JPH10299445A - 可変動弁機構 - Google Patents

可変動弁機構

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JPH10299445A
JPH10299445A JP9116162A JP11616297A JPH10299445A JP H10299445 A JPH10299445 A JP H10299445A JP 9116162 A JP9116162 A JP 9116162A JP 11616297 A JP11616297 A JP 11616297A JP H10299445 A JPH10299445 A JP H10299445A
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cam
idling
contact
variable valve
valve mechanism
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JP9116162A
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Katsuhiko Motosugi
勝彦 本杉
Seiji Tsuda
清治 津田
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OTIX KK
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/12Transmitting gear between valve drive and valve
    • F01L1/18Rocking arms or levers
    • F01L1/185Overhead end-pivot rocking arms

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可変動弁機構により、トルク、出力、燃費、
排気ガスのクリーン性等の諸特性を内燃機関の全回転域
にわたって最大限に向上させるとともに、アイドリング
を安定させる。 【解決手段】 アイドリング用カム3と、カムプロフィ
ールを変化させた立体カム2と、立体カム2を軸方向へ
変位させる変位装置5と、揺動してバルブ7を開閉する
スイングアーム8と、スイングアーム8に設けられ、ア
イドリング域及び低回転・軽負荷域においてアイドリン
グ用カム3に接触するアイドリング用接触部12と、ス
イングアーム8にアイドリング用接触部12とは独立し
て設けられ、前記以外の運転領域において立体カム2に
接触する追従接触部16を含む追従接触機構13とを備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の運転領
域に応じて、バルブタイミング及びリフト量を変化させ
る可変動弁機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の低回転時と高回転
時とで、バルブタイミング(開弁作用角と位相とを含
む)及びリフト量を二段階に変化させる動弁機構が種々
知られている。これらの可変動弁機構によれば、一般的
な動弁機構に比べて、トルク、出力、燃費、排気ガスの
クリーン度等の諸特性がかなり向上する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これら従来
の可変動弁機構は、変化がわずか二段階なので、内燃機
関の運転状況に応じた精密な制御が難しく、トルク特性
に谷が生じるとか、低回転時のトルクと高回転時の出力
との両立が難しいとか、一つのバルブに対して二つ〜三
つのアーム等が必要になるため、構造が複雑になり、コ
ンパクト化が難しいとか、切替機構としてはピンを高油
圧で移動させるタイプが主流であったため、一回での切
替不良や異音や摩耗の発生があるとかという問題があっ
た。
【0004】そこで、本発明者は先に、カムプロフィー
ルを連続的に変化させた立体カムを備えたカムシャフト
と、該カムシャフトを軸方向へ連続的に又は段階的に変
位させる変位装置と、該立体カムのカムプロフィールに
基づいて揺動することによりバルブを開閉するアームと
を備えた可変動弁機構を発明した(特開平9−2130
5号公報)。同発明によれば、上記の諸問題を解決する
