JPH10292564A - 瓦葺き屋根の棟構造 - Google Patents

瓦葺き屋根の棟構造

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JPH10292564A
JPH10292564A JP11754297A JP11754297A JPH10292564A JP H10292564 A JPH10292564 A JP H10292564A JP 11754297 A JP11754297 A JP 11754297A JP 11754297 A JP11754297 A JP 11754297A JP H10292564 A JPH10292564 A JP H10292564A
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JP
Japan
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ridge
tile
ventilation
roofing material
space
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JP11754297A
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English (en)
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Yoshitaka Kitaori
義孝 北折
Haruo Nitta
治雄 新田
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RONBITSUKU KK
Descente Ltd
Original Assignee
RONBITSUKU KK
Tsuruya Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工性に優れるのは勿論のこと、桟瓦と野地
板との間および小屋裏の換気が可能であり、しかも、棟
内部への雨水の浸入を確実に防止することが出来る様に
改良された瓦葺き屋根の棟構造を提供する。 【解決手段】 上下方向に貫通する複数の換気穴(2
E)と、各換気穴(2E)に通じる上昇勾配の通風路
と、通風路をジグザグ状に構成する複数の邪魔板(2
G)と、排水の逆流を防止する複数の突堤とを有する特
定構造の棟葺き材(2)を備え、野地板(3)には、そ
の稜部の上方空間(4)と小屋裏(6)とを連通する換
気口が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、瓦葺き屋根の棟構
造に関し、詳しくは、施工性に優れるのは勿論のこと、
桟瓦と野地板との間および小屋裏の換気が可能であり、
しかも、棟内部への雨水の浸入を確実に防止することが
出来る様に改良された瓦葺き屋根の棟構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来周知の瓦葺き屋根の棟構造において
は、表面に防水紙が敷かれた野地板の稜部に、練土、漆
喰、モルタル等の湿式の棟葺き材が冠瓦の台座として施
工される。そして、台座上には、棟に沿って冠瓦が載置
される。斯かる棟構造においては、冠瓦とその両側の桟
瓦との間の隙間を湿式の棟葺き材によって塞ぐことによ
り、野地板部への雨水の浸入が防止される。
【0003】ところで、前記の材料から成る湿式の棟葺
き材は、通気性が乏しいため、野地板と桟瓦との間の換
気を阻害し、瓦止め用の桟木やそれを野地板に固定する
釘および野地板の腐食を惹起するという問題がある。ま
た、湿式の棟葺き材は重量が嵩むため、棟構造における
耐震性の点で好ましくない。しかも、重たい棟葺き材を
冠瓦の台座として施工する高所作業は、高度の熟練を要
する極めて効率の低い作業であり、かつ、著しく汚れる
作業でもある。
【0004】この様な従来の諸問題を解決する瓦葺き屋
根の棟構造として、特開平9−41574号公報には、
発泡樹脂から成る乾式の棟葺き材を使用した棟構造が開
示されている。斯かる乾式の棟葺き材は、独立気泡を有
