JPH10298343A - 廃棄農業用プラスチックフィルムの回収・造粒方法及び装置。 - Google Patents

廃棄農業用プラスチックフィルムの回収・造粒方法及び装置。

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JPH10298343A
JPH10298343A JP10576497A JP10576497A JPH10298343A JP H10298343 A JPH10298343 A JP H10298343A JP 10576497 A JP10576497 A JP 10576497A JP 10576497 A JP10576497 A JP 10576497A JP H10298343 A JPH10298343 A JP H10298343A
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JP
Japan
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crushed pieces
resin material
crushed
crushing
stirring
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Inventor
Sadao Nishibori
貞夫 西堀
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AIN KOSAN KK
Original Assignee
AIN KOSAN KK
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】廃農フィルムの付着物を分離かつ除去し、樹脂
材料として回収し再利用を図り得るようにする。 【解決手段】廃農フィルムを複数の破砕片に破砕し、前
記破砕された個々の破砕片に対して、衝撃摩砕力を付加
すると共に遠心力を作用させることにより、例えば油類
の付着物では衝撃摩砕力、主として衝撃力により破砕片
が叩かれて油が分離し、かつ破砕片とその表面の油とに
遠心作用がかかると、破砕片の遠心力は衝撃摩砕力のた
めに抑えられるが油の遠心力は抑えられないため、この
遠心力の差により油は破砕片から容易に分離し、破砕片
を洗浄する。この過程で、前記衝撃力により破砕片を造
粒し、廃農フィルムの樹脂材料を整粒し素材化された回
収樹脂材料とする。また、油以外の他の付着物を破砕片
から分離、除去することは、油より容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農業で使用済みのプラ
スチックフィルムやシート(本明細書において両者を総
称して単に「フィルム」という。)の廃棄物を処理対象
にして、このフィルムを粗砕もしくは広義において破砕
して複数の被処理小片化した上で、各被処理小片のフィ
ルムに付着した雨水、露、泥、土、砂、塩分、草の根、
金属、ガラスの破片、塵埃、農薬、農産物、植物(野
菜、木の葉、茎等)等の付着物を分離かつ除去し、素材
化された樹脂材料として回収し、且つ造粒して成る回収
樹脂材料、そして、この樹脂材料を回収する方法、併せ
て、この素材化された樹脂材料を整粒して所定粒径範囲
内の整粒物としての素材化された整粒樹脂材料として回
収・造粒することにより、該回収・造粒され素材化され
た樹脂材料をそのまま成形し、あるいはペレットに成形
加工して再び農業用プラスチックフィルム特に、保温折
衷苗代、保温畑苗代の保護苗代の保温被覆、及び、ビニ
ル耕地、ビニル水田などに用いるシートいわゆるマルチ
用に再利用を図り得るようにした方法およびこれらの方
法を実施する装置に係るものである。
【0002】〔発明の背景〕前記使用済みの農業用プラ
スチックフィルムの廃棄物としては、例えばビニールハ
ウスと一般に呼ばれ、そ菜や花などの園芸用と、水稲用
に多く応用されている所謂農業用プラスチックフィルム
の廃棄物、詳しくは、育苗用フレーム栽培、促成フレー
ム栽培、トンネル栽培、およびハウス栽培などの園芸
用、及び水稲育苗用、すなわち、保温折衷苗代、保温畑
苗代の保護苗代の保温被覆、及び、ビニル耕地、ビニル
水田に利用される水稲関係に使用され、また、たばこ関
係の育苗・乾燥用、畜産関係のサイロ用、屋外飼育用、
農業用飼料袋、そして、その他の用途に使用され廃棄さ
れた使用済のフィルムが含まれる。
【0003】例えば、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、
ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコー
ル、ポリ塩化ビニル、など熱可塑性樹脂製のフィルム
(本明細書において、前記前記畜産関係を含む農業で使
用済みのフィルムの廃棄物を「廃農フィルム」と称す
る)などを含むものである。日本国内における、廃農フ
ィルムの品目別廃棄量割合は、1993年度、合計19
3,170トンのうち、野菜用69.4%,花き用5.
2%,果樹用7.0%,畑作用10.l%,稲作用4.
2%,その他4.0%である。
【0004】
【従来の技術】従来、この種廃農フィルムを形成するポ
リエチレン(PE)、ポリカーボネイト(PC)、日本
国内で用いられるポリ塩化ビニル、とくにDOP,DO
Aなど可塑剤20〜40%をポリ塩化ビニル樹脂に含む
軟質PVC 等のフィルム等には、使用による経年劣化ある
いは暴風雨により枠外から脱落するなどして、泥、土、
砂、金属、ガラスの破片、ゴミ等が付着する。農業用の
場合には、農薬農産物(葉、茎等)等の付着物も付着し
透明度を無くすため順次交換されており、これら交換も
しくは廃棄するために収集された廃棄農業用プラスチッ
クフィルムは、単純に廃棄され、焼却され、あるいは、
付着物を水洗浄した後、乾燥し、微粉砕して再利用され
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】日本国内における廃棄
された農業用プラスチックフィルムの方法別処理量は、
ポリ塩化ビニル(PVC )及びポリエチレンの合計で、1
993年度は、合計193,170トンのうち、再生処
理25.9%、埋め立て処理20.9%,焼却処理43
%,その他(野積み)10.2%である。これらのうち
ポリエチレンフィルムの個人焼却の占める割合は、6
5.8%となる。また、種類別の廃棄量は、同年度にお
いて、ポリ塩化ビニル54.8%,ポリエチレン40.
