JPH10290756A - ポンプ注液式液体容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液量管内の冷えた液体が内容器内へ還流しな
いようにするとともに、連通管およびその接続部位の構
造を簡略化する。 【解決手段】 容器本体１と、該容器本体１内に配設さ
れた内容器３と、該内容器３内へ加圧空気を圧送するエ
アーポンプ２１と、該エアーポンプ２１から圧送された
加圧空気により前記内容器３内の液体を外部へ注出する
液体注出通路Ｌと、前記内容器３内と連通され、該内容
器３内の液体の液位を表示する液量管６９と、前記液体
注出通路Ｌの途中にあって液体容器の転倒時に前記液体
注出通路Ｌを閉状態とする転倒止水弁５９とを備えたポ
ンプ注液式液体容器において、前記液量管６９の上端を
前記液体注出通路Ｌにおける前記転倒止水弁５９より上
流側に連通管６６を介して連通させて、液量管６９内の
冷えた液体が、エアーポンプ２１の作動時に液体注出通
路Ｌにおける転倒止水弁５９の上流側に押し出され、内
容器３内へ還流しにくくしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本願発明は、ポンプ注液式液
体容器に関し、さらに詳しくはポンプ注液式液体容器に
おける液量管出口構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ポンプ注液式液体容器としては、蓋体あ
るいは容器本体側の適所（例えば、肩部）等に配設され
たポンプ装置（例えば、エアーポンプ）からの加圧空気
を内容器内へ圧送し、該加圧空気により内容器内の液体
を液体注出通路を介して外部へ注出するように構成した
ものが従来から良く知られている。

【０００３】上記のような構成のポンプ注液式液体容器
においては、内容器内に収容されている液体の量を外部
から確認できるように、内容器内と連通される液量管を
容器本体の前面側に立設し、該液量管の液位を視認する
ことにより内部の液量を確認するようにしている。そし
て、該液量管の出口を、内容器と容器本体の上面を構成
する肩部材に形成された給液口との間に接続して、エア
ーポンプ作動時に内容器内に圧送された加圧空気により
液量管内の液体を内容器内へ押し出すようにしている。

【０００４】また、ポンプ装置として電動ポンプを採用
した場合においても、液量管の上端を内容器に連通させ
る構造を採用しているものがある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に構成した場合、液量管内の液体は保温されていないた
め、エアーポンプを用いたものでは、液体注出の度に液
量管内の冷えた液体が内容器内へ還流することとなり、
内容器内に保温されている液体の温度を下げる原因とな
る。つまり、保温性能を低下させる原因となるのであ
る。

【０００６】また、エアーポンプ採用したものでは勿
論、電動ポンプを採用したものであっても、液量管の出
口側に接続される連通管を内容器の上部にまで引き回さ
なければならないため、連通管の構造が複雑となるとと
もに、内容器上部の狭いスペースしかないところに接続
しなければならないという不具合もある。

【０００７】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、液量管内の冷えた液体が内容器内へ還流しないよ
うにするとともに、連通管およびその接続部位の構造を
簡略化することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本願発明の基本構成で
は、上記課題を解決するための手段として、容器本体
と、該容器本体内に配設された内容器と、該内容器内の
液体を外部へ注出する液体注出通路と、該内容器内の液
体を前記液体注出通路を介して外部へ注出するためのポ
ンプ装置と、前記内容器内の液体の液位を表示する液量
管と、前記液体注出通路の途中にあって前記液体注出通
路を閉状態とする止水弁とを備えたポンプ注液式液体容
器において、前記液量管の上端を、前記液体注出通路に
おいて前記止水弁より前記内容器側に寄った位置に連通
させて、該液体注出通路を介して外気と連通させるよう
にしている。

【０００９】上記のように構成したことにより、液量管
内の冷えた液体は、ポンプ装置の作動時に液体注出通路
において止水弁より内容器側に寄った位置に押し出され
ることとなり、内容器内へ還流しにくくなる。従って、
内容器における保温性能が向上することとなる。しか
も、液量管のほぼ直上方に位置する液体注出通路に接続
できるところから、接続部位の構造を簡略化することも
できる。

【００１０】本願発明の基本構成において、前記液体注
出通路における前記液量管の側接続部位を、前記止水弁
を収納した弁室の下部とした場合、ポンプ装置の作動時
に液量管から押し出された冷えた液体が弁室の下部に溜
まった後、ポンプ装置の作動停止後に再び液量管へ還流
することとなり、内容器内の保温性能がより一層向上す
ることとなる。

【００１１】また、前記液量管の上端を前記液体注出通
路に対して連通管を介して接続するとともに、該連通管
の流路面積を前記液体注出通路における流路面積より小
さく設定した場合、ポンプ装置の作動時に液量管から押
し出される液体の量を少なくすることができる。従っ
て、液体注出通路を流出する液体の量を多く確保できる
こととなり、液体注出性能を良好に確保することができ
る。

【００１２】また、前記止水弁を、液体容器の転倒時に
自重により移動して前記液体注出通路を閉塞する転倒止
水弁とした場合、液体容器の正立時においては液体注出
通路は連通状態とされることとなり、液量管の外気連通
が確実に得られる。

【００１３】また、前記ポンプ装置を、前記内容器内に
加圧空気を圧送するエアーポンプとした場合、エアーポ
ンプ作動時には液量管内の液体が押し出されることとな
るが、液体注出通路に押し出されるため、内容器への還
流を少なくできる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本
願発明の幾つかの好適な実施の形態について詳述する。

【００１５】第１の実施の形態（請求項１〜５に対応） 図１ないし図５には、本願発明の第１の実施の形態にか
かるポンプ注液式液体容器が示されている。

【００１６】このポンプ注液式液体容器は、エアーポン
プにより圧送される加圧空気により液体注出を行う液体
保温専用のエアーポットとされており、図１に示すよう
に、容器本体１と、該容器本体１の上部を開閉自在に覆
蓋する蓋体２とにより構成されている。

【００１７】前記容器本体１は、内周面を構成する内容
器３と、該内容器３の外周側を覆い且つ円筒形状を有す
る板金製の外ケース４と、該外ケース４の上端と前記内
容器３の口部３ａとの間を覆う合成樹脂製の肩部材５
と、前記外ケース４の下端を覆う合成樹脂製の底部材６
とからなっている。なお、前記肩部材５の一側には、後
述する液体注出通路Ｌの出口である注出管５８の外側を
カバーするためのパイプカバー９が一体に形成されてい
る。

