JP3823435B2 - エンジンの燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧電素子または磁歪素子等のアクチュエータを介して針弁前後の燃料圧力を変化させることにより針弁を駆動するエンジンの燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から自動車用エンジンに備えられる燃料噴射弁には、印加電圧に応じて体積変化する圧電素子や、磁界の変化に応じて体積変化する磁歪素子を備えたアクチュエータによって針弁(弁体)を開弁作動させるものが知られており、針弁をこれらアクチュエータで駆動することにより、燃料噴射弁の応答性を向上でき、噴射可能範囲が拡大してエンジンの高出力化に対応できるとともに、少量の燃料を安定して噴射することが可能となってエンジンの燃費低減を図ることができる。
【0003】
このような燃料噴射弁としては、例えば、特開平1−187363号公報に開示されるものが知られており、アクチュエータとして圧電素子からなるピエゾアクチュエータを用いるとともに、針弁の開閉をその前後差圧に基づいて行うようにしたものである。
【0004】
これについて説明すると、針弁の前後には燃圧室と差圧室が画成されており、針弁の先端には噴口を開閉する弁体が形成されるとともに、所定の圧力で燃料が導入される燃圧室に囲まれる。一方、針弁基端側には差圧室が画成され、針弁基端側の外周とボディ内周との間に設けた間隙等で構成されるオリフィスを介して燃圧室と差圧室は連通する。
【0005】
針弁基端側の差圧室には、ピストンを備えたピエゾアクチュエータが設けられており、このピエゾアクチュエータの伸縮により針弁の開閉作動が制御される。
【0006】
つまり、ピエゾアクチュエータに予め設定した電圧を印加して、伸長させた状態では、針弁前後の燃圧室と差圧室の圧力はオリフィスを介して均等化され、このとき、針弁はリターンスプリングの付勢力により閉弁保持している。
【0007】
この閉弁状態からピエゾアクチュエータへの印加電圧を所定の開弁電圧へ変更してピエゾアクチュエータを瞬時に収縮させると、針弁背後の差圧室の容積が拡大する。
【0008】
同時に、差圧室は針弁前方の燃圧室に対してオリフィスを介して連通しているため、一時的に差圧室の内圧が低下して針弁の前後に開弁方向の圧力差が発生する。これにより針弁はリターンスプリングに抗して開弁し、噴口が開いて燃料が噴射されることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、針弁は外周にオリフィス等の絞りを形成する基端側と、噴口を開閉する弁体とを一体的に形成しているため、先端と基端側の同軸度等を高精度で管理しなければ円滑に開閉を行うことができないため、加工精度を確保するために製造コストが上昇するという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、製造コストを低減しながらも、針弁基端側の絞りを高精度で形成することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、加圧燃料が導かれる燃圧室と、燃圧室と差圧室の差圧に応じて変位する針弁と、針弁によって開閉され燃圧室の燃料を噴射する噴口と、燃圧室と差圧室を連通する絞り通路と、圧電素子または磁歪素子から構成されたアクチュエータと、アクチュエータの伸縮に応じて差圧室の圧力を加減圧するピストンとを備えたエンジンの燃料噴射弁において、前記針弁は、棒状部材の一端に固設されて噴口側の座面と接離する第1球状体と、前記棒状部材の他端に固設された第2球状体を備え、前記第2球状体と針弁の閉弁方向で係合するとともに、針弁の開閉方向へ変位可能に構成されて前記燃圧室と差圧室とを画成する圧力応動部材を設け、前記第2球状体を針弁の閉弁方向へ向けて付勢する第1の弾性部材と、前記圧力応動部材を針弁の開弁方向へ向けて付勢する第2の弾性部材とを備える。
【0012】
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記絞り通路は圧力応動部材の外周とケーシング側の内周の間に設ける。
【0013】
また、第3の発明は、前記第1の発明において、前記第1弾性部材のバネ定数は、前記第2弾性部材のバネ定数よりも大きく設定される。
【0014】
また、第4の発明は、前記第1の発明において、前記圧力応動部材は、前記棒状部材を挿通する貫通孔を備えて第1球状体と第2球状体との間に介装され、前記第2球状体の外径は貫通孔の内径よりも大きく設定される。
【0015】
また、第5の発明は、前記第4の発明において、前記第1球状体の外径は、貫通孔の内径よりも小さく設定される。
【0016】
また、第6の発明は、前記第4の発明において、前記第1球状体の外径は、貫通孔の内径よりも大きく設定される。
