JPH10288121A - エンジンの燃料噴射弁 - Google Patents

エンジンの燃料噴射弁

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JPH10288121A
JPH10288121A JP9102234A JP10223497A JPH10288121A JP H10288121 A JPH10288121 A JP H10288121A JP 9102234 A JP9102234 A JP 9102234A JP 10223497 A JP10223497 A JP 10223497A JP H10288121 A JPH10288121 A JP H10288121A
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pressure chamber
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piston
valve
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Masahiko Katsu
雅彦 勝
Masahiko Iiizumi
雅彦 飯泉
Takayuki Arai
孝之 荒井
Takashi Fukuda
隆 福田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール部材の変形による圧力損失を抑制して
駆動効率を向上させる。 【解決手段】 燃圧室3と差圧室8の差圧に応じて変位
する針弁2によって開閉される噴口1aと、針弁2を閉
弁方向に付勢するリターンスプリング4と、ピエゾアク
チュエータ10の伸縮に応じて差圧室8の圧力を加減圧
するピストン11と、ピストン11に取り付けられて差
圧室8側と空間90とを画成するOリング12を備え、
針弁2に面した差圧室8に加えてピストン11を収装し
た圧力室13を貫通孔9bを介して連通し、この圧力室
13は、ピストン11の端面11aと対向する壁面9c
に密着可能かつ貫通孔9bに面した貫通孔7aを備える
画成板7と、ピストン端面11aと画成板7との間に配
設された筒状のベローズ5から画成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧電素子または
磁歪素子等のアクチュエータを介して針弁前後の燃料圧
力を変化させることにより針弁を駆動するエンジンの燃
料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車用エンジンに備えられる
燃料噴射弁には、印加電圧に応じて体積変化する圧電素
子や、磁界の変化に応じて体積変化する磁歪素子を備え
たアクチュエータによって針弁(弁体)を開弁作動させ
るものが知られており、針弁をこれらアクチュエータで
駆動することにより、燃料噴射弁の応答性を向上でき、
噴射可能範囲が拡大してエンジンの高出力化に対応でき
るとともに、少量の燃料を安定して噴射することが可能
となってエンジンの燃費低減を図ることができる。
【0003】このような燃料噴射弁としては、例えば、
特開平5−180113号公報に開示されるものが知ら
れており、アクチュエータとして圧電素子からなるピエ
ゾアクチュエータを用いるとともに、針弁の開閉をその
前後差圧に基づいて行うようにしたものである。
【0004】これについて説明すると、針弁の前後には
燃圧室と差圧室が画成されており、燃圧室には所定の圧
力で燃料が導入され、差圧室は燃圧室とオリフィスによ
り連通されている。針弁背後側の差圧室にはピストンを
備えたピエゾアクチュエータが設けられており、このピ
エゾアクチュエータの伸縮により針弁の開閉作動が制御
される。ピストン外周には、ケーシング内周と摺接する
Oリングが設けられて、差圧室とピエゾアクチュエータ
を収装する空間とを画成している。
【0005】そして、ピエゾアクチュエータに予め設定
した電圧を印加して、伸長させた状態で針弁前後の燃圧
室と差圧室の圧力はオリフィスを介して均等化されてい
る。
【0006】このとき針弁はリターンスプリングの付勢
力により閉弁保持している。この状態からピエゾアクチ
ュエータへの印加電圧を所定の開弁電圧へ変更してピエ
ゾアクチュエータを瞬時に収縮させると、針弁背後の差