ことができたが、アイドリング(アイドル回転)を安定
させることについて課題が残っていた。
【0005】つまり、立体カムでアイドリングを安定さ
せるためには、各気筒での立体カムのカムプロフィール
加工精度と気筒間のカムピッチ精度とが要求される。し
かし、ノーズ部が傾斜する立体カムは加工精度を高める
ことが難しく、将来の生産技術の改良による向上は考え
られるものの、大量生産ではどうしても限界がある。ま
た、気筒間のカムピッチ精度については、加工精度が向
上したとしても、熱膨張による変化が加わるため、やは
り限界がある。これらの精度の限界により、アイドリン
グ域でアームが立体カムのどこに接触するかが定まら
ず、オーバーラップ角等がばらついてアイドリングの安
定性が損なわれるのである。今後は、ますます省資源・
低燃費指向により超低回転・静粛アイドリングが要求さ
れるものと予想されるが、この場合、アイドリングの安
定性は最も重要な条件となる。
【0006】そこで、本発明の目的は、バルブタイミン
グ及びリフト量を連続的に又は段階的に変化させること
により、トルク、出力、燃費、排気ガスのクリーン性等
の諸特性を内燃機関の全回転域にわたって最大限に向上
させることができるだけでなく、アイドリングを安定さ
せることもできる新規な可変動弁機構を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の可変動弁機構は、カムプロフィールが軸方
向に変化しないアイドリング用カムと、低回転用カムプ
ロフィールから高回転用カムプロフィールまでカムプロ
フィールを軸方向に連続的に変化させた立体カムと、前
記立体カムを軸方向へ連続的に又は段階的に変位させる
変位装置と、前記アイドリング用カム又は前記立体カム
のカムプロフィールに基づいて揺動することによりバル
ブを開閉するアームと、前記アームに設けられ、内燃機
関の主にアイドリング域において前記アイドリング用カ
ムに接触するアイドリング用接触部と、前記アームに前
記アイドリング用接触部とは独立して設けられ、内燃機
関の主にアイドリング域以外の運転領域において前記立
体カムの回転に伴う接触線角度の変化に追従しながら前
記立体カムに接触する追従接触部を含む追従接触機構と
を備えたことを特徴としている。
【0008】ここで、アイドリング用カムと立体カムと
は、カムシャフト上に同軸状に設けられていることが好
ましい。
【0009】アイドリング用カムのバルブタイミングの
位相、開弁作用角及びリフト量と、立体カムの低回転用
カムプロフィールにおけるバルブタイミングの位相、開
弁作用角及びリフト量と、高回転用カムプロフィールに
おけるバルブタイミングの位相、開弁作用角及びリフト
量とは、個々の内燃機関における要求事項に応じて適宜
設定することができる。もっとも、多くの場合、低回転
用カムプロフィールは開弁作用角及びリフト量が小さ
く、高回転用カムプロフィールは開弁作用角及びリフト
量が大きい。
【0010】アイドリング用カムのリフト量に対し立体
カムの低回転用カムプロフィールにおけるリフト量が同
一又は小さい場合には、アイドリング用カムのベース径
に対し立体カムのベース径を同一にするとよい。
【0011】アイドリング用カムのリフト量に対し立体
カムの低回転用カムプロフィールにおけるリフト量が大
きい場合には、その差分だけアイドリング用カムのベー
ス径に対し立体カムのベース径を小さくするとよい。
【0012】変位装置により立体カムを段階的に変位さ
せる場合、二段階に変化させてもよいが、その場合は二
段階の変位を調節できるようにすることが好ましい。さ
らに好ましくは、立体カムを少なくとも三段階に変位さ
せることである。最も好ましくは、立体カムを連続的に
変位させることである。変位装置は特定の構造に限定さ
れず、油圧、電磁力等を利用したものを例示できる。
【0013】アームは、特に限定されないが、次のもの
を例示できる。 1) 一端部がロッカシャフトに揺動可能に軸支され、
他端部にバルブ押圧部を備え、中央部に追従接触部付ロ
ーラ機構を備えたスイングアーム。 2) 一端部がピボットに揺動可能に支持され、他端部
にバルブ押圧部を備え、中央部に追従接触部付ローラ機
構を備えたスイングアーム。 3) 一端部に追従接触部付ローラ機構を備え、他端部
にバルブ押圧部を備え、中間部がロッカシャフトに揺動
可能に軸支されたロッカアーム。
【0014】アイドリング用接触部は、内燃機関のアイ
