JPH10286977A - インクジェットプリンタヘッドへの液体置換方法および液体置換装置とそれに用いる処理液、並びにインクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタヘッドへの液体置換方法および液体置換装置とそれに用いる処理液、並びにインクジェットプリンタ

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JPH10286977A
JPH10286977A JP9100346A JP10034697A JPH10286977A JP H10286977 A JPH10286977 A JP H10286977A JP 9100346 A JP9100346 A JP 9100346A JP 10034697 A JP10034697 A JP 10034697A JP H10286977 A JPH10286977 A JP H10286977A
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JP
Japan
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liquid
ink
print head
cleaning liquid
cleaning
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JP9100346A
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English (en)
Inventor
Takemasa Namiki
武政 双木
Kazumasa Matsumoto
和正 松本
Shozo Kikukawa
省三 菊川
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリントヘッドの目詰まり等が生じない液体
置換方法、液体置換装置、インクジェットプリンタおよ
び処理液(洗浄液)を実現する。 【解決手段】 インクジェットプリンタのプリントヘッ
ド内の液体を置換する液体置換装置であって、異種のイ
ンク61,61’間での切換を行う途中でプリントヘッ
ド500について少なくとも1種類以上の洗浄液10
0,100’による置換をそれぞれ行う液体置換手段8
1〜84を具備することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタヘッドへの液体置換方法および液体置換装置とそ
れに用いる処理液、並びにインクジェットプリンタに関
する。
【0002】
【従来の技術】布用のインクジェットプリンタは、プリ
ントヘッドの多数のノズルからプラテン上の布帛にイン
クドットを噴射して、絵柄をプリントするようになって
いる。カラープリントの場合、プリントヘッドは、例え
ばシアン、マゼンタ、イエロー、クロの4原色の各々に
ついてのインクヘッドを有し、各インクヘッドから吹き
つけるインクドットの組合せによって、多様な色彩が表
現される。インクドットの色の組合せおよびそれらが形
成する絵柄は、制御装置(コンピュータ)から供給され
る作画データによって指定される。
【0003】複数の種類の布帛に対応できるようにした
インクジェットプリンタでは、布帛の種類に応じてイン
クの種類が切り換えられる。その際、例えば分散性染料
のインクと反応性染料のインクのように、混じり合うと
凝集等を起こすインクを切り換える場合は、先ず、水等
の洗浄液を通して、前のインクを押し出すとともにノズ
ルおよびインク経路の洗浄を行い、次いで、新たなイン
クを通して洗浄液の押し出しとインクの充填を行う。
【0004】前のインクの押し出し、洗浄液通しおよび
新たなインク通しは、インク吸引ポンプに接続してある
キャップ装置をノズルに嵌めてインクを吸引するか、あ
るいはプリントヘッドのインク噴射機構を利用して行わ
れる。これによって、前のインク、洗浄液および新たな
インクが順次にノズルから流出する。
【0005】このようなインク切換は、例えばプリント
ヘッドの待機位置(ホームポジション)において行われ
るので、ホームポジションに液吸引機構と廃液回収機構
を設け、インク切換時にプリントヘッドから流出する廃
液が回収される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】分散性染料のインクに
おいては、染料が水に不溶性または難溶性なので、長期
間の使用中に次第にインクの凝集や沈殿が生じる。凝集
ないし沈殿したインク(染料)はプリントヘッドのノズ
ル内壁やノズル先端、あるいはインク供給管の内壁に付
着する。
【0007】布帛用のインクジェットプリンタにおいて
は、紙用のインクジェットプリンタに比べて2倍ないし
3倍程度濃いインクが用いられるので、特に染料の凝集
や沈殿が生じ易い。
【0008】ノズル内壁に付着した染料は目詰まりの原
因になる。ノズル先端に付着した染料はインク噴射の方