【0017】
また、第7の発明は、前記第1の発明において、前記圧力応動部材は、燃圧室側から第2球状体と係合する第1の圧力応動部材と、差圧室側から第2球状体と係合する第2の圧力応動部材とから構成され、前記第1弾性部材は第2圧力応動部材を閉弁方向へ付勢する一方、前記第2弾性部材は第1圧力応動部材を開弁方向へ付勢して、前記差圧室はアクチュエータの伸長に応じて減圧する一方、アクチュエータの収縮に応じて増圧する圧力室と連通する。
【0018】
【発明の効果】
第1の発明は、棒状部材の両端に第1及び第2球状体をそれぞれ固設して、第1球状体を噴口側の座面に接離させる弁体とし、第2球状体は針弁の開閉方向へ変位する圧力応動部材に案内され、アクチュエータの伸縮駆動に基づく燃圧室と差圧室の圧力差に応じて針弁の開閉駆動を行うことができ、針弁の製造時には、ケーシング側の内周を摺動する圧力応動部材と針弁を別体で加工することができ、棒状部材と第1及び第2球状体の同軸度が低くても円滑に作動することができ、さらに、針弁の弁体を球状部材としたため、針弁の組立精度にかかわらず噴口側の座面へ確実に密着することができるため、噴口の開閉を正確に行うことができ、圧力差による針弁の開閉を正確に行いながら、前記従来例のように針弁の基端側で直接ノズルボディ内周に摺接する場合に比して、針弁の加工の際に高精度の寸法管理が不要となって、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0019】
また、第2の発明は、絞り通路を圧力応動部材の外周とケーシング側内周の間に形成するため、前記従来例のように針弁の基端側で直接ノズルボディ内周に摺接するとともに、間隙等により針弁基端側で絞り通路を形成する場合に比して、針弁の加工の際に高精度の寸法管理が不要となって、製造コストの低減を図りながらも、燃圧室と差圧室を連通する絞り通路の精度を容易に確保することができる。
【0020】
また、第3の発明は、第1弾性部材のバネ定数を第2弾性部材のバネ定数よりも大きく設定したため、アクチュエータの非駆動時には、確実に針弁を閉弁させて噴口からの燃料漏れを防止することができる。
【0021】
また、第4の発明は、圧力応動部材は棒状部材を挿通する貫通孔を備えて第1球状体と第2球状体との間に介装されて、第2球状体は差圧室内に配置されるが、第2球状体の外径は貫通孔の内径よりも大きく設定されるため、例えば、第1弾性部材によって第2球状体を閉弁方向へ付勢する一方、第2弾性部材によって圧力応動部材を開弁方向へ付勢すれば、第2球状体は貫通孔を封止して燃圧室と差圧室を確実に画成することができる。
【0022】
また、第5の発明は、第1球状体の外径は圧力応動部材に設けた貫通孔の内径よりも小さいため、針弁と圧力応動部材をぞれぞれ別の工程で製造した後、第1球状体側を貫通孔へ挿通させれば針弁と圧力応動部材の組付けを容易に行うことができ、生産性を向上させることができる。
【0023】
また、第6の発明は、第1球状体の外径を、圧力応動部材に設けた貫通孔の内径よりも大きく設定したため、第2球状体は貫通孔を貫通できないが、まず、棒状部材に第2球状体を溶接などによって結合してから、棒状部材を圧力応動部材の貫通孔へ挿通させ、次に、棒状部材の先端を貫通孔から突出させた状態で、第1球状体を同じく溶接などによって結合することで、針弁は第1球状体の外径が貫通孔の内径より大きいため、圧力応動部材から抜けることがないため、針弁及び圧力応動部材をサブライン等で予め組み付けた後に、燃料噴射弁の組立ラインへ搬送する場合には、針弁または圧力応動部材の一方を把持して搬送するだけでよいため、針弁の取り扱いを容易に行うことが可能となって、製造コストの低減をさらに推進することができるのである。
【0024】
また、第7の発明は、第2球状体は第1及び第2弾性部材によって燃圧室と差圧室の両側から第1及び第2圧力応動部材で狭持され、これら圧力応動部材と一体となって針弁を開閉駆動することができ、差圧室の圧力はアクチュエータの伸長に応じて減圧する一方、アクチュエータの収縮に応じて増圧する圧力室と連通したため、配線の断線等によってアクチュエータが収縮した場合、所定の噴射時期以外で燃料が一時的に噴射されてしまうことを確実に防止することが可能となって、圧電素子または磁歪素子を用いた燃料噴射弁の信頼性を向上させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を筒内噴射式火花点火エンジンに配設されるエンジンの燃料噴射弁に適用した一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0026】
