JP3572864B2 - 電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置 - Google Patents

電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子スロットル制御装置(ドライブバイワイヤ)と該電子スロットル制御装置の故障時のために備えられたリンプホームバルブとをそなえた、内燃機関に関し、特に、車両用筒内噴射内燃機関に用いて好適の、電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車等のエンジンにおいて、アクセルペダルとスロットルバルブとの間を電気信号で連絡するようにしたドライブバイワイヤ(以下、DBWという)が開発されている。このようなDBWでは、アクセルペダルとスロットルバルブとが機械的には接続されておらず、アクセルペダルの操作量(アクセル開度)の他にも種々のパラメータに基づいてコンピュータにより仮想のアクセル開度(疑似アクセル開度)を設定し、これに応じてスロットルバルブを制御することができ、電子スロットル制御装置とも称される。
【0003】
したがって、例えばアクセルペダルが操作されていない(即ち、アクセル開度が微小な所定値以下の)アイドル運転時に、スロットルバルブを微調整しながらアイドルスピードをコントロールしたりできるほか、車両の走行状態やエンジンの運転状態に応じてアクセル開度(運転者の操作)を補正するようにして疑似アクセル開度を設定して、これに基づいたスロットル制御により、フィーリングのよいエンジン運転を実現することもできる。
【0004】
一方、近年、点火プラグにより火花点火する内燃機関(一般には、ガソリンエンジン)であって、シリンダ内に直接燃料を噴射する火花点火式筒内噴射型内燃機関(以下、エンジンという)が、実用化されている。かかるエンジンでは、燃料噴射タイミングを自由に行なえ混合気の形成状態を自由に制御できる特性を利用して機関の燃費性能の向上と出力性能の向上とを両立させることができる。
【0005】
つまり、この火花点火式筒内噴射型エンジンでは、圧縮行程で燃料を噴射することで、層状燃焼により燃料の極めて希薄な状態(即ち、空燃比が理論空燃比よりも極めて大)での運転(超リーン燃焼運転)を行なうことができ、その燃焼形態として超リーン運転モード(圧縮行程噴射モード)をそなえており、燃料消費率の大幅な向上を実現することができる。
【0006】
火花点火式筒内噴射型エンジンでは、主として吸気行程で燃料を噴射する予混合燃焼運転も当然ながら行なうことができ、この場合には、燃焼室(シリンダ内)へ直接燃料を噴射することにより、各燃焼サイクルで噴射した燃料の大半をその燃焼サイクル内で確実に燃焼させることができるため、エンジン出力を向上させることもできる。
【0007】
このような予混合燃焼運転も、超リーン運転モードほどではないが燃料の希薄な状態(即ち、空燃比が理論空燃比よりも大)で運転を行なうリーン運転モード(吸気リーン運転モード)と、空燃比が理論空燃比となるようにOセンサ情報等に基づいてフィードバック制御を行なうストイキオ運転モード(ストイキオフィードバック運転モード)と、燃料の過濃な状態(即ち、空燃比が理論空燃比よりも小)で運転を行なうエンリッチ運転モード(オープンループモード)とを、燃焼形態として設定できる。
【0008】
一般には、エンジンへの要求出力が小さければ、即ち、エンジンの回転数が低く負荷も小さければ、圧縮リーン運転モードとして燃費の向上を図り、これよりもエンジン回転数やエンジン負荷が増大するにしたがって、吸気リーン運転モード,ストイキオ運転モード,エンリッチ運転モードの順に選択するように構成されている。
【0009】
ところで、超リーン燃焼運転(圧縮リーン運転)の場合、空燃比を大きくするために、燃焼室により多くの空気を供給する必要があるが、この圧縮リーン運転は、エンジン負荷の低い領域、即ち、アクセルペダルの踏込量(アクセル開度)の小さい領域で運転を行なうので、アクセル開度に応じたスロットルバルブ開度では所要の空燃比を満たすことができない。
【0010】
そこで、スロットルバルブをそなえた吸気通路を迂回するエアバイパス通路を設け、このエアバイパス通路に電子制御バルブ(エアバイパスバルブ)を介装し、アクセル開度に応じたスロットルバルブ開度では吸気不足となるときに、このエアバイパスバルブを必要な空気量に応じて開放して空気供給を行なうようにした技術も開発されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の火花点火式筒内噴射型エンジンに、前述のドライブバイワイヤ(DBW)を適用することも考えられる。つまり、DBWではアクセル開度に対応せずにスロットルバルブ開度を制御しうるので、アクセル開度に応じた量よりも多量の空気を燃焼室に供給することができ、火花点火式筒内噴射型エンジンの圧縮リーン運転時などにアクセル開度が小さくても必要量の空気を燃焼室に供給することができるのである。
【0012】
しかしながら、このようなDBWを採用する場合、筒内噴射型エンジンに限らず、DBWの万が一の故障に対する対策も用意しておきたい。
このDBW故障対策として、DBW故障時にも、確実に吸気を行ないうるように、DBWによる吸気調整系とは並列なバイパス通路に故障時用バルブ(例えばリンプホームバルブとも称される)を設けることが考えられる。
【0013】
しかし、この故障時用バルブ(リンプホームバルブ)が開固着した場合には、吸気量が正常時よりも増大するため、ドライバがトルクを要求しない場合にも出力が低下しないので、安定した走行性を確保することができないという課題がある。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、電子スロットル制御装置が故障した場合に対処するために故障時用バルブ(リンプホームバルブ)を設けて、さらに、この故障時用バルブの故障時にも、一定の車両の走行性能を確保できるようにした、電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明の電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置は、スロットル弁を電気的に駆動する電子スロットル制御装置を備えるとともに、理論空燃比よりも高い目標空燃比を設定しこの目標空燃比が得られるように空燃比制御を行なって燃焼を行なうリーンモードを選択しうる内燃機関において、該電子スロットル制御装置の故障時のために該スロットル弁をバイパスして備えられたリンプホームバルブと、該リンプホームバルブの開固着故障を検出する故障検出手段と、該故障検出手段で該リンプホームバルブの開固着故障が検出されると、該リーンモードを選択することを特徴としている。
【0016】
請求項2記載の本発明の電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置は、請求項1記載の装置において、該内燃機関は、圧縮行程で燃料噴射を行なえる筒内噴射内燃機関であって、該リーンモードとして、ごく高い空燃比で燃焼を行なう圧縮行程噴射リーンモードをそなえ、該故障検出手段で該リンプホームバルブの開固着故障が検出されると、該圧縮行程噴射リーンモードを選択することを特徴としている。
請求項3記載の本発明の電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置は、請求項1又は2記載の装置において、該故障検出手段で該リンプホームバルブの開固着故障が検出されると、該リーンモードを選択するとともに、該リーンモード運転時に燃焼安定性を確保する処理を行なうことを特徴としている。
請求項4記載の本発明の電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置は、請求項3記載の装置において、上記の燃焼安定性を確保する処理とは、排ガス再循環を停止する処理であることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明すると、図1〜図5は本発明の一実施形態としての電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置を示すものであり、これらの図に基づいて説明する。
〔車両に搭載されたエンジンの全体説明〕
まず、本実施形態にかかるエンジン(内燃機関)は、火花点火式筒内噴射型内燃機関(以下、筒内噴射エンジンともいう)であり、その構成について、図2を参照しながら説明する。
【0018】
図2において、1はエンジン本体、2は吸気通路、3はスロットル弁設置部分、4はエアクリーナである。吸気通路2は、上流側から吸気管7,スロットルボディ5,サージタンク8,吸気マニホールド9の順で接続された構成になっている。
スロットルボディ5には、電気的に制御される電子制御スロットルバルブ(スロットル弁)15が備えられており、この電子制御スロットルバルブ15は後述するスロットル制御コンピュータ(スロットルコントローラ、ここでは、ETVとも称する)160を通じて開度制御される。なお、スロットルバルブの目標開度(目標スロットル開度)は、後述するエンジン制御コンピュータ(エンジンECU)16で、アクセルポジションセンサ(APS1)51Aで検出されたアクセルペダル50の踏込量(アクセル開度)及びエンジン運転状態に応じて設定されるようになっている。