向を狂わせる。インク噴射の方向が狂うと絵柄や色彩が
乱れ、プリント品質が低下する。インク供給管の内壁に
付着した染料はインクの流通を阻害する。
【0009】ノズルの内壁や先端、あるいはインク供給
管の内壁に付着した分散性染料は水に不溶性または難溶
性なので、インク切り換え時に洗浄水を流しても除去す
ることができない。そこで、溶剤を含む洗浄液を使用す
ることが考えられるが、そのような洗浄液は、インクに
混じると化学反応によりインクを凝集させることが多
く、却って目詰まり等を助長することになりかねない。
【0010】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、プリントヘッドの目詰まり
等が生じない液体置換方法、液体置換装置、インクジェ
ットプリンタおよび処理液を実現することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)課題を解決するための請求項1の発明は、インク
ジェットプリンタのプリントヘッド内の液体を置換する
液体置換方法であって、前記プリントヘッドについて少
なくとも1種類以上の洗浄液による置換を異種類のイン
ク間でのインク切換の途中で行うことを特徴とする。
【0012】請求項1の発明では、少なくとも1種類以
上の洗浄液流通を、異種類のインク間でのインク切換を
行う途中で行い、1種類以上の洗浄液の使い分けによ
り、残留インクの洗い流しはインクと反応しない洗浄液
で行い、付着染料の溶解除去は溶解性を有する洗浄液で
行う。これによって、プリントヘッドの目詰まり等が生
じない液体置換方法を実現することができる。
【0013】(2)課題を解決するための請求項2の発
明は、請求項1の発明において、前記洗浄液は、水を主
体とする洗浄液もしくは有機溶剤を主体とする洗浄液で
あることを特徴とする。
【0014】請求項2の発明では、水を主体とする洗浄
液で残留インクを洗い流し、有機溶剤を主体とする洗浄
液で付着染料を溶解除去する。これによって、プリント
ヘッドの目詰まり等が生じない液体置換方法を実現する
ことができる。
【0015】(3)課題を解決するための請求項3の発
明は、請求項1または請求項2の発明において、前記異
種類のインクは、一方が水溶解性染料を用いたインクで
あり、他方が水に不溶または難溶性の染料もしくは顔料
を用いたインクであることを特徴とする。
【0016】請求項3の発明では、水に不溶または難溶
性の染料もしくは顔料を用いたインクをインクと反応し
ない洗浄液で洗い流し、付着染料は溶解性を有する洗浄
液での溶解除去する。これによって、プリントヘッドの
目詰まり等が生じない液体置換方法を実現することがで
きる。
【0017】(4)課題を解決するための請求項4の発
明は、請求項1または請求項2の発明において、前記異
種類のインクは、いずれも水溶解染料であるが染料の種
類が異なることを特徴とする。
【0018】請求項4の発明では、染料の種類が異なる
インクを、インクと反応しない洗浄液で洗い流し、付着
染料は溶解性を有する洗浄液での溶解除去する。これに
よって、プリントヘッドの目詰まり等が生じない液体置
換方法を実現することができる。
【0019】(5)課題を解決するための請求項5の発
明は、請求項4の発明において、前記異種類のインクの
一方が反応性染料を用いたインクであり、他方が酸性染
料を用いたインクであることを特徴とする。
【0020】請求項5の発明では、染料の種類が異なる
インクを、インクと反応しない洗浄液で洗い流し、付着
染料は溶解性を有する洗浄液での溶解除去する。これに
よって、プリントヘッドの目詰まり等が生じない液体置
換方法を実現することができる。
【0021】(6)課題を解決するための請求項6の発
明は、請求項2〜請求項5のいずれか1つの発明におい
て、前記有機溶剤を主体とする洗浄液で前記プリントヘ
ッド内の液体を置換するとき、その前後においてそれぞ
れ前記水を主体とする洗浄液で前記プリントヘッド内の
液体を置換することを特徴とする。
【0022】請求項6の発明では、有機溶剤を主体とす
る洗浄液で前記プリントヘッド内の液体を置換すると
き、その前後においてそれぞれ水を主体とする洗浄液を
プリントヘッドに流通させ、有機溶剤を主体とする洗浄
液がインクと混じらないようにする。これによって、洗
浄液によるインク凝集の発生を防止することができる。
【0023】(7)課題を解決するための請求項7の発
明は、請求項2〜請求項5のいずれか1つの発明におい
て、前記プリントヘッドに残留するインクを洗い流すと
き、前記1種類以上の洗浄液のうち前記水を主体とする
洗浄液を先に用いて前記プリントヘッド内の液体を置換
することを特徴とする。
【0024】請求項7の発明では、プリントヘッドに残
留するインクを洗い流すとき、1種類以上の洗浄液のう
ち水を主体とする洗浄液を先にプリントヘッドに流通さ
せ、有機溶剤を主体とする洗浄液がインクと混じらない
ようにする。これによって、洗浄液によるインク凝集を
防止することができる。
【0025】(8)課題を解決するための請求項8の発
