JPH1029203A - ベニヤレースにおけるバックアップロールの歩送り制御方法及びベニヤレースにおけるバックアップロール装置 - Google Patents

ベニヤレースにおけるバックアップロールの歩送り制御方法及びベニヤレースにおけるバックアップロール装置

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JPH1029203A
JPH1029203A JP9093963A JP9396397A JPH1029203A JP H1029203 A JPH1029203 A JP H1029203A JP 9093963 A JP9093963 A JP 9093963A JP 9396397 A JP9396397 A JP 9396397A JP H1029203 A JPH1029203 A JP H1029203A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切削中の原木の撓みを防止すべく原木に対し
てバックアップロール21を作用させる際に、板厚変動
の少ない良質で安定した単板厚の単板切削を可能にし、
然も、原木の撓みを防止しながら最小切削原木径に至る
まで適正な単板の切削を行って歩留りの向上を図る。 【解決手段】 バックアップロール21を原木求心方向
に所定の歩送り量Fで歩送りする際に、バックアップロ
ール21が原木1に接触する直前の制御開始切削原木径
から、予め任意に設定した補正量αを所定の歩送り量F
に加算した仮の歩送り量fで歩送りを行ない、その後、
少なくとも原木1の撓みが矯正された時点で仮の歩送り
量fを所定の歩送り量Fに変更して歩送りを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベニヤレースによ
り原木からベニヤ単板(以下、単板と称す)を切削する
方法及び切削する装置に関し、更に詳しく述べると、ス
ピンドル駆動型レース及び外周駆動型レースにおいて、
単板切削中の原木を押圧して原木の撓みを防止するバッ
クアップロールの歩送り制御方法及びその為のバックア
ップロール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ベニヤレースで原木から単板を切削する
場合、単板切削用ナイフ(以下、ナイフと称す)を備え
た鉋台を、原木の一回転に対して予め設定した単板の厚
さに相当する距離を原木の求心方向に対して連続的に搬
送(以下、歩送りと称す)を行って切削をするが、切削
が進行するのに伴って切削中の原木直径(以下、切削原
木径と称す)が小さくなると、切削抵抗等の負荷によっ
て原木に撓みが生じる。この現象は、原木の両端をスピ
ンドルで支持するスピンドル駆動型レースの他に、切削
初期にスピンドルで原木を支持し切削後期にはスピンド
ルを抜きとる外周駆動型レースでも見られる。図1は撓
んだ状態で切削された原木の剥き芯を示したもので、原
木の中央部の原木径が両端の原木径よりも大きく、全体
的に中央部が凸状となっている。この原木の撓みの程度
によっては小径となった原木が損壊したり、或いは原木
が振動することによりベニヤ単板の厚さ(以下、板厚と
称す)が不均一に切削されたり、或いは撓んだ状態で切
削されることにより単板中央部の厚みが薄く、上方に反
った不良単板となって、単板の品質や歩留りが低下して
適正な単板切削が行えなかった。
【0003】このような原木の撓みにより発生する諸問
題を解決する為に、従来より例えば図15に示すよう
に、ベニヤレースのナイフとほぼ反対の位置に、回転す
る原木1の外周に従動自在な少なくとも1本の回転ロー
ル(以下、バックアップロールと称す)を備え、該バッ
クアップロール21が原木1を押圧しながら原木1の求
心方向へ移動させるようにした種々の原木撓み防止装置
(以下、バックアップロール装置と称す)が知られてい
る。
【0004】このバックアップロールを原木に当接させ
る時期を簡単に説明する。原木の断面が非真円形状であ
ったり或いは原木の外周面に枝や瘤などが存在して凹凸
状態であったりするなど、一般的にその外形が不定形で
ある状態で、鉋台の歩送り量に対応させてバックアップ
ロールで原木を押圧することもできるが、原木の表面に
割れや樹皮があるような原木をバックアップロールが押
圧すると、原木に異常荷重が加わって原木破損の要因に
なったり、破損しないまでも原木の割れが更に広がり、
刃口で詰まったりするという問題が発生した。従って、
バックアップロールは、原木の非円柱状外周を大部分切
削し(以下、前切削と称す)原木が略円柱状になってか
ら原木に当接されることが一般的に行なわれていた。な
お、別に前切削を行った原木を搬送してくる場合もあ
る。
【0005】ところで、バックアップロール装置は、バ
ックアップロールの移動制御について大きく、強制加圧
方式と連動追従方式との2種類の装置に分類することが
できる。先ず、強制加圧方式は、バックアップロールを
油圧シリンダ、空気圧シリンダなどの駆動装置により原
木を押圧する方式の装置である。原木の撓みは、切削中
に受ける負荷と原木の材質、形状及びスピンドルの剛性
との要因によって常に変動するのに対し、強制加圧方式
のバックアップロール装置の場合は、単に原木をバック
アップロールで押圧するだけのものであるから、バック
アップロールの原木に対する押圧力が大き過ぎると原木
はナイフ側に逆に曲げられ、切削されたベニヤ単板の板
厚が設定板厚よりも厚くなって不揃いとなってしまった
り、原木の端面を保持しているスピンドルチャックと原
木の端面がずれてしまい切削が不能となる等の問題が生
じていた。反対に押圧力が小さ過ぎると、原木の撓みを
防ぐことができなかった。従って、上述した所謂強制加
圧方式のバックアップロール装置では、バックアップロ
ールが原木を単に押圧するのみであるので、原木の撓み
を正確に防止することが不確実であった。
【0006】一方、連動追従方式のバックアップロール
装置としては、送りねじなどの駆動装置により鉋台の歩
送りに対応させてバックアップロールの位置制御を行な
いながら原木を押圧する方式の装置である。この連動追
従方式を示す図15の場合は、バックアップロール21
を原木外周の所定位置、即ち原木1が撓まずに切削され
ていると仮定した場合の原木外周面に位置するように、
送りねじ25aを原木1の求心方向へ移動するよう制御
を行っている。従って、前述の強制加圧方式のバックア
ップロール装置と違い、連動追従方式の場合は、安定し
て原木を加圧することができるという特長を有してい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の連動
追従方式のバックアップロール装置においては、原木の
大部分の外周が前切削されて略円柱状になってから、バ
ックアップロールが原木へ当接された直後に以下のよう
な問題点が生じる。これらの問題点を図2乃至図4を用
いて説明する。図2は、バックアップロール21が切削
中の原木に当接する以前で、切削抵抗等の負荷によって
撓んで前切削されている状態を示す平面図及び側面断面
図である。また、図3及び図4は図2における側面断面
図の拡大図である。尚、これから使用する図面において
は、説明に必要のない部分を省略したり、図を見易くし
て理解を容易にするために図を部分的に拡大或いは縮小
して表示する。
【0008】先ず、図2において、単板4を切削中の原
木1はスピンドル6によって両端を支持されながら回転
しているが、切削抵抗等の負荷によってその外周面はバ
ックアップロール21側に押されて撓み、湾曲した形状
を成している。図2の側面図において、二点鎖線で示し
た曲線Cは、原木が撓まずに切削されていると仮定した
場合の外周面(以下、仮想外周面と称す)を表し、実線
で示した曲線C1は撓んだ状態で切削されている原木の
湾曲した外周面(以下、湾曲外周面と称す)を表してい
る。従って、湾曲外周面C1と仮想外周面Cとの差が実
際の撓み量Δとなる。
【0009】さて、この実際の撓み量Δは、切削中に受
ける負荷と原木の材質、形状及びスピンドルの剛性との
要因によって常に変動するのであるが、例えば、長さ1
mの比較的硬い南洋材原木を、板厚2.4mm、ノーズ
バーによる絞りを10%という条件で切削を行った場
合、切削原木径が800mm乃至500mmの範囲で既
に約1mmの撓みが生じた。そしてその後、バックアッ
プロールを使用しない場合は、切削の進行に伴い撓み量
Δは更に増加していった。尚、撓み量Δにはスピンドル
6の撓み量も含まれるが、その撓み量は原木に比べて小
さい。
【0010】ここで、従来の連動追従方式のバックアッ
