JPH10294239A - 積層セラミック電子部品およびその製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品およびその製造方法

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JPH10294239A
JPH10294239A JP9102854A JP10285497A JPH10294239A JP H10294239 A JPH10294239 A JP H10294239A JP 9102854 A JP9102854 A JP 9102854A JP 10285497 A JP10285497 A JP 10285497A JP H10294239 A JPH10294239 A JP H10294239A
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Yukio Sanada
幸雄 眞田
Kunihiko Hamada
邦彦 浜田
Yasunobu Yoneda
康信 米田
Takuji Nakagawa
卓二 中川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層セラミックコンデンサのような積層セラ
ミック電子部品の耐湿性を向上させる。 【解決手段】 ガラスおよび金属を含有し、これらガラ
スおよび金属の合計に対して金属を5〜50 vol%含有
する、ガラスペースト18を、セラミック積層体12の
端面13上に付与した後、導電性ペースト19を付与
し、これらガラスペースト18および導電性ペースト1
9を同時に焼き付けてガラス層16および外部電極14
を形成するとともに、当該焼付け時の温度を利用して、
内部電極15の端縁からガラス層16を貫通してガラス
層16の表面にまで届くように、ガラスペースト18中
の金属をカーケンダール効果に基づき移動させることに
よって内部電極15を延長し、この延長部17を外部電
極14に接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、積層セラミック
電子部品およびその製造方法に関するもので、特に、積
層セラミック電子部品に備える内部電極と外部電極との
接続部分の構造および接続部分の接続方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】この発明にとって興味ある、たとえば積
層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部
品は、部品本体としてのセラミック積層体を備え、この
セラミック積層体のたとえば端面の上には、外部電極が
形成されている。また、セラミック積層体の内部には、
外部電極と接続される内部電極が形成されている。
【0003】上述の外部電極は、一般的には、ガラスを
2〜10wt%程度含有する導電性ペーストをセラミック
積層体の端面のような所定の面上に付与し、次いで焼き
付けることによって形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような外部電極の形成方法によると、以下のような問題
に遭遇することがある。図3は、この問題を説明するた
めのもので、積層セラミック電子部品の一例としての積
層セラミックコンデンサ1の一部を拡大して示す断面図
である。図3には、セラミック積層体2と、このセラミ
ック積層体2の内部に形成された内部電極3と、セラミ
ック積層体2の端面4の上に形成された外部電極5とが
図示されている。
【0005】外部電極5を、前述のように、導電性ペー
ストの焼付けによって形成したとき、セラミック積層体
2の端面4上であって、内部電極3の端縁が位置する部
分において、外部電極5側に空洞6が不所望にも生じる
ことがある。これは、導電性ペースト中の金属が、カー
ケンダール効果と呼ばれる現象に基づき、導電性ペース
トに接する内部電極3の端縁上に移動することによっ
て、内部電極3の端縁を端面4から突出させるように内
部電極3を成長させ、その結果生じた内部電極3の延長