明は、請求項2〜請求項5のいずれか1つの発明におい
て、前記プリントヘッドに新たなインクを流通させると
き、それに先立って前記1種類以上の洗浄液のうち前記
水を主体とする洗浄液で前記プリントヘッド内の液体を
置換することを特徴とする。
【0026】請求項8の発明では、プリントヘッドに新
たなインクを流通させるとき、それに先立って1種類以
上の洗浄液のうち水を主体とする洗浄液をプリントヘッ
ドに流通させ、新たなインクに接する洗浄液が水を主体
とする洗浄液となるようにする。これによって、洗浄液
によるインク凝集を防止することができる。
【0027】(9)課題を解決するための請求項9の発
明は、インクジェットプリンタのプリントヘッド内の液
体を置換する液体置換方法であって、インクジェットプ
リンタの稼働停止が長期におよぶとき、それに先立って
有機溶剤を主体とする洗浄液を前記プリントヘッドに流
通させて、少なくともそのノズルを前記有機溶剤を主体
とする洗浄液で充填することを特徴とする。
【0028】請求項9の発明では、有機溶剤を主体とす
る洗浄液をプリントヘッドに流通させることにより、イ
ンクジェットプリンタの長期の稼働停止中は、プリント
ヘッドのノズルを有機溶剤を主体とする洗浄液で充填
し、ノズルにインクを滞留させない。これによって、長
期の稼働停止中のインクの凝集や沈澱等によるプリント
ヘッドの目詰まり等を防止することができる。また、こ
れによって、稼働の立ち上げを速やかに行うことができ
る。
【0029】(10)課題を解決するための請求項10
の発明は、請求項2〜請求項8のいずれか1つの発明に
おいて、前記水を主体とする洗浄液が、水を主成分とし
界面活性剤を添加して表面張力を50dyn/cm以下
としたものであることを特徴とする。
【0030】請求項10の発明では、洗浄液が、水を主
成分とし界面活性剤を添加して表面張力を50dyn/
cm以下としたものであることにより、プリントヘッド
に対する濡れ性が良く、効果的な洗浄を行うことができ
る。
【0031】(11)課題を解決するための請求項11
の発明は、請求項2〜請求項9のいずれか1つの発明に
おいて、前記有機溶剤を主体とする洗浄液が、水に可溶
な有機溶剤を主成分とし表面張力が45dyn/cm以
下であり凝固点が−5°C以下であることを特徴とす
る。
【0032】請求項11の発明では、洗浄液が、水に可
溶な有機溶剤を主成分とし表面張力が45dyn/cm
以下であることにより、プリントヘッドに対する濡れ性
が良く、効果的な洗浄を行うことができる。また、凝固
点が−5°C以下であることにより、洗浄液をノズルに
充填した状態での長期稼働停止中に低温を経験しても、
凍結によるノズル破損のおそれが少ない。
【0033】(12)課題を解決するための請求項12
の発明は、請求項2〜請求項9のいずれか1つまたは請
求項11の発明において、前記有機溶剤を主体とする洗
浄液が、前記インクの染料もしくは顔料を0.1wt%
以上溶解させる溶解度を有することを特徴とする。
【0034】請求項12の発明では、洗浄液が、インク
の染料もしくは顔料を0.1wt%以上溶解させる溶解
度を有することにより、プリントヘッドに付着した染料
を効果的に溶解することができる。
【0035】(13)課題を解決するための請求項13
の発明は、請求項1〜請求項12のいずれか1つの発明
において、前記洗浄液の流通を前記プリントヘッドのホ
ームポジションにて前記プリントヘッドの液噴射機構ま
たは吸引機構を利用して行うことを特徴とする。
【0036】請求項13の発明では、洗浄液の流通をプ
リントヘッドのホームポジションにてプリントヘッドの
液噴射機構または吸引機構を利用して行うことにより、
能率の良い洗浄を行うことができる。
【0037】(14)課題を解決するための請求項14
の発明は、請求項1〜請求項13のいずれか1つの発明
において、前記インクジェットプリンタが布帛印捺用の
インクジェットプリンタであることを特徴とする。
【0038】請求項14の発明では、インクジェットプ
リンタが布帛印捺用のインクジェットプリンタであるこ
とにより、布帛印捺用のインクジェットプリンタのプリ
ントヘッドを効果的に洗浄することができる。
【0039】(15)課題を解決するための請求項15
の発明は、インクジェットプリンタのプリントヘッド内
の液体を置換する液体置換装置であって、前記プリント
ヘッドについて少なくとも1種類以上の洗浄液による置
換を異種類のインク間でのインク切換の途中で行う液体
置換手段を具備することを特徴とする。
【0040】請求項15の発明では、液体置換手段によ
り、少なくとも1種類以上の洗浄液流通を、異種類のイ
ンク間でのインク切換を行う途中で行い、1種類以上の
洗浄液使い分けにより、残留インクの洗い流しはインク
と反応しない洗浄液で行い、付着染料の溶解除去は溶解
性を有する洗浄液で行う。これによって、プリントヘッ
ドの目詰まり等が生じない液体置換装置を実現すること
ができる。
【0041】(16)課題を解決するための請求項16
の発明は、請求項15の発明において、前記液体置換手
