JPH10293010A - 2ビーム光走査を用いた寸法測定方法及び測定装置 - Google Patents

2ビーム光走査を用いた寸法測定方法及び測定装置

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JPH10293010A
JPH10293010A JP10154697A JP10154697A JPH10293010A JP H10293010 A JPH10293010 A JP H10293010A JP 10154697 A JP10154697 A JP 10154697A JP 10154697 A JP10154697 A JP 10154697A JP H10293010 A JPH10293010 A JP H10293010A
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light
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scanning
signal
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Hiroo Fujita
宏夫 藤田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ走査式の寸法測定において、簡素な構
成でリアルタイム的にエッジ位置を検出して寸法を測定
する寸法測定装置を実現すること。 【解決手段】 音響光学素子から二つのピーク強度をも
つ2ビーム光を発生させて被測定物面上を走査する。反
射光を対称な二つの領域に分割して、個々の領域の反射
光強度を二分割受光器で検出し、二つの受光部からの出
力信号の間の差動強度を検出する。差動強度信号は正負
のピーク強度を有し、正負のピーク強度が発生する走査
位置を検出する。前記正負のピーク強度の間を走査した
2ビーム光の走査距離から寸法を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微小スポットに集光
したレーザ光を走査して寸法を測定するレーザ走査式の
寸法測定装置に関し、特に2ビーム光走査を用いた寸法
測定方法及び測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザ走査顕微鏡(以下にLSM
と記載)が精密部材の寸法測定や形状測定などに多く用
いられるようになった。LSMは微小なスポット径に集
光したレーザ光を被測定物面上で走査して被測定物から
の反射光、あるいは透過光を検出し、その光強度の変化
を解析して寸法や形状を測定する光学装置である。図5
にLSMを用いた従来の寸法測定装置の構成例を示して
動作を説明する。本例は1次元の寸法測定例で、1次元
走査の場合で示す。レーザ光源50はHe−Neレー
ザ、半導体レーザなどで、レーザ光500を放射する。
走査光学系51はレーザ光500を走査する光学系で、
ビームスプリッター52(以下BS52と記載)、音響
光学素子53(以下AOD53と記載)、対物レンズ5
12、集光レンズ514、及び図示していないが、各種
のレンズ、ミラーなどの光学素子から構成される。
【0003】BS52を透過したレーザ光500は、音
響光学素子ドライバー530で駆動されるAOD53に
入射する。AOD53はレーザ光と超音波の相互作用に
よりレーザ光を回折させて走査を行わせる素子で、LS
Mでは多く用いられている。AOD53を用いたレーザ
光走査については、本願発明者による特許公報平4−5
6241号公報の”微小寸法測定装置”に詳細に述べら
れている。音響光学素子ドライバー530は、単一周波
数成分の信号を発する駆動信号源535からの信号を入
力とし、その信号の周波数faを連続的に変化させてA
OD53の回折角度を変化させることで走査を行う。こ
のとき回折されるレーザ光の強度分布は入射レーザ光の
強度分布と同じで、ガウス分布である。すなわち、単一
の周波数成分の信号で駆動されたときは、単一の光ビー
ムが回折される。回折されたレーザ光505は対物レン
ズ512で微小なスポット径に集光され、寸法が測定さ
れる被測定物54に照射され、その面上を走査する。
【0004】被測定物54で反射されたレーザ光は元の
光路を逆進してAOD53を再透過し、レーザ光500
と同じ光路を逆にたどり、BS52で反射されて集光レ
ンズ514で集光される。集光された反射光は単一の受
光面を持つ受光器55で受光される。受光器55は反射
光を光電変換して光強度に比例した直流の反射光信号5
50を発生する。この反射光強度の検出は走査に同期