プロール装置の問題点について図4を用いて具体的に述
べる。バックアップロール21は、仮想外周面Cに沿っ
て原木外周を押圧するように、鉋台の歩送りに対応した
歩送り量でその位置を制御されながら原木の求心方向へ
移動するよう構成されている。従って、原木1の大部分
の外周が前切削されて略円柱状になってからバックアッ
プロール21を仮想外周面Cに向けて原木外周面を押圧
するように歩送り制御すると、撓んだ状態(切削中の回
転原木中心S1)で切削されている原木1はバックアッ
プロール21により該仮想外周面Cに対応する位置まで
鉋台の歩送りに対応した歩送り量とは関係なく、図中二
点鎖線で示した外周面C2(基準回転原木中心S)の状
態にまで一挙に押し込まれ、撓み量Δだけ厚く製品には
ならない単板が切削されてしまう(以下、撓み排除切削
と称す)。その後は、鉋台の歩送りに対応した歩送り量
でバックアップロールが移動され適正厚さの単板の切削
が継続されていく(以下、本切削と称す)。そこで、撓
み排除切削された板厚不良部分を本切削の部分から切り
離す手間が生じる。
【0011】また、撓み排除切削でバックアップロール
21が原木を一挙に押し込むことにより、切削中の原木
に異常荷重が加わり、原木の状態によっては原木が部分
的に損壊して歩留りが低下する状態を招き、単板から損
壊部分を切断する手間が生じる場合や、或いは切削の継
続ができないという状態を招き、ベニヤレースを連続運
転できない場合があった。
【0012】この発明の目的は、前切削済みの原木に対
してバックアップロールを作用させる際に、例え前切削
中の原木に撓み量Δが発生していても、バックアップロ
ールを原木に当接した際に板厚変動の少ない良質で安定
した単板厚の単板切削を可能にし、また、原木の損壊の
発生を防止し、然も、原木の撓みを防止しながら切削を
終了する最小切削原木径に至るまで適正な単板の切削を
行って歩留りの向上を図る為のバックアップロールの制
御方法及びバックアップロール装置を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の手段として、ベニヤレースで原木からベニヤ単
板を切削する際に発生する原木の撓みを防止するための
少なくとも1本以上のバックアップロールを備え、該バ
ックアップロールをベニヤ単板切削中の原木求心方向に
歩送りする原木バックアップロール装置において、該バ
ックアップロールが原木に接触する直前における切削原
木径を制御開始切削原木径Φとして、該制御開始切削原
木径Φから、予め任意に設定した補正量αを所定の歩送
り量Fに加算した仮の歩送り量fで歩送りを行ない、そ
の後、遅くとも原木の撓みが矯正された時点で仮の歩送
り量fを所定の歩送り量Fに変更して歩送りを行うこと
により、切削中に発生した原木の撓みを矯正しつつベニ
ヤ単板を切削するベニヤレースにおけるバックアップロ
ールの歩送り制御方法である。第2に、第1手段の遅く
とも原木の撓みが矯正された時点で所定の歩送り量Fに
変更する前記仮の歩送り量fでの歩送りを、前記バック
アップロールが予め任意に設定した制御終了切削原木径
φに至る時点で中断し、所定の歩送り量Fに変更して歩
送りするものである。第3に、第1手段の前記補正量α
を、前記制御開始切削原木径から予め任意に設定した回
転数Nだけ原木を回転させて制御終了切削原木径φに至
るまでの該回転数Nと、予め切削中の原木の撓み量を想
定して設定した撓み量δとに基づいて補正量α=δ/N
として求めるとともに、遅くとも原木の撓みが矯正され
た時点で仮の歩送り量fを所定の歩送り量Fに変更する
前記仮の歩送り量fでの歩送りを、原木がN回転して該
制御終了切削原木径φに至った時点で中断し、所定の歩
送り量Fに変更して歩送りするものである。また、第4
の手段としてベニヤレースで原木からベニヤ単板を切削
する際に発生する原木の撓みを防止するための少なくと
も1本以上のバックアップロールを備え、該バックアッ
プロールをベニヤ単板切削中の原木求心方向に歩送りす
る原木バックアップロール装置において、先ず、該バッ
クアップロールを原木に当接させ、当接した時点のバッ
クアップロールの位置と切削原木径とから切削中の原木
撓み量Δを測定し、該原木撓み量Δを測定した時の切削
原木径を制御開始切削原木径Φとして、該原木撓み量Δ
と該制御開始切削原木径Φと予め任意に設定した制御終
了切削原木径φとベニヤ単板の板厚Tに基づいて補正量
α=2ΔT/(Φ―φ)を求めるとともに、該制御開始
切削原木径Φから遅くとも原木の撓みが矯正される時点
まで、該補正量αを所定の歩送り量Fに加算した仮の歩
送り量fで歩送りを行ない該原木の撓み量Δを矯正する
一方、遅くとも原木の撓みが矯正される前に、該制御終
了切削原木径に至った時点で仮の歩送り量fによる送り
を中断し、所定の歩送り量Fに変更して歩送りするもの
である。第5に、第4手段の前記補正量αを、前記制御
開始切削原木径Φから予め任意に設定した回転数Nだけ
原木を回転させて制御終了切削原木径φに至るまでの該
回転数Nと、前記原木撓み量Δとに基づいて補正量α=
Δ/Nとして求めるとともに、遅くとも原木の撓みが矯
正された時点で所定の歩送り量Fに変更する前記仮の歩
送り量fでの歩送りを、原木がN回転して制御終了切削
原木径φに至った時点で中断し、所定の歩送り量Fに変
更して歩送りするものである。
【0014】更に、第6手段として、ベニヤレースで原
木からベニヤ単板を切削する際に発生する原木の撓みを
防止するための少なくとも1本以上のバックアップロー
ルと、該バックアップロールをベニヤ単板切削中の原木
求心方向に歩送りする制御装置を備える原木バックアッ
プロール装置において、前記制御装置に、該バックアッ
プロールが原木に接触する直前における切削原木径を制
御開始切削原木径として、該制御開始切削原木径から、
予め任意に設定した補正量αを所定の歩送り量Fに加算
した仮の歩送り量fで歩送りを行ない、その後、遅くと
も原木の撓みが矯正された時点で仮の歩送り量fを所定
の歩送り量Fに変更して歩送りを行う補正制御部を設け
ることにより、切削中に発生した原木の撓みを矯正する
ベニヤレースにおけるバックアップロール装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】図5を使って本発明の実施の形態
を説明する。本発明のベニヤレースにおけるバックアッ
プロール歩送り制御方法は、少なくとも1本以上のバッ
クアップロールを原木の求心方向に対して、鉋台の歩送
りに対応した歩送り量で歩送りして原木の撓みを防止す
るものであるが、その際、撓みながら切削される原木に
対してバックアップロールを正規の位置である仮想外周
面Cに対応する位置に沿って原木の求心方向へ歩送りす
るのではなく、バックアップロールが原木に接触する直
前の位置における切削原木径を制御開始切削原木径と
し、その制御開始切削原木径から、板厚Tのベニヤ単板
を切削する為の所定の歩送り量Fに予め任意に設定した
補正量αを加算した歩送り量f(以下、仮の歩送り量f
と称す)でバックアップロールを歩送りして、切削され
る板厚を所定の板厚Tよりも補正量αだけ厚く切削する
ことにより、原木の撓みを徐々に矯正しつつ切削を行う
というものである。
【0016】尚、バックアップロールの歩送り制御開始
切削原木径は、切削作業効率及び単板歩留りの面からも
原木に可及的に接近した位置が望ましく、その為、作業
者はバックアップロールを手動操作により原木外周面の
できるだけ近くまで移動させた後、仮の歩送り量fで歩
送り制御を行う。
【0017】また、原木の撓み量δを予め想定して、後
述する制御装置41に該撓み量δを入力しておけば、バ
ックアップロールを湾曲外周面C1に当接しない位置ま
で自動的に搬送した後、制御装置41により仮の歩送り
量fで歩送り制御することもできる。
【0018】さて、図5を用いて更に詳しく述べる。バ
ックアップロール21が原木外周面を押圧しながら仮想
外周面Cの位置まで搬送されると、撓み量Δだけ厚い単
板が切削されてしまうことは既に述べた。また、バック
アップロール21を制御開始切削原木径から所定の歩送
り量Fで歩送りすると、ナイフ15も同じ歩送り量Fで
歩出し制御されているので、原木1とバックアップロー
ル21との間に生じている隙間Hは縮まることがないの
で、原木の撓みを防止することはできない。
【0019】そこで、本発明では、所定の歩送り量Fに
予め任意に設定した補正量αを加算した仮の歩送り量f
でバックアップロール21の歩送りを行うことにより、
隙間Hは徐々に小さくなり、更に切削が進行するに伴っ
て隙間Hは無くなり、その後は原木の撓みを徐々に矯正
