JPH10331742A - エンジンの燃料噴射弁 - Google Patents

エンジンの燃料噴射弁

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JPH10331742A
JPH10331742A JP9144881A JP14488197A JPH10331742A JP H10331742 A JPH10331742 A JP H10331742A JP 9144881 A JP9144881 A JP 9144881A JP 14488197 A JP14488197 A JP 14488197A JP H10331742 A JPH10331742 A JP H10331742A
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JP
Japan
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pressure chamber
fuel
needle valve
engine
valve
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Application number
JP9144881A
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English (en)
Inventor
Takayuki Arai
孝之 荒井
Takashi Fukuda
隆 福田
Masahiko Katsu
雅彦 勝
Toshiharu Oki
俊治 大木
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの燃料噴射弁において、燃料の初期
噴射や断線時等の燃料噴射を防止する。 【解決手段】 針弁2の小ピストン2bと噴口1bの間
に画成される燃圧室3と、針弁2の大ピストン2cの背
後に画成される背圧室8と、背圧室8と燃圧室3に加圧
燃料を導く燃料供給通路31,33と、大ピストン2c
と小ピストン2bの間に画成される第二圧力室6と、ピ
エゾアクチュエータ10が伸長するのに伴い収縮する第
一圧力室16と、第一圧力室16と第二圧力室6を連通
する連通路34とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁歪アクチュ
エータを介して針弁前後の燃料圧力を変化させることに
より針弁を作動させるエンジンの燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンに備えられる燃料噴射
弁等に、印加電圧に応じて伸張するピエゾアクチュエー
タ(圧電素子)を備え、ピエゾアクチュエータを介して
針弁(弁体)を開弁作動させるものがあった。針弁をピ
エゾアクチュエータにより駆動することにより、燃料噴
射弁の高速応答性が高まり、最大噴射量と最小噴射量の
比(ダイナミックレンジ)が拡大してエンジンの高出力
化に対応できる。また、少量の燃料を安定して噴射でき
るので、エンジンの燃費低減がはかれる。
【0003】この種の燃料噴射弁として、針弁をその前
後差圧に基づいて開弁させるようにしたものが知られて
いる。針弁の前後には燃圧室と差圧室が画成されてお
り、燃圧室には所定の圧力で燃料が導入され、差圧室は
燃圧室とオリフィスを介して連通されている。針弁背後
側の差圧室にはピエゾアクチュエータが設けられてお
り、このピエゾアクチュエータの伸縮により針弁の開閉
作動が制御される。すなわち、ピエゾアクチュエータに
電圧を印加して伸長させた状態で針弁前後の燃圧室と差
圧室の圧力はオリフィスを介して均等化されている。こ
のとき針弁はリターンスプリングの張力により閉弁保持
されている。この状態からピエゾアクチュエータの両端
子を短絡させてピエゾアクチュエータを瞬時に収縮させ
ると、針弁背後の差圧室の容積が拡大する。このとき、
差圧室は針弁前方の燃圧室に対してオリフィスを介して
連通しているので、一時的に差圧室の内圧が低下し針弁
の前後に開弁方向の圧力差が発生する。これにより針弁
はリターンスプリングに抗して開弁し、噴口が開いて燃
料が噴射されることになる。(この種の燃料噴射弁の公
知例としては、例えば特開平5−99092号、実開昭