圧室の容積が拡大する。
【0007】同時に、差圧室は針弁前方の燃圧室に対し
てオリフィスを介して連通しているので、一時的に差圧
室の内圧が低下して針弁の前後に開弁方向の圧力差が発
生する。これにより針弁はリターンスプリングに抗して
開弁し、噴口が開いて燃料が噴射されることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、ケーシング内周を摺動するピストンの外周に
Oリングを設けて、差圧室とピエゾアクチュエータを収
装する大気圧側の空間とを画成する構造となっている
が、ピエゾアクチュエータを伸長駆動すると、ピストン
は差圧室の容積を縮小する方向へ変位して、差圧室の圧
力が上昇するが、このとき、ケーシング内周と摺接する
Oリングの端部は、差圧室内の圧力増大に伴って大気圧
側へ変形するため、差圧室内の容積は拡大することにな
り、ピストンの変位に応じた差圧室の圧力上昇が得られ
ず、圧力損失が生じてピエゾアクチュエータの駆動効率
が低下するという問題があり、逆に、ピエゾアクチュエ
ータを伸長状態から収縮させる開弁時には、Oリングが
差圧室の急激な圧力低下によってピストン及びピエゾア
クチュエータの変位方向に対してピストンを引っ張る方
向に変形するため、差圧室の圧力を速やかに低減できず
に、減圧側で圧力損失を生じてピエゾアクチュエータの
駆動効率が低下するという問題があった。
【0009】そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてな
されたものであり、ピストンのOリングの変形に起因す
る圧電素子や磁歪素子を用いた燃料噴射弁の圧力損失を
抑制して駆動効率を向上させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、加圧燃料
が導かれる燃圧室と、燃圧室と差圧室の差圧に応じて変
位する針弁と、針弁によって開閉されて燃圧室の燃料を
噴射する噴口と、針弁を閉弁方向に付勢する弾性部材
と、圧電素子または磁歪素子から構成されたアクチュエ
ータと、アクチュエータの伸縮に応じて差圧室の圧力を
加減圧するピストンと、このピストンに取り付けられて
差圧室側とアクチュエータを収装する空間とを画成する
シール部材を備えたエンジンの燃料噴射弁において、前
記差圧室は、針弁に面した第1の差圧室と、前記ピスト
ンを収装した第2の差圧室と、これら第1及び第2の差
圧室を連通する連通路から構成され、この第2の差圧室
は、前記ピストンの端面と対向する壁面に密着可能かつ
前記連通路に面して貫通孔を備えた板状部材と、ピスト
ンの端面とこの板状部材との間に配設された筒状のベロ
ーズとから画成される。
【0011】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記板状部材に設けた貫通孔の内径は、前記連通
路の内径よりも小さい。
【0012】また、第3の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記ベローズは、前記アクチュエータを収縮方向
へ向けて付勢する可撓性部材で形成される。
【0013】また、第4の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記板状部材は、前記連通路内周に嵌合する筒部
を突設する。
【0014】
【発明の効果】第1の発明は、ピストンを収装する第2
差圧室を、ピストン端面と貫通孔を設けた板状部材との
間に設けた筒状のベローズによって画成したため、連通
路に面した貫通孔を介して第1及び第2差圧室は等しい
内圧となり、開弁時及び閉弁時には第1及び第2差圧室
の内圧が変動するが、板状部材は第2差圧室の内圧によ
って常時壁面に密着するため、この壁面と板状部材の間
から燃料がベローズ外周へ漏れるのを抑制されて、ピス
トン外周に設けたシール部材にはこれら差圧室の圧力変
動が直接加わることがなくなって、前記従来例のような
差圧室の圧力変動によるシール部材の変形を防いで、変
形による圧力損失の発生を防止することが可能となっ
て、アクチュエータの駆動効率を向上させることがで
き、その分、ピエゾアクチュエータの小型化が可能とな
って、製造コストの低減を推進でき、また、シール部材
は前記従来例のように圧力によって変形することがない
