JPH10287842A - 有機無機複合塗料組成物 - Google Patents

有機無機複合塗料組成物

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JPH10287842A
JPH10287842A JP9567597A JP9567597A JPH10287842A JP H10287842 A JPH10287842 A JP H10287842A JP 9567597 A JP9567597 A JP 9567597A JP 9567597 A JP9567597 A JP 9567597A JP H10287842 A JPH10287842 A JP H10287842A
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JP
Japan
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silyl group
organic
monomer
group
emulsion
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JP9567597A
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Inventor
Kouji Mizohata
浩司 溝畠
Akihiro Nishino
彰洋 西野
Yutaka Nakao
豊 中尾
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温または低温加熱下で乾燥および硬化し
て、耐水性、密着性、造膜性、耐溶剤性、および耐汚染
性に優れ、かつ高い親水性を有する塗膜を形成する水性
の有機無機複合塗料組成物の提供。 【解決手段】 (i)4級アンモニウムシリケートの水
性ゾル、および(ii)加水分解性シリル基および炭素−
炭素不飽和基を共に1分子中に有するモノマー(A)
と、前記モノマー(A)と共重合可能なモノマー(B)
を共重合して得られるシリル基含有有機樹脂エマルショ
ンを含有する有機無機複合塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性の有機無機複
合塗料組成物に関する。更に詳細には、本発明は、密着
性、造膜性、耐溶剤性、および耐汚染性に優れかつ高い
親水性を有する塗膜を形成する水性の有機無機複合塗料
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の外観を良くし、かつその外壁に
耐候性を付与するために、塗料が塗装される。塗膜は前
述の性能の他に、耐熱性(もしくは難燃性)、環境中の
塵埃などに対する耐汚染性および汚染除去性などの特性
を有することが望まれている。また、塗料としては、使
用条件下における環境汚染や作業者の人体に対する危険
を低減するために、水性であるのが好ましい。
【0003】そのような水性塗料組成物用の結合剤とし
ては、従来、水溶性樹脂やエマルション樹脂などの有機
系結合剤あるいはアルカリケイ酸塩もしくは水性コロイ
ダルシリカまたは4級アンモニウムシリケートなどの無
機系結合剤が知られている。
【0004】有機系結合剤を適用した水性塗料組成物
は、一般に、造膜性、塗装作業性、意匠性に優れるなど
の利点を有するが、主な汚染要因の一つであるカーボン
との親和性が高いために汚れやすく、その汚染除去性も
悪いという欠点がある。他方、無機系結合剤を含んで成
る水性塗料組成物は、それより形成した塗膜の硬度、耐
溶剤性および親水性が高く、本質的には耐汚染性に優れ
ているが、造膜性、耐水性、付着性などに乏しい。その
ため、無機系結合剤含有塗料組成物からの塗膜が、有機
系結合剤と同等以上の十分な性能を発現するためには、
通常、200℃以上の高温焼付けが必要であったり、ク
ラックの発生防止のために顔料などの充填材を高濃度に
配合することを要する。また、そのような処理や添加に
よって、塗膜外観や意匠性が低下すること、および塗装
基材や適用範囲が限定されることなどの不利益がもたら
されることがある。
【0005】そこで、上記無機結合剤の特性を改良する
ために、塗料組成物の配合成分として水性の有機樹脂を
包含するものが、例えば、特開昭56−24461号公
報、同56−41271号公報、同51−20223号
公報、および同53−28183号公報などに提案され
ている。しかしながら、これらの公報に記載の塗料組成
物は、エマルション樹脂や水溶性樹脂を無機結合剤中に
単に混合しただけのものであるため、上記の課題を解決
できず、また無機系および有機系結合剤のいずれの長所
も十分に発現できていない。
【0006】さらに、特開昭56−57860号公報に
は、有機系結合剤としてのアルコキシシラン基およびカ
ルボキシル基を共に含有する水性樹脂と、無機系結合剤
としてのコロイダルシリカとの混合物を含んで成る建材
の被覆用組成物が開示されており、また、同56−71