63−24362号公報を参照。)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のこの
ようなピエゾアクチュエータを用いた燃料噴射弁では、
エンジンの始動時において、燃料ポンプが駆動されて燃
圧室に導かれる燃料圧力が上昇するエンジンの起動前
に、まず燃圧室に燃料が導かれ、次いでオリフィスを介
して背圧室に燃料が流入するので、背圧室の圧力が上昇
し終わるまでの間は、針弁の前後に圧力差が生じるた
め、針弁が所定の噴射時期以外でリターンスプリングに
抗して開弁して燃料が噴射されてしまう初期燃料噴射を
起こす可能性があった。
【0005】また、従来のこのようなピエゾアクチュエ
ータを用いた燃料噴射弁では、ピエゾアクチュエータに
印加される電圧を遮断短絡して針弁を開弁させる構造の
ため、ピエゾアクチュエータに電圧を導くリード線等の
断線が発生した場合、ピエゾアクチュエータが収縮する
のに伴って針弁が開弁し、所定の噴射時期以外で燃料が
一時的に噴射されてしまう可能性があった。
【0006】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
のであり、エンジンの燃料噴射弁において、燃料の初期
噴射や断線時等の燃料噴射を防止することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のエンジ
ンの燃料噴射弁は、燃料を噴射する噴口と、噴口を開閉
する針弁と、針弁を閉弁方向に付勢するリターンスプリ
ングと、針弁と共に変位して針弁に順次連設される小ピ
ストンおよび大ピストンと、小ピストンと噴口の間に画
成される燃圧室と、小ピストンより断面積が大きい大ピ
ストンの背後に画成される背圧室と、背圧室と燃圧室に
加圧燃料を導く燃料供給通路と、大ピストンと小ピスト
ンの間に画成される第二圧力室と、印加される電圧また
は磁界に応じて伸縮する電磁歪アクチュエータと、電磁
歪アクチュエータが伸縮するのに伴い拡縮する第一圧力
室と、第一圧力室と第二圧力室を連通する連通路とを備
えるものとした。
【0008】請求項2に記載のエンジンの燃料噴射弁
は、請求項1に記載の発明において、前記電磁歪アクチ
ュエータは印加される電圧または磁界に応じて伸長し、
電磁歪アクチュエータが伸長するのに伴い第一圧力室が
収縮する構成とした。
【0009】請求項3に記載のエンジンの燃料噴射弁
は、請求項1または2に記載の発明において、前記第二
圧力室に対して燃圧室と背圧室の少なくとも一方を連通
する絞り通路を備えるものとした。
【0010】請求項4に記載のエンジンの燃料噴射弁
は、請求項3に記載の発明において、前記針弁を摺動可
能に嵌合させるノズルボディを備え、絞り通路を大ピス
トンと小ピストンのいずれか一方の外周とノズルボディ
の間に画成し、大ピストンと小ピストンのいずれか他方
の外周とノズルボディの間にOリングを介装するものと
した。
【0011】
【発明の作用および効果】請求項1に記載の発明におい
て、エンジン停止時に針弁まわりの燃圧室と背圧室およ
び第二圧力室の圧力はそれぞれ低下している。このとき
針弁はリターンスプリングの弾性復元力により閉弁され
る。
【0012】エンジンの始動に際してエンジンが起動さ
れる前に、燃料ポンプの吐出圧が燃料供給通路を介して
背圧室に導かれ、背圧室から第二燃料供給通路を介して
燃圧室に導かれる。こうして背圧室と燃圧室に導かれる
燃料圧力が上昇するとき、大ピストンの断面積が小ピス
トンの断面積より大きいため、針弁を閉弁方向に付勢す
る。こうして、針弁がリターンスプリングの弾性復元力
と小ピストンおよび大ピストンの前後に生じる圧力差に
よる押圧力を合わせた力によって閉弁位置に保持され
る。これにより、エンジン起動前に針弁が開弁して燃料
が噴射されてしまう初期噴射を防止できる。この結果、
エンジンの始動性を高められ、排気エミッションの悪化
を防止することができる。
【0013】請求項2に記載の発明において、燃料噴射
弁の開弁作動時に、電磁歪アクチュエータはエンジン回
転に同期して電圧または磁界が印加されることにより伸
長する。電磁歪アクチュエータの伸長に伴って、第一圧
力室はその容積が縮小してその圧力が上昇する。第一圧
力室の圧力は連通路を介して第二圧力室に直ちに伝わ