【0019】
そして、このような電子制御スロットルバルブ15及びエンジンECU16及びスロットルコントローラ160等から電子スロットル制御装置〔即ち、ドライブバイワイヤ(DBW)〕150(図1参照)が構成されている。
また、このような電子制御スロットルバルブ15と並列に、リンプホームバルブ装置(LHV)12が装備されている。このLHV12は、後述する電子制御スロットルバルブ故障時(閉故障時)に機関の燃焼が成立するよう空気を供給するためのものであり、電子制御スロットルバルブ15を迂回するようにサージタンク8上流側に設けられたバイパス通路13と、このバイパス通路13に介装されたLHV本体14とからなり、LHV本体14は後述するエンジン制御コンピュータ(エンジンECU)16により制御されるリニアソレノイド(図示略)で駆動されるようになっている。
【0020】
また、17は排気通路、18は燃焼室であり、吸気通路2及び排気通路17の燃焼室18への開口部、即ち吸気ポート2A及び排気ポート17Aには、吸気弁19及び排気弁20が装備されている。さらに、21は燃料噴射弁(インジェクタ)であり、本実施形態では、インジェクタ21が燃焼室18へ直接燃料噴射するように配設されている。
【0021】
また、22は燃料タンク、23A〜23Eは燃料供給路、24は低圧燃料ポンプ、25は高圧燃料ポンプ、26は低圧レギュレータ、27は高圧レギュレータ、28はデリバリパイプであり、燃料タンク22内の燃料を低圧燃料ポンプ24で駆動して更に高圧燃料ポンプ25で加圧して所定の高圧状態で燃料供給路23A,23B,デリバリパイプ28を通じてインジェクタ21へ供給するようになっている。この際、低圧燃料ポンプ24から吐出された燃料圧力は低圧レギュレータ26で調圧され、高圧燃料ポンプ25で加圧されてデリバリパイプ28に導かれる燃料圧力は高圧レギュレータ27で調圧されるようになっている。
【0022】
また、29は排出ガスの一部を吸気通路2に還流する排出ガス還流通路(EGR通路)、30はEGR29を通じた排出ガスの還流量を調整するEGRバルブ(排出ガス量調整手段)であり、32はブローバイガスを還元する流路であり、33はクランク室積極換気用のバルブであり、34はキャニスタであり、35は排出ガス浄化用触媒(ここでは、三元触媒)である。
【0023】
ところで、図2に示すように、エンジンECU16では、インジェクタ21の駆動制御や、図示しない点火プラグを作動させる点火コイルの駆動制御や、EGRバルブの開度制御や、高圧レギュレータ27による燃圧制御等に加えて、LHV12の制御を、エンジンの運転状態や故障状態に応じて行なうようになっている。また、スロットルコントローラ160では、電子制御スロットルバルブ15の開閉制御をドライバのアクセル指令やエンジンの運転状態や故障状態に応じて行なうようになっている。
【0024】
そこで、エンジンECU16には、図2に示すように、第1のアクセルポジションセンサ(APS1)51A,エアフローセンサ(図示略),吸気温度センサ36,スロットル開度を検出するスロットルポジションセンサ(TPS)37B,アイドルスイッチ38,エアコンスイッチ(図示略),変速ポジションセンサ(図示略),車速センサ(図示略),パワーステアリングの作動状態を検出するパワステスイッチ(図示略),スタータスイッチ(図示略),第1気筒検出センサ40,クランク角センサ41,エンジンの冷却水温を検出する水温センサ42,排出ガス中の酸素濃度を検出するO センサ43等から、検出信号が送信されるようになっている。なお、クランク角センサ41に基づいて機関回転数(エンジン回転数)を算出しうるので、クランク角センサ41を便宜上エンジン回転数センサとよぶ。
【0025】
また、スロットルコントローラ160には、図2に示すように、アクセルポジションセンサ(APS)51B,スロットルポジションセンサ(TPS)37A等から、検出信号が送信されるようになっている。
そして、エンジンECU16とスロットルコントローラ160とは、互いに通信により情報を交換しうるように構成されている。
【0026】
さらに、本エンジンには、自動変速機(AT)170と、自動変速機170を制御する自動変速機コントローラ(ATコントローラ)171とが付設されており、エンジンECU16とこのATコントローラ171との間でも通信により互いに情報を交換しうるように構成されている。
また、本エンジンには、オートクルーズ機能もそなえられており、オートクルーズ関連の入力情報に応じて、スロットルコントローラ160によるスロットル開度制御等が行なわれるようになっている。
【0027】
ところで、このような本エンジンでは、運転モードとして、後期リーン燃焼運転モード(圧縮行程噴射モード),前期リーン燃焼運転モード,ストイキオフィードバック運転燃焼運転モード,オープンループ燃焼運転モードがあり、エンジンの運転状態(即ち、エンジン回転数及びエンジン負荷)や車両の走行状態等に応じてこれらのモードの何れかが選択されるようになっている。
【0028】
このうち、後期リーン燃焼運転モードは、燃料噴射を圧縮行程後期のように極めて点火時期に近い段階で行ない、しかも燃料を点火プラグの近傍に集めて部分的にはリッチにし全体的にはリーンとしながら、層状燃焼を行なうモードであり、着火性,燃焼安定性を確保しつつ節約運転を行なうことのできる超希薄燃焼モードである。本実施形態では総合空燃比が約24以上の領域に設定されており、最も希薄燃焼を実現することができるが、総合空燃比については、本実施形態よりも低い領域(例えば総合空燃比が約23以上程度の範囲)に設定してもよく、また、本実施形態よりも高い領域に設定してもよい。
【0029】
また、前期リーン燃焼運転モードも希薄燃焼モードであるが、このモードでは、燃料噴射を後期リーン燃焼運転モードよりも前(主として、吸気行程)に行ない、燃料を予混合して全体的には理論空燃比よりもリーンとしながら着火性,燃焼安定性を確保しつつある程度の出力を得るようにしながら、節約運転を行なうモードである。ここでは、前期リーン燃焼運転モードの領域を、総合空燃比が約24以下で理論空燃比以上の領域に設定されている。
【0030】
また、ストイキオフィードバック燃焼運転モードは、O センサの出力に基づいて、空燃比をストイキオ状態に維持しながら十分なエンジン出力を効率よく得られるようにしている。このモードでは、吸気行程での燃料噴射に基づく予混合燃焼が行なわれる。
また、オープンループ燃焼運転モードでは、加速時や発進時等に十分な出力が得られるように、オープンループ制御によりストイキオ又はリッチな空燃比での燃焼を行なう。このモードでは、吸気行程での燃料噴射に基づく予混合燃焼が行なわれる。
【0031】
このような各運転モードは、エンジン回転数及びエンジン負荷に応じて、後述するエンジンECU16により選択されるが、通常は、低回転,低負荷状態では後期リーン燃焼運転モードが選択され、エンジン回転数やエンジン負荷が増加していくと、前期リーン燃焼運転モード、ストイキオ燃焼運転モードの順に切り替えられ、さらにエンジン回転数やエンジン負荷が増加すればオープンループモード(エンリッチ燃焼運転モード)へと切り替えられる。
【0032】
エンジンECU16では、このように運転モードを選択した上で、各種制御を行なうが、スロットルバルブ制御に着目すると、圧縮行程で燃料噴射して空燃比の極めて大きい後期リーン燃焼運転モードでは、目標空燃比を実現するためには、アクセル開度に応じたスロットルバルブ開度では空気不足になるため、アクセル開度に応じたスロットルバルブ開度よりも大幅に大きい目標開度(疑似目標開度)を設定してこれに基づいてスロットルバルブの開度制御を行なうようになっている。また、ストイキオフィードバック燃焼運転モードやオープンループ燃焼運転モードでも、アクセル開度に応じたスロットルバルブ開度では空気不足になる場合があり、この場合には、アクセル開度に応じたスロットルバルブ開度よりも適当に大きい目標開度(疑似目標開度)を設定してこれに基づいてスロットルバルブの開度制御を行なうようになっている。
〔吸気制御系の説明〕
ここで、本発明の制御装置に関する電子スロットル制御装置(DBW)150及びLHV12の制御系(即ち、リンプホームバルブ制御装置)120に着目して説明すると、これらの制御系は、図1に示すように構成される。
【0033】
つまり、DBW150を構成する電子制御スロットルバルブ15は、スロットルボディ5内の吸気通路5Aに介装されたバタフライ弁151と、バタフライ弁151を支持する軸152に外装されてバタフライ弁151に閉動付勢力を与えるリターンスプリング153と、軸152を回転駆動する電動モータ(スロットルアクチュエータ)154と、アクチュエータ154と軸152との間に介装されたギヤ機構155とをそなえている。
【0034】
そして、軸152には、バタフライ弁151の開度(スロットル弁開度)を検出するスロットルポジションセンサ37としては第1のスロットルポジションセンサ(TPS1)37Aと第2のスロットルポジションセンサ(TPS2)とが付設されている。このように、本装置では、二つのスロットルポジションセンサ(TPS1,TPS2)37A,37Bが設けられているが、これは、スロットルポジションセンサ37A,37Bの故障時にそなえたものである。