し、被測定物54の面上の各走査位置毎に行う。受光器
55の受光素子面にはスリットなどを取り付けておき、
スリットの隙間を通して反射光強度分布の中央部を含む
一部の範囲の強度を検出する。この検出は共焦点検出と
呼ばれ、回折限界を超えた分解能が得られるという特徴
がある。そのため、反射光の全体を検出する非共焦点検
出に比べて寸法測定の分解能を高めることができ、多く
のLSMで採用されている。
【0005】反射光強度信号検出部56は、被測定物5
4の面上の各走査位置で検出された反射光信号550を
メモリー回路に記憶し、走査の一周期についての反射光
強度信号560を作成する。この反射光強度信号560
は被測定物54の反射率などに応じて強度が変化する。
差分強度信号検出部57は反射光強度信号560の差分
強度信号570を作成する。この差分強度信号570は
走査の前後の反射光強度の差強度で、反射光強度信号5
60が微分された信号に相当し、反射光強度に大きな変
化が発生する位置でピークが発生する。差分ピーク強度
位置検出部58は差分強度信号570の正負のピークが
発生する位置を検出する。このピーク強度位置は被測定
物54のエッジ位置に対応し、正負のピーク強度間をレ
ーザ光が走査した距離が寸法に対応する。
【0006】図6にレーザ光を走査して得られる反射光
強度信号と差分強度信号の例を示してエッジ位置検出法
を説明する。図6(a)は被測定物54の面上でのレー
ザ光60の走査である。レーザ光60は単一のピーク強
度をもち、ガウス型の強度分布である。被測定物54は
基材部61とパターン部62からなり、二つのエッジ6
22と624を有し、二つのエッジ間の距離がパターン
部62の寸法である。この寸法測定では、レーザ光60
を位置600から位置602まで走査し、その二つの位
置の間を走査して得られた反射光強度信号を演算処理し
た差分強度信号からエッジ位置622と624を検出す
る。
【0007】図6(b)の曲線63はレーザ光60を走
査したときに得られる反射光強度信号である。基材部6
1の反射率がパターン部62の反射率よりも小さい場合
は図のような凸形状の強度変化で、領域630、632
で反射光強度が大きく変化する。この領域はパターン部
62のエッジ622、624付近に相当する。なお、反
射光強度信号63からエッジを検出する方法として、従
来から半値幅検出法が知られている。これは、反射光強
度の最大、最小強度の中間である50%強度レベルとな
る位置をエッジとする方法であるが、強度レベルの変動
などで正確なエッジ位置が検出できないという問題点が
ある。
【0008】図6(c)の曲線64は反射光強度信号6
3が微分されたものに相当する差分強度信号で、二つの
正負のピーク強度640と642をもつ。ここで、ピー
ク強度が発生するときの走査位置644と646を検出
する。この位置はAOD53を駆動する音響光学素子走
査ドライバー530の制御信号で与えられる。これらの
ピーク強度位置はパターン部62のエッジ622と62
4に対応し、ピーク強度位置644と646の間を走査
したレーザ光60の走査距離から寸法を測定する。な
お、差分強度信号64のピーク強度は、レーザ光60の
中心のピーク強度部がエッジ位置に走査されたときに得
られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】寸法測定では被測定物
のエッジを正確に検出する必要がある。そのためには、
前述したように、反射光強度信号を差分(微分)して、
差分信号のピーク強度位置を検出する必要がある。AO
Dはレーザ光の走査速度が速い(KHz以上)という特
徴があり、レーザ光を被測定物面上で走査して反射光強
度を検出するのはリアルタイム的に実行できる。しか
し、差分を行うということで各種の演算処理を要し、差
分演算というプロセスが測定時間、測定装置の規模を決
める要因となる。反射光強度信号から差分信号を作成す
るのに、回路的に行う方法と数値演算で行う二つの方法
がある。
【0010】回路的に行う場合は動作速度は速いが、シ
フトレジスター回路などを多く用いるためハードエウア
ーが複雑になるという問題点がある。数値的に行う場合
はハードウエアーは単純になってもソフトウエアーが複
雑になり、演算時間が増大するという問題点がある。こ
れらの問題点は、検出した反射光強度信号から直接にエ
ッジが検出されないために生じる。
【0011】以上の課題を解決するため、本発明は複雑
な差分処理を行うことなく、反射光強度信号の簡素な処
理により、リアルタイムでエッジが検出でき、装置の構
成が簡単な寸法測定装置を実現することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明における2ビーム光走査を用いた寸法測定方