しながらバックアップロール21の歩送りを行うことが
できるというものである。この為、切削された単板の板
厚Tは補正量α分だけ厚く切削されることになるが、こ
の補正量αを後の工程及び製品にした段階でほとんど影
響の無い範囲に収まるように設定することにより、原木
の撓みを徐々に矯正しつつ原木の撓みを防止することが
できるというものである。そして、遅くとも原木の撓み
が矯正されたと判断できる時点、つまり、バックアップ
ロール21の位置が鉋台の位置に対応する仮想外周面C
3に到達或いはほぼ到達した時点で、仮の歩送り量fを
所定の歩送り量Fに変更して歩送りを行うものである。
【0020】また他の実施の形態としては、バックアッ
プロール21を仮の歩送り量fで歩送りする範囲を、前
記制御開始切削原木径から予め任意に設定した制御終了
切削原木径φに至るまでの間で行ってもよい。これは、
例えば、原木を支持するスピンドルの構造がダブルスピ
ンドルに代表されるような多重構造で構成されている場
合などにおいて実施される。
【0021】即ち、制御終了切削原木径φを、例えば大
スピンドル径より多少大きめに設定することにより、原
木から大スピンドルを抜きとる前までの段階で原木の撓
みを矯正するようにバックアップロールの歩出しを制御
することができる。従って小スピンドルで切削する時点
においては、既に原木の撓みが矯正されバックアップロ
ールと鉋台とにより両側から押圧されているので、切削
原木径が小さくなって更に撓み易い条件となっても、バ
ックアップロールは鉋台の歩送りと同じ所定の歩送り量
Fで原木を押圧するから、確実に原木の撓みを防止する
ことができるのである。なおこの場合も、設定した制御
終了切削原木径φに至るか、原木の撓みが遅くとも矯正
されたと判断できる時点に至った時は、仮の歩送り量f
を所定の歩送り量Fに変更して歩送りを行うように制御
するものである。
【0022】更にまた他の実施の形態としては、バック
アップロールを仮の歩送り量fで歩送り制御する範囲
を、前記制御開始切削原木径から原木がN回転した後の
制御終了切削原木径に至るまでの間で行うこともでき
る。この歩送り制御範囲においては、予め切削中の原木
の撓み量を想定して設定した撓み量δを基づいて、原木
がN回転する間に該撓み量δを矯正するよう演算により
求めた補正量α=δ/Nを所定の歩送り量Fに加算した
仮の歩送り量fで歩送り制御を行なうというものであ
る。そしてその後、原木がN回転した後又は原木がN回
転する以前であっても、遅くとも原木の撓みが矯正され
た時点で仮の歩送り量fを所定の歩送り量Fに変更して
所定の歩送り制御を行うというものである。
【0023】さて、今まで述べた実施の形態において
は、予め原木の撓み量δを想定した上でバックアップロ
ール21の歩送り制御を行なうというものであったが、
以下のように、原木の撓みを測定して得られた実際の撓
み量Δに基づいて歩送り制御を行うこともできる。
【0024】ここで実際の撓み量Δの測定方法に関して
述べる。先ず、バックアップロール21を原木の求心方
向に対して搬送して切削中の原木1と接触させる。そし
て、接触した時点におけるバックアップロールの位置を
検出する。即ち、バックアップロール21は湾曲外周面
C1の原木径を検出したことになるので、その時点にお
ける仮想外周面Cの原木径との差を演算することにより
実際の撓み量Δを求めることができる。
【0025】このようにして実測された原木1の撓み量
Δに基づいて、原木の撓み量Δを実測した時点における
切削原木径を制御開始切削原木径Φとして、この制御開
始切削原木径Φから予め設定した制御終了切削原木径φ
に至るまでの間で原木の撓み量Δを矯正すべく、原木の
撓み量Δ、制御開始切削原木径Φ、制御終了切削原木径
φ及び単板の板厚Tそれぞれの値に基づいて演算により
求めた補正量α=2ΔT/(Φ―φ)を所定のバックア
ップロール歩送り量Fに加算した仮の歩送り量fで歩送
り制御を行うものである。そして、その後、該制御終了
切削原木径φに至るか又は遅くとも原木の撓みがなくな
った時点で、仮の歩送り量fを所定の歩送り量Fに変更
して歩送り制御を行うこともできる。
【0026】また、バックアップロールを仮の歩送り量
fで歩送り制御する範囲を、前記制御開始切削原木径Φ
から原木がN回転するまでの間で行ってもよい。そして
この歩送り制御範囲においては、該制御開始切削原木径
Φから原木がN回転する間に原木の撓み量Δを矯正する
よう演算により求めた補正量α=Δ/Nを所定の歩送り
量Fに加算した仮の歩送り量fで歩送り制御するという
ものである。そして、原木がN回転した後又は遅くとも
原木の撓みがなくなった時点で、仮の歩送り量fを所定
の歩送り量Fに変更して歩送り制御を行うのである。
【0027】
【実施例】以下、本発明を、その実施例を示す図面に基
づいて詳しく説明する。図6乃至図8は本発明の代表的
な3つの実施例を説明する為の側面説明図である。以下
の3つの実施例は、周知の外周駆動型ベニヤレースにお
けるものであり、その基本的な構成に関しては同一であ
る。
【0028】(第1実施例)図6は本発明の第1実施例
を説明する為のベニヤレースの側面図であって、1は、
単板4を切削する為の原木である。原木1はスピンドル
6で支持されている。尚,スピンドル6は大小のスピン
ドル,所謂ダブルスピンドル構造で構成されているので
(図示せず),原木径が大きい場合には大スピンドルで
支持し,原木径が小径に至ると大スピンドルを原木から
抜きとって小スピンドルのみで切削を行っている。
【0029】3は、外周に多数の突刺体3bを有する適
数個の原木駆動用部材であって駆動軸3aの軸芯方向に
適宜間隔毎に具備して成る円柱状の外周駆動ロールであ
る。駆動軸3aは、刃口昇降台11に備える三相誘導電
動機等から成る定速駆動の外周駆動モータ2から切削に
必要な動力の供給を受ける。また、駆動軸3aは、外周
駆動ロール3の上方に位置する揺動支点7で支持される
揺動アーム5に備えられているので、揺動支点7を中心
として外周駆動ロール3は揺動可能に構成されている。
従って、外周駆動ロール3は、油圧シリンダー等から成
る加圧部材9の作用により絶えず原木1側へ押圧されて
いるので、単板切削の進行に伴って原木直径が小さくな
っても、押圧作用により外周駆動ロール3に備えた突刺
体3bは、ナイフ15の刃先直前の原木外周部に追従し
て突刺すべくその位置を変化させることができるので、
切削に必要な駆動力を与えることができる。
【0030】ナイフ15は、ナイフ押え15aにより刃
物台17に固定されている。ノーズバー13は、外周駆
動ロール3の適宜間隔内に位置する複数個の押圧部材で
あって、その下端はナイフ15の刃先より単板が搬送さ
れる方向の上手の位置にあり単板4との境界付近の原木
表面を押圧することによって、単板切削時に生じる単板
の裏割れを防止するための部材である。
【0031】鉋台送り装置18は、ボールねじ等から成
る鉋台送りねじ18a、サーボモータ等から成る鉋台送
りねじ用モータ18b、ロータリエンコーダ等から成る
鉋台変位検出器18cを用いて構成した装置であって、
後述の制御装置41により鉋台送りねじ用モータ18b
の動作は制御されており、鉋台摺動面19上に載置され
た鉋台20を任意の早送り速さを以って移動させること
ができるので、所定の板厚の単板の切削が行える。尚、
刃口昇降台11は検査・保守のため刃口昇降シリンダ
(図示せず)により刃口部分が上方に開くように構成さ
れている。
【0032】次に、21は、軸受箱21aを介して支持
枠23に備えた遊転可能な分割状或いは一体のバックア
ップロールであって、該バックアップロール21の回転
中心は原木1の回転中心と同一或いはほぼ同一水平面内
にあり、該原木1の回転中心を挟んで前記外周駆動ロー
ル3と略対向する位置に備えられ、原木外周部へ当接し
て、主として切削中に於ける原木1の水平方向の撓みを
阻止するものである。21cはロータリエンコーダ等か
ら成るバックアップロール回転角検出器であって、該原
木1に接触することにより該バックアップロール21が
回転を始めるのを検出して後述の制御装置41へ出力す
る。支持枠23はバックアップロール摺動面27に連結
され、バックアップロール送り装置25により水平方向
に往復移動することができる。
【0033】バックアップロール送り装置25は、一端
を軸受箱(図示せず)を介して支持枠23に接続するボ
ールねじ等から成るバックアップロール送りねじ25
a、サーボモータ等から成るバックアップロール送りね
じ用モータ25b、ロータリエンコーダ等から成るバッ
クアップロール変位検出器25c等を用いて構成され、