316号公報には、アルコキシシラン基を含有するモノ
マーとその他のモノマーをコロイダルシリカ共存下で乳
化重合することにより得られるエマルションを主成分と
する水分散性被覆組成物が開示されているが、いずれ
も、汚染除去性が低く、耐溶剤性および耐汚染性も十分
ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、常温
または低温加熱下で乾燥および硬化して、密着性、造膜
性、耐溶剤性、および耐汚染性に優れ、かつ高い親水性
を有する塗膜を形成する水性の有機無機複合塗料組成物
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】無機系結合剤と水性有機
樹脂を併用した有機無機複合塗膜に関して検討した結
果、塗料組成物中に、特定の無機結合剤と特定の官能基
を有する有機樹脂を含有することにより、その塗膜性能
が著しく向上することが分かった。
【0009】本発明は、(i)一般式: (NR12342O・xM2O・ySiO2 (I) (式中、R1〜R4は、同一または異なって、炭素数1〜
20のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、ある
いは式:−(R5O)aH(式中、R5は、炭素数2または
3のアルキレン基であり、およびaは、2〜15の整数
である。)で表される炭素数30以下のハイドロポリオ
キシアルキレン基であり、Mは、アルカリ金属であり、
並びにxおよびyは、各成分の相対量を表し、xは0〜
2の数、yは0.5〜50の数を表す。)で表される4
級アンモニウムシリケートの水性ゾル、および(ii)
式: −SiR6 b(OR73-b (II) (式中、R6およびR7は、同一または異なって、炭素数
1〜5のアルキル基、並びにbは0〜2の数である。)
で表される加水分解性シリル基および炭素−炭素不飽和
基を共に1分子中に有するモノマー(A)と、前記モノ
マー(A)と共重合可能なモノマー(B)を共重合して
得られるシリル基含有有機樹脂エマルションを含有する
有機無機複合塗料組成物を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の塗料組成物中には、(i)4級アンモニウムシ
リケートの水性ゾルと、(ii)加水分解性シリル基およ
び炭素−炭素不飽和基を共に1分子中に有するモノマー
(A)と、該モノマー(A)と共重合可能なモノマー
(B)を共重合して得られるシリル基含有有機樹脂エマ
ルションを包含する。
【0011】本発明の塗料組成物に使用する上記4級ア
ンモニウムシリケートの水性ゾルとしては、例えば、日
産化学よりQAS−25およびQAS−40という商品
名で、または日本化学工業からアンモニウムシリケート
17804およびアンモニウムシリケート88J3とい
う商品名で市販されているものが挙げられる。
【0012】上記一般式(I)中、R1〜R4は、同一ま
たは異なって、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、ドデシ
ル、シクロヘキシル、ベンジル基等)、炭素数1〜20
のヒドロキシアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル、
ヒドロキシエチル、ヒドロキシブチル基等)、または
式:−(R5O)aH(式中、R5は、炭素数2または3の
アルキレン基(すなわち、エチレン基またはプロピレン
基)であり、およびaは、2〜15の整数、好ましくは
2〜5である。)で表される炭素数30以下のハイドロ
ポリオキシアルキレン基である。4級アンモニウムカチ
オン部位[上記一般式(I)中、(NR1234)部
位]の例としては、例えば、テトラメチルアンモニウム
イオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラブチ
ルアンモニウムイオン、メチルトリエタノールアンモニ
ウムイオン、ベンジルトリメチルアンモニウムイオンな
どが挙げられる。また、式(I)中のMは、ナトリウ
ム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属が挙げれ、
同一化合物中にこれらアルカリ金属を1種または2種含
んでよい。一般式(I)中、xは0〜2、yは0.5〜
50を示す。式中のMで表されるアルカリ金属は、塗料
組成物に調製した後、可溶性塩として残存して、形成さ
れた塗膜内に未だ残存すると塗膜の白華やクラック発生
の要因と成り得る。したがって、上記化合物中のアルカ
リ金属の量は、化合物の組成比としてx=0〜2が好ま
しいが、出来る限り少なく、0に近い値にするのがより
好ましい。
【0013】本発明の有機無機複合塗料組成物に使用す
るのに適するシリル基含有エマルションは、1分子中に
加水分解性シリル基と炭素−炭素不飽和基を有するモノ
マー(A)と、該モノマー(A)と共重合可能なモノマ
ー(B)を共重合して得られる有機樹脂エマルションで
あって、米国特許第3,706,697号公報、同第3,