図1において、燃料噴射弁のケーシング9の先端部には、図示しないエンジンの燃焼室に臨ませるノズルボディ1が設けられ、このノズルボディ1は先端に開口した噴口1aから、燃料噴霧を燃焼室内へ向けて噴射するように構成される。
【0027】
ノズルボディ1は噴口1aとは反対側の端部を開口しており、この開口端を筒状のケーシング9の途中に設けた隔壁9aへ突き当てるようにして、ケーシング9内周に嵌合することで組み付けられている。
【0028】
ノズルボディ1の内部には、噴口1a側の先端部に球状部材で形成された第1球状体としてのボール弁2aを固設する一方、基端部には球状部材で形成された第2球状体としてのボール2cを固設して、このボール弁2aとボール2cとの間を棒状部材のロッド2bを介して結合した針弁2が収装される。
【0029】
基端側のボール2cは、ノズルボディ1内周で軸方向へ摺動自由に支持された第1圧力応動部材としてのスリーブ5と軸方向(図中軸線C方向)で係合し、針弁2はこのスリーブ5を介して摺動可能に収装され、ボール弁2aを噴口1a側のシート面1b(座面)に接離させることで、噴口1aの開閉を行う。
【0030】
スリーブ5は、ケーシング9の隔壁9aに面した側にボール2cを内周に収装する円筒部5aを形成し、この円筒部5aの端面から噴口1aへ向けた所定の内周には、ボール2cと密着可能なシート面5bが設けられる。
【0031】
そして、このシート面5bの底部(図中右側)から噴口1aへ向けてテーパー状の貫通孔5cが形成されており、貫通孔5cの内径はシート面5bから噴口1aへ向けて漸次拡大する。
【0032】
ここで、貫通孔5cのシート面5b側における最小内径をd0、ボール弁2aの外径をd1、ボール2cの外径をd2、ロッド2bの外径をd3とすると、これら内径及び外径の関係は次のように設定される。
【0033】
d2>d0≧d1>d3 ………(1)
すなわち、ボール2cは貫通孔5bから噴口1a側へ抜けることがなく、スリーブ5が隔壁9a側へ変位すると、針弁2の先端に設けたボール弁2aを開弁方向へ変位させることができる。
【0034】
次に、ノズルボディ1の内部は、針弁2のボール2c及びスリーブ5によって燃圧室3と差圧室8に画成される。スリーブ5のボール弁2a側には燃圧室3がロッド2bを取り囲むように画成される一方、針弁2の背面側、すなわちスリーブ5及びボール2cとケーシング9の隔壁9aの間には差圧室8が画成される。
【0035】
そして、この燃圧室3への加圧燃料の供給は、ケーシング9の側面に開口した燃料入口6から行われ、この燃料入口6は図示しない燃料供給手段と連通して所定の圧力の加圧燃料が供給される。
【0036】
針弁2の背面側となる差圧室8には、ボール2cを噴口1a側、すなわち、針弁2の閉弁方向へ向けて付勢する第1弾性部材としてリターンスプリング4が介装される一方、燃圧室3にはスリーブ5を隔壁9側、すなわち、針弁2の開弁方向へ向けて付勢する第2弾性部材としての予圧スプリング7が配設される。これらリターンスプリング4と予圧スプリング7の関係は、リターンスプリング4のバネ定数をK1、予圧スプリング7のバネ定数をK2とすると、
K1>K2 ………(2)
の関係に設定される。
【0037】
そして、ボール2cを収装したスリーブ5の外周とノズルボディ1の内周との間には所定の間隙等からなる絞り通路20が形成され、この絞り通路20を介して燃圧室3と差圧室8の間で燃料の移動を徐々に行うことができる。
【0038】
一方、ケーシング9の隔壁9aよりも基端側(図中右側)は筒状に形成されており、内周の空間93内には圧電素子からなるピエゾアクチュエータ10が軸線C方向(図中左右方向)へ伸縮自在に配設され、ケーシング9の開口端(基端)には封止部材16が配設される。
【0039】
なお、ピエゾアクチュエータ10は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系セラミック、PMN(ニオブ酸マグネシウム酸鉛)系セラミックなどからなる圧電素子を円盤状に形成した部材を多数積層し、これら、各圧電素子間及び両端には図示しない電極が介装されて、図示しないコントローラからの印加電圧に応じてピエゾアクチュエータ10は、軸方向へ伸縮する。
【0040】
ケーシング9の開口端側に設けた封止部材16と隔壁9aの間には、ピエゾアクチュエータ10を収装する空間93が画成される。なお、この空間93は、例えば円形断面を備えて、後述するピストン11を内周9dで軸方向へ摺動自由に支持する。
【0041】
そして、封止部材16と対向するピエゾアクチュエータ10の基端側には板状のスペーサ14が固設され、このスペーサ14と封止部材16との間にはボール15が介装され、ピエゾアクチュエータ10はスペーサ14を介して基端側を支持されるため、ピエゾアクチュエータ10を伸長駆動すると、先端側は隔壁9aに向けた軸方向へ変位する。
【0042】
