JPH10297134A - 二重環縫い本綴じ機 - Google Patents

二重環縫い本綴じ機

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JPH10297134A
JPH10297134A JP10997697A JP10997697A JPH10297134A JP H10297134 A JPH10297134 A JP H10297134A JP 10997697 A JP10997697 A JP 10997697A JP 10997697 A JP10997697 A JP 10997697A JP H10297134 A JPH10297134 A JP H10297134A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 刷本と刷本との間隔長さが様々でも、その空
縫糸部分にも二重環を形成できる二重環縫い本綴じ機を
提供すること。 【解決手段】 二重環縫い本綴じ機は、縫針14を往復
動させて針糸ループを形成する縫針機構及び導糸ルーパ
20を動かして針糸ループにルーパ糸を掛かり合わせて
二重環を形成するルーパ機構を備えた二重環縫綴装置
と、その装置の駆動に同期して駆動され、刷本を搬入し
て当該刷本の一定方向を縫綴部Pに合わせて間歇直進さ
せる前側送りローラ31,32,後側送りローラ41,
42と、前側送りローラ31,32より上流側に設けら
れており、刷本の有無を検出する刷本検出センサPH
と、そのセンサPHの検出有無に基づき上記両装置の駆
動・停止を制御する時限停止付き駆動制御装置とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製本等において刷
本等の紙葉類(用紙,帖又は折帳)を糸で縫い綴じ合わ
す本綴じ機に関し、特に、二重環縫目を形成する二重環
縫い本綴じ機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、製本工程等において丁合いした整
列折帳重ねを折目に沿って綴じ合わす本綴じ機として
は、製本コストの低廉化の要求により、綴針(ステイプ
ラーリング)を用いているものが一般的である。ところ
が、このような金属製の硬質綴針を装本に残す綴じ方で
は、綴針で指頭などが傷付けられるおそれがある。特
に、ノートや絵本などは左右の頁を180°程度迄広角
に見開く折帳本であるため、折目部分の綴針が指頭など
に触れ易く、それ故一層、幼児の怪我などを招き易い。
そしてまた昨今の製造物責任法の施行により、綴針を用
いずに、折帳の折目を綴じ合わす安全型の本綴じ機が強
く要望されている。そのため、従前ではレアケースであ
った、糸で縫い綴じ合わす本綴じ機が見直されて来た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
縫い綴じ機にあっては、次のような問題点があった。
【0004】 従来の縫い綴じ機においては、縫針を
上下動させる縫針機構とルーパを水平動させるルーパ機
構を備えた縫目形成装置(縫綴装置)が例えば1本針・
1本糸型で、図8(A)に示すような単環縫形式(1重
鎖縫:整列折帳重ね1の一面〔縫針側の面〕のみから針
糸(上糸)2を供給して連鎖状のカラミ合イ3a〜3d
(3)〔上糸環〕を構成する縫方式)の縫合ミシンであ
る。×印で示す如く縫針側(表側)の糸の途中が切れた
場合、一端2aが矢印のように引っ張られると、カラミ
合イ3dが他端2b側の自由な糸を引っ張り、刺し孔に
沈み込むので、カラミ合イ3bの部分が解けると同時に
その上糸環も消滅するため、一端2aが更に上方へ引き
寄せられ、このような過程を繰り返し、次々とカラミ合
イ3c,3d…の部分が消滅して行き、切断部から縫い
始め側の縫い目が解ける。このような単環縫の用途は、
例えばセメント袋の縫い綴じ目に用いられているよう
に、綴じ合わせを解く場合にワンタッチ操作で済むため
好都合であるが、永久的に縫合する本綴じには不向きで
あった。
【0005】 また、製本ライン上の縦列して搬送さ
れて来る刷本を次々と連続的に単環縫で綴じ合わす工程
においては、先行刷本とその後続刷本との間は適宜長さ
の空き間部分(空き間隔)となっているため、縫針とル
ーパとの間の縫綴域をその空き間部分が通過している過
程では、縫針が上下動しても糸が貫通して絡まるべき被
縫製物が存在しないので、連鎖状のカラミ合イができ難
く、環の形成されない1本糸で繋がっただけの環無し空
縫糸部分が形成されるに過ぎない。このため、本綴じ工
程の直後は、数珠繋ぎ状態の綴じ本と綴じ本との間の環
無し空縫糸部分を切断した後、1冊ずつ綴じ本の縁落と
し裁断工程に送られるようになっているが、環無し空縫
糸部分がカッターで切断されて1冊の綴じ本に個別分離
されてしまうと、図8(A)の縫い終り側から縫い始め
側へカラミ合イ3aが外れ易く、後縫い側へカラミ合イ
の消滅が伝播し易いので、折帳の整列重ねが狂い易い。
これを回避するためには、例えば、切断部の糸端末を綴
じ本の端の切込みに挟み込んで糸端末に不要な張力が加
わらないように糸端末処理を施す必要があるが、厄介な
工程が増えてしまう。
【0006】 このような表側の途中や環無し空縫糸