【0035】
DBW150は、このような電子制御スロットルバルブ15と、この電子制御スロットルバルブ15の目標開度を設定するエンジンECU16と、エンジンECU16で設定された目標開度に基づいてアクチュエータ154の作動を制御してスロットルバルブ開度を調整するスロットルコントローラ160とから構成されている。
【0036】
このため、図1に示すように、エンジンECU16には、目標開度設定部16Aがそなえられ、スロットルコントローラ160には、スロットル開度フィードバック制御部160Aがそなえられている。
図3はスロットル制御に着目した制御ブロック図であり、図3に示すように、エンジンECU16の目標開度設定部16Aには、第1のアクセルポジションセンサ(APS1)51Aからの検出情報とクランク角センサ41(図2参照)の検出結果から得られるエンジン回転数とから目標エンジントルクを設定する機能16aと、この設定された目標エンジントルクに吸気温補正及び大気圧補正を施す機能16bと、エアコン,電気負荷等に関する補正を施す機能16cと、この補正後の目標エンジントルクとエンジン回転数とから目標スロットル開度を設定する機能16dとがそなえられる。
【0037】
目標開度設定部16Aには、さらに、第2のスロットルポジションセンサ(TPS2)37Bからの検出情報に基づいてダッシュポット制御開度を設定する機能16eと、水温センサ(WTS)で検出されたエンジンの冷却水温情報等に応じてアイドルスピード制御開度を設定する機能16fとをそなえるとともに、これらの各設定開度の中から最大値を選択する機能16gをそなえており、選択した最大設定開度をスロットルバルブの目標開度として、スロットルコントローラ160に出力するようになっている。
【0038】
そして、スロットルコントローラ160のスロットル開度フィードバック制御部160Aでは、このエンジンECU16から出力されたスロットルバルブ目標開度に応じてモータ駆動電流を決定し、アクチュエータ(スロットル制御サーボともいう)154の駆動を制御するが、この際、スロットルコントローラ160内では、第1のスロットルポジションセンサ(TPS1)37Aで検出されたスロットルバルブ開度(実開度)に応じてスロットルバルブをフィードバック制御するようになっている。
【0039】
ところで、本装置では、図1に示すように、スロットルポジションセンサ(TPS1,TPS2)37A,37Bの場合と同様に、アクセルポジションセンサ51も、第1のアクセルポジションセンサ(APS1)51Aと第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bとの二つが設けられているが、これも故障時にそなえたものである。
【0040】
そして、第1のアクセルポジションセンサ(APS1)51Aの検出信号はエンジンECU16に入力されてスロットルバルブ目標開度の設定に用いられ、第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bの検出信号はスロットルコントローラ160に入力されて、第1のアクセルポジションセンサ51Aの故障時にはこの第2のアクセルポジションセンサ51Bの検出信号がスロットルコントローラ160から通信によりエンジンECU16に送信されてスロットルバルブ目標開度の設定に用いられるようになっている。
【0041】
スロットルポジションセンサについても、第1のスロットルポジションセンサ(TPS1)37Aの検出信号はスロットルコントローラ160に入力されてスロットルバルブのフィードバック制御に用いられ、第2のスロットルポジションセンサ(TPS2)37Bの検出信号はエンジンECU16に入力されて、前述のダッシュポット制御等に用いられるほか、第1のスロットルポジションセンサ37Aの故障時にはこの第2のスロットルポジションセンサ37Bのの検出信号がエンジンECU16から通信によりスロットルコントローラ160に送信されてスロットルバルブのフィードバック制御に用いられるようになっている。
【0042】
一方、リンプホームバルブ装置12は、スロットルボディ5内の吸気通路5Aと並列に(即ち、電子制御スロットルバルブ15のバタフライ弁151の上流側と下流側との間に)装備されたバイパス通路13と、このバイパス通路13にLHV本体14と、このLHV本体14を開閉駆動する図示しないリニアソレノイドと、このリニアソレノイドの作動を制御するエンジンECU16とから構成され、その制御系(リンプホームバルブ制御装置)120は、リニアソレノイド及びエンジンECU16とから構成される。
【0043】
リンプホームバルブ装置12は、DBW150の万が一の故障に対処するためにそなえられているが、本装置では、このようなDBW150の故障対策として、エンジンECU16及びスロットルコントローラ160において、種々の故障判定を行なうようになっており、各故障判定に対して例えばリンプホームバルブ装置12を用いるなどしてそれぞれの対応処理を行なうようになっている。
【0044】
なお、図1に示すように、この故障対応処理に利用しうるように、バッテリ61からスロットルコントローラ160への電源供給回路には、電源リレー62が介装されており、エンジンECU16によって適宜オン・オフしうるようになっている。また、180は、リンプホーム処理時に点灯する警告灯である。
ここで、各故障判定処理について説明する。この故障判定処理は、エンジンECU16及びスロットルコントローラ160に設けられた故障判定手段(故障検出手段)70によって、各種の検出情報や制御情報に基づいて行なわれるが、具体的には、次のような各判定処理を行なうようになっている。
【0045】
A.ポジションフィードバック故障
まず、電子制御スロットルバルブ15の開度(ポジション)を、指令通りに調整できないという故障(ポジションフィードバック故障)の判定処理について説明する。
ポジションフィードバックの故障とは、▲1▼バルブ系の固着(全閉固着を含む)や、▲2▼モータ出力オープン故障があり、ポジションフィードバック故障信号を受信した場合に、故障と判定する。
【0046】
ただし、▲1▼イグニッションスイッチがオンである。▲2▼モータリレーがオンである、又は、エンジンECU16からスロットルコントローラ160への通信異常が発生している。▲3▼バッテリ電圧Vbが所定値以上ある。▲4▼スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常は発生していない。といった故障判定前提条件が全て成立した場合にこの故障判定を行なう。
【0047】
このポジションフィードバック故障の一つに、電子制御スロットルバルブ15の固着があるが、この場合、第1のスロットルポジションセンサ(APS1)37Aで固着した電子制御スロットルバルブ15の開度を検出できる。そこで、この開度情報から、スロットルバルブ15が第1所定開度以上で固着した場合(バルブ開固着)には、開固着対応処理(バルブ開固着フェイル処理)を行ない、スロットルバルブ15が第2所定開度以下で固着した場合(バルブ閉固着)には、閉固着対応処理(バルブ閉固着フェイル処理)を行なうようになっている。
【0048】
開固着対応処理(バルブ開固着フェイル処理)は、次の各処理を行なう。
▲1▼吸気量を制限するために、LHV12をオフ(閉鎖)とする。
▲2▼燃料噴射モードは圧縮リーンモードに限定する(強制圧縮リーンモードとする)。
▲3▼一部気筒(例えば6気筒エンジンならば3気筒)の燃料供給を停止(一部気筒燃料カット)する。
【0049】
▲4▼EGR制御を停止(EGRカット)する。
▲5▼エンジン回転数Neが所定の高回転領域(Ne≧3000rpm)ならば全気筒について燃料供給を停止(燃料カット)する。
▲6▼エンジンで駆動される補機類のうち停止によりエンジン作動に悪影響を与えないものについては作動停止とする(ここでは、エアコンを停止する)。
【0050】
また、バルブ閉固着フェイル処理としては、少ない吸気量でも安定した燃焼を行なえるようにすべく、運転モードとして希薄燃焼モードに含まれる後期リーン燃焼運転モードや前期リーン燃焼運転モードが選択されるのを禁止する処理を行なうようになっている。つまり、バルブ閉固着フェイル処理としては、運転モードを理論空燃比モード(ストイキオフィードバック運転燃焼運転モード,オープンループ燃焼運転モード)に切り替える処理を行なうようになっている。
【0051】
また、開固着時以外のバルブ故障時(バルブ閉固着を含む)には、スロットルバルブを通じた吸気量確保が困難になるため、閉固着対応処理(バルブ閉固着フェイル処理)は、LHV12を利用して吸気を確保するため、リンプホーム処理を行なうようになっている。
B.モータ故障
モータ故障には、▲1▼モータ地絡,▲2▼モータ天絡(過電流検出)があるが、モータ出力の地絡,天絡故障信号を受信した場合に、故障と判定する。ただし、▲1▼モータリレーがオンである。▲2▼スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常は発生していない。といった故障判定前提条件が全て成立した場合にこの故障判定を行なう。このようなモータ故障時には、後述するリンプホームモード処理を行なう。