5%、他は、その他のプラスチックフィルムである。
【0006】また、前記廃棄農業用プラスチックフィル
ムは、それぞれに耐水性、耐侯性に優れ、腐敗し難いな
どの特長を有する反面、例えば、廃棄処分のための焼却
炉による焼却に際しては、多量の有害ガスとか排煙など
を発生して社会環境上、好ましくないことがよく知られ
ている。加えて、焼却時に溶融された樹脂材料が炉内に
付着して該炉自体を損傷するおそれがあるなどの不利を
有している。そこで、この不利を避けるために樹脂成形
品を地中に埋設処理したとしても、長期間に亘って腐敗
せずに残存することから、環境破壊の一因になるものと
されている。
【0007】一方、この種の樹脂資材に関しては、資源
的にも年々枯渇化の傾向にあり、使用後の樹脂材料を廃
棄せずに再利用することが要請かつ認識されている。
【0008】従来、廃棄農業用プラスチックフィルム
は、表面の付着物を水洗浄して再生処理されていたが、
この処理には大量の水を必要とする洗浄工程と乾燥工程
が必須であるので、前記水洗浄処理及び乾燥処理に多大
な設備を要し、水資源及びエネルギー資源を浪費すると
いう問題点があった。
【0009】特に、前記廃棄農業用プラスチックフィル
ム、特に農業用プラスチックフィルムには農薬が付着し
ている場合が通常であるが、このフィルムを水洗いして
洗浄した場合、農薬を含んでいる洗浄液は河川等を汚染
するため浄化処理しなければ排水できず、浄化処理の設
備及び運転費は高価となり、そのため殆どの廃棄された
農業用プラスチックフィルムは、再利用されることなく
廃棄処分されていた。本発明は叙上の問題点を解決する
ために開発されたもので、比較的簡単かつ容易な手段に
より、処理対象の樹脂成形品としての廃棄農業用プラス
チックフィルムから、農薬、泥、土、砂、金属、農産物
(葉、茎等)、ガラスの破片、ゴミ等の付着物を分離か
つ除去し、かっこれを所定の粒径範囲内に整粒され素材
化された樹脂材料として効率良く・造粒し得るようにし
た回収方法および装置を提供することを目的とする。
【0010】また、マルチ用として黒色に着色されてい
たシートは、その色彩のため、再利用すれば黒色とな
り、再利用の途がきわめて限定されていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の廃棄農業用プラスチックフィルムの回収・
造粒方法においては、処理対象を、廃棄農業用プラスチ
ックフィルムとし、この廃棄農業用プラスチックフィル
ムを数次に亘り複数の破砕片に破砕する工程と、前記破
砕片を攪拌すると共に温風雰囲気で加熱・乾燥し、前記
攪拌による衝撃力により、処理対象中から付着物を分離
し、この分離された付着物を随時に除去し、前記攪拌に
より、前記乾燥された処理対象中の沈降速度の遅い破砕
片を浮遊させ、該浮遊した破砕片を吸引して回収すると
共に、浮遊しない付着物を除去する工程と、前記回収さ
れた破砕片をさらに複数の粗砕片に粗砕する工程と、前
記粗砕片に対して、衝撃摩砕力を付加して粗砕片から付
着物を分離し、且つ、この粗砕片を整粒し素材化された
回収樹脂材料とする工程と、且つ分離された付着物を随
時に除去し、前記回収樹脂材料を回収し、前記回収樹脂
材料を成膜する工程を含むことを特徴とする。
【0012】また、本発明装置は、処理対象を、廃棄農
業用プラスチックフィルムとし、この廃棄農業用プラス
チックフィルムを数次に亘り複数の破砕片に破砕する複
数の破砕手段と、前記破砕片の投入される乾燥室と、該
乾燥室内に温風を供給する温風供給源を備え、前記乾燥
室内に投入された破砕片を攪拌する攪拌手段と、該攪拌
手段による攪拌及び前記温風供給源による温風の供給に
より破砕片中より分離された付着物を随時に除去する手
段と、前記破砕片中の気流中における沈降速度の遅い破
砕片を温風供給源による温風の供給及び攪拌手段による
攪拌により乾燥し、かつ、乾燥室中を浮遊させ前記気流
中における沈降速度の遅い破砕片を吸引し、回収する手
段と、前記回収した破砕片をさらに複数の粗砕片に粗砕
する粗砕手段と、前記粗砕片の供給投入口部に中心部を
連通した固定円盤上にあって、複数の回転軌跡上で各固
定ピンを順次に植設した固定側洗浄・分離・分級・整粒
手段と、前記固定円盤に対向して回転駆動可能に設けた
可動円盤上にあって、前記各固定ピンとは異なる複数の
回転軌跡上で各可動ピンを順次に植設した可動側洗浄・
分離・分級・整粒手段と、前記各固定ピンと各可動ピン
との組み合せ外周部にあって、分離された付着物を排出
するための排出口に連通した分級手段、および所望粒度
以上の回収樹脂材料を取出し口に取出す取出し手段とを
備え、前記各固定ピンと各可動ピンとの相互間で、衝撃
摩砕力と遠心作用により樹脂材料と付着物を分離・分級
し、前記樹脂材料を整粒し得るように構成した洗浄・分
離・分級・整粒手段と、前記回収樹脂材料を成膜する手
段とから成ることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
(対象廃農フィルム)本発明の実施の形態の対象廃農フ
ィルムは、樹脂材料として、主として、ポリエチレン
(PE)の他、塩化ビニル(PVC;軟質)で成り、そ
の表面には、泥、土、砂、ゴミ等の付着物が付着してい
る。
【0014】図1は、処理系統の概略を示すものであ
る。なお、廃農フィルムは準備工程としての素材の樹脂
材料に応じて分別される〔分別工程〕、数次の〔破砕工
程〕、〔乾燥・分級工程〕、さらに〔粗砕工程〕、次い
で〔洗浄・分離・分級・整粒工程〕にかけられる。
【0015】これらの工程の機器構成は、それぞれ、一
例として、クラッシャー、乾燥分級機、カッターミル、
セパレータである。
【0016】なお、この廃農フィルムの表面の各部には
残留内容物、泥、土、砂、ゴミ等の付着物が付着してい
る。
【0017】以下、この廃農フィルムから樹脂材料を回
収する手段について説明する。 〔分別工程〕準備工程であるこの工程で、PE/PVC
など樹脂素材別に分別される。
【0018】〔破砕工程〕 〔1次破砕工程〕廃棄された廃農フィルムを、図3に示
す破砕手段110を用いて適当な大きさの断片に切断、
もしくは広義に破砕し、例えば30×30mm程度の大き
さの破砕片81を形成する。
【0019】破砕手段は、本実施例において、クラッシ
ャ110を用いた。なお、この時点では各破砕片81の