する硬質の発泡樹脂にて成形された冠瓦の支持部と、連
続気泡を有する軟質の発泡樹脂にて成形され且つ冠瓦と
桟瓦の間を封止する封止部とを有し、冠瓦の支持部に
は、その上方空間と下方空間とを連通する開口と、上方
空間を外気に連通させる溝部とが形成されている。
【0005】前記の公報に記載の棟構造においては、連
続気泡を有する軟質の発泡樹脂にて形成された封止部の
通気性により桟瓦と野地板との間の換気が図られ、ま
た、冠瓦の支持部に形成された開口および溝部を介して
桟瓦と野地板との間の換気が図られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
棟構造において、冠瓦の支持部には、溝部および開口を
通して棟内部へ風雨が浸入するのを阻止し、あるいは、
雨水を外部に排水する積極的な手段が設けられていない
ため、棟内部へ雨水が浸入する虞がある。
【0007】本発明は、前記の実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、施工性に優れるのは勿論のこ
と、桟瓦と野地板との間および小屋裏の換気が可能であ
り、しかも、棟内部への雨水の浸入を確実に防止するこ
とが出来る様に改良された瓦葺き屋根の棟構造を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、冠瓦の台座として棟に沿って配設される
棟葺き材と、野地板の稜部の上方に空間を形成して前記
棟葺き材を支持する支持部材とを備え、かつ、前記空間
と小屋裏とを連通する換気口が野地板の稜部に設けられ
た瓦葺き屋根の棟構造であって、前記棟葺き材は、独立
気泡を有する硬質の発泡樹脂にて成形され且つ上面に冠
瓦が載置される本体部と、連続気泡を有する軟質の発泡
樹脂にて成形され且つ冠瓦の左右両側の桟瓦の上面に密
着する左右一対の封止部とを有し、前記棟葺き材の本体
部には、幅方向中央の瓦支持部の両側に長手方向に沿っ
て2列に配列され且つ上下方向に貫通する複数の換気穴
と、幅方向の左右両側部から前記各列の換気穴へ向かう
上昇勾配の通風路を上面側にそれぞれ形成する左右の凹
部と、左右の凹部内にそれぞれ長手方向に分断して3列
に配列され且つ凹部から冠瓦の支持高さに突出する複数
の邪魔板とが設けられ、前記各列の邪魔板は、前記通風
路をジグザグ状に構成する分断構造を備え、前記各凹部
の底には、前記各列の邪魔板にそれぞれ連続して凹部の
底を傾斜方向に3ステージに区画する複数の突堤が形成
され、各突堤は、凹部の傾斜方向上方へ向かって突出す
る山形の平面形状を有していることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明に係
る瓦葺き屋根の棟構造の実施形態を説明する。図1は瓦
葺き屋根の棟構造の概要を示す断面図、図2は瓦葺き屋
根の棟構造に使用される棟葺き材の平面図、図3は図2
のIII−III線に沿った棟葺き材の断面図、図4は
図2のIV−IV線に沿った棟葺き材の断面図、図5は
図2のV−V線に沿った棟葺き材の断面図、図6は図2
のVI−VI線に沿った棟葺き材の断面図、図7は図2
のVII−VII線に沿った棟葺き材の断面図、図8は
図2のVIII−VIII線に沿った棟葺き材の断面
図、図9は瓦葺き屋根の棟構造に使用される支持金具の
斜視図である。
【0010】本発明に係る瓦葺き屋根の棟構造は、図1
に示す様に、冠瓦(1)の台座として棟に沿って配設さ
れる棟葺き材(2)と、野地板(3)の稜部の上方に空
間(4)を形成して棟葺き材(2)を支持する支持部材
(5)とを備えている。そして、空間(4)と小屋裏
(6)とを連通するため、換気口(図示省略)が野地板
(3)の稜部に設けられている。また、一般的な棟構造
と同様に、野地板(3)は、棟木(7)に支持された垂
木(8)上に張設され、その上面には防湿シート(9)
が貼設されている。そして、野地板(3)上には、桟瓦
(10)を係止するための複数本の桟木(11)が釘固
定されている。
【0011】冠瓦(1)は、実施形態において山形断面
の三角瓦とされている。これに対応し、棟葺き材(2)
は、独立気泡を有する硬質の発泡樹脂にて成形され且つ
上面に冠瓦(1)が載置される山形断面の本体部(2