【００１８】前記肩部材５の上面中央部には、給液用開
口７が形成されている。該給液用開口７の口縁には、前
記内容器３の口部３ａに連通する連通筒８が取り付けら
れている。

【００１９】前記内容器３は、口部３ａが胴部３ｂに比
して小径とされた真空二重瓶からなっており、前記連通
筒８の下端に対して後述するポンプ装置であるエアーポ
ンプ２１におけるポンプ上板２２を介設した状態で前記
口部３ａを対応させ、前記底部材６の中央部に螺合され
るネジ部材７３（後述する）の押し上げ力によって固定
されている。符号１０は前記ポンプ上板２２と内容器口
部３ａとの間の気密を保持するためのシールパッキンで
ある。従って、前記内容器３の口部３ａの外周側には外
ケース４との間に環状余剰空間Ｓ₁が形成されることと
なっている。

【００２０】前記蓋体２は、前記容器本体１の上端一側
（換言すれば、パイプカバー９の反対側）に対してヒン
ジピン１１を介して開閉自在に枢支されており、その下
板２ａには、前記連通筒８内に挿入され、前記給液用開
口７を気密状態で閉塞する栓部１２が一体に形成されて
いる。この蓋体２は、前記肩部材５の前部上方に設けら
れたロックレバー１３によりロックされることとなって
いる。符号１４は蓋体２の閉塞時に蓋体栓部１２と給液
用開口７との間の気密を保持するためのシールパッキン
である。

【００２１】そして、前記蓋体２内には、前記内容器３
内と連通路１５を介して連通され、液体容器の転倒時に
前記連通路１５を介して流入する内容液を一時的に貯溜
する液貯溜部１６が形成されている。

【００２２】前記連通路１５は、前記蓋体２の栓部１２
下端から上向きに一体に立設された円筒体１７内に形成
されている。

【００２３】一方、前記液貯溜部１６は、前記円筒体１
７の上端に接続されるとともに前記蓋体２の下板２ａの
外周部に対して高周波溶着により固着された底板１８
と、該底板１８の上面に対して高周波溶着により固着さ
れた断面逆Ｕ字状の天板１９との間に形成されている。
この液貯溜部１６は、液体容器の転倒時において、内容
液が連通路１５を介して液貯溜部１６に一時的に貯溜で
きるだけの容積を有している。

【００２４】また、前記底板１８と天板１９との接合部
には、前記液貯溜部１６に連通するとともに後述するエ
アーポンプ２１から吐出される加圧空気の通路となる空
気通路２０が形成されている（図２参照）。

【００２５】前記液貯溜部１６の底面となる底板１８の
上面は、前記連通路１５を形成する円筒体１７の接続部
に向かって下り勾配となる傾斜面１８ａとされている。
このようにすると、通常使用時において液貯溜部１６に
流入した水蒸気が凝縮して生じた凝縮水が、前記傾斜面
１８ａに案内された後、連通路１５を介して内容器３内
へ還流し、液貯溜部１６への液残りを確実に防止するこ
とができるのである。

【００２６】なお、上記下板１８および天板１９は、抗
菌剤を練り込んだ合成樹脂材料により成形されている。
このようにすると、構造上雑菌等が付着し易い連通路１
５（即ち、円筒体１７の内壁）および液貯溜部１６（即
ち、底板１８および天板１９）において雑菌等が繁殖し
にくくなり、衛生的となる。

【００２７】そして、前記環状余剰空間Ｓ₁には、液体
注出用のポンプ装置である環状のエアーポンプ２１が配
設されている。該エアーポンプ２１は、前記内容器３内
へ加圧空気を圧送するものとされている。このようにす
れば、従来無駄な空間となっていた環状余剰空間Ｓ₁の
有効利用が可能となるとともに、容器本体１の上部（例
えば、蓋体２内）にエアーポンプを配設するタイプのも
のに比べて製品の全高を大幅に低くできる。

【００２８】該エアーポンプ２１は、前記連通筒８と内
容器口部３ａとの間に挟持した状態で固定された略円盤
状のポンプ上板２２と、該ポンプ上板２２の外周部下面
に固定された断面Ｕ字状のポンプ下板２３と、該ポンプ
下板２３と前記ポンプ上板２２との間に上端が挟持固定
され且つ前記ポンプ下板２３内において伸縮作動する環
状のベローズ２４とからなっている。

【００２９】前記ポンプ上板２２の適所（例えば、パイ
プカバー９から見て直角方向となるエアーポンプ２１の
中央部）には、図２に示すように、後述する駆動レバー
３９が臨む開口２５が形成されており、ベローズ２４に
おいて前記開口２５に臨む位置には、前記駆動レバー３
９の押圧力により閉弁状態となる吸気弁２６が設けられ
ている。該吸気弁２６は、前記ベローズ２４の下面に設
けられた吸気口２７に対して上下動自在に装着されてお
り、上動時に前記吸気口２７を閉塞し、下動時に前記吸
気口２７を開放することとなっている。符号２８は前記
吸気弁２６を開弁方向に付勢するスプリング２９の下端
を支持するスプリング受けである。

【００３０】また、前記ポンプ上板２２の適所（例え
ば、パイプカバー９から見て直角方向となるエアーポン
プ２１の中央部）には、前記肩部材５の上面に形成され
た開口３０から該肩部材５の上面５ａより寸法Ａだけ突
出する筒体３１が一体に形成されており、該筒体３１の
上面には、エアーポンプ２１の吐出口３２が形成されて
いる。該吐出口３２には、前記ベローズ２４の収縮作動
時に開弁する吐出弁３３が上下動自在に装着されてい
る。この吐出弁３３と前記スプリング受け２８との間に
は、前記吸気弁２６の開作動時には前記吐出弁３３に対
して付勢力を作用させることなく、吸気弁２８の閉作動
時に前記吐出弁３３を開作動させる方向に付勢するスプ
リング３４が介設されている。つまり、吸気弁２８の開
・閉作動と連動して吐出弁３３が閉・開作動されること
となっているのである。

【００３１】前記吐出口３２は、前記蓋体２の閉塞時に
おいて該蓋体２側に設けられている空気通路２０の入口
２０ａと対向せしめられることとなっており、両者間
は、前記蓋体２の閉塞時において該蓋体２の下板２ａに
取り付けられたシールパッキン３５により気密保持され
ている。つまり、前記空気通路２０、液貯溜部１６およ
び連通路１５によりエアーポンプ２１から吐出される加
圧空気を内容器３へ圧送する空気圧送通路Ｐを構成する
こととなっているのである。このようにすると、エアー
ポンプ２１の吐出口３２と蓋体２内側の空気通路２０と
を気密保持状態で直接連通させることができることとな
り、容器本体１側と蓋体２側とに分離した構成となる空
気圧送通路Ｐの途中（即ち、容器本体１側と蓋体２側と
の接続部）での空気漏れを可及的に少なくできる。