ため、耐久性を向上させることが可能となる。
【0015】また、第2の発明は、板状部材に設けた貫
通孔の内径を連通路の内径よりも小さく設定したため、
板状部材がずれた場合にも壁面が第2差圧室に面するこ
とを防いで、壁面へ押圧した板状部材と壁面との間から
燃料がベローズ外周へ漏れるのを確実に防止できる。
【0016】また、第3の発明は、筒状のベローズは可
撓性を備えた部材で構成されて常時アクチュエータを収
縮方向へ付勢するようにしたため、アクチュエータへ収
縮方向のプリロードを付与する部材を別途設ける必要が
なく、部品点数の増大を抑制できるとともに、板状部材
の壁面への密着を確実に行うことができる。
【0017】また、第4の発明は、板状部材には連通路
内周に嵌合する筒部を突設したため、第1差圧室と第2
差圧室は筒部内周の貫通孔を介して連通し、筒部が貫通
孔内周に嵌合するため、貫通孔と連通路の位置はずれる
ことがなくって、板状部材と壁面との間からベローズ外
周へ燃料が漏れるのを確実に防止でき、ピストンに設け
たシール部材の変形をさらに確実に防止することができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を筒内噴射式火花点
火エンジンに配設されるエンジンの燃料噴射弁に適用し
た一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】図1、図2において、燃料噴射弁のケーシ
ング9の先端部には、図示しないエンジンの燃焼室に臨
ませるノズルボディ1が設けられ、このノズルボディ1
は先端に開口した噴口1aから、燃料噴霧を燃焼室内へ
向けて噴射するように構成される。
【0020】ノズルボディ1の内部には、噴口1a側に
弁体2aを形成する一方、他端にピストン部2cを形成
した針弁2が摺動可能に収装され、ノズルボディ1の内
部には針弁2のまわりを取り囲むように燃圧室3が画成
されて、噴口1aは針弁2によって開閉される。
【0021】燃圧室3への加圧燃料の供給は、ケーシン
グ9の側面に開口した燃料入口6から行われ、この燃料
入口6は図示しない燃料供給手段と連通する。
【0022】針弁2は、噴口1a側のノズルボディ1の
シート部と接離する弁体2aを形成する一方、ケーシン
グ9の隔壁9a側の基端(図中右側)にノズルボディ1
の内周を摺動するピストン部2cが形成され、さらに、
弁体2aとピストン部2cの間には棒状のロッド部2b
が形成される。
【0023】ピストン部2cの背面、すなわち、ケーシ
ング9の隔壁9aと対向する側には、ピストン部2cと
隔壁9aとの間に第1差圧室としての差圧室8が画成さ
れ、この差圧室8にはピストン部2cを介して針弁2を
閉弁方向へ付勢する弾性部材としてのリターンスプリン
グ4が介装される。
【0024】そして、ピストン部2cの端面と隔壁9a
との間には所定の間隙等からなる絞り通路20が形成さ
れ、この絞り通路20を介して燃圧室3と差圧室8の間
で燃料の移動を徐々に行うことができる。
【0025】一方、ケーシング9の隔壁9aよりも基端
側(図中右側)は筒状に形成されており、内周には圧電
素子からなるピエゾアクチュエータ10が軸方向(図中
左右方向)へ伸縮自在に配設され、ケーシング9の開口
端(基端)には封止部材16が配設される。
【0026】なお、ピエゾアクチュエータ10は、PZ
T(チタン酸ジルコン酸鉛)系セラミック、PMN(ニ
オブ酸マグネシウム酸鉛)系セラミックなどからなる圧
電素子を円盤状に形成した部材を多数積層し、これら、
各圧電素子間及び両端には図示しない電極が介装され
て、図示しないコントローラからの印加電圧に応じてピ
エゾアクチュエータ10は、軸方向へ伸縮する。
【0027】ケーシング9の開口端側に設けた封止部材
16と隔壁9aの間には、ピエゾアクチュエータ10を
収装する空間90が画成される。なお、この空間90
は、例えば円形断面を備えて、後述するピストン11を
内周9dで軸方向へ摺動自由に支持する。
【0028】そして、封止部材16と対向するピエゾア
クチュエータ10の基端側には板状のスペーサ14が固
設され、このスペーサ14と封止部材16との間にはボ
ール15が介装され、ピエゾアクチュエータ10はスペ
ーサ14を介して基端側を支持されるため、ピエゾアク
チュエータ10を伸長駆動すると、先端側は隔壁9aに