また、スペーサ14と封止部材16との間に介装されたボール15は、ピエゾアクチュエータ10の軸線上に設けられて、封止部材16に対するピエゾアクチュエータ10の相対的な回動を許容し、ピエゾアクチュエータ10に軸まわりのね
じれが発生するのを防止する。
【0043】
一方、隔壁9aと対向したピエゾアクチュエータ10の先端には、ケーシング9の内周9dを軸線Cに沿って摺動するピストン11が固設される。このピストン11の端面11aは隔壁9aの壁面9cと対向しており、これら端面11aと壁面9cの間には圧力室13が画成される。
【0044】
この圧力室13は、隔壁9aに貫通形成した連通路17を介して差圧室8と連通しており、圧力室13と差圧室8の圧力は等しく維持される。
【0045】
なお、ピストン11の端面11aと隔壁9aの壁面9cとの間には、ピエゾアクチュエータ10を収縮方向へ付勢する皿バネ22が介装される。
【0046】
ここで、ピストン11の受圧面積をA1、差圧室8に面した針弁2の背面=ボール2c及びスリーブ5の受圧面積をA2とすると、
A1>A2 ………(3)
の関係に設定されて、ピエゾアクチュエータ10の変位が微少であっても差圧室8への流量を増幅して、針弁2の開閉に必要なストロークを確保することができる。
【0047】
以上のように構成され、次に、燃料噴射弁の作用について説明する。
【0048】
図1は、燃料噴射弁の閉弁状態を示しており、図示しないコントローラは所定の閉弁電圧を印加してピエゾアクチュエータ10を伸長駆動する一方、図示しない燃圧供給回路より所定の圧力Pf(以下、燃圧とする)の加圧燃料が燃料入口6を介して燃圧室3へ供給される。
【0049】
ピエゾアクチュエータ10は、印加された閉弁電圧に応じて隔壁9a側へ伸長し、皿バネ22の弾性に抗して最伸長位置まで急激に駆動され、ピエゾアクチュエータ10の伸長に伴って、ピストン11は圧力室13の容積を縮小する方向(隔壁9a側)へ変位するため、圧力室13内の圧力は急激に上昇し、隔壁9aの連通路17を介して連通する差圧室8の圧力も急激に上昇する。差圧室8は、絞り通路20を介して燃圧室3と連通するが、差圧室8内の内圧の方が燃圧室3よりも一時的に大きくなって、スリーブ5及び針弁2のボール2cには圧力差が発生する。
【0050】
この差圧室8の圧力上昇に加えて、上記したようにリターンスプリング4の付勢力によって、ボール2c及びスリーブ5は、燃圧室3の燃圧Pfと予圧スプリング7の付勢力に抗して噴口1a側に押圧され、ロッド2bを介して結合したボール弁2aが噴口1aを閉鎖して閉弁状態を維持することができる。
【0051】
この閉弁時では、リターンスプリング4のバネ定数K1の方が予圧スプリング7のバネ定数K2よりも大で、さらに差圧室8の圧力が燃圧室3の燃圧Pfよりも大となるため、ボール2cはスリーブ5内周のシート面5bに押圧された状態を維持して変位し、貫通孔5cを介して差圧室8から燃圧室3への燃料の流入を防ぐことができ、差圧室8の圧力の急上昇に応じて針弁2の閉弁を行うことができる。
【0052】
そして、この閉弁状態を維持している期間が長期に渡る場合には、スリーブ5外周とノズルボディ1の内周の絞り通路20を介して、燃圧室3と差圧室8及び圧力室13の圧力は均一化され、この均一化された状態では、リターンスプリング4のバネ定数K1の方が、予圧スプリング7のバネ定数K2よりも大きく設定されるため、針弁2はリターンスプリング4の付勢力によって閉弁状態を維持することができる。
【0053】
一方、燃料噴射弁の開弁駆動は、図示しないコントローラがピエゾアクチュエータ10への印加する駆動電圧を、上記閉弁電圧から開弁電圧(短絡等の電圧の低減)へ切り換えることにより行われ、ピエゾアクチュエータ10は上記伸長状態から急激に収縮する。
【0054】
ピエゾアクチュエータ10は、コントローラから印加された開弁電圧に応じて急激に収縮するとともに、皿バネ22の付勢力によって最収縮位置へ向けて付勢される。
【0055】
そして、ピエゾアクチュエータ10の収縮に応じて、ピストン11は封止部材16側へ変位して圧力室13の容積は急増する。
【0056】
圧力室13の内圧は容積の急増に伴って急減圧し、この急減圧に伴って差圧室8の圧力も急減する。差圧室8は急減圧する一方、燃圧室3には常時所定の燃圧Pfが加わっているため、スリーブ5及び針弁2のボール2cに加わる前後差圧は増大し、さらに予圧スプリング7の付勢力が作用するため、スリーブ5及びボール2cはリターンスプリング4の付勢力に抗して開弁方向(隔壁9a側)へ変位する。
【0057】
針弁2の変位に伴ってボール弁2aは開弁して噴口1aが開き、燃料入口6から供給された燃圧室3内の加圧燃料は、図示しない燃焼室内に噴射される。
【0058】