部分の糸切断によるカラミ合イ(環)の消滅伝播が起こ
り難い縫目形式としては、例えば1本針・2本糸の本縫
形式(上糸が下糸を納めたボビンケースの周囲を回っ
て、上糸・下糸のカラミ合イを構成する縫方式)の縫合
ミシンが知られている。しかし、本縫目形成装置では、
ボビンケースに収まる下糸の長さは高々数十メールに過
ぎず、上糸のように、数キロメートル以上にも及ぶ糸を
納めることができるような供糸コーンを用いることがで
きないので、連続的な本綴じ工程で本縫目形成装置を用
いるには、ボビンケースの交換が頻繁となり、段取り作
業が厄介であり、従って実用的でない。
【0007】そこで、上記問題点に鑑み、本発明の第1
の課題は、ルーパ糸の二重環で針糸とのカラミ合イを構
成する二重環縫に着目し、針糸(表糸)が切断されても
カラミ合イの消滅伝播が起こり難く、ほつれが起こり難
い縫い綴じ合わせを実現できる二重環縫い本綴じ機を提
供することにある。
【0008】また、本発明の第2の課題は、針糸もルー
パ糸も供糸コーンで供給でき、段取り作業を大幅削減し
て連続的な本綴じ工程に用いるに適した二重環縫い本綴
じ機を提供することにある。
【0009】更に、本発明の第3の課題は、製本ライン
において搬入される先行刷本と後続刷本との間隔長さが
様々でも、その空縫糸部分にも二重環を持たせることが
できる二重環縫い本綴じ機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1乃至第3の課題
を解決するため、本発明の講じた手段は、所謂二重環縫
ミシンを用いた点と、被縫製物たる刷本の連続的な二重
環縫を行うのに、特に、刷本毎の到来や有無に基づき二
重環縫綴手段及び刷本間歇送り手段(二重環縫ミシン)
の駆動・停止を制御する駆動制御系を設けた点にある。
本発明での被縫製物は代表例としては刷本(印刷済み紙
葉類)であるが、印刷されていない紙葉類も含むものと
する。また、二重環縫綴手段としては、1本針・2本糸
の縫目形成が基本的であるが、2本針・3本糸や3本針
・4本糸の二重環縫目を形成するものでも良く、必要な
らば千鳥縫を形成するミシンでも良い。
【0011】即ち、本発明に係る二重環縫い本綴じ機
は、縫針を往復動させて針糸ループを形成する縫針機構
及び導糸ルーパを動かして上記針糸ループにルーパ糸を
掛かり合わせて二重環を形成するルーパ機構を備えた二
重環縫綴手段と、上記二重環縫綴手段の駆動に同期して
駆動され、刷本を搬入して当該刷本の一定方向を上記二
重環縫綴手段の縫綴部に合わせて間歇直進させ上記縫綴
部から上記刷本を搬出する刷本間歇送り手段と、上記刷
本間歇送り手段の搬入部より上流側に設けられており、
上記刷本の有無を検出する刷本検出センサと、少なくと
も上記刷本検出センサの検出有無に基づき上記二重環縫
綴手段及び上記刷本間歇送り手段の駆動・停止を制御す
る駆動制御手段とを有して成ることを特徴とする。
【0012】紙葉類(用紙,帖又は折帳)の刷本やノー
ト用紙等の製本の本綴じ技術において、二重環縫い本綴
じ機を使用すると、図8(B)に示す如く、ルーパ糸4
に1目ずらしでオーバーラップした二重環が形成されて
いるため、表糸(針糸)2が×印で示す位置で切断され
て一端2aが引っ張られても、2つのカラミ合イ4cと
4fで抜け止めされているので、端部2a側の糸2は刺
し孔から抜け難く、カラミ合イ4cと4fが消滅し難
い。また、他端2b側の糸2も2つのカラミ合イ4aと
4dで抜け止めされているので、刺し孔から抜け難く、
カラミ合イ4aと4dも消滅し難い。
【0013】更に、図8(B)に示す状態で刷本1がな
い場合は、二重環付き空縫糸部分が形成されたものに相
当するが、一箇所で針糸2とルーパ糸4とが切断されて
から引っ張り力が作用しても、針糸2とルーパ糸4とが
絡まるものの、二重環のカラミ合イが解け難い。
【0014】ところで、縫製二重環縫いミシンの場合
は、縫綴部に送り歯が設けられており、個々の被縫製物
をこの縫綴部へ差し込んで送り歯の循環軌跡運動により
被縫製物を間歇直進させるようにしているが、本綴じ機
のように、製本ラインで流れるように次々と送られて来
る刷本を自動的に連続で縫い綴じ合わせるときは、二重
環付き空縫糸部分を確実に形成できるものでなくてはな
らない。
【0015】まず、本発明に係る二重環縫い本綴じ機に
おいては、稼働準備段階で、手動操作などによって最初
の刷本を縫綴部へ差し入れ、後述するような長さだけ二
重環縫いを行い、縫い残した刷本をそのまま機内に残し
ておく。
【0016】次に、製本ラインの稼働により、丁合いさ
れた刷本が二重環縫い本綴じ機へ送られて来ると、搬入
側の刷本検出センサがその到来刷本の存在を検出するた
め、その検出に基づいて、駆動制御手段により、二重環
縫綴手段及び刷本間歇送り手段を起動することができ
る。二重環縫綴手段及び刷本間歇送り手段が駆動する
と、到来刷本は刷本間歇送り手段に搬入されると共に、
二重環縫綴手段が縫い残された最初の刷本の二重環縫い
を再開する。最初の刷本について縫い終わると、刷本間
歇送り手段の搬出部から下流側へ搬出されると共に、到
来刷本についての二重環縫いが行われる。
【0017】ここで、縫い残された最初の刷本の後端と
到来刷本の先端との空き間部分も縫綴部を通るため、そ