【0052】
C.TPS故障
スロットルポジションセンサには、第1及び第2の2つのTPS37A,37Bがあるが、スロットルコントローラ160によるフィードバック制御に用いられる第1のスロットルポジションセンサ(TPS1)37Aについては、▲1▼電流回路のオープン又はショートによる故障と▲2▼リニアリティ不良とがあり、第2のスロットルポジションセンサ(TPS2)37Bについては、▲3▼特性異常と▲4▼電流回路のオープン又はショートによる故障とがあり、それぞれの故障信号を受信した場合に、故障と判定する。
【0053】
ただし、この故障判定は、▲1▼イグニッションスイッチがオンである。▲2▼スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常は発生していない。という故障判定前提条件が全て成立した場合において行なう。
そして、第1のスロットルポジションセンサ(TPS1)37Aの故障時には、スロットルバルブのフィードバック制御に支障を来すので、エンジンの運転領域を制限する処理を行なう。また、第1のスロットルポジションセンサ(TPS1)37Aの故障時に、既に第2のスロットルポジションセンサ(TPS2)37Bが故障していたり、後述する通信異常(エンジンECU16からスロットルコントローラ160への通信異常)があると、リンプホーム処理を行なう。
【0054】
D.通信故障
通信は、エンジンECU16とスロットルコントローラ160との間で行なわれ、通信故障には、エンジンECU16からスロットルコントローラ160への通信異常と、スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常とがある。
【0055】
・エンジンECU16からスロットルコントローラ160への通信異常については、スロットルコントローラ160がエンジンECU16からの通信故障信号を受信した場合に、故障と判定する。
ただし、この故障判定は、▲1▼バッテリ電圧Vbが所定値以上ある。▲2▼スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常は発生していない。といった故障判定前提条件が全て成立した場合において行なう。
【0056】
この通信故障時には、エンジンECU16で設定されたスロットルバルブの目標開度をスロットルコントローラ160で取り込めず、吸気量制御を適切に行なえないおそれが高くなるため、次のような処理を行なう。
▲1▼リーン運転禁止処理
▲2▼クルーズコントロール制御禁止処理
▲3▼エンジン高回転時(例えばNe≧3000rpm)燃料カット処理
・スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常については、以下の条件のいずれかが成立した場合に、故障と判定する。
【0057】
▲1▼チェックサムエラーがある。
▲2▼オーバラン・フレーミングエラーがある。
▲3▼所定時間(例えば25msec間)通信未完である。
ただし、この故障判定は、▲1▼バッテリ電圧Vbが所定値以上ある。▲2▼クルージングスイッチがオフである。といった故障判定前提条件が全て成立した場合において行なう。
【0058】
この通信故障時にも、エンジンECU16がスロットルコントローラ160から制御信号等を取り込めず、吸気量制御を適切に行なえないおそれが高くなるため、次のような処理を行なう。
▲1▼スロットルコントローラ160に通信フェイルを送信
▲2▼リーン運転禁止処理
▲3▼クルーズコントロール制御禁止処理
▲4▼エンジン高回転時(例えばNe≧3000rpm)燃料カット処理
▲5▼ブレーキ踏込時、エンジンECU16からのスロットルバルブ15の指令目標開度を上限クリップする。
【0059】
E.スロットルコントローラ故障(ETV故障)
スロットルコントローラ160の故障については、以下▲1▼〜▲4▼の条件の全てが成立した場合、又は、以下▲5▼〜▲8▼の条件の全てが成立した場合に、故障と判定する。
▲1▼イグニッションスイッチがオンである。
【0060】
▲2▼第2アクセルポジションセンサ(APS2)51B及び第2スロットルポジションセンサ(TPS2)37Bに異常がない。
▲3▼エンジンECU16からスロットルコントローラ160への通信異常が発生している。
▲4▼|(VAPS2)/2−(5v−VTPS2)|≧1v
▲5▼イグニッションスイッチがオンである。
【0061】
▲6▼第2アクセルポジションセンサ(APS2)51B及び第2スロットルポジションセンサ(TPS2)37Bに異常がない。
▲7▼スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常が発生している。
▲8▼|(エンジンECU指令開度電圧−VTPS2)|≧1v
このようなスロットルコントローラ160の故障が判定されたら、リンプホーム処理を行なう。
【0062】
F.APS故障
アクセルポジションセンサには、第1及び第2の2つのAPS51A,51Bがあるが、これらの第1及び第2のアクセルポジションセンサ(APS1,APS2)51A,51Bについては、▲1▼電流回路のショートによる故障,センサGNDオープンによる故障と、▲2▼電流回路のオープンによる故障,センサGNDショートによる故障と、▲3▼特性異常とがある。
・第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bの電流回路のショートによる故障,センサGNDオープンによる故障は、▲1▼通信異常がなく、且つ、▲2▼第1のアクセルポジションセンサ(APS1)51Aに異常がないという条件が成立していることを前提に、以下の両条件が成立したら判定する。
【0063】
▲1▼第2のアクセルポジションセンサ51Bの出力値VAPS2が所定値V1以上である(例えばV1=4.5vとすると、VAPS2≧4.5vである)。
▲2▼第1のアクセルポジションセンサ51Aの出力値VAPS1が所定領域内にある(例えば0.2v≦VAPS1≦2.5v)である。
・第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bの電流回路のオープンによる故障,センサGNDショートによる故障は、第2のアクセルポジションセンサ51Bの出力値VAPS2が所定値V2以下である(例えばV2=0.2vとすると、VAPS2<0.2vである)ときに判定する。
・第1のアクセルポジションセンサ(APS1)51Aの電流回路のショートによる故障,センサGNDオープンによる故障は、▲1▼通信異常がなく、且つ、▲2▼第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bに異常がないという条件が成立していることを前提に、以下の両条件が成立したら判定する。
【0064】
▲1▼第1のアクセルポジションセンサ51Aの出力値VAPS1が所定値V3以上である(例えばV2=4.5vとすると、VAPS1≧4.5vである)。
▲2▼第2のアクセルポジションセンサ51Bの出力値VAPS2が所定領域内にある(例えば0.2v≦VAPS2≦2.5v)である。
・第1のアクセルポジションセンサ(APS1)51Aの電流回路のオープンによる故障,センサGNDショートによる故障は、第1のアクセルポジションセンサ51Aの出力値VAPS1が所定値V4以下である(例えばV4=0.2vとすると、VAPS1<0.2vである)ときに判定する。
・また、アクセルポジションセンサの特性異常は、アイドルスイッチがオン(即ち、アイドル運転中)を前提条件に、VAPS2≧1.1vのときに判定する。
【0065】
そして、第2のアクセルポジションセンサ51Bの故障時には、次のような処理を行なう。
▲1▼VAPS =VAPS1/2に設定
▲2▼リーン運転禁止処理
▲3▼クルーズコントロール制御禁止処理
▲4▼エンジン出力上限クリップ処理
ただし、第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bの故障検出後に、スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常が生じた場合には、リンプホーム処理を行なう。
また、第1のアクセルポジションセンサ51Aの故障時には、次のような処理を行なう。
【0066】
▲1▼VAPS =VAPS2/2に設定
▲2▼リーン運転禁止処理
▲3▼クルーズコントロール制御禁止処理
▲4▼エンジン出力上限クリップ処理
ただし、既に第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bが故障していれば、リンプホーム処理を行なう。
【0067】
アクセルポジションセンサの特性異常時には、次のような処理を行なう。
▲1▼VAPS =VAPS1/2に設定
▲2▼リーン運転禁止処理
▲3▼クルーズコントロール制御禁止処理
▲4▼エンジン出力上限クリップ処理
ただし、既に第1のアクセルポジションセンサ(APS1)51Aが故障していれば、リンプホーム処理を行なう。
【0068】
G.LHV故障
