JPH1028721A - 水周り設備洗浄装置及びその洗浄方法 - Google Patents

水周り設備洗浄装置及びその洗浄方法

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JPH1028721A
JPH1028721A JP8207745A JP20774596A JPH1028721A JP H1028721 A JPH1028721 A JP H1028721A JP 8207745 A JP8207745 A JP 8207745A JP 20774596 A JP20774596 A JP 20774596A JP H1028721 A JPH1028721 A JP H1028721A
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JP
Japan
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water
cleaning
bowl
free chlorine
electrolyzed
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Application number
JP8207745A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Shono
信浩 庄野
Shuhei Kono
秀平 河野
Masakatsu Kiyohara
正勝 清原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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  • Sink And Installation For Waste Water (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用者に作業上の負担を強いることなく自動
的且つ効果的に水周り設備を洗浄し、常に水周り設備を
清潔に保つことができるような水周り設備洗浄装置を提
供する。 【解決手段】 所定時間に制御装置50は電磁弁26を
開くとともに電極13a及び13bに電圧を印加する。
すると、水道水導入管20から連続式電気分解槽12へ
導入された水道水は電気分解されて遊離塩素含有水とな
り、電解水配水管30を通って電解水散布ノズル43か
らボウル42内へ散布される。この電解水によりボウル
42の表面等が殺菌され、洗浄される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水周り設備を洗浄
するための装置及びその方法に関する。ここで、水周り
設備とは、人体や器物の洗浄を行なうための槽又はボウ
ル、及び、槽あるいはボウルからの排水を外部へ排出す
るための配管等を含む設備のことをいい、例えば流し
(キッチン用、医療設備用、清掃用、実験室用、理髪店
・美容院用等)、トイレの手洗い器(便器洗浄水タンク
と一体化したものを含む)、洗面台等がこれに該当す
る。
【0002】
【従来の技術】水周り設備においては、人体の一部
(顔、手等)や各種器物(食器、医療器具、実験器具
等)の洗浄が行なわれる。この際、水道水等の他、洗浄
の対象に応じて様々な洗浄剤あるいは薬品等が用いられ
ることも多い。このように使用される水周り設備におい
ては、人体や各種器物から除去された汚れ成分の一部
や、洗浄に用いられた洗浄剤あるいは薬品等の一部が、
すすぎ水によっても除去されずに水周り設備の各部(ボ
ウル面、キャビネット上面等)に付着、残留する。この
ように残留した汚れ成分をそのまま放置しておくと、汚
れは水周り設備の表面に強固に付着し、簡単には除去で
きなくなる。また、このように汚れが固着した部位では
他の部位に比べてカビや細菌が繁殖し易くなるという問
題もあり、更にこのようなカビや細菌の増殖が汚れの拡
大の大きな一因ともなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来より、水周り設備
そのものを洗浄するためには、例えば、水道水に適宜洗
浄剤を加えてこれを洗浄液となし、その洗浄液を汚れが
付着した部位に塗布して適宜洗浄用具(布、スポンジ、
たわし等)で摩擦して水周り設備の表面から汚れ成分を
遊離させた後、更に水道水を供給して汚れ成分をすすぎ
落として排水口から外部へ流す、という方法をとってい
た。しかし、この方法はその大部分を手作業に負う面倒
なものである。
【0004】一方、水道水、あるいは水道水と洗浄剤
(水石鹸)との混合液を適時自動的に供給することによ
りボウルの表面を洗浄する洗面化粧台も従来より知られ
ているが、水道水のみ供給する方法では充分に汚れ成分
を除去することができず、また殺菌作用を伴わないため
細菌の増殖を防止できない。一方、水道水と洗浄剤との
混合液を供給する方法では、使用される洗浄剤自体が一
部洗面器に残留してしまうこと、洗浄剤を補給するメン
テナンス作業が必要であること等の問題がある。
【0005】本発明は以上のような問題を解決するため
に成されたものであり、その目的とするところは、使用
者に作業上の負担を強いることなく自動的且つ効果的に
水周り設備を洗浄し、常に水周り設備を清潔に保つこと
ができるような水周り設備洗浄装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明は、塩素イオン含有水を電気分解して
遊離塩素含有水を生成する電解水生成手段と、該電解水
生成手段により生成された遊離塩素含有水を水周り設備
に散布するための電解水散布手段とを備えることを特徴
とする水周り設備洗浄装置を提供することを目的とする
ものである。なお、本発明において「散布」とは、遊離
塩素含有水を流水状、水滴状、霧状等のあらゆる形態で
水周り設備の洗浄用に供給することをいう。
【0007】本発明に係る水周り設備洗浄装置の一態様
においては、遊離塩素含有水が所定時間に散布されるよ
うに上記電解水生成手段及び電解水散布手段の作動を制
御するための制御手段を備えるようにする。
【0008】本発明に係る水周り設備洗浄装置の別の態