り、第二圧力室と背圧室の圧力差が発生する。この圧力
差により針弁がリターンスプリングに抗して噴口を開
き、第二圧力室に導かれる高圧燃料が噴口から噴射され
る。
【0014】燃料噴射弁の閉弁作動時に、電磁歪アクチ
ュエータはエンジン回転に同期して電圧または磁界が遮
断されることにより収縮する。電磁歪アクチュエータの
収縮に伴って、第一圧力室はその容積が拡大してその圧
力が低下する。第一圧力室の圧力は連通路を介して第二
圧力室に直ちに伝わり、第二圧力室と背圧室の圧力差が
発生する。この圧力差およびリターンスプリングの付勢
力により針弁が移動してノズルボディのシート部に着座
する。針弁がシート部に着座することにより、噴口が閉
塞され、燃料の噴射が停止される。
【0015】万一、電磁歪アクチュエータに電圧または
磁界を印加するリード線等が断線した場合、電磁歪アク
チュエータは電圧または磁界が遮断されて収縮して針弁
を閉弁させる。これにより、針弁が所定の噴射時期以外
で燃料が噴射されてしまうことを防止できる。
【0016】すなわち、燃料噴射弁は電磁歪アクチュエ
ータに印加される電圧または磁界を遮断して針弁を閉弁
させる構造のため、断線等の発生時に燃料の噴射が瞬間
的に停止され、エンジンの二次故障を防止することがで
きる。
【0017】請求項3に記載の発明において、絞り通路
は第二圧力室に対して燃圧室または背圧室を連通し、第
二圧力室に充填される燃料を導く。
【0018】請求項4に記載の発明において、大ピスト
ンと小ピストンのいずれか他方の外周とノズルボディの
間にOリングを介装することにより、小ピストンと大ピ
ストンの両方でノズルボディに対して高いハメアイ寸法
精度が要求されることなく、製品のコストダウンがはか
れる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を筒内噴射式エンジ
ンに備えられる燃料噴射弁に適用した実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0020】図1に示すように、燃料噴射弁7はエンジ
ンの燃焼室天井壁から燃焼室に臨むノズルボディ1を備
える。ノズルボディ1の先端に開口した噴口1bから燃
料噴霧をピストンの冠部に向けて噴出するようになって
いる。
【0021】ノズルボディ1の内部に針弁2が摺動可能
に収装される。ノズルボディ1の先端に噴口1bが開口
される。噴口1bは針弁2の先端に円錐面状に突出した
シール部2aが、ノズルボディ1の円錐面状に窪むシー
ト部1aに着座することにより閉塞される。
【0022】針弁2はその途中から円盤状に突出した小
ピストン2bを有する。ノズルボディ1の内部には針弁
2のまわりに燃圧室3が画成される。燃圧室3はノズル
ボディ1とシール部2aおよび小ピストン2bの間に画
成される。
【0023】図3に示すように、フューエルタンク59
に貯溜された燃料は、電動モータ54により駆動される
低圧燃料ポンプ58を介して吸い上げられ、高圧燃料ポ
ンプ57に圧送される。
【0024】エンジン50により駆動される高圧燃料ポ
ンプ57は、さらに加圧した燃料を蓄圧室56へと送
り、蓄圧室56から各気筒の燃料噴射弁7に燃料を圧送
する。燃料戻し通路52にはプレッシャレギュレータ5
5が設けられ、蓄圧室56の余剰燃料をフューエルタン
ク59へと戻すことで、燃料噴射弁7に導かれる燃料圧
力を所定値以下に保つようになっている。
【0025】燃料ポンプ58から圧送される燃料は、第
一燃料供給通路31、第二燃料供給通路33を経由して
燃圧室3に導入され、針弁2のリフトに伴って噴口1b
から噴射される。
【0026】針弁2はその基端部から円盤状に突出した
大ピストン2cを有する。ノズルボディ1とケーシング
9および針弁2の大ピストン2cの間に背圧室8が画成
される。
【0027】背圧室8には第一燃料供給通路31と第二
燃料供給通路33がそれぞれ接続される。燃料ポンプ5
8から圧送される燃料は、第一燃料供給通路31を通っ
て背圧室8に導入され、背圧室8から第二燃料供給通路
33を通って燃圧室3に導入される。
【0028】針弁2の小ピストン2bと大ピストン2c
およびノズルボディ1の間には第二圧力室6が画成され
る。
【0029】第二圧力室6と背圧室8は大ピストン2c