ドリング域のほか低回転・軽負荷域においてもアイドリ
ング用カムに接触し、追従接触部は、内燃機関のアイド
リング域及び低回転・軽負荷域以外の運転領域において
立体カムに接触することが好ましい。アイドリング域か
ら低回転・軽負荷域への移行時にカムを切替えると、内
燃機関の運転者がその切替えに気付きやすいためであ
る。
【0015】アイドリング用接触部は、特に限定されな
いが、アームに設けられた不動面や、回転可能に設けら
れたローラ等を例示できる。不動面としては、アームの
表面自体や、アームに取付けられたパッドを例示でき
る。パッドとしては、焼結金属製のパッドを拡散接合に
よってアームに固定したものや、高クロム鋳鉄製のパッ
ドをろう付けによってアームに固定したものを例示でき
る。
【0016】追従接触機構は、特に限定されないが、ア
ームに設けられた半円筒内面座と、該半円筒内面座に揺
動可能に嵌合された追従接触部とからなるものを例示で
きる。
【0017】なお、本発明の可変動弁機構は、吸気バル
ブ又は排気バルブの何れか一方に適用することもできる
が、両方に適用することが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を吸気バルブ及び排
気バルブの両方に適用した可変動弁機構の実施形態につ
いて、図面を参照して説明する。よって、実施形態にお
いて単にバルブというときは、吸気バルブと排気バルブ
の両方を指す。
【0019】図1、図4等に示すように、カムシャフト
1上には、右側の低回転用カムプロフィールから左側の
高回転用カムプロフィールまで、カムプロフィールを軸
方向に連続的に変化させた立体カム2が形成されてい
る。立体カム2はベース円部2aとノーズ部2bとから
なり、ベース円部2aは、低回転用カムプロフィールに
おいても高回転用カムプロフィールにおいても同一半径
であるため、傾斜の無い円柱面である。しかし、ノーズ
部2bは、低回転用カムプロフィールにおいては開弁作
用角及びリフト量が小さく、高回転用カムプロフィール
においては開弁作用角及びリフト量が大きいため、円錐
面のように傾斜している。
【0020】また、カムシャフト1上における立体カム
2の低回転用カムプロフィール側の隣には、カムプロフ
ィールが軸方向に変化しないアイドリング用カム3が同
軸状に並設されている。アイドリング用カム3は傾斜の
無いベース円部3aとノーズ部3bとからなり、そのカ
ムプロフィール(図8aの曲線I)は、立体カム2の中
回転用カムプロフィール(図8bの曲線L)と略同一で
ある。従って、アイドリング用カム3のベース径と立体
カム2のベース径とは同一とされている。なお、アイド
リング用カム3と立体カム2との間には、後述する追従
接触部16の縁角部を逃がすための間隙部4が設けられ
ている。
【0021】カムシャフト1の端部には、内燃機関の回
転数等の運転状況に応じてカムシャフト1を軸方向へ連
続的に変位させる変位装置5が設けられている。変位装
置5は、スプラインを用いたカムシャフト1のガイド部
と、油圧を用いたカムシャフト1の駆動部とからなり
(いずれも図示略)、内燃機関の回転センサやアクセル
開度センサ等に基づいて作動するマイクロコンピュータ
等の制御装置(図示略)により制御されるようになって
いる。
【0022】カムシャフト1の斜め下方に配されたロッ
カシャフト6には、アイドリング用カム3又は立体カム
2のカムプロフィールに基づいて揺動することにより隣
り合う二つのバルブ7を同時に開閉するスイングアーム
8が回動可能に軸着されている。スイングアーム8は、
右端部にロッカシャフト6の挿通孔9を備え、左端部の
二股状に分かれた二つの分岐部8aには、それぞれバル
ブクリアランス調整可能なバルブ押圧部としての雄ねじ
付ピン10及びその固定ナット11とを備えている。ま
た、スイングアーム8の中央部上面には、次のように構
成されたアイドリング用接触部12と追従接触機構13
とが互いに独立した形で設けられている。
【0023】アイドリング用接触部12は、図2等に示
すように、スイングアーム8の中央部上面における幅方
向の一方側に拡散接合によって固定された焼結金属製の
パッドである。アイドリング用接触部12は、内燃機関
の負荷を伴わないアイドリング域と低回転・軽負荷域と
においてアイドリング用カム3に接触するようになって
いる。なお、アイドリング用接触部12は長手方向中央
部がわずかに隆起する曲面になっている(平面でもよ