段が、水を主体とする洗浄液もしくは有機溶剤を主体と
する洗浄液で置換するものであることを特徴とする。
【0042】請求項16の発明では、液体置換手段によ
り、水を主体とする洗浄液で残留インクを洗い流し、有
機溶剤を主体とする洗浄液で付着染料を溶解除去する。
これによって、プリントヘッドの目詰まり等が生じない
液体置換装置を実現することができる。
【0043】(17)課題を解決するための請求項17
の発明は、請求項15または請求項16の発明におい
て、前記液体置換手段が、前記1種類以上の洗浄液によ
る置換を、一方が水溶解性染料を用いたインクであり、
他方が水に不溶または難溶性の染料もしくは顔料を用い
たインクである2種類のインク間でのインク切換を行う
途中で行うものであることを特徴とする。
【0044】請求項17の発明では、液体置換手段によ
り、水に不溶または難溶性の染料もしくは顔料を用いた
インクをインクと反応しない洗浄液で洗い流し、付着染
料は溶解性を有する洗浄液での溶解除去する。これによ
って、プリントヘッドの目詰まり等が生じない液体置換
装置を実現することができる。
【0045】(18)課題を解決するための請求項18
の発明は、請求項16または請求項17の発明におい
て、前記液体置換手段が、前記有機溶剤を主体とする洗
浄液で前記プリントヘッド内の液体を置換するとき、そ
の前後においてそれぞれ前記水を主体とする洗浄液で前
記プリントヘッド内の液体を置換するものであることを
特徴とする。
【0046】請求項18の発明では、液体置換手段によ
り、有機溶剤を主体とする洗浄液で前記プリントヘッド
内の液体を置換するとき、その前後においてそれぞれ水
を主体とする洗浄液をプリントヘッドに流通させ、有機
溶剤を主体とする洗浄液がインクと混じらないようにす
る。これによって、洗浄液によるインク凝集の発生を防
止することができる。
【0047】(19)課題を解決するための請求項19
の発明は、請求項16または請求項17の発明におい
て、前記液体置換手段が、前記プリントヘッドに残留す
るインクを洗い流すとき、前記1種類以上の洗浄液のう
ち前記水を主体とする洗浄液を先に用いて前記プリント
ヘッド内の液体を置換するものであることを特徴とす
る。
【0048】請求項19の発明では、液体置換手段によ
り、プリントヘッドに残留するインクを洗い流すとき、
1種類以上の洗浄液のうち水を主体とする洗浄液を先に
用いて前記プリントヘッド内の液体を置換し、有機溶剤
を主体とする洗浄液がインクと混じらないようにする。
これによって、洗浄液によるインク凝集を防止すること
ができる。
【0049】(20)課題を解決するための請求項20
の発明は、請求項16または請求項17において、前記
液体置換手段が、前記プリントヘッドに新たなインクを
流通させるとき、それに先立って前記1種類以上の洗浄
液のうち前記水を主体とする洗浄液で前記プリントヘッ
ド内の液体を置換するものであることを特徴とする。
【0050】請求項20の発明では、液体置換手段によ
り、プリントヘッドに新たなインクを流通させるとき、
それに先立って1種類以上の洗浄液のうち水を主体とす
る洗浄液をプリントヘッドに流通させ、新たなインクに
接する洗浄液が水を主体とする洗浄液となるようにす
る。これによって、洗浄液によるインク凝集を防止する
ことができる。
【0051】(21)課題を解決するための請求項21
の発明は、インクジェットプリンタのプリントヘッド内
の液体を置換する液体置換装置であって、前記液体置換
装置が、前記インクジェットプリンタの稼働停止が長期
におよぶとき、それに先立って有機溶剤を主体とする洗
浄液を前記プリントヘッドに流通させて、少なくともそ
のノズルを前記有機溶剤を主体とする洗浄液で充填する
液体置換手段を具備することを特徴とする。
【0052】請求項21の発明では、液体置換手段によ
り、有機溶剤を主体とする洗浄液をプリントヘッドに流
通させることにより、インクジェットプリンタの長期の
稼働停止中は、プリントヘッドのノズルを有機溶剤を主
体とする洗浄液で充填し、ノズルにインクを滞留させな
い。これによって、長期の稼働停止中のインクの凝集や
沈澱等によるプリントヘッドの目詰まり等を防止するこ
とができる。また、これによって、稼働の立ち上げを速
やかに行うことができる。
【0053】(22)課題を解決するための請求項22
の発明は、請求項15〜請求項21のいずれか1つの発
明において、前記液体置換手段が、前記少なくとも1種
類以上の洗浄液と前記異種類のインクのうちの1つを選
択的に前記プリントヘッドに流通させる切換手段を備え
ることを特徴とする。
【0054】請求項22の発明では、切換手段により、
少なくとも1種類以上の洗浄液と異種類のインクのうち
の1つを選択的にプリントヘッドに供給し、異種類のイ
ンクを切り換える間に少なくとも1種類以上の洗浄液の
流通を切り換える。これによって、効率の良い流通切換
を行うことができる。
【0055】(23)課題を解決するための請求項23
の発明は、請求項22の発明において、前記切換手段
