JP4009343B2 - 二重環縫い本綴じ機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製本等において刷本等の紙葉類(用紙,帖又は折帳)を糸で縫い綴じ合わす本綴じ機に関し、特に、二重環縫目を形成する二重環縫い本綴じ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、製本工程等において丁合いした整列折帳重ねを折目に沿って綴じ合わす本綴じ機としては、製本コストの低廉化の要求により、綴針(ステイプラーリング)を用いているものが一般的である。ところが、このような金属製の硬質綴針を装本に残す綴じ方では、綴針で指頭などが傷付けられるおそれがある。特に、ノートや絵本などは左右の頁を180°程度迄広角に見開く折帳本であるため、折目部分の綴針が指頭などに触れ易く、それ故一層、幼児の怪我などを招き易い。そしてまた昨今の製造物責任法の施行により、綴針を用いずに、折帳の折目を綴じ合わす安全型の本綴じ機が強く要望されている。そのため、従前ではレアケースであった、糸で縫い綴じ合わす本綴じ機が見直されて来た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の縫い綴じ機にあっては、次のような問題点があった。
【0004】
▲1▼ 従来の縫い綴じ機においては、縫針を上下動させる縫針機構とルーパを水平動させるルーパ機構を備えた縫目形成装置(縫綴装置)が例えば1本針・1本糸型で、図8(A)に示すような単環縫形式(1重鎖縫:整列折帳重ね1の一面〔縫針側の面〕のみから針糸(上糸)2を供給して連鎖状のカラミ合イ3a〜3d(3)〔上糸環〕を構成する縫方式)の縫合ミシンである。×印で示す如く縫針側(表側)の糸の途中が切れた場合、一端2aが矢印のように引っ張られると、カラミ合イ3dが他端2b側の自由な糸を引っ張り、刺し孔に沈み込むので、カラミ合イ3bの部分が解けると同時にその上糸環も消滅するため、一端2aが更に上方へ引き寄せられ、このような過程を繰り返し、次々とカラミ合イ3c,3d…の部分が消滅して行き、切断部から縫い始め側の縫い目が解ける。このような単環縫の用途は、例えばセメント袋の縫い綴じ目に用いられているように、綴じ合わせを解く場合にワンタッチ操作で済むため好都合であるが、永久的に縫合する本綴じには不向きであった。
【0005】
▲2▼ また、製本ライン上の縦列して搬送されて来る刷本を次々と連続的に単環縫で綴じ合わす工程においては、先行刷本とその後続刷本との間は適宜長さの空き間部分(空き間隔)となっているため、縫針とルーパとの間の縫綴域をその空き間部分が通過している過程では、縫針が上下動しても糸が貫通して絡まるべき被縫製物が存在しないので、連鎖状のカラミ合イができ難く、環の形成されない1本糸で繋がっただけの環無し空縫糸部分が形成されるに過ぎない。このため、本綴じ工程の直後は、数珠繋ぎ状態の綴じ本と綴じ本との間の環無し空縫糸部分を切断した後、1冊ずつ綴じ本の縁落とし裁断工程に送られるようになっているが、環無し空縫糸部分がカッターで切断されて1冊の綴じ本に個別分離されてしまうと、図8(A)の縫い終り側から縫い始め側へカラミ合イ3aが外れ易く、後縫い側へカラミ合イの消滅が伝播し易いので、折帳の整列重ねが狂い易い。これを回避するためには、例えば、切断部の糸端末を綴じ本の端の切込みに挟み込んで糸端末に不要な張力が加わらないように糸端末処理を施す必要があるが、厄介な工程が増えてしまう。
【0006】
▲3▼ このような表側の途中や環無し空縫糸部分の糸切断によるカラミ合イ(環)の消滅伝播が起こり難い縫目形式としては、例えば1本針・2本糸の本縫形式(上糸が下糸を納めたボビンケースの周囲を回って、上糸・下糸のカラミ合イを構成する縫方式)の縫合ミシンが知られている。しかし、本縫目形成装置では、ボビンケースに収まる下糸の長さは高々数十メールに過ぎず、上糸のように、数キロメートル以上にも及ぶ糸を納めることができるような供糸コーンを用いることができないので、連続的な本綴じ工程で本縫目形成装置を用いるには、ボビンケースの交換が頻繁となり、段取り作業が厄介であり、従って実用的でない。
【0007】
そこで、上記問題点に鑑み、本発明の第1の課題は、ルーパ糸の二重環で針糸とのカラミ合イを構成する二重環縫に着目し、針糸(表糸)が切断されてもカラミ合イの消滅伝播が起こり難く、ほつれが起こり難い縫い綴じ合わせを実現できる二重環縫い本綴じ機を提供することにある。
【0008】
また、本発明の第2の課題は、針糸もルーパ糸も供糸コーンで供給でき、段取り作業を大幅削減して連続的な本綴じ工程に用いるに適した二重環縫い本綴じ機を提供することにある。
【0009】