729,438号公報、及び特開平6−2228367
号公報などに記載されているような公知のエマルション
である。加水分解性のシリル基は、−SiR6 b(O
73-bで表され、式中、R6およびR7は、同一または
異なって、炭素数1〜5のアルキル基(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル)を示し、並
びにbは0〜2の数を示す。
【0014】上記の、1分子中に加水分解性シリル基と
炭素−炭素不飽和基を有するモノマー(A)の具体例と
しては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ア
リルトリメトキシシラン、デセニルトリメトキシシラ
ン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン、γ−アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピ
ルトリブトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシランなどが挙げられる
【0015】また、上記のモノマー(A)と共重合可能
なモノマー(B)としては、通常のラジカル重合に使用
されるモノマーであってよく、例えば、不飽和芳香族化
合物(例えば、スチレン)、不飽和酸(例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸)、不飽和酸のアルキルエステル
(例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、
エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリ
レート、ヒドロキシブチルアクリレート、メチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、エチルヘキシルメタ
クリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ヒドロキ
シエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリ
レート)、不飽和アミド(例えば、アクリルアミド、ジ
メチルアクリルアミド)などが挙げられる。本発明の塗
料組成物形成用シリル基含有エマルション中では、これ
ら1種または2種以上を使用してよい。
【0016】本発明の塗料組成物形成用シリル基含有エ
マルションは、上記のモノマーAとBを、重合開始剤
(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾ
ビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、アゾビスシアノ
吉草酸等のアゾ化合物、過酸化水素、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム等の無機過酸化物、t-ブチルハイ
ドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ-
t-ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ
イド等の有機過酸化物)を用い(モノマー全量に対して
0.1〜10重量%)、通常の乳化重合法により無溶媒
下で共重合させること、または親水性溶剤(例えば、イ
ソプロパノール、ブチルセロソルブ、メトキシプロパノ
ール、エトキシプロパノール、メチルエチルケトン等)
中において共重合させた後に、後乳化することなど、従
来公知の手順により調製できる。特に、共重合時に前記
加水分解性シリル基が反応するのを抑制するために、レ
ドックス系の開始剤(上記の無機過酸化物や有機過酸化
物に、例えば、酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、
アスコルビン酸等の還元剤を併用した開始剤)を用いて
40〜60℃程度の低温で乳化重合するのが好ましい。
【0017】本発明の塗料組成物において、上記モノマ
ーAおよびBを共重合して調製したシリル基含有エマル
ションの固形分1グラム中に、加水分解性シリル基に由
来するケイ素原子が0.02〜1.0ミリモルの割合で含
まれるように、共重合するモノマーAとBの配合量を制
御する。
【0018】モノマーAの配合量が上記下限より少ない
場合、得られる塗膜の耐溶剤性および低耐汚染性が十分
でなく、また上記上限を超える場合は、形成されるシリ
ル基含有エマルション自体の安定性が悪化し、それによ
って重合時や4級アンモニウムシリケートの水性ゾルと
の混合時にゲル化または凝集が生じることがあるため好
ましくない。
【0019】また、モノマーBとして、特に、アクリル
酸やメタクリル酸等の不飽和酸を配合する場合には、形
成されるシリル基含有エマルションの固形分の酸価が2