の空き間部分に空縫糸部分が形成されるが、最初の刷本
の後端が刷本間歇送り手段の搬出部に到達しない搬出未
完状態では、最初の刷本に対して刷本間歇送り手段から
の搬出力が付与され続けているため、最初の刷本の後端
(縫い終り目)と縫針及び導糸ルーパとの間の針糸及び
ルーパ糸に張力があるので、二重環付き空縫糸部分(い
わゆる空環部分)が確実に形成されることになる。最初
の刷本が刷本間歇送り手段の搬出部から搬出されてしま
うと、空縫糸部分の張力が自然に消滅するから、空き間
部分の全長に亘って二重環付き空縫糸部分を形成するた
めには、最初の刷本が刷本間歇送り手段から搬出される
直前までに、到来刷本の先端が縫綴部に到達するように
すべく、後述するように予め縫い残すべき最初の刷本の
位置を設定する。
【0018】前述のように、空縫糸部分の張力消滅まで
に次の刷本が縫綴部に掛からなくてはならないから、二
重環縫綴手段の縫綴部の位置と刷本間歇送り手段の搬出
部の位置との距離をL2 とすると、二重環付き空縫糸部
分の長さSは最長でL2 である。この空縫糸部分の全長
Sに亘って二重環を形成できる利益は、前述した切断後
のカラミ合イ消滅の防止の外、縫い工程中での空縫糸部
分の糸切れを極力抑制できる点にある。空縫糸部分で張
力が消滅すると、弛んだ針糸が導糸ルーパで掻き切られ
ことになり、針糸が針孔から抜けてしまうので、二重環
もできず空縫糸部分が寸断され、後続の刷本がもはや縫
えなくなってしまう。従って、二重環縫い本綴じ機にお
いて、連続して送られて来る刷本を次々と縫い綴じ合わ
すためには、空縫糸部分にも二重環が連続して形成でき
るように工夫を凝らす必要がある。
【0019】そこで、刷本検出センサの被探知位置と機
内で縫い残すべき最初の刷本の後端位置との間隔をSと
すると、S≦L2 に設定しておくと、最初の刷本と到来
刷本との空縫糸部分には全長に亘る二重環が確実に形成
される。
【0020】到来刷本が検出センサの被探知位置を過ぎ
ると、検出センサがその不存在を検出する。この不存在
検出に基づいて駆動制御手段が二重環縫綴手段及び刷本
間歇送り手段の駆動を停止する。例えば、不存在検出に
より直ちに駆動を停止した場合、多少の慣性作動は残る
ものの、その到来刷本の後端はセンサの被探知位置の略
直後位置にあるため、次の到来刷本の先端がセンサの被
探知位置に達した場合、二重環縫綴手段及び刷本間歇送
り手段を起動したとき、到来刷本の後端と次の到来刷本
の先端との間隔(空き間部分)Sは僅少になる。それ
故、空き間部分の長さSがL2 以下であるという条件を
必ず満足するようになるから、センサが不存在を検出し
たとき、直ちに駆動を停止するタイミング制御も有意義
である。
【0021】ただ、搬入される刷本が検出センサの被探
知位置から外れると、すぐに駆動制御手段及び二重環縫
綴手段の駆動が停止するような刷本毎の断続的縫い綴じ
方式では、起動・停止が頻繁化し、機構系の長寿命化や
駆動系の低消費電力化の点から不都合であり、また空き
間部分が僅少であると、本綴じ後に綴じ本を搬送しなが
ら空縫糸部分をカッターで切断すること自体が困難とな
る。
【0022】そこで本発明においては、駆動制御手段と
しては、刷本検出センサが刷本を検出した場合は二重環
縫綴手段及び刷本間歇送り手段を起動制御し、刷本検出
センサが刷本を検出しない場合は、所定の遅延時間の経
過後、その遅延時間内でも刷本を検出しないときに限
り、二重環縫綴手段及び刷本間歇送り手段の駆動を停止
制御する時限停止付き駆動制御手段であることが好まし
い。
【0023】搬入される到来刷本の後端がセンサの被探
知位置から外れても、すぐに二重環縫綴手段及び刷本間
歇送り手段の駆動が停止するのではなく、所定の遅延時
間を待っても次の到来刷本が来ないときは、駆動が停止
するようになっており、その遅延時間内に次の到来刷本
の先端がセンサの被探知位置に達すると、駆動は停止せ
ず、そのまま駆動が継続する。このため、起動・停止の
頻度が減少し、連続運転に近づくため、機構系の長寿命
化や駆動系の低消費電力化を実現できる。
【0024】ここで、所定の遅延時間をT、刷本間歇送
り手段の送り速度をVとすると、上記のSはVTで与え
られる。このTが短すぎると、後続の刷本の先端との距
離(空き間部分)Sが僅少となり、上述したような不都
合を招く。それ故、Sの最小値は入来する刷本の空き間
部分の長さと同程度とすれば良い。逆に、Tが長すぎる
と、Sが長すぎることになるため、前述の二重環付き空
縫糸部分の形成条件(S≦L2 )を満足し難くなる。
【0025】刷本間歇送り手段として、縫製ミシンのよ
うに、縫綴部の近傍の局部に送り歯の如き引っ掛け送り
機構を設けた場合、刷本の紙歯類を傷つけ易く、また刷
本の整列積み重ねの引っ掛け送り機構側の紙葉類がずれ
てしまう。これを回避するため、本発明において、刷本
間歇送り手段は、例えば、縫綴部の前に設けられた引き
込み側の挟み込み双ローラと、その縫綴部の後に設けら
れた繰り出し側の挟み込み双ローラとを有して成ること
を特徴とする。刷本に対して縫綴部の相前後で送り力を
加えることができ、しかも挟み込み搬送であるため、紙
葉類を傷つけずに、積み重ねを崩さずに搬送することが
できる。
【0026】ただ、刷本の丈Hが引き込み側の挟み込み