更に、本発明の第3の課題は、製本ラインにおいて搬入される先行刷本と後続刷本との間隔長さが様々でも、その空縫糸部分にも二重環を持たせることができる二重環縫い本綴じ機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記第1乃至第3の課題を解決するため、本発明の講じた手段は、所謂二重環縫ミシンを用いた点と、被縫製物たる刷本の連続的な二重環縫を行うのに、特に、刷本毎の到来や有無に基づき二重環縫綴手段及び刷本間歇送り手段(二重環縫ミシン)の駆動・停止を制御する駆動制御系を設けた点にある。本発明での被縫製物は代表例としては刷本(印刷済み紙葉類)であるが、印刷されていない紙葉類も含むものとする。また、二重環縫綴手段としては、1本針・2本糸の縫目形成が基本的であるが、2本針・3本糸や3本針・4本糸の二重環縫目を形成するものでも良く、必要ならば千鳥縫を形成するミシンでも良い。
【0011】
即ち、本発明に係る二重環縫い本綴じ機は、縫針を往復動させて針糸ループを形成する縫針機構及び導糸ルーパを動かして上記針糸ループにルーパ糸を掛かり合わせて二重環を形成するルーパ機構を備えた二重環縫綴手段と、上記二重環縫綴手段の駆動に同期して駆動され、刷本を搬入して当該刷本の一定方向を上記二重環縫綴手段の縫綴部に合わせて間歇直進させ上記縫綴部から上記刷本を搬出する刷本間歇送り手段と、上記刷本間歇送り手段の搬入部より上流側に設けられており、上記刷本の有無を検出する刷本検出センサと、少なくとも上記刷本検出センサの検出有無に基づき上記二重環縫綴手段及び上記刷本間歇送り手段の駆動・停止を制御する駆動制御手段とを有して成ることを特徴とする。
【0012】
紙葉類(用紙,帖又は折帳)の刷本やノート用紙等の製本の本綴じ技術において、二重環縫い本綴じ機を使用すると、図8(B)に示す如く、ルーパ糸4に1目ずらしでオーバーラップした二重環が形成されているため、表糸(針糸)2が×印で示す位置で切断されて一端2aが引っ張られても、2つのカラミ合イ4cと4fで抜け止めされているので、端部2a側の糸2は刺し孔から抜け難く、カラミ合イ4cと4fが消滅し難い。また、他端2b側の糸2も2つのカラミ合イ4aと4dで抜け止めされているので、刺し孔から抜け難く、カラミ合イ4aと4dも消滅し難い。
【0013】
更に、図8(B)に示す状態で刷本1がない場合は、二重環付き空縫糸部分が形成されたものに相当するが、一箇所で針糸2とルーパ糸4とが切断されてから引っ張り力が作用しても、針糸2とルーパ糸4とが絡まるものの、二重環のカラミ合イが解け難い。
【0014】
ところで、縫製二重環縫いミシンの場合は、縫綴部に送り歯が設けられており、個々の被縫製物をこの縫綴部へ差し込んで送り歯の循環軌跡運動により被縫製物を間歇直進させるようにしているが、本綴じ機のように、製本ラインで流れるように次々と送られて来る刷本を自動的に連続で縫い綴じ合わせるときは、二重環付き空縫糸部分を確実に形成できるものでなくてはならない。
【0015】
まず、本発明に係る二重環縫い本綴じ機においては、稼働準備段階で、手動操作などによって最初の刷本を縫綴部へ差し入れ、後述するような長さだけ二重環縫いを行い、縫い残した刷本をそのまま機内に残しておく。
【0016】
次に、製本ラインの稼働により、丁合いされた刷本が二重環縫い本綴じ機へ送られて来ると、搬入側の刷本検出センサがその到来刷本の存在を検出するため、その検出に基づいて、駆動制御手段により、二重環縫綴手段及び刷本間歇送り手段を起動することができる。二重環縫綴手段及び刷本間歇送り手段が駆動すると、到来刷本は刷本間歇送り手段に搬入されると共に、二重環縫綴手段が縫い残された最初の刷本の二重環縫いを再開する。最初の刷本について縫い終わると、刷本間歇送り手段の搬出部から下流側へ搬出されると共に、到来刷本についての二重環縫いが行われる。
【0017】
ここで、縫い残された最初の刷本の後端と到来刷本の先端との空き間部分も縫綴部を通るため、その空き間部分に空縫糸部分が形成されるが、最初の刷本の後端が刷本間歇送り手段の搬出部に到達しない搬出未完状態では、最初の刷本に対して刷本間歇送り手段からの搬出力が付与され続けているため、最初の刷本の後端(縫い終り目)と縫針及び導糸ルーパとの間の針糸及びルーパ糸に張力があるので、二重環付き空縫糸部分(いわゆる空環部分)が確実に形成されることになる。最初の刷本が刷本間歇送り手段の搬出部から搬出されてしまうと、空縫糸部分の張力が自然に消滅するから、空き間部分の全長に亘って二重環付き空縫糸部分を形成するためには、最初の刷本が刷本間歇送り手段から搬出される直前までに、到来刷本の先端が縫綴部に到達するようにすべく、後述するように予め縫い残すべき最初の刷本の位置を設定する。
【0018】
