JPS5827724Y2 - エア−ポツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はポット上部の蓋体内に収容されたエアーポンプ
からの加圧空気を中瓶内に吹き込み、該中瓶内の液体を
瓶内外を連通ずる一連の液体通路を通して外部へ押し出
すようにしたエアーポットに関し、特にそのようなエア
ーポットにおけるポンプ吐出口及び液体通路の開閉機構
に関するものである。

従来の一般的なエアーポットでは、一連の液体通路によ
って中瓶内外が常時連通状態となっており、保温上及び
ポット転倒時の漏水防止上問題があった。

又、従来のエアーポットでは、エアーポンプ内と中瓶内
とが常時連通しているためにポット転倒時に中瓶内の液
体がエアーポンプ内に侵入することがあり、さらにポッ
ト正常時にも中瓶内液体の蒸気がエアーポンプ内に侵入
して該エアーポンプ内のポンプ伸張用スプリングを腐蝕
するという問題があった。

本考案は上記した従来のエアーポットの諸問題を改善す
るためになされたものであって、栓体に液体通路の途中
及びポンプ吐出口を開閉する弁体を配設し該弁体をエア
ーポンプの操作に連動させて開閉作動させるようにした
エアーポットを提供することを目的とするもので゛ある
。

以下、図示の実施例に基づいて本考案を説明すると、第
１図ないし第３図に示す実施例のエアーポットは、内部
に中瓶６を収容した外ケース５の上部に下口部材７を載
置固定してなるポット本体１と液体汲土管となる瓶内管
１０を取付けた栓体４及び内部にエアーポンプ８を収容
した蓋体３を一体的に固着してなる栓ユニット２とによ
って構成されており、該栓ユニット２はポット本体１に
対して着脱自在に嵌装されるように構成されている。

又、このエアーポットでは、栓ユニット２の栓体４に栓
内通水路３３の途中及びポンプ吐出口３０を開閉する弁
体３７を配設し、該弁体３７をエアーポンプ８の操作に
連動して上下動する弁体押し下げ機構５０によって作動
させるように構成している。

ポット本体１の外ケース５内に収容された中瓶６は真空
二重瓶が使用されている。

ポット本体１の下口部材７は外ケース５の上部に補強部
材１８を介してネジリング１９によって載置固定されて
いる。

下口部材７のほぼ中央部には中瓶６の瓶口と連通ずる栓
差込穴１１が形成されている。

この栓差込穴１１は上下方向に適宜の高さをもつ節穴状
となっており、該栓差込穴１１の下端部には内方に向け
てやや狭口となる環状の段部１１ ａが形成されている
。

この栓差込穴１１には栓ユニット２の栓体４部分が気密
的に嵌挿される。

下口部材７にはその栓差込穴１１の内側面に開口部１２
ａをもつ瓶外管１２が前方に向けて取付けられている。

この瓶外管１２は中瓶６内の液体Ｗの注出管となるもの
でその先端には注口管１３が接続されている。

瓶外管１２は下口部材７に対して取外し自在にネジ結合
されている。

瓶外管１２及び注口管１３はそれぞれ瓶外管カバ一部材
１６及び注口管カバ一部材１７によって覆蓋されている
。

尚、瓶外管カバ一部材１６は下口部材７にビス止めによ
って固定されており、又、注口管カバ一部材１７は瓶外
管カバ一部材１６に着脱自在に取付けられている。

即ち、注口管カバ一部材１７の後端には弾性爪片１７
ａ 、１７ ａが形成されており、この弾性爪片１７
ａ 、１７ ａを瓶外管カバ一部材１６の前板１６ ａ
に形成した愛犬１６ ｂ 、１６ ｂ内に係脱自在に掛
合することにより、注口管カバ一部材１７の着脱を行う
ようにしている。

この注口管カバ一部材１７を取外せば瓶外管１２は螺解
して洗浄することができるようになっている。

下口部材７には、その栓差込穴１１の上方に該栓差込穴
１１の直径より大径で深容器型の筒壁１４が一体形成さ
れており、該筒壁１４の内側には比較的大容積の空室１
５が形成されている。

この空室１５は栓ユニット２を嵌装したときにエアーポ
ンプ８を収容するための収容室となる。

筒壁１４の内面には、その前側上端部に係合突部５１が
、又その後側上部付近には２条の縦突条５３，５３（第
３図参照）がそれぞれ形成されており、さらに筒壁１４
の後側上端付近には円周方向に所定範囲だけスライド自
在なストッパー５６が設けられている。

このストッパー５６は筒壁１４の内側に突出する係止片
５７と筒壁１４の外側に露出するツマミ５８からなって
おり、該ストッパー５６は筒壁１４に形成した横方向の
長穴５９（第３図）内で円周方向にスライドできるよう
になっている。