法は、レーザ光源から放射されたレーザ光をビームスプ
リッターを透過させて音響光学素子に入射し、該音響光
学素子により入射レーザ光の強度分布を変換して二つの
ピーク強度を有する2ビーム光を発生させ、該2ビーム
光を対物レンズで微小スポットに集光して寸法が測定さ
れる被測定物面上に照射すると共に該2ビーム光を前記
音響光学素子で走査し、前記被測定物からの反射光を前
記ビームスプリッターで反射させ、該反射光の強度分布
の中央部を中心にして対称な二つの領域に分割し、その
各々の領域の反射光の強度分布の中央部付近の強度を二
分割受光器で検出し、差動強度検出部で前記二分割受光
器からの出力信号の差動強度を各走査位置毎に検出し、
差動強度信号記憶部で前記差動強度検出部からの信号を
記憶して走査の一周期毎に正負のピーク強度を有する差
動強度信号を作成し、ピーク強度位置検出部で前記差動
強度信号の正負のピーク強度位置を検出し、該正負のピ
ーク強度位置間を走査した前記2ビーム光の走査距離か
ら前記被測定物の寸法を測定することを特徴とする。
【0013】さらに、本発明における2ビーム光走査を
用いた寸法測定装置は、レーザ光を放射するレーザ光源
と、該レーザ光を入射し該レーザ光の強度分布を変換し
て二つのピーク強度を有する2ビーム光を発生し被測定
物面上を走査する音響光学素子と、該2ビーム光を微小
スポットに集光して寸法を測定する被測定物面上に照射
する対物レンズと、前記被測定物からの反射光を反射す
るように構成され前記レーザ光源と前記音響光学素子と
の間に設けるビームスプリッターと、該ビームスプリッ
ターからの反射光を該反射光の強度分布の中央部を中心
にして対称な二つの領域に分割しその各々の領域の反射
光の強度分布の中央部付近の強度を検出する二分割受光
器と、前記二分割受光器からの出力信号の差動強度を各
走査位置毎に検出する差動強度検出部と、前記差動強度
検出部からの信号を記憶して走査の一周期毎に正負のピ
ーク強度を有する差動強度信号を作成する差動強度信号
記憶部と、前記差動強度信号の正負のピーク強度位置を
検出するピーク強度位置検出部とを備え、該正負のピー
ク強度位置間を走査した前記2ビーム光の走査距離から
前記被測定物の寸法を測定するように構成されているこ
とを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は走査の各位置毎に検出さ
れる反射光信号の段階で一種の差分処理を行い、差分強
度信号と等価な信号を作成してそのピーク強度位置を検
出する構成である。そのため、複雑な差分処理回路、数
値演算処理などが不要で、リアルタイムでエッジが検出
できる。その実現のために、単一ピーク強度のレーザ光
の強度分布を変換し、二つのピーク強度を有する光分布
のレーザ光(以下に2ビーム光と記載)を用いる。2ビ
ーム光を採用することで、差分強度信号のピーク強度を
明確にし、寸法測定精度を向上させる。この2ビーム光
はAODを二周波数成分の信号で駆動することで得られ
る。2ビーム光を被測定物面上で走査し、その反射光を
二分割型の受光器で検出する。
【0015】反射光を二分割型の受光器で検出すると
き、反射光の強度分布の中央部を中心として対称な二つ
の領域に分割し、照射2ビーム光の各々のビームからの
反射光を個別に各受光部で検出する。個々の反射光強度
を光電変換するとき、演算増幅回路からなる差動回路に
より二つの信号の差動強度を検出すると、従来と同じく
差動信号に正負のピークが発生し、これらのピーク強度
位置からエッジ位置を検出する。この差動ピーク位置
は、2ビーム光の中心(各ピーク強度の中央位置)がエ
ッジ位置に照射されたとき得られる。以上の差動検出が
従来の差分処理に相当するため、実質的には反射光強度
から直接にエッジが検出できる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は本発明の構成と動作を説明するブロック図で
ある。レーザ光源10はHe−Neレーザや半導体レー
ザからなり、レーザ光100を放射する。11はレーザ
光100の走査を行う走査光学系で、ビームスプリッタ
ー12(以下BS12と記載)、AOD13、対物レン
ズ112、集光レンズ114、及び図示していないが、
各種のレンズ、ミラーなどから構成される。BS12を
透過したレーザ光はAOD13に入射する。AOD13
の動作を制御するAODドライバー14は、周波数fa
を発する第一の信号源142と周波数fmを発する第二
の信号源144からの二つの信号を入力とし、二周波数
成分fa±fmをもつ信号を作成してAOD13を駆動