双ローラの巻き込み部と繰り出し側の挟み込み双ローラ
の巻き込み部との距離Lより小さい場合、送りが不可能
になるため、刷本の丈Hが小さいときも見越して距離L
を小さく設定しなければならない。しかし、L>L2
あるため、必然的にSが短くなってしまう。また、機内
で縫い残されて停止した刷本の先端は繰り出し側の挟み
込み双ローラの巻き込み部に掛かっていなければ、搬出
不可能であるため、H≧L+F−Sの関係式を満足しな
ければならない。ここで、引き込み側の挟み込み双ロー
ラの巻き込み部と縫綴部の位置との距離をL1 とする
と、L=L1 +L2 であり、L2 ≧Sであるから、H≧
1 +Fとなる。従って、L1 やF以下の丈の刷本は縫
い綴じができないという不都合が生じる。
【0027】また、引き込み側の挟み込み双ローラと繰
り出し側の挟み込み双ローラの送り量を等しくして駆動
した場合、繰り出し側の挟み込み双ローラで繰り出され
る先行刷本の後端から縫綴部までの二重環付き空縫糸部
が成長して行くと共に、後続の刷本が引き込み側の挟み
込み双ローラで引き込まれている過程では、先行刷本が
後ろ髪を引かれるように二重環付き空縫糸部分で拘束さ
れるいる分、若干、後続刷本の送りに比し遅くなってい
るため、後続刷本の先端が縫綴部に到達した時点では、
瞬間的に二重環付き空縫糸部の張力が抜けるので、後続
刷本の先端の縫い始めで糸切れの生じるおそれがある。
このような空縫いから被縫製物への縫い始めの際の糸切
れを無くすためには、繰り出し側の挟み込み双ローラの
送り量を引き込み側の挟み込み双ローラの送り量よりも
若干大きく設定することが好ましい。繰り出し側の挟み
込み双ローラではその送り量が大きいため、二重環付き
空縫糸部の戻し力があっても、引き込み側の挟み込み双
ローラの送り量と同じになる。多少大きめであっても繰
り出し側の挟み込み双ローラのスリップにより送り量が
平等化する。
【0028】しかし、このような挟み込み双ローラの諸
問題点を解消するには、刷本間歇送り手段としては、刷
本後押し突起付きベルトを備えたベルトコンベアを用い
ることが好ましい。原理的には、L以下の丈の刷本につ
いても縫い綴じが可能であり、また送り量の調整等が不
要になる。そして、紙葉類の整列積み重ねを後押で送る
ことができるから、整列積み重ねが崩れ難く、綴じ違い
等が起こり難い。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、本発
明の実施形態例を説明する。
【0030】図1は本発明の実施形態に係る二重環縫い
本綴じ機を一部切欠いて示す外観斜視図、図2は同二重
環縫い本綴じ機をその屋根形ガイド板及び架台を取り外
した状態を示す正面図、図3(A)は図2の同二重環縫
い本綴じ機の状態を示す右側面図、図3(B)は図2の
同二重環縫い本綴じ機の状態を示す左側面図、図4は同
二重環縫い本綴じ機をその屋根形ガイド板,架台及び空
圧昇降・緩衝機構を取り外した状態を示す正面図、図5
(A)は図4の同二重環縫い本綴じ機の状態を示す右側
面図、図5(B)は図4の同二重環縫い本綴じ機の状態
を示す左側面図である。
【0031】本例の本綴じ機は、刷本を二重環縫いで綴
じ合わせる二重環縫い本綴じ機であり、主として、二重
環縫綴装置と、刷本間歇送り装置と、刷本検出センサP
Hと、駆動制御装置とを有して成る。
【0032】枠形架台11上には基台12が固定されて
おり、その基台12の一部から上方へ突設した截頭角錐
台13を固定部として縫針機構が設けられている。縫針
機構は、針先が上に向いた縫針14の基部を固定した針
棒15を上下方向(鉛直方向)に往復動させると共に、
押さえ板16のステムを固定した押さえ棒17を上下方
向(鉛直方向)に往復動させる。他方、基台12の一部
から上方へ突設した支柱18にはルーパ基台19が垂設
されている。ルーパ基台19から下方に向けた導糸ルー
パ20を水平方向に往復動させて針糸ループにルーパ糸
を掛かり合わせて二重環を形成する。導糸ルーパ20及
びルーパ基台19はルーパ機構を構成する。なお、21
は支柱18に固定された針板である。
【0033】刷本間歇送り装置は、縫綴部(縫針14と
導糸ルーパ20との掛かり合い領域)Pの前に設けられ
た引き込み側の挟み込み双ローラ(前側下送りローラ3
1,前側上送りローラ32)と、縫綴部Pの後に設けら
れた繰り出し側の挟み込み双ローラ(後側下送りローラ
41,前側上送りローラ42)を有している。駆動源は
基台12の裏側に取り付けられた電動モータMであり、
そのモータ軸に固定された偏心輪(クランク輪)51か
ら下送りローラ31,41へ駆動力が伝達されるように
なっている。またモータ軸の他端に固定された駆動プー
リ(図示せず),ベルト(図示せず),従動プーリ(図
示せず)を介して従動軸(図示せず)が回転駆動される
と共に、その従動軸に固定された偏心輪(クランク輪)
61が回転するようになっている。
【0034】偏心輪51と、前側昇降台52に正逆回動
可能に支承された旋回軸53を中心に揺動する梃リンク
54と、偏心輪51の偏心点と梃リンク54の一端とで
回り対偶で連接した連接リンク59とは梃クランク機構
を構成している。下送りローラ31の軸部には下送りロ
ーラ31の回動を図2及び図4の矢印(反時計方向)に