が、前記プリントヘッドとその上流のダンパとの間に配
設されたことを特徴とする。
【0056】請求項23の発明では、切換手段が、前記
プリントヘッドとその上流のダンパとの間に配設された
ことにより、切換時に流通させる液体量がダンパの容積
に無関係になる。これによって、効率の良い液体置換を
行うことができる。
【0057】(24)課題を解決するための請求項24
の発明は、請求項22または請求項23の発明におい
て、前記切換手段が、出力管路に連通する開口を担持す
る回転部材と、複数の入力管路にそれぞれ連通し前記回
転部材の回転によって前記開口との接続が切り換えられ
る複数の開口を担持する固定部材とを備えることを特徴
とする。
【0058】請求項24の発明では、切換手段が、出力
管路に連通する開口を担持する回転部材と、複数の入力
管路にそれぞれ連通し回転部材の回転によって前記開口
との接続が切り換えられる複数の開口を担持する固定部
材とを備えることにより、簡素な構成の切換手段を実現
することができる。
【0059】(25)課題を解決するための請求項25
の発明は、請求項24の発明において、前記回転部材
が、その回転軸を通って前記開口と前記出力管路に連通
する内部管路を有することを特徴とする。
【0060】請求項25の発明では、回転部材が、その
回転軸を通って前記開口と前記出力管路に連通する内部
管路を有することにより、切換によって出力管路の位置
が変わらない切換手段を実現することができる。
【0061】(26)課題を解決するための請求項26
の発明は、請求項15〜請求項25のいずれか1つの発
明において、前記液体置換手段が、前記洗浄液の流通を
前記プリントヘッドのホームポジションにて前記プリン
トヘッドの液噴射機構または吸引機構を利用して行うも
のであることを特徴とする。
【0062】請求項26の発明では、洗浄液の流通をプ
リントヘッドのホームポジションにてプリントヘッドの
液噴射機構または吸引機構を利用して行うことにより、
能率の良い洗浄を行うことができる。
【0063】(27)課題を解決するための請求項27
の発明は、請求項15〜請求項26のいずれか1つの発
明において、前記インクジェットプリンタが布帛印捺用
のインクジェットプリンタであることを特徴とする。
【0064】請求項27の発明では、インクジェットプ
リンタが布帛印捺用のインクジェットプリンタであるこ
とにより、布帛印捺用のインクジェットプリンタのプリ
ントヘッドを効果的に洗浄することができる。
【0065】(28)課題を解決するための請求項28
の発明は、プリントヘッド内の液体を置換する液体置換
装置を備えたインクジェットプリンタであって、前記液
体置換装置が、前記プリントヘッドについて少なくとも
1種類以上の洗浄液による置換を異種類のインク間での
インク切換の途中で行う液体置換手段を具備することを
特徴とする。
【0066】請求項28の発明では、液体置換手段によ
り、少なくとも1種類以上の洗浄液流通を、異種類のイ
ンク間でのインク切換を行う途中で行い、1種類以上の
洗浄液使い分けにより、残留インクの洗い流しはインク
と反応しない洗浄液で行い、付着染料の溶解除去は溶解
性を有する洗浄液で行う。これによって、プリントヘッ
ドの目詰まり等が生じないインクジェットプリンタを実
現することができる。
【0067】(29)課題を解決するための請求項29
の発明は、請求項28の発明において、前記液体置換手
段が、水を主体とする洗浄液もしくは有機溶剤を主体と
する洗浄液で置換するものであることを特徴とする。
【0068】請求項29の発明では、液体置換手段によ
り、水を主体とする洗浄液で残留インクを洗い流し、有
機溶剤を主体とする洗浄液で付着染料を溶解除去する。
これによって、プリントヘッドの目詰まり等が生じない
インクジェットプリンタを実現することができる。
【0069】(30)課題を解決するための請求項30
の発明は、請求項28または請求項29の発明におい
て、前記液体置換手段が、前記1種類以上の洗浄液によ
る置換を、一方が水溶解性染料を用いたインクであり、
他方が水に不溶または難溶性の染料もしくは顔料を用い
たインクである2種類のインク間でのインク切換を行う
途中で行うものであることを特徴とする。
【0070】請求項30の発明では、液体置換手段によ
り、水に不溶または難溶性の染料もしくは顔料を用いた
インクをインクと反応しない洗浄液で洗い流し、付着染
料は溶解性を有する洗浄液での溶解除去する。これによ
って、プリントヘッドの目詰まり等が生じないインクジ
ェットプリンタを実現することができる。
【0071】(31)課題を解決するための請求項31
の発明は、請求項29または請求項30の発明におい
て、前記液体置換手段が、前記有機溶剤を主体とする洗
浄液で前記プリントヘッド内の液体を置換するとき、そ
の前後においてそれぞれ前記水を主体とする洗浄液で前
記プリントヘッド内の液体を置換するものであることを
特徴とする。
【0072】請求項31の発明では、液体置換手段によ
り、有機溶剤を主体とする洗浄液で前記プリントヘッド