バックアップロール21は、切削の進行に伴って減少す
る原木の直径に追従或いは強制加圧して原木外周面に当
接するように後述の制御装置41により送り量が制御さ
れている。また、バックアップロール送り装置25は、
任意の早送り速さを以ってバックアップロール21を自
在に往復移動させることができる。
【0034】さて、制御装置41は前記各モータ類2、
18b、25bの作動を制御する為の制御機構であっ
て、大きくは、前記夫々の変位検出器18c、21c、
25cからの出力信号及び単板厚設定値Tなどを入力信
号とし、予め作動プログラムを設定したコンピュータに
より制御を行う制御部41aと、各変位検出器18c、
21c、25cから該制御部41aが得た各出力信号に
基づき各モータ類2、18b、25bを駆動させる駆動
部41bと、板厚Tと補正値αから仮の歩送り量fを演
算して前記制御部41aの制御を補正する補正制御部4
1c等から成る。
【0035】また、制御装置41は、切削準備中或は切
削完了後等に於ては手動若しくは半自動にて各モータ類
を個別に制御することも可能とするが、単板切削時には
夫々を関連づけて以下のように制御するプログラムが記
憶されている。即ち、当初、外形が非円柱状の不定形で
ある原木1をスピンドル6で支持して空転させながら鉋
台20を鉋台送り装置18によって原木1の近傍へ接近
させる際は、スピンドル駆動モータ(図示せず)の回転
速度及び鉋台送り装置18の早送り速さを、手動若しく
は半自動にて任意に制御して差支えないが、遅くとも原
木とナイフ15が当接する直前の時点に於ては、スピン
ドルの回転速度を外周駆動ロール3の原木駆動速度に同
調又は追従するよう制御し、併せて鉋台送り装置18の
歩送り量をスピンドル回転角検出器(図示せず)によっ
て計測されるスピンドルの回転数に対応して追従するよ
うプログラムに従って制御される。
【0036】また、自動運転に於いては鉋台20の歩送
りに同調してバックアップロール21の歩送りも行なわ
れるように制御されるのであるが、必要に応じてバック
アップロール21の歩送り切り換えスイッチ(図示せ
ず)を手動にしておけば、鉋台のみ歩送りを行なうこと
ができる。これは、原木の表面に割れや樹皮があるよう
な場合、これらがバックアップロールに当接して原木に
異常荷重が加わり原木破損の要因になったり、破損しな
いまでも割れが更に広がり、刃口で詰まったりするのを
防止するためである。従って、切削が進行して原木が略
円柱状になれば、切削の途中であっても、バックアップ
ロール21の歩送り切り換えスイッチを自動にすると、
制御装置41により制御された位置に移動した後、必要
に応じた歩送り量で歩送り制御することができる。
【0037】さて、ここでバックアップロールの歩送り
制御方法について、図10に示したフローチャートに基
づいて具体的に説明する。なお、これらの制御方法は、
ベニヤレースの作動プログラムとしてコンピューターの
記録媒体(磁気ディスク又はCD−ROM等)に書き込
まれ、この記憶媒体から制御部41aに適宜読み込んで
予め設定する場合や、この記憶媒体がベニヤレース内に
固設され予め設けられた場合等がある。尚、第1実施例
以下に於いては、切削前の最大原木径が600mmの原
木を使用し、その原木から板厚2.50mmの単板を切
削中に原木に1mmの撓みが生じることとし、その生じ
た撓みを矯正する為に補正量αを0.05mmに設定し
て仮の歩送り量で制御を行う場合を例として説明する。
【0038】先ず、単板の切削を開始する前に、制御部
41aに板厚Tとして2.50mm、バックアップロー
ル21の仮の歩送量fを算出するための補正量αとして
0.05mmを、予め入力して設定する(stp.11)。
また、前工程である原木チャージャ(図示せず)におい
て原木の芯出しを行なう際に計測された最大原木径とし
て600mmの値が制御部41aに入力される(stp.1
3)。
【0039】次いで、該入力された最大原木径の値に基
づいて、鉋台20及びバックアップロール21は、原木
のベニヤレースへの搬入とスピンドル6による原木の保
持が可能となる位置まで移動して待機し(stp.15、バ
ックアップロールをBRと略す)、その後、原木が搬入
されてスピンドル6により保持される(stp.17)。
尚、この待機位置を最大原木径と比べて大きく取り過ぎ
ると、単板切削に至るまでの空転時間が増えて可動効率
が低下するので、回動する原木に接触しないように最大
原木径に若干の余裕を持たせた程度の位置まで移動させ
る。
【0040】上述のステップまでは鉋台20及びバック
アップロール21を自動運転で行なう事もできるが、次
の切削開始(stp.19)のステップは、作業者が安全を
確認した後、手動により切削開始のスイッチ等(図示せ
ず)を操作して切削を開始するのが望ましい。また、バ
ックアップロールの待機位置が原木外周面から離れ過ぎ
ている原木では、個別に手動操作にて更に原木に近づけ
ることもできる。そして、撓み排除切削が開始してから
次の原木が搬入されるまでの流れは、鉋台20及びバッ
クアップロール21の自動運転が可能である。
【0041】さて、切削開始のスイッチが押されると、
切削原木径とバックアップロール21の位置は、鉋台の
変位検出器18c及びバックアップロール変位検出器2
1cにより随時作動状況として入力される(stp.2
1)。また、スピンドルの回転速度信号も、スピンドル
回転角検出器(図示せず)から随時作動状況として同時
に入力される(stp.21、スピンドルをSPと略す)。
【0042】そして、板厚T、スピンドルの回転速度信
号及び切削原木径信号それぞれの入力値から所定の鉋台
の歩出し量Fが演算され(stp.23)、その演算された
歩出し量Fで鉋台の歩送りが開始され(stp.25)前切
削される。尚、鉋台の歩送りがstp.25で開始されて
も、前切削ではバックアップロール21を手動運転に切
り換えてあるのでバックアップロールの歩送りは開始さ
れない。
【0043】続いて、原木1の外周が略円柱状に旋削さ
れたならば、バックアップロール21を自動運転に切り
換えて、以下のように歩送り制御を行なう。先ず、バッ
クアップロール送り装置25は、バックアップロール2
1を待機位置から湾曲外周面C1に当接する直前の位
置、本実施例の場合、仮想外周面Cの位置よりも+2m
m外側に設定されている位置まで、鉋台とは関係なく任
意速さを以って自動的に搬送される。尚、このバックア
ップロールが原木に接触する直前における切削原木径が
制御開始切削原木径となる(stp.31)。この+2mm
は、1mmに想定した原木の撓み量に、若干の余裕を持
たせる1mmを合算した値である。尚、この数値は作業
員の目視により原木の状態に合わせて任意に変更して設
定することができる。従って、原木の実際の撓み量Δが
2mm以内であれば、バックアップロールを自動的に+
2mm外側の位置まで搬送しても原木に当たることはな
い。
【0044】次いで、前記制御開始切削原木径からは、
stp.23において板厚Tとスピンドルの回転信号と切削
原木径の入力値とから求めた歩送り量Fに、stp.11に
おいて設定してある補正値αを加算することにより仮の
歩送り量fを求め(stp.32)、その仮の歩送り量fで
バックアップロールは歩送り制御されるのである(stp.
33)。
【0045】ここで原木の撓みが矯正される過程につい
て説明する。図9は、撓み排除切削時の原木の撓み状態
を示す側面図である。原木1は撓み量Δを生じた状態で
前切削が終了し、撓み排除切削は、まず、前切削の原木
径に対応する仮想外周面Cから2mm隔てた制御開始切
削原木径にバックアップロール21は搬送制御されてい
る。次に、原木1に二点鎖線で描いた曲線C3は、切削
の進行に伴い撓み量Δが矯正されて0mmになった時点
における仮想外周面を表している。従って、原木の撓み
が矯正されたこの時点においては、仮想外周面Cと湾曲
外周面C1とは一致することになる。
【0046】さて、切削中の原木の湾曲外周面C1を仮
想外周面C3と一致させるには、先ず、ナイフ15を備
えた鉋台20は原木1回転当たり板厚Tmmの速度(歩
送り量F)で原木求心方向に距離Lだけ移動すればよい
のに対し、バックアップロール21の方は、前記鉋台2
0の移動距離Lにバックアップロール21と仮想外周面
Cとの間隔2mmを加算して求めた移動距離L1だけ原
木の求心方向に向かって移動するよう制御しなければな
らない。
【0047】そこで、本実施例において板厚Tは2.5
0mm、補正量αは0.05mmに設定してあるので、
原木1回転当たり2.50mmの歩送り量Fに0.05
mmを加算した仮の歩送り量f、原木1回転当たり2.