のみ許容するワンウェイクラッチ(図示せず)が設けら
れており、そのクラッチレバー(揺動アーム)55と、
旋回軸53を中心に揺動する梃リンク56と、クラッチ
レバー55の一端と梃リンク56の一端とで回り対偶で
連接した短連接リンク57とは両梃機構を構成してい
る。短連接リンク57を用いているため、梃リンク56
とクラッチレバー55の揺動方向は同じである。なお、
梃リンク54との先端にはストローク調節用長孔Aが形
成されており、連接リンク59の先端の回り対偶点の位
置を可変できるようになっている。
【0035】前側昇降台52はエアシリンダ60上にピ
ストンロッド61を介して取付られている。エアシリン
ダ60には給気管60aと排気管60bが繋がってい
る。基台12に固定した案内棒起立支え62に先端に抜
け止め部材64を持つ案内棒63が起立しており、前側
昇降台52は、案内棒63に摺動自在のスライダブロッ
ク65に固定されている。
【0036】梃リンク54の途中には回り対偶で連接棒
70の一端が接続しており、連接棒70の他端は後側下
送りローラ41の梃リンク74に接続している。この梃
リンク74は後側昇降台72に正逆回動可能に支承され
た旋回軸73を中心に揺動する。梃リンク74と連接棒
70と梃リンク54とは両梃機構を構成している。下送
りローラ41の軸部には下送りローラ41の回動を図2
及び図4の矢印(反時計方向)にのみ許容するワンウェ
イクラッチ(図示せず)が設けられており、そのクラッ
チレバー(揺動アーム)75と、旋回軸73を中心に揺
動する梃リンク76と、クラッチレバー75の一端と梃
リンク76の一端とで回り対偶で連接した短連接リンク
77とは両梃機構を構成している。短連接リンク77を
用いているため、梃リンク76とクラッチレバー75の
揺動方向は同じである。なお、梃リンク74の先端には
ストローク調節用長孔Bが形成されており、連接棒70
の端部の回り対偶点の位置を可変できるようになってい
る。
【0037】後側昇降台72はエアシリンダ80上にピ
ストンロッド81を介して取付られている。エアシリン
ダ80には給気管80aと排気管80bが繋がってい
る。基台12に固定した案内棒起立支え82に先端に抜
け止め部材84を持つ案内棒83が起立しており、後側
昇降台82は、案内棒83に摺動自在のスライダブロッ
ク85に固定されている。
【0038】他方、上送りローラ32,42は支柱18
の頂部に固定されたフレーム29に取り付けられてい
る。偏心輪61と連接リンク33とクラッチレバー35
とで両梃機構を構成している。上送りローラ32の軸部
には上送りローラ32の回動を図2及び図4の矢印(時
計方向)にのみ許容するワンウェイクラッチ(図示せ
ず)が設けられている。偏心輪61のナット61aを緩
めてストローク調節用ネジ61bの螺入加減で偏心位置
をずらすことにより上送りローラ32の送り量が可変で
きる。
【0039】梃リンク35の途中には回り対偶で連接棒
36の一端が接続しており、連接棒36の他端はクラッ
チレバー37に接続している。上送りローラ42の軸部
には上送りローラ42の回動を図2及び図4の矢印(時
計方向)にのみ許容するワンウェイクラッチ(図示せ
ず)が設けられている。なお、クラッチレバー37の先
端にはストローク調節用長孔Cが形成されており、連接
棒36の端部の回り対偶点の位置を可変できるようにな
っている。
【0040】下送りローラ31,41の周囲は逆V字形
で、上送りローラ32,42の周囲はV字溝となってお
り、針板21のレベルを稜線部とする屋根形ガイド板2
5が基台12上に支持されている。また、引き込み側の
送りローラ31,32と押さえ板16との間に差し延べ
られた遊動ローラ28が前側昇降台52で支持されてい
る。
【0041】そして、引き込み側の送りローラ31,3
2の巻き込み部Q1 から上流側には支持部材91にて光
学式刷本検出センサPHが設けられている。その巻き込
み部Q1 と刷本検出センサPHの被探査位置Uとの距離
Fは、本例では4〜5cm程度としてある。また、引き込
み側の送りローラ31,32の巻き込み部Q1 と縫綴部
Pの位置との距離L1 は10cm程度で、縫綴部Pの位置
と繰り出し側の送りローラ41,42の巻き込み部Q2
との距離L2 は80cm程度としてある。
【0042】本例の駆動制御装置は時限停止付き駆動制
御装置で、刷本検出センサPHが刷本を検出した場合は
モータMを起動制御し、刷本検出センサPHが刷本を検
出しない場合は、所定の遅延時間Tの経過後、その遅延
時間T内でも刷本を検出しないときに限り、モータMの
駆動を停止制御するものである。
【0043】本例の本綴じ機によれば、図8(B)に示
す如く、ルーパ糸4に1目ずらしでオーバーラップした
二重環が形成されているため、表糸(針糸)2が×印で
示す位置で切断されて一端2aが引っ張られても、2つ
のカラミ合イ4cと4fで抜け止めされているので、端
部2a側の糸2は刺し孔から抜け難く、カラミ合イ4c
と4fが消滅し難い。また、他端2b側の糸2も2つの
カラミ合イ4aと4dで抜け止めされているので、刺し
孔から抜け難く、カラミ合イ4aと4dも消滅し難い。
【0044】更に、図8(B)に示す状態で刷本1がな
い場合は、二重環付き空縫糸部分が形成されたものに相