い)。
【0024】追従接触機構13は、図2等に示すよう
に、スイングアーム8の中央部上面における幅方向の他
方側に凹設された半円筒内面座14と、該半円筒内面座
14に揺動(ロール運動)可能に嵌合された追従接触部
16とからなる。
【0025】半円筒内面座14の左端は突き抜けるよう
に開放されており、邪魔物が無いため、半円筒内面座1
4の精密加工を容易にかつ精度良く行うことができる。
また、半円筒内面座14の長手方向略中央部には係合凹
部15が設けられている。係合凹部15の内底面は平ら
又は緩い湾曲凹面であるため、係合凹部15の加工を容
易に行うことができるとともに、係合凹部15の両内側
面の研磨加工を容易にかつ精度良く行うことができる。
【0026】追従接触部16は、半円筒内面座14に揺
動可能に接触する半円柱面17と、立体カム2に接触す
る平らな接触面18とを含む、半割り円柱状のものであ
る。半円柱面17の長手方向中央部には扇形の係合凸部
19が一体的に設けられ、該係合凸部19が係合凹部1
5に係合して揺動可能に挟まれている。この係合によ
り、追従接触部16の長手方向の端面が現れた状態で、
追従接触部16の長手方向の移動が規制されている。な
お、接触面18は長手方向中央部がわずかに隆起する曲
面になっている(平面でもよい)。
【0027】追従接触部16は、内燃機関のアイドリン
グ域及び低回転・軽負荷域以外の運転領域において、前
記揺動により、立体カム2の回転に伴う接触線角度の変
化に追従しながら、接触面18が立体カム2に接触する
ようになっている。このとき、立体カム2は追従接触部
16の接触面18をその長手方向に摺接していくが、前
記の通り追従接触部16の長手方向の移動を規制してい
るので、追従接触部16が半円筒内面座14から外れる
ことはない。また、追従接触部16の長手方向の端面が
現れた状態で、追従接触部16の長手方向の移動を規制
しているので、該端面に規制壁を設ける必要が無い。こ
のため、追従接触部16のカム当たり面長さ(接触面1
8の長手方向長さ)を最大限にとることができ、もって
立体カム2のノーズ部2b高さを高くして、バルブ7の
リフト量を最大限にとることができる。
【0028】本実施形態の可変動弁機構は、次のように
作用する。 (1)まず、内燃機関のアイドリング域においては、図
4に示すように、カムシャフト1が左方向へ変位し切
り、アイドリング用カム3のベース円部3a(図4a)
ないしノーズ部3b(図4b)がアイドリング用接触部
12に接触してスイングアーム8を押圧する。このと
き、立体カム2のベース円部2a(図4a)は追従接触
部16の接触面18に接触するが、ノーズ部2b(図4
b)は接触面18の縁部に接触して追従接触部16を傾
動させるにすぎず、接触面18の大半部から離れている
から実質的には作用しない。
【0029】従って、スイングアーム8はアイドリング
用カム3のカムプロフィールに基づいて揺動し、図8a
の曲線Iに示すように、排気側及び吸気側のバルブ7を
小さい開弁作用角及びリフト量で開閉させる。このアイ
ドリング用カム3のカムプロフィールは軸方向に変化せ
ず、カムシャフト1の軸方向位置の制御精度には影響さ
れない。また、ノーズ部3bに傾斜の無いアイドリング
用カム3は高い加工精度が期待できる。このため、排気
バルブと吸気バルブとのオーバーラップ角はX0 に決ま
り、アイドリングが安定する。そして、前述したような
超低回転・静粛アイドリングも可能となり、市街地走行
における実用燃費を大幅に向上できる可能性がある。
【0030】(2)次に、内燃機関が低回転・軽負荷域
に至ると、図5に示すように、カムシャフト1が少し右
方向へ変位するが、このときはまだアイドリング域と同
様に、アイドリング用カム3のベース円部3a(図5
a)ないしノーズ部3b(図5b)がアイドリング用接
触部12に接触してスイングアーム8を押圧する。立体
カム2のノーズ部2b(図5b)は接触面18の大半部
から離れている。
【0031】従って、スイングアーム8はアイドリング
用カム3のカムプロフィールに基づいて揺動する(図8
aの曲線I)。このように、低回転・軽負荷域もアイド
リング用カム3によることとし、アイドリング域から低
回転・軽負荷域への移行時にカムを切替えないようにし
たので、内燃機関の運転者がその切替えに気付くおそれ
がない。
【0032】また、前記アイドリング域とこの低回転域