前述のように、空縫糸部分の張力消滅までに次の刷本が縫綴部に掛からなくてはならないから、二重環縫綴手段の縫綴部の位置と刷本間歇送り手段の搬出部の位置との距離をL2 とすると、二重環付き空縫糸部分の長さSは最長でL2 である。この空縫糸部分の全長Sに亘って二重環を形成できる利益は、前述した切断後のカラミ合イ消滅の防止の外、縫い工程中での空縫糸部分の糸切れを極力抑制できる点にある。空縫糸部分で張力が消滅すると、弛んだ針糸が導糸ルーパで掻き切られことになり、針糸が針孔から抜けてしまうので、二重環もできず空縫糸部分が寸断され、後続の刷本がもはや縫えなくなってしまう。従って、二重環縫い本綴じ機において、連続して送られて来る刷本を次々と縫い綴じ合わすためには、空縫糸部分にも二重環が連続して形成できるように工夫を凝らす必要がある。
【0019】
そこで、刷本検出センサの被探知位置と機内で縫い残すべき最初の刷本の後端位置との間隔をSとすると、S≦L2 に設定しておくと、最初の刷本と到来刷本との空縫糸部分には全長に亘る二重環が確実に形成される。
【0020】
到来刷本が検出センサの被探知位置を過ぎると、検出センサがその不存在を検出する。この不存在検出に基づいて駆動制御手段が二重環縫綴手段及び刷本間歇送り手段の駆動を停止する。例えば、不存在検出により直ちに駆動を停止した場合、多少の慣性作動は残るものの、その到来刷本の後端はセンサの被探知位置の略直後位置にあるため、次の到来刷本の先端がセンサの被探知位置に達した場合、二重環縫綴手段及び刷本間歇送り手段を起動したとき、到来刷本の後端と次の到来刷本の先端との間隔(空き間部分)Sは僅少になる。それ故、空き間部分の長さSがL2 以下であるという条件を必ず満足するようになるから、センサが不存在を検出したとき、直ちに駆動を停止するタイミング制御も有意義である。
【0021】
ただ、搬入される刷本が検出センサの被探知位置から外れると、すぐに駆動制御手段及び二重環縫綴手段の駆動が停止するような刷本毎の断続的縫い綴じ方式では、起動・停止が頻繁化し、機構系の長寿命化や駆動系の低消費電力化の点から不都合であり、また空き間部分が僅少であると、本綴じ後に綴じ本を搬送しながら空縫糸部分をカッターで切断すること自体が困難となる。
【0022】
そこで本発明においては、駆動制御手段としては、刷本検出センサが刷本を検出した場合は二重環縫綴手段及び刷本間歇送り手段を起動制御し、刷本検出センサが刷本を検出しない場合は、所定の遅延時間の経過後、その遅延時間内でも刷本を検出しないときに限り、二重環縫綴手段及び刷本間歇送り手段の駆動を停止制御する時限停止付き駆動制御手段であることが好ましい。
【0023】
搬入される到来刷本の後端がセンサの被探知位置から外れても、すぐに二重環縫綴手段及び刷本間歇送り手段の駆動が停止するのではなく、所定の遅延時間を待っても次の到来刷本が来ないときは、駆動が停止するようになっており、その遅延時間内に次の到来刷本の先端がセンサの被探知位置に達すると、駆動は停止せず、そのまま駆動が継続する。このため、起動・停止の頻度が減少し、連続運転に近づくため、機構系の長寿命化や駆動系の低消費電力化を実現できる。
【0024】
ここで、所定の遅延時間をT、刷本間歇送り手段の送り速度をVとすると、上記のSはVTで与えられる。このTが短すぎると、後続の刷本の先端との距離(空き間部分)Sが僅少となり、上述したような不都合を招く。それ故、Sの最小値は入来する刷本の空き間部分の長さと同程度とすれば良い。逆に、Tが長すぎると、Sが長すぎることになるため、前述の二重環付き空縫糸部分の形成条件(S≦L2 )を満足し難くなる。
【0025】
刷本間歇送り手段として、縫製ミシンのように、縫綴部の近傍の局部に送り歯の如き引っ掛け送り機構を設けた場合、刷本の紙歯類を傷つけ易く、また刷本の整列積み重ねの引っ掛け送り機構側の紙葉類がずれてしまう。これを回避するため、本発明において、刷本間歇送り手段は、例えば、縫綴部の前に設けられた引き込み側の挟み込み双ローラと、その縫綴部の後に設けられた繰り出し側の挟み込み双ローラとを有して成ることを特徴とする。刷本に対して縫綴部の相前後で送り力を加えることができ、しかも挟み込み搬送であるため、紙葉類を傷つけずに、積み重ねを崩さずに搬送することができる。
【0026】
ただ、刷本の丈Hが引き込み側の挟み込み双ローラの巻き込み部と繰り出し側の挟み込み双ローラの巻き込み部との距離Lより小さい場合、送りが不可能になるため、刷本の丈Hが小さいときも見越して距離Lを小さく設定しなければならない。しかし、L>L2 であるため、必然的にSが短くなってしまう。また、機内で縫い残されて停止した刷本の先端は繰り出し側の挟み込み双ローラの巻き込み部に掛かっていなければ、搬出不可能であるため、H≧L+F−Sの関係式を満足しなければならない。ここで、引き込み側の挟み込み双ローラの巻き込み部と縫綴部の位置との距離をL1 とすると、L=L1 +L2 であり、L2 ≧Sであるから、H≧L1 +Fとなる。従って、L1 やF以下の丈の刷本は縫い綴じができないという不都合が生じる。