する。この駆動信号により、AOD13からは、わずか
に離れて進行する二つのビーム132、134が発生す
る。以後、この二つのビームを2ビーム光と記載する。
【0017】以上の2ビーム光発生において、周波数f
aは2ビーム光の走査を制御し、周波数fmは2ビーム
光への分離の大きさを制御する。周波数fmが小さいと
従来と同じ単一の強度ピークをもつ1ビーム光になり、
周波数fmが大きいほど2ビーム光への分離が大きくな
る。したがって、本発明の寸法測定装置は2ビーム光走
査型のLSMである。二つの信号源142と144を用
いてAOD13から2ビーム光を発生させるのは主に光
ヘテロダイン干渉計で用いられる技術で、本願発明者に
より、特許公報平3−44243号公報の“光ヘテロダ
イン干渉法による表面形状測定装置”に詳細に述べられ
ている。本発明では2ビーム光を発生させる目的で二周
波数成分fa±fmの信号を用い、光ヘテロダイン干渉
での位相検出の代わりに、LSMとしての反射光強度を
検出する。
【0018】AOD13に入射するレーザ光100は単
一の強度ピークを有するビームで、ガウス型の強度分布
を持っている。AOD13から生じた2ビーム光132
及び134は、単一のガウス強度分布光が二つに分離し
て合成されたもので、二つのピーク強度を有する。この
2ビーム光のピーク強度間距離は第二の信号源144か
らの周波数fmに比例して変化し、被測定物の形状や測
定目的に応じて2ビーム光のピーク強度間距離を設定す
る。2ビーム光を用いることの利点は、以下に述べる差
動強度検出を容易に行って寸法測定精度を高めるためで
ある。
【0019】AOD13で発生した2ビーム光132と
134は対物レンズ112で微小スポットに集光され、
寸法が測定される被測定物15に照射されると共に面上
を走査する。被測定物15で反射した2ビーム光はもと
の光路を逆進してAOD13を再透過し、BS12で反
射されて二分割受光器16で受光される。なお、図1の
AOD13からBS12までの逆進光路は1本のビーム
で示しているが、実際は2本のビームである。反射光の
検出はAOD13を再透過した後で行うため、走査の定
点位置での検出である。したがって、2ビーム光13
2、134が被測定物15の面上のどの位置を走査して
いても、反射光は二分割受光器16の一定位置に入射す
る。
【0020】二分割受光器16は反射光を対称な二つの
領域に分割し、各々の領域の強度を個別に検出する。こ
のとき、二分割受光器16の二つの受光面にはピンホー
ル、あるいはスリットなどを張り付け、その隙間を通し
て反射光を検出する。この検出はLSMでよく知られた
共焦点型検出で、回折限界を超えた測定ができることが
特徴である。二分割受光器16は走査の各位置毎に反射
光強度を光電変換し、直流の反射光強度信号162(強
度Ia)と164(強度Ib)を発生する。この反射光
強度は被測定物15の反射率などによって変化する。
【0021】差動強度検出部17は反射光強度IaとI
bに対して、演算増幅回路(オペアンプ)からなる差動
回路により差動強度Ia−Ibを作成する。この差動強
度は走査の各位置毎に検出する。差動強度検出部17
は、実際には二分割受光器16の光電変換回路の後段に
差動回路を接続した一体型の構成である。差動強度信号
記憶部18は差動強度検出部17で検出された差動強度
をメモリー回路に記憶して、走査の一周期での差動強度
信号180を発生する。この差動強度信号180は従来
の反射光強度信号が差分されたものに相当し、正負のピ
ーク強度が発生する。ピーク強度位置検出部19は差動
強度信号180の正負のピーク強度位置が発生する走査
位置を検出する。このピーク強度位置は被測定物15の
エッジ位置に相当し、エッジ間をAOD13が走査した
2ビーム光の走査距離から寸法を測定する。以上述べた
本発明の実施例は反射光検出の例であるが、透過光の検
出でも同様である。
【0022】本発明は2ビーム光走査の二分割差動検出
である。被測定物15の面上で2ビーム光を走査し、2
ビーム光を構成する個々のビームからの反射光強度を二
分割して個別に検出する。このとき、二つの信号の間の
差動強度を検出することで、等価的に従来の差分演算が
行われる。すなわち、二分割検出することで差動演算が
可能になる。差動強度Ia−Ibは一個のオペアンプか
らなる回路で検出できるため、実質的には反射光強度信
号から直接に差分演算が可能である。その結果として、
差分信号を簡単な構成で検出できると共に、リアルタイ
ムで寸法が測定できる。
【0023】図2に2ビーム光の走査と差動信号による
エッジ検出法を示す。図2(a)は被測定物15の面上