様においては、上記塩素イオン含有水は水道水であるよ
うにする。
【0009】本発明に係る水周り設備洗浄装置の更に別
の態様においては、上記遊離塩素含有水は濃度0.5p
pm以上の次亜塩素酸含有水であるようにする。
【0010】本発明に係る水周り設備洗浄装置の更に別
の態様においては、上記遊離塩素含有水は濃度1ppm
以上の次亜塩素酸含有水であるようにする。
【0011】本発明に係る水周り設備洗浄装置の更に別
の態様においては、上記遊離塩素含有水のpHが5以下
であるようにする。
【0012】本発明に係る水周り設備洗浄装置の更に別
の態様においては、上記遊離塩素含有水のpHが4以下
であるようにする。
【0013】本発明に係る水周り設備洗浄装置の更に別
の態様においては、上記電解水散布手段は、遊離塩素含
有水を水周り設備内へ噴出させるための電解水散布孔へ
と上記電解水生成手段により生成された遊離塩素含有水
を圧送するための圧送手段とを備えるようにする。
【0014】本発明に係る水周り設備洗浄装置の更に別
の態様においては、上記電解水散布手段は既設の水周り
設備に後付け可能な電解水散布ノズルを備えるようにす
る。
【0015】本発明に係る水周り設備洗浄装置の更に別
の態様においては、上記水周り設備は洗面設備であるよ
うにする。
【0016】本発明に係る水周り設備洗浄装置の更に別
の態様においては、上記洗面設備のボウルからの排水路
を通断するための排水路通断手段を備え、且つ、上記制
御手段は該排水路通断手段に上記ボウルからの排水路を
遮断させ上記電解水生成手段に所定量の遊離塩素含有水
を生成させ上記電解水供給手段に上記所定量の遊離塩素
含有水を供給させることにより遊離塩素含有水を上記ボ
ウルに所定時間貯留させるようにする。
【0017】また、上記課題を解決するために成された
本発明は、次亜塩素酸を含有する酸性水で水周り設備を
洗浄する行程を有することを特徴とする水周り設備の洗
浄方法を提供することを目的とする。
【0018】上記水周り設備の洗浄方法の一態様におい
ては、更にアルカリ性水で水周り設備を洗浄する行程を
有するようにする。
【0019】
【発明の実施の形態及び発明の効果】本発明に係る水周
り設備洗浄装置は、塩素イオン含有水を電気分解して遊
離塩素含有水を生成する電解水生成手段と、該電解水生
成手段により生成された遊離塩素含有水を水周り設備に
散布するための電解水散布手段とを備えている。ここ
で、遊離塩素とは次亜塩素酸(HClO)又は次亜塩素
酸イオン(ClO-)をいい、いずれも高い殺菌性を有
する物質あるいはイオンである。従って、本発明に係る
水周り設備洗浄装置により遊離塩素含有水を生成し、水
周り設備にこれを散布すれば、水周り設備を充分に殺菌
することができる。また、水周り設備の汚れが拡大する
一因は細菌の活動にあるため、上記のように殺菌を行な
えば、水周り設備における汚れの拡大を有効に防止する
こともできる。
【0020】上記電解水生成手段は、例えば、一対の電
極と、該電極間に形成された流路と、該流路に連通する
液体流入口及び液体流出口とを有する連続式電気分解槽
と、該連続式電気分解槽内へ塩素イオン含有水を導入す
るための配管や開閉弁等を含む原料水供給手段と、上記
電極へ電圧を印加するための電圧印加手段と、原料水供
給手段や電圧印加手段の作動を制御するための制御手段
等により構成することができる。また、上記電解水散布
手段は、例えば液体をシャワー状にして噴出するノズル
と、該ノズルと上記連続式電気分解槽の液体流出口とを
接続する配管等により構成することができる。
【0021】本発明に係る水周り設備洗浄装置におい
て、遊離塩素含有水が所定時間に散布されるように上記
電解水生成手段及び電解水散布手段の作動を制御するた
めの制御手段を備えるようにしてもよい。このような制
御手段は、例えば、タイマ、水周り設備の使用を検知す
るセンサ、あるいは水周り設備の汚れの程度を検知する
センサ等が出力する信号を受けて所定のプログラムに従
い上記電解水生成手段及び電解水散布手段の作動を制御
するマイクロコンピュータ等により構成することができ
る。このようにすると、(1)所定時間間隔で、(2)
夜間(あるいは、洗面台が使用されない時間帯)で、
(3)夜間における所定時間間隔で、(4)使用の度毎
に、あるいは(5)汚れが所定の程度よりも悪化した場
合に、水周り設備へ遊離塩素含有水が自動的に散布され
るようにすることができるため、使用者に作業上の負担
を強いることがなく、好ましい。
【0022】もちろん、水周り設備洗浄装置を起動する
ための手動スイッチを設け、この手動スイッチを操作す
ることによって電解水の生成及び散布が行なわれるよう
にすることも可能である。このようにすれば、汚れの程
度に応じて使用者が適宜水周り設備洗浄装置を起動して
水周り設備の洗浄を行なうことができるようになる。
【0023】本発明に係る水周り設備洗浄装置において
は、塩素イオン含有水として水道水を用いるようにして
もよい。すなわち、一般に水道水は浄水場における塩素
消毒の結果3〜40ppm程度の塩素イオンを含有して
いるため、この水道水をそのまま塩素イオン含有水とし
て用いることができるのである。このようにすれば、例
えば水に食塩を添加することにより塩素イオン含有水を
生成するといった方法に比べてメンテナンスの手間を省
くことができるため好ましい。
【0024】本発明に係る水周り設備洗浄装置におい
て、上記遊離塩素含有水は濃度0.5ppm以上の次亜
塩素酸含有水、より好ましくは濃度1ppm以上の次亜
塩素酸含有水であるようにすると、水周り設備の水と接
触する部分の表面や水周り設備の排水口及び排水口に接
続された排水管の内面等を充分に殺菌、洗浄することが
できるようになる。
【0025】本発明に係る水周り設備洗浄装置におい
て、上記遊離塩素含有水のpHが5以下、より好ましく
はpHが4以下であるようにすると、水周り設備の水と
接触する表面や水周り設備の排水口及びそれに接続され
た排水管の内面等に付着した金属石鹸等の汚れ成分を溶
解し、効果的に除去することができるようになる。
【0026】本発明に係る水周り設備洗浄装置におい
て、上記電解水散布手段は、遊離塩素含有水を水周り設
備内へ噴出させるための電解水散布孔へ上記電解水生成