【００３２】また、前記空気通路入口２０ａには、前記
吐出弁３３の開・閉作動と連動して開・閉作動される開
閉弁３６が配設されている。さらに、前記空気通路２０
の入口側において前記天板１９には、前記開閉弁３６と
対応する位置に前記内容器３の内圧上昇を防止するため
の排気通路３７が形成されており、該排気通路３７は、
前記開閉弁３６により開閉されることとなっている。つ
まり、開閉弁３６は、空気通路入口２０ａを開放した時
排気通路３７を閉塞し、空気通路入口２０ａを閉塞した
時排気通路３７を開放することとなっているのである。
符号３８は開閉弁３６を空気通路入口２０ａを閉塞する
方向に付勢するスプリングである。なお、前記エアーポ
ンプ２１は、環状のものに限定されず、Ｕ字状のものと
してもよい。

【００３３】前記エアーポンプ２１を押圧駆動するポン
プ駆動機構Ｍは、前記エアーポンプ２１における吸気弁
２６，２６（図１および図３参照）を押圧する駆動レバ
ー３９と、該駆動レバー３９を揺動させる中間操作レバ
ー４０と、該中間操作レバー４０を容器本体１外方から
揺動操作する操作レバー４１（図４参照）とからなって
いる。

【００３４】前記駆動レバー３９は、図１および図３に
示すように、容器本体１における外ケース４において相
対向する位置に枢支ピン４２，４２を介して回動自在に
枢支され、自由端３９ａ，３９ａを前記エアーポンプ２
１の吸気弁２６，２６に下方から当接されるコ字状の枠
体からなっており、その基端部には、前記パイプカバー
９側に向かって延び且つ上面に前記中間操作レバー４０
が係合する係合溝４４をそれぞれ有する一対の逆への字
状の係合片４３，４３が一体に形成されている。

【００３５】一方、前記中間操作レバー４０は、図４に
示すように、前記パイプカバー９の両側壁に対して回動
自在に枢支される軸体４５と、該軸体４５から一体に突
設され且つ前記駆動レバー３９の係合片４３，４３にお
ける係合溝４４，４４に係合する一対の係合アーム４
６，４６とからなっている。なお、前記軸体４５の中心
には、断面長円形状の軸穴４７が形成されている。ま
た、この軸体４５の一端側には、後述するロック部材４
９に対して係合される断面長円形状の係合軸４８が一体
に突設されている。

【００３６】また、前記操作レバー４１は、前記中間操
作レバー４０の軸体４５における軸穴４７に嵌挿される
断面長円形状の軸部４１ａと、該軸部４１ａの一端に突
設されたレバー部４１ｂとからなっており、該レバー部
４１ｂは、前記パイプカバー９の側壁外方に突出せしめ
られている。

【００３７】上記のような構成において、操作レバー４
１を図４に矢印Ｘ方向に揺動させると、中間操作レバー
４０が、図１に鎖線で示すように揺動せしめられ、該中
間操作レバー４０の係合片４３，４３と駆動レバー３９
の係合アーム４６，４６との係合により、駆動レバー３
９が図１に鎖線で示すように枢支ピン４２，４２を揺動
中心として揺動し、その自由端３９ａ，３９ａにより吸
気弁２６，２６が押し上げられ、エアーポンプ２１は圧
縮される。この時、エアーポンプ２１の吸気弁２６，２
６は閉塞される一方、吐出弁３３は開放されるため、エ
アーポンプ２１内の空気は圧縮されて吐出口３２から吐
出される。また、吐出弁３３の上動により開閉弁３６
は、空気通路２０の入口２０ａを開放し且つ排気通路３
７を閉塞している。従って、エアーポンプ２１から吐出
された加圧空気は、空気通路２０、液貯溜部１６および
連通路１５からなる空気圧送通路Ｐを介して内容器３内
へ圧送されるのである。

【００３８】ところで、前記中間操作レバー４０は、非
注液時においてはロック部材４９により揺動不可能なよ
うにロックされる。前記ロック部材４９は、図４に示す
ように、前記中間操作レバー４０における軸体４５の一
端側に突設された係合軸４８が回動不能となるように係
合する係合溝５０ａと、該係合溝５０ａの上方に連続し
且つ前記係合軸４８の回動を許容する矩形開口５０ｂと
からなる開口部５０を有する板状部材とされており、前
記パイプカバー９の一方の側壁に形成された窓穴５１に
臨むようにして上下動自在に取り付けられている。つま
り、ロック部材４９の上動操作時において係合溝５０ａ
に対して係合軸４８が係合してロック状態が保持され、
ロック部材４９の下動操作時において矩形開口５０ｂに
対して係合軸４８が挿入されてロック解除状態とされる
こととなっているのである。符号５２はロック部材４９
を上下動操作するための操作ツマミである。

【００３９】前記ロック部材４９の一側には、該ロック
部材４９の上動操作時において後述する転倒止水弁５９
を強制的に閉弁状態に保持するように押し上げるための
ロック手段Ｋを連動させるための連動機構Ｒとして作用
するロック片５３が一体に突設されている。該ロック片
５３は、前記ロック部材４９から一体に突設されたＬ字
状のアーム部５３ａと、該アーム部５３ａの先端に転倒
止水弁５９を押し上げるべく一体形成された押圧部５３
ｂとからなっている。

【００４０】さらに、前記内容器３内の液体は、液体注
出通路Ｌを介して外部へ注出されるが、該液体注出通路
Ｌは、前記連通筒８に対して横向きに貫通支持された逆
Ｌ字状の接続管５４と、該接続管５４の下端から内容器
３の底部近くまで垂設された汲み上げ管５５と、前記接
続管５４の外端から横向きに延設された水平管５６と、
該水平管５６の外端に接続されて下向きに延び且つ前記
パイプカバー９内に臨む口先管５７と、該口先管５７の
先端が挿入されるとともに前記パイプカバー９の下端に
対して係合支持された注出管５８とからなっている。

【００４１】そして、前記水平管５６の先端部には、液
体容器の転倒時に自重により移動して液体注出通路Ｌの
途中を閉塞する逆円錐台形状の転倒止水弁５９を配設し
た弁室６０が形成されている。該弁室６０には、前記水
平管５６側に連通する入口６０ａと、前記口先管５７側
に連通する出口６０ｂとを有しており、内部には、液体
容器の転倒時に前記転倒止水弁５９を前記出口６０ｂを
閉塞する方向に案内するガイドリブ６１が形成されてい
る。