での2ビーム光の走査である。被測定物15は基板21
とパターン部22からなり、エッジ212、214の間
の寸法を測定する。2ビーム光23は第一のビーム23
2と第二のビーム234が互いに重なったもので、二つ
の強度ピークをもち、ガウス型の強度分布が合成された
分布である。2ビーム光23の中心は強度の極小部23
6である。2ビーム光23は左側エッジ212の基板側
から右側エッジ214の基板側まで走査される。基板2
1とパターン部22では反射率が異なるとすれば、反射
率が異なるエッジ部付近において2ビーム光の間の反射
光強度差が大きくなる。
【0024】図2(b)の曲線24は差動強度信号の波
形で、二分割受光器16の差動出力であるIa−Ibか
ら得られ、従来の反射光強度信号が差分された信号と等
価である。本発明はこの差動強度信号をリアルタイムで
得る。差動強度信号24は2つのピーク強度25、26
を持ち、ピーク強度の発生位置250と260を検出す
る。このピーク強度位置250、260は、2ビーム光
23の中央部236の強度極小部がエッジ212と21
4に照射されたときに得られる。そこで、ピーク強度位
置250と260の間の走査距離から寸法を測定する。
なお、二分割受光器16の出力信号の合成信号が従来の
反射光強度信号である。
【0025】図2(c)はエッジでの2ビーム光の照射
を表す。2ビーム光23を構成するビーム232と23
4の中央の極小強度部236がエッジ212に照射され
ている場合である。基板21とパターン部22の反射率
が異なる場合、ビーム232による反射強度とビーム2
34による反射強度の差が最大になる。このとき、二分
割検出してその差動強度を検出すれば、差動強度がピー
クとなる。他方のエッジ214ではピーク強度の符号が
逆になる。したがって、従来のように特別な差分処理を
行わないでもピーク強度が発生する。本発明の実施例は
差動強度Ia−Ibの検出であったが、さらには強度比
Ia/Ibを検出すれば、基板21とパターン部22の
反射率比も同時に測定でき、材質計測も可能である。
【0026】図3に本発明による寸法測定装置を実現す
る走査光学系11の構成例を示す。レーザ光源10から
放射された直線偏光を有するレーザ光100はBS12
を透過する。BS12は偏光方向に依存して透過、反射
の大きさが変わる偏光ビームスプリッターの構成で、入
射光100のほぼ全体を透過させる。BS12を透過し
たレーザ光は、シリンドリカルレンズ30と凸レンズ3
1の組合せで、紙面に平行な面内に広がり、紙面に垂直
な面内に集光されるシート状ビームに変換してAOD1
3に照射する。AOD13からは前述のごとく周波数f
mに応じて分離された2ビーム光が発生する(図3には
図示せず)。AOD13を出射した2ビーム光は、凸レ
ンズ32とシリンドリカルレンズ33により、シートビ
ームの形状が変換され、ミラー34以降の光路は再び円
形ビームとして進行する。なお、ミラー34の位置が凸
レンズ32とシリンドリカルレンズ33の共通の焦点位
置である。
【0027】円形発散光として進行する2ビーム光は凸
レンズ35でコリメートされ、対物レンズ36で集光さ
れて被測定物15に照射されると共に面上を走査する。
被測定物15からの反射光は元の光路を逆進してAOD
13を再透過し、BS12で反射され、集光レンズ37
を介してスリットが取り付けられた二分割受光器16で
検出される。二分割受光器16での反射光の検出は共焦
点検出である。以上の光学系では各レンズの焦点距離に
応じてAODの走査距離が決まるため、測定される寸法
に応じてレンズの焦点距離を設定する。
【0028】図4に二分割受光器16による二分割共焦
点検出例を示す。受光器中央部の分離帯41は、左右の
二つの受光面42と43に分割する境界で、反射光の強
度検出は行わない。各受光面42と43にはスリットを
張り付け、斜線で示した領域では反射光をカットし、各
受光面の中央425と435を通して反射光を検出す
る。このとき、図3に示した集光レンズ37の焦点距離
に応じて、受光面425と435に入射する反射光のス
ポット径を変えることができ、反射光の強度分布の中央
部付近の強度だけを検出することで共焦点検出が実現で
きる。なお、分離帯41には2ビーム光の強度の小さい
中央部が入射するため、反射光検出の強度ロスの少ない
検出ができ、S/N比のよい反射光が検出できる。共焦
点検出はサブミクロン領域の寸法測定に有効であるが、
測定される寸法が回折限界よりも十分大きい場合は、ス
リットを付加しないで非共焦点型の検出を行ってもよ
い。
【0029】
【発明の効果】上記のごとく本発明による寸法測定装置
は2ビーム光を走査し、反射光を二分割受光器で差動検