内の液体を置換するとき、その前後においてそれぞれ水
を主体とする洗浄液で前記プリントヘッド内の液体を置
換し、有機溶剤を主体とする洗浄液がインクと混じらな
いようにする。これによって、洗浄液によるインク凝集
の発生を防止することができるインクジェットプリンタ
を実現することができる。
【0073】(32)課題を解決するための請求項32
の発明は、請求項29または請求項30の発明におい
て、前記液体置換手段が、前記プリントヘッドに残留す
るインクを洗い流すとき、前記1種類以上の洗浄液のう
ち前記水を主体とする洗浄液を先に用いて前記プリント
ヘッド内の液体を置換するものであることを特徴とす
る。
【0074】請求項32の発明では、液体置換手段によ
り、プリントヘッドに残留するインクを洗い流すとき、
1種類以上の洗浄液のうち水を主体とする洗浄液を先に
用いて前記プリントヘッド内の液体を置換し、有機溶剤
を主体とする洗浄液がインクと混じらないようにする。
これによって、洗浄液によるインク凝集を防止すること
ができるインクジェットプリンタを実現することができ
る。
【0075】(33)課題を解決するための請求項33
の発明は、請求項29または請求項30の発明におい
て、前記液体置換手段が、前記プリントヘッドに新たな
インクを流通させるとき、それに先立って前記1種類以
上の洗浄液のうち前記水を主体とする洗浄液で前記プリ
ントヘッド内の液体を置換するものであることを特徴と
する。
【0076】請求項33の発明では、液体置換手段によ
り、プリントヘッドに新たなインクを流通させるとき、
それに先立って1種類以上の洗浄液のうち水を主体とす
る洗浄液で前記プリントヘッド内の液体を置換し、新た
なインクに接する洗浄液が水を主体とする洗浄液となる
ようにする。これによって、洗浄液によるインク凝集を
防止することができるインクジェットプリンタを実現す
ることができる。
【0077】(34)課題を解決するための請求項34
の発明は、プリントヘッド内の液体を置換する液体置換
装置を備えたインクジェットプリンタであって、前記液
体置換装置が、前記インクジェットプリンタの稼働停止
が長期におよぶとき、それに先立って有機溶剤を主体と
する洗浄液を前記プリントヘッドに流通させて、少なく
ともそのノズルを前記有機溶剤を主体とする洗浄液で充
填する液体置換手段を具備することを特徴とする。
【0078】請求項34の発明では、液体置換手段によ
り、有機溶剤を主体とする洗浄液をプリントヘッドに流
通させることにより、インクジェットプリンタの長期の
稼働停止中は、プリントヘッドのノズルを有機溶剤を主
体とする洗浄液で充填し、ノズルにインクを滞留させな
い。これによって、長期の稼働停止中のインクの凝集や
沈澱等によるプリントヘッドの目詰まり等を防止するこ
とができるインクジェットプリンタを実現することがで
きる。また、これによって、稼働の立ち上げを速やかに
行うことができるインクジェットプリンタを実現するこ
とができる。
【0079】(35)課題を解決するための請求項35
の発明は、請求項28〜請求項34のいずれか1つの発
明において、前記液体置換手段が、前記少なくとも1種
類以上の洗浄液と前記少なくとも2種類のインクのうち
の1つを選択的に前記プリントヘッドに流通させる切換
手段を備えることを特徴とする。
【0080】請求項35の発明では、切換手段により、
少なくとも1種類以上の洗浄液と異種類のインクのうち
の1つを選択的にプリントヘッドに供給し、少なくとも
異種類のインクを切り換える間に少なくとも1種類以上
の洗浄液流通を切り換える。これによって、効率の良い
流通切換を行うことができるインクジェットプリンタを
実現することができる。
【0081】(36)課題を解決するための請求項36
の発明は、請求項35の発明において、前記切換手段
が、前記プリントヘッドとその上流のダンパとの間に配
設されたことを特徴とする。
【0082】請求項36の発明では、切換手段が、前記
プリントヘッドとその上流のダンパとの間に配設された
ことにより、切換時に流通させる液体量がダンパの容積
に無関係になる。これによって、効率の良い液体置換を
行うことができるインクジェットプリンタを実現するこ
とができる。
【0083】(37)課題を解決するための請求項37
の発明は、請求項35または請求項36の発明におい
て、前記切換手段が、出力管路に連通する開口を担持す
る回転部材と、複数の入力管路にそれぞれ連通し前記回
転部材の回転によって前記開口との接続が切り換えられ
る複数の開口を担持する固定部材とを備えることを特徴
とする。
【0084】請求項37の発明では、切換手段が、出力
管路に連通する開口を担持する回転部材と、複数の入力
管路にそれぞれ連通し回転部材の回転によって前記開口
との接続が切り換えられる複数の開口を担持する固定部
材とを備えることにより、簡素な構成の切換手段を備え
たインクジェットプリンタを実現することができる。
【0085】(38)課題を解決するための請求項38
の発明は、請求項37の発明において、前記回転部材