55mmでバックアップロールの歩送り制御を行うとい
うものである。バックアップロール21は上記仮想外周
面Cから2mm隔てた位置にあるので、上記仮の歩送り
量fで制御を行った場合は、この2mmを0.05mm
で除した値である40、即ち原木が40回転する間に1
回転当たり0.05mmの割合で徐々にこの2mmの隙
間は減少し、原木が40回転した時点で、バックアップ
ロール21は仮想外周面C3に到達することになる。従
って、原木の撓み量Δが1mmの場合、湾曲外周面C1
とバックアップロール21との隙間は1mmとなるの
で、この間は、仮の歩送り量fで移動してもバックアッ
プロールは湾曲外周面C1に当接することはなく原木は
20回転し、当接後原木が残り20回転し切削が進行す
るのに伴って、上述したように徐々に撓みを矯正するこ
とになる。
【0048】尚、上述の仮の歩送り量fは、バックアッ
プロール21の回転中心がスピンドル中心と同一水平面
にある場合であり、バックアップロール21の位置がこ
れより上下している場合には、同一水平面にある場合と
の位置の違いを演算により補正した歩送り量で歩送り制
御する必要がある。
【0049】さて、単板切削中においては、切削原木径
及びバックアップロール21の位置は連続的に検出され
ているため、この検出信号に基づいて切削中の原木の実
際の撓み量Δを連続的に求めることができる。即ち、実
際のバックアップロールの位置と仮想外周面Cとの位置
を比較演算して差を求めれば、この差を実際の撓み量Δ
と判断して差し支えない。尚、実際にはバックアップロ
ールが原木を押圧すると原木外周面に変形が生じるの
で、比較演算する際にその変形量を考慮して演算するこ
ともできる。
【0050】そして、切削が進行しバックアップロール
21が仮想外周面C3に到達したと検出された場合、原
木の撓みが矯正されたと判断され(stp.35)、仮の歩
送り量fを変更し歩送り量Fでバックアップロールの歩
送り制御が行なわれ(stp.41)、設定値厚さ2.50
mmの単板が本切削される。従って、原木に撓みのない
状態を持続しながら継続して単板切削を行うことができ
る。そして、最小切削原木径に至って切削終了径が検出
されると、鉋台とバックアップロールの歩送り制御が終
了する(stp.27)。
【0051】上記において原木の撓みがまだ残っている
と判断された状態で(stp.35)、原木の切削終了径が
検出されていなければ(stp.28)、更に仮の歩送り量
fで移動するようにバックアップロール21は制御され
続ける。また仮の歩送り量fでバックアップロール21
は移動させられ続けている状態、即ち原木の撓みがまだ
残っていると判断されている状態で(stp.35)、原木
の切削終了径が検出されれば(stp.28)バックアップ
ロール21は歩送り量Fで移動するように制御される段
階(stp.41)を経過することなく原木の切削が終了さ
れる。この為、切削の進行に伴って徐々に原木の撓みは
矯正され、従来は撓み排除切削で廃棄された原木部分も
板厚変動が少なく良質で安定した単板厚を有した単板と
して切削が行える。また切削終了までに原木の撓みが全
て矯正されなくても、バックアップロール21が原木外
周面に押圧される前に有していた原木の撓みが、押圧さ
れた時に一挙に矯正されないため、前述の従来技術の問
題点が解決されるのである。
【0052】(第2実施例)次に、本発明の第2実施例
を図7に基づいて説明する。尚、前記第1実施例と同じ
構成或いは作用等に関してはその説明を省略する。
【0053】図7において、51は軸受箱51aを介し
て支持枠53に備えた遊転可能な分割状の垂直バックア
ップロールであって、原木1の回転中心のほぼ鉛直方向
下手位置に備え、原木外周部へ当接して主として切削中
に於ける原木1の垂直方向の撓みを阻止するものであ
る。支持枠53は、バックアップロール21の支持枠2
3に揺動支点53aを介して回動自在に連結されてい
る。また、支持枠53は垂直バックアップロール昇降装
置55に連結し、該垂直バックアップロール51は原木
1の回転中心に向かって略垂直方向に往復回動すること
ができる。
【0054】垂直バックアップロール昇降装置55は、
サーボモータ等から成る垂直バックアップロール昇降用
モータ55a、ロータリエンコーダ等から成る垂直バッ
クアップロール変位検出器55b、垂直バックアップロ
ール昇降用モータ55aからの動力を受ける垂直バック
アップロール昇降用減速機55c、該減速機55cの出
力軸に備えた揺動アーム55d、緩衝部材55e、連結
部材55f、連結支点55g等から構成されている。
【0055】圧縮ばねから成る緩衝部材55eの目的
は、切削中に原木1と垂直バックアップロール51との
間に原木の破片などが入り込むことによって過負荷が発
生した時に、該過負荷を緩衝部材によって吸収すること
により、垂直バックアップロール昇降装置55などの破
損や垂直バックアップロール51の位置の狂いなどを防
止することである。
【0056】制御装置61は、前記第1実施例における
制御装置41と同様に、前記各モータ類の作動を制御す
る為の制御機構であって、大きくは、前記夫々の検出器
からの出力信号、単板厚設定値T、補正値α及び任意に
設定した切削原木径φ等を入力信号とし、予め設定して
なる作動プログラムによりコンピュータ制御を行う制御
部61aと、各モータ類を該制御部からの出力信号に基
づき駆動する駆動部61bと、板厚Tと補正値αから仮
の歩送り量fを演算して前記制御部61aの制御を補正
する補正制御部61c等から成る。制御装置61は、切
削準備中或は切削完了後等に於ては、手動若しくは半自
動にて各モータ類を個別に制御することも可能とする
が、単板切削時には夫々を関連づけて制御する。
【0057】ここで、本実施例のバックアップロールの
歩送り制御方法について、図11に示したフローチャー
トに基づいて前記第1実施例と比較して具体的に説明す
る。先ず、前記第1実施例では、切削の進行に伴って原
木の実際の撓み量Δが徐々に矯正され、その後、バック
アップロール21の位置が鉋台の位置に対応する仮想外
周面C3にほぼ到達した時点で原木の撓みが矯正された
と判断されると(stp.35)、仮の歩送り量fを所定の
歩送り量Fに変更した歩送り量でバックアップロールの
歩送り制御を行っているのであるが、本第2実施例にお
いては、原木の撓みが矯正されたと判断される以前であ
っても、予め任意に設定した制御終了切削原木径φに至
ることがある。そのように予め任意に設定した制御終了
切削原木径φに至った時には(stp.37)大スピンドル
を小スピンドルの支持のために抜きとり、仮の歩送り量
fを中断し所定の歩送り量Fでバックアップロールの歩
送り制御を行い(stp.41)、本切削を行うものであ
る。
【0058】この為、仮の歩送り量fによるバックアッ
プロールの歩送り制御を、任意に設定した制御終了切削
原木径φに至るまでの間で終了することができるから、
ダブルスピンドルの小スピンドルで支持する時には原木
の撓みが矯正されており、原木の損壊によるベニヤレー
スの中断が発生しにくくなる。
【0059】(第3実施例)次に、本発明の第3実施例
を図8に基づいて説明する。尚、前記第1実施例及び第
2実施例と同じ構成或いは作用等に関してはその説明を
省略する。第3実施例は、略水平方向に移動するディス
クロール並びに斜め方向に移動する上部バックアップロ
ール及び下部バックアップロールを備えている。そし
て、これらのバックアップロールにより原木の撓み防止
制御を行っている。
【0060】図8において、71は、取り付け軸方向に
分割された薄い円盤状の適数個のディスクロールであっ
て、駆動軸71aの軸芯方向に適宜間隔毎に具備して成
る補助的原木駆動部材である。該ディスクロール71
は、前述の外周駆動ロール3と違いその外周に突刺体を
有していないが、単板切削に必要な動力を原木表面から
補助的に供給すると共に、切削された単板の刃口部分で
の詰まり現象を軽減して排出を円滑に行う上で有効であ
る。
【0061】駆動軸71aは、刃口昇降台11上に備え
るサーボモータ等から成る外周駆動モータ72より切削
に必要な動力の補助的な供給を受ける。この駆動軸71
aは、軸受箱71bを介して支持枠73に備え、該支持
枠73はディスクロール摺動面77に連結され、ディス
クロール変位装置75により自在に往復移動することが
できる。この為、切削の進行に伴って切削原木直径が減
少しても、ディスクロール71をその変化に追従させて
原木1の表面を所望状態に押圧できるので、単板切削に
必要な動力を原木表面から補助的に供給することができ
る。
【0062】ディスクロール変位装置75は、一端を軸
受箱(図示せず)を介して支持枠73に接続するボール
ねじ等から成るディスクロール変位ねじ75a、サーボ
モータ等から成るディスクロール変位ねじ用モータ75
b、ロータリエンコーダ等から成るディスクロール変位
検出器75c等を用いて構成されており、後述の制御装
置101によりディスクロール変位ねじ用モータ75b
の動作は制御され、ディスクロール71は切削の進行に
伴って減少する切削原木径に追従して原木表面に当接す
るように所定の送り量に制御される。
【0063】81は、軸受箱81bを介して支持枠83
に備えた、外周に多数の突刺体81aを有するとともに
軸方向に分割形成された上部バックアップロールであっ
て、原木1の回転中心より上方で、該原木1の回転中心
を挟んで前記ディスクロール71と対向する位置に備え
られている。そして、サーボモータ等から成る上部バッ
クアップロール駆動モータ81cから動力の供給を受け