【００４２】前記弁室６０の下部には、該弁室６０の底
面６０ｃにより区画され且つゴム等からなる弾性キャッ
プ６２とにより覆蓋された液溜め部６３が形成されてお
り、該液溜め部６３と前記弁室６０とは底面６０ｃの中
央部に形成された連通孔６４を介して連通されている。
該連通孔６４には、前記転倒止水弁５９を上下動させる
ための作動杆６５が上下動自在に挿通されている。該作
動杆６５の下端は、前記弾性キャップ６２に支持されて
おり、該弾性キャップ６２の上下動に伴って作動杆６５
が上下動せしめられることとなっている。つまり、本実
施の形態においては、弾性キャップ６２および作動杆６
５が、転倒止水弁５９を強制的に閉状態となすロック手
段Ｋを構成することとなっているのである。

【００４３】また、前記液溜め部６３には、後述する液
量管６９の上端に接続された連通管６６が接続されてい
る。該連通管６６の内径（換言すれば、流路面積）は、
前記水平管５６の内径（換言すれば、流路面積）より相
当に小径とされている。このようにしたことにより、注
液時においては液量管６９側からの液量を可及的に少な
くできるところから、水平管５６を流れる液量を十分確
保することができる。符号６７は水平管５６から弁室６
０に入る水流の圧力が転倒止水弁５９に直接及ぼすこと
のないように弁室入口６０ａの直内方に立設した邪魔
板、６８は弾性キャップ６２を復帰させるためのリター
ンスプリングである。

【００４４】前記内容器３の底部には、該内容器３内の
液量を表示するための液量管６９に連通する接続管７０
を接続するための第２の開口７１が形成されている。該
接続管７０は、前記内容器３の下部外周を保護する保護
枠７２に取り付けられた状態で前記開口７１に水密状態
で接続されている。なお、該保護枠７２は、前記容器本
体１における底部材６の中央部に対して螺合されるネジ
部材７３の押し上げ力により前記内容器３の下部外周を
覆うように取り付けられることとなっている。

【００４５】前記液量管６９の上端は、前述したよう
に、連通管６６を介して前記弁室６０の下部（具体的に
は、液溜め部６３）に接続されている。つまり、液量管
６９内の液体は、エアーポンプ２１の作動時において連
通管６６を介して液溜め部６３に流出されることとなっ
ているのである。従って、液量管６９をその直上方位置
にある液溜め部６３に接続する構造となり、従来の連通
筒８に接続するタイプのものに比べて配管が短くなると
ともに、連通筒８の上下寸法を短くできるため保温性能
が向上する。しかも、液溜め部６３に残湯が生じた場合
にも、該残湯は連通管６６を介して液量管６９に還流せ
しめられることとなり、冷えたお湯が内容器３内へ戻る
ということがなくなる。なお、前記液量管６９の流路面
積は、液体注出通路Ｌを構成する水平管５６の流路面積
より相当に小さく設定されており、このことにより、エ
アーポンプ２１の作動時に液体が主として液体注出通路
Ｌを流出し、液量管６９から液溜め部６３へはあまり流
れないようにしている。

【００４６】ところで、注出管５８の下端の注出口５８
ａが比較的低位に位置する低注出口型のポンプ注液式液
体容器の場合、サイフォン効果により内容液が連続して
注出されることのないように、口先管５７の先端を注出
管５８の上端に挿入することにより、注出管５８に空気
を取り入れるようにしているが、このような構造とした
場合、内容器３内に残った液体を捨てる際に口先管５７
と注出管５８との接続部分から液が漏れ出ることがあ
り、漏れでた液が容器本体１内に入り、サビを発生させ
ることがある。

【００４７】そこで、本実施の形態においては、図５に
示すように、口先管５７の先端部外周にシール用のパッ
キン７４を取り付けて、残液を捨てる時に両者の接続部
分から液が漏れ出ることのないようにしている。前記パ
ッキン７４により完全にシールされると、サイフォン現
象が生ずるため、注出管５８の上端部内周におけるパッ
キン７４の接触する部分には、完全シールを防止するた
めに空気取り入れ用の溝７５が形成されている。なお、
溝に代えて凸条としてもよい。

【００４８】さらに、本実施の形態の場合、液体容器を
持ち運ぶためのＵ字状の把手７６が容器本体１の両側面
（即ち、パイプカバー９側から見て直交する方向の両側
面）に対して回動自在に枢支されているが、該把手７６
は非使用時においては、容器本体１の後部（即ち、蓋体
２を枢支するヒンジピン１１側）に形成された段部７７
に係止されることとなっている。この状態において、蓋
体２を開作動させると、蓋体２の後端部が把手７６と干
渉するため、蓋体２の開度が大きくとれないという不具
合がある。そこで、本実施の形態においては、前記把手
７６の頂部７６ａには、当該部分を所定寸法だけ除肉す
ることにより、前記蓋体２の開放時に該蓋体２の後端部
との干渉を回避するための切欠凹部７８が形成されてい
る。このようにすると、蓋体２の開度を大きくすること
ができる。

【００４９】上記のように構成されたポンプ注液式液体
容器は次のように作用する。

【００５０】非注液時には、ロック部材４９は上動位置
にあり、係合軸４８はロック部材４９の開口部５０にお
ける係合溝５０ａに係合されて中間操作レバー４０は揺
動不能とされている。この時、ロック部材４９のロック
片５３（換言すれば、連動機構Ｒ）は上動位置にあり、
ロック手段Ｋを構成する弾性キャップ６２が押し上げら
れて作動杆６５が上動し、それに伴って転倒止水弁５９
が上動し、弁室出口６０ｂを強制的に閉塞する。つま
り、液体注出通路Ｌが非連通状態とされるのである。従
って、液体容器が転倒した場合に、液体注出通路Ｌを介
して流出するという現象を防止することができる。しか
も、転倒時においては内容液が蓋体２内に形成された液
貯溜部１６に一時的に貯溜されるため、転倒止水弁５９
が作動不良を起こしたとしても、内容液が液体注出通路
Ｌを介して外部へ流出するまでに時間がかかることとな
る。したがって、その間に液体容器を起こせば、転倒時
の内容液流出を防止することができる。