部7が外部電極5の一部を突き上げるためであると考え
られている。
【0006】このような空洞6を生じた積層セラミック
コンデンサ1は、耐湿性が劣り、たとえば外部電極5上
に電気めっきを施したとき、めっき液が空洞6からセラ
ミック積層体2内に浸入したり、あるいは、高湿雰囲気
中に置かれたとき、水分が空洞6からセラミック積層体
2内に浸入したりして、絶縁抵抗等の特性劣化を招くこ
とがある。
【0007】そこで、この発明の目的は、上述したよう
な問題を解決し得る、積層セラミック電子部品およびそ
の製造方法を提供しようとすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る積層セラ
ミック電子部品は、セラミック積層体とこのセラミック
積層体の所定の面の上に形成される外部電極とを備え、
セラミック積層体の内部には、外部電極と接続される内
部電極が形成された、積層セラミック電子部品に向けら
れるものであって、上述した技術的課題を解決するた
め、セラミック積層体の前記した所定の面上には、ガラ
ス層が形成され、内部電極が、このガラス層を貫通して
外部電極に接続されていることを特徴としている。
【0009】また、この発明に係る積層セラミック電子
部品の製造方法は、上述した技術的課題を解決するた
め、次のような工程を備えることを特徴としている。す
なわち、内部に内部電極が形成され、かつこの内部電極
の端縁が所定の面上に露出している、セラミック積層体
を用意するとともに、ガラスおよび金属を含有し、これ
らガラスおよび金属の合計に対して金属を5〜50 vol
%含有する、ガラスペーストを用意する。
【0010】次いで、セラミック積層体の所定の面上に
ガラスペーストを付与した後、このガラスペーストを焼
き付けてガラス層をセラミック積層体の所定の面上に形
成するとともに、当該焼付け時の温度を利用して、内部
電極の端縁からガラス層を貫通して当該ガラス層の表面
にまで届くように、ガラスペースト中の金属をカーケン
ダール効果に基づき移動させることによって内部電極を
延長する。
【0011】また、ガラス層上において内部電極に接続
されるべき外部電極を形成する。この発明において、外
部電極の形成方法に関して、次のようないくつかの態様
がある。外部電極は、まず大別して、焼付けにより形成
する方法と乾式めっきにより形成する方法とがある。
【0012】前者の焼付けにより形成する方法では、前
記したガラスペースト中の金属含有率より多い含有率を
もって金属を含有する導電性ペーストが用いられる。こ
の場合、第1の態様では、ガラスペーストを焼き付ける
工程の前に、セラミック積層体の所定の面上に付与され
たガラスペーストの上に導電性ペーストを付与し、ガラ
スペーストを焼き付ける工程において、導電性ペースト
をも同時に焼き付けることが行なわれ、第2の態様で
は、ガラスペーストを焼き付ける工程の後に、セラミッ
ク積層体の所定の面上に形成されたガラス層の上に導電
性ペーストを付与し、次いで導電性ペーストを焼き付け
ることが行なわれる。
【0013】他方、後者の乾式めっきにより形成する方
法では、ガラスペーストを焼き付ける工程の後に、外部
電極が、ガラス層の上に乾式めっきにより形成される。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施形態に
よる積層セラミック電子部品およびその製造方法を説明
するためのもので、(1)〜(3)において、この製造
方法に含まれる代表的な工程を順次示している。なお、
この実施形態は、積層セラミック電子部品の一例として
の積層セラミックコンデンサの製造方法に向けられ、図
1(3)には、完成された積層セラミックコンデンサ1
1の一部が拡大されて断面図で示されている。
【0015】まず、図1(3)を参照して、積層セラミ
ックコンデンサ11の構造について説明する。積層セラ
ミックコンデンサ11は、セラミック積層体12とこの
セラミック積層体12の端面13の上に形成される外部
電極14とを備え、セラミック積層体12の内部には、
外部電極14と接続される内部電極15が形成されてい
る。ここまでの構成は、従来の積層セラミックコンデン