が、その回転軸を通って前記開口と前記出力管路に連通
する内部管路を有することを特徴とする。
【0086】請求項38の発明では、回転部材が、その
回転軸を通って前記開口と前記出力管路に連通する内部
管路を有することにより、切換によって出力管路の位置
が変わらない切換手段を備えたインクジェットプリンタ
を実現することができる。
【0087】(39)課題を解決するための請求項39
の発明は、請求項28〜請求項38のいずれか1つの発
明において、前記液体置換手段が、前記洗浄液の流通を
前記プリントヘッドのホームポジションにて前記プリン
トヘッドの液噴射機構または吸引機構を利用して行うも
のであることを特徴とする。
【0088】請求項39の発明では、洗浄液の流通をプ
リントヘッドのホームポジションにてプリントヘッドの
液噴射機構または吸引機構を利用して行うことにより、
能率の良い洗浄が行えるインクジェットプリンタを実現
することができる。
【0089】(40)課題を解決するための請求項40
の発明は、請求項28〜請求項39のいずれか1つの発
明において、前記インクジェットプリンタが布帛印捺用
のインクジェットプリンタであることを特徴とする。
【0090】請求項40の発明では、インクジェットプ
リンタが布帛印捺用のインクジェットプリンタであるこ
とにより、布帛印捺用のインクジェットプリンタのプリ
ントヘッドを効果的に洗浄することができる。
【0091】(41)課題を解決するための請求項41
の発明は、水を主成分とし界面活性剤を添加して表面張
力を50dyn/cm以下としたことを特徴とする処理
液である。
【0092】請求項41の発明では、処理液が、水を主
成分とし界面活性剤を添加して表面張力を50dyn/
cm以下としたものであることにより、プリントヘッド
に対する濡れ性が良く、効果的な洗浄処理を行うことが
できる。
【0093】(42)課題を解決するための請求項42
の発明は、水に可溶な有機溶剤を主成分とし表面張力が
45dyn/cm以下であり凝固点が−5°C以下であ
ることを特徴とする処理液である。
【0094】請求項42の発明では、処理液が、水に可
溶な有機溶剤を主成分とし表面張力が45dyn/cm
以下であることにより、プリントヘッドに対する濡れ性
が良く、効果的な洗浄処理を行うことができる。また、
凝固点が−5°C以下であることにより、処理液をノズ
ルに充填した状態での長期稼働停止中に低温を経験して
も、凍結によるノズル破損のおそれが少ない。
【0095】(43)課題を解決するための請求項43
の発明は、請求項42の発明において、前記有機溶剤
が、インクの染料もしくは顔料を0.1wt%以上溶解
させる溶解度を有することを特徴とする。
【0096】請求項43の発明では、有機溶剤が、イン
クの染料もしくは顔料を0.1wt%以上溶解させる溶
解度を有することにより、プリントヘッドに付着した染
料を効果的に溶解することができる。
【0097】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。図1〜3に布帛印捺
用のインクジェットプリンタの一例の外観図を示す。図
1は正面図、図2は平面図、図3は右側面図である。本
装置は本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成
によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示
される。本装置の動作によって、本発明の方法に関する
実施の形態の一例が示される。
【0098】先ず、全体構成を説明する。図1〜3に示
すように、本装置はフレーム001カバー002および
廃液回収部003を有する。以下に述べる各コンポーネ
ントがこのフレーム001ないし廃液回収部003の中
に組み込まれている。
【0099】すなわち、布帛の元巻きロール10が軸1
1を水平にして元巻きロール装填部20に装填されてい
る。元巻きロール10の上側にはプラテンローラ30が
元巻きロール10と平行に設置されている。プラテンロ
ーラ30は元巻きロール10の幅より広い幅を有する。
【0100】プラテンローラ30の軸31は両端でプラ
テンローラ支持部32によって支持されている。プラテ
ンローラ支持部32にはプラテンローラ30を回転させ
るための図示しない駆動部が設けられている。
【0101】プラテンローラ30にはその背後からニッ
プローラ40が接触している。ニップローラ40は、プ
ラテンローラ30との間に布帛を挟圧して、プラテンロ
ーラ30による布帛の搬送が確実に行われるようにする
ものである。ニップローラ40の軸は回転自在に支持さ
れている。ニップローラ40の幅はプラテンローラ30
の幅に等しくなっている。
【0102】プラテンローラ30の上側にはヘッドキャ
リッジ50が設けられている。ヘッドキャリッジ50に
は、後述するように、例えばカラープリントのための4
原色に対応した複数のインクヘッドおよびそれらの駆動
回路がそれぞれ搭載されている。インクヘッドのインク
噴射面(ノズル面)はプラテンローラ30に対面してい