手段により生成された遊離塩素含有水を圧送するための
ポンプ等からなる圧送手段とを備えるようにしてもよ
い。このようにすると、圧送手段により圧送された遊離
塩素含有水が電解水散布孔から強力に噴出するため、遊
離塩素含有水による化学的殺菌、洗浄作用のみならず、
遊離塩素含有水の噴射による物理的な作用によって汚れ
を除去する効果も高まる。
【0027】本発明に係る水周り設備洗浄装置におい
て、上記電解水散布手段は既設の水周り設備に後付け可
能な電解水散布ノズルを備えるようにしてもよい。この
ようにすれば、新規に設置される水周り設備ユニットの
一部として本発明に係る水周り設備洗浄装置を予め組み
込むという態様だけでなく、既設の水周り設備に後付け
するという態様でも本発明に係る水周り設備洗浄装置を
用いることが可能となる。
【0028】本発明に係る水周り設備洗浄装置におい
て、上記水周り設備は洗面設備であるようにしてもよ
い。洗面設備においては人体を石鹸等を用いて洗浄する
ため、人体からの汚れ(アカ)だけでなく雑菌や金属石
鹸等が洗面設備のボウル面等に付着する。このように付
着した汚れを放置しておくと、雑菌に起因する汚れや金
属石鹸がボウル面に固着し、容易にはこれを除去できな
くなる。このような洗面設備に本発明に係る水周り設備
洗浄装置を応用すれば、ボウル面等の殺菌、洗浄を効果
的に行なうことができる。
【0029】本発明に係る水周り設備洗浄装置におい
て、上記洗面設備のボウルからの排水路を通断するため
の排水路通断手段を備え、且つ、上記制御手段は該排水
路通断手段に上記ボウルからの排水路を遮断させ上記電
解水生成手段に所定量の遊離塩素含有水を生成させ上記
電解水散布手段に上記所定量の遊離塩素含有水を散布さ
せることにより遊離塩素含有水を上記ボウルに所定時間
貯留させるようにしてもよい。このようにすると、単に
遊離塩素含有水をボウル面に散布するだけの場合に比べ
てより長時間にわたりボウル面を殺菌し、ボウル面に付
着した金属石鹸等の汚れ成分を溶解させることができる
ため、ボウル面の殺菌及び洗浄効果をより高めることが
できる。なお、上記排水路通断手段は、例えば排水管の
途上に開閉弁等を配設することにより構成することがで
きる。また、洗面設備においてはボウル内の排水口にい
わゆるポップアップ弁が設けられている場合も多いが、
このポップアップ弁を開閉するための駆動機構を設け、
その作動を上記制御装置により制御することにより、排
水路を通断するようにしてもよい。
【0030】本発明に係る水周り設備の洗浄方法は、次
亜塩素酸を含有する酸性水で水周り設備を洗浄する行程
を有することを特徴とする方法である。この方法によれ
ば、次亜塩素酸の作用により水周り設備を殺菌し、細菌
の活動に起因する汚れの拡大を防止することができるだ
けでなく、酸性水の作用により金属石鹸等からなる汚れ
を溶解し、効果的に除去することもできる。
【0031】上記水周り設備の洗浄方法においては、更
にアルカリ性水で水周り設備を洗浄する行程を有するよ
うにしてもよい。アルカリ性水はタンパク質等に起因す
る汚れを除去する上で有効な作用を有する。従って、次
亜塩素酸を含有する酸性水で水周り設備を洗浄する行程
とアルカリ性水で水周り設備を洗浄する行程とを組み合
わせることにより、より効果的に水周り設備の洗浄を行
なうことができる。
【0032】
【実施例】本発明に係る水周り設備洗浄装置の実施例を
図面を参照しながら説明する。なお、以下においては洗
面台を洗浄する装置及びその方法について説明するが、
洗面台以外の水周り設備の洗浄にも同様の装置及び方法
を用いることができる。
【0033】図1は本発明の一実施例の概略構成図であ
る。図1において、連続式電気分解槽12は1対の電極
13a及び13bと、電極13a及び13bの間に形成
された液体流路14と、液体流路14に連通する液体流
入口15及び液体流出口16とを備えている。液体流入
口15には水道水導入管20が接続されている。水道水
導入管20の液体流入口15に接続されていない一端は
既設の給水管22に接続されている。水道水導入管20
の途上には、給水管22から近い順に、止水栓23、逆
止弁24、定流量弁25及び電磁弁26が配設されてい
る。一方、液体流出口16には電解水配水管30が接続
されている。電解水配水管30の液体流出口16に接続
されていない一端は、給水栓41を有する洗面台40の
ボウル42内に設けられた電解水散布ノズル43に接続
されている。ボウル42の底部には排水口44が設けら
れており、排水口44には排水管45が接続されてい
る。電磁弁26、電極13a及び13bは図示せぬタイ
マを有する制御装置50に接続されている。
【0034】上記構成を有する水周り設備洗浄装置の作
用について説明する。タイマが所定時間に洗浄開始信号
を出力すると、制御装置50は電磁弁26を開く。する
と、給水管22を流れる水道水の一部は水道水導入管2
0に導入され、止水栓23、逆止弁24、定流量弁25
及び電磁弁26を通って、連続式電気分解槽12の液体
流入口15から液体流路14に流入する。一方、制御装
置50は電磁弁26を開くと同時に、またはやや遅延さ
せて、連続式電気分解槽12の電極13a及び13bに
電圧を印加する。ここで、一般に水道水は浄水場におけ
る塩素消毒の結果3〜40ppm程度の塩素イオンを含
有しているため、上記のように電極13a及び13bに
電圧を印加すると、液体流路14を流れる水道水は電気
分解されて遊離塩素含有水となる。こうして生成された
遊離塩素含有水(以下、「電解水」とする)が電解水配
水管30を通って電解水散布ノズル43からボウル42
内へ散布される。この電解水によりボウル42の表面、
排水口44、及び排水管45の内部が殺菌され、洗浄さ
れる。洗浄開始信号の発生後所定時間が経過したら、タ
イマは洗浄終了信号を出力し、これを受けた制御装置5
0は電極13a及び13bへの電圧の印加を停止すると
ともに電磁弁26を閉じる。
【0035】タイマが洗浄開始信号を発生させる所定時
間とは、例えば、(1)所定時間間隔、(2)夜間(あ
るいは、洗面台が使用されない時間帯)、(3)夜間に
おける所定時間間隔、等のことをいう。なお、このよう
なタイマとは別に、洗面台40の使用を検知するセンサ