サと同様である。
【0016】この発明にとって特徴的な構成として、セ
ラミック積層体12の端面13上には、ガラス層16が
形成される。そして、上述した内部電極15は、図解的
に示すように、ガラス層16を貫通して外部電極14と
接続されるようにするための延長部17を有している。
このような積層セラミックコンデンサ11は、次のよう
にして製造することができる。
【0017】まず、図1(1)に示すように、内部に内
部電極15が形成され、かつこの内部電極15の端縁が
端面13上に露出している、セラミック積層体12が用
意される。他方、ガラスおよび金属を含有し、これらガ
ラスおよび金属の合計に対して金属を5〜50 vol%含
有する、ガラスペースト18が用意され、このガラスペ
ースト18が、同じく図1(1)に示すように、セラミ
ック積層体12の端面13上に付与される。
【0018】また、ガラスペースト18中の金属含有率
より多い含有率をもって金属を含有する導電性ペースト
19が用意され、この導電性ペースト19が、図1
(2)に示すように、ガラスペースト18の上に付与さ
れる。次いで、焼付け工程が実施される。この焼付け工
程において、ガラスペースト18が焼き付けられて、図
1(3)に示すように、前述したガラス層16が形成さ
れるとともに、導電性ペースト19も焼き付けられて、
前述した外部電極14が形成される。
【0019】上述した焼付け工程において、注目すべき
は、次のような現象も生じることである。すなわち、こ
の焼付け時の温度によって、ガラスペースト18中の金
属がカーケンダール効果に基づき移動する。それによっ
て、この金属は、内部電極15の端縁からガラス層16
を貫通してこのガラス層16の表面にまで届く延長部1
7を形成するように、内部電極15の端縁上で成長す
る。内部電極15のこの延長部17が外部電極14に接
触し、内部電極15と外部電極14との接続が達成され
る。
【0020】このようにして、従来、不具合をもたらす
原因として考えられていたカーケンダール効果をむしろ
有利に利用することによって、内部電極15の延長部1
7をガラス層16内に形成することができ、この延長部
17によりガラス層16を通して内部電極15と外部電
極14とを接続することができる。しかも、このような
カーケンダール効果による延長部17の成長時には、図
3に示したような空洞6は生じない。なぜなら、セラミ
ック積層体12の端面13に接するガラスペースト18
ないしはガラス層16はガラスリッチであるとともに、
ガラスペースト18ないしはガラス層16と導電性ペー
スト19ないしは外部電極14との境界では、この境界
を介して両側にガラスが存在するので、焼付け工程にお
いて、ガラスが空洞を埋めるように有利に回り込むため
である。
【0021】上述したガラスペースト18に含有される
金属は、導電性ペースト19に含有される金属と同種で
あることが好ましい。また、ガラスペースト18に含有
される金属としては、内部電極15に含まれる金属と合
金化するとともに、内部電極15に対する拡散速度の比
較的速いものが有利に用いられる。たとえば、内部電極
15がPdを含む場合、ガラスペースト18に含有され
る金属としては、Agが有利に用いられ、内部電極15
がNiを含む場合、ガラスペースト18に含有される金
属としては、Cuが有利に用いられる。
【0022】なお、図1に示した実施形態では、ガラス
ペースト18を焼き付ける工程の前に、図1(2)に示
すように、ガラスペースト18の上に導電性ペースト1
9を付与し、ガラスペースト18を焼き付ける工程にお
いて、導電性ペースト19をも同時に焼き付けることが
行なわれたが、これに代えて、図1(1)に示すよう
に、ガラスペースト18をセラミック積層体12の端面
13上に付与しただけの段階で、ガラスペースト18を
焼き付けて、ガラス層16を形成するとともに、延長部
17を形成し、その後、このガラス層16の上に導電性
ペースト19を付与し、次いで再び焼付け工程を実施す
ることによって、この導電性ペースト19を焼き付け
て、外部電極14を形成するようにしてもよい。
【0023】図2は、この発明の他の実施形態による積