当するが、一箇所で針糸2とルーパ糸4とが切断されて
から引っ張り力が作用しても、針糸2とルーパ糸4とが
絡まるものの、二重環のカラミ合イが解け難い。
【0045】まず、本例の本綴じ機では稼働準備段階に
おいて、図6(A)に示す如く、手動運転によって最初
の刷本W0 (本例では丈30cm程度)を縫綴部Pへ差し
入れ、後述するような長さだけ二重環縫いを行い、縫い
残した刷本W0 をそのまま機内に残しておく。
【0046】次に、製本ラインの稼働により、丁合いさ
れた刷本W1 が本例の本綴じ機へ送られて来ると、搬入
側の刷本検出センサPHがその到来刷本の存在を検出す
るため、その検出に基づいて、駆動制御装置がモータM
を起動制御する。モータMが駆動されると、二重環縫綴
装置及び刷本間歇送り装置が同期して駆動される。これ
により、図6(B)に示す如く、到来刷本W1 は刷本間
歇送り装置の引き込み側送りローラ31,32へ搬入さ
れると共に、縫綴部Pでは縫い残された最初の刷本W0
の二重環縫いを再開する。そして最初の刷本W0 につい
て縫い終わると、図6(C)に示す如く、刷本間歇送り
装置の繰り出し側送りローラ41,42から下流側へ搬
出されると共に、今度は到来刷本W1 についての二重環
縫いが行われる。そして本例では、到来刷本W1 の後端
が刷本検出センサPHの被探査位置Uを過ぎると、すぐ
にモータMの駆動が停止するのではなく、図6(D)に
示す如く、到来刷本W1 の後端が刷本検出センサPHの
被探査位置Uから距離Sだけ過ぎた位置でモータMの駆
動を停止するようになっている。本例ではこの距離Sが
遅延時間Tと送り速度Vとの積に相当している。
【0047】そして、図7(A)に示す如く、後続の刷
本W2 の先端が刷本検出センサPHの被探査位置Uに掛
かると、モータMの駆動が再開し、縫い残した刷本W1
を縫い始める。ここで、図7(B)に示す如く、縫い残
された刷本W1 の後端と後続刷本W2 の先端との空き間
部分も縫綴部Pを通るため、その空き間部分に空縫糸部
分Eが形成されるが、先の刷本W1 の後端が繰り出し側
ローラ41,42の巻き込み部Q2 に達しない搬出未完
状態では、刷本W1 に対して繰り出し側ローラ41,4
2の巻き込み部Q2 からの搬出力が付与され続けている
ため、刷本W1の後端(縫い終り目)と縫針14及び導
糸ルーパ20との間の針糸及びルーパ糸に張力があるの
で、二重環付き空縫糸部分(いわゆる空環部分)Eが確
実に形成されることになる。刷本W1 が繰り出し側ロー
ラ41,42の巻き込み部Q2 から搬出されてしまう
と、空縫糸部分Eの張力が自然に消滅するから、空き間
部分の全長に亘って二重環付き空縫糸部分を形成するた
めには、最初の刷本W1 が繰り出し側ローラ41,42
の巻き込み部Q2 から搬出される直前までに、到来刷本
1 の先端が縫綴部Pに到達するようにすべく、予め縫
い残すべき最初の刷本W1 の位置を設定する。
【0048】即ち、空縫糸部分Eの張力消滅までに次の
刷本W2 が縫綴部Pに掛からなくてはならないから、図
7(C)に示す如く、縫綴部Pの位置と繰り出し側ロー
ラ41,42の巻き込み部Q2 の位置との距離をL2
すると、二重環付き空縫糸部分Eの長さSは最長でL2
である。この空縫糸部分Eの全長Sに亘って二重環を形
成できる利益は、前述したような切断後のカラミ合イ消
滅の防止の外、縫い工程中での空縫糸部分の糸切れを極
力抑制できる点にある。空縫糸部分で張力が消滅する
と、弛んだ針糸が導糸ルーパで掻き切られことになり、
針糸が針孔から抜けてしまうので、二重環もできず空縫
糸部分が寸断され、後続の刷本がもはや縫えなくなって
しまう。しかし、本例では、刷本検出センサの被探知位
置Uと機内で縫い残すべき刷本W1 の後端位置との距離
をSとすると、S≦L2 に設定してあるので、刷本W1
と後続刷本W2 との空縫糸部分Eには全長に亘る二重環
が確実に形成される。
【0049】縫製ミシンのように、縫綴部Pの近傍の局
部に送り歯の如き引っ掛け送り機構を設けた場合、刷本
の紙葉類を傷つけ易く、また刷本の整列積み重ねの引っ
掛け送り機構側の紙葉類がずれてしまう。これを回避す
るため、本例では、縫綴部Pの前に設けられた引き込み
側の送りローラ31,32と、その縫綴部Pの後に設け
られた繰り出し側の送りローラ41,42とを有して成
る。刷本に対して縫綴部Pの相前後で送り力を加えるこ
とができ、しかも挟み込み搬送であるため、紙葉類を傷
つけずに、積み重ねを崩さずに搬送することができる。
【0050】ただ、刷本の丈Hが引き込み側の巻き込み
部Q1 と繰り出し側の巻き込み部Q1 との距離Lより小
さい場合、送りが不可能になるため、刷本の丈Hが小さ
いときも見越して距離Lを小さく設定しなければならな
い。また、引き込み側の送りローラ31,32と繰り出
し側の送りローラ41,42の送り量を等しくして駆動
した場合、繰り出し側の送りローラ41,42で繰り出
される先行刷本W1 の後端から縫綴部Pまでの二重環付
き空縫糸部が成長して行くと共に、後続の刷本W2 が引
き込み側の送りローラ41,42で引き込まれている過
程では、先行刷本W1 が後ろ髪を引かれるように二重環
付き空縫糸部で拘束されるいる分、若干、後続刷本W2
の送りに比し遅くなっているため、図7(C)に示す如