この開弁時では、リターンスプリング4のバネ定数K1の方が予圧スプリング7のバネ定数K2よりも大であるため、ボール2cはスリーブ5内周のシート面5bに押圧された状態を維持して変位するため、貫通孔5cを介して燃圧室3から差圧室8への加圧燃料の流入を防ぐことができ、差圧室8の急減圧に応じて針弁2の開弁を行うことができる。
【0059】
ここで、針弁2はロッド2bの両端にボール弁2aとボール2cを結合する構成となっており、上記(1)式のように、針弁2のボール弁2aの外径d1は、スリーブ5の貫通孔5cの最小内径d0以下に設定される一方、ボール2cの外径d2は最小内径d0よりも大きく設定されるため、針弁2の基端側のボール2cは、ノズルボディ1内を摺動するスリーブ5の内周のシート面5bと密着して、一体となって変位可能に構成され、針弁2の軸方向への案内はスリーブ5が行うものである。
【0060】
そして、針弁2の製造時には、ロッド2bの両端にボール弁2aとボール2cを溶接などによって結合した後、別途加工されたスリーブ5の円筒部5a側よりボール弁2aを貫通孔5cに挿通させて、基端のボール2cをシート面5bに当接させれば針弁2をスリーブ5へ組み付けることができ、貫通孔5cは噴口1a側へ向けてテーパー状に形成したため、ロッド2bの傾斜を許容してボール弁2a、ロッド2b及びボール2cの同軸度が低くても円滑に作動することができ、さらに、針弁2の弁体を球状のボール弁2aとしたため、針弁2の組立精度にかかわらず噴口1a側のシート面1bへ確実に密着することができるため、噴口1aの開閉を正確に行うことができ、また、同様に針弁2の基端を球状のボール2cとしたため、針弁2の組立精度にかかわらずスリーブ5aのシート面5bへ確実に密着することができるため、貫通孔5cを介して燃圧室3と差圧室8が連通するのを確実に防止して、圧力差による針弁2の開閉を正確に行うことが可能となるのである。
【0061】
したがって、絞り通路20を形成するための加工精度はスリーブ5単体で確保すればよいので、前記従来例のように針弁の基端側で直接ノズルボディ内周に摺接するとともに、間隙等により針弁基端側で絞り通路を形成する場合に比して、針弁2の加工の際に高精度の寸法管理が不要となって、製造コストの低減を図りながらも、燃圧室3と差圧室8を連通する絞り通路20の精度を容易に確保することができるのである。
【0062】
図2は第2の実施形態を示し、前記第1実施形態のボール弁1aの外径d1を、スリーブ5の貫通孔5cの最小内径d0よりも大きく設定したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0063】
ボール弁1aの外径とスリーブ5の最小内径d0及びボール2c、ロッド2bの外径のとの関係は、
d2>d1>d0>d3 ………(1’)
に設定される。
【0064】
この場合、ボール弁2aは貫通孔5cを貫通できないため、まず、ロッド2bにボール2cを上記と同様に溶接などによって結合してから、ロッド2bをスリーブ5の貫通孔5cへ挿通させる。
【0065】
次に、ロッド2bの先端を貫通孔5cから突出させた状態で、ボール弁2aを同じく溶接などによって結合する。
【0066】
こうして、組み付けられた針弁2は、ボール2aの外径d1が貫通孔5cの最小内径d0より大きいため、スリーブ5から抜けることがないため、針弁2及びスリーブ5をサブライン等で予め組み付けた後に、燃料噴射弁の組立ラインへ搬送する場合には、針弁2またはスリーブ5の一方を把持して搬送するだけでよいため、針弁2の取り扱いを容易に行うことが可能となって、製造コストの低減をさらに推進することができるのである。
【0067】
図3は第3の実施形態を示し、前記第1実施形態の針弁2及びスリーブ5を用いて、上記実施形態とは逆に、ピエゾアクチュエータ10の伸長時に針弁2を開弁駆動する一方、収縮時に閉弁するようにしたものである。
【0068】
図3において、ケーシング9は隔壁9aの先端側でノズルボディ1と結合するとともに、隔壁9aの基端側でピエゾアクチュエータ10を収装する筒部90から構成され、この筒部90はケーシング9と別体に形成される。
【0069】
筒部90は基端側(図中右側)を封止した円筒状部材で形成され、先端部には隔壁9aに当接する開口端91を形成してケーシング9に嵌合し、内周に画成した空間93内にピエゾアクチュエータ10を収装する。ピエゾアクチュエータ10は筒部90の基端に支持されて、軸方向へ伸縮自在となる。
【0070】
ケーシング9内に収装されたピエゾアクチュエータ10の先端部(図中左側)には開口端91の内周で摺動するピストン11’が取り付けられ、ピストン11’と隔壁9aとの間には空間18が画成されるとともに、この空間18には、ピストン11’を介してピエゾアクチュエータ10を収縮方向へ付勢する付勢手段として皿バネ22が介装される。
【0071】