0以下になるようにその配合量を制限することが好まし
い。シリル基含有エマルションの固形分の酸価が20を
越える場合は、エマルションの調製時や貯蔵中に加水分
解性シリル基の反応が促進されて、本発明の塗料組成物
の安定性や造膜性を損ねることがあるため好ましくな
い。
【0020】本発明の有機無機複合塗料組成物は、4級
アンモニウムシリケートとシリル基含有エマルションを
結合剤成分として包含し、常温または低温加熱下で乾燥
および硬化し、密着性、造膜性、耐溶剤性、および耐汚
染性に優れた塗膜を形成することができる。上記有機無
機複合塗料組成物において、4級アンモニウムシリケー
トのSiO2 100重量部に対して上記シリル基含有
エマルションを固形分で5〜1000重量部、より好ま
しくは10〜500重量部配合する。シリル基含有エマ
ルションの配合量が5重量部未満の場合、十分な造膜性
が得られないため、塗膜にクラックが発生する限界膜厚
が小さくなるなどの不具合が生じる。他方、前記シリル
基含有エマルションの配合量が1000重量部を超える
と、形成される塗膜中の有機成分が多くなり過ぎて、耐
溶剤性や耐汚染性、および親水性に悪影響を及ぼすこと
がある。
【0021】本発明の有機無機複合塗料組成物の塗膜形
成(乾燥および硬化工程)において、その結合剤要素で
ある4級アンモニウムシリケートとシリル基含有エマル
ションそれぞれの作用は必ずしも明確にされていない
が、恐らく、塗膜形成時において、前記4級アンモニウ
ムシリケート中のシラノール基と前記エマルション粒子
中のシリル基との間で縮合反応が進行しているものと考
えられる。また、4級アンモニウムシリケートは、その
構造中の4級アンモニウムカチオン部位[上記一般式
(I)中、(NR1234)部位]により、わずかで
はあるが有機的特性を有しているため、通常のアルカリ
金属シリケートや水性コロイダルシリカと比べて、エマ
ルション粒子と容易に一体化する傾向がある。更に上記
の縮合反応も進行が容易となることから、特に優れた塗
膜性能(例えば、密着性、造膜性、耐溶剤性、および耐
汚染性等)並びに高い親水性を発現するものと考えられ
る。
【0022】本発明の有機無機複合塗料組成物は、必要
に応じ、上記の4級アンモニウムシリケートとシリル基
含有エマルション以外に、着色顔料、および体質顔料な
どの各種充填剤、分散剤、増粘剤、タレ止め剤、並びに
消泡剤などの各種添加剤、更に有機溶剤などを配合して
もよい。
【0023】本発明の有機無機複合塗料組成物は、建材
に通常用いられる被塗物に塗装して、塗膜を形成するこ
とができる。そのような塗装方法としては、刷毛塗り、
スプレー塗装、ローラー塗装、ディップ塗装などの通常
の塗装方法が使用できる。前記被塗物としては、コンク
リートもしくはセメント系、ケイ酸カルシウムおよびそ
の他の窯業系基材、または鉄、アルミニウム、ステンレ
ス鋼、もしくはその他の金属基材、あるいはガラス、
紙、もしくは木材等が挙げられる。
【0024】本発明の塗料組成物を上記被塗物に塗装し
た後、常温で放置するか、または30〜180℃、好ま
しくは50〜150℃で1〜60分間加熱することこと
により、優れた塗膜性能と高い親水性を特徴とする塗膜
が形成できる。
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下
の実施例中の部は、特に断りのない限り、重量部を表
す。
【0025】調製例1 シリル基含有エマルション1の製造方法 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.7部、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル1.4部を、イ
オン交換水55部に溶解させた。これに、メチルメタク
リレート15部、n−ブチルメタクリレート44部、n
−ブチルアクリレート35部、アクリル酸1部、および
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5部か
ら成るモノマー混合物を加えて撹拌し、モノマープレエ
マルション157.1部を調製した。
【0026】反応容器中に、先ず、イオン交換水40
部、ロンガリット0.35部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.3部、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル0.6部、酢酸アンモニウム0.5部、t
-ブチルハイドロパーオキサイド0.2部、および上記モ
ノマープレエマルション15.1部を仕込み、窒素雰囲
気下で50℃に加熱した。ここに、残りのモノマープレ
エマルションと5%t−ブチルハイドロパーオキサイド
水溶液10部をそれぞれ、反応容器の別々の口から3時
間かけて滴下して乳化重合を行った。滴下後、更に50
℃で1時間加熱撹拌した後、冷却し、イオン交換水を添
加して、固形分濃度を40%に調節することにより、シ
リル基に由来するケイ素原子を固形分1グラム中に0.