を設け、このセンサの出力信号が途絶えてから所定時間
経過後にタイマが洗浄開始信号を出力するようにすれ
ば、洗面台40の使用の度毎に洗面台40が洗浄される
ようになり、汚れ成分のボウル42表面等への固着を未
然に防止することができるので好ましい。
【0036】止水栓23は適宜目的に応じてこれを閉じ
ることができる。従って、例えば装置のメンテナンスを
行なうために装置への水道水の供給を停止する場合、給
水管22の図示せぬ元栓を閉じる等の作業が不要とな
り、円滑にメンテナンス作業を行なうことができる。
【0037】逆止弁24は、連続式電気分解槽12で生
成された電解水が水道水導入管20を通って給水管22
へ逆流することを防ぐためのものである。これにより、
電解水が一般の給水管へ不正に流入することが防止さ
れ、安全性が高められる。
【0038】定流量弁25は、連続式電気分解槽12へ
流入する水道水の流量を所定値に安定させるためのもの
である。これにより、連続式電気分解槽12で生成され
る電解水の濃度を安定させることができるようになる。
なお、定流量弁25として流量制御弁を用いるようにす
れば、流量の安定化だけでなく、流量を制御することに
より電解水の濃度を制御することも可能となる。
【0039】図2は本発明の別の実施例の概略構成図で
ある。本実施例の水周り洗浄装置においては、電解水配
水管30の途上に、連続式電気分解槽12に近い方から
順に、電解水タンク29、ポンプ32、電磁弁33が配
設されている。電解水タンク29内にはフロートセンサ
34が設置されている。ポンプ32、電磁弁33及びフ
ロートセンサ34は制御装置50に接続されている。そ
の他の構成は図1の装置と同様である。
【0040】上記構成を有する水周り設備洗浄装置の作
用について説明する。タイマが洗浄開始信号を出力して
から液体流路14を流れる水道水が電気分解されて電解
水となるまでの行程は図1の装置の場合と同様である。
連続式電気分解槽12の液体流出口16から流出する電
解水は電解水タンク29に流入する。電解水タンク29
内の水位が所定値に達すると、フロートセンサ34が制
御装置50に貯水完了信号を送る。この信号を受けると
制御装置50は電磁弁26を閉じ、電極13a及び13
bへの電圧の印加を停止するとともに、電磁弁33を開
き、これと同時に、またはやや遅延させて、ポンプ32
を起動する。すると、電解水タンク29に貯留された電
解水はポンプ32により圧送され、電解水配水管30を
通って電解水散布ノズル43からボウル42内へ散布さ
れる。こうしてボウル42、排水口44及び排水管45
等の殺菌及び洗浄が行なわれる。洗浄開始信号の出力後
所定時間が経過したら、タイマは洗浄終了信号を出力
し、これを受けた制御装置50はポンプ32を停止する
とともに電磁弁33を閉じる。本実施例の装置では、電
解水タンクに貯留した所定量の電解水をポンプで圧送す
るため、瞬間流量が大きく、かつ安定した洗浄が可能と
なる。
【0041】図3は本発明の更に別の実施例の概略構成
図である。本実施例の連続式電気分解槽28の内部は隔
膜17により2室に分割されており、その一方に電極1
3aが、他方に電極13bが配設されている。本実施例
において、電極13aは陽極であり、電極13bは陰極
である。電極13aの配設された室の下流側には酸性水
流出口18が、また電極13bの配設された室の下流側
にはアルカリ性水流出口19が、それぞれ設けられてい
る。酸性水流出口18には酸性水配水管35が接続され
ている一方、アルカリ性水流出口19にはアルカリ性水
配水管36が接続されている。酸性水配水管35の酸性
水流出口18に接続されていない一端は電解水散布ノズ
ル43に接続されている。その他の構成は図1の装置と
同様である。
【0042】上記構成を有する水周り設備洗浄装置の作
用について説明する。タイマが洗浄開始信号を出力して
から制御装置50が電極13a及び13bに電圧を印加
するまでの行程は図1の装置の場合と同様である。電極
13a及び13bへ電圧が印加されると、電極13a
(陽極)の表面では次亜塩素酸(HClO)及び水素イ
オン等が生成される一方、電極13b(陰極)の表面で
は水酸イオン等が生成される。この結果、電極13aの
配置された室内を流れる水は次亜塩素酸による高い殺菌
性を有する酸性水(以下、「酸性殺菌水」とする)とな
って酸性水流出口18から酸性水配水管35へ流入する
一方、電極13bの配置された室内を流れる水はアルカ
リ性水となってアルカリ性水流出口19からアルカリ性
水配水管36へ流入する。上記酸性殺菌水は酸性水配水
管35を通って電解水散布ノズル43からボウル42内
へ散布される。こうしてボウル42、排水口44及び排
水管45等の殺菌及び洗浄が行なわれる。一方、上記ア
ルカリ性水はアルカリ性水配水管36を通って装置外へ
排出される。洗浄開始信号の出力後所定時間が経過した
ら、タイマは洗浄終了信号を出力し、これを受けた制御
装置50は電極13a及び13bへの電圧の印加を停止
するとともに電磁弁26を閉じる。
【0043】図3の装置において、酸性水配水管35の
途上に図2で示した電解水タンク29、ポンプ32及び
電磁弁33を配設し、図2の装置と同様の方法でこれら
を制御し、酸性殺菌水をボウル42へ散布するようにし
てもよい。
【0044】また、図3の装置において、隔膜17を有
する連続式電気分解槽28の代わりに、例えば本願と同
一の出願人による特願平7−206541号に記載の無
隔膜型電気分解槽を用いることもできる。この無隔膜型
電気分解槽は、隔膜を用いることなく酸性殺菌水とアル
カリ性水とを分離して抽出することが可能な構成を有し
ている。このような無隔膜型電気分解槽は、隔膜を有す
る電気分解槽に比べてコンパクトであるため、特に装置
全体を小さくしたい場合(例えば、後述する後付け型装
置)には好適に利用できる。
【0045】なお、アルカリ性水配水管36から装置外
へ排出されるアルカリ性水は、飲用、洗浄用等の種々の
目的に応じて適宜利用することができる。
【0046】図4は本発明の更に別の実施例の概略構成
図である。本実施例は図3の実施例に更に変形を加えた
ものである。図4において、三方弁37が有する3つの
接続口には酸性水配水管35、アルカリ性水配水管36