【0027】
また、引き込み側の挟み込み双ローラと繰り出し側の挟み込み双ローラの送り量を等しくして駆動した場合、繰り出し側の挟み込み双ローラで繰り出される先行刷本の後端から縫綴部までの二重環付き空縫糸部が成長して行くと共に、後続の刷本が引き込み側の挟み込み双ローラで引き込まれている過程では、先行刷本が後ろ髪を引かれるように二重環付き空縫糸部分で拘束されるいる分、若干、後続刷本の送りに比し遅くなっているため、後続刷本の先端が縫綴部に到達した時点では、瞬間的に二重環付き空縫糸部の張力が抜けるので、後続刷本の先端の縫い始めで糸切れの生じるおそれがある。このような空縫いから被縫製物への縫い始めの際の糸切れを無くすためには、繰り出し側の挟み込み双ローラの送り量を引き込み側の挟み込み双ローラの送り量よりも若干大きく設定することが好ましい。繰り出し側の挟み込み双ローラではその送り量が大きいため、二重環付き空縫糸部の戻し力があっても、引き込み側の挟み込み双ローラの送り量と同じになる。多少大きめであっても繰り出し側の挟み込み双ローラのスリップにより送り量が平等化する。
【0028】
しかし、このような挟み込み双ローラの諸問題点を解消するには、刷本間歇送り手段としては、刷本後押し突起付きベルトを備えたベルトコンベアを用いることが好ましい。原理的には、L以下の丈の刷本についても縫い綴じが可能であり、また送り量の調整等が不要になる。そして、紙葉類の整列積み重ねを後押で送ることができるから、整列積み重ねが崩れ難く、綴じ違い等が起こり難い。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施形態例を説明する。
【0030】
図1は本発明の実施形態に係る二重環縫い本綴じ機を一部切欠いて示す外観斜視図、図2は同二重環縫い本綴じ機をその屋根形ガイド板及び架台を取り外した状態を示す正面図、図3(A)は図2の同二重環縫い本綴じ機の状態を示す右側面図、図3(B)は図2の同二重環縫い本綴じ機の状態を示す左側面図、図4は同二重環縫い本綴じ機をその屋根形ガイド板,架台及び空圧昇降・緩衝機構を取り外した状態を示す正面図、図5(A)は図4の同二重環縫い本綴じ機の状態を示す右側面図、図5(B)は図4の同二重環縫い本綴じ機の状態を示す左側面図である。
【0031】
本例の本綴じ機は、刷本を二重環縫いで綴じ合わせる二重環縫い本綴じ機であり、主として、二重環縫綴装置と、刷本間歇送り装置と、刷本検出センサPHと、駆動制御装置とを有して成る。
【0032】
枠形架台11上には基台12が固定されており、その基台12の一部から上方へ突設した截頭角錐台13を固定部として縫針機構が設けられている。縫針機構は、針先が上に向いた縫針14の基部を固定した針棒15を上下方向(鉛直方向)に往復動させると共に、押さえ板16のステムを固定した押さえ棒17を上下方向(鉛直方向)に往復動させる。他方、基台12の一部から上方へ突設した支柱18にはルーパ基台19が垂設されている。ルーパ基台19から下方に向けた導糸ルーパ20を水平方向に往復動させて針糸ループにルーパ糸を掛かり合わせて二重環を形成する。導糸ルーパ20及びルーパ基台19はルーパ機構を構成する。なお、21は支柱18に固定された針板である。
【0033】
刷本間歇送り装置は、縫綴部(縫針14と導糸ルーパ20との掛かり合い領域)Pの前に設けられた引き込み側の挟み込み双ローラ(前側下送りローラ31,前側上送りローラ32)と、縫綴部Pの後に設けられた繰り出し側の挟み込み双ローラ(後側下送りローラ41,前側上送りローラ42)を有している。駆動源は基台12の裏側に取り付けられた電動モータMであり、そのモータ軸に固定された偏心輪(クランク輪)51から下送りローラ31,41へ駆動力が伝達されるようになっている。またモータ軸の他端に固定された駆動プーリ(図示せず),ベルト(図示せず),従動プーリ(図示せず)を介して従動軸(図示せず)が回転駆動されると共に、その従動軸に固定された偏心輪(クランク輪)61が回転するようになっている。
【0034】
偏心輪51と、前側昇降台52に正逆回動可能に支承された旋回軸53を中心に揺動する梃リンク54と、偏心輪51の偏心点と梃リンク54の一端とで回り対偶で連接した連接リンク59とは梃クランク機構を構成している。下送りローラ31の軸部には下送りローラ31の回動を図2及び図4の矢印(反時計方向)にのみ許容するワンウェイクラッチ(図示せず)が設けられており、そのクラッチレバー(揺動アーム)55と、旋回軸53を中心に揺動する梃リンク56と、クラッチレバー55の一端と梃リンク56の一端とで回り対偶で連接した短連接リンク57とは両梃機構を構成している。短連接リンク57を用いているため、梃リンク56とクラッチレバー55の揺動方向は同じである。なお、梃リンク54との先端にはストローク調節用長孔Aが形成されており、連接リンク59の先端の回り対偶点の位置を可変できるようになっている。