【００５１】一方、注液時においては、ロック部材４９
は下動させると、係合軸４８はロック部材４９の開口部
５０における矩形開口５０ｂに係合されて中間操作レバ
ー４０は揺動可能とされる。この時、ロック部材４９の
ロック片５３（換言すれば、連動機構Ｒ）は下動位置に
あり、弾性キャップ６２への押し上げ力が解除され、ロ
ック手段Ｋを構成する弾性キャップ６２がリターンスプ
リング６８の付勢力により押し下げられて作動杆６５が
下動し、それに伴って転倒止水弁５９が下動し、弁室出
口６０ｂが開放される。つまり、液体注出通路Ｌが連通
状態とされるのである。

【００５２】上記状態から、操作レバー４１を下向きに
揺動させて中間操作レバー４０を下向きに揺動させる
と、中間操作レバー４１により駆動レバー３９の係合片
４３が下向き揺動され、図１に鎖線で示すように、その
自由端３９ａが上向きに揺動し、エアーポンプ２１が圧
縮作動され、エアーポンプ２１から吐出された加圧空気
が空気圧送通路Ｐを介して内容器３内に圧送される。す
ると、該加圧空気により内容器３内に収容された内容液
が液体注出通路Ｌを通って注出口５８ａから注出され
る。

【００５３】つまり、エアーポンプ２１から吐出される
加圧空気は、吐出口３２から直接蓋体２内の液貯溜部１
６および連通路１５を含む空気圧送通路Ｐに圧送され、
該空気圧送通路Ｐを介して内容器３内へ直接圧送される
こととなり、空気圧送通路Ｐにおける出口側での空気漏
れが確実に防止できるのである。しかも、内容液を入れ
過ぎたとしても空気圧送通路Ｌの出口が塞がれるという
ことがなくなるため、内容器３の内圧上昇による液漏れ
を確実に防止できる。

【００５４】図６には、本実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器における底構造の変形例が示されている。

【００５５】この場合、底部材６に対して螺着されるネ
ジ部材７３には、内容器３の下部開口７１に接続される
接続パイプ１３１が一体に形成されている。そして、該
接続パイプ１３１に対して液量管６９への接続管７０が
接続されている。このように構成すると、底部構造が簡
略化できる。

【００５６】図７および図８には、本実施の形態にかか
るポンプ注液式液体容器における液量表示部の一例が示
されている。

【００５７】この場合、外ケース４の前面における液量
管６９と対応した部位には、液量を表示するための表示
パネル１３２をはめ込むための開口１３３が形成されて
いる。該開口１３３両側口縁には、上下方向に所定間隔
をおいて複数（例えば、３個）の切欠１３４，１３４・
・が形成されている。一方、前記表示パネル１３２は、
中央部に液量管６９を透視するための矩形状の窓穴１３
５を有しており、その両側には、前記切欠１３４，１３
４・・に対して係合する係合爪１３６，１３６・・が一
体に形成されている。また、前記窓穴１３５の両側口縁
には、透明な表示窓１３８を挿入するための上下方向に
延びるガイド溝１３７，１３７が形成されている。該ガ
イド溝１３７，１３７の下端は開放状態とされており、
下端開放部から表示窓１３８が挿入されることとなって
いる。つまり、表示パネル１３２の両側を指で摘まんで
撓ませ、その係合爪１３６，１３６・・を開口１３３に
おける切欠１３４，１３４・・に無理嵌め係合させ、ガ
イド溝１３７，１３７に対して下方から表示窓１３８を
挿入することにより、液量表示部が容易且つ簡単に組み
立てられるのである。

【００５８】図９には、本実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器における液量表示部の他の一例が示されて
いる。

【００５９】この場合、外ケース４の前面における液量
管６９と対応した部位には、液量を表示するための表示
パネル１４０をはめ込むための矩形状の凹部１３９が形
成されている。該凹部１３９には、中央部にあって上下
方向に延びて形成された矩形状の開口１４と、該開口１
４１の一方側に位置して表示パネル１４０を係止するた
めの上下一対の切欠穴１４２，１４２と、前記開口１４
１の他方側に上下方向に並んで位置し且つ後述する残量
数字入りボタン１４３，１４３，１４３を無理嵌め係合
するための係合穴１４４，１４４，１４４とが形成され
ている。一方、前記表示パネル１４０の裏面には、前記
切欠穴１４２，１４２に対して係合する係合片１４５，
１４５が一体に突設されている。また、前記表示パネル
１４０における前記開口１４１と対応した位置には窓穴
１４６が形成され、表示パネル１４０における前記係合
穴１４４，１４４，１４４と対応した位置には、ボタン
嵌挿穴１４７，１４７，１４７が形成されている。な
お、残量数字入りボタン１４３，１４３，１４３には、
上から順に「１０」、「５」、「０」という数字がホッ
トスタンプ等により形成される。つまり、係合片１４
５，１４５を凹部１３９における切欠穴１４２，１４２
に係合させて表示パネル１４０を仮止めした後、残量数
字入りボタン１４３，１４３，１４３をボタン嵌挿穴１
４７，１４７，１４７を介して係合穴１４４，１４４，
１４４に係合させることにより表示パネル１４０の取付
が完了するのである。このようにすれば、表示パネル１
４０の取付が簡単且つ容易に行えるのである。

【００６０】図１０および図１１には、本実施の形態に
かかるポンプ注液式液体容器における液量管取付構造の
一例が示されている。

【００６１】この場合、外ケース４の前面側における液
量管６９と対応する部位に段押し部１４８を形成し且つ
該段押し部１４８の中央部に、上下方向に延びる矩形状
の開口１４９を形成するとともに、該開口１４９の両側
口縁に切欠１５０，１５０を形成する。一方、液量管６
９の背後に取り付けられる断面Ｕ字状の取付カバー１５
１の両側に上下方向に延びるフランジ１５２を一体に形
成するとともに、該フランジ１５２から背後に向かって
延びる係止爪１５３，１５３を一体に形成している。そ
して、前記取付カバー１５１を、その係止爪１５３，１
５３を切欠１５０，１５０に係合させることにより段押
し部１４８に位置決め固定し、その後取付カバー１５１
に液量管６９をセットするようにしている。符号１５４
は表示窓である。このようにすると、液量管６９を外ケ
ース４と内容器３との間のデッドスペースを利用して外
ケース４の外面と面一となるように取り付けることが可
能となる。

【００６２】第２の実施の形態（請求項１〜５に対応） 図１２および図１３には、本願発明の第２の実施の形態
にかかるポンプ注液式液体容器が示されている。

【００６３】このポンプ注液式液体容器は、図１２に示
すように、容器本体８１と、該容器本体８１の上部を開
閉自在に覆蓋する蓋体８２とにより構成されており、該
蓋体８２内に配設されたエアーポンプ８３により圧送さ
れる加圧空気により液体注出を行う保温専用のエアーポ
ットとされている。