A)と、連続気泡を有する軟質の発泡樹脂にて成形され
且つ冠瓦(1)の左右両側の桟瓦(10)の上面に倣っ
て弾性的に密着する角形断面の左右一対の封止部(2
B)とを有している。
【0012】棟葺き材(2)の本体部(2A)は、冠瓦
(1)を十分な強度を以て載置できる様に、垂直方向の
厚さが20〜40mm(実施形態では30mm)程度、
幅が冠瓦(1)の内幅より狭い150〜200mm(実
施形態では185mm)程度とされ、棟方向の長さが冠
瓦(1)の3〜5枚分の長さに相当する900〜120
0mm(実施形態では920mm)程度とされている。
そして、本体部(2A)の底面の幅方向中央には、前記
の支持部材(5)上に横架される合成樹脂製の支持桟
(12)を嵌合するため、幅35mm、深さ20mm程
度の嵌合溝(2C)が本体部(2A)の長手方向に添っ
て形成されている。
【0013】一方、棟葺き材(2)の封止部(2B)
は、桟瓦(10)の上面に密着する圧縮状態での通気性
を確保するため、幅が20〜50mm(実施形態では3
0mm)、高さが30〜120mm(実施形態では30
mm)程度に設定されており、長さは本体部(2A)よ
り10〜20mm程度長めの寸法に設定されている。そ
して、各封止部(2B)は、本体部(2A)の左右両側
の底面に予め接着されている。
【0014】棟葺き材(2)の本体部(2A)を成形す
る樹脂としては、例えば、ポリスチレン系の他、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなどの熱可
塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂を使用した成形方
法としては、比較的高い発泡倍率とするため、予め物理
発泡剤を含浸させて予備発泡ビーズを製造した後、スチ
ームを用いて金型内で賦形する、所謂ビーズ発泡成形法
が採用される。発泡倍率は、通常、10〜40倍、好ま
しくは15〜30倍とされる。特に好ましい態様とし
て、本体部(2A)は、発泡倍率が15〜20倍のポリ
スチレンにて成形される。
【0015】ビーズ発泡成形法による前記の樹脂の成形
においては、ヒケ等による変形が少ないため、棟葺き材
(2)の本体部(2A)を十分な厚みに精度良く成形す
ることが出来、かつ、本体部(2A)の形状を冠瓦
(1)の形状に対応して適宜に変更することが出来る。
更に、本体部(2A)を前記の樹脂にて成形した場合に
は、優れた撥水性を発揮する。
【0016】一方、棟葺き材(2)の封止部(2B)を
成形する樹脂としては、日射や風雨に対する耐候性を向
上させるため、エチレンとプロピレンの共重合からなる
合成ゴム等を特に好適に使用し得る。勿論、スチレン−
ブタジエン系やブチル系の合成ゴム或いは天然ゴム等を
単独で又は混合して使用することも出来る。混合物とし
ては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴムとス
チレン−ブタジエン−スチレン共重合体ゴム等のブレン
ド物を挙げることが出来る。
【0017】また、前記の封止部(2B)は、日射や風
雨に晒される外側がエチレン−プロピレン共重合体の発
泡体にて成形され、日射や風雨に晒されない内側がウレ
タン樹脂の発泡体にて形成され、かつ、これら2つの発
泡体が粘着材または接着剤などによって貼り合わされた
構成とすることが出来る。この場合、ウレタン樹脂とし
ては、水に対して変質し難いエーテル系ウレタン樹脂が
好ましい。
【0018】封止部(2B)は、前記の何れの材料を使
用した場合においても、圧縮荷重を加えた状態で永久変
形を生じ難い連続発泡体であることが必要であり、いわ
ゆる架橋発泡法によって成形される。封止部(2B)を
構成する樹脂が少なくとも部分的に架橋していることが
好ましい。架橋の程度は、ゲル分率で表わして80重量
%以上、好ましくは90重量%以上、特には95重量%
以上が好ましい。
【0019】本発明において、前記の棟葺き材(2)の
本体部(2A)には、図2〜図7に示す様に、幅方向中
央の瓦支持部(2D)の両側に長手方向に沿って2列に
配列され且つ上下方向に貫通する複数の換気穴(2E)