表面には、前述した付着物が付着し、略黒色を呈してい
る。
【0020】クラッシャ110は、上部に被破砕物の投
入口を有するクラッシャ本体内に互いに内向きに回転す
る2軸を平行に設け、各軸に複数枚の回転刃を所定間隔
に設けると共に、各軸の各回転刃外周で互いに噛み合っ
て且つ各回転刃の外周面に等角度を成すよう突設した3
個の爪刃で廃農フィルムを適宜大の断片から成る破砕片
に切断するように設けている。
【0021】上部の投入口から投入された廃農フィルム
は、互いに内向きに回転する2軸の回転刃の爪刃により
内部に引き込まれ、噛み合った状態で回転する回転刃の
外周エッジ間に、連続的に作用する剪断力でスリットし
ながら引込みのときに作用する圧縮力によって破砕され
切断され、破砕片81が形成される。この時点では各破
砕片81の表面には、付着物が付着している。
【0022】なお、破砕手段は、上記のクラッシャに限
定されず、後述粗砕工程におけるカッターミルを始め、
例えば、(株)ホーライ社製のガイナックスクラッシ
ャ、又は(株)奈良機会製作所製のロールクラッシャ
等、種々のモノカッタ、シュレッダー、クラッシャ等の
破砕手段を用いることができる。
【0023】なお、破砕手段としては、図3に示すよう
に、上記クラッシャ110を上下方向2段に配置し、被
破砕物を2段階で破砕する手段を用いて、処理容量の飛
躍的な増大と処理時間の短縮を図ることができる。
【0024】すなわち、上記クラッシャ110を上下方
向2段に配置し、2段階での粗砕手段を示すもので、軸
線を水平方向に配置したクラッシャ210aに対して下
段のクラッシャ210bの軸線は、45°傾斜してい
る。これにより、処理容量の飛躍的な増大と、処理時間
の短縮を図ることができる。
【0025】なお、好ましくは、クラッシャ110の筐
体下方には、解砕機211が配置され、粗砕された廃農
フィルムを解砕し、上記破砕片81として形成し易くす
ると共に、廃棄フィルム中の小石、砂などを容易に取り
出しやすくし、また、解砕機211下方には、上下方向
に約45°傾斜して帯状の網から成るネットコンベア2
12を設け、前記破砕片81中の小石、砂などを篩い落
とす。さらに、好ましくは、前記ネットコンベア212
の進行方向先端下方に磁力選別機213を設け、破砕片
81中に含まれているキャップ等の金属片、鉄錆びを分
別する。さらに、必要に応じて、金属片、鉄錆びの除去
された破砕片81を金属の網から成る回転篩215を通
過させ、微少な小石、砂、金属粉などの異物を分離す
る。
【0026】〔2次、3次破砕工程〕上記1次破砕工程
を経た破砕片81は、さらに2次、3次破砕工程におい
て、順次、ほぼ、20×20mm程度に、ついで、10×
10mm程度に破砕される。
【0027】尚、2次破砕工程においては、上述クラッ
シャ110を用いているが、3次破砕工程においては、
後述カッターミル120を用いることができる。
【0028】かように破砕工程を数次に亘り行うことに
より、クラッシャーないしカッターミルの特に刃の寿命
を飛躍的に向上できる。
【0029】〔乾燥・分級工程〕上記3次破砕工程を経
た被処理小片(破砕片)は、乾燥、分級工程に送られ
る。 図4から図8中、10は本発明の乾燥・分級装置
を示し、この乾燥・分級装置10は破砕片81が投入さ
れ、該破砕片81を攪拌しながら乾燥するための乾燥室
15を備える。
【0030】乾燥室15内には、乾燥室15内に投入さ
れた前記破砕片81を攪拌する攪拌翼が配置されてお
り、また、前記乾燥室15は、前記乾燥室15内に、5
0〜90℃の温風を発生する火炉40と、前記乾燥室1
5の上方より乾燥室15内の空気を吸引し、気流を発生
するブロワー等の吸引・回収手段に連通されている。
【0031】前記乾燥室15の形状は特に限定されない
が、本実施の形態にあっては縦断面において縦長矩形状
に形成され、その底部22を下方に向かって突出する円
弧状に形成し、該底部22の全面又は一部にパンチング
メタル、金網、その他所定径例えば、φ3〜15mmの開
孔が形成されたスクリーン54を形成して、比較的粒径
の小さい又は乾燥されて破砕された付着物84’が前記
スクリーン54を通過して乾燥室15外の収集箱44
に、例えばこの収集箱に連通するブロワにより吸引され
排出されるよう構成している。
【0032】このスクリーン54の大きさは、乾燥され
て剥離・破砕された破砕片81中の泥や砂、粉状となっ
た付着物84’は通過するが、破砕片81の主体を成す
廃農フィルムの破砕片81等は通過しない大きさに形成
したものであればよい。
【0033】また、前記乾燥室15の上方を台形状に形
成して上方に向かって幅狭の形状と成し、該上端部にお
いて図示せざるブロワに連結された配管43を連結し、
乾燥室15内に気流を発生させ、また乾燥室内に浮遊す
る被回収樹脂材料を乾燥室15外に吸引する吸引口56
としている。
【0034】また、前記乾燥室15の側壁には、火炉4
0等の温風供給源に連通し、この火炉40より導入され
た温風を導入する温風導入口42と、破砕片81その他
付着物及び異物の混合物を投入するための投入口28が
形成される。
【0035】なお、前記温風の導入口42及び破砕片の
投入口28とは別に、外気の導入口を設け、該外気導入
口より強制的に導入された外気を破砕片81に吹き付け
て破砕片81の乾燥及び浮遊をより好適に行い得るよう
に構成してもよく、また、前記温風導入口42を乾燥室
15の底部22に設け、破砕片81の下方より温風を吹
き付けて破砕片81を浮遊し易いように構成することも
できる。
【0036】前述のように円弧状に形成された乾燥室1
5の底部22の上方であって、前記温風導入口42及び
破砕片の投入口28が対峙する下方には、前述の攪拌翼
29が配置され、乾燥室15内に投入された破砕片81
を攪拌翼29により攪拌しつつ万遍なく温風に曝し得る
ように構成している。
【0037】本実施形態にあっては、図6に示すように
乾燥室15内に水平方向に配置された回転自在のシャフ
ト32に放射状に各攪拌翼29を植設しており、該攪拌
翼29が前記シャフト32の回転に伴って、シャフト3
2を中心として垂直方向に旋回するように配置してい
る。
【0038】好適には、前記攪拌翼29の先端は前述の
乾燥室15内に形成された底部22の表面に沿って、僅
かな隙間を介して移動するように配置する。