層セラミックコンデンサ11aおよびその製造方法を説
明するための図1に相当する図である。なお、図2にお
いて、図1に示した要素に相当する要素には、同様の参
照符号を付し、重複する説明は省略する。まず、図2
(3)に示すように、積層セラミックコンデンサ11a
の実質的な構造については、図1(3)に示した積層セ
ラミックコンデンサ11と同様である。この実施形態で
は、積層セラミックコンデンサ11aの外部電極14a
が、焼付けによるのではなく、乾式めっきによって形成
されたものであることを特徴としている。
【0024】このような積層セラミックコンデンサ11
aは、次のようにして製造することができる。まず、図
1を参照して前述した実施形態の場合と同様、図2
(1)に示すように、内部に内部電極15が形成され、
かつこの内部電極15の端縁が端面13上に露出してい
る、セラミック積層体12が用意されるとともに、ガラ
スおよび金属を含有し、これらガラスおよび金属の合計
に対して金属を5〜50 vol%含有する、ガラスペース
ト18が用意され、このガラスペースト18が、セラミ
ック積層体12の端面13上に付与される。
【0025】次に、ガラスペースト18が焼き付けられ
て、図2(2)に示すように、ガラス層16が形成され
る。このとき、焼付け時の温度によって、ガラスペース
ト18中の金属がカーケンダール効果に基づき移動す
る。それによって、この金属は、内部電極15の端縁か
らガラス層16を貫通してこのガラス層16の表面にま
で届く延長部17を形成する。
【0026】なお、延長部17がガラス層16の表面に
まで完全に届くことを確実にするため、必要に応じて、
たとえば、フッ化水素ガスによるリアクティブエッチン
グ等を、以下に説明する工程の前処理として実施するよ
うにしてもよい。次に、図2(3)に示すように、外部
電極14aが、たとえばスパッタリング、蒸着、イオン
プレーティング等の乾式めっきにより、ガラス層16の
上に形成される。このとき、外部電極14aは、ガラス
層16の表面上で内部電極15の延長部17に接触し、
内部電極15と外部電極14aとの接続が達成される。
【0027】なお、ガラスペースト18に含有される好
ましい金属としては、図1に示した実施形態と同様の要
領で選択することができる。この発明は、上述したよう
な積層セラミックコンデンサに限らず、セラミック積層
体とこのセラミック積層体の所定の面の上に形成される
外部電極とを備え、セラミック積層体の内部には、外部
電極と接続される内部電極が形成された、積層セラミッ
ク電子部品であれば、積層セラミックバリスタ、積層型
セラミックフィルタ、セラミック多層回路基板等、どの
ような積層セラミック電子部品に対しても適用すること
ができる。
【0028】以下に、この発明の効果を確認するために
実施した実験例について説明する。
【0029】
【実験例1】Pdを含む内部電極を有するセラミック積
層体を用意した。他方、以下の表1に示すような組成を
有するガラスペーストを用意した。
【0030】
【表1】 表1において、Ag量およびガラス量は、ガラスペース
ト中におけるAgおよびガラスの合計に対するAg量お
よびガラス量の各々を vol%で示している。また、ガラ
スとしては、ホウケイ酸亜鉛系ガラスであって、軟化点
600℃のものを用いた。
【0031】次に、各試料毎に、セラミック積層体の端
面上に、表1に示したガラスペーストを塗布し、乾燥さ
せた。このガラスペーストの厚みは、乾燥後において、
15μmとなるようにした。次いで、ガラスペースト上
に、Ag量95 vol%およびガラス量5 vol%の導電性
ペーストを塗布し、乾燥させた。次いで、800℃で1
0分間の熱処理工程を実施し、導電性ペーストおよびガ
ラスペーストを同時に焼き付けて、セラミック積層体の
端面上にガラス層を介して外部電極を形成するととも
に、ガラスペーストにAgを含有する試料にあっては、
内部電極に延長部を形成するようにした。
【0032】次いで、外部電極上にNiおよびSnの電
気めっきを順次施し、積層セラミックコンデンサを完成
させた。得られた積層セラミックコンデンサの各試料5
0個について、温度130℃、相対湿度100%、2.