及び電解水配水管31が接続されている。電解水配水管
31の三方弁37に接続されていない一端は電解水散布
ノズル43に接続されている。アルカリ性水配水管36
の途上には、連続式電気分解槽28から近い順に、アル
カリ性水タンク38及びポンプ39が配設されている。
アルカリ性水タンク38の上部にはオーバーフロー配管
52が接続されている。三方弁37は制御装置50に接
続されている。その他の構成は図3の装置と同様であ
る。
【0047】上記構成を有する水周り設備洗浄装置の作
用について説明する。タイマが所定時間に第一洗浄開始
信号を出力すると、制御装置50は電磁弁26を開くと
ともに、酸性水配水管35から電解水配水管31へ流れ
が向かうように三方弁37の流路を設定する。その後、
図3の実施例で述べたように、水道水導入管20から連
続式電気分解槽28へ流入する水道水が電気分解されて
酸性殺菌水及びアルカリ性水が生成される。上記酸性殺
菌水は酸性水配水管35及び電解水配水管31を通って
電解水散布ノズル43からボウル42内へ散布される。
こうしてボウル42、排水口44及び排水管45等の殺
菌及び洗浄が行なわれる。一方、上記アルカリ性水はア
ルカリ性水配水管36を通ってアルカリ性水タンク38
に流入するが、流入量が所定量を超過した場合、その超
過分はオーバーフロー配管52から外部へ流出する。第
一洗浄開始信号の出力後所定時間が経過したら、タイマ
は第二洗浄開始信号を出力し、これを受けた制御装置5
0は電極13a及び13bへの電圧の印加を停止すると
ともに電磁弁26を閉じ、アルカリ性水配水管36から
電解水配水管31へ流れが向かうように三方弁37の流
路を変更し、更にそれと同時に、あるいはやや遅延させ
て、ポンプ39を起動する。すると、アルカリ性水タン
ク38に貯留されたアルカリ性水がポンプ39により圧
送され、アルカリ性水配水管36及び電解水配水管31
を通って電解水散布ノズル43からボウル42内へ散布
される。このアルカリ性水の作用により、先に酸性殺菌
水によっては除去されずにボウル42の表面などに付
着、残留した汚れ成分(例えばタンパク質)が除去され
る。第二洗浄開始信号の出力後所定時間が経過したら、
タイマは洗浄終了信号を出力し、これを受けた制御装置
50はポンプ39を停止する。
【0048】図5は本発明の更に別の実施例の概略構成
図である。本実施例は図3の実施例に更に変形を加えた
ものである。図5において、排水管45の途上には電磁
弁53が配設されている。電磁弁53は制御装置50に
接続されている。その他の構成は図3の装置と同様であ
る。
【0049】上記構成を有する水周り設備洗浄装置の作
用について説明する。タイマが所定時間に電解開始信号
を出力すると、制御装置50は電磁弁26を開くととも
に電磁弁53を閉じ、これと同時に、またはやや遅延さ
せて、電極13a及び13bに電圧を印加する。その
後、図3の実施例で述べたように、水道水導入管20か
ら連続式電気分解槽28へ流入する水道水が電気分解さ
れて酸性殺菌水及びアルカリ性水が生成される。上記ア
ルカリ性水はアルカリ性水配水管36を通って装置外へ
排出される。一方、上記酸性殺菌水は酸性水配水管35
及び電解水配水管31を通って電解水散布ノズル43か
らボウル42内へ散布されるが、このとき電磁弁53は
閉じられているため、ボウル42内へ散布された酸性殺
菌水は排水口44及び排水管45を通って流出せず、ボ
ウル42内に貯留される。電解開始信号の出力後所定時
間が経過したら、タイマは電解終了信号を出力し、これ
を受けた制御装置50は電極13a及び13bへの電圧
の印加を停止するとともに電磁弁26を閉じる。更に、
電解終了信号の出力後所定時間が経過したら、タイマは
洗浄終了信号を出力し、これを受けた制御装置50は電
磁弁53を開いてボウル42内に貯留された酸性殺菌水
を排水口44から流出させる。本実施例では、ボウル4
2内に酸性電解水が一定時間貯留されるため、この間に
ボウル42の表面が充分に殺菌、洗浄される。
【0050】なお、図3の実施例ではなく図4の実施例
に電磁弁53を追加し、電磁弁53を制御装置50に接
続するようにしてもよい。このような装置によれば、ボ
ウル42に酸性殺菌水を一定時間貯留させてボウル42
の殺菌、洗浄を行なった後で、更にアルカリ性水をボウ
ル42に散布してタンパク質などの残留成分を除去する
ことができる。
【0051】図1〜図5の実施例において、電解水散布
ノズル43の代わりに、ボウル42のリム部に電解水の
流路及び散布孔を設けることにより、ボウル42自体を
電解水散布ノズルとして機能させるようにしてもよい。
このようにすると、ボウル表面から突出するノズルを用
いる必要がなくなり、ボウルの意匠性が損なわれないた
め好ましい。
【0052】本発明に係る水周り設備洗浄装置は既設の
洗面台に後付け可能な構成の装置とすることができる。
以下、後付け可能な構成を有する水周り設備洗浄装置
(以下、「後付け型装置」とする)を図面を参照しなが
ら説明する。
【0053】図6〜図11は後付け型装置の各種実施例
を示す図である。まず、これらの図に示した装置に共通
な部分について説明する。箱状の本体ケース10内に
は、図1〜図5で示した各装置の破線で矩形に囲んだ部
分が格納される。水道水導入管20及び電解水配水管3
0は本体ケース10に設けられた開口から外へ伸びてい
る。水道水導入管20の先端はコネクタ53を介して給
水管54に接続されている。また、本体ケース10の上
面には操作パネル11が設けられており、この操作パネ
ル11により全ての操作(自動/手動の切換、タイマの
設定等)を行なうことができる。なお、図6〜図11に
おいて、もし本体ケース10に格納されているのが図
3、図4又は図5の装置である場合、それが図3又は図
5の装置であれば「電解水配水管30」は「酸性水配水
管35」となり、それが図4の装置であれば「電解水配
水管30」は「電解水配水管31」となる。更に、図6
〜図11において、もし本体ケース10に格納されてい
るのが図5の装置である場合は、排水管45の途上に図
5の電磁弁53を配設し、電磁弁53を本体ケース10
内の制御装置50と接続するようにする。
【0054】図6〜図11の後付け型装置はいずれも電
解水配水管30の先端部に接続されたノズル(又はノズ