ここで、ピストン11’は一端を封止した円筒状部材で形成され、空間18に面した側を端面11aで封止する一方、他端にはピエゾアクチュエータ10の外周を囲むような円筒部11bが形成される。
【0072】
ピストン11’の端面11aは、上記したように皿バネ22と当接する一方、円筒部11bは開口端91の内側に形成された内周端面94から所定の深さに形成された環状溝92の内周に収装される。
【0073】
内周端面94は、開口端91から基端へ向けて所定の深さに形成され、環状溝92はこの内周端面94よりも外周側で所定の深さの円環状溝部として形成される。
【0074】
そして、内周端面94は、軸方向へ摺動するピストン11’の端面11aの内側と当接しないよう、開口端91から所定の深さに配設される。
【0075】
そして、環状溝92に収装されたピストン11’の円筒部11bの端面は、環状溝92の底部との間に圧力室13’を画成し、円筒部11bの内周及び外周と対向する環状溝92の内周にはそれぞれOリング12、12がシール部材として介装され、圧力室13’と空間18及びピエゾアクチュエータ10を収装したケーシング9の内部空間93とを画成する。なお、Oリング12は、ピエゾアクチュエータ10の最伸長時にも円筒部11bの内周及び外周と摺接可能な位置に配置され、圧力室13’から空間18及びピエゾアクチュエータ10を収装する空間93へ燃料が漏出するのを防いで、ピエゾアクチュエータ10を密封する。
【0076】
次に、ピストン11’の円筒部11bの端面と環状溝92との間に画成された圧力室13’は、ケーシング9内に形成された連通路17’を介して針弁2のボール2cの背面に画成された差圧室8と連通する。
【0077】
ここで、針弁2を軸方向へ案内するとともに、外周に絞り通路20を形成したスリーブ5は前記第1実施形態と同様に構成されるが、ボール2cの隔壁9a側には、内周でボール2cと係合して隔壁9aとの間に差圧室8を画成する第2圧力応動部材としてのスリーブ30が配設される。
【0078】
このスリーブ30は、スリーブ5と同様にノズルボディ1内周を摺動するとともに、外周とノズルボディ1内周の間には間隙などで構成された絞り通路21を形成する。そして、スリーブ5と対向するスリーブ30の端面は、ボール2cと軸方向で係合するテーパ面31が形成される一方、隔壁9aと対向するスリーブ30の他方の端面との間にはリターンスプリング4が介装される。なお、リターンスプリング4のバネ定数K1と、スリーブ5を針弁2の開弁方向へ付勢する予圧スプリング7のバネ定数K2の関係は、上記(2)式と同様に、K1>K2に設定される。
【0079】
したがって、針弁2の基端側のボール2cは、スリーブ30を介してリターンスプリング4によって針弁2の閉弁方向へ付勢されるとともに、スリーブ5を介して予圧スプリング7によって針弁2の開弁方向へ付勢され、スリーブ5、30で狭持されることになり、針弁2の基端はボール2c及びスリーブ5、30と一体となって燃圧室3と差圧室8の圧力差に応動するピストン部を構成する。そして、燃圧室3と差圧室8はスリーブ5、30の外周とノズルボディ1内周の間に形成した絞り通路20、21を介して連通する。
【0080】
ここで、圧力室13’に面したピストン11’の受圧面積をA1、ピエゾアクチュエータ10のストローク(軸方向変位量)をS1とすると、圧力室13’の容積V1は、
V1=A1×S1 ………(4)
で表される。
【0081】
一方、差圧室8に面したスリーブ30の受圧面積をA2とし、針弁2のストロークをS2とすると、差圧室8の容積V2は、
V2=A2×S2 ………(5)
で表され、V1=V2と仮定した場合、上記(4)、(5)式より、
S2=A1/A2×S1 ………(6)
となるから、ピストン11’の受圧面積A1とスリーブ30の受圧面積A2の関係を、
A1>A2 ………(7)
と設定することにより、ピエゾアクチュエータ10の微少なストロークS1に比して、針弁2のストロークS2を増大することができる。
【0082】
次に、図3は、燃料噴射弁の閉弁状態を示しており、図示しないコントローラから電圧が印加されていない状態では、ピエゾアクチュエータ10は収縮するとともに、皿バネ22に付勢されて最収縮位置となるため、ストロークS1は最小値となり、上記(4)式より圧力室13’の容積V1は最小となる。
【0083】
このとき、燃圧室3と差圧室8及び圧力室13’の圧力は、スリーブ5、30とシリンダボディ1内周との間に設けた絞り通路20、21によって均一化されるため、針弁2の基端側には前後差圧が生じない。したがって、針弁2はリターンスプリング4の付勢力によって閉弁し、針弁2のストロークS2は最大値となって、上記(5)式より差圧室8の容積V2は最大となる。
【0084】
すなわち、リターンスプリング4の付勢力が予圧スプリング7よりも大きいため、スリーブ30はボール2cを介して針弁2のボール弁2aをノズルボディ1のシート面1bに押圧して確実に閉弁し、噴口1aから燃料が洩れることが防止される。