と、幅方向の左右両側部から各列の換気穴(2E)へ向
かう上昇勾配の通風路を上面側にそれぞれ形成する左右
の凹部(2F)と、左右の凹部(2F)内にそれぞれ長
手方向に分断して3列に配列され且つ凹部(2F)から
冠瓦(1)の支持高さに突出する複数の邪魔板(2G)
とが設けられている。そして、各列の邪魔板(2G)
は、前記の通風路をジグザグ状に構成する分断構造を備
えている。
【0020】また、本発明において、各凹部(2F)の
底には、各列の邪魔板(2G)にそれぞれ連続して凹部
(2F)の底を傾斜方向に3ステージに区画する複数の
突堤(2H)が形成されている。各突堤(2H)は、高
さが1〜2mm程度であり、凹部(2F)の傾斜方向上
方へ向かって突出する扁平な山形の平面形状を有してい
る。
【0021】前記の瓦支持部(2D)には、その両側の
凹部(2F)内に突出して冠瓦(1)を支持する梁部
(2J)が連続して形成されている。そして、左右の凹
部(2F)は、それぞれ各梁部(2J)の先端側にて本
体部(2A)の長手方向に連続している。なお、凹部
(2F)の底は、20〜40°程度の排水勾配を有する
斜面に形成されている。
【0022】各換気穴(2E)は、換気穴としての十分
な開口面積を確保するため、幅が10〜20mm程度、
長さが40〜60mm程度であって、1つの棟葺き材
(2)につき、各列あたり10個程度、合計20個程度
形成されている。そして、各換気穴(2E)の周囲には
凹部(2F)から2〜3mm程度突出する突壁(2K)
が形成されている。
【0023】前記の邪魔板(2G)のうち、凹部(2
F)の傾斜方向下側に配列された下段の邪魔板(2G)
は、長さが10mm程度であって、20mm程度のピッ
チ間隔で配列されている。また、中段の邪魔板(2G)
は、長さが40mm程度であって、前記2つの梁部(2
J)の間に1個配置され、通風路の通風方向に関し、下
段の3個の邪魔板(2G)にオーバラップしている。そ
して、凹部(2F)の傾斜方向上側に配列された上段の
邪魔板(2G)は、2つの梁部(2J)の間に2個配置
され、通風路の通風方向に関し、中段の邪魔板(2G)
と下段の邪魔板(2G)とにオーバラップしている。
【0024】なお、本体部(2A)の左右両縁部には、
凹部(2F)の傾斜に沿った三角断面の導風突条(2
L)が本体部(2A)の長手方向に分断した状態でそれ
ぞれ複数個形成されており、各導風突条(2L)は、前
記2つの梁部(2J)の間に対応した位置に1個づつ配
置されている。また、本体部(2A)の長手方向の一端
面には、図2に示す様に、各本体部(2A)を長手方向
に接続するための左右一対の接続突起(2M)が形成さ
れ、これに対応して本体部(2A)の長手方向の他端面
には、図8に示す様に、接続突起(2M)が嵌合する左
右一対の接続穴(2N)が形成されている。
【0025】前記の支持部材(5)は、図9に示す様
に、前記の支持桟(12)を嵌合させるために上方に開
放された断面コ字状の桟受部(5A)と、野地板(3)
の稜部に跨がって設置される支持ベース(5B)と、支
持ベース(5B)上に固定されるナット部材(5C)
と、ナット部材(5C)に螺合して上下方向に延びるね
じ棒(5D)とを有し、桟受部(5A)はねじ棒(5
D)の上端に回転自在に連結されている。なお、この支
持部材(5)に代えて、前記の支持ベース(5B)に支
柱を介して桟受部(5A)が連結された構造の支持部材
を使用してもよい。
【0026】以上の様に構成された本発明の瓦葺き屋根
の棟構造においては、その施工に際し、野地板(3)の
稜部に跨がって支持部材(5)の支持ベース(5B)を
設置する。支持部材(5)は、棟方向に所定の間隔で複
数個配置し、各支持部材(5)の桟受部(5A)には、
支持桟(12)を棟方向に沿って横架する。この場合、
支持桟(12)の高さは、各支持部材(5)のねじ棒
(5D)をナット部材(5C)に対して回転させること
により調整する。
【0027】次いで、支持桟(12)に本体部(2A)
の嵌合溝(2C)を嵌合させることにより、棟葺き材
(2)を野地板(3)の稜部の上方に空間(4)を形成
して支持する。この棟葺き材(2)は、長手方向の一端
面に突出する左右一対の接続突起(2M)を他端面に開