のまわりに形成された第一絞り通路(隙間)5を介して
連通する。
【0030】第二圧力室6と燃圧室3は小ピストン2b
のまわりに形成された第二絞り通路(隙間)15を介し
て連通する。
【0031】針弁2を閉弁方向に付勢するリターンスプ
リング4が設けられる。コイル状をしたリターンスプリ
ング4は針弁2の基端面に窪む凹部2dとケーシング9
の間に圧縮された状態で介装され、針弁2と同軸上に配
置される。なお、リターンスプリング4が針弁2に付与
する弾性復元力は、針弁2に働く燃焼圧に対抗して針弁
2を閉弁保持できるように設定される。
【0032】針弁2の基端部とケーシング9の間にはシ
ム17が介装され、シム17によって針弁2の軸方向の
移動量が調整される。シム17は円盤状に形成され、シ
ム17の板厚によって針弁2の最大リフト量が決まる。
【0033】ケーシング9の内部に第一圧力室16を画
成するプランジャ11が摺動可能に介装される。プラン
ジャ11の外周にはOリング12が介装される。Oリン
グ12がケーシング9の円筒状をした内壁面に摺接する
ことにより、第一圧力室16の密封がはかれる。
【0034】図2に示すように、第一圧力室16は第二
圧力室6と連通路34を介して連通される。
【0035】プランジャ11を介して針弁2を開閉駆動
するピエゾアクチュエータ10が設けられる。ピエゾア
クチュエータ10は円盤状をした複数のピエゾ素子が、
同じく円盤状をした内部電極を挟んで積層される。ピエ
ゾアクチュエータ10は各ピエゾ素子に印加される電圧
の強さに応じて伸縮する。
【0036】なお、ピエゾアクチュエータ10に代えて
印加される磁界の強さに応じて伸縮する超磁歪素子から
なる磁歪アクチュエータを用いてもよい。ここでは、ピ
エゾアクチュエータと磁歪アクチュエータ等を総称して
電磁歪アクチュエータとする。
【0037】プランジャ11はピエゾアクチュエータ1
0の移動端に結合される。プランジャ11はピエゾアク
チュエータ10の伸縮動作に伴って変位し、第一圧力室
16を拡縮する。
【0038】ピエゾアクチュエータ10の固定端には端
板14が結合される。ケーシング9の開口端にはアジャ
ストプレート21が取付けられる。端板14はアジャス
トプレート21に当接してピエゾアクチュエータ10の
固定端を支持する。
【0039】プランジャ11とケーシング9の間には皿
バネ状をした与圧スプリング18が介装される。ピエゾ
アクチュエータ10は与圧スプリング18によって圧縮
荷重が付加された状態で伸縮させるので、安定した作動
性が確保される。
【0040】ピエゾアクチュエータ10の変位方向と針
弁2の変位方向を逆転させるために、針弁2の基端側に
設けられる大ピストン2cの断面積A2が、弁2の途中
に設けられる小ピストン2bの断面積A1より大きくな
るように形成される。
【0041】ピエゾアクチュエータ10が各ピエゾ素子
にリード線20を介して図示しない駆動用アンプから電
圧が印加されて伸長すると、第一圧力室16を収縮して
第一圧力室16および第二圧力室6の圧力を上昇させ、
リターンスプリング4の付勢力に抗して針弁2を開弁さ
せる。
【0042】ここで第二圧力室6の圧力をP1、燃圧室
3および背圧室8の圧力をP2、リターンスプリング4
の弾性復元力をF1、噴口1bの投影面積をA3、針弁
2の投影面積をA4とすると、針弁2に付与される開弁
力Foは次式で算出される。 Fo=P2×(A4−A3)−P2×A4+P2×A1−P1×A1+P1×A 2−P2×A2−F1 =P2×(A1−A2−A3)+P1×(A2−A1)−F1 ピエゾアクチュエータ10が各ピエゾ素子に印加される
電圧が遮断短絡されて収縮すると、第一圧力室16を拡
大して第一圧力室16と第二圧力室6の圧力を低下さ
せ、背圧室8との間の差圧が減少し、リターンスプリン
グ4の付勢力とともに針弁2を閉弁させる。
【0043】ここで、針弁2に付与される閉弁力Fsは
次式で算出される。
【0044】 Fs=−P2×(A4−A3)+P2×A4−P2×A1+P1×A1−P1× A2+P2×A2+F1 =P2×(A3−A1+A2)+P1×(A1−A2)+F1 コントローラ19で演算された燃料噴射量に対応するパ
ルス信号がつくられ、このパルス信号に応じた電圧が駆
動用アンプを介してピエゾアクチュエータ10に印加さ
れる。