ルを含む電解水散布機構)によって特徴づけられている
ものである。以下、各装置の有するノズル(又はノズル
を含む電解水散布機構)について順次説明する。
【0055】図6の後付け型装置は、図示せぬ液体流入
口を有する箱状のノズル60を備えている。上記液体流
入口には電解水配水管30が接続されている。また、ノ
ズル60の一側面には上記液体流入口に連通する多数の
液体噴出孔が形成されている。電解水洗浄時には、本体
ケース10内で生成された電解水が電解水配水管30を
通って液体流入口からノズル60内へ流入し、液体噴出
孔からボウル42内へ噴出される。各液体噴出孔は適宜
異なる方向に形成されているため、そこから噴出された
電解水はボウル42内に広く散布される。以上のような
ノズル60は吸盤等により洗面台40の適宜箇所(例え
ばボウル42のリム上)に簡単に設置することができ
る。また、ノズル60を洗面台40から取り外し、特に
汚れの著しい部位へノズル60を近接させてその部位へ
電解水を集中的に噴射するという用い方もできる。な
お、ノズル60の形状は箱状に限られず、液体噴出孔を
設けるための面を有し吸盤などによりリム上に安定的に
設置可能であればどのような形状でもよい。
【0056】図7の後付け型装置は、図示せぬ液体流入
口を有する略円錐状のノズル61を備えている。上記液
体流入口には電解水配水管30が接続されている。ま
た、ノズル61の底面には上記液体流入口に連通する多
数の液体噴出孔が形成されている。電解水による洗浄時
には、本体ケース10内で生成された電解水が電解水配
水管30を通って液体流入口からノズル61内へ流入
し、液体噴出孔からボウル42内へ噴出される。各液体
噴出孔は適宜異なる方向に形成されているため、そこか
ら噴出する電解水はボウル42内に広く散布される。以
上のようなノズル61はリングあるいは吸盤等により給
水栓41に簡単に取り付けることができる。なお、ノズ
ル61の形状は略円錐状に限られず、液体噴出孔を設け
るための面を有し、リングあるいは吸盤等により給水栓
41に取り付け可能であればどのような形状でもよい。
【0057】図8の後付け型装置の有する電解水配水管
30は途中で分岐して2本の電解水配水管30a及び3
0bとなっている。これらの電解水配水管30a及び3
0bに接続されたノズル63a及び63bは、液体流入
口を有する長尺状の部品である。ノズル63a及びノズ
ル63bの液体流入口には上記電解水配水管30a及び
30bの先端がそれぞれ接続されている。ノズル63a
及び63bの一側面上には多数の液体噴出孔がノズルの
長手方向に沿って一列あるいは複数列に形成されてい
る。ノズル63a及び63bの内部には、上記液体流入
口に連通する図示せぬ液体流路が形成されており、上記
液体噴出孔は全てこの液体流路に連通している。また、
各液体噴出孔は適宜異なる方向に形成されており、そこ
から噴出する電解水がボウル42内に広く散布されるよ
うになっている。ノズル63a及び63bは図示せぬ吸
盤等によりボウル42のリムの左右各部にそれぞれ固定
されている。以上のようなノズル63a及び63bによ
れば、ボウル42内の広い範囲にわたって電解水を散布
することができる。なお、先端が分岐していない電解水
配水管30の先端にノズル63a又は63bのいずれか
を接続し、そのノズル63a又は63bをボウル42の
左右いずれか一方の側のリムに配置するようにしてもよ
い。
【0058】図9の後付け型装置の有するノズル64の
基本的構造は図8のノズル63a又は63bと同様であ
る。このノズル64は図示せぬ吸盤によりボウル42の
リムの正面部に固定されている。
【0059】図10の後付け型装置の有する電解水散布
機構は、桿状のノズル65、ノズル65をその両端で保
持するホルダ66a及び66b、及びモータ68から主
として成る。ノズル65の側面上には多数の液体噴出孔
がノズル65の長手方向に一列あるいは複数列に形成さ
れている。また、ノズル65の内部にはその長手方向に
伸びる図示せぬ液体流路が形成されており、上記液体噴
出孔は全てこの液体流路に連通している。ホルダ66a
及び66bは吸盤69によりボウル42のリム上に固定
されている。ホルダ66aには上記ノズル65内の液体
流路に連通する液体流入口67が設けられており、ここ
に電解水配水管30が接続されている。また、ホルダ6
6bに取り付けられたモータ68は、ノズル65をその
中心軸の回りに所定の角度範囲内で回動させるためのも
のである。モータ68の作動は本体ケース10内の制御
装置50(図1等を参照)により制御されている。電解
水がボウル42に散布される間、制御装置50はモータ
68を作動させる。すると、ノズル65はその中心軸の
回りに所定の角度範囲内で回動するため、ノズル65の
液体噴出孔から噴出する電解水はボウル42内に広く散
布される。
【0060】図11の後付け型装置の有する電解水散布
機構は、図示せぬ液体流入口及び液体流出口を有する電
解水用カラン70、電解水用カラン70の液体流出口に
接続された略円錐状のノズル71、及び電解水用カラン
70をその一端で回動可能に支持するカラン駆動部72
から主として成る。電解水用カラン70の液体流入口に
は電解水配水管30が接続されている。ノズル71の底
面には上記液体流入口に連通する多数の液体噴出孔が形
成されている。カラン駆動部72は図示せぬ吸盤により
ボウル42のリム上に固定されている。また、カラン駆
動部72はその内部に図示せぬモータを備えている。こ
のモータは電解水用カラン70を軸A−A’の回りに所
定の角度範囲内で回動させるためのものである。モータ
の作動は本体ケース10内の制御装置50(図1等を参
照)により制御されている。電解水がボウル42に散布
される間、制御装置50はモータを作動させる。する
と、電解水用カラン70は所定の角度範囲内で回動する
ため、電解水用カラン70の先端に接続されたノズル7
1の液体噴出孔から噴出する電解水はボウル42内に広
く散布される。
【0061】図12は後付け型装置の更に別の実施例を
示す図である。本実施例の後付け型装置の有する電解水
散布機構はノズル73及びノズル駆動部74からなる。
ノズル73はその一端にリング部75を有しており、こ