尚、これらの係合突部５１．縦突条５３ 、５３及びス
トッパー５６は、後述するように栓ユニット２をポット
本体１に対して位置決め及び゛固定させるためのもので
゛ある。

栓ユニット２は、下口部材７の上部を覆蓋する蓋体３と
、栓差込穴１１に嵌挿される栓体４及び瓶内管１０を一
体的に結合して形成されている。

尚、他の実施例では蓋体３と栓体４とは別体に形成する
ことができる。

蓋体３は、上方中央部に節穴２３を形成した蓋上ケース
２１と前記下口部材７の筒壁１４よりやや小径の深容器
型の着下ケース２２を二体的に固着して形成されており
、該着下ケース２２内にはベローズ式のエアーポンプ８
が収容されている。

尚、着下ケース２２の底壁２４はエアーポンプ８の底板
を兼用している。

着下ケース２２の周壁２５の外面には、その前側上端部
に前記下口部材７の筒壁１４に形成した係合突部５１と
係合する受部５２が、又、その後側上部付近に前記下口
部材筒壁１４に形成した縦突条５３，５３間の溝５４（
第３図参照）に嵌入する突起５５がそれぞれ形成されて
いる。

この突起５５は栓ユニット２をポット本体１に嵌装させ
る際の位置決め作用をするもので、該突起５５を前記縦
突条５３，５３間の溝５４内に嵌入させることによって
栓ユニット２の円周方向の位置決めがなされる。

又、蓋下ケース周壁２５の係合受部５２は前記係合突部
５１に係合して栓ユニット２の前側をポット本体１に掛
止する作用をする。

尚、栓ユニット２の後側はその突起５５にストッパー５
６の係止片５７を係止させることによって固定される。

即ち、該突起５５を溝５４内に嵌入させた状態でツマミ
５８を右回転方向（又は左回転方向）に移動すればスト
ッパー５６の係止片５７を突起５５に上部から係止させ
ることができ、栓ユニット２を前記係合突部５１と係合
受部５２の係合と相俟って安定的に固定させることがで
きるようになっている。

エアーポンプ８は、ポンプ底板（着下ケースの底壁）２
４とポンプ天板２６の間に多数のヒダを有する環状の膜
材２７を介設して形成されており、該エアーポンプ８の
内部にはポンプ伸張用のコイルスプリング２８が配設さ
れている。

ポンプ天板２６の中央部には上方に突出する立上り筒壁
２６ ａが一体形成されており、該立上り筒壁２６ ａ
の上端開口部はポンプ吸入口２９となっている。

ポンプ底板２４の中央部にはポンプ吐出口３０が開口し
ている。

このエアーポンプ８の上部には前記蓋上ケース２１の節
穴２３内で上下動するポンプ操作部材９が配設されてい
る。

該ポンプ操作部材９の下面にはポンプ吸入口２９を開閉
する弁４５が設けられている。

栓ユニット２の栓体４はポンプ底板２４の下面に一体的
に固着されている。

この栓体４の内部には、その栓ケース３１の内部を隔壁
３２で区画して液体通路の一部となる通水路３３及びエ
アーポンプ８からの加圧空気の通路となる通気路３４が
形成されている。

又、栓体４の下部にはその中心部に栓内通水路３３と連
通する瓶内管１０が固着されている。

この瓶内管１０の下端１０ ａは前記中瓶６の瓶底付近
に開口している。

栓体４の外周胴部には帯状の胴部パツキン３６が取付け
られている。

この胴部パツキン３６は前記栓差込穴１１内の下端部に
形成した内向きの段部１１ ａの縁部及び栓差込穴１１
の上端開口部１１ｂにそれぞれ気密的に接触して中瓶６
の内部を密閉するとともに後述する栓内通水路３３の開
口部３３ａと前記瓶外管１２の開口部１２ ａとの間か
ら液体Ｗが漏出するのを防止する作用をする。

栓体４の通水路３３は、瓶内管１０と連通ずる縦水路部
３３ ｂと先端が栓ケース３１の側面に開口（符号３３
ａ）する横水路部３３ Ｃからなっており、該縦水路部
３３ ｂと横水路部３３ Ｃの間には水平面内で開口す
る連通口３５が形成されている。

栓内通水路３３の開口部３３ ａは前記胴部パツキン３
６を貫通するように開口しており、該通水路開口部３３
ａは前記栓差込穴１１の内面に開口する瓶外管１２の
開口部１２ ａと連通ずるようになっている。

このときには瓶内管１０、栓内通水路３３及び瓶外管１
２によって一連の液体通路２０を構成するようになって
いる。

尚、栓ユニット２は、栓内通水路３３の開口部３３ ａ
と瓶外管１２の開口部１２ ａとが連通ずる状態でのみ
前記縦突条５３，５３間の溝５４に突起５５が嵌入でき
てポット本体１に嵌装することができるようになってい
る。