【0045】コントローラ19はエンジン50の回転
数、エンジン50の吸入空気量を始めエンジン運転条件
を検出する各種信号を入力し、これらのエンジン運転条
件に応じて燃料噴射量を演算する。
【0046】以上のように構成される本発明につき、次
に作用を説明する。
【0047】エンジン停止時にピエゾアクチュエータ1
0は収縮し、針弁2まわりの燃圧室3と背圧室8および
第二圧力室6の圧力はそれぞれ低下している。このとき
針弁2はリターンスプリング4の弾性復元力によりノズ
ルボディ1のシート部1aに押し付けられる。
【0048】エンジン50の始動に際してエンジン50
が起動される前に、燃料ポンプ58が電動モータ54に
より駆動され、燃料ポンプ58の吐出圧が第一燃料供給
通路31を介して背圧室8に導かれ、背圧室8から第二
燃料供給通路33を介して燃圧室3に導かれる。こうし
て背圧室8と燃圧室3に導かれる燃料圧力が上昇すると
き、大ピストン2cの断面積A2が小ピストン2bの断
面積A1より大きいため、針弁2を閉弁方向に付勢す
る。こうして、針弁2がリターンスプリング4の弾性復
元力と小ピストン2bと大ピストン2cの前後に生じる
圧力差による押圧力を合わせた力によってノズルボディ
1のシート部1aに強く押し付けられる。これにより、
エンジン起動前に針弁2が開弁して燃料が噴射されてし
まう初期噴射を防止できる。この結果、エンジンの始動
性を高められ、排気エミッションの悪化を防止すること
ができる。
【0049】こうして初期噴射を防止しつつ背圧室8と
燃圧室3の圧力が高まるのに伴って第一絞り通路5と第
二絞り通路15を介して第二圧力室6の圧力が高めら
れ、エンジン起動前に小ピストン2bの前後に生じる燃
圧室3と第二圧力室6の圧力が第二絞り通路15を介し
て均等化されるととも、大ピストン2cの前後に生じる
第二圧力室6と背圧室8の圧力が第一絞り通路5を介し
て均等化されている。
【0050】このエンジン起動前に、ピエゾアクチュエ
ータ10は電圧が印加されずに収縮しており、起動時に
おける針弁2の開弁作動に備える。
【0051】こうして始動の準備が整ったところで行わ
れるエンジン起動時、ピエゾアクチュエータ10がエン
ジン回転に同期して電圧が印加されることにより伸長し
てプランジャ11を図中左方向に移動し、第一圧力室1
6の容積が縮小する。これに伴って、第一圧力室16の
圧力が上昇し、連通路34を介して第二圧力室6の圧力
P1が高められ、燃圧室3および背圧室8との圧力差P
1−P2が大きくなることにより、針弁2がリターンス
プリング4に抗して図中右方向に移動して噴口1bを開
き、燃圧室3に導かれる高圧燃料が噴口1bを通ってエ
ンジン50の燃焼室に噴射される。
【0052】エンジン起動時および始動後における燃料
噴射弁7の閉弁作動時に、ピエゾアクチュエータ10は
エンジン回転に同期して印加される電圧が遮断短絡され
ることにより収縮してプランジャ11を図中右方向に移
動し、第一圧力室16の容積が拡大する。これに伴っ
て、第一圧力室16の圧力が低下し、連通路34を介し
て第二圧力室6の圧力P1が低下し、燃圧室3および背
圧室8との圧力差P1−P2とリターンスプリング4の
付勢力により針弁2が図中左方向に移動してノズルボデ
ィ1のシート部1aに着座する。針弁2がシート部1a
に着座することにより、噴口1bが閉塞され、燃料の噴
射が停止される。
【0053】燃料噴射弁7はピエゾアクチュエータ10
に印加される電圧を遮断して針弁2を閉弁させる構造の
ため、リード線20の断線時等に燃料の噴射が停止さ
れ、エンジンの二次故障を防止できる。すなわち、ピエ
ゾアクチュエータ10のリード線20等が断線した場
合、ピエゾアクチュエータ10は電圧が遮断短絡されて
収縮する。このときプランジャ11が第一圧力室16を
拡張して第二圧力室6の圧力P1を低下させることによ
り針弁2の閉じ方向の付勢力が大きくなり、針弁2を閉
弁させる。これにより、針弁2が所定の噴射時期以外で
開き、燃料が噴射されてしまうことを防止できる。
【0054】次に、図4に示す実施形態について説明す
る。なお、図1、図2との対応部分には同一符号を付
す。
【0055】大ピストン2cの外周にOリング13が嵌
められ、Oリング13がノズルボディ1の円筒状をした
内壁面に摺接することにより、第二圧力室16と背圧室