【0039】このように、攪拌翼29による破砕片81
の攪拌により、乾燥室15内の破砕片81が前記攪拌翼
29の旋回により万遍なく温風に曝されて乾燥されると
共に、破砕片81中に含まれる当初気流中における沈降
速度の遅い被回収樹脂材料が前記攪拌翼29の旋回及び
前記乾燥室15の上方に配管43を介して連結されてい
るブロワを介して行われる前記乾燥室15内の前記吸引
により乾燥室内に発生した気流によって乾燥室15内に
舞い上げられて浮遊する。
【0040】また、破砕片81中に混在する砂、泥、残
留飲料等の付着物84が温風により乾燥され、一部が蒸
発すると共に前記攪拌翼29による攪拌により細かく破
砕されて乾燥室15の底部22に形成されたスクリーン
54を介してスクリーン54の下方に設けられた収集箱
44に収集される。
【0041】なお、攪拌翼29の配置位置は特に限定さ
れず、破砕片を攪拌し、これに衝撃力を加え、また、攪
拌された破砕片81を乾燥室15中で舞い上げる気流を
生じさせ得る構成であれば良く、攪拌翼29を縦方向に
旋回させる配置のもの、横方向に旋回するように配置し
たものいずれであっても良い。
【0042】また、攪拌翼29の形状は、板状、鋤状、
その他プロペラやスクリュに類似の形状のもの等、前述
の如く破砕片81の攪拌と乾燥室15内における前記気
流の発生に寄与する形状のものであれば、いかなる形状
であっても良い。
【0043】前述の攪拌翼29は、図6に示すように、
4本の棒状体34を平行に突出させて鋤状に形成された
攪拌翼29に、前記棒状体34の先端間を連結する板状
の攪拌板36を取り付けている。
【0044】以上のように構成された攪拌翼29は、乾
燥室15内に水平方向に配置されたシャフト32に直交
するように植設されており、このシャフト32をモータ
21等の駆動源と連結して回転することにより、前記攪
拌翼29が乾燥室15内で旋回して破砕片81を攪拌し
得るように構成している。
【0045】本実施の形態にあっては、シャフトを中心
に180°対称の位置に配置した2枚の攪拌翼29,2
9をそれぞれ90°づつずらせて等間隔に4組配置し
て、計8枚の攪拌翼29を配置している(図6及び図7
参照)。
【0046】この攪拌翼29の形状は、前述の形状に代
えて例えば矩形状又は円形等の開孔が形成されたパンチ
ングメタルや、その他中央部を金網状に形成して該部に
おいて破砕片81を通過し得る形状に形成することもで
き、または単に棒状体34を平行に配置して鋤状の攪拌
翼29を形成することもできる。
【0047】また、前記攪拌翼29の先端は、種々の形
状を備えるものを用いることができ、例えば鋭利な先端
を備えた刃物状に構成し、又は多数の突起の突出した形
状に構成することもできる。
【0048】攪拌翼29の旋回により攪拌され、乾燥室
15内を浮遊するPEフィルムの破砕片81は、前記乾
燥室15の上方において配管43を介して連結された図
示せざるブロワによる吸引により乾燥室15内に発生す
る気流により乾燥室内の空気と共に吸引されて被回収樹
脂材料として一部が回収される。
【0049】このブロワは、本実施の形態にあっては
2.2kW,100m3/分の性能を有するものであり、こ
の吸引により乾燥室内に発生した気流で前記浮遊した破
砕片81が図示せざる回収タンク等に吸引・回収される
と共に、乾燥の際に発生した悪臭等が同時に吸引され
て、火炉に循環させるなどの手段により脱臭処理された
後に大気放出される。
【0050】一方、温風導入口42を介して火炉40よ
り乾燥室15内に導入された温風により乾燥された破砕
片81は、攪拌翼15による攪拌により残留飲料、雨
水、泥等を介して多数結合されていた各破砕片81が分
離されると共に、各破砕片81に付着していた飲料、泥
などの付着物84が乾燥し水分が蒸発し固形分となった
付着物は、攪拌翼29による攪拌の衝撃力で破砕片81
の表面から剥離ないし分離されて若干破砕される。
【0051】この攪拌翼29による攪拌により粉砕され
た泥、飲料等の付着物84’は、前述の乾燥室15の底
部に形成されたスクリーン54を通過して乾燥室15外
に排出され、前記スクリーン54の下方に配置された収
集箱44内に収集される。
【0052】なお、この収集箱44には、ブロワ等に連
結された図示せざる配管等を接続し、該収集された付着
物84’を前記ブロワ等により吸引して収集タンク等に
収集し得るように構成することもできる。
【0053】回収された処理対象としての廃農フィルム
を被回収樹脂材料として一辺例えば約15〜15mm程度
に破砕し、該破砕片をバケットコンベア等により前記乾
燥・分級装置10の上方より投入口28を介して乾燥室
15内に例えば1バッチ当たりの処理量として25kgを
投入する。
【0054】投入された前記破砕片81は前記乾燥室1
5内で攪拌翼29の旋回により攪拌されると共に、火炉
40より温風導入口42を介して乾燥室15内に導入さ
れた約50〜90℃の温風に曝されて乾燥される。この
ときの乾燥室内の温度は、約42〜77℃であった。
【0055】廃農フィルムは破砕によっても、油分等に
より連続する帯状、あるいは固まりとなっている破砕片
81は、該塊状の状態にあっては風力により乾燥室15
内を浮遊しないが、前記温風に曝されて軟化すると共
に、前述のように、付着物が分離されながら、攪拌翼に
より攪拌されて該塊が薄片状に戻って乾燥室15中を舞
い上がる。
【0056】また、前記破砕片81の回収を、乾燥室1
5内の空気の吸引と共に行うことにより、廃農フィルム
に付着していた汚物、腐敗した野菜、食品等が該乾燥の
際に悪臭を放っている場合や、温風の導入による加熱に
より刺激臭等が生じている場合においても、該悪臭等が
破砕片81と共に吸引されるので、該吸引された悪臭を
既知の方法により無臭化することにより悪臭の発生をも
防止することができる。
【0057】以上のように破砕片81を温風に曝しつ
つ、攪拌翼29により乾燥すると、破砕片81に付着し
ている付着物が、雨水、泥水等のように水分の蒸発によ
りそれぞれその成分が各破砕片81上に付着して固形状
に乾燥された付着物84は、攪拌翼29により攪拌され
る際に細かな粉末状に破砕されることにより底部22上
に形成されたスクリーン54を介して乾燥室15外に排
出される。
【0058】一方、付着物84がエンジンオイル、その
他の潤滑油等の工業用油の場合には、該付着物である油