LHV12の故障については、▲1▼LHVソレノイドがオフ、且つ、▲2▼端子電圧Loが検出された場合にLHV12故障と判定する。この判定は、LHV12をオンさせるべきでない運転状態(例えば、通常運転時,スロットル弁開故障時ABWに二重フェイルでない時など)であるにもかかわらず、LHV12への通電が行なわれている場合を判定しており、これにより、LHV12が開放状態で固着していることを測定することができる。
【0069】
このLHV12の故障時には、以下の処理を行なう。
▲1▼強制圧縮リーン運転とする。即ち、エンジンの運転モードを、後期リーン燃焼運転モード(圧縮行程噴射モード)に限定して、エンジン出力を抑制する。
▲2▼エンジン高回転時(例えばNe≧3000rpm)燃料をカットする。
▲3▼EGRをカットする。
【0070】
▲4▼アイドルスピードコントロールのエンジン回転数フィードバック制御を禁止する。
ところで、リンプホーム処理は、LHV12を作動させて、エンジンの各燃焼室に空気を供給できるようにするが、このLHV12のLHV本体14は、通常時はオン・オフ制御され、LHV12を作動させるには、LHV本体14をオン状態とする。
【0071】
したがって、リンプホーム処理時には、吸気量の調整は行なわず、エンジン出力自体は調整ぜずに、車速制御はもっぱらドライバのブレーキ操作により行なうように設定している。
このため、エンジン出力を過剰にしないように、LHV12の作動時の吸気量は抑えられている。つまり、LHV12作動時には、一定の走行出力を得られ且つドライバのブレーキ操作により減速や停止に支障がない程度の量の吸気が行なわれるようになっている。
【0072】
このリンプホーム処理は、具体的には、以下のような処理を行なうようになっている。
A:燃料カット処理
1)前進走行時
▲1▼第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bの出力値が所定値以下〔(5v−VAPS2)>1.5v〕のときには、全気筒燃料噴射する。
【0073】
▲2▼第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bの出力値が所定値以上〔(5v−VAPS2)≦1.5v〕のときには、一部の気筒(例えば全6気筒なら3気筒)を燃料噴射カットする。
▲3▼第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bの故障時には、一部の気筒(例えば全6気筒なら3気筒)を燃料噴射カットする。
【0074】
▲4▼ブレーキ踏込時には、一部の気筒(例えば全6気筒なら3気筒)を燃料噴射カットする。
2)後退走行時
一部の気筒(例えば全6気筒なら3気筒)を燃料噴射カットする。
B:モータリレーをオフにする。
【0075】
C:LHV12をオンにする〔ただし、ブレーキ踏込時(ブレーキスイッチオン時)には所定時間(例えば2秒間)LHV12を5Hzでデューティ制御する。
D:リーン運転を禁止する。
E:クルーズコントロール制御禁止処理
F:エンジン回転数フィードバック制御を禁止する。
【0076】
G:警告灯180を点灯する。
H:一旦リンプホームモードに移行したら、イグニッションスイッチがオフ操作されるまでは正常復帰しない。
なお、各フェイル処理において、リーンモードの禁止を行なっているが、リーンモードは、高精度なスロットル制御の基に成立するモードなので、TPS故障時にはリーンモードでは安定燃焼を損なうおそれがある。これを回避するためにリーンモードを禁止するのである。
【0077】
次に、電子制御スロットルバルブ15の固着によるポジションフィードバック故障の場合の故障判定処理について説明する。
この故障判定処理のために、スロットルコントローラ160には、図1に示すように、故障判定手段70が備えられているが、電子制御スロットルバルブ15の固着による故障が発生しているか否かを判定するようになっており、この判定の結果に応じて、運転モードを切り替える処理を行なうようになっている。
【0078】
この故障判定手段70には、アクセルポジションセンサ51Aからの検出情報に基づいて設定された目標開度を読み込むとともに、第2のスロットルポジションセンサ(TPS2)37Bにより検出される電子制御スロットルバルブ15の開度を読み込み、こられの目標開度と電子制御スロットルバルブ15の開度とを比較し、所定時間(例えば500ms)に亘って所定開度(例えば1°)以上の開度差が継続した場合に、電子制御スロットルバルブ15の固着による故障が発生していると判定するようになっている。
【0079】
また、アクセルポジションセンサ51Aからの検出情報に基づいて設定された目標開度が小さくなっているにもかかわらず、第2のスロットルポジションセンサ(TPS2)37Bにより検出される電子制御スロットルバルブ15の開度が小さくならない場合(即ち、第1所定開度よりも大きい大開度状態のままである場合)にはバルブ開固着と判定し、逆に、アクセルポジションセンサ51Aからの検出情報に基づいて設定された目標開度が大きくなっているにもかかわらず、第2のスロットルポジションセンサ(TPS2)37Bにより検出される電子制御スロットルバルブ15の開度が大きくならない場合(即ち、第2所定開度よりも小さい小開度状態のままである場合)にはバルブ閉固着と判定するようになっている。
【0080】
そして、電子制御スロットルバルブ15が第1所定開度以上のままになっており、バルブ開固着と判定した場合は、前述の開固着対応処理(バルブ開固着フェイル処理)を行ない、逆に、スロットルバルブ15が第2所定開度以下のままになっており、バルブ閉固着と判定した場合は、閉固着対応処理(バルブ閉固着フェイル処理)を行なうようになっている。
【0081】
ところで、この開固着(全開固着)以外のバルブ故障時には、リンプホーム処理を行なうようにしているが、リンプホーム処理では、前述のように、前進走行時には、アクセル開度が所定開度以上なら全気筒に燃料噴射を行ない(全気筒噴射)、アクセル開度が所定開度以下なら一部気筒の燃料噴射を停止する(一部気筒噴射カット)。
【0082】
つまり、バルブ故障時には、アクセル開度の小さい場合、即ち、ドライバがエンジントルクを要求しない場合には、運転領域に限らず、一部気筒(ここでは、6気筒中の3気筒)の燃料噴射を停止してエンジン出力を低下させ、アクセル開度の大きい場合、即ち、ドライバがエンジントルクを要求する場合には、一部気筒の燃料噴射の停止を行なわないで、つまり、全気筒に燃料噴射を行なって、エンジン出力を確保するようになっている。このように適宜燃料噴射を停止してエンジン出力を低下させる制御機能を出力低下手段(図示略)という。
【0083】
この出力低下手段は、前述のように、後退時には、常に、一部気筒(ここでは、6気筒中の3気筒)の燃料噴射を停止してエンジン出力を低下させ、後退時のエンジン出力を確実に低減できるようになっている。
なお、このような電子制御スロットルバルブ15に関するポジションフィードバック故障の場合の故障判定処理において、故障が発生していないと判定された場合であっても、アクセル開度検出手段としてのAPS51A,51Bが故障した場合があるが、この場合は、吸入空気量の調整を正確に行なうことができないため、希薄燃焼モードに含まれる後期リーン燃焼運転モードが選択されると燃焼が不安定になり、ドライバに不安感を与えることが考えられる。
【0084】
このため、本実施形態にかかる内燃機関の制御装置においては、上述(「F.APS故障」参照)のようにしてAPS故障の場合の故障判定処理を行なうようになっているのである。
なお、このような故障判定処理のために、スロットルコントローラ160には図示しないアクセル開度故障判定手段が備えられており、このアクセル開度故障判定手段によりAPS51A,51Bが故障しているか否かを判定するようになっている。そして、このアクセル開度故障判定手段によりAPS51A,51Bが故障していると判定された場合は、吸入空気量の調整を正確に行なうことができないため、DBWにより電子制御スロットルバルブ15の開度が所定の小開度状態になるように駆動するとともに、運転モードを理論空燃比モードに切り替えるようになっているのである。
【0085】
本発明の一実施形態としての電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置は、上述のように構成されているので、吸気制御系の故障、即ち、電子スロットル制御装置(DBW)150及びLHV12系の故障に対しては、例えば図4に示すように、処理が行なわれる。
つまり、まず、LHV故障判定ルーチン(ステップA10)により、LHV故障の判定にかかる処理を行なう。LHV故障の判定は、▲1▼LHVソレノイドがオフであるか否か、及び、▲2▼端子電圧Lo検出されているか否かを判定するが、▲1▼LHVソレノイドがオフ且つ▲2▼端子電圧Lo検出されていれば、LHV故障であると判定する。この場合には、ステップA20の判定を経て、ステップA30でエンジン出力抑制処理を行なう。具体的には、次の各処理を行なう。
【0086】
▲1▼運転モードを強制的に後期リーン燃焼運転モード(圧縮行程噴射モード)に設定し、エンジン出力の抑制を図る。
▲2▼エンジン回転数Neが所定回転数(例えば3000rpm)以上になったら、燃料カット(燃料供給停止)を行ない、エンジン出力の抑制を図る。
▲3▼EGRをカット(停止)し、排気ガス浄化よりも安定燃焼を優先させる。
【0087】