て、原木1の外周に当接して切削に必要な回転駆動力を
供給すると共に、切削中の原木1の撓みを阻止するもの
である。また、支持枠83は上部バックアップロール摺
動面87に連結され、上部バックアップロール送り装置
85により傾斜方向に往復移動することができる。
【0064】上部バックアップロール送り装置85は、
一端を軸受箱(図示せず)を介して支持枠83に接続す
るボールねじ等から成る上部バックアップロール送りね
じ85a、サーボモータ等から成る上部バックアップロ
ール送りねじ用モータ85b、ロータリエンコーダ等か
ら成る上部バックアップロール変位検出器85c等を用
いて構成され、後述の制御装置101により上部バック
アップロール送りねじ用モータ85bの動作は制御さ
れ、切削の進行に伴って減少する原木1の直径に追従し
て原木表面に上部バックアップロール81が当接するよ
うに所定の送り量で歩送り制御される。また、上部バッ
クアップロール送り装置85は、任意の早送り速さを以
って上部バックアップロール81を自在に往復移動させ
ることができる。
【0065】91は、軸受箱91bを介して支持枠93
に備えるとともに軸方向に分割形成された下部バックア
ップロールであって、原木1の回転中心より下方向で上
部押圧ロール81の直下位置または略直下位置に備え、
サーボモータ等から成る下部バックアップロール駆動モ
ータ91cから動力の供給を受けて、原木1の外周に当
接して切削に必要な回転駆動力を補助的に供給すると共
に、切削中に於ける原木1の撓みを阻止するものであ
る。91dはロータリエンコーダ等から成る下部バック
アップロール91の回転角検出器であって、実質的に原
木1の回転角を計測して制御装置101へ出力し、鉋台
送り装置18の歩送り量を原木1の回転数に対応して追
従するよう制御する。支持枠93は下部バックアップロ
ール摺動面97に連結され、下部バックアップロール送
り装置95により傾斜方向に往復移動することができ
る。
【0066】下部バックアップロール送り装置95は、
一端を軸受箱(図示せず)を介して支持枠93に接続す
るボールねじ等から成る下部バックアップロール送りね
じ95a、サーボモータ等から成る下部バックアップロ
ール送りねじ用モータ95b、ロータリエンコーダ等か
ら成る下部バックアップロール変位検出器95c等を用
いて構成され、後述の制御装置101により上部バック
アップロール送りねじ用モータ95bの動作は制御さ
れ、切削の進行に伴って減少する原木1の直径に追従し
て原木表面に下部バックアップロール91が当接するよ
うに所定の送り量で歩送り制御される。また、下部バッ
クアップロール送り装置95は、任意の早送り速さを以
って下部バックアップロール91を自在に往復移動させ
ることができる。
【0067】ところで、必要に応じては多数の突刺体8
1aの代用として上部バックアップロール81及び下部
バックアップロール91などの外周駆動部材の外周に、
溝加工・ローレット加工・ゴム被覆・研磨布紙被覆等の
摩擦係数増大処理を施すか、或は原木の硬度差等に起因
して食込み深さが変化することのない高さの小突起体を
多数突設するなどの処理を施して、原木と緊密に係合さ
せて駆動しても良い。
【0068】次に、制御装置101は、前記実施例にお
ける制御装置41、61と同様に、前記各モータ類の作
動を制御する為の制御機構であって、大きくは、前記夫
々の検出器からの出力信号、単板厚設定値T、補正値α
及び任意に設定した原木の回転数N等を入力信号とし、
予め設定してなる作動プログラムによりコンピュータ制
御を行う制御部101aと、各モータ類を該制御部から
の出力信号に基づき駆動する駆動部101bと、板厚T
と補正値αから仮の歩送り量fを演算して前記制御部1
01aの制御を補正する補正制御部101c等から成
る。制御装置101は、切削準備中或は切削完了後等に
於ては、手動若しくは半自動にて各モータ類を個別に制
御することも可能とするが、単板切削時には夫々を関連
づけて制御する。
【0069】さて、本第3実施例のバックアップロール
の歩送り制御方法について、図12に示したフローチャ
ートに基づいて説明する。本第3実施例においては、切
削の進行に伴って原木の撓みが矯正されたと判断された
時は、既に述べた第1実施例及び第2実施例と同様に、
仮の歩送り量fを所定の歩送り量Fに変更した歩送り量
でバックアップロールの歩送り制御を行うのであるが、
例え原木の撓みが矯正されたと判断される以前であって
も、バックアップロールの歩送り制御が開始されてから
後、予め任意に設定した回転数N回だけ原木が回転した
場合には(stp.39)、第2実施例と同様に仮の歩送り
量fを中断し所定の歩送り量Fでバックアップロールの
歩送り制御を行い(stp.41)、本切削を行うものであ
る。
【0070】この為、原木の撓みを矯正する為に行うバ
ックアップロールの歩送り制御を、切削する原木径の大
小に関わりなく、バックアップロールの歩送り制御が開
始されてから後、任意に設定した回転数N回だけ原木が
回転するまでの間で行うことができる。
【0071】これまで述べてきた3つの実施例は、いず
れも切削中の原木の撓み量を想定して、その想定した撓
み量δに基づいて任意に設定した補正量αを所定の歩送
り量Fに加算して求めた仮の歩送り量fでバックアップ
ロールの歩送り制御を行なうというもので、特に第3実
施例は、切削する原木径の大きさが比較的揃っているよ
うな場合撓み量も揃っており、例えば、原木径が大きい
場合には原木回転数Nを多めに設定し、逆に小径が多い
場合には原木回転数Nを少なめに予め設定するなどの変
更が容易である。これに対し、第4実施例及び第5実施
例においては、以下説明するように、切削中の原木の撓
みを測定して得られた実際の撓み量Δに基づいてバック
アップロールの歩送り制御を行い、原木径の大きさが揃
っていない場合に有効な手段である。
【0072】(第4実施例)本実施例では、第1実施例
におけるバックアップロールの歩送り制御を原木1の実
際の撓み量Δに基づいて制御を行う場合について説明す
る。従って、本実施例のベニヤレース本体の構成につい
ては図6に示した第1実施例を用いて説明し、バックア
ップロールの歩送り制御方法については、図13に示し
たフローチャートに基づいて具体的に説明する。
【0073】先ず、単板の切削を開始する前に、制御部
41aに板厚Tとして2.50mmを設定し、また、バ
ックアップロールを仮の歩送り量fで歩送り制御する際
の制御終了切削原木径φとして250mmの値を入力し
て設定する(stp.12)。該制御終了切削原木径φは、
ダブルスピンドルで原木を支持して切削する際に、大ス
ピンドルを抜いて小スピンドルのみで切削するに至るま
でに原木の撓みを矯正する制御を終了させる為に、大ス
ピンドルの直径よりも僅か大きめに設定してある。
【0074】さて、stp.13乃至stp.25を経て鉋台の
歩送りが開始され、単板の切削が始まる。この時、バッ
クアップロール21を自動運転に切り換えると、バック
アップロール21は、待機位置から任意の速さで原木求
心方向に対して搬送される(stp.30)。そして、バッ
クアップロール21が原木に当接して回転が始まると、
バックアップロール回転角検出器21から回転信号が出
力され、その回転信号は制御装置41に入力される(st
p.30a)。
【0075】次に、バックアップロールの回転信号が出
力された時点におけるバックアップロールの位置信号及
び鉋台の位置信号が、バックアップロール変位検出器2
5c及び鉋台変位検出器18cから夫々制御装置41に
入力される。そして、これら入力された信号に基づいて
原木の実際の撓み量Δの測定が行なわれる。
【0076】例えば、バックアップロールが原木に当接
して回転が始まった時点において、バックアップロール
外周面と原木との接触位置までの距離が基準スピンドル
中心Sから303mm、即ち606mmの制御開始切削
原木径Φに相当する位置にあり、一方、鉋台の位置であ
るナイフ15の刃先までの距離が同様に基準スピンドル
中心Sから300mm、即ち切削原木径が600mmで
ある場合について説明をする。尚、鉋台の位置である切
削原木径は、その時点における仮想外周面Cの直径に相
当する。
【0077】さて、バックアップロールの位置は制御開
始切削原木径Φ606mmに相当し(stp.31)、鉋台
の位置は切削原木径600mmに相当するということか
ら、原木の実際の撓み量Δ=(606mm―600m
m)/2=3mmが測定値となる(stp.30b)。そこ
で、このようにして実測された原木1の撓み量Δを、バ
ックアップロールが原木に当接して回転が始まった位置
からバックアップロールの歩送り制御終了切削原木径φ
である250mmの位置に至るまでの間で矯正する為
に、原木の撓み量Δと制御開始切削原木径Φと制御終了
切削原木径φと単板の板厚Tに基づいて補正量α=2Δ
T/(Φ―φ)を算出し(stp.30c)、求めた補正量
αを所定のバックアップロール歩送り量Fに加算して求
めた仮の歩送り量fで歩送り制御を行うものである(st
p.32)。
【0078】ここで、上述した補正量αの算出法につい
て分りやすく具体的に述べる。即ち、実際の撓み量Δ=
3mmを、制御開始切削原木径Φから制御終了切削原木
径φに至るまでの間で矯正するということは、鉋台が
(600mm―250mm)/2=175mmだけ原木
の求心方向に歩送りされる間に矯正されることを意味す
る。また、板厚Tが2.50mmであることから、鉋台
が175mm歩送りされる間に原木は175mm/2.