は温風による加熱により流動性が増して破砕片81間の
隙間を通過して下方に流動して前記スクリーン54を通
過して収集箱44内に収集される。
【0059】以上のようにして、泥、飲料、油類等の付
着物84がある程度除去され、廃農フィルムを成す樹脂
で構成される一部の破砕片81及び若干の付着物その他
の異物が残り、この破砕片81の混合物を乾燥室の底部
15に形成された取出手段としての取出口27を開放し
て回収し、次工程の粗砕工程へ給送する。
【0060】〔試験例〕次に、乾燥・分級装置を使用し
て、破砕片の乾燥・分級を行った結果を以下に示す。
【0061】本実験に使用した廃農フィルムは洗浄等の
事前処理はされていない。
【0062】以上の廃農フィルムを、3次破砕工程によ
り一辺約15〜15mmに破砕して、該破砕された破砕片
に対して乾燥・分級を行った。
【0063】なお、本実験に使用した乾燥・分級装置の
諸条件は表1に示す通りである。
【0064】
【表1】
【0065】以上の実験装置を使用して1バッチ、約2
5kgの廃農フィルムの乾燥・分級を行った。 その結
果、廃農フィルムの破砕片であるPE23.8kgと、廃
農フィルムに付着していた飲料、泥、その他の付着物が
蒸発もしくは乾燥され、破砕された付着物0.8kgがそ
れぞれ回収された。水分の蒸発が認められ、含有水分量
0.4wt% であった。
【0066】なお、色は、わずかに透明度が増している
程度。
【0067】回収されたPE中には、目視可能な大きな
泥や乾燥した付着物の付着も確認されなかった。
【0068】〔粗砕工程〕前記乾燥した廃農フィルムか
ら成る破砕片81を付着物と共に、さらに、粗砕手段を
用いて、さらに細かく切断、もしくは広義には破砕し
て、例えば10×10mm〜12×12mm程度の長方形あ
るいは5×5mm程度の正方形ないしその他不定形である
が、一辺が6mm程度以下の大きさの粗砕片82を形成す
る。この時点においても前述した〔破砕工程〕と同様、
各粗砕片82の表面には前述した付着物が付着してい
る。
【0069】粗砕手段は破砕片81を切断、粗砕して適
当な大きさの粗砕片82を形成するもので、本実施例に
おいて、便宜上「カッタミル」という。
【0070】図9に粗砕手段の一例であるカッタミル1
20を示す。121はカッタミル本体で、上面開口を有
する円筒形を成すケーシングであり、前記開口を開閉自
在な蓋122で被蓋する。前記蓋122はカッタミル本
体121内に被粗砕物である破砕片81を投入する投入
口123を備えている。
【0071】また、前記カッタミル本体121内にはカ
ッタミル本体121の底面に軸承されて図示せざる回転
駆動手段で水平方向に回転するカッタ支持体124を設
け、このカッタ支持体124の外周に上下方向に長い回
転刃125を3枚設け、これらの3枚の回転刃125は
カッタ支持体124の回転方向で120度の等角度を成
すように配設し、3枚の回転刃125の刃先は同一の回
転軌跡上に位置している。さらに、前記3枚の回転刃1
25の刃先の回転軌跡に対して僅かな隙間を介して二の
固定刃126を回転刃125の刃先の回転軌跡の略対称
位置にカッタミル本体121に固定し、二の固定刃12
6とカッタ支持体124と回転刃125とでカッタミル
本体121内を二分し、投入室127と粗砕室128を
形成する。前記蓋122の投入口123は前記投入室1
27に連通する。なお、二の固定刃126と回転刃12
5とのクリアランスは被粗砕物を所望の大きさに切断、
もしくは広義には破砕できるよう自在に調整できる。本
実施例のクリアランスは0.2〜0.3mmである。ま
た、粗砕室128は前記二の固定刃126間を回転刃1
25の回転軌跡の周囲を囲むようにメッシュのスクリー
ン129で仕切っている。なお、スクリーン129は、
本実施例では一辺が10mm程度の大きさの粗砕片82が
通過できるメッシュで形成している。また、粗砕室12
8のカッタミル本体121の下端には前記粗砕片82を
排出する排出口を設けている。
【0072】以上のカッタミル120において、蓋12
2の投入口123から前述した工程1〔破砕工程〕のク
ラッシャ110及びカッターミル120で形成した15
×15mm程度の大きさの破砕片81を投入し、図示せざ
る回転駆動手段でカッタ支持体124を回転すると、破
砕片81はカッタ支持体124の回転刃125と固定刃
126間でスクリーン129を経て形状、面積は、不定
であるが、略全量が10×10mm程度以下の方形ないし
不定形で、一辺が10mm程度以下の大きさの粗砕片82
に形成され前記排出口から次工程へ排出される。
【0073】なお、粗砕手段は、上記のカッタミルに限
定されず、例えば、上記クラッシャであってもよい。
【0074】この時点では各粗砕片82の表面には、前
述した泥等の付着物がやや脱落するが、略不透明の薄い
黒色を呈している。
【0075】〔洗浄・分離・分級・整粒工程〕前述した
〔粗砕工程〕における粗砕手段で粗砕された粗砕片82
に、衝撃摩砕力を付加すると共に遠心力を作用させる。
本実施の形態では〔粗砕工程〕を経て得た粗砕片82を
処理する場合で説明すると、衝撃摩砕力、主として衝撃
力により各粗砕片82が叩かれて付着物が一部、粗砕片
82の表面から分離し、さらに各粗砕片82及びその表
面の付着物に遠心力が作用することにより付着物が粗砕
片82の表面から容易に分離する。つまり、粗砕片82
に対して衝撃力を付加して叩くことにより、付着物の分
離を促進すると共に、この衝撃力は粗砕片82に働く遠
心作用を若干抑えることになる。一方、付着物の遠心力
は殆ど抑えられないために粗砕片82自体よりその表面
の付着物が外周側へ速く飛び出すので、粗砕片82から
付着物を容易に分離し洗浄することになる。また、衝撃
力による各粗砕片82との摩擦熱により表面の付着物の
温度が上昇するため付着物がより一層分離し易くなる。
なお、粗砕片82に対して衝撃力と摩砕力とを兼ね備え
た衝撃摩砕力を付加した場合は粗砕片82が強力に叩解
され、この叩解の過程においても付着物の分離が促進さ
れかつ遠心作用によりの付着物が粗砕片82の表面から
分離される。各粗砕片82は、500〜700rpmで、
約90秒分間処理され、各粗砕片82は衝撃摩砕力によ
り一辺6〜7mほどのフィルムのフレーク状に造粒、研
磨、整粒される。
【0076】なお、廃農フィルムは衝撃摩砕力を付加す