【0085】
エンジンを始動するため、図示しない燃料供給手段から燃料入口6へ所定の燃圧Pfで燃料が圧送されると、まず、燃圧室3へ燃圧Pfが導かれて圧力が上昇する。加圧燃料がスリーブ5、30の絞り通路20、21を通って差圧室8及び圧力室13’へ流入し終わるまでの間は、針弁2の基端には前後差圧が生じるが、圧力室13’はピエゾアクチュエータ10が収縮するとともに、ピストン11’が皿バネ22で同じく収縮方向へ付勢されるため、容積V1は最小のままであり、さらに、針弁2はリターンスプリング4の付勢力によって、ボール弁2aをノズルボディ1のシート面1bへ押し付けることにより、所定の噴射時期以外で針弁2が開弁するのを確実に防止できる。
【0086】
エンジン始動時及び始動後における燃料噴射弁の開弁動作は、ピエゾアクチュエータ10がエンジン回転に同期して印加される電圧に応じて、皿バネ22等に抗して伸長駆動することで行われる。
【0087】
ピエゾアクチュエータ10の伸長に伴って、ピストン11’は隔壁9a側へ変位するためストロークS1は増大し、圧力室13’の容積V1は急激に増大するため圧力が急減する。
【0088】
したがって、連通路17’を介して圧力室13’と連通した差圧室8の圧力も急減し、針弁2の基端側のスリーブ5、30には前後差圧が生じ、差圧室8の容積V2が減少する方向(隔壁9a側)へスリーブ30はリターンスプリング4の付勢力に抗して変位し、同時に予圧スプリング7に付勢されたスリーブ5も隔壁9aに変位するため、ボール2cを介して針弁2が開弁する。針弁2の開弁によって燃圧室3内の加圧燃料は、噴口1aから図示しない燃焼室へ噴射される。
【0089】
この針弁2の開弁時のストロークS2は、上記(7)式のように、ピストン11’の受圧面積A1をスリーブ30の受圧面積A2よりも大きく設定したため、上記(6)式より、ピエゾアクチュエータ10のストロークS1が微少であっても上記受圧面積の比に応じて針弁2のストロークS2を増大させることができるため、針弁2の開弁に必要なストロークを容易に確保することができるのである。
【0090】
次に、燃料噴射弁の閉弁動作は、ピエゾアクチュエータ10への電圧の印加を遮断または短絡して収縮駆動させることにより行われる。
【0091】
ピエゾアクチュエータ10は電圧の遮断等によって急激に収縮するとともに、皿バネ22の付勢力によって最収縮位置まで変位し、圧力室13’の容積V1は再び最小値となる。
【0092】
ピエゾアクチュエータ10の収縮に伴って、ピストン11’は基端側へ変位するためストロークS1は縮小し、圧力室13’の容積V1は急激に減少して、圧力が急増する。
【0093】
したがって、連通路17’を介して圧力室13’と連通した差圧室8の圧力も急増するため、針弁2の基端側には前後差圧が生じ、差圧室8の容積V2が増大する方向へスリーブ30が変位するとともに、リターンスプリング4の付勢力が加わるため、スリーブ5は燃圧室3に加わる燃圧Pfと予圧スプリング7の付勢力に抗して変位し、ボール2cを介して針弁2を閉弁することができ、ボール弁2aがノズルボディ1のシート面1bに着座して噴口1aを封止することで、燃圧室3から燃焼室への燃料噴射が停止する。
【0094】
上記閉弁動作は、ピエゾアクチュエータ10への通電経路の断線等で、電圧の印加が遮断された場合にも同様に作動するため、電気系統の故障時のフェイルセーフを確保することができるのである。
【0095】
こうして、針弁2の基端側に形成したボール2cを軸方向の両側からスリーブ5、30で狭持するとともに、これらスリーブ5、30を予圧スプリング7及びリターンスプリング4で予め付勢することで、針弁2は基端側に発生する圧力差に応じて変位することが可能となる。
【0096】
そして、隔壁9aに向けて開口した筒部90を結合したケーシング9には、筒部90内周にピエゾアクチュエータ10を収装する空間93を画成し、さらに、この空間93の開口端91の内周に環状溝92を形成して、ピエゾアクチュエータ10の先端部に取り付けたピストン11’の円筒部11bと環状溝92の間に圧力室13’を画成するとともに、連通路17’を介して差圧室8と圧力室13’を連通させたため、通電時にピエゾアクチュエータ10を伸長駆動させることで、針弁2の基端側に前後差圧を発生させて針弁2の開弁を行う一方、通電遮断時にはピエゾアクチュエータ10が収縮して針弁2の基端側に加わる圧力が増大するとともにリターンスプリング4及び皿バネ22によって確実に閉弁させることができ、配線の断線等によってピエゾアクチュエータ10が収縮した場合、所定の噴射時期以外で燃料が一時的に噴射されてしまうことを確実に防止することが可能となって、ピエゾアクチュエータ10を用いた燃料噴射弁の信頼性を向上させることができるのである。