2ミリモル含有するシリル基含有エマルション1を得
た。
【0027】調製例2〜4 前記モノマー混合物中のモノマーの組成および配合を表
1に記載の如く変化させたこと以外は、上記調製例1に
従って、シリル基含有エマルション2(調製例2)およ
び3(調製例3)、並びにシリル基を含有しないエマル
ション4(調製例4)をそれぞれ調製した。
【0028】
【表1】
【0029】表中の数字は全て、重量部を表す。
【0030】実施例1〜7および比較例1〜3 表1に記載の調製例1〜4から得られたシリル基含有エ
マルション1〜3並びに市販のシリル基含有エマルショ
ンであるサイビノールNP−70およびサイビノールN
PX−251−7(共にサイデン化学製)と、各種4級
アンモニウムシリケートの水性ゾルを、表2に示した配
合で混合して実施例1〜7の有機無機複合塗料組成物を
調製した。また、比較例として、4級アンモニウムシリ
ケートのみの系(比較例1)、およびシリル基含有エマ
ルションのみの系(比較例2)、さらにシリカ基を含有
しないエマルション4と4級アンモニウムシリケートの
水性ゾルとの混合物(比較例3)も同様に調製した。
【0031】各塗料組成物を、2miLのドクターブレ
ードを用いてガラス板(寸法:10cm×15cm、厚
さ2mm)に塗布し、表2に記載の条件により乾燥させ
た後、以下の性能評価を行った。結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】表中の各符号はそれぞれ、 1)日産化学製(SiO2固形分=25%) 2)日産化学製(SiO2固形分=40%) 3)日本化学工業製(SiO2固形分=20%) 4)サイデン化学製、サイビノールNP-70(固形分50
%、シリル基由来のケイ素原子量0.06ミリモル/
g) 5)サイデン化学製、サイビノールNPX-251-7(固形分
34%、シリル基由来のケイ素原子量0.4ミリモル/
g) を表す。ただし、サイデン化学製の2種のシリル基含有
エマルションにおいて、シリル基由来のケイ素原子量
は、エマルション中の固形分を加熱(1000℃、1時
間)した後の灰分量より算出した。
【0034】性能評価 塗膜外観 :塗膜を目視観察することにより、以下の評価
基準で評価した。 評価基準 異常なし ○ クラックが発生し、自然剥離 ×
【0035】メタノールラビング試験:塗膜上にスポイ
トでメタノールを1滴落として、ネル布を用いて指先で
20回擦った後の状態を目視観察し、以下の評価基準で
評価した。 評価基準 異常なし ○ 塗膜が溶解して破壊している ×
【0036】マーカー除去性試験:塗膜上に、黒色およ
び赤色の白板用マーカー(ナカバヤシ製)で線を引いた
後、ネル布を用いて指先で擦り、各色の落ち具合を目視
観察した。結果を以下の評価基準により評価した。 評価基準 マーカーの痕跡がほぼ完全に落ちている ○ マーカーの線の痕跡が残っている △ マーカーの線が完全に残っている ×
【0037】実施例8〜10および比較例4〜7 表3に記載した配合で、実施例8〜10の有機無機複合
白色塗料組成物(PVC=20)を調製した。また、比
較例として、4級アンモニウムシリケート水性ゾルのみ
の系(比較例4)、シリル基含有エマルションのみの系
(比較例5)、およびシリル基を含有しないエマルショ
ン4と4級アンモニウムシリケートの水性ゾルとの混合
物の系(比較例6)、さらにシリル基含有エマルション
とコロイダルシリカとの混合物の系(比較例7)も同様
に、表3に記載した配合で白色塗料組成物を調製した。
各塗料をエアスプレーにより、塗布量100〜150g
/m2となるように、スレート板(寸法:15cm×3
0cm、厚さ5mm)上に塗装し、表3に記載の条件で
乾燥および硬化させた後、以下の性能評価(塗膜外観、
メタノールラビングおよびマーカー除去性試験について
は、上記実施例1〜7および比較例1〜3と同様の評価
方法および評価基準を適用した。)を行った。結果を表
3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】表中の各符号はそれぞれ、 1)日産化学製、4級アンモニウムシリケートの水性ゾ
ル(SiO2固形分=25%) 2)日産化学製、コロイダルシリカ(SiO2固形分=
30%) 3)サイデン化学製、サイビノールNP-70(固形分50
%、シリル基由来のケイ素原子量0.06ミリモル/
g) 4)石原産業製、酸化チタン 5)堺化学製、沈降性硫酸バリウム 6)ビックケミー製、顔料分散剤 を表す。
【0040】性能評価 塗膜外観 前記の記載と同様の方法および評価基準で評価した。
【0041】メタノールラビング 前記の記載と同様の方法および評価基準で評価した。