出することでエッジを検出する装置である。この差動検
出は従来の反射光強度信号の差分検出に相当し、簡単な
差動増幅回路で容易に行われるため、簡素な構成でリア
ルタイム的に寸法が測定できる。そのため、特別なデー
タ演算処理を用いることなく、差動信号をオッシロスコ
ープなどで観察するだけで、直接に寸法が測定できる。
さらには、2ビーム光を利用することでS/N比のよい
差動信号を作成することができ、寸法測定の信頼性が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成と動作を説明するシステムブロッ
ク図である。
【図2】本発明による2ビーム光走査と差動強度信号の
波形を示す図である。
【図3】本発明による2ビーム光走査の光学系の実施例
を示す図である。
【図4】本発明による2ビーム光を二分割受光器で検出
する例を示す図である。
【図5】従来の寸法測定の動作を説明するブロック図で
ある。
【図6】従来の寸法測定による波形例を説明する図であ
る。
【符号の説明】
10 レーザ光源 12 ビームスプリッター 13 音響光学素子 16 二分割受光器 17 差動強度検出部 18 差動強度信号記憶部 19 ピーク強度位置検出部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源から放射されたレーザ光をビ
    ームスプリッターを透過させて音響光学素子に入射し、
    該音響光学素子により入射レーザ光の強度分布を変換し
    て二つのピーク強度を有する2ビーム光を発生させ、該
    2ビーム光を対物レンズで微小スポットに集光して寸法
    が測定される被測定物面上に照射すると共に該2ビーム
    光を前記音響光学素子で走査し、前記被測定物からの反
    射光を前記ビームスプリッターで反射させ、該反射光の
    強度分布の中央部を中心にして対称な二つの領域に分割
    し、その各々の領域の反射光の強度分布の中央部付近の
    強度を二分割受光器で検出し、差動強度検出部で前記二
    分割受光器からの出力信号の差動強度を各走査位置毎に
    検出し、差動強度信号記憶部で前記差動強度検出部から
    の信号を記憶して走査の一周期毎に正負のピーク強度を
    有する差動強度信号を作成し、ピーク強度位置検出部で
    前記差動強度信号の正負のピーク強度位置を検出し、該
    正負のピーク強度位置間を走査した前記2ビーム光の走
    査距離から前記被測定物の寸法を測定することを特徴と
    する2ビーム光走査を用いた寸法測定方法。
  2. 【請求項2】 レーザ光を放射するレーザ光源と、該レ
    ーザ光を入射し該レーザ光の強度分布を変換して二つの
    ピーク強度を有する2ビーム光を発生し被測定物面上を
    走査する音響光学素子と、該2ビーム光を微小スポット
    に集光して寸法を測定する被測定物面上に照射する対物
    レンズと、前記被測定物からの反射光を反射するように
    構成され前記レーザ光源と前記音響光学素子との間に設
    けるビームスプリッターと、該ビームスプリッターから
    の反射光を該反射光の強度分布の中央部を中心にして対
    称な二つの領域に分割しその各々の領域の反射光の強度
    分布の中央部付近の強度を検出する二分割受光器と、前
    記二分割受光器からの出力信号の差動強度を各走査位置
    毎に検出する差動強度検出部と、前記差動強度検出部か
    らの信号を記憶して走査の一周期毎に正負のピーク強度
    を有する差動強度信号を作成する差動強度信号記憶部
    と、前記差動強度信号の正負のピーク強度位置を検出す
    るピーク強度位置検出部とを備え、該正負のピーク強度
    位置間を走査した前記2ビーム光の走査距離から前記被
    測定物の寸法を測定するように構成されているいること
    を特徴とする2ビーム光走査を用いた寸法測定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102121818A (zh) * 2010-12-15 2011-07-13 浙江大学 纳米分辨全反射差分微位移测量的方法和装置
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CN109945834A (zh) * 2019-03-26 2019-06-28 长沙闪控信息科技有限公司 一种平台倾角和高度实时测量系统及方法

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