▲4▼アイドルスピードコントロールについて、エンジン回転数フィードバック制御を禁止して、安定燃焼を優先させる。
LHV故障時には、LHV12が開放状態で固着していることが予測されるため、スロットルバルブ15を介して供給される空気に加えてこのLHV12のバルブ本体14をそなえたバイパス通路13からも空気が供給されることになり、一定の目標空燃比に制御した場合には、燃料供給量も増量されることになって、特に、減速時や停止時及び発進時においてはエンジン出力が増大してしまい運転者の意に反して出力が過剰になり都合が悪い。
【0088】
これに対して、本装置では、強制圧縮リーンに設定することや、エンジンの回転上昇時の燃料カットによってエンジン出力を抑制処理しているので、エンジン出力が過剰になることはなく、車両を所要の地点(例えば修理工場等)まで運行させることができるようになり、故障時のドライバの負担を軽減することができる。
【0089】
一方、LHV故障でなければ、ステップA20の判定を経て、ステップA40に進み、APSフェイルフラグFfailが1であるか否かを判定する。このAPSフェイルフラグFfailは、アクセルポジションセンサ(APS)51A,51Bのいずれかが故障した場合には1となり、そうでなければ0となる。ここで、フラグFfailが1であればステップA80のAPS二重故障判定ルーチンへ進み、フラグFfailが1でなければステップA50のAPS故障判定ルーチンへ進む。
【0090】
ステップA50のAPS故障判定ルーチンでは、第1のアクセルポジションセンサ(APS1)51A,第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bのそれぞれについて、▲1▼電流回路のショートによる故障,センサGNDオープンによる故障、▲2▼電流回路のオープンによる故障,センサGNDショートによる故障、▲3▼特性異常時について、前述のような判定処理を行なう。
【0091】
ここで、APS故障が判定されると、ステップA70を経て、ステップA80に進み、APS故障が二重故障、即ち、第1及び第2のアクセルポジションセンサ(APS1,APS2)51A,51Bがいずれも故障しているか否かが判定される。APSが二重故障なら、ステップA300に進み、リンプホーム処理を行ない、APSが二重故障でなければ、即ち、2つのAPSの一方のみが故障している場合は、ステップA90に進む。
【0092】
ステップA90では、ブレーキスイッチがオンか否か、即ち、ブレーキ操作が行なわれているか否かが判定される。ブレーキ操作が行なわれていれば、ステップA100に進み、スロットル開度指令値を所定の上限値にクリップ処理して、吸気量を抑えることで、エンジン出力を抑制する。ブレーキ操作が行なわれていなければ、ステップA120に進み、APS故障に応じて、各故障時処理を行なう。
【0093】
つまり、第2のアクセルポジションセンサ51Bの故障時には、▲1▼VAPS =VAPS1/2に設定し、▲2▼リーン運転を禁止し、▲3▼クルーズコントロール制御を禁止し、▲4▼エンジン出力上限をクリップ処理する。ただし、第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bの故障検出後に、スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常が生じた場合には、リンプホーム処理を行なう。
【0094】
第1のアクセルポジションセンサ51Aの故障時には、▲1▼VAPS =VAPS2/2に設定し、▲2▼リーン運転を禁止し、▲3▼クルーズコントロール制御を禁止し、▲4▼エンジン出力上限をクリップ処理する。ただし、既に第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bが故障していれば、リンプホーム処理を行なう。
また、アクセルポジションセンサの特性異常時には、▲1▼VAPS =VAPS1/2に設定し、▲2▼リーン運転を禁止し、▲3▼クルーズコントロール制御を禁止し、▲4▼エンジン出力上限をクリップする。ただし、既に第1のアクセルポジションセンサ(APS1)51Aが故障していれば、リンプホーム処理を行なう。
【0095】
一方、APS故障でない場合は、ステップA60からステップA130のETV判定ルーチンへ進む。
このETV判定ルーチンでは、スロットルコントローラの故障を判定する。▲1▼イグニッションスイッチがオンであり、▲2▼第2アクセルポジションセンサ(APS2)及び第2スロットルポジションセンサ(TPS2)に異常がなく、▲3▼エンジンECU16からスロットルコントローラ160への通信異常が発生していて、▲4▼|(VAPS2)/2−(5v−VTPS2)|≧1vである場合、又は、▲5▼イグニッションスイッチがオンであり、▲6▼第2アクセルポジションセンサ(APS2)及び第2スロットルポジションセンサ(TPS2)に異常がなく、▲7▼スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常が発生していて、▲8▼|(エンジンECU指令開度電圧−VTPS2)|≧1vの場合、スロットルコントローラの故障と判定する。
【0096】
スロットルコントローラの故障が判定されたら、ステップA140を経て、ステップA300に進み、リンプホーム処理を行ない、スロットルコントローラの故障が判定されなければ、ステップA150の通信故障判定ルーチンへ進む。
この通信故障判定ルーチンでは、通信故障には、エンジンECU16からスロットルコントローラ160への通信異常と、スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常とが判定される。
【0097】
エンジンECU16からスロットルコントローラ160への通信異常については、▲1▼バッテリ電圧Vbが所定値以上あり、▲2▼スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常は発生していない状況下(ゾーン)において判定し、スロットルコントローラ160がエンジンECU16からの通信故障信号を受信した場合に、故障と判定する。
【0098】
スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常については、▲1▼バッテリ電圧Vbが所定値以上あり、▲2▼クルージングスイッチがオフである状況下(ゾーン)において判定し、▲1▼チェックサムエラーがあり、▲2▼オーバラン・フレーミングエラーがあり、▲3▼所定時間(例えば25msec間)通信未完である場合に、故障と判定する。
【0099】
このような通信故障が判定されたら、ステップA160を経て、ステップA170に進み、通信故障対応処理を行なう。
つまり、エンジンECU16からスロットルコントローラ160への通信異常時には、吸気量制御を適切に行なえないおそれが高くなるため、▲1▼リーン運転を禁止し、▲2▼クルーズコントロール制御を禁止し、▲3▼エンジン高回転時(例えばNe≧3000rpm)には燃料カットを行なう。
【0100】
また、スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常時には、吸気量制御を適切に行なえないおそれが高くなるため、▲1▼スロットルコントローラ160に通信フェイルを送信して、▲2▼リーン運転を禁止し、▲3▼クルーズコントロール制御を禁止し、▲4▼エンジン高回転時(例えばNe≧3000rpm)には燃料カットを行ない、▲5▼ブレーキ踏込時には、エンジンECU16からのスロットルバルブの指令目標開度を上限クリップする。
【0101】
通信故障が判定されなければ、ステップA160を経て、ステップA180のモータ故障判定ルーチンに進む。
モータ故障判定ルーチンでは、▲1▼モータリレーがオンであり、▲2▼スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常は発生していない状況下(ゾーン)で、モータ出力の地絡,天絡故障信号を受信した場合に、モータ故障と判定する。
【0102】
このモータ故障判定時には、ステップA190を経て、ステップA300に進み、リンプホーム処理を行ない、モータ故障が判定されなければ、ステップA200のTPS故障判定ルーチンに進む。
TPS故障判定ルーチンでは、▲1▼イグニッションスイッチがオンであり、▲2▼スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常は発生していないという状況下(ゾーン)で、それぞれの故障信号を受信した場合に、故障と判定する。なお、スロットルコントローラ160によるフィードバック制御に用いられる第1のスロットルポジションセンサ(TPS1)37Aについては、▲1▼電流回路のオープン又はショートによる故障と▲2▼リニアリティ不良とがあり、第2のスロットルポジションセンサ(TPS2)37Bについては、▲3▼特性異常と▲4▼電流回路のオープン又はショートによる故障とがある。
【0103】
このようなTPS故障判定ルーチンの判定結果に基づいて、ステップA210で、TPS1とTPS2とのいずれか一方が故障しているか否かが判定される。ここで、TPS1とTPS2とのいずれか一方が故障していれば、ステップA220に進み、TPS1とTPS2との両方が共に故障しているか否かが判定される。