8の密封がはかられる。
【0056】小ピストン2bとノズルボディ1の円筒状
をした内壁面の間には絞り通路(隙間)15が画成され
る。絞り通路15は第二圧力室6と燃圧室3を連通し、
第二圧力室6に充填される燃料が導かれる。
【0057】この場合、針弁2はその先端に円錐面状に
突出したシール部2aと小ピストン2bの2カ所でノズ
ルボディ1に対するハメアイ寸法精度を確保すればよ
い。したがって、前記実施形態のように小ピストン2b
と大ピストン2cの両方でノズルボディ1に対して高い
ハメアイ寸法精度が要求されることなく、製品のコスト
ダウンがはかれる。
【0058】なお、小ピストン2bの外周にOリングを
嵌め、大ピストン2cのまわりに絞り通路(隙間)を画
成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す燃料噴射弁の断面図。
【図2】同じく図1のA−A線に沿う燃料噴射弁の断面
図。
【図3】同じく燃料供給系のシステム図。
【図4】他の実施形態を示す燃料噴射弁の断面図。
【符号の説明】
1 ノズルボディ 1b 噴口 2 針弁 2b 小ピストン 2c 大ピストン 3 燃圧室 4 リターンスプリング 5 第一絞り通路 6 第二圧力室 7 燃料噴射弁 8 背圧室 9 ケーシング 10 ピエゾアクチュエータ 11 プランジャ 15 第二絞り通路 16 第一圧力室 18 与圧スプリング 31 第一燃料供給通路 33 第二燃料供給通路 34 連通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大木 俊治 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を噴射する噴口と、 噴口を開閉する針弁と、 針弁を閉弁方向に付勢するリターンスプリングと、 針弁と共に変位して針弁に順次連設される小ピストンお
    よび大ピストンと、 小ピストンと噴口の間に画成される燃圧室と、 小ピストンより断面積が大きい大ピストンの背後に画成
    される背圧室と、 背圧室と燃圧室に加圧燃料を導く燃料供給通路と、 大ピストンと小ピストンの間に画成される第二圧力室
    と、 印加される電圧または磁界に応じて伸縮する電磁歪アク
    チュエータと、 電磁歪アクチュエータが伸縮するのに伴い拡縮する第一
    圧力室と、 第一圧力室と第二圧力室を連通する連通路と、 を備えたことを特徴とするエンジンの燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】前記電磁歪アクチュエータは印加される電
    圧または磁界に応じて伸長し、 電磁歪アクチュエータが伸長するのに伴い第一圧力室が
    収縮する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の
    エンジンの燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】前記第二圧力室に対して燃圧室と背圧室の
    少なくとも一方を連通する絞り通路を備えたことを特徴
    とする請求項1または2に記載のエンジンの燃料噴射
    弁。
  4. 【請求項4】前記針弁を摺動可能に嵌合させるノズルボ
    ディを備え、 絞り通路を大ピストンと小ピストンのいずれか一方の外
    周とノズルボディの間に画成し、 大ピストンと小ピストンのいずれか他方の外周とノズル
    ボディの間にOリングを介装したことを特徴とする請求
    項3に記載のエンジンの燃料噴射弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100660300B1 (ko) 2005-02-17 2006-12-21 주식회사 프로텍 반도체칩 제조용 디스펜싱 방법 및 그 디스펜서 장치
CN100390401C (zh) * 2004-06-21 2008-05-28 株式会社电装 用于燃油喷射单元的喷射器
CN107120459A (zh) * 2017-06-28 2017-09-01 哈尔滨工程大学 一种直通式轴向进气的压电式外导向燃气喷射阀

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