るとPE自体の性質によりフィルムのフレーク状に造
粒、研磨、整粒されることが特徴である。
【0077】ちなみに、1バッチの量は回転速度、エア
の有無、温度などの処理条件によって変わるが、本実施
例では要領、1, 039リットルのセパレータで、1バ
ッチを90秒間で、9kg/90秒の生産率で処理し、造
粒、研磨、整粒し、回収されたPEのフィルムのフレー
クは、付着物の付着率が0.1wt%以下であった。
【0078】洗浄・分離・分級・整粒手段は、廃農フィ
ルムの廃農フィルムの粗砕片82から付着物を分離して
除去し、粗砕片82を叩解、洗浄し、造粒、研磨、整粒
し、回収する手段で、本実施例において、便宜上「セパ
レータ」という。
【0079】図10および図11において、セパレータ
130は、固定円盤131の中心部に各粗砕片82投入
する供給投入口132を連通開口させ、前記固定円盤1
31に固定端板133を処理空間155を隔てゝ対向さ
せ、前記固定円盤131に固定端板133のそれぞれの
外周端縁を周側板135で固定する。前記処理空間15
5内には回転横軸142によって回転駆動される可動円
盤141を設け、回転横軸142は各軸受143,14
3によって枢支されている。前記回転横軸142は、図
示せざるモータ等の回転駆動手段により回転駆動され
る。
【0080】そして、前記固定円盤131上には、複数
の同心円上の(可動円板141に対する相対的な)回転
軌跡a1〜a6(図11)上で各固定ピン134を順次
に植設され、一方、前記可動円盤141上には、前記各
固定ピン134とは異なる複数の回転軌跡b1〜b6上
で交互に入り込む可動ピン144を順次に植設して、こ
れらの固定、可動の各ピン134,144の相互間で衝
撃摩砕力により叩解されあるいは研磨、整粒作用を得ら
れるように位置する。さらに、可動円盤141の外周側
で前記周側板135との間には、排出空間156を隔て
ゝ所望径の細孔をパンチング形成した所定メッシュのス
クリーン151を周設させ、排出空間156の下方に排
出口152を設ける。なお、前記排出口152に図示せ
ざるブロワーを連通する。なお、本実施例では前記スク
リーン151は直径2.5から3.0mのメッシュであ
るが、通常直径3m以下、好ましくは直径3.0mのメッ
シュである。
【0081】また、処理空間155のスクリーン151
内の下部に取出口153を設け、取出口153には開閉
制御のための三方電磁弁238を配設する。なお、前記
取出口153にセパレータ130内のエアーを吸引する
42m3/min. のブロワーを連通し、このブロワーを介し
て供給投入口132へ連通するよう設けても良い。
【0082】実際、前記固定、可動の各ピン134,1
44の相互間のクリアランスを大きくすることにより粗
砕片82に付加する摩砕力を弱め、クリアランスを小さ
くすることにより摩砕力を強めることになる。粗砕片8
2の付着物が液体である場合は、粗砕片82に対する摩
砕力を弱めて衝撃力を付加するようクリアランスを調整
することができ、これは造粒、整粒される回収樹脂材料
の粒径の所望の大きさに応じて調整される。
【0083】従って、上記のセパレータ130では、図
示せざる回転駆動手段により回転横軸142を回転して
可動円盤141を回転し、各粗砕片82を供給投入口1
32に供給すると、各粗砕片82は、処理空間155の
中心部にあって、固定、可動の各ピン134,144の
相互間で衝撃摩砕力により叩解あるいは研磨、整粒作用
と遠心作用とを合わせて受けることになり、衝撃摩砕力
を受けて、次第に叩解あるいは研磨、整粒されながら外
周側に接近する。この過程において各粗砕片82が衝撃
摩砕力の衝撃で叩かれて粗砕片82からの付着物の分離
が促進され、さらに各粗砕片82及びその表面の付着物
に遠心力が作用するとしても粗砕片82自体は固定、可
動の各ピン134,144の相互間で衝撃摩砕力を受け
るために外周側へ飛び出す速度を抑えられ、一方、粗砕
片82の表面の付着物は粗砕片82ほどには抑えられな
い。したがって、この遠心力の差によって粗砕片82よ
り付着物の方が外周側へ速く飛び出すので、付着物が粗
砕片82から容易に分離することになる。また、衝撃摩
砕力による各粗砕片82との摩擦熱は、粗砕片82の表
面の付着物の油の温度を上昇し、より一層粗砕片82の
表面から油を分離し易くする。なお、廃農フィルムはそ
れ自体の性質により各粗砕片82が略フィルムのフレー
ク状に造粒、研磨、整粒され前記粗砕片82から分離し
た付着物と、微粉砕された粗砕片82の一部は、各可動
ピン144の遠心作用によりスクリーン151を通過し
て、排出空間156内に分級された後、排出口152か
ら52m3/min. のブロワーを経て外部へ吸引、排出され
る。
【0084】一方、スクリーン151を通過しない大き
さの整粒樹脂材料83、付着物の残滓はスクリーン15
1内に留まる。しかし、三方電磁弁238を開放した状
態で、取出口153と供給投入口132とをブロアーを
介して連通しているので、取出口153から取出される
PEの整粒樹脂材料83は供給投入口132に還流さ
れ、セパレータ130内で再び衝撃摩砕力を受けて再び
叩解あるいは研磨、整粒され、整粒樹脂材料83の表面
に残留していた付着物84は遠心力により整粒樹脂材料
83から分離してスクリーン151を通過し、前述した
ように排出口152から外部へ排出される。
【0085】以上の如く整粒された回収PE樹脂材料は
取出口153から回収樹脂材料及び回収金属材料として
取り出される。
【0086】なお、上記ブロワーとは代替的に、もしく
はこれと共に、前記セパレータ130の処理空間155
内に、圧縮空気を送り込み、固定端板133に穿設した
孔部よりパイプを介して連通する供給投入口部へ前記ス
クリーン151を通過できない大きさの整粒樹脂材料8
3を還流させてもよい。
【0087】なお、前記取出し手段としては、自動的に
回収タンク240へ回収することができる。以下、後者
の実施例について説明する。図10において、セパレー
タ130は共通の回転駆動手段で回転するように対称位
置に設けられ、各セパレータ130は前工程で処理され
た各粗砕片82(又は粗砕片82)を供給投入口132
へ供給するように構成している。
【0088】セパレータ130は回収樹脂材料の取出口
153を供給投入口132に連通管235を介して連通