口する左右一対の接続穴(2N)に嵌合させることによ
り相互に長手方向に接続する。そして、長手方向に連続
した棟葺き材(2)の端部は、棟の長さに合わせて切断
する。その際、棟葺き材(2)は、ノコギリやカッター
により簡単に切断できるため、施工が簡単である。
【0028】続いて、各棟葺き材(2)の左右の封止部
(2B)の底面を両側の桟瓦(10)の上面に載せ、こ
の状態で各棟葺き材(2)の上に冠瓦(1)を順次載置
する。そして、各冠瓦(1)を棟葺き材(2)の本体部
(2A)を貫通する止めネジ等によって支持桟(12)
に固定する。
【0029】この様に施工された本発明の瓦葺き屋根の
棟構造は、棟葺き材(2)の本体部(2A)が硬質の発
泡樹脂にて成形されているため、冠瓦(1)の荷重を十
分に支持することが出来、しかも、それ自体がクリープ
変形などを生じることがない。また、棟葺き材(2)が
軽量であるため、棟構造の全体重量を増加させることが
なく、耐震上好ましい。更に、棟葺き材(2)が軽量で
あって且つ簡単に切断することが出来るため、高所での
設置が極めて容易で、施工性に優れている。しかも、従
来の湿式の棟葺き材に比べてクリーンな作業を行うこと
が出来る。
【0030】本発明の瓦葺き屋根の棟構造においては、
野地板(3)の稜部の上方空間(4)に桟瓦(10)と
野地板(3)との間の空間が連通し、かつ、換気口を介
して小屋裏(6)が連通している。そして、この空間
(4)は、通気性のある連続気泡の発泡樹脂にて成形さ
れた棟葺き材(2)の左右の封止部(2B)を介して外
気に連通し、かつ、棟葺き材(2)の本体部(2A)に
形成された複数の換気穴(2E)および左右の通風路を
介して外気に連通している。従って、桟瓦(10)と野
地板(3)との間の空間および小屋裏(6)の換気が可
能となり、棟内部の湿潤化を防止することが出来る。
【0031】棟葺き材(2)の本体部(2A)の左右の
通風路は、上昇勾配に形成され、しかも、複数の邪魔板
(2G)によってジグザグ状に構成されているため、風
雨に伴い通風路に浸入する雨水は、各邪魔板(2G)に
衝突して流下し、凹部(2F)の底の排水勾配に添って
桟瓦(10)側に排水される。また、凹部(2F)の底
は、各列の邪魔板(2G)と複数の突堤(2H)によっ
て傾斜方向に3ステージに区画されているため、凹部
(2F)の底を流下する雨水の風による逆流が防止され
る。
【0032】特に、各突堤(2H)は凹部(2F)の傾
斜方向上方へ向かって突出する山形の平面形状を有して
いるため、風に押されて各突堤(2H)に衝突する雨水
は、突堤(2H)の平面形状に添って左右方向中央部に
偏向され、突堤(2H)を乗り越えるエネルギーが低減
される。その結果、逆流する雨水が各突堤(2H)を乗
り越えることがない。従って、風雨に伴い通風路に浸入
する雨水を外部に排水し、その逆流を防止することが出
来、棟内部への雨水の浸入を確実に防止することが出来
る。
【0033】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の瓦葺き屋根
の棟構造においては、棟葺き材が発泡樹脂にて構成され
ており、軽量であって容易に切断できるため、高所での
設置が極めて容易であって、施工性に優れている。
【0034】また、本発明の瓦葺き屋根の棟構造におい
ては、桟瓦と野地板との間の空間に連通する野地板の稜
部の上方空間が換気口を介して小屋裏に連通している。
そして、この上方空間は、通気性のある連続気泡の発泡
樹脂にて成形された棟葺き材の左右の封止部を介して外
気に連通し、かつ、棟葺き材の本体部に形成された複数
の換気穴および左右の通風路を介して外気に連通してい
る。従って、桟瓦と野地板との間および小屋裏の換気が
可能となり、その湿潤化を防止することが出来る。
【0035】また、本発明の瓦葺き屋根の棟構造におい
ては、棟葺き材の本体部の左右の通風路は、各換気穴へ
向かう上昇勾配に形成され、しかも、分断状態で3列に
配列された複数の邪魔板によってジグザグ状に構成され
ている。このため、風雨に伴い左右の通風路に浸入する
雨水は、各邪魔板に衝突して流下し、通風路を形成する
凹部の底の排水勾配に添って外部に排水される。更に、