向けた軸方向へ変位する。
【0029】また、スペーサ14と封止部材16との間
に介装されたボール15は、ピエゾアクチュエータ10
の軸線上に設けられて、封止部材16に対するピエゾア
クチュエータ10の相対的な回動を許容し、ピエゾアク
チュエータ10に軸まわりのねじれが発生するのを防止
する。
【0030】一方、隔壁9aと対向したピエゾアクチュ
エータ10の先端には、ケーシング9の内周9dを軸線
Cに沿って摺動するピストン11が固設される。このピ
ストン11の端面11aは隔壁9aの壁面9cと対向し
ており、これら端面11aと壁面9cの間には、板状部
材としての画成板7及びベローズ5を介して第2差圧室
としての圧力室13が後述するように画成され、この圧
力室13は隔壁9aに設けた連通路としての円形断面の
貫通孔9bを介して差圧室8と連通する。
【0031】ベローズ5は可撓性を備えた部材で構成さ
れ、ピストン11の端面11aの周縁部11bから壁面
9cへ向けて筒状、例えば円筒状に形成され、基端を周
縁部11bに固設する一方、先端を壁面9cに密着可能
な画成板7に固設される。
【0032】画成板7は、所定の板状部材、例えば、円
板状部材で構成されて、貫通孔9bに面した位置で同軸
的に円形の貫通孔7aを形成する。そして、画成板7の
貫通孔の内径は隔壁9aの貫通孔9bの内径より小さく
設定される。
【0033】画成板7はベローズ5の弾性によって隔壁
9a側に押圧され、常時壁面9cと密着し、ベローズ
5、画成板7及びピストン11の端面11aで囲まれた
空間が第2差圧室としての圧力室13を画成し、貫通孔
7a、9aを介して差圧室8と連通する。
【0034】そして、ピストン11の外周には、ケーシ
ング9の内周9dと摺接するシール部材としてのOリン
グ12が設けられ、ベローズ5の外周に漏れた燃料が空
間90内へ侵入するのを防止する。
【0035】なお、リターンスプリング4のバネ定数k
は、ピストン11の受圧面積をA、針弁2のピストン部
2cに加わる前後差圧をΔP、ピストン11に加わる力
をF、リターンスプリング4が発生する力をFkとする
と、ピエゾアクチュエータ10を収縮駆動して針弁2を
開弁させた状態では、 |F|=|ΔP×A|>|Fk| ………(1) となるように、リターンスプリング4のバネ定数が設定
される。
【0036】以上のように構成され、次に、燃料噴射弁
の作用について説明する。
【0037】図1は、燃料噴射弁の閉弁状態を示してお
り、図示しないコントローラは所定の閉弁電圧を印加し
てピエゾアクチュエータ10を伸長駆動する一方、図示
しない燃圧供給回路より所定の圧力Pf(以下、燃圧と
する)の加圧燃料が燃料入口6を介して燃圧室3へ供給
される。
【0038】ピエゾアクチュエータ10は印加された閉
弁電圧に応じて隔壁9a側へ伸長し、ベローズ5の弾性
に抗して最伸長位置まで駆動され、ピエゾアクチュエー
タ10の伸長に伴って、ピストン11は圧力室13の容
積を縮小する方向(隔壁9a側)へ移動するため、圧力
室13の圧力は上昇して画成板7の貫通孔7a及び隔壁
9aの貫通孔9bを介して圧力室13と連通する差圧室
8の圧力が上昇する。
【0039】この差圧室8の圧力上昇とリターンスプリ
ング4の付勢力によって、ピストン部2cは燃圧室3の
燃圧Pfに抗して噴口1a側に押圧されて、弁体2aが
噴口1aを閉鎖して閉弁状態を維持することができる。
【0040】画成板7の貫通孔7aの内径を、隔壁9a
の貫通孔9bの内径より小さく設定したため、画成板7
が径方向へずれた場合にも壁面9cが圧力室13に面す
ることを防いで、壁面9cへ押圧した画成板7と壁面9
cとの間から燃料がベローズ5の外周へ漏れるのを確実
に防止でき、万一、燃料が漏れてもピストン11の外周
に設けたOリング12によって、空間90内へ燃料が侵
入するのを防止することができる。
【0041】そして、この閉弁状態を維持している期間
が長期に渡る場合には、ピストン部2cとノズルボディ
1の内周の絞り通路20を介して、燃圧室3と差圧室8
及び圧力室13の圧力は均一化される。
【0042】一方、燃料噴射弁の開弁駆動は、図示しな
いコントローラがピエゾアクチュエータ10への印加す
る駆動電圧を、上記閉弁電圧から開弁電圧へ切り換える
ことにより行われ、ピエゾアクチュエータ10は上記伸
長状態から急激に収縮する。