【0097】
また、ピストン11’の受圧面積A1をスリーブ30の受圧面積A2よりも大きく設定したため、ピエゾアクチュエータ10の変位量が微少であっても、燃料噴射に必要な針弁2の開弁量を確保することができ、燃料噴射弁の設計の自由度を向上させることができるのである。
【0098】
さらに、環状溝92内に設けたOリング12、12によって、ピエゾアクチュエータ10を収装する空間93を密封することができるため、ピエゾアクチュエータ10が外気と接触するのを防いで、結露などによる短絡を確実に回避でき、ピエゾアクチュエータ10を用いた燃料噴射弁の信頼性をさらに向上させることができるのである。
【0099】
なお、上記実施形態において、ピストン11または11’を駆動するアクチュエータとして圧電素子からなるピエゾアクチュエータ10を採用した場合を示したが、図示はしないが、磁界の強さに応じて伸縮する磁歪素子を用いた磁歪アクチュエータまたは超磁歪アクチュエータを採用しても同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す燃料噴射弁の断面図である。
【図2】第2の実施形態を示す燃料噴射弁の断面図である。
【図3】第3の実施形態を示す燃料噴射弁の断面図である。
【符号の説明】
1 ノズルボディ
1a 噴口
1b シート面
2 針弁
2a ボール弁(第1球状体)
2b ロッド
2c ボール(第2球状体)
3 燃圧室
4 リターンスプリング(第1弾性部材)
5 スリーブ(圧力応動部材)
5a 円筒部
5b シート面
5c 貫通孔
6 燃料入口
7 予圧スプリング(第2弾性部材)
8 差圧室
9 ケーシング
9a 隔壁
9c 壁面
9d 内周
10 ピエゾアクチュエータ
11 ピストン
11a 端面
11b 円筒部
12 Oリング
13 圧力室
17 連通路
18 空間
20、21 絞り通路
22 皿バネ
30 スリーブ
31 テーパ面
90 筒部
91 開口端
92 環状溝
93 空間
94 内周端面

Claims (7)

  1. 加圧燃料が導かれる燃圧室と、
    燃圧室と差圧室の差圧に応じて変位する針弁と、
    針弁によって開閉され燃圧室の燃料を噴射する噴口と、
    燃圧室と差圧室を連通する絞り通路と、
    圧電素子または磁歪素子から構成されたアクチュエータと、
    アクチュエータの伸縮に応じて差圧室の圧力を加減圧するピストンとを備えたエンジンの燃料噴射弁において、
    前記針弁は、棒状部材の一端に固設されて噴口側の座面と接離する第1球状体と、前記棒状部材の他端に固設された第2球状体を備え、前記第2球状体と針弁の閉弁方向で係合するとともに、針弁の開閉方向へ変位可能に構成されて前記燃圧室と差圧室とを画成する圧力応動部材を設け、前記第2球状体を針弁の閉弁方向へ向けて付勢する第1の弾性部材と、前記圧力応動部材を針弁の開弁方向へ向けて付勢する第2の弾性部材とを備えたことを特徴とするエンジンの燃料噴射弁。
  2. 前記絞り通路は圧力応動部材の外周とケーシング側の内周の間に設けたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの燃料噴射弁。
  3. 前記第1弾性部材のバネ定数は、前記第2弾性部材のバネ定数よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの燃料噴射弁。
  4. 前記圧力応動部材は、前記棒状部材を挿通する貫通孔を備えて第1球状体と第2球状体との間に介装され、前記第2球状体の外径は貫通孔の内径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの燃料噴射弁。
  5. 前記第1球状体の外径は、貫通孔の内径よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載のエンジンの燃料噴射弁。
  6. 前記第1球状体の外径は、貫通孔の内径よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載のエンジンの燃料噴射弁。
  7. 前記圧力応動部材は、燃圧室側から第2球状体と係合する第1の圧力応動部材と、差圧室側から第2球状体と係合する第2の圧力応動部材とから構成され、前記第1弾性部材は第2圧力応動部材を閉弁方向へ付勢する一方、前記第2弾性部材は第1圧力応動部材を開弁方向へ付勢して、前記差圧室はアクチュエータの伸長に応じて減圧する一方、アクチュエータの収縮に応じて増圧する圧力室と連通したことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの燃料噴射弁。
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