のリング部75がノズル駆動部74の上部に枢合されて
いる。これにより、ノズル73はノズル駆動部74によ
り支持されたまま回動可能となっている。また、リング
部75には図示せぬ液体流入口が設けられており、ここ
に電解水配水管30が接続されている。ノズル73の先
端部の裏面には図示せぬ多数の液体噴出孔が形成されて
いる。ノズル73の内部には、上記液体流入口に連通す
る図示せぬ液体流路が形成されており、上記液体噴出孔
は全てこの液体流路に連通している。一方、ノズル駆動
部74はその内部に図示せぬモータを有している。この
モータはノズル73を給水栓41の回りに所定の角度範
囲内で回動させるためのものである。モータの作動は制
御装置50(図1等を参照)により制御されている。電
解水がボウル42に散布される間、制御装置50はモー
タを作動させる。すると、ノズル73は所定の角度範囲
内で回動するため、ノズル73の先端部の液体噴出孔か
ら噴出する電解水はボウル42内に広く散布される。
【0062】なお、以上のような本発明に係る水周り設
備洗浄装置に更に電源としての電池を収容するための電
池収容部を設けて電池により駆動可能な装置とすると、
屋内の電気配線の状態により装置を設置できる箇所が制
限されるということもなくなる。
【0063】本発明に係る水周り設備洗浄方法の効果を
確認するために2通りの試験を行なった。
【0064】まず、第一試験について説明する。この試
験は、社屋内の男子トイレ内に設けられた洗面ブースの
2つの洗面台を用いて行なわれた。2つの洗面台のうち
一方は試験用であり、他方は参照用である。両洗面台と
もにその用途は、(1)用便後の手洗い(備え付けの石
鹸水を使用)、及び(2)食後の歯磨き、である。な
お、いずれの洗面台にもセンサを利用した自動給水シス
テムが備えられている。このような使用条件下で両洗面
台を1ヶ月間使用した。この間、試験用洗面台のボウル
には下に記した条件で電解水を散布する一方、参照用洗
面台のボウルには電解水を散布しなかった。また、試験
中はいずれの洗面台についても通常の方法によるボウル
面の洗浄や排水トラップの洗浄は実施しなかった。 (電解水の散布条件) 使用した電解水:1ppmの次亜塩素酸を含有する中性の水 散布頻度 :4時間毎 散布量 :5リットル/回 なお、洗浄効果の評価は次のような方法によった。 (1)ボウルの表面の目視観察、(2)ボウルの表面の
細菌数の調査、(3)排水トラップの内面の目視観察、
及び(4)排水トラップ内の滞留水中の細菌数の調査。
【0065】以上のようにして行なわれた第一試験の結
果について図13〜図15を参照しながら説明する。
【0066】図13は第一試験開始後1ヶ月が経過した
時点における(a)参照用洗面台のボウル表面の様子を
示す図、(b)試験用洗面台のボウル表面の様子を示す
図、(c)参照用洗面台のボウルの排水口付近の拡大
図、及び(d)試験用洗面台のボウルの排水口付近の拡
大図である。図13(a)及び図13(b)を比較する
と、いずれの洗面台においても、ボウル80の表面の一
時的に水が付着、残留する部分を中心にリング状の着色
汚れが形成されており、ボウル80の表面に関しては外
観上の差異は認められなかった。しかし、図13(c)
及び図13(d)を比較すると、参照用洗面台において
は、ポップアップ弁81の弁座82の表面に着色汚れが
付着しており、更に弁座82を囲繞するようにしてボウ
ル80の表面に着色汚れやカビが付着しているのが観察
された(図13(c)の符号83)が、試験用洗面台で
はそのような汚れは観察されなかった(図13
(d))。以上の結果から、1ppmの次亜塩素酸を含
有する水をボウルに散布することにより少なくとも排水
口付近の汚れやカビを防止できることがわかった。
【0067】図14は第一試験開始後1ヶ月が経過した
時点における(a)参照用洗面台の排水トラップの様子
を示す図、及び(b)試験用洗面台の排水トラップの様
子を示す図である。参照用洗面台においては、厚さ約1
mmのスライム状の付着物が排水トラップの内面(図1
4(a)の符号84、84)に観察された。これに対
し、試験用洗面台においては、排水トラップの内面には
付着物は認められなかった。以上の結果から、1ppm
の次亜塩素酸を含有する水をボウルに散布することによ
り排水トラップ内の汚れを有効に防止できることがわか
った。
【0068】図15は第一試験開始後1ヶ月が経過した
時点におけるボウルの表面における細菌数及び排水トラ
ップ内の滞留水(図14の符号85)中の細菌数を示し
たものである。ボウル表面及び排水トラップ滞留水とも
に、参照用洗面台においては多数の細菌が検出された
が、試験用洗面台においては細菌の数は検出されなかっ
た。この結果から、1ppmの次亜塩素酸を含有する水
をボウルに散布することによりボウル表面及び排水トラ
ップの殺菌が充分に達成されることが分かった。
【0069】次に、第二試験について説明する。第二試
験では、第一試験で使用された洗面台を第一試験と同じ
使用条件下で4ヶ月間使用した。試験用洗面台のボウル
へ散電解水を散布する条件は次のようにした。 (電解水の散布条件) 使用した電解水:3ppmの次亜塩素酸を含有する酸性水(pHは4) 散布頻度 :4時間毎 散布量 :3リットル/回 なお、第二試験における洗浄効果の評価は(1)ボウル
の表面の目視観察、及び(2)ボウルの表面の単位面積
当たりに付着した汚れの量の測定によった。
【0070】図16は第二試験を開始してから4ヶ月経
過した時点における(a)参照用洗面台のボウルの表面
の様子を示す図、(b)試験用洗面台のボウルの表面の
様子を示す図、(c)参照用洗面台のボウルの排水口付
近の拡大図、及び(d)試験用洗面台のボウルの排水口
付近の拡大図である。参照用洗面台においては、図16
(a)及び図16(c)に示したように、ボウル80の
表面の広い範囲にわたって着色汚れが観察され、弁座8
2及びその周辺の汚れも拡大し、悪化した。これに対
し、試験用洗面台においては、図16(b)及び図16
(d)に示したように、着色汚れは観察されなかった。
以上の結果から、3ppmの次亜塩素酸を含有するpH
4の水をボウルに散布することによりボウルの表面の着
色汚れを有効に防止できることがわかった。
【0071】更に、ボウルの表面の単位面積当たりに付