【0035】
前側昇降台52はエアシリンダ60上にピストンロッド61を介して取付られている。エアシリンダ60には給気管60aと排気管60bが繋がっている。基台12に固定した案内棒起立支え62に先端に抜け止め部材64を持つ案内棒63が起立しており、前側昇降台52は、案内棒63に摺動自在のスライダブロック65に固定されている。
【0036】
梃リンク54の途中には回り対偶で連接棒70の一端が接続しており、連接棒70の他端は後側下送りローラ41の梃リンク74に接続している。この梃リンク74は後側昇降台72に正逆回動可能に支承された旋回軸73を中心に揺動する。梃リンク74と連接棒70と梃リンク54とは両梃機構を構成している。下送りローラ41の軸部には下送りローラ41の回動を図2及び図4の矢印(反時計方向)にのみ許容するワンウェイクラッチ(図示せず)が設けられており、そのクラッチレバー(揺動アーム)75と、旋回軸73を中心に揺動する梃リンク76と、クラッチレバー75の一端と梃リンク76の一端とで回り対偶で連接した短連接リンク77とは両梃機構を構成している。短連接リンク77を用いているため、梃リンク76とクラッチレバー75の揺動方向は同じである。なお、梃リンク74の先端にはストローク調節用長孔Bが形成されており、連接棒70の端部の回り対偶点の位置を可変できるようになっている。
【0037】
後側昇降台72はエアシリンダ80上にピストンロッド81を介して取付られている。エアシリンダ80には給気管80aと排気管80bが繋がっている。基台12に固定した案内棒起立支え82に先端に抜け止め部材84を持つ案内棒83が起立しており、後側昇降台82は、案内棒83に摺動自在のスライダブロック85に固定されている。
【0038】
他方、上送りローラ32,42は支柱18の頂部に固定されたフレーム29に取り付けられている。偏心輪61と連接リンク33とクラッチレバー35とで両梃機構を構成している。上送りローラ32の軸部には上送りローラ32の回動を図2及び図4の矢印(時計方向)にのみ許容するワンウェイクラッチ(図示せず)が設けられている。偏心輪61のナット61aを緩めてストローク調節用ネジ61bの螺入加減で偏心位置をずらすことにより上送りローラ32の送り量が可変できる。
【0039】
梃リンク35の途中には回り対偶で連接棒36の一端が接続しており、連接棒36の他端はクラッチレバー37に接続している。上送りローラ42の軸部には上送りローラ42の回動を図2及び図4の矢印(時計方向)にのみ許容するワンウェイクラッチ(図示せず)が設けられている。なお、クラッチレバー37の先端にはストローク調節用長孔Cが形成されており、連接棒36の端部の回り対偶点の位置を可変できるようになっている。
【0040】
下送りローラ31,41の周囲は逆V字形で、上送りローラ32,42の周囲はV字溝となっており、針板21のレベルを稜線部とする屋根形ガイド板25が基台12上に支持されている。また、引き込み側の送りローラ31,32と押さえ板16との間に差し延べられた遊動ローラ28が前側昇降台52で支持されている。
【0041】
そして、引き込み側の送りローラ31,32の巻き込み部Q1 から上流側には支持部材91にて光学式刷本検出センサPHが設けられている。その巻き込み部Q1 と刷本検出センサPHの被探査位置Uとの距離Fは、本例では4〜5cm程度としてある。また、引き込み側の送りローラ31,32の巻き込み部Q1 と縫綴部Pの位置との距離L1 は10cm程度で、縫綴部Pの位置と繰り出し側の送りローラ41,42の巻き込み部Q2 との距離L2 は80cm程度としてある。
【0042】
本例の駆動制御装置は時限停止付き駆動制御装置で、刷本検出センサPHが刷本を検出した場合はモータMを起動制御し、刷本検出センサPHが刷本を検出しない場合は、所定の遅延時間Tの経過後、その遅延時間T内でも刷本を検出しないときに限り、モータMの駆動を停止制御するものである。
【0043】
本例の本綴じ機によれば、図8(B)に示す如く、ルーパ糸4に1目ずらしでオーバーラップした二重環が形成されているため、表糸(針糸)2が×印で示す位置で切断されて一端2aが引っ張られても、2つのカラミ合イ4cと4fで抜け止めされているので、端部2a側の糸2は刺し孔から抜け難く、カラミ合イ4cと4fが消滅し難い。また、他端2b側の糸2も2つのカラミ合イ4aと4dで抜け止めされているので、刺し孔から抜け難く、カラミ合イ4aと4dも消滅し難い。
【0044】
更に、図8(B)に示す状態で刷本1がない場合は、二重環付き空縫糸部分が形成されたものに相当するが、一箇所で針糸2とルーパ糸4とが切断されてから引っ張り力が作用しても、針糸2とルーパ糸4とが絡まるものの、二重環のカラミ合イが解け難い。