く、後続刷本W2 の先端が縫綴部Pに到達した時点で
は、瞬間的に二重環付き空縫糸部分の張力が抜けるの
で、後続刷本W2 の先端の縫い始めで糸切れの生じるお
それがある。
【0051】このような空縫いから被縫製物への縫い始
めの際の糸切れを無くすためには、繰り出し側の送りロ
ーラ41,42の送り量を引き込み側の送りローラ3
1,32の送り量よりも若干大きく設定する。その送り
量の調節は前側・後側送り量調節装置(長孔A,B,C
の回り対偶点の位置やネジ61bの螺入度合い)で調
節できる。繰り出し側の送りローラ41,42ではその
送り量が大きいため、二重環付き空縫糸部の戻し力があ
っても、引き込み側の送りローラ31,32の送り量と
同じになる。多少大きめであってもスリップにより送り
量が平等化する。
【0052】しかし、このような挟み込み双ローラの諸
問題点を解消するには、刷本後押し突起付きベルトを備
えたベルトコンベアを用いることが好ましい。
【0053】特に、本例では縫針機構を下部に、ルーパ
機構を上部に設けてあり、縫製ミシンとはレイアウトを
天地反転させてある。本例の製本ラインでは折帳の刷本
が屋根形ガイト板の屋根角だけ見開いた状態で送られて
来るようになっているため、縫針を上向きで配置する必
要性からである。このため、下送りローラ31,41は
刷本の厚みを吸収できるように、エアシリンダ60,8
0によりある程度昇降自在であり、緩衝作用を発揮でき
る。また、厚みの異なる刷本を綴じ合わせる場合、エア
シリンダ60,80の空圧を調節して昇降させることに
より、下送りローラ31,41と上送りローラ32,4
2との巻き込みギャップを可変できるようになってい
る。昇降手段としてのエアシリンダ60,80をまたエ
アクッションとして利用しているので、空圧調節だけで
操作でき、機械バネの場合よりも操作性が良い。
【0054】なお、本例には本綴じ合わせ工程後、空縫
糸部分を検出するセンサと、その検出有無で駆動される
カッター手段が設けられており、繰り出し側の送りロー
ラ41,42から搬出された綴じ本の空縫糸部分を切断
するようになっている。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、所謂二
重環縫ミシンを用いた点と、被縫製物たる刷本の連続的
な二重環縫を行うのに、特に、刷本検出センサに基づき
二重環縫綴手段及び刷本間歇送り手段の駆動・停止を制
御する駆動制御系を設けた点を特徴としている。従っ
て、次のような効果を奏する。
【0056】 刷本の縫い綴じ目が二重環縫であるた
め、綴じ本において針糸が切断されてもカラミ合イの消
滅伝播が起こり難く、ほつれが起こり難い。
【0057】また、本縫いのようにボビンケースを用い
ず、ルーパ糸も供糸コーンで供給できるから、段取り作
業を大幅削減でき、連続的に刷本を本綴じするのに適し
ている。
【0058】更に、製本ラインにおいて搬入される先行
刷本と後続刷本との間隔長さが様々でも、その空縫糸部
分に二重環を持たせることができるから、後工程での空
縫糸部分が切断されても、カラミ合イが消滅し難く、綴
じ本の紙葉類の整列重ねが狂い易い。
【0059】 駆動制御手段が時限停止付き駆動制御
手段である場合、搬入される到来刷本の後端がセンサの
被探査位置から外れても、すぐに二重環縫綴手段及び刷
本間歇送り手段の駆動が停止するのではなく、所定の遅
延時間を待っても次の到来刷本が来ないときは、駆動が
停止するようになっており、その遅延時間内に次の到来
刷本の先端がセンサの被探知位置に達すると、駆動は停
止せず、そのまま駆動が継続する。このため、起動・停
止の頻度が減少し、連続運転に近づくため、機構系の長
寿命化や駆動系の低消費電力化を実現できる。
【0060】 二重環縫綴手段の縫綴部の位置と刷本
間歇送り手段の搬出部の位置との距離をL2 、刷本検出
センサの被探知位置と機内で縫い残すべき最初の刷本の
後端位置との間隔をSとすると、S≦L2 に設定されて
成る場合、空縫糸部分の全長はSであり、その部分には
常に張力が付与されているので、環無し空縫糸部分が形
勢されず、その全長に亘り二重環が確実に形成される。
【0061】 刷本間歇送り手段としては、刷本後押
し突起付きベルトを備えたベルトコンベアを用いる場
合、ローラ搬送と比べると、刷本の丈や送り量の制限が
緩和できる。また、紙葉類の整列積み重ねを後押で送る
ことができるから、整列積み重ねが崩れ難く、綴じ違い
等が起こり難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る二重環縫い本綴じ機を
一部切欠いて示す外観斜視図である。
【図2】同二重環縫い本綴じ機をその屋根形ガイド板及
び架台を取り外した状態を示す正面図である。
【図3】(A)は図2の同二重環縫い本綴じ機の状態を
示す右側面図、(B)は図2の同二重環縫い本綴じ機の
状態を示す左側面図である。
【図4】同二重環縫い本綴じ機をその屋根形ガイド板及
びその空圧昇降・緩衝機構を取り外した状態を示す正面
図である。
【図5】(A)は図4の同二重環縫い本綴じ機の状態を
示す右側面図、(B)は図4の同二重環縫い本綴じ機の
状態を示す左側面図である。
【図6】(A)〜(D)は同二重環縫い本綴じ機におけ
る刷本と縫い綴じ合わせの関係を示す説明図である。