では、一般的にカムとカムフォロアとの間の平均速度が
低下して、潤滑状態が混合潤滑又は境界潤滑に移行する
ため、この状態で運転を継続すると、カム及びカムフォ
ロアのスカッフィング摩耗が促進される。従って、この
運転領域に、局部的に強い接触が生じる立体カム2を使
用することは不利である。しかし、本実施形態では、こ
の運転領域に、接触幅を大きく取りやすいアイドリング
用カム3を使用しているので、アイドリング用カム3及
びアイドリング用接触部12の摩耗を軽減することがで
きる。
【0033】(3)次に、内燃機関が中回転域又は中負
荷域に至ると、図6に示すように、カムシャフト1がま
た少し右方向へ変位し、立体カム2の中回転用カムプロ
フィールにおけるノーズ部2b(図6b)が追従接触部
16の接触面18全体に接触してスイングアーム8を押
圧するようになる。すなわち、追従接触部16は立体カ
ム2の1回転毎に揺動して、接触線角度の変化に追従し
ながら立体カム2に接触し、ノーズ部2bに押圧され
る。このときを境にして、アイドリング用カム3のノー
ズ部3b(図6b)がアイドリング用接触部12から離
れるようになる。
【0034】従って、スイングアーム8は中回転用カム
プロフィールに基づいて揺動し、図8bの曲線Lに示す
ように、排気側及び吸気側のバルブ7を小さい開弁作用
角及びリフト量で開閉させ、トルクを高めるとともに、
燃費を向上させる。
【0035】(4)次に、内燃機関が高回転域又は高負
荷域に至ると、図7に示すように、カムシャフト1がさ
らに右方向へ変位し、立体カム2の高回転用カムプロフ
ィールにおけるノーズ部2b(図7b)が追従接触部1
6の接触面18全体に接触してスイングアーム8を押圧
するようになる。すなわち、追従接触部16は、立体カ
ム2の1回転毎に揺動して、接触線角度の変化に追従し
ながら立体カム2に接触し、ノーズ部2bに押圧され
る。アイドリング用カム3のノーズ部3b(図7b)
は、アイドリング用接触部12から完全に離れている。
【0036】従って、スイングアーム8は高回転用カム
プロフィールに基づいて揺動し、図8bの曲線Hに示す
ように、バルブ7を大きい開弁作用角及びリフト量で開
閉させ、吸気量を増やし、高速出力を高める。
【0037】そして、上記の(3)から(4)に至る途
中においても、回転数、負荷、アクセル開度等の運転状
況に応じて、カムシャフト1が変位装置5により連続的
に変位し、立体カム2の各カムプロフィールが追従接触
部16の接触面18に対応する。従って、スイングアー
ム8はその各カムプロフィールに基づいて揺動し、図8
bの曲線Mに示すように、バルブ7を中間的な開弁作用
角及びリフト量で開閉させ、運転状況に応じたトルク及
び出力を発生させる。
【0038】以上のように、本実施形態の可変動弁機構
によれば、内燃機関のアイドリング域から高回転又は高
負荷域まで、バルブタイミング及びリフト量を連続的に
変化させて、内燃機関の運転状況に応じた精密な制御を
行なうことができ、もってトルク、出力、燃費、排気ガ
スのクリーン性等の諸特性を全回転域にわたって最大限
に向上させることができる。
【0039】また、カムシャフト1の変位によって、前
記変化をスムーズかつ静かに行なわせることができ、さ
らに、一つのバルブ7に対して一つのスイングアーム8
で済むようにでき、構造をシンプルにしてコンパクト化
を図ることができる。
【0040】なお、本発明は前記実施形態の構成に限定
されるものではなく、例えば次のように、発明の趣旨か
ら逸脱しない範囲で変更して具体化することもできる。 (1)スイングアーム8の右端部をピボットに揺動可能
に支持すること。 (2)スイングアーム8に変えてロッカアームを使用す
ること。 (3)カムシャフト1を段階的に変位させるようにする
こと。 (4)変位装置5の構成や制御の仕方を適宜変更するこ
と。
【0041】(5)アイドリング用接触部12をスイン
グアーム8の上面自体とすること。 (6)アイドリング用接触部12であるパッドをスイン
グアーム8に対して取替可能に取付けること。前記追従
接触部16はもとより取替可能である。従って、アイド
リング用接触部12及び追従接触部16としてそれぞれ
厚さの少しずつ異なるものを用意し、それぞれの厚さを
適宜選択して取替えることにより、バルブクリアランス
調整をすることができる。この場合、雄ねじ付ピン10
と固定ナット11は省略できる。
【0042】
【発明の効果】本発明の可変動弁機構は、上記の通り構