【0043】ピエゾアクチュエータ10は、コントロー
ラから印加された開弁電圧に伴って収縮するとともに、
ベローズ5の弾性によって最収縮位置へ向けて付勢され
る。
【0044】この開弁状態では、ピエゾアクチュエータ
10が収縮状態にあるため、ピストン11は封止部材1
6側へ変位して圧力室13の容積は急増する。
【0045】圧力室13の内圧は容積の急増に伴って急
減圧し、この急減圧に伴って差圧室8の圧力も急減す
る。差圧室8は急減圧する一方、燃圧室3には常時所定
の燃圧Pfが加わっているため、針弁2のピストン部2
cに加わる前後差圧は増大して、針弁2はリターンスプ
リング4の付勢力に抗して開弁方向(隔壁9a側)へ変
位する。
【0046】針弁2の変位に伴って弁体2aは開弁して
噴口1aが開き、燃料入口6から供給された燃圧室3内
の加圧燃料は、図示しない燃焼室内に噴射される。
【0047】閉弁状態から開弁する際には、圧力室13
の側壁を構成するベローズ5がピストン11によって軸
方向(軸線C方向)へ引っ張られるとともに、圧力室1
3及び差圧室8の圧力減少に伴って、ベローズ5は外周
側から内周側へ向かう圧力を支持し、画成板7は上記し
たようにベローズ5の弾性によって、壁面9cへ付勢さ
れて密着するため、圧力室13の気密を保持することが
できる。
【0048】この開弁時では、図2に示すように、Oリ
ング12はピエゾアクチュエータ10を収装する空間9
0とを画成しているだけであり、ベローズ5の外周には
圧力室13からの圧力、すなわち急減圧の影響が加わる
ことがなくなって、ほぼ空間90の大気圧に等しい圧力
が加わるだけであるため、前記従来例のように圧力の急
減によってOリング12がピストン11及びピエゾアク
チュエータ10の収縮方向に抗して変形するのを防止し
て、圧力損失の発生を抑制することが可能となって、迅
速に圧力室13の内圧を低減して速やかに開弁すること
ができ、燃料噴射弁の応答性を向上させることができ
る。
【0049】そして、燃料噴射を中止させるには、再び
ピエゾアクチュエータ10へ閉弁電圧を印加して急激に
伸長駆動させ、ピストン11はベローズ5を圧縮しなが
ら圧力室13及び差圧室8の圧力を増大させて、上記閉
弁状態と同様に、リターンスプリング4の付勢力を加え
て針弁2を閉弁させる。
【0050】開弁状態から閉弁する際には、圧力室13
の側壁を構成するベローズ5がピストン11によって軸
方向(軸線C方向)へ圧縮されるとともに、圧力室13
及び差圧室8の圧力上昇に伴って、内周側から外周側へ
向かう圧力を支持し、同様に、画成板7にも壁面9cへ
向けて圧力が加わって、上記したように貫通孔7aの内
径を貫通孔9aの内径よりも小さく設定したため壁面9
cへ密着することができ、圧力室13内の燃料がベロー
ズ5外周へ漏れるのを防止できる。
【0051】このとき、Oリング12は、図2に示すよ
うに、ピエゾアクチュエータ10を収装する空間90と
を画成しているだけであり、圧力室13からの圧力が直
接加わることがなくなって、ベローズ5の外周にはほぼ
空間90の大気圧に等しい圧力が加わるだけであるた
め、前記従来例のように圧力の急増によってOリング1
2がピストン11及びピエゾアクチュエータ10の伸長
方向に抗して変形するのを防止して、圧力損失の発生を
抑制することが可能となり、迅速に圧力室13の内圧を
増大して速やかに閉弁することができ、燃料噴射弁の応
答性を向上させることができる。
【0052】こうして、ピストン端面11aに設けたベ
ローズ5及び画成板7によって圧力室13を画成したた
め、開弁時及び閉弁時共に圧力室13の圧力変動による
Oリング12の変形を防ぐことができ、前記従来例のよ
うなOリングの変形による圧力損失の発生を防止して、
ピエゾアクチュエータ10の駆動効率を向上させること
ができ、その分、ピエゾアクチュエータ10の小型化が
可能となって、製造コストの低減を推進でき、また、O
リング12は前記従来例のように変形することがないた
め、上前記従来例に比して耐久性を向上させることが可
能となって、さらに、ベローズ5は可撓性を備えた部材
で構成されたため、ピエゾアクチュエータ10へ収縮方
向のプリロードを付与する部材を別途設ける必要がな
く、部品点数の増大を抑制できるのである。なお、収縮
方向のプリロードを付与するのは、ピエゾアクチュエー