し、該連通管235の取出口側に、図示せざる圧縮空気
供給源からの配管236を連通する。この配管236の
連通部位に整流板を設け、圧縮空気を主として供給投入
口132側へ流れるように構成する。また、連通管23
5の供給投入口132側を分岐して整粒樹脂材料の回収
タンク240へ連通する分岐管237を設け、この分岐
管237の分岐点に、例えばタイマ回路により適宜設定
時間毎に切り換えられる三方電磁弁238を設ける。一
方、各セパレータ130の排出口152は排出管239
を介して補集タンク250へ連通し、スクリーン151
(図10)を通過した付着物を排出管239に介設した
ブロワーにより吸引し、補集タンク250へ排出するよ
うに構成することができる。
【0089】回転駆動手段によりセパレータ130を始
動し、前記連通管235の下流側を三方電磁弁238で
開放し且つ前記分岐管側を閉塞し、配管236から連通
管235へ圧縮空気を供給することにより、圧縮空気の
循環気流が連通管235から順に供給投入口132、処
理空間155、取出口153、再び連通管235へと発
生する。1バッチの各粗砕片82を供給管231a,2
31bを介して供給投入口132へ供給すると、セパレ
ータ130内で処理され粗砕片82の表面から分離した
付着物はスクリーン151を経てブロワーによって捕集
タンク250へ排出され、一方、スクリーン151内に
残された整粒樹脂材料83は循環気流によって連通管2
35へ吸引され再び処理空間155へ給送されセパレー
タ130内で処理され、この一連の工程が1バッチ内の
油など付着物を殆ど分離し除去するまで必要に応じて複
数回にわたり反復する。次いで上記の処理が終了した後
に、連通管235の下流側を三方電磁弁238で閉塞し
且つ前記分岐管側を開放することにより、スクリーン1
51内に残された整粒樹脂材料83を連通管235から
分岐管237を経て回収タンク240へ回収する。
【0090】なお、上記三方電磁弁238とは代替的
に、前記分岐管237を開閉する電磁弁と前記連通管2
35の下流側を開閉する電磁弁を設け、これらの二の電
磁弁を交互に開閉するように設けることもできる。
【0091】一例として、前述した構造の1台のセパレ
ータ130の実験機を用いて、このセパレータ130に
廃農フィルムの各粗砕片82を10kgを投入し、前記可
動円盤141を60Hz,600rpmの回転速度で回転
すると、3分間で各粗砕片82が直径10mm以下程度に
造粒、研磨、整粒したPEの整粒樹脂材料83として回
収され、このPEの整粒樹脂材料83内の付着物の残留
量は0.1wt%以下であった。
【0092】なお、特に付着物が強固に付着している廃
農フィルムを処理する場合は、可動円盤141の回転速
度を低速にした方が、各粗砕片82の主成分樹脂である
PEを過度に微細に研磨、整粒しないようにでき、ま
た、可動円盤141の遠心作用を受けて粗砕片82とそ
の表面に付着しているとくに油類や粘性液体が外周側へ
飛び出す速度は、可動円盤141の回転速度を低速にし
ても粗砕片82の表面に付着した油類や粘性液体の方が
粗砕片82より大きいので、可動円盤141の回転速度
はPEをスクリーン151のメッシュ以上の大きさに造
粒、研磨、整粒できる範囲内で可能な限り低速にした方
がよい。
【0093】回収樹脂材料は、略透明若しくは半透明の
無色もしくは、薄い白色ないし、やや薄い黄色を呈して
いた。
【0094】なお、以上のような各種付着物が付着した
破砕片又は被処理小片に対して衝撃摩砕力、主として衝
撃力を付加すると共に遠心力を作用させることにより、
各種付着物、破砕片又は被処理小片、並びに空気等が外
周側へ飛び出す順番は、速い方から順に空気、水分、低
粘性から順により高粘性の液体、泥や土等の固形物、油
類(高粘性の液体)、破砕片又は被処理小片であるの
で、このように外周側へ飛び出す速度の違いにより各種
付着物が破砕片又は被処理小片から容易に分離する。
【0095】本発明で得られた回収樹脂材料10×10
mm以下の形態であるからそのまま既知の好ましくは、溶
融樹脂材料の濾網機構を備える〔成膜工程〕へ送ること
もできる。
【0096】すなわち上記回収樹脂材料がビニールハウ
スなどをリサイクルした原型において透明のものは、黒
色系顔料を添加して押出機等の成形機へ直接投入してイ
ンフレーション法など既知の手段により前述マルチ用農
業用フィルムとして成形することもでき、また、成形用
樹脂素材の形態であるペレットに押出成形することもで
きる。
【0097】また、マルチ用シートをリサイクルした場
合には、そのまま、マルチ用として、〔成膜工程〕へ送
ることもでき、上記成形用樹脂素材の形態であるペレッ
トに押出成形し、ついで、これをマルチ用シート原料と
して用いて成膜することもできる。
【0098】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0099】比較的簡単かつ容易な手段により、乾燥と
同時に風力分級を行うことにより、処理対象に含まれる
水分等付着物により分級することが困難であったものに
ついても気流中における沈降速度差別に分離・分級し、
リサイクルを容易にすることが可能となった。
【0100】特に、回収された樹脂製成形品を予備洗浄
等する必要がなく、従って該洗浄に伴う公害の発生等を
防止することができ、また、洗浄に要する工程を省略す
ることができる。
【0101】衝撃摩砕力を付加することにより処理対象
としての廃農フィルムから、付着物を分離かつ除去し、
かつこれを所定の粒径範囲内に整粒され素材化された樹
脂材料として効率良く・造粒し、再利用し得るようにし
た。さらに、廃農フィルムに衝撃摩砕力を付加すると共
に遠心力を作用させることにより衝撃摩砕力の主として
衝撃力と遠心力との相乗効果によって、廃農フィルムか
ら、特に分離が難しいとされていた油類の付着物を容易
に分離かつ除去し、かつこれを所定の粒径範囲内に整粒
され素材化された樹脂材料として効率良く造粒し、再利
用し得るようにできた。
【0102】上記の理由により、従来、行われていた廃
農フィルムの前述水洗浄処理に要した大量の水及び乾燥
処理における多大な設備を不要とし、省資源に寄与する
ことができた。
【0103】特に、従来、油類の付着物を分離するため
の洗浄液を不要とし、他の種類の付着物に対する水洗浄