【0104】
TPS1とTPS2との両方が共に故障していれば、ステップA300に進み、リンプホーム処理を行ない、そうでなければ(即ち、TPS1とTPS2とのいずれか一方のみが故障している場合)、ステップA230に進み、リーンモード禁止処理を行なう。このリーンモード禁止処理は、リーンモードは、高精度なスロットル制御の基に成立するモードなので、TPS故障時にはリーンモードでは安定燃焼を損なうおそれがある。これを回避するためにリーンモードを禁止するのである。
【0105】
一方、スロットルポジションセンサ(TPS)がいずれも故障していなければ、ステップS210を経て、ステップS240のポジションフィードバック故障判定ルーチン(POS F/B故障判定ルーチン)に進む。
ポジションフィードバック故障判定ルーチンでは、ポジションフィードバックの故障、つまり、▲1▼バルブ系の固着(全閉固着を含む)や、▲2▼モータ出力オープンを判定するが、この判定は、▲1▼イグニッションスイッチがオンであって、▲2▼モータリレーがオンである、又は、エンジンECU16からスロットルコントローラ160への通信異常が発生していて、▲3▼バッテリ電圧Vbが所定値以上あり、▲4▼スロットルコントローラ160からエンジンECU16への通信異常は発生していない状況下(ゾーン)で、ポジションフィードバック故障信号を受信した場合に、故障と判定する。
【0106】
ポジションフィードバック故障が判定されなければ、ステップA250を経て、故障処理は行なわない(リターンする)が、ポジションフィードバック故障が判定されれば、ステップA250を経て、ステップA260に進み、第2スロットルバルブ開度VTPS2が所定値K1(K1:バルブ全開に近い値)以上か否かが判定される。ここで、第2スロットルバルブ開度VTPS2が所定値K1以上なら、ステップA280へ進み、バルブ開固着フェイル処理を行なう。
【0107】
ステップA260で、第2スロットルバルブ開度VTPS2が所定値K1以上でなければ、ステップA270に進み、第2スロットルバルブ開度VTPS2が所定値K2(K2:バルブ全閉に近い値)以下か否かが判定される。ここで、第2スロットルバルブ開度VTPS2が所定値K2以下なら、ステップA290へ進み、バルブ閉固着フェイル処理を行なう。
【0108】
また、第2スロットルバルブ開度VTPS2が、所定値K1,K2の間の値であれば、ステップA300に進み、リンプホーム処理を行なう。
ステップA280のバルブ開固着フェイル処理は、▲1▼吸気量を制限するために、LHV12をオフ(閉鎖)とし、▲2▼燃料噴射モードは圧縮リーンモードに限定し(強制圧縮リーンモードとする)、▲3▼一部気筒(例えば6気筒エンジンならば3気筒)の燃料供給を停止(一部気筒燃料カット)し、▲4▼EGR制御を停止(EGRカット)し、▲5▼エンジン回転数Neが所定の高回転領域(Ne≧3000rpm)ならば全気筒について燃料供給を停止(燃料カット)して、▲6▼エンジンで駆動される補機類のうち停止によりエンジン作動に悪影響を与えないものについては作動停止とする(ここでは、エアコンを停止する)。
【0109】
このように、本制御装置では、スロットルバルブ15が所定開度以上の大開度状態で固着している場合には、後期リーン燃焼運転モードが選択されたり、所定数の気筒の燃料噴射を停止したりして、よりエンジンの出力を確実に低下させ、ドライバの出力を要求していないにもかかわらず過剰に出力が出てしまうという状態を確実に回避して、ドライバの要求に応じた安定した走行を確保できるという利点がある。
【0110】
さらに、スロットルバルブ15が所定開度以上の大開度状態で固着していることが判定された場合に、機関の補機類の負荷を軽減させることにより、希薄燃焼モードにおける燃焼を安定させて、ドライバに出力変動による不安感を与えないようにしながら、安定した走行を確保できるという利点もある。
また、その他のバルブ故障(閉固着時を含む)に対しては、LHV12を利用して吸気を確保するため、前述のようなリンプホーム処理を行なう。
【0111】
リンプホーム処理は、バルブ故障の観点からは、前進走行時には、アクセル開度が所定開度以上なら全気筒に燃料噴射を行ない(全気筒噴射)、アクセル開度が所定開度以下なら一部気筒の燃料噴射を停止する(一部気筒噴射カット)。
これにより、ドライバがエンジントルクを要求しない場合には、一部気筒(ここでは、6気筒中の3気筒)の燃料噴射を停止してエンジン出力を低下させ、ドライバがエンジントルクを要求する場合には、一部気筒の燃料噴射の停止を行なわないで、つまり、全気筒に燃料噴射を行なって、エンジン出力を確保することにより、ドライバの出力要求意思をエンジン出力に反映させることができる。
【0112】
また、後退時には、常に、一部気筒(ここでは、6気筒中の3気筒)の燃料噴射を停止してエンジン出力を低下させ、後退時のエンジン出力を確実に低減できるので、エンジン出力が大き過ぎないようにでき、後退時の運転操作を容易に行なうことができるようになる。即ち、後退運転のドライバビリティを向上させることができるのである。
【0113】
なお、スロットルバルブ15が所定開度以下の小開度状態で固着していることが判定された場合には希薄燃焼モードが禁止されるため、機関の出力が確保され、ドライバの出力を要求しているにもかかわらず出力が出ないという状態を回避して、ドライバの要求に応じた安定した走行を確保できるという利点もある。
また、故障判定手段70により電子スロットル制御装置の故障が判定されない場合であっても、アクセル開度故障判定手段によりアクセル開度検出手段の故障が判定された場合は、スロットル弁の開度が所定の小開度状態になるように制御され希薄燃焼モードの選択が禁止されるため、燃焼が不安して、ドライバに不安感を与えないようにしながら安定した走行を確保できる利点もある。
【0114】
なお、本実施形態の内燃機関では、バルブ開固着と判定した場合は開固着対応処理(バルブ開固着フェイル処理)を行なう一方、バルブ閉固着と判定した場合は閉固着対応処理(バルブ閉固着フェイル処理)を行なうようにしているが、いずれか一方の処理のみを行なうようにしても良い。
そして、ステップA300のリンプホーム処理は、図5に示すように行なわれる。
【0115】
つまり、リーン運転モードを禁止する(ステップB10)。つまり、高精度なスロットル制御を要求するリーン運転モードを回避して、ストイキオモード等によってより安定した燃焼が行なえるようにする。
次に、モータリレー(電源リレー)62をオフにする。これにより、スロットルコントローラ160には電力供給されなくなり、スロットルコントローラ160を通じたスロットルバルブ制御は行なわれなくなり、リンプホームバルブ14のみを制御して吸気量調整を行なうようになる。
【0116】
そして、ブレーキスイッチがオンか否か、即ち、ブレーキ操作が行なわれているか否かが判定される(ステップB30)。ブレーキスイッチがオンならば、リンプホームバルブ(LHV)14を所定時間(例えば2秒間)だけデューティ制御する(ステップB40)。
つまり、このリンプホームバルブ14は、通常時にはオンかオフかのいずれかにセットされるオン・オフバルブであが、電磁バルブなので、デューティ制御も可能であり、ここでは、例えばデューティ50%程度としてLHV14の開度を抑制することで、バイパス通路13に流れる空気量を低減させることができ、これにより、吸気マニホールド9の負圧を増加させてマスタバック負圧を確保することができるようになっている。したがって、リンプホーム処理中でも、ブレーキ操作時には十分なマスタバック負圧が得られて、通常時と同様な制動力を確保することができるのである。
【0117】
また、このような処理は、ブレーキ操作開始時の所定時間(ここでは2秒間)で十分であり、所定時間経過したら、デューティ制御は終了する。なお、このリンプホームバルブ14のデューティ制御を所定時間内に規制することで、ソレノイドの耐久性も確保される。
一方、ブレーキスイッチがオフならば、リンプホームバルブ(LHV)14をオン(開)状態にする(ステップB50)。
【0118】
そして、ステップB40,B50の処理を行なったら、ステップB60に進み、車両が前進しているか否かを判定する。
車両が前進していなければ、車両は後退していることになり、常に一部の気筒の燃料カット(例えば6気筒中の3気筒を燃料カット)を行ない、エンジン出力の抑制を行なう(ステップB110)。これにより、後退走行による駐車及び車庫入れ時にエンジン出力が過剰となるのを防止することができる。
【0119】
また、車両が前進していれば、ステップB70に進み、第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bの出力値が所定値以上か否か〔(5v−VAPS2)>1.5vか又は(5v−VAPS2)≦1.5vか〕を判定する。
ここで、(5v−VAPS2)≦1.5vのときには、ステップB110に進み、一部の気筒の燃料カット(例えば6気筒中の3気筒を燃料カット)を行ない、エンジン出力の抑制を行なう。また、(5v−VAPS2)>1.5vなら、ステップB80に進み、第2のアクセルポジションセンサ(APS2)51Bが故障しているか否かを判定する。この故障判定は前述のように行なう。