タ10を圧縮環境下で用いる必要があるためで、これに
より、ピエゾアクチュエータ10の耐久性が向上する。
【0053】図3は第2の実施形態を示し、前記第1実
施形態の画成板7に、貫通孔9bへ嵌合する筒部7bを
形成したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同
様である。
【0054】隔壁9aの貫通孔9bに対応する画成板7
の所定の位置には、差圧室8へ向けて筒部7bが形成さ
れており、筒部7b内周の貫通孔7aを介して差圧室8
と圧力室13が連通する。
【0055】この場合、筒部7bが貫通孔9bに嵌合す
るため、貫通孔7aと貫通孔9bの位置がずれることが
なくなって、壁面9cは圧力室13に露出することはな
く、画成板7と隔壁9aの壁面9cとの間からベローズ
5外周へ燃料が漏れるのを確実に防止して、ピストン1
1に設けたOリング12の変形をさらに確実に防止する
ことができる。
【0056】なお、上記実施形態において、ピストン1
1を駆動するアクチュエータとして圧電素子からなるピ
エゾアクチュエータ10を採用した場合を示したが、図
示はしないが、磁界の強さに応じて伸縮する磁歪素子を
用いた磁歪アクチュエータまたは超磁歪アクチュエータ
を採用しても同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す燃料噴射弁の概略断
面図である。
【図2】ピストンとベローズ及び画成板の関係を示す拡
大断面図である。
【図3】第2の実施形態を示す燃料噴射弁の概略断面図
である。
【符号の説明】
1 ノズルボディ 1a 噴口 2 針弁 2a 弁体 2c ピストン部 3 燃圧室 4 リターンスプリング 5 ベローズ 6 燃料入口 7 画成板(板状部材) 7a 貫通孔 7b 筒部 8 差圧室(第1差圧室) 9 ケーシング 9a 隔壁 9b 貫通孔(連通路) 9c 壁面 9d 内周 10 ピエゾアクチュエータ 11 ピストン 11a 端面 11b 周縁部 12 Oリング 13 圧力室(第2差圧室)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16J 15/52 F16J 15/52 Z H01L 41/09 H01L 41/12 41/12 41/08 C (72)発明者 福田 隆 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加圧燃料が導かれる燃圧室と、 燃圧室と差圧室の差圧に応じて変位する針弁と、 針弁によって開閉されて燃圧室の燃料を噴射する噴口
    と、 針弁を閉弁方向に付勢する弾性部材と、 圧電素子または磁歪素子から構成されたアクチュエータ
    と、 アクチュエータの伸縮に応じて差圧室の圧力を加減圧す
    るピストンと、 このピストンに取り付けられて差圧室側とアクチュエー
    タを収装する空間とを画成するシール部材を備えたエン
    ジンの燃料噴射弁において、 前記差圧室は、針弁に面した第1の差圧室と、前記ピス
    トンを収装した第2の差圧室と、これら第1及び第2の
    差圧室を連通する連通路から構成され、 この第2の差圧室は、前記ピストンの端面と対向する壁
    面に密着可能かつ前記連通路に面して貫通孔を備えた板
    状部材と、ピストンの端面とこの板状部材との間に配設
    された筒状のベローズとから画成されたことを特徴とす
    るエンジンの燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】前記板状部材に設けた貫通孔の内径は、前
    記連通路の内径よりも小さいことを特徴とする請求項1
    に記載のエンジンの燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】前記ベローズは、前記アクチュエータを収
    縮方向へ向けて付勢する可撓性部材で形成されたことを
    特徴とする請求項1に記載のエンジンの燃料噴射弁。
  4. 【請求項4】前記板状部材は、前記連通路内周に嵌合す
    る筒部を突設したことを特徴とする請求項1に記載のエ
    ンジンの燃料噴射弁。
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