においても、水洗浄の排水による河川の汚染を防止する
ことができ、排水の浄化処理の設備及び運転費のコスト
を省くことが可能となった。
【0104】従来マルチ用として黒色に着色されていた
シートは、その色彩のため、再利用がきわめて不向きで
あったものを再びマルチ用として再利用することで、リ
サイクルの範囲を大幅に拡大することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理対象である廃農フィルムの回収・
造粒方法の基本的な実施例の方法を適用した場合の概要
を原理的かつ模式的に示す処理工程の系統説明図であ
る。
【図2】本発明の処理対象である廃農フィルムの回収・
造粒方法の基本的な実施例の方法を適用した場合の概要
を原理的かつ模式的に示す処理工程の系統説明図であ
る。
【図3】粗砕工程における一実施例における装置の概要
構成を模式的に示す縦断面図である。
【図4】 乾燥・分級装置の正面図。
【図5】 図1のII−II線断面図。
【図6】 図2のIII−III線断面図。
【図7】 図1のIV−IV線断面図。
【図8】 乾燥室の底部の開閉機構の一例を示す概略
図。
【図9】本発明の粗砕工程の実施例に使用するカッタミ
ル(破砕手段)の要部を示す全体斜視図である。
【図10】 洗浄・分離・分級・整粒装置の概要構成を
模式的に示す縦断面図である。
【図11】図10における研磨・整粒作用を説明するた
めの正面図である。
【符号の説明】
10 乾燥・分級装置 15 乾燥室 21 モータ(乾燥・分級装置の) 22 底部(乾燥・分級装置の) 27 破砕片(混合物)取出口(乾燥・分級装置の) 28 破砕片(混合物)投入口(乾燥・分級装置の) 29 攪拌翼 32 シャフト 34 棒状体 36 攪拌板 40 火炉 42 温風導入口 43 配管 44 収集箱 54 スクリーン(乾燥・分級装置の) 56 吸引口(乾燥・分級装置の) 81 破砕片 82 粗砕片 83 整粒樹脂材料 84(84’) 付着物 110 クラッシャ 120 カッタミル 121 カッタミル本体 122 蓋 123 投入口 124 カッタ支持体 125 回転刃 126 固定刃 127 投入室 128 粗砕室 129 スクリーン 130 研磨・整粒装置(セパレータ) 131 固定円盤 132 供給投入口 133 固定端板 134 固定ピン 135 周側板 141 可動円盤 142 回転横軸 143 軸受 144 可動ピン 151 スクリーン 152 排出口 153 取出口 155 処理空間 156 排出空間 210a,210b クラッシャ 211 解砕機 212 ネットコンベア 213 磁力選別機 231a,231b 供給管 235 連通管 236 配管 237 分岐管 238 三方電磁弁 239 排出管 240 回収タンク 250 補集タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29B 17/00 ZAB B09B 5/00 ZABQ // B29K 105:26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄農業用プラスチックフィルムから付
    着物を分離し、樹脂材料を回収する方法であって、 処理対象を、廃棄農業用プラスチックフィルムとし、こ
    の廃棄農業用プラスチックフィルムを複数の破砕片に数
    次に亘り破砕する工程と、 前記破砕片を攪拌すると共に温風雰囲気で加熱・乾燥
    し、前記攪拌による衝撃力により、処理対象中から付着
    物を分離し、この分離された付着物を随時に除去し、前
    記攪拌により、前記乾燥された処理対象中の沈降速度の
    遅い破砕片を浮遊させ、該浮遊した破砕片を吸引して回
    収すると共に、浮遊しない付着物を除去する工程と、 前記回収した破砕片をさらに複数の粗砕片に粗砕する工
    程と、 前記粗砕された粗砕片に対して、衝撃摩砕力を付加して
    樹脂材料から付着物を分離し、樹脂材料を整粒し素材化
    された回収樹脂材料とする工程と、且つ分離された付着
    物を随時に除去する工程と前記回収樹脂材料を成膜する
    工程とを少なくとも含む廃棄農業用プラスチックフィル
    ムの回収・造粒方法。
  2. 【請求項2】 廃棄農業用プラスチックフィルムから付
    着物を分離し、樹脂材料を回収する装置であって、 処理対象を、廃棄農業用プラスチックフィルムとし、こ
    の廃棄農業用プラスチックフィルムを複数の破砕片に破
    砕する複数の破砕手段と、 前記破砕片の投入される乾燥室と、該乾燥室内に温風を
    供給する温風供給源を備え、前記乾燥室内に投入された
    破砕片を攪拌する攪拌手段と、該攪拌手段による攪拌及
    び前記温風供給源による温風の供給により破砕片中より
    分離された付着物を随時に除去する手段と、前記破砕片
    中の気流中における沈降速度の遅い破砕片を温風供給源
    による温風の供給及び攪拌手段による攪拌により乾燥
    し、かつ、乾燥室中を浮遊させ前記気流中における沈降
    速度の遅い破砕片を吸引し、回収する手段と、 前記回収した破砕片を粗砕する粗砕手段と、 前記粗砕した粗砕片の供給投入口部に中心部を連通した
    固定円盤上にあって、複数の回転軌跡上で各固定ピンを
    順次に植設した固定側洗浄・分離・分級・整粒手段と、 前記固定円盤に対向して回転駆動可能に設けた可動円盤
    上にあって、前記各固定ピンとは異なる複数の回転軌跡
    上で各可動ピンを順次に植設した可動側洗浄・分離・分
    級・整粒手段と、 前記各固定ピンと各可動ピンとの組み合せ外周部にあっ
    て、分離された付着物を排出するための排出口に連通し
    た分級手段、および所望粒度以上の回収樹脂材料を取出
    し口に取出す取出し手段とを備え、 前記各固定ピンと各可動ピンとの相互間で、衝撃摩砕力
    と遠心作用により樹脂材料と付着物を分離・分級し、前
    記樹脂材料を整粒し得るように構成した洗浄・分離・分
    級・整粒手段と前記回収樹脂材料を成膜する手段とから
    成ることを特徴とする廃棄農業用プラスチックフィルム
    の回収・造粒装置。
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