凹部の底は、各列の邪魔板にそれぞれ連続する複数の突
堤によって傾斜方向に3ステージに区画されているた
め、凹部の底を流下する雨水の風による逆流が防止され
る。特に、各突堤は凹部の傾斜方向上方へ向かって突出
する山形の平面形状を有しているため、風に押されて各
突堤に衝突する雨水は、突堤の平面形状に添って左右方
向中央部に偏向され、突堤を乗り越えるエネルギが低減
される。その結果、逆流する雨水が各突堤を乗り越える
ことがない。従って、風雨に伴い通風路に浸入する雨水
を外部に排水し、その逆流を防止することが出来、棟内
部への雨水の浸入を確実に防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る瓦葺き屋根の棟構造の概略を示す
断面図である。
【図2】瓦葺き屋根の棟構造に使用される棟葺き材の平
面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った棟葺き材の断
面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿った棟葺き材の断面図
である。
【図5】図2のV−V線に沿った棟葺き材の断面図であ
る。
【図6】図2のVI−VI線に沿った棟葺き材の断面図
である。
【図7】図2のVII−VII線に沿った棟葺き材の断
面図である。
【図8】図2のVIII−VIII線に沿った棟葺き材
の断面図である。
【図9】瓦葺き屋根の棟構造に使用される支持金具の斜
視図である。
【符号の説明】
1:冠瓦 2:棟葺き材 2A:本体部 2B:封止部 2C:嵌合溝 2D:瓦支持部 2E:換気穴 2F:凹部 2G:邪魔板 2H:突堤 2J:梁部 2K:突壁 2L:導風突条 2M:接続突起 2N:接続穴 3:野地板 4:空間 5:支持部材 5A:桟受部 5B:支持ベース 5C:ナット部材 5D:ねじ棒 6:小屋裏 7:棟木 8:垂木 9:防湿シート 10 :桟瓦 11 :桟木 12 :支持桟
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年4月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冠瓦の台座として棟に沿って配設される
    棟葺き材と、野地板の稜部の上方に空間を形成して前記
    棟葺き材を支持する支持部材とを備え、かつ、前記空間
    と小屋裏とを連通する換気口が野地板の稜部に設けられ
    た瓦葺き屋根の棟構造であって、前記棟葺き材は、独立
    気泡を有する硬質の発泡樹脂にて成形され且つ上面に冠
    瓦が載置される本体部と、連続気泡を有する軟質の発泡
    樹脂にて成形され且つ冠瓦の左右両側の桟瓦の上面に密
    着する左右一対の封止部とを有し、前記棟葺き材の本体
    部には、幅方向中央の瓦支持部の両側に長手方向に沿っ
    て2列に配列され且つ上下方向に貫通する複数の換気穴
    と、幅方向の左右両側部から前記各列の換気穴へ向かう
    上昇勾配の通風路を上面側にそれぞれ形成する左右の凹
    部と、左右の凹部内にそれぞれ長手方向に分断して3列
    に配列され且つ凹部から冠瓦の支持高さに突出する複数
    の邪魔板とが設けられ、前記各列の邪魔板は、前記通風
    路をジグザグ状に構成する分断構造を備え、前記各凹部
    の底には、前記各列の邪魔板にそれぞれ連続して凹部の
    底を傾斜方向に3ステージに区画する複数の突堤が形成
    され、各突堤は、凹部の傾斜方向上方へ向かって突出す
    る山形の平面形状を有していることを特徴とする瓦葺き
    屋根の棟構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009084970A (ja) * 2007-10-03 2009-04-23 Otis:Kk 棟木支持具用直立施工具
CN112922218A (zh) * 2019-12-05 2021-06-08 Vkr控股公司 防水构件之间密封垫、屋顶窗户防水装置、密封间隙方法

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