【００６４】前記容器本体８１は、内周面を構成する真
空二重瓶からなる内容器８４と、該内容器８４の外周側
を覆い且つ円筒形状を有する板金製の外ケース８５と、
該外ケース８５の上端と前記内容器８４の口部８４ａと
の間を覆う合成樹脂製の肩部材８６と、前記外ケース８
５の下端を覆う合成樹脂製の底部材（図示省略）とから
なっている。なお、前記肩部材８６の一側には、後述す
る液体注出通路Ｌの出口である注出管１０９の外側をカ
バーするためのパイプカバー８７が一体に形成されてい
る。

【００６５】前記肩部材８６の上面中央部には、給液用
開口８８が形成されている。該給液用開口８８の口縁に
は、前記内容器８４の口部８４ａに連通する連通筒８９
が取り付けられている。符号９０は前記連通筒８９と内
容器口部８４ａとの間の気密を保持するためのシールパ
ッキンである。

【００６６】前記蓋体８２は、前記容器本体８１の上端
一側（換言すれば、パイプカバー８７の反対側）に対し
てヒンジピン９１を介して開閉自在に枢支されており、
その下板８２ａには、前記連通筒８９内に挿入され、前
記給液用開口８８を気密状態で閉塞する栓部９２が一体
に形成されている。符号９３は蓋体８２の閉塞時に蓋体
栓部９２と給液用開口８８との間の気密を保持するため
のシールパッキン、９４は前記栓部９２内に配設された
断熱材である。

【００６７】そして、前記蓋体８２内には、前述したよ
うに、内容器８４内へ加圧空気を圧送するためのエアー
ポンプ８３が配設されるが、該エアーポンプ８３は、前
記蓋体８２の上板８２ｂから垂設された円筒状の垂下壁
９５内に臨むようにして前記蓋体下板８２ａから立設さ
れたベローズ９６と、該ベローズ９６の上端に固定され
たベローズ天板９７とからなっている。該ベローズ天板
９６には、ベローズ９６の膨張時に空気を吸入する吸気
弁９８が開閉自在に設けられている。また、前記垂下壁
９５内には、前記エアーポンプ８３を圧縮させるための
押圧部材９９が上下動自在に嵌挿されている。符号１０
０は前記ベローズ天板９７に係止されたガイド部材、１
０１はベローズ９６および吸気弁９８を復帰させるため
のリターンスプリング、１０２はエアーポンプ８３から
の加圧空気を内容器８４内へ吐出するための吐出口であ
る。

【００６８】さらに、前記蓋体８２には、前記エアーポ
ンプ８３の作動（即ち、ベローズ９６の圧縮作動）を規
制するロック部材１０３が付設されている。該ロック部
材１０３は、前記垂下壁９５の外周側に回動自在に配設
された円筒体１０３ａと、該円筒体１０３ａの内周面に
形成され、円筒体１０３ａの回動位置により前記ガイド
部材１００の係止部１００ａと係合してエアーポンプ８
３を作動規制する規制部１０３ｂと、前記円筒体１０３
ａの上端一側から上向きに延設され、前記蓋体上板８２
ｂに形成されたガイド溝１０４から上方に突出された操
作部１０３ｃとからなっている。

【００６９】前記円筒体１０３ａの外周には、後述する
転倒止水弁ロック用のロック手段Ｋと前記ロック部材１
０３とを連動させるための連動機構Ｒの一部を構成する
カム片１０５が一体に突設されている。

【００７０】前記内容器８４内の液体は、液体注出通路
Ｌを介して外部へ注出されるが、該液体注出通路Ｌは、
前記連通筒８９に対して横向きに貫通支持された逆Ｌ字
状の接続管１０６と、該接続管１０６の下端から内容器
８４の底部近くまで垂設された汲み上げ管１０７と、前
記接続管１０６の外端から横向きに延設された水平管１
０８と、該水平管１０８の外端に接続されて下向きに延
び且つ前記パイプカバー８７の下端に形成された開口１
１０に臨む注出管１０９とからなっている。

【００７１】そして、前記水平管１０８の先端部には、
液体容器の転倒時に自重により移動して液体注出通路Ｌ
の途中を閉塞する逆円錐台形状の転倒止水弁１１１を配
設した弁室１１２が形成されている。該弁室１１２に
は、前記水平管１０８側に連通する入口１１２ａと、前
記注出管１０９側に連通する出口１１２ｂとを有してお
り、内部には、液体容器の転倒時に前記転倒止水弁１１
１を前記出口１１２ｂを閉塞する方向に案内するガイド
リブ１１３が形成されている。

【００７２】前記弁室１１２の下部には、該弁室１１２
の底面１１２ｃにより区画され且つゴム等からなる弾性
キャップ１１４により覆蓋された液溜め部１１５が形成
されており、該液溜め部１１５と前記弁室１１２とは底
面１１２ｃの中央部に形成された連通孔１１６を介して
連通されている。該連通孔１１６には、前記転倒止水弁
１１１を上下動させるための作動杆１１７が上下動自在
に挿通されている。該作動杆１１７の下端は、前記弾性
キャップ１１４に支持されており、該弾性キャップ１１
４の上下動に伴って作動杆１１７が上下動せしめられる
こととなっている。つまり、本実施の形態においては、
弾性キャップ１１４および作動杆１１７が、転倒止水弁
１１１を強制的に閉状態となすロック手段Ｋを構成する
こととなっているのである。符号１１８は水平管１０８
から弁室１１２に入る水流の圧力が転倒止水弁１１１に
直接及ぼすことのないように弁室入口１１２ａの直内方
に立設した邪魔板、１１９は弾性キャップ１１４を復帰
させるためのリターンスプリングである。

【００７３】しかして、前記ロック部材１０３とロック
手段Ｋとを連動させるための連動機構Ｒは、図１３に示
すように、前記ロック部材１０３を構成する円筒体１０
３ａの外周面に突設されたカム片１０５と、該カム片１
０５の下面のカム面１０５ａに対して当接される蓋体２
側に位置する第１昇降杆１２０と、該第１昇降杆１２０
の下端に連結される容器本体１側に位置する第２昇降杆
１２１と、該第２昇降杆１２１の下端に対して一端が回
動自在に連結され且つ容器本体１に対して揺動ピン１２
４により揺動自在に枢支されている揺動杆１２２と、該
揺動杆１２２の他端に対して回動自在に連結され且つ前
記弾性キャップ１１４に対して上端が当接される第３昇
降杆１２３とにより構成されている。符号１２５は第１
昇降杆１２０を第２昇降杆１２１に押し付けるためのス
プリングである。