【0045】
まず、本例の本綴じ機では稼働準備段階において、図6(A)に示す如く、手動運転によって最初の刷本W0 (本例では丈30cm程度)を縫綴部Pへ差し入れ、後述するような長さだけ二重環縫いを行い、縫い残した刷本W0 をそのまま機内に残しておく。
【0046】
次に、製本ラインの稼働により、丁合いされた刷本W1 が本例の本綴じ機へ送られて来ると、搬入側の刷本検出センサPHがその到来刷本の存在を検出するため、その検出に基づいて、駆動制御装置がモータMを起動制御する。モータMが駆動されると、二重環縫綴装置及び刷本間歇送り装置が同期して駆動される。これにより、図6(B)に示す如く、到来刷本W1 は刷本間歇送り装置の引き込み側送りローラ31,32へ搬入されると共に、縫綴部Pでは縫い残された最初の刷本W0 の二重環縫いを再開する。そして最初の刷本W0 について縫い終わると、図6(C)に示す如く、刷本間歇送り装置の繰り出し側送りローラ41,42から下流側へ搬出されると共に、今度は到来刷本W1 についての二重環縫いが行われる。そして本例では、到来刷本W1 の後端が刷本検出センサPHの被探査位置Uを過ぎると、すぐにモータMの駆動が停止するのではなく、図6(D)に示す如く、到来刷本W1 の後端が刷本検出センサPHの被探査位置Uから距離Sだけ過ぎた位置でモータMの駆動を停止するようになっている。本例ではこの距離Sが遅延時間Tと送り速度Vとの積に相当している。
【0047】
そして、図7(A)に示す如く、後続の刷本W2 の先端が刷本検出センサPHの被探査位置Uに掛かると、モータMの駆動が再開し、縫い残した刷本W1 を縫い始める。ここで、図7(B)に示す如く、縫い残された刷本W1 の後端と後続刷本W2 の先端との空き間部分も縫綴部Pを通るため、その空き間部分に空縫糸部分Eが形成されるが、先の刷本W1 の後端が繰り出し側ローラ41,42の巻き込み部Q2 に達しない搬出未完状態では、刷本W1 に対して繰り出し側ローラ41,42の巻き込み部Q2 からの搬出力が付与され続けているため、刷本W1 の後端(縫い終り目)と縫針14及び導糸ルーパ20との間の針糸及びルーパ糸に張力があるので、二重環付き空縫糸部分(いわゆる空環部分)Eが確実に形成されることになる。刷本W1 が繰り出し側ローラ41,42の巻き込み部Q2 から搬出されてしまうと、空縫糸部分Eの張力が自然に消滅するから、空き間部分の全長に亘って二重環付き空縫糸部分を形成するためには、最初の刷本W1 が繰り出し側ローラ41,42の巻き込み部Q2 から搬出される直前までに、到来刷本W1 の先端が縫綴部Pに到達するようにすべく、予め縫い残すべき最初の刷本W1 の位置を設定する。
【0048】
即ち、空縫糸部分Eの張力消滅までに次の刷本W2 が縫綴部Pに掛からなくてはならないから、図7(C)に示す如く、縫綴部Pの位置と繰り出し側ローラ41,42の巻き込み部Q2 の位置との距離をL2 とすると、二重環付き空縫糸部分Eの長さSは最長でL2 である。この空縫糸部分Eの全長Sに亘って二重環を形成できる利益は、前述したような切断後のカラミ合イ消滅の防止の外、縫い工程中での空縫糸部分の糸切れを極力抑制できる点にある。空縫糸部分で張力が消滅すると、弛んだ針糸が導糸ルーパで掻き切られことになり、針糸が針孔から抜けてしまうので、二重環もできず空縫糸部分が寸断され、後続の刷本がもはや縫えなくなってしまう。しかし、本例では、刷本検出センサの被探知位置Uと機内で縫い残すべき刷本W1 の後端位置との距離をSとすると、S≦L2 に設定してあるので、刷本W1 と後続刷本W2 との空縫糸部分Eには全長に亘る二重環が確実に形成される。
【0049】
縫製ミシンのように、縫綴部Pの近傍の局部に送り歯の如き引っ掛け送り機構を設けた場合、刷本の紙葉類を傷つけ易く、また刷本の整列積み重ねの引っ掛け送り機構側の紙葉類がずれてしまう。これを回避するため、本例では、縫綴部Pの前に設けられた引き込み側の送りローラ31,32と、その縫綴部Pの後に設けられた繰り出し側の送りローラ41,42とを有して成る。刷本に対して縫綴部Pの相前後で送り力を加えることができ、しかも挟み込み搬送であるため、紙葉類を傷つけずに、積み重ねを崩さずに搬送することができる。
【0050】
ただ、刷本の丈Hが引き込み側の巻き込み部Q1 と繰り出し側の巻き込み部Q1 との距離Lより小さい場合、送りが不可能になるため、刷本の丈Hが小さいときも見越して距離Lを小さく設定しなければならない。また、引き込み側の送りローラ31,32と繰り出し側の送りローラ41,42の送り量を等しくして駆動した場合、繰り出し側の送りローラ41,42で繰り出される先行刷本W1 の後端から縫綴部Pまでの二重環付き空縫糸部が成長して行くと共に、後続の刷本W2 が引き込み側の送りローラ41,42で引き込まれている過程では、先行刷本W1 が後ろ髪を引かれるように二重環付き空縫糸部で拘束されるいる分、若干、後続刷本W2 の送りに比し遅くなっているため、図7(C)に示す如く、後続刷本W2 の先端が縫綴部Pに到達した時点では、瞬間的に二重環付き空縫糸部分の張力が抜けるので、後続刷本W2 の先端の縫い始めで糸切れの生じるおそれがある。