7気圧の雰囲気下で、1WVの電圧を100時間印加し
た後の絶縁抵抗(IR)を測定し、IRが劣化した試料
数を求めた。また、内部電極と外部電極との接合状態も
観察した。これら接合状態およびIR劣化数が、以下の
表2に示されている。
【0033】
【表2】 なお、表2において、試料1は、内部電極と外部電極と
が接合しなかったため、IRを測定しなかった。
【0034】表2から、ガラスペーストにAgを5〜5
0 vol%含有した試料2〜4によれば、熱処理により、
内部電極のPdへのAgの拡散が適正に生じ、内部電極
の延長部がガラス層の表面にまで届くようになり、内部
電極と外部電極との接続が可能となることがわかる。こ
れに対して、試料1のように、ガラスペーストにAgを
含有しないものでは、内部電極と外部電極との接続が達
成されなかった。
【0035】他方、試料5のように、ガラスペーストに
60 vol%というように50 vol%を超えてAgを含有
する場合には、空洞を生じることを防ぎ得ず、耐湿性が
劣り、IRの劣化したものが見られた。
【0036】
【実験例2】Pdを含む内部電極を有するセラミック積
層体を用意した。他方、以下の表3に示すような組成を
有するガラスペーストを用意した。
【0037】
【表3】 表3において、Ag量およびガラス量は、前述した表1
と同様の要領で示され、また、ガラスとしては、実験例
1と同様のものを用いた。
【0038】次に、実験例1と同様の方法で、各試料毎
に、セラミック積層体の端面上に、表3に示したガラス
ペーストを塗布し、乾燥させた。次いで、800℃で1
0分間の熱処理工程を実施し、ガラスペーストを焼き付
けて、セラミック積層体の端面上にガラス層を形成する
とともに、ガラスペーストにAgを含有する試料にあっ
ては、内部電極に延長部を形成するようにした。
【0039】また、試料12として、ガラス層を形成し
ないものも用意した。次いで、試料6〜11について
は、ガラス層上に、また、試料12については、セラミ
ック積層体の端面上に、それぞれ、Ni−Cr、N
i−Cu、Agの順にスパッタリングを実施して各
0.5μmの厚みを有する多層膜を形成し、このスパッ
タリング多層膜を外部電極とする積層セラミックコンデ
ンサを完成させた。
【0040】得られた積層セラミックコンデンサの各試
料50個について、温度130℃、相対湿度100%、
2.7気圧の雰囲気下で、1WVの電圧を250時間印
加した後の絶縁抵抗(IR)を測定し、IRが劣化した
試料数を求めた。また、内部電極と外部電極との接合状
態も観察した。これら接合状態およびIR劣化数が、以
下の表4に示されている。
【0041】
【表4】 なお、表4において、試料6は、内部電極と外部電極と
が接合不良であったため、IRを測定しなかった。
【0042】表4から、ガラスペーストにAgを5〜5
0 vol%含有した試料7〜10によれば、熱処理によ
り、内部電極のPdへのAgの拡散が適正に生じ、内部
電極の延長部がガラス層の表面にまで届くようになり、
内部電極と外部電極との接続が可能となることがわか
る。これに対して、試料6のように、ガラスペーストに
Agを含有しないものでは、内部電極と外部電極との接
合不良が生じた。
【0043】他方、試料11のように、ガラスペースト
に60 vol%というように50 vol%を超えてAgを含
有する場合には、熱処理により過剰なAg同士が焼結し
て、ガラス層がマトリクス構造をとるようになってポー
ラスな構造となってしまい、耐湿性が劣り、IRの劣化
したものが見られた。
【0044】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る積層セラ
ミック電子部品によれば、セラミック積層体の所定の面
上には、ガラス層が形成され、内部電極が、このガラス
層を貫通して外部電極に接続されているので、積層セラ
ミック電子部品の耐湿性を高めることができる。
【0045】また、この発明に係る積層セラミック電子
部品の製造方法によれば、ガラスおよび金属を含有し、
これらガラスおよび金属の合計に対して金属を5〜50
vol%含有する、ガラスペーストが用意され、セラミッ
ク積層体の所定の面上にこのガラスペーストを付与した
後、焼き付けて、ガラス層を形成するとともに、この焼
付け時の温度を利用して、内部電極の端縁からガラス層
を貫通してガラス層の表面にまで届くように、ガラスペ
ースト中の金属をカーケンダール効果に基づき移動させ
ることによって内部電極を延長することが行なわれるの
で、上述したようなセラミック積層体の内部電極が外部
電極と接続される面上にガラス層が形成された、耐湿性
に優れた積層セラミック電子部品を能率的に製造するこ
とができる。
【0046】また、この発明において、外部電極を導電
性ペーストの焼付けにより形成する場合であって、導電
性ペーストを付与することを、ガラスペーストを焼き付
ける前に行ない、ガラスペーストを焼き付ける工程にお