【００７４】前記内容器８４の底部には、該内容器８４
内の液量を表示するための液量管１２６が接続されてい
る。該液量管１２６の上端は、連通管１２７を介して前
記弁室１１２の下部を構成する弾性キャップ１１４（換
言すれば、液溜め部１１５）に接続されている。つま
り、液量管１２６内の液体は、エアーポンプ８３の作動
時において連通管１２７を介して液溜め部１１５に流出
されることとなっているのである。従って、液量管１２
６をその直上方位置にある液溜め部１１５に接続する構
造となり、従来の連通筒８９に接続するタイプのものに
比べて配管が短くなるとともに、連通筒８９の上下寸法
を短くできるため保温性能が向上する。しかも、液溜め
部１１５に残湯が生じた場合にも、該残湯は連通管１２
７を介して液量管１２６に還流せしめられることとな
り、冷えたお湯が内容器３内へ戻るということがなくな
る。なお、前記液量管１２６の流路面積は、液体注出通
路Ｌを構成する水平管１０８の流路面積より相当に小さ
く設定されており、このことにより、エアーポンプ８３
の作動時に液体が主として液体注出通路Ｌを流出し、液
量管１２６から液溜め部１１５へはあまり流れないよう
にしている。

【００７５】さらに、前記弁室１１２の底面１１２ｃの
外周部には、環状のリブ１２８が一体に垂設されてお
り、該リブ１２８により弾性キャップ１１４の上動時に
その外周部分の上動を規制して連通管１２７との接続部
が外れるということがないようにしている。しかも、前
記液量管１２６内には、液量表示を外部から確認し易い
ように浮き子１２９が配設されている。該浮き子１２９
によってエアーポンプ８３の作動時に連通管１２７の入
口が閉塞され、液量管１２６内の冷えた湯が注出されな
いこととなっている。つまり、保温性能が向上すること
となっているのである。

【００７６】上記構成において、ロック部材１０３によ
るエアーポンプ８３のロック状態（換言すれば、作動不
能状態）は、操作部１０３ｃをガイド溝１０４に沿って
回動させた場合に、規制部１０３ｂに対してエアーポン
プ８３のガイド部材１００の係止部１００ａが係合する
ことにより得られる。この時、円筒体１０３ａは矢印Ｎ
₁（図１３参照）方向に回動せしめられ、カム片１０５
下面のカム面１０５ａにより第１昇降杆１２０がスプリ
ング１２５の付勢力に抗して押し下げられ、それに伴っ
て第２昇降杆１２１も押し下げられる。すると、揺動杆
１２２が揺動ピン１２４を揺動中心として第３昇降杆１
２３を押し上げる方向に揺動せしめられる。かくして、
該第３昇降杆１２３が押し上げられると、ロック手段Ｋ
を構成する弾性キャップ１１４および作動杆１１７が押
し上げられ、転倒止水弁１１１が弁室１１２の出口１１
２ｂを閉塞することとなる。従って、エアーポンプ８３
がロック状態にあるときには、転倒止水弁１１１も強制
的に閉弁状態とされることとなる。つまり、液体注出通
路Ｌが非連通状態とされ、液体容器の転倒・非転倒にか
かわらず（例えば、液体容器を激しく振った場合に
も）、液体注出通路Ｌを介して流出するという現象を防
止することができるのである。

【００７７】一方、エアーポンプ８３のロックを解除す
る際には、ロック部材１０３の円筒体１０３ａを前記と
逆に矢印Ｎ₂方向（図８参照）に回動させれば、スプリ
ング１２５の付勢力によりカム片１０５のカム面１０５
ａに当接された状態で第１昇降杆１２０および第２昇降
杆１２１が上昇せしめられ、揺動杆１２２が前記と逆の
方向（即ち、第３昇降杆１２３を押し下げられる方向）
に揺動せしめられる。その結果、弾性キャップ１１４お
よび作動杆１１７が押し下げられて、転倒止水弁１１１
がフリー状態（即ち、転倒時に閉弁する状態）となる。
つまり、液体注出通路Ｌが連通状態とされるのである。

【００７８】上記状態から、押圧部材９９を押圧させて
エアーポンプ８３を圧縮作動させると、エアーポンプ８
３から吐出された加圧空気が吐出口１０２から内容器８
４内に圧送される。すると、該加圧空気により内容器８
４内に収容された液体が液体注出通路Ｌを通って注出さ
れる。

【００７９】第３の実施の形態（請求項１〜４に対応） 図１４には、本願発明の第３の実施の形態にかかるポン
プ注液式液体容器の要部が示されている。

【００８０】このポンプ注液式液体容器は、電気ヒータ
１６６により内容液を加熱した後、保温する電気貯湯容
器とされており、液体注出通路Ｌは、ステンレス製の内
容器１６１の底部から該内容器１６１の前面と外ケース
１６２との間の空間を通って肩部材１６３のパイプカバ
ー１６４内を経て該パイプカバー１６４の下端に形成さ
れた注口部１６５に臨む通路とされている。

【００８１】前記液体注出通路Ｌの途中（即ち、内容器
１６１の満液位より上方となる位置）には、液体容器の
転倒時に自重により移動して液体注出通路Ｌを閉塞する
転倒止水弁１６７が設けられている、該転倒止水弁１６
７は、逆円錐台形状とされており、前記液体注出通路Ｌ
の途中に形成された弁室１６８内に移動自在に配設され
ている。そして、この転倒止水弁１６７は、液体容器の
転倒時において弁室１６８内に形成されたガイドリブ１
６９に案内されて移動し、弁室１６８の出口１６８ａを
閉塞することとなっている。

【００８２】また、前記液体注出通路Ｌにおける下端部
には、液体注出用のポンプ装置として作用する電動ポン
プ１７０が介設されている。つまり、本実施の形態にお
いては、内容器１６１内の液体は、電動ポンプ１７０の
駆動により液体注出通路Ｌを介して外部へ注出されるこ
ととなっているのである。

【００８３】さらに、前記内容器１６１の底部には、該
内容器１６１内の液量を表示するための液量管１７１が
接続されている。該液量管１７１の上端は、連通管１７
２を介して前記弁室１６８の下部に接続されている。