栓体４の通気路３４は前記通水路３３を囲繞して栓体４
内を縦方向に貫通するように形成されており、該通気路
３４の上方部は前記エアーポンプ８の吐出口３０と連通
し、又下方部は前記中瓶６内に向けて開口している。

栓体４内には前記栓内通水路３３の連通口３５及び前記
ポンプ吐出口３０を同期的に開閉するための弁体３７が
配設されている。

この弁体３７は通水路３３の横水路部３３ Ｃを上下方
向に貫通する弁棒３８の上、千両端部にそれぞれポンプ
吐出口３０又は通水路連通口３５を開閉する通気制御弁
３９、通水制御弁４０を設けて形成しており、その上側
の通気制御弁３９と横水路部３３ Ｃを形成する隔壁３
２の間には弁体押上げ用スプリング４２が配設されて弁
体非作動時にはポンプ吐出口３０及び連通口３５を下方
から同時に閉塞するようになっている。

又、弁体３７の上側弁３９の下面には横水路部３３ Ｃ
形成用の隔壁３２に形成された弁棒３８挿通用の穴３２
ａを閉塞するための膜状パツキン４１が取付けられて
いる。

この膜状パツキン４１は栓内通気路３４内に吹込まれた
エアーポンプ８からの加圧空気が弁棒挿通用穴３２ ａ
から栓内通水路３３内に漏出するのを防止するためのも
ので可撓性を有している。

この弁体３７の上方にはエアーポンプ８の駆動に連動し
て上下動する弁体押下げ機構５０が配設されている。

この弁体押下げ機構５０は、ポンプ操作部材９の下面中
央部に下方に向けて突出させて取付けた円筒状のガイド
筒４４と、該ガイド筒４４内で上下方向にスライド自在
に支持された押棒４６とによって構成されており、該押
棒４６の上端とポンプ操作部材９の下面との間に介設さ
れた押棒押下げ用スプリング４７によって押棒４６が下
方に付勢されるように取付けられている。

ガイド筒４４は前記ポンプ天板２６に形成した立上り筒
壁２６ａ内に挿通されており、該ガイド筒４４の上端部
には立上り筒壁２６ ａ上端のポンプ吸入口２９を開閉
する吸入弁４５が取付けられている。

ガイド筒４４と押棒４６とは、該ガイド筒４４の下端に
形成した内向きフランジ４４ ａと該押棒４６の上端に
形成した外向きフランジ４６ ａとを係合させることに
より押棒４６がガイド筒４４から下方に抜は出さないよ
うにしている。

押棒４６はその下端４６ ｂが前記ポンプ吐出口３０を
貫通して前記弁体３７の弁棒３８直上方に近接する位置
まで下方に突出させている。

尚、押棒押下げ用スプリング４７は前記弁体３７の押上
げ用スプリング４２より弾発力の強いものが使用されて
いる。

この押棒４６は、エアーポンプ８の伸張時には第１図に
示すように弁体３７には作用せず該弁体３７の上、下端
の弁３９．４０がそれぞれポンプ吐出口３０及び栓内通
水路３３の連通口３５を閉塞しているが、ポンプ操作部
材９を押圧すると第２図に示すように弁棒押下げ用スプ
リング４７によって付勢されてガイド筒４４及びポンプ
天板２６とともに下動し、弁体３７を弁体押上げ用スプ
リング４２に抗して押下げてポンプ吐出口３０及び連通
口３５を開放させるように作用する。

尚、弁体３７がその通気制御弁３９の下面が横水路部３
３Ｃ形成用の隔壁３２上に当接するまで押下げられると
、弁棒３８はそれ以上下動することができずガイド筒４
４及びポンプ天板２６のみが押下げられるようになって
いる。

次にこのエアーポットの使用方法並びにその作用を説明
すると、ポンプ操作部材９を押圧すれば第２図に示すよ
うにエアーポンプ８が収縮すると同時に押棒４６が下動
して該押棒４６によって弁体３７がエアーポンプ８の駆
動方向と同方向に押下げられてポンプ吐出口３０及び栓
内通水路３３の連通口３５が同期的に開放される。

そのときにエアーポンプ８からの加圧空気は栓内通気路
３４を通って中瓶６内に吹込まれ、その加圧空気によっ
て中瓶６内の液体Ｗが瓶内管１０、栓内通水路３３及び
瓶外管１２からなる一連の液体通路２０を通って注口管
１３から外部へ注出される。

ポンプ操作部材９から手を離すとエアーポンプ８が伸張
用スプリング２８によって伸張してポンプ操作部材９が
元に復帰するとともに弁体３７も押棒４６の押圧力が解
除されて弁体押上げ用スプリング４２によって押上げら
れてその上、下端の弁３９．４０がそれぞれポンプ吐出
口３０及び連通口３５を閉塞する。