【0051】
このような空縫いから被縫製物への縫い始めの際の糸切れを無くすためには、繰り出し側の送りローラ41,42の送り量を引き込み側の送りローラ31,32の送り量よりも若干大きく設定する。その送り量の調節は前側・後側送り量調節装置(長孔A,B,C の回り対偶点の位置やネジ61bの螺入度合い)で調節できる。繰り出し側の送りローラ41,42ではその送り量が大きいため、二重環付き空縫糸部の戻し力があっても、引き込み側の送りローラ31,32の送り量と同じになる。多少大きめであってもスリップにより送り量が平等化する。
【0052】
しかし、このような挟み込み双ローラの諸問題点を解消するには、刷本後押し突起付きベルトを備えたベルトコンベアを用いることが好ましい。
【0053】
特に、本例では縫針機構を下部に、ルーパ機構を上部に設けてあり、縫製ミシンとはレイアウトを天地反転させてある。本例の製本ラインでは折帳の刷本が屋根形ガイト板の屋根角だけ見開いた状態で送られて来るようになっているため、縫針を上向きで配置する必要性からである。このため、下送りローラ31,41は刷本の厚みを吸収できるように、エアシリンダ60,80によりある程度昇降自在であり、緩衝作用を発揮できる。また、厚みの異なる刷本を綴じ合わせる場合、エアシリンダ60,80の空圧を調節して昇降させることにより、下送りローラ31,41と上送りローラ32,42との巻き込みギャップを可変できるようになっている。昇降手段としてのエアシリンダ60,80をまたエアクッションとして利用しているので、空圧調節だけで操作でき、機械バネの場合よりも操作性が良い。
【0054】
なお、本例には本綴じ合わせ工程後、空縫糸部分を検出するセンサと、その検出有無で駆動されるカッター手段が設けられており、繰り出し側の送りローラ41,42から搬出された綴じ本の空縫糸部分を切断するようになっている。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、所謂二重環縫ミシンを用いた点と、被縫製物たる刷本の連続的な二重環縫を行うのに、特に、刷本検出センサに基づき二重環縫綴手段及び刷本間歇送り手段の駆動・停止を制御する駆動制御系を設けた点を特徴としている。従って、次のような効果を奏する。
【0056】
▲1▼ 刷本の縫い綴じ目が二重環縫であるため、綴じ本において針糸が切断されてもカラミ合イの消滅伝播が起こり難く、ほつれが起こり難い。
【0057】
また、本縫いのようにボビンケースを用いず、ルーパ糸も供糸コーンで供給できるから、段取り作業を大幅削減でき、連続的に刷本を本綴じするのに適している。
【0058】
更に、製本ラインにおいて搬入される先行刷本と後続刷本との間隔長さが様々でも、その空縫糸部分に二重環を持たせることができるから、後工程での空縫糸部分が切断されても、カラミ合イが消滅し難く、綴じ本の紙葉類の整列重ねが狂い易い。
【0059】
▲2▼ 駆動制御手段が時限停止付き駆動制御手段である場合、搬入される到来刷本の後端がセンサの被探査位置から外れても、すぐに二重環縫綴手段及び刷本間歇送り手段の駆動が停止するのではなく、所定の遅延時間を待っても次の到来刷本が来ないときは、駆動が停止するようになっており、その遅延時間内に次の到来刷本の先端がセンサの被探知位置に達すると、駆動は停止せず、そのまま駆動が継続する。このため、起動・停止の頻度が減少し、連続運転に近づくため、機構系の長寿命化や駆動系の低消費電力化を実現できる。
【0060】
▲3▼ 二重環縫綴手段の縫綴部の位置と刷本間歇送り手段の搬出部の位置との距離をL2 、刷本検出センサの被探知位置と機内で縫い残すべき最初の刷本の後端位置との間隔をSとすると、S≦L2 に設定されて成る場合、空縫糸部分の全長はSであり、その部分には常に張力が付与されているので、環無し空縫糸部分が形勢されず、その全長に亘り二重環が確実に形成される。
【0061】
▲4▼ 刷本間歇送り手段としては、刷本後押し突起付きベルトを備えたベルトコンベアを用いる場合、ローラ搬送と比べると、刷本の丈や送り量の制限が緩和できる。また、紙葉類の整列積み重ねを後押で送ることができるから、整列積み重ねが崩れ難く、綴じ違い等が起こり難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る二重環縫い本綴じ機を一部切欠いて示す外観斜視図である。
【図2】同二重環縫い本綴じ機をその屋根形ガイド板及び架台を取り外した状態を示す正面図である。