いて、導電性ペーストをも同時に焼き付けるようにする
と、焼付け工程を1回実施するだけでよく、したがっ
て、工程数を少なくすることができるとともに、焼付け
に要するエネルギーコスト等を節減することができる。
【0047】また、この発明において、外部電極を形成
する前に、ガラスペーストの焼付けを終えておけば、ガ
ラスペーストの焼付け時に形成されるべき内部電極の延
長部が適正にガラス層の表面にまで届いているかの確認
を容易にすることができるとともに、延長部が適正に形
成されていない場合には、延長部をガラス層の表面にま
で届くようにするための補助的な処置を容易に施すこと
ができ、製品の歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による積層セラミックコ
ンデンサ11およびその製造方法を説明するためのもの
で、(1)〜(3)において、この製造方法に含まれる
代表的な工程を順次示している。
【図2】この発明の他の実施形態による積層セラミック
コンデンサ11aおよびその製造方法を説明するための
もので、(1)〜(3)において、この製造方法に含ま
れる代表的な工程を順次示している。
【図3】この発明が解決しようとする課題を説明するた
めの従来の積層セラミックコンデンサ1の一部を拡大し
て示す断面図である。
【符号の説明】
11,11a 積層セラミックコンデンサ 12 セラミック積層体 13 端面 14,14a 外部電極 15 内部電極 16 ガラス層 17 延長部 18 ガラスペースト 19 導電性ペースト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 卓二 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック積層体と前記セラミック積層
    体の所定の面の上に形成される外部電極とを備え、前記
    セラミック積層体の内部には、前記外部電極と接続され
    る内部電極が形成された、積層セラミック電子部品にお
    いて、 前記セラミック積層体の前記所定の面上には、ガラス層
    が形成され、前記内部電極は、前記ガラス層を貫通して
    前記外部電極に接続されていることを特徴とする、積層
    セラミック電子部品。
  2. 【請求項2】 内部に内部電極が形成され、かつ前記内
    部電極の端縁が所定の面上に露出している、セラミック
    積層体を用意し、 ガラスおよび金属を含有し、前記ガラスおよび金属の合
    計に対して金属を5〜50 vol%含有する、ガラスペー
    ストを用意し、 前記セラミック積層体の前記所定の面上に前記ガラスペ
    ーストを付与し、 前記ガラスペーストを焼き付けてガラス層を前記セラミ
    ック積層体の前記所定の面上に形成するとともに、当該
    焼付け時の温度を利用して、前記内部電極の端縁から前
    記ガラス層を貫通して当該ガラス層の表面にまで届くよ
    うに、前記ガラスペースト中の金属をカーケンダール効
    果に基づき移動させることによって前記内部電極を延長
    し、 前記ガラス層上において前記内部電極に接続されるべき
    外部電極を形成する、各工程を備える、積層セラミック
    電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記外部電極は、前記ガラスペースト中
    の金属含有率より多い含有率をもって金属を含有する導
    電性ペーストを付与し焼き付けることによって形成され
    る、請求項2に記載の積層セラミック電子部品の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記ガラスペーストを焼き付ける工程の
    前に、前記セラミック積層体の前記所定の面上に付与さ
    れたガラスペーストの上に前記導電性ペーストを付与
    し、前記ガラスペーストを焼き付ける工程において、前
    記導電性ペーストをも同時に焼き付ける、請求項3に記
    載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ガラスペーストを焼き付ける工程の
    後に、前記セラミック積層体の前記所定の面上に形成さ
    れたガラス層の上に前記導電性ペーストを付与し、次い
    で前記導電性ペーストを焼き付ける、請求項3に記載の
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ガラスペーストを焼き付ける工程の
    後に、前記外部電極が、前記ガラス層の上に乾式めっき
    により形成される、請求項2に記載の積層セラミック電
    子部品の製造方法。
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