50mm=70回転することになる。これを式で表せ
ば、原木回転数=(Φ―φ)/2Tとなる。従って、原
木が70回転する間に実際の撓み量Δ=3mmが矯正さ
れればよいことになるので、1回転当たり3mm/70
回転≒0.04mmだけ多めにバックアップロールの歩
送りを制御すれば良いことが分かる。この0.04mm
は、製品に影響の無い範囲に収まっており補正量αに相
当する。これを式で表すと、補正量α=Δ/原木回転数
=2ΔT/(Φ―φ)となるので、バックアップロール
を、T+α≒2.54mmの仮の歩送り量fで歩送りす
れば良いことが分かる。なお、補正量αが製品に影響の
無い範囲に収まらない場合は、制御終了切削原木径φを
250mm未満に変更する必要がある。
【0079】こうして仮の歩送り量fが算出されると、
その値に基づいてバックアップロールは仮の歩送り量f
で歩送りが開始される(stp.33)。そして、切削の進
行に伴って原木の実際の撓み量Δが徐々に矯正され、そ
の後、バックアップロール21の位置が鉋台の位置に対
応する仮想外周面C3にほぼ到達し原木の撓みが矯正さ
れたと判断されると(stp.35)撓み排除切削は終了す
る。或いは、原木の撓みが矯正されたと判断される以前
であっても、予め任意に設定した切削原木径φである2
50mmに至った時には(stp.37)、仮の歩送り量f
を中断し所定の歩送り量Fに変更した歩送り量でバック
アップロールの歩送り制御を行い(stp.41)、大スピ
ンドルを抜きとり小スピンドルで切削を行うというもの
である。
【0080】この為、撓みのない原木を小スピンドルが
支持しているから、従来より精度良く原木の撓みを矯正
することができる。
【0081】(第5実施例)本実施例の制御方法につい
ては、図14に示したフローチャートに基づいて具体的
に説明する。先ず、単板の切削を開始する前に、制御部
41aに板厚Tとして2.50mmを入力して設定し、
また、後に詳しく説明するが、仮の歩送り量fによる歩
送り制御を開始してから原木がN回転した後に制御を終
了させるための原木回転数Nを入力する。本実施例では
N=30回転を入力して設定する(stp.12a)。
【0082】そして、第4実施例と同様に、stp.13乃
至stp.25を経て鉋台の歩送りが開始されて単板の前切
削が始まる。この後撓み排除切削のために、バックアッ
プロール21を自動運転に切り換えると、バックアップ
ロール21は、待機位置から任意の速さで原木求心方向
に対して搬送される(stp.30)。そして、バックアッ
プロール21が原木に当接して回転が始まると、第4実
施例と同様にバックアップロール回転角検出器21から
回転信号が出力され、その回転信号は制御装置41に入
力される(stp.30a)と共に、バックアップロールの
位置信号及び鉋台の位置信号が、バックアップロール変
位検出器25c及び鉋台変位検出器18cから夫々制御
装置41に入力される。
【0083】これら入力された信号に基づいて、stp.3
0bで原木の実際の撓み量Δが実測される。ここでは第
4実施例と同様に、バックアップロールが原木に当接し
て回転が始まった時点が606mmの制御開始切削原木
径Φに相当する位置となり(stp.31)、その時の鉋台
の位置である切削原木径が600mmであるとした場
合、実際の撓み量Δは3mmであることが分かる(stp.
31b)。
【0084】そこで、実測された原木の撓み量Δを、バ
ックアップロールが原木に当接して回転が始まった時点
から、その後原木がN回転した後の制御終了切削原木径
までの間で矯正する為に、原木の撓み量Δと原木の回転
数Nとに基づいて補正量α=Δ/Nを算出する(stp.3
1c)。そして、求めた補正量αを所定のバックアップ
ロール歩送り量Fに加算することにより仮の歩送り量f
が得られる。(stp.32)。
【0085】ここで、上述の補正量αの算出法について
述べると、3mmの実際の撓み量Δを制御開始切削原木
径Φから原木がN回転数するまでの間で矯正するという
ことは、切削する原木径の大小に関わりなく、実際の撓
み量ΔをN回転で除した値が所定の歩送り量Fを補正す
る補正値αとなるのである。この時、補正値α=3mm
÷30回転=0.10mmとなり、製品に影響の無い範
囲に収まらないと判断された場合には、撓み排除切削を
する原木回転数を30回以上に変更する必要があり、例
えば、10回ずつ元の原木回転数に加算して演算し直
し、補正量αが製品に影響の無い範囲まで繰り返す。そ
して、例えばN=60で、補正量α=0.05mmと演
算され製品に影響の無い範囲に収まると判断された場合
にはバックアップロールを仮の送り量f=板厚T+補正
量α=2.55mmで歩送りすれば良いことになる(st
p.31)。
【0086】こうして仮の歩送り量fが算出されると、
その値に基づいてバックアップロールは仮の歩送り量f
で歩送りが開始される(stp.33)。そして、切削の進
行に伴って原木の実際の撓み量Δが徐々に矯正され、そ
の後原木の撓みが矯正されたと判断されると(stp.3
5)、或いは原木の撓みが矯正されたと判断される以前
であっても、予め任意に設定した原木がN回転した時に
は(stp.39)、仮の歩送り量fを中断し所定の歩送り
量Fに変更した歩送り量でバックアップロールの歩送り
制御を行い(stp.41)、本切削を行うというものであ
る。
【0087】本実施例によれば、切削する原木径の大小
に関わりなく、実際の撓み量Δに対応させて原木がN回
転した時点で確実に原木の撓みを矯正することができ
る。このため、切削する原木径の大きさが比較的揃って
いるような場合、例えば、原木径が大きい場合には原木
回転数Nを多めに設定し、逆に小径が多い場合には原木
回転数Nを少なめに予め設定するなどの変更が容易であ
る。そして、より精度良く原木の撓みを矯正することが
できる。
【0088】(その他の実施例)ところで、図8に示し
た第3実施例におけるバックアップロールの歩送り制御
方法を、第4実施例及び第5実施例のように実際の撓み
量Δに基づいて行う場合について述べる。
【0089】第3実施例の場合、バックアップロール自
体が原木に当接する以前から回転駆動されているので、
91dなどの回転角検出器をバックアップロールの回転
検出用のセンサとして使用することができない。しか
し、バックアップロールが原木に当接したことを検知す
る手段として、以下のような機械量センサや光センサを
採用することにより同様のバックアップロール制御方法
を採用することができる。
【0090】機械量センサとしては、ロータリエンコー
ダ、ストレンゲージ(ロードセル、圧力センサ)、近接
スイッチ、マイクロスイッチ、変位センサなどがあり、
また光センサとして光反射形センサなどが挙げられる。
そしてその中でも、以下に述べるセンサを採用して構成
することが適している。
【0091】即ち、ロータリエンコーダや近接スイッチ
を採用する場合は、バックアップロールと別体に回転部
材を設け(図示せず)、この回転部材が原木に当接して
回転する際の回転信号を検出するように構成すれば良
い。
【0092】ストレンゲージを採用する場合には、バッ
クアップロールが原木に当接した際に受ける押圧力を検
知できるよう構成すれば良い。
【0093】光センサを採用する場合には、光反射形セ
ンサを採用して原木表面を検出するよう構成し、バック
アップロールが原木の表面に当接した時に検出するよう
調整すれば良い。
【0094】尚、これらのセンサは、第1実施例乃至第
5実施例にも勿論採用して実施することができる。
【0095】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施されるものであるから、原木の損壊が防止でき、更
に、切削中の原木に発生している撓みを徐々に矯正して
板厚変動の少ない良質で安定した単板の切削を可能に
し、然も、原木の撓みを防止しながら最小切削原木径に
至るまで適正な単板の切削を行って歩留りの向上を図る
ことができる。
【0096】また、バックアップロールの歩送り制御
を、バックアップロールが原木に接触する直前における
切削原木径を制御開始切削原木径として、予め任意に設
定した補正量αを所定の歩送り量Fに加算した仮の歩送
り量fで始めに歩送り制御する第1の形態により、切削
中に原木に生じていた撓み量を原木1回転につき補正量
αの割合で矯正することができるので、切削の進行に伴
って徐々に原木の撓みは矯正され、板厚変動の少ない、
良質で安定した単板厚の単板の切削が連続的に行える。
従って、従来のようにバックアップロールを仮想外周面
の位置まで一挙に搬送しないので、撓み量Δだけ厚い単
板が切削されたり、原木に異常荷重が加わることにより
原木が損壊したりすることを防止できる。
【0097】また、バックアップロールの歩送り制御
を、前記制御開始切削原木径から予め任意に設定した制
御終了切削原木径φの間で行なう第2の形態により、例
えば原木を支持するスピンドルの構造がダブルスピンド
ルに代表されるような多重構造で構成されている場合に
おいては、多重スピンドルのうちの任意のスピンドル径
に対応させて制御終了切削原木径φを設定しておけば、
この間で原木の撓み量を矯正することができる。因に、
ダブルスピンドルの場合は、制御終了切削原木径φを大
スピンドル径より多少大きめに予め設定しておけば、原
木から大スピンドルを抜きとる前の段階で原木の撓みを
矯正することができるので、小スピンドルで切削する時
点においては既に原木は撓みが矯正された状態となり、
切削原木径が小さくなって更に原木が撓み易い条件とな
っても、バックアップロールは仮想外周面Cに沿って原
木を押圧し続けるので、確実に原木の撓みを防止するこ
とができる。