る。インクヘッドおよび駆動回路が搭載されたヘッドキ
ャリッジ50は本発明におけるプリントヘッドの実施の
形態の一例である。なお、プリントヘッドについては後
にあらためて説明する。
【0103】複数のインクヘッドには、後述するよう
に、インク供給系を通じて、インクカートリッジ60か
らそれぞれインクが供給されるようになっている。イン
クカートリッジ60はカバー002に着脱可能に搭載さ
れている。インク供給系は切換機構を備えている。この
切換機構によってインクの種類の切り換えが行われる。
また、切換機構によって洗浄液への切換も行われるよう
になっている。インク供給系については後にあらためて
説明する。洗浄液への切換をも行う切換機構を含むイン
ク供給系は、本発明における液体置換装置ないし液体置
換手段の実施の形態の一例である。
【0104】ヘッドキャリッジ50は図示しないレール
上に装架され、図示しない駆動部によって駆動されてプ
ラテンローラ30の軸に平行に往復運動(走査)を行う
ようになっている。
【0105】ヘッドキャリッジ50は、インクカートリ
ッジ60が搭載されているカバー002の内部空間にホ
ームポジションを有する。ヘッドキャリッジ50はプリ
ントを行わないときはそこで待機するようになってい
る。後述するインクおよび洗浄液の切換は、このホーム
ポジションにおいて行われる。
【0106】インク切換時の廃出液すなわち廃インクお
よび洗浄液を回収するため、後述するように、廃液回収
装置または吸引装置が、ホームポジションにおけるヘッ
ドキャリッジ50に関連付けて配設されている。ホーム
ポジションは、本発明におけるホームポジションの実施
の形態の一例である。廃液回収装置はカバー002ない
し廃液回収部003の内部空間に設けられている。廃液
回収装置については、後にあらためて説明する。
【0107】プラテンローラ30には、例えば図3に2
点鎖線で示すように、布帛が背後から前側に向けて掛け
回される。プラテンローラ30の前下方にはガイド70
が設けられ、前側に排出された布帛をこのガイドに沿っ
て垂下させるようにしている。
【0108】フレーム001の背後には制御部80が設
けられている。制御部80によってプラテンローラ30
の回転、ヘッドキャリッジ40の走査およびインクヘッ
ドのインク噴射等が制御される。インクヘッドに供給す
るインクないし洗浄液の切り換えも制御部80によって
制御される。制御部80は例えばマイクロプロセッサ等
を用いて構成される。
【0109】制御部80には操作部90を通じて操作者
から各種の指令が与えられるようになっている。操作部
90には図示しない適宜の操作キーや表示器等が設けら
れている。操作者の指令の基づく制御部80の制御動作
により、インクジェットプリントおよび後に述べるイン
クないし洗浄液の切り換えが実行される。なお、通信線
等を通じて制御部80を上位のコンピュータ等にリンク
し、その管制の下でプリント等を遂行するようにするこ
ともできる。
【0110】次に、プリントヘッド、インク供給系およ
び廃液回収装置について説明する。図4に、プリントヘ
ッド、インク供給系および廃液回収装置の模式的構成を
示す。同図に示すように、例えば4個のインクヘッド5
1〜54が、ヘッドキャリッジ50に1列に搭載されて
プリントヘッド500を構成している。インクヘッド5
1〜54に対応して、図示しない駆動回路がヘッドキャ
リッジ50に搭載されている。駆動回路は、本発明にお
ける液噴射機構の実施の形態の一例である。なお、本図
はヘッドキャリッジ50がホームポジションにある状態
を示す。
【0111】インクヘッド51〜54の配列方向は、ヘ
ッドキャリッジ50の走査方向に一致している。4個の
インクヘッド51〜54はインクの4原色、例えば、シ
アン、マゼンタ、イエローおよびクロにそれぞれ対応し
ている。
【0112】インクヘッド51〜54はいずれも複数
(例えば64個)のノズルを有する。これらノズルは、
インクヘッド51〜54のノズル面上で、へッドキャリ
ッジ50の走査方向と直交する方向に配列されている。
配列のピッチは例えば360dpiのドット分解能を可
能にするピッチとなっている。
【0113】インクヘッド51〜54には、管路71〜
74を通じてそれぞれ給液が行われるようになってい
る。管路71〜74の上流には、切換弁81〜84がそ
れぞれ設けられている。切換弁81〜84は、本発明に
おける切換手段の実施の形態の一例である。また、図示
していないが、プリントヘッド500の上部には、ヘッ
ドキャリッジ50の移動によるインク圧力の変化を緩和
するためのダンパないしバッファが設けられることがあ
る。ダンパは、本発明におけるダンパの実施の形態の一
例である。
【0114】切換弁8x(x:1〜4)には4本の管路
9x1〜9x4の一端が接続されている。管路9x1の
他端はインクカートリッジ6xに接続されている。管路
9x2の他端はインクカートリッジ6x’に接続されて
いる。xの値はインクの色に対応し、例えば、1がシア
ン、2がマゼンタ、3がイエロー、4がクロである