又、このエアーポットでは、エアーポンプ８の休止時に
は弁体３７の上下両弁３９．４０がそれぞれポンプ吐出
口３０及び連通口３５を閉塞しているので誤ってポット
を転倒したときでも瓶内液体Ｗが一連の液体通路２０を
通って注口管１３から外部に漏出したり栓内通気路３４
を通ってポンプ吐出口３０からエアーポンプ８内に侵入
したりすることがなく、又、瓶内液体Ｗの蒸気が外部に
流出することもないので保温力の低下を防止することが
できる。

続いて本考案の効果を説明すると、本考案のエアーポッ
トは次のような効果がある。

（１）栓体４に、ポンプ吐出口３０及び栓内通水路３３
の途中を同時に開閉する弁体３７を配設し、しかもその
弁体３７の開閉作動をエアーポンプ８の操作と連動して
上下動する弁体押下げ機構５０によって行わせるように
構成しているので、ポンプ吐出口３０及び栓内通水路３
３をポンプ操作と同時に開閉することができ且つ弁体３
７を確実に作動させることができる。

（２）ポンプ休止時には、弁体か゛ポンプ吐出口３０及
び栓内通水路３３を閉塞しているので、誤ってポットを
転倒したときでも瓶内液体Ｗが一連の液体通路２０を通
って外部へ漏出することはなく又該瓶内液体Ｗが栓内通
気路３４を通ってポンプ吐出口３０からエアーポンプ８
内に侵入することがない。

（３）瓶内液体Ｗの熱が液体通路２０又はエアーポンプ
８から外部へ放熱されることが少なく瓶内液体Ｗの保温
力を向上させることができ、しかもエアーポンプ８内に
蒸気が流入しないのでポンプ伸張用のスプリング２８を
腐蝕するのを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかるエアーポットの縦断面
図、第２図は第１図のエアーポットの作用説明図、第３
図は第１図のエアーポットにおける栓ユニットとポット
本体との結合方法を示す一部分解斜視図である。 １・・・・・・ポット本体、２・・・・・・栓ユニット
、３・・・・・・蓋体、４・・・・・・栓体、６・・・
・・・中瓶、７・・・・・・下口部材、８・・・・・・
エアーポンプ、９・・・・・・ポンプ操作部材、１０・
・・・・・瓶内管、１１・・・・・・栓差込穴、１２・
・・・・・瓶外管、２０・・・・・・液体通路、３０・
・・・・・ポンプ吐出口、３３・、・・・・・栓内通水
路、３４・・・・・・栓内通気路、３７・・・・・・弁
体、３８・・・・・・弁棒、３９・・・・・・通気制御
弁、４０・・・・・・通水制御弁、４２・・・・・・弁
体押上げ用スプリング、４４・・・・・・ガイド筒、４
６・・・・・・押棒、４７・・・・・・押棒押下げ用ス
プリング、５０・・・・・・弁体押下げ機構、Ｗ・・・
・・・瓶内液体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポット本体１内の中瓶６の瓶口と連通ずる栓差込穴１１
   に、内部に通水路３３と通気路３４を有する栓体４を嵌
   装し、さらに蓋体３内に取付けたエアーポンプ８の内部
   と前記栓体４の通気路３４とを気密に接続して前記エア
   ーポンプ８からの加圧空気を栓内通気路３４を通して前
   記中瓶６内に吹き込み該中瓶６内の液体Ｗを瓶内管１０
   、栓内通水路３３及び瓶外管１２からなる一連の液体通
   路２０を通して外部に押し出すようにしたエアーポット
   であって、前記栓体４には、前記栓内通水路３３の途中
   を開閉する通水制御弁４０と前記エアーポンプ８の吐出
   口３０を開閉する通気制御弁３９を有する弁体３７を前
   記エアーポンプ８の駆動方向と同方向に駆動され得る如
   く配設しさらに該弁体３７の上方にはエアーポンプ操作
   部材９と一体的に上下動するガイド筒４４と前記エアー
   ポンプ操作部材９の下側に配設されたスプリング４７に
   よって下方に付勢され且つ前記ガイド筒４４に対してス
   ライド自在とされた押棒４６からなる弁体押し下げ機構
   ５０を配設して、前記エアーポンプ８の伸張時には前記
   通水制御弁４０及び通気制御弁３９をしてそれぞれ前記
   栓内通水路３３、ポンプ吐出口３０を閉塞せしめ、前記
   エアーポンプ８の押圧時には前記押棒４６が前記スプリ
   ング４７を介して間接的に押し下げられて前記弁体３７
   を押し下げ前記栓内通水路３３及び前記エアーポンプ吐
   出口３０を同時に開放するようにしたことを特徴とする
   エアーポット。