着した汚れの量を測定したところ、 (1)参照用洗面台のボウルの表面 : 5mg/cm2 (2)試験用洗面台のボウルの表面 : 0.5mg/cm2 というように大きく異なっていた。この結果からも、3
ppmの次亜塩素酸を含有するpH4の水がボウルの表
面の着色汚れを防止するために有効であるということが
いえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の概略構成図。
【図2】 本発明の別の実施例の概略構成図。
【図3】 本発明の更に別の実施例の概略構成図。
【図4】 本発明の更に別の実施例の概略構成図。
【図5】 本発明の更に別の実施例の概略構成図。
【図6】 後付け型装置の一実施例を示す図。
【図7】 後付け型装置の別の実施例を示す図。
【図8】 後付け型装置の更に別の実施例を示す図。
【図9】 後付け型装置の更に別の実施例を示す図。
【図10】 後付け型装置の更に別の実施例を示す図。
【図11】 後付け型装置の更に別の実施例を示す図。
【図12】 後付け型装置の更に別の実施例を示す図。
【図13】 第一試験開始後1ヶ月が経過した時点にお
ける(a)参照用洗面台のボウル表面の様子を示す図、
(b)試験用洗面台のボウル表面の様子を示す図、
(c)参照用洗面台のボウルの排水口付近の拡大図、及
び(d)試験用洗面台のボウルの排水口付近の拡大図。
【図14】 第一試験開始後1ヶ月が経過した時点にお
ける(a)参照用洗面台の排水トラップの様子を示す
図、及び(b)試験用洗面台の排水トラップの様子を示
す図。
【図15】 第一試験開始後1ヶ月が経過した時点にお
けるボウルの表面における細菌数及び排水トラップ内の
滞留水中の細菌数を示す図。
【図16】 第二試験を開始してから4ヶ月経過した時
点における(a)参照用洗面台のボウルの表面の様子を
示す図、(b)試験用洗面台のボウルの表面の様子を示
す図、(c)参照用洗面台のボウルの排水口付近の拡大
図、及び(d)試験用洗面台のボウルの排水口付近の拡
大図。
【符号の説明】
12、28…連続式電気分解槽 20…水道水導入管 22、54…給水管 26、33、53…電磁弁 30、31…電解水配水管 32…ポンプ 35…酸性水配水管 36…アルカリ性水配水管 37…三方弁 40…洗面台 41…給水栓 42…ボウル 43…電解水散布ノズル 50…制御装置 60、61、63a、63b、64、65、71、73
…ノズル

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素イオン含有水を電気分解して遊離塩
    素含有水を生成する電解水生成手段と、該電解水生成手
    段により生成された遊離塩素含有水を水周り設備に散布
    するための電解水散布手段とを備えることを特徴とする
    水周り設備洗浄装置。
  2. 【請求項2】 遊離塩素含有水が所定時間に散布される
    ように上記電解水生成手段及び電解水散布手段の作動を
    制御するための制御手段を備えることを特徴とする請求
    項1に記載の水周り設備洗浄装置。
  3. 【請求項3】 上記塩素イオン含有水は水道水であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の水周り設備洗浄
    装置。
  4. 【請求項4】 上記遊離塩素含有水は濃度0.5ppm
    以上の次亜塩素酸含有水であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の水周り設備洗浄装置。
  5. 【請求項5】 上記遊離塩素含有水は濃度1ppm以上
    の次亜塩素酸含有水であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の水周り設備洗浄装置。
  6. 【請求項6】 上記遊離塩素含有水のpHが5以下であ
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水
    周り設備洗浄装置。
  7. 【請求項7】 上記遊離塩素含有水のpHが4以下であ
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水
    周り設備洗浄装置。
  8. 【請求項8】 上記電解水散布手段は、遊離塩素含有水
    を水周り設備内へ噴出させるための電解水散布孔へ上記
    電解水生成手段により生成された遊離塩素含有水を圧送
    するための圧送手段を備えることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれかに記載の水周り設備洗浄装置。
  9. 【請求項9】 上記電解水散布手段は既設の水周り設備
    に後付け可能な電解水散布ノズルを含むことを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれかに記載の水周り設備洗浄装
    置。
  10. 【請求項10】 上記水周り設備は洗面設備であること
    を特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の水周り設
    備洗浄装置。
  11. 【請求項11】 上記洗面設備のボウルからの排水路を
    通断するための排水路通断手段を備え、且つ、上記制御
    手段は該排水路通断手段に上記ボウルからの排水路を遮
    断させ上記電解水生成手段に所定量の遊離塩素含有水を
    生成させ上記電解水供給手段に上記所定量の遊離塩素含
    有水を供給させることにより遊離塩素含有水を上記ボウ
    ルに所定時間貯留させることを特徴とする請求項10に
    記載の水周り設備洗浄装置。
  12. 【請求項12】 次亜塩素酸を含有する酸性水で水周り
    設備を洗浄する行程を有することを特徴とする水周り設
    備の洗浄方法。
  13. 【請求項13】 アルカリ性水で水周り設備を洗浄する
    行程を有することを特徴とする請求項12に記載の水周
    り設備の洗浄方法。
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