出されたときに
は、略一定の吸気量のもとに所定気筒の燃料カットによ
って燃料噴射量を好適に制御することができ、つまり空
燃比を好適に制御することができる。従って、略一定量
の吸気のもとで単純に燃料噴射量の増減制御により出力
トルクを調節できないような吸気管噴射型の内燃エンジ
ンであっても、スロットル弁装置に異常が検出され吸気
量を略一定としたときにおいて、出力トルクを良好に調
節して運転状態を好適に維持することができる。
【0076】また、請求項7の内燃エンジンの制御装置
によれば、筒内噴射型火花点火式内燃エンジンは、多用
される圧縮行程噴射モード領域や希薄空燃比運転領域で
燃料噴射量と出力トルクとが略比例関係にあることか
ら、筒内噴射型火花点火式内燃エンジンでは、スロット
ル弁装置に異常が検出され吸気量を略一定としたときで
も、燃料噴射量の増減制御により内燃エンジンの出力ト
ルクを従来エンジンに比べて比較的容易に調節可能であ
る。
【0077】また、請求項8の内燃エンジンの制御装置
によれば、筒内噴射型火花点火式内燃エンジンは、特に
圧縮行程噴射モードで燃料噴射量と出力トルクとが略完
全に比例関係にあることから、スロットル弁装置に異常
が検出され吸気量を略一定としたときでも、圧縮行程噴
射モードにすることで、燃料噴射量の増減制御によって
内燃エンジンの出力トルクを容易にしてより適正に調節
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御装置を含む筒内噴射型火花点火式
内燃エンジンを示す概略構成図である。
【図2】本発明の制御装置を示す概略構成図である。
【図3】電子式吸入空気量制御弁装置(DBW−T/
B)の異常時における異常処理制御ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図4】筒内噴射型火花点火式内燃エンジンにおける燃
料噴射量と出力トルクとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン(筒内噴射型火花点火式内燃エンジン) 4 燃料噴射弁 23 DBW−T/B(スロットル弁装置) 24 ステッパモータ 26 リンプホームパイプ(補助吸気手段、バイパス通
路) 27 リンプホームバルブ 28 スロットルバルブ(スロットル弁) 28a コイルスプリング(駆動手段、付勢手段) 28c ストッパ 29 TPS(スロットル開度検出手段) 70 電子制御ユニット(ECU) 72 APS(加速操作量検出手段) 76 警告灯

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃エンジンの加速操作を行う加速操作
    部材の操作量を検出する加速操作量検出手段と、 前記加速操作量検出手段の検出結果に基づき駆動される
    モータ、及び、前記内燃エンジンの吸気管に配設され、
    前記モータにより開閉駆動されるスロットル弁を有する
    スロットル弁装置と、 前記スロットル弁装置の異常を検出する異常検出手段
    と、 前記異常検出手段により前記異常が検出されたとき、前
    記スロットル弁を閉方向に駆動する駆動手段と、 前記異常検出手段により前記異常が検出されたとき、前
    記内燃エンジンの燃焼室に所定量の空気を導入可能な補
    助吸気手段と、 前記異常検出手段により前記異常が検出されたとき、前
    記所定量の空気と前記加速操作量検出手段の検出結果と
    に応じて前記燃焼室に供給する燃料噴射量を制御する燃
    料制御手段と、 を備えたことを特徴とする内燃エンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記スロットル弁装置は前記スロットル
    弁の開度を検出するスロットル開度検出手段をさらに備
    え、 前記異常検出手段は、前記加速操作量検出手段の検出結
    果と前記スロットル開度検出手段の検出結果との比較に
    基づいて前記異常を検出することを特徴とする、請求項
    1記載の内燃エンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段は、前記モータへ供給され
    る駆動電流を遮断する電流遮断手段と、前記電流遮断手
    段により前記駆動電流が遮断されたとき、前記スロット
    ル弁を閉方向に付勢する付勢手段とを含んでなることを
    特徴とする、請求項1または2記載の内燃エンジンの制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記補助吸気手段は、前記スロットル弁
    装置に設けられ、前記スロットル弁をバイパスするバイ
    パス通路を含み、前記スロットル弁が閉方向に駆動され
    たとき、前記バイパス通路を介して吸気を行うことを特
    徴とする、請求項1乃至3のいずれか記載の内燃エンジ
    ンの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記補助吸気手段は、前記スロットル弁
    の全閉位置を閉塞位置よりも所定量だけ開側に変更する
    全閉位置変更手段を含んでなることを特徴とする、請求
    項1乃至3のいずれか記載の内燃エンジンの制御装置。
  6. 【請求項6】 前記内燃エンジンは複数の気筒を有し、 前記燃料制御手段は、前記複数の気筒のうち所定気筒の
    燃料カットを行うものであることを特徴とする、請求項
    1乃至5のいずれか記載の内燃エンジンの制御装置。
  7. 【請求項7】 前記内燃エンジンは、燃焼室に燃料を直
    接噴射する燃料噴射弁を有し、運転状態に応じて吸気行
    程で燃料噴射を行う吸気行程噴射モードと圧縮行程で燃
    料噴射を行う圧縮行程噴射モードとを選択可能であって
    且つ希薄空燃比運転可能な筒内噴射型火花点火式内燃エ
    ンジンであることを特徴とする、請求項1乃至6のいず
    れか記載の内燃エンジンの制御装置。
  8. 【請求項8】 前記異常検出手段により前記異常が検出
    されたとき、前記圧縮行程噴射モードに切換えるモード
    切換手段をさらに備えることを特徴とする、請求項7記
    載の内燃エンジンの制御装置。
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CN113062812A (zh) * 2021-04-26 2021-07-02 中国第一汽车股份有限公司 一种发动机安全监控检测方法、装置、介质及电子设备

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CN113062812A (zh) * 2021-04-26 2021-07-02 中国第一汽车股份有限公司 一种发动机安全监控检测方法、装置、介质及电子设备
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