【0098】また、スピンドルを原木から抜いた状態で
切削を行う、所謂スピンドルレス切削を行う場合におい
ては、スピンドルを原木から抜きとる直前における切削
原木径を制御終了切削原木径φとして予め設定すれば、
スピンドルを抜きとる前の段階で原木の撓みを矯正する
ことができるので、その後スピンドルレス切削に至って
からはバックアップロールは仮想外周面Cに沿って歩送
りされ、撓みが生じない状態の原木にスピンドルレス切
削を行うことができる。
【0099】また、バックアップロールの歩送り制御の
補正量を、制御開始切削原木径から予め任意に設定した
回転数Nだけ原木を回転させて制御終了切削原木径φに
至るまでの該回転数Nと、予め切削中の原木の撓み量を
想定して設定した撓み量δとを基にした補正量α=δ/
Nという演算により求め、その補正量を所定の歩送り量
Fに加算した仮の歩送り量fで切削を行なう間に撓み量
δが矯正される第3の形態により、切削する原木径の大
小に関わりなく原木がN回転した時点で原木の撓み量の
矯正を終了することができる。
【0100】また、バックアップロールの歩送り制御
を、切削中の原木の実際の撓み量Δを測定し、この原木
の撓み量Δを実測した時点における切削原木径を制御開
始切削原木径Φとし、この原木撓み量Δと制御開始切削
原木径Φと予め任意に設定した制御終了切削原木径φと
ベニヤ単板の板厚Tとに基づいて補正量α=2ΔT/
(Φ―φ)を求めるとともに、制御開始切削原木径Φか
ら遅くとも原木の撓みが矯正される時点まで補正量αを
所定の歩送り量Fに加算した仮の歩送り量fで歩送りを
行ない、遅くとも原木の撓みが矯正される前に、該制御
終了切削原木径に至った時点で仮の歩送り量fによる送
りを中断し、所定の歩送り量Fに変更して原木の撓み量
Δを矯正する第4の形態により、制御開始切削原木径Φ
から予め任意に設定した制御終了切削原木径φに至るま
での間に原木の撓み量Δを徐々に矯正し、樹種、原木径
及び原木長さ並びに切削条件などによって異なる原木の
実際の撓み量Δに対応させて、確実に原木の撓みを矯正
することができる。
【0101】また、バックアップロールの歩送り制御の
補正量を、前記制御開始切削原木径Φから予め任意に設
定した回転数Nだけ原木を回転させて制御終了切削原木
径φに至るまでの該回転数Nと、実測した原木撓み量Δ
とに基づいて補正量α=Δ/Nとして求めるとともに、
仮の歩送り量fでの歩送りを、原木がN回転して制御終
了切削原木径φに至った時点で中断し、所定の歩送り量
Fに変更して歩送り制御する第5の形態により、制御開
始切削原木径Φから原木がN回転する間に原木の撓み量
Δを徐々に矯正し、切削する原木径の大小に関わりな
く、前記制御開始切削原木径Φから原木がN回転した時
点で確実に原木の撓みを矯正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】撓んだ状態で切削された原木の剥き芯を示す説
明図である。
【図2】前切削されている状態のベニヤレースの平面図
及び側面断面図である。
【図3】図2における側面断面図の拡大図である。
【図4】従来の撓み排除切削時におけるベニヤレースの
側面断面図である。
【図5】本発明のバックアップロール歩送りを行うベニ
ヤレースの側面断面図である。
【図6】外周駆動型ベニヤレースの側面断面図である。
【図7】外周駆動型ベニヤレースの側面断面図である。
【図8】外周駆動型ベニヤレースの側面断面図である。
【図9】撓み排除切削時の原木の撓み状態を示す側面図
である。
【図10】切削中の原木の撓み量を想定し遅くとも原木
の撓みが矯正された時点で終了する歩送り制御方法を示
すフローチャートである。
【図11】切削中の原木の撓み量を想定し制御終了原木
径で中断する歩送り制御方法を示すフローチャートであ
る。
【図12】切削中の原木の撓み量を想定し原木の所定回
転数で中断する歩送り制御方法を示すフローチャートで
ある。
【図13】原木の撓みを実測し制御終了原木径で中断す
る歩送り制御方法を示すフローチャートである。
【図14】原木の撓みを実測し原木の所定回転数で中断
する歩送り制御方法を示すフローチャートである。
【図15】従来のベニヤレースを示す側面断面図であ
る。
【符号の説明】
1 原木 4 単板 6 スピンドル 15 ナイフ 20 鉋台 21 バックアップロール 41 制御装置 41c 補正制御部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベニヤレースで原木からベニヤ単板を切
    削する際に発生する原木の撓みを防止するための少なく
    とも1本以上のバックアップロールを備え、該バックア
    ップロールをベニヤ単板切削中の原木求心方向に歩送り
    する原木バックアップロール装置において、該バックア
    ップロールが原木に接触する直前における切削原木径を
    制御開始切削原木径Φとして、該制御開始切削原木径Φ
    から、予め任意に設定した補正量αを所定の歩送り量F
    に加算した仮の歩送り量fで歩送りを行ない、その後、
    遅くとも原木の撓みが矯正された時点で仮の歩送り量f
    を所定の歩送り量Fに変更して歩送りを行うことによ
    り、切削中に発生した原木の撓みを矯正しつつベニヤ単
    板を切削する、ことを特徴とするベニヤレースにおける
    バックアップロールの歩送り制御方法。
  2. 【請求項2】 遅くとも原木の撓みが矯正された時点で
    所定の歩送り量Fに変更する前記仮の歩送り量fでの歩
    送りを、前記バックアップロールが予め任意に設定した
    制御終了切削原木径φに至る時点で中断し、所定の歩送
    り量Fに変更して歩送りする、ことを特徴とする請求項
    1記載のベニヤレースにおけるバックアップロールの歩
    送り制御方法。
  3. 【請求項3】 前記補正量αを、前記制御開始切削原木
    径Φから予め任意に設定した回転数Nだけ原木を回転さ
    せて制御終了切削原木径φに至るまでの該回転数Nと、
    予め切削中の原木の撓み量を想定して設定した撓み量δ
    とに基づいて補正量α=δ/Nとして求めるとともに、
    遅くとも原木の撓みが矯正された時点で仮の歩送り量f
    を所定の歩送り量Fに変更する前記仮の歩送り量fでの
    歩送りを、原木がN回転して制御終了切削原木径φに至
    った時点で中断し、所定の歩送り量Fに変更して歩送り
    する、ことを特徴とする請求項1記載のベニヤレースに
    おけるバックアップロールの歩送り制御方法。
  4. 【請求項4】 ベニヤレースで原木からベニヤ単板を切
    削する際に発生する原木の撓みを防止するための少なく
    とも1本以上のバックアップロールを備え、該バックア
    ップロールをベニヤ単板切削中の原木求心方向に歩送り
    する原木バックアップロール装置において、先ず、該バ
    ックアップロールを原木に当接させ、当接した時点のバ
    ックアップロールの位置と切削原木径とから切削中の原
    木撓み量Δを測定し、該原木撓み量Δを測定した時の切
    削原木径を制御開始切削原木径Φとして、該原木撓み量
    Δと該制御開始切削原木径Φと予め任意に設定した制御
    終了切削原木径φとベニヤ単板の板厚Tに基づいて補正
    量α=2ΔT/(Φ―φ)を求めるとともに、該制御開
    始切削原木径Φから遅くとも原木の撓みが矯正される時
    点まで、該補正量αを所定の歩送り量Fに加算した仮の
    歩送り量fで歩送りを行ない該原木の撓み量Δを矯正す
    る一方、遅くとも原木の撓みが矯正される前に、該制御
    終了切削原木径に至った時点で仮の歩送り量fによる送
    りを中断し、所定の歩送り量Fに変更して歩送りする、
    ことを特徴とするベニヤレースにおけるバックアップロ
    ールの歩送り制御方法。
  5. 【請求項5】 前記補正量αを、前記制御開始切削原木
    径Φから予め任意に設定した回転数Nだけ原木を回転さ
    せて制御終了切削原木径φに至るまでの該回転数Nと、
    前記原木撓み量Δとに基づいて補正量α=Δ/Nとして
    求めるとともに、遅くとも原木の撓みが矯正された時点
    で所定の歩送り量Fに変更する前記仮の歩送り量fでの
    歩送りを、原木がN回転して制御終了切削原木径φに至
    った時点で中断し、所定の歩送り量Fに変更して歩送り
    する、ことを特徴とする請求項4記載のベニヤレースに
    おけるバックアップロールの歩送り制御方法。
  6. 【請求項6】 ベニヤレースで原木からベニヤ単板を切
    削する際に発生する原木の撓みを防止するための少なく
    とも1本以上のバックアップロールと、該バックアップ
    ロールをベニヤ単板切削中の原木求心方向に歩送りする
    制御装置を備える原木バックアップロール装置におい
    て、前記制御装置に、該バックアップロールが原木に接
    触する直前における切削原木径を制御開始切削原木径Φ
    として、該制御開始切削原木径Φから、予め任意に設定
    した補正量αを所定の歩送り量Fに加算した仮の歩送り
    量fで歩送りを行ない、その後、遅くとも原木の撓みが
    矯正された時点で仮の歩送り量fを所定の歩送り量Fに
    変更して歩送りを行う補正制御部を設けることにより、
    切削中に発生した原木の撓みを矯正する、ことを特徴と
    するベニヤレースにおけるバックアップロール装置。
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