【0042】マーカー除去性試験 前記の記載と同様の方法および評価基準で評価した。
【0043】密着性:塗膜に、カッターナイフを用いて
5mm角の碁盤目状の素地に達する傷を4マスつけて、
セロテープを密着させた後、引き剥がして、塗膜の剥離
の状態を目視観察し、以下の評価基準で評価した。 評価基準 剥離面積が5%以下 ○ 剥離面積が5〜33% △ 剥離面積が33%以上 ×
【0044】促進汚染試験:水1LとJIS Z−89
01に規定された試験用の12種類の混在ダスト(財団
法人 日本粉体工業技術協会品)5gとから成る懸濁水
に、塗膜を有するスレート板を10分間浸漬して引き上
げた後、2分間シャワー水洗するという操作を1サイク
ルとし、それを2サイクル繰り返して、乾燥した。乾燥
後の塗膜後の外観を未試験のブランクと比較して目視評
価した。 評価基準 ほとんど汚染されていない ○ 僅かに汚染が認められる △ 汚染が著しい ×
【0045】曝露試験:水平面に対して10度に傾斜
し、かつ長さ30cmで深さ3mmの溝が3mmピッチ
で刻まれた屋根を有する架台に、屋根に降った雨が塗膜
の表面に筋状に流れ落ちるように,塗膜を有するスレー
ト板を垂直に取り付け、その状態で1カ月間曝露した
後、塗膜の外観を、未試験の塗膜(ブランク)と比較し
て目視観察し、以下の評価基準で評価した。 評価基準 ほとんど汚染が認められず、僅かな汚染が残っていても水洗によって ○ 容易に除去できる 筋状の汚染が僅かに認められるが、その汚染が水洗で容易に除去できる △ 汚染が著しいが、その汚染が水洗で除去できる × 汚染が著しく、その汚染が水洗では除去できない ××
【0046】
【発明の効果】本発明の有機無機複合塗料組成物を用い
ることにより、常温または低温加熱下で乾燥および硬化
して、耐水性、密着性、造膜性、耐溶剤性、および耐汚
染性に優れ、かつ高い親水性を有する塗膜が形成され
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)一般式: (NR12342O・xM2O・ySiO2 (I) (式中、R1〜R4は、同一または異なって、炭素数1〜
    20のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、ある
    いは式:−(R5O)aH(式中、R5は、炭素数2または
    3のアルキレン基であり、およびaは、2〜15の整数
    である。)で表される炭素数30以下のハイドロポリオ
    キシアルキレン基であり、Mは、アルカリ金属であり、
    並びにxおよびyは、各成分の相対量を表し、xは0〜
    2の数、yは0.5〜50の数を表す。)で表される4
    級アンモニウムシリケートの水性ゾル、および(ii)
    式: −SiR6 b(OR73-b (II) (式中、R6およびR7は、同一または異なって、炭素数
    1〜5のアルキル基、並びにbは0〜2の数である。)
    で表される加水分解性シリル基および炭素−炭素不飽和
    基を共に1分子中に有するモノマー(A)と、前記モノ
    マー(A)と共重合可能なモノマー(B)を共重合して
    得られるシリル基含有有機樹脂エマルションを含有する
    有機無機複合塗料組成物。
  2. 【請求項2】 シリル基含有有機樹脂エマルション(i
    i)の固形分1グラム中に、前記加水分解性シリル基(I
    I)に由来するケイ素原子が0.02〜1.0ミリモルの
    割合で含まれる請求項1記載の有機無機複合塗料組成
    物。
  3. 【請求項3】 シリル基含有有機樹脂エマルション(i
    i)中の固形分の酸価が20以下である請求項1記載の
    有機無機複合塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記4級アンモニウムシリケートの水性
    ゾル(i)中の(SiO2)部分100重量部に対し
    て、シリル基含有有機樹脂エマルション(ii)を固形分
    として5〜1000重量部配合する請求項1記載の有機
    無機複合塗料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10829505B2 (en) 2016-04-20 2020-11-10 Dow Silicones Corporation Lithium alkylsiliconate composition, coating, and method of making same

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