成されているので、バルブタイミング及びリフト量を連
続的に又は段階的に変化させることにより、トルク、出
力、燃費、排気ガスのクリーン性等の諸特性を内燃機関
の全回転域にわたって最大限に向上させることができる
だけでなく、アイドリングを安定させることもできると
いう優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した実施形態の可変動弁機構を
示す斜視図である。
【図2】同可変動弁機構のスイングアームの分解斜視図
である。
【図3】同可変動弁機構の断面図である。
【図4】内燃機関のアイドリング域における図3のIV
−IV線断面図である。
【図5】内燃機関の低回転・低負荷域における図3のI
V−IV線断面図である。
【図6】内燃機関の中回転域又は中負荷域における図3
のIV−IV線断面図である。
【図7】内燃機関の高回転域又は高負荷域における図3
のIV−IV線断面図である。
【図8】同可変動弁機構によるバルブタイミング及びリ
フト量を示すグラフである。
【符号の説明】 1 カムシャフト 2 立体カム 2a ベース円部 2b ノーズ部 3 アイドリング用カム 3a ベース円部 3b ノーズ部 4 間隙部 5 変位装置 6 ロッカシャフト 7 バルブ 8 スイングアーム 8a 分岐部 9 挿通孔 10 雄ねじ付ピン 11 固定ナット 12 アイドリング用接触部 13 追従接触機構 14 半円筒内面座 15 係合凹部 16 追従接触部 17 半円柱面 18 接触面 19 係合凸部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カムプロフィールが軸方向に変化しない
    アイドリング用カムと、 低回転用カムプロフィールから高回転用カムプロフィー
    ルまでカムプロフィールを軸方向に連続的に変化させた
    立体カムと、 前記立体カムを軸方向へ連続的に又は段階的に変位させ
    る変位装置と、 前記アイドリング用カム又は前記立体カムのカムプロフ
    ィールに基づいて揺動することによりバルブを開閉する
    アームと、 前記アームに設けられ、内燃機関の主にアイドリング域
    において前記アイドリング用カムに接触するアイドリン
    グ用接触部と、 前記アームに前記アイドリング用接触部とは独立して設
    けられ、内燃機関の主にアイドリング域以外の運転領域
    において前記立体カムの回転に伴う接触線角度の変化に
    追従しながら前記立体カムに接触する追従接触部を含む
    追従接触機構とを備えたことを特徴とする可変動弁機
    構。
  2. 【請求項2】 前記アイドリング用カムと前記立体カム
    とが、カムシャフト上に同軸状に設けられた請求項1記
    載の可変動弁機構。
  3. 【請求項3】 前記アイドリング用カムのリフト量に対
    し前記立体カムの低回転用カムプロフィールにおけるリ
    フト量が同一又は小さい場合には、前記アイドリング用
    カムのベース径に対し前記立体カムのベース径を同一に
    する請求項1又は2記載の可変動弁機構。
  4. 【請求項4】 前記アイドリング用カムのリフト量に対
    し前記立体カムの低回転用カムプロフィールにおけるリ
    フト量が大きい場合には、その差分だけ前記アイドリン
    グ用カムのベース径に対し前記立体カムのベース径を小
    さくする請求項1又は2記載の可変動弁機構。
  5. 【請求項5】 前記アイドリング用接触部は、内燃機関
    のアイドリング域のほか低回転・軽負荷域においても前
    記アイドリング用カムに接触し、前記追従接触部は、内
    燃機関のアイドリング域及び低回転・軽負荷域以外の運
    転領域において前記立体カムに接触する請求項1、2、
    3又は4記載の可変動弁機構。
  6. 【請求項6】 前記アイドリング用接触部は、前記アー
    ムに設けられた不動面である請求項1、2、3、4又は
    5記載の可変動弁機構。
  7. 【請求項7】 前記追従接触機構は、前記アームに設け
    られた半円筒内面座と、該半円筒内面座に揺動可能に嵌
    合された追従接触部とからなる請求項1、2、3、4、
    5又は6記載の可変動弁機構。
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