【００８４】滋養機のように構成したことにより、液量
管１７１をその直上方位置にある弁室１６８に接続する
構造となり、従来の連通筒に接続するタイプのものに比
べて配管が短くなるとともに、連通筒の上下寸法を短く
できるため保温性能が向上する。しかも、弁室１６８に
残湯が生じた場合にも、該残湯は連通管１７２を介して
液量管１７１に還流せしめられることとなり、冷えたお
湯が内容器１６１内へ戻るということがなくなる。

【００８５】

【発明の効果】本願発明によれば、容器本体と、該容器
本体内に配設された内容器と、該内容器内の液体を外部
へ注出する液体注出通路と、該内容器内の液体を前記液
体注出通路を介して外部へ注出するためのポンプ装置
と、前記内容器内の液体の液位を表示する液量管と、前
記液体注出通路の途中にあって前記液体注出通路を閉状
態とする止水弁とを備えたポンプ注液式液体容器におい
て、前記液量管の上端を、前記液体注出通路において前
記止水弁より前記内容器側に寄った位置に連通させて、
該液体注出通路を介して外気と連通させるようにして、
液量管内の冷えた液体が、ポンプ装置の作動時に液体注
出通路において止水弁より内容器側に寄った位置に押し
出されるようにしているので、液量管内の液体が内容器
内へ還流しにくくなり、内容器における保温性能が向上
するという優れた効果がある。しかも、液量管のほぼ直
上方に位置する液体注出通路に接続できるところから、
接続部位の構造を簡略化することもできるという利点も
ある。

【００８６】本願発明において、前記液体注出通路にお
ける前記液量管の側接続部位を、前記止水弁を収納した
弁室の下部とした場合、ポンプ装置の作動時に液量管か
ら押し出された冷えた液体が弁室の下部に溜まった後、
ポンプ装置の作動停止後に再び液量管へ還流することと
なり、内容器内の保温性能がより一層向上することとな
る。

【００８７】また、前記液量管の上端を前記液体注出通
路に対して連通管を介して接続するとともに、該連通管
の流路面積を前記液体注出通路における流路面積より小
さく設定した場合、ポンプ装置の作動時に液量管から押
し出される液体の量を少なくすることができる。従っ
て、液体注出通路を流出する液体の量を多く確保できる
こととなり、液体注出性能を良好に確保することができ
る。

【００８８】また、前記止水弁を、液体容器の転倒時に
自重により移動して前記液体注出通路を閉塞する転倒止
水弁とした場合、液体容器の正立時においては液体注出
通路は連通状態とされることとなり、液量管の外気連通
が確実に得られる。

【００８９】また、前記ポンプ装置を、前記内容器内に
加圧空気を圧送するエアーポンプとした場合、エアーポ
ンプ作動時には液量管内の液体が押し出されることとな
るが、液体注出通路に押し出されるため、内容器への還
流を少なくできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の第１の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器の縦断面図である。

【図２】本願発明の第１の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器の要部拡大断面図である。

【図３】本願発明の第１の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器におけるエアーポンプおよび駆動レバーを
示す平面図である。

【図４】本願発明の第１の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器における中間操作レバーおよびロック部材
の関係を示す分解斜視図である。

【図５】本願発明の第１の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器における口先管と注出管との関係を示す拡
大断面図である。

【図６】本願発明の第１の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器における底部の他の構造例を示す部分縦断
面図である。

【図７】本願発明の第１の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器における表示パネルの取付構造の一例を示
す分解斜視図である。

【図８】本願発明の第１の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器における表示パネルの取付構造の一例を示
す斜視図である。

【図９】本願発明の第１の実施の形態にかかるポンプ注
液式液体容器における表示パネルの取付構造の他の例を
示す分解斜視図である。

【図１０】本願発明の第１の実施の形態にかかるポンプ
注液式液体容器における液量管の取付構造の一例を示す
分解斜視図である。

【図１１】本願発明の第１の実施の形態にかかるポンプ
注液式液体容器における液量管の取付構造の一例を示す
断面図である。

【図１２】本願発明の第２の実施の形態にかかるポンプ
注液式液体容器の上部縦断面図である。

【図１３】本願発明の第２の実施の形態にかかるポンプ
注液式液体容器における連動機構を示す分解斜視図であ
る。

【図１４】本願発明の第３の実施の形態にかかるポンプ
注液式液体容器の要部断面図である。

【符号の説明】

１，８１は容器本体、２，８２は蓋体、３，８４，１６
１は内容器、３ａは口部、３ｂは胴部、５，８６，１６
３は肩部材、２１，８３はポンプ装置（エアーポン
プ）、４９はロック部材、５９，１１１，１６７は止水
弁（転倒止水弁）、６０，１１２，１６８は弁室、６
３，１１５は液溜め部、６９，１２６，１７１は液量
管、６６，１２７，１７２は連通管、Ｌは液体注出通
路、Ｍはポンプ駆動機構、Ｋはロック手段、Ｒは連動機
構。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器本体と、該容器本体内に配設された
   内容器と、該内容器内の液体を外部へ注出する液体注出
   通路と、該内容器内の液体を前記液体注出通路を介して
   外部へ注出するためのポンプ装置と、前記内容器内の液
   体の液位を表示する液量管と、前記液体注出通路の途中
   にあって前記液体注出通路を閉状態とする止水弁とを備
   えたポンプ注液式液体容器であって、前記液量管の上端
   を、前記液体注出通路において前記止水弁より前記内容
   器側に寄った位置に連通させて、該液体注出通路を介し
   て外気と連通させたことを特徴とするポンプ注液式液体
   容器。
2. 【請求項２】 前記液体注出通路における前記液量管と
   の接続部位を、前記止水弁を収納した弁室の下部とした
   ことを特徴とする前記請求項１記載のポンプ注液式液体
   容器。
3. 【請求項３】 前記液量管の上端を前記液体注出通路に
   対して連通管を介して接続するとともに、該連通管の流
   路面積を前記液体注出通路における流路面積より小さく
   設定したことを特徴とする前記請求項１および請求項２
   のいずれか一項記載のポンプ注液式液体容器。
4. 【請求項４】 前記止水弁を、液体容器の転倒時に自重
   により移動して前記液体注出通路を閉塞する転倒止水弁
   としたことを特徴とする前記請求項１ないし請求項３の
   いずれか一項記載のポンプ注液式液体容器。
5. 【請求項５】 前記ポンプ装置を、前記内容器内に加圧
   空気を圧送するエアーポンプとしたことを特徴とする前
   記請求項１ないし請求項４のいずれか一項記載のポンプ
   注液式液体容器。