【図7】(A)〜(D)は図6の段階の後同二重環縫い
本綴じ機における刷本と縫い綴じ合わせの関係を示す説
明図である。
【図8】(A)は単環縫目を示す概略図で、(A)は二
重単環縫目を示す概略図である。
【符号の説明】
1…刷本 2…針糸 4…ルーパ糸 4a〜4d…カラミ合イ 11…枠形架台 12…基台 13…載頭角錐台 14…縫針 15…針棒 16…押さえ板 17…押さえ棒 18…支柱 19…ルーパ基台 20…導糸ルーパ 21…針板 25…屋根形ガイド板 28…遊動ローラ 29…フレーム 31…前側下送りローラ 32…前側上送りローラ 33,59…連接リンク 35,37,55,75…クラッチレバー 36,70…連接棒 41…後側下送りローラ 42…後側上送りローラ 51,61…偏心輪 52…前側昇降台 53,73…旋回軸 54,56,74,76…梃リンク 57,77…短連接リンク 60,80…エアシリンダ 60a,80a…給気管 60b,80b…排気管 61,81…ピストンロッド 62,82…案内棒起立押さえ 63,83…案内棒 64,84…抜け止め部材 65,85…スライダブロック 36,70…連接棒 72…後側昇降台 91…支持部材 A,B,C…ストローク調節用長孔 PH…刷本検出センサ U…被探査位置 M…電動モータ P…縫綴部 E…空縫糸部分 W0 ,W1 ,W2 …刷本 Q1 …前側ローラの巻き込み部 Q2 …後側ローラの巻き込み部 L1 …前側ローラの巻き込み部の位置と縫綴部の位置と
の距離 L2 …後側ローラの巻き込み部の位置と縫綴部の位置と
の距離 S…刷本検出センサの被探査位置と機内停止した刷本の
後端位置との距離 F…刷本検出センサの被探査位置と前側ローラの巻き込
み部の位置との距離。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明の欄の図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】(A)は単環縫目を示す概略図で、(B)は二
重環縫目を示す概略図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縫針を往復動させて針糸ループを形成す
    る縫針機構及び導糸ルーパを動かして前記針糸ループに
    ルーパ糸を掛かり合わせて二重環を形成するルーパ機構
    を備えた二重環縫綴手段と、前記二重環縫綴手段の駆動
    に同期して駆動され、刷本を搬入して当該刷本の一定方
    向を前記二重環縫綴手段の縫綴部に合わせて間歇直進さ
    せ前記縫綴部から前記刷本を搬出する刷本間歇送り手段
    と、前記刷本間歇送り手段の搬入部より上流側に設けら
    れており、前記刷本の有無を検出する刷本検出センサ
    と、少なくとも前記刷本検出センサの検出有無に基づき
    前記二重環縫綴手段及び前記刷本間歇送り手段の駆動・
    停止を制御する駆動制御手段とを有して成ることを特徴
    とする二重環縫い本綴じ機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記駆動制御手段
    は、前記刷本検出センサが前記刷本を検出した場合は前
    記二重環縫綴手段及び前記刷本間歇送り手段を起動制御
    し、前記刷本検出センサが前記刷本を検出しない場合
    は、所定の遅延時間の経過後、その遅延時間内でも前記
    刷本を検出しないときに限り、前記二重環縫綴手段及び
    前記刷本間歇送り手段の駆動を停止制御する時限停止付
    き駆動制御手段であることを特徴とする二重環縫い本綴
    じ機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記二
    重環縫綴手段の前記縫綴部の位置と前記刷本間歇送り手
    段の搬出部の位置との距離をL2 、前記刷本検出センサ
    の被探知位置と機内で縫い残し停止状態の前記刷本の後
    端位置との距離をSとすると、 L2 ≧S の関係式を満足することを特徴とする二重環縫い本綴じ
    機。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    おいて、前記刷本間歇送り手段は、前記縫綴部の前に設
    けられた引き込み側の挟み込み双ローラと、前記縫綴部
    の後に設けられた繰り出し側の挟み込み双ローラとを有
    して成ることを特徴とする二重環縫い本綴じ機。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記繰り出し側の挟
    み込み双ローラの送り量が前記引き込み側の挟み込み双
    ローラの送り量よりも若干大きく設定されて成ることを
    特徴とする二重環縫い本綴じ機。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    おいて、前記刷本間歇送り手段は、刷本後押し突起付き
    ベルトを備えたベルトコンベアであることを特徴とする
    二重環縫い本綴じ機。
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