【図3】(A)は図2の同二重環縫い本綴じ機の状態を示す右側面図、(B)は図2の同二重環縫い本綴じ機の状態を示す左側面図である。
【図4】同二重環縫い本綴じ機をその屋根形ガイド板及びその空圧昇降・緩衝機構を取り外した状態を示す正面図である。
【図5】(A)は図4の同二重環縫い本綴じ機の状態を示す右側面図、(B)は図4の同二重環縫い本綴じ機の状態を示す左側面図である。
【図6】(A)〜(D)は同二重環縫い本綴じ機における刷本と縫い綴じ合わせの関係を示す説明図である。
【図7】(A)〜(D)は図6の段階の後同二重環縫い本綴じ機における刷本と縫い綴じ合わせの関係を示す説明図である。
【図8】(A)は単環縫目を示す概略図で、(B)は二重環縫目を示す概略図である。
【符号の説明】
1…刷本
2…針糸
4…ルーパ糸
4a〜4d…カラミ合イ
11…枠形架台
12…基台
13…載頭角錐台
14…縫針
15…針棒
16…押さえ板
17…押さえ棒
18…支柱
19…ルーパ基台
20…導糸ルーパ
21…針板
25…屋根形ガイド板
28…遊動ローラ
29…フレーム
31…前側下送りローラ
32…前側上送りローラ
33,59…連接リンク
35,37,55,75…クラッチレバー
36,70…連接棒
41…後側下送りローラ
42…後側上送りローラ
51,61…偏心輪
52…前側昇降台
53,73…旋回軸
54,56,74,76…梃リンク
57,77…短連接リンク
60,80…エアシリンダ
60a,80a…給気管
60b,80b…排気管
61,81…ピストンロッド
62,82…案内棒起立押さえ
63,83…案内棒
64,84…抜け止め部材
65,85…スライダブロック
36,70…連接棒
72…後側昇降台
91…支持部材
A,B,C…ストローク調節用長孔
PH…刷本検出センサ
U…被探査位置
M…電動モータ
P…縫綴部
E…空縫糸部分
0 ,W1 ,W2 …刷本
1 …前側ローラの巻き込み部
2 …後側ローラの巻き込み部
1 …前側ローラの巻き込み部の位置と縫綴部の位置との距離
2 …後側ローラの巻き込み部の位置と縫綴部の位置との距離
S…刷本検出センサの被探査位置と機内停止した刷本の後端位置との距離
F…刷本検出センサの被探査位置と前側ローラの巻き込み部の位置との距離。

Claims (2)

  1. 縫針を往復動させて針糸ループを形成する縫針機構及び導糸ルーパを動かして前記針糸ループにルーパ糸を掛かり合わせて二重環を形成するルーパ機構を備えた二重環縫綴手段と、前記二重環縫綴手段の駆動に同期して駆動され、刷本を搬入して当該刷本の一定方向を前記二重環縫綴手段の縫綴部に合わせて間歇直進させ前記縫綴部から前記刷本を搬出する刷本間歇送り手段と、前記刷本間歇送り手段の搬入部より上流側に設けられており、前記刷本の有無を検出する刷本検出センサと、少なくとも前記刷本検出センサの検出有無に基づき前記二重環縫綴手段及び前記刷本間歇送り手段の駆動・停止を制御する駆動制御手段とを有し、前記刷本間歇送り手段は、前記縫綴部の前に設けられた引き込み側の挟み込み双ローラと、前記縫綴部の後に設けられた繰り出し側の挟み込み双ローラとを有し、前記駆動制御手段は、前記刷本検出センサが前記刷本を検出した場合は前記二重環縫綴手段及び前記刷本間歇送り手段を起動制御し、前記刷本検出センサが前記刷本を検出しない場合は、前記二重環縫綴手段の前記縫綴部の位置と前記繰り出し側の挟み込み双ローラの巻き込み部の位置との距離をL 、前記刷本検出センサの被探知位置から機内で縫い残すべき前記刷本の後端位置までの距離をSとすると、S≦L となるよう所定の遅延時間の経過後に前記二重環縫綴手段及び前記刷本間歇送り手段の駆動を停止制御する時限停止付き駆動制御手段であることを特徴とする二重環縫い本綴じ機。
  2. 縫針を往復動させて針糸ループを形成する縫針機構及び導糸ルーパを動かして前記針糸ループにルーパ糸を掛かり合わせて二重環を形成するルーパ機構を備えた二重環縫綴手段と、前記二重環縫綴手段の駆動に同期して駆動され、刷本を搬入して当該刷本の一定方向を前記二重環縫綴手段の縫綴部に合わせて間歇直進させ前記縫綴部から前記刷本を搬出する刷本間歇送り手段と、前記刷本間歇送り手段の搬入部より上流側に設けられており、前記刷本の有無を検出する刷本検出センサと、少なくとも前記刷本検出センサの検出有無に基づき前記二重環縫綴手段及び前記刷本間歇送り手段の駆動・停止を制御する駆動制御手段とを有し、前記刷本間歇送り手段は、前記縫綴部の前に設けられた引き込み側の挟み込み双ローラと、前記縫綴部の後に設けられた繰り出し側の挟み込み双ローラとを有し、前記繰り出し側の挟み込み双ローラの送り量が前記引き込み側の挟み込み双ローラの送り量よりも若干大きく設定されて成ることを特徴とする二重環縫い本綴じ機。
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