【0120】
APS2が故障していれば、ステップB110に進み、一部の気筒の燃料カット(例えば6気筒中の3気筒を燃料カット)を行ない、エンジン出力の抑制を行なう。APS2が故障していなければ、ステップB90に進み、ブレーキスイッチがオンか否か、即ち、ブレーキ操作が行なわれているか否かが判定される。
ここで、ブレーキスイッチがオンならば、一部の気筒の燃料カット(例えば6気筒中の3気筒を燃料カット)を行ない、エンジン出力の抑制を行なう。ブレーキスイッチがオンでなければ、ステップB100に進み、全気筒で燃料噴射を行ない、出力を確保する。
【0121】
また、リンプホーム処理時には、警告灯180の点灯も行なう。
このように、リンプホーム処理は、前進走行時で、APS2故障がなく(即ち、APS2情報からドライバの速度要求意思を把握できる状態である)、ブレーキ操作がされていないで、アクセル開度が所定値以上ある場合、すなわち、ドライバがエンジン出力を要求している時には、燃料カットは行なわないが、後進走行時や、APS2故障時や、ブレーキ操作時や、アクセル開度が所定値以下の場合には、安全側の制御として、一部の気筒の燃料カット(例えば6気筒中の3気筒を燃料カット)を行ない、エンジン出力の抑制を行なうのである。
【0122】
そして、ドライバは、ブレーキ操作しなければ車速を得ることができ、ブレーキ操作すれば減速や停止をおこなうことができ、吸気系の故障時にも、残されたドライバ意思反映手段であるブレーキ操作情報に基づいて、ドライバ意思を反映した車速制御を一定レベルで行なえるのである。
また、本制御装置では、出力低減のために、一部気筒の燃料供給停止(燃料カット)しているが、燃焼が成立すれば、燃料供給停止に変えて燃料供給を低減する処理を行なってもよい。
【0123】
また、本制御装置では、エンジン出力の低減手段として、希薄燃焼モードのひとつである圧縮行程噴射モードに切り替えるようにしているが、希薄燃焼モードが吸気行程噴射モード(前期リーン燃焼運転モード)のみのエンジンにおいては、この吸気行程噴射モードに切り替える処理を行なうようにすれば良い。
しかしながら、前期リーン燃焼運転モードは燃焼変動が発生しやすいため、後期リーン燃焼運転モード(圧縮行程噴射モード)選択してエンジン出力を低減するのが好ましい。
【0124】
なお、フェイル判定のリセット条件について簡単に述べると、リセット条件としてはイグニッションキーOFFやバッテリOFF等があり、最走行時に前述した制御を繰り返すとともに、再判定時にDBW正常とされた場合には通常制御に復帰する。なお、この際にフェイル情報としてフェイル内容をコンピュータ(ECUやコントローラ)に記憶させれば、車両点検時にDBWシステムの再チェックを行なうことができる。
【0125】
また、本制御装置は、筒内噴射内燃機関に備えられる制御装置として説明しているが、これに限られるものではなく、希薄燃焼モードとその他のモード(例えば理論空燃比モード)とを選択可能な内燃機関の制御装置としても適用することができる。
また、本実施形態では、本制御装置は、変速機を自動変速機としているが、手動変速機にも適用できることは勿論のことである。
【0127】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項記載の本発明の電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置によれば、LHV開固着故障時に、リーンモードに設定することでエンジン出力が抑制処理されるので、エンジン出力が過剰になることはなく、車両を所要の地点(例えば修理工場等)まで運行させることができるようになり、故障時のドライバの負担をより確実に軽減することができる。
【0128】
請求項記載の本発明の電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置によれば、LHV開固着故障時に、圧縮リーンモードに設定することでエンジン出力が抑制処理されるので、エンジン出力が過剰になることはなく、車両を所要の地点(例えば修理工場等)まで運行させることができるようになり、故障時のドライバの負担をより一層確実に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置の要部を示す模式的な構成図である。
【図2】本発明の一実施形態としての電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態としての電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置の吸気制御系を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態としての電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置の吸気制御系のフェイル対策処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態としての電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置の吸気制御系のフェイル対策処理のうちのリンプホーム処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン本体
2 吸気通路
2A 吸気ポート
3 スロットル弁設置部分
4 エアクリーナ
5 スロットルボディ
5A スロットルボディ内の吸気通路
7 吸気管
8 サージタンク
9 吸気マニホールド
12 リンプホームバルブ装置(LHV)
13 バイパス通路
14 リンプホームバルブ
15 電子制御スロットルバルブ(スロットル弁)
16 エンジン制御コンピュータ(エンジンECU)
16A 目標開度設定部
17 排気通路
17A 排気ポート
18 燃焼室
19 吸気弁
20 排気弁
21 燃料噴射弁(インジェクタ)
22 燃料タンク
23A〜23E 燃料供給路
24 低圧燃料ポンプ
25 高圧燃料ポンプ
26 低圧レギュレータ
27 高圧レギュレータ
28 デリバリパイプ
29 排出ガス還流通路(EGR通路)
30 EGRバルブ(排出ガス量調整手段)
32 ブローバイガスを還元する流路
33 クランク室積極換気用のバルブ
34 キャニスタ
35 排出ガス浄化用触媒
36 吸気温度センサ
37A 第1のスロットルポジションセンサ(TPS1)
37B 第2のスロットルポジションセンサ(TPS2)
38 アイドルスイッチ
40 第1気筒検出センサ
41 クランク角センサ
42 水温センサ
43 O センサ
50 アクセルペダル
70 故障判定手段(故障検出手段)
51A 第1のアクセルポジションセンサ(APS1)
51A 第1のアクセルポジションセンサ(APS2)
120 リンプホームバルブ制御装置
150 電子スロットル制御装置〔ドライブバイワイヤ(DBW)〕
151 バタフライ弁
152 バタフライ弁を支持する軸
153 リターンスプリング
154 電動モータ(スロットルアクチュエータ)
155 ギヤ機構
160 スロットル制御コンピュータ(スロットルコントローラ)
160A スロットル開度フィードバック制御部
170 自動変速機(AT)
171 自動変速機コントローラ(ATコントローラ)
180 警告灯

Claims (4)

  1. スロットル弁を電気的に駆動する電子スロットル制御装置を備えるとともに、理論空燃比よりも高い目標空燃比を設定しこの目標空燃比が得られるように空燃比制御を行なって燃焼を行なうリーンモードを選択しうる内燃機関において、
    該電子スロットル制御装置の故障時のために該スロットル弁をバイパスして備えられたリンプホームバルブと、
    該リンプホームバルブの開固着故障を検出する故障検出手段とをそなえ、
    該故障検出手段で該リンプホームバルブの開固着故障が検出されると、該リーンモードを選択する
    ことを特徴とする、電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置。
  2. 該内燃機関は、圧縮行程で燃料噴射を行なえる筒内噴射内燃機関であって、該リーンモードとして、ごく高い空燃比で燃焼を行なう圧縮行程噴射リーンモードをそなえ、
    該故障検出手段で該リンプホームバルブの開固着故障が検出されると、該圧縮行程噴射リーンモードを選択する
    ことを特徴とする、請求項1記載の電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置。
  3. 該故障検出手段で該リンプホームバルブの開固着故障が検出されると、該リーンモードを選択するとともに、該リーンモード運転時に燃焼安定性を確保する処理を行なう
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置。
  4. 上記の燃焼安定性を確保する処理とは、排ガス再循環を停止する処理である
    ことを特徴とする、請求項3記載の電子スロットル制御装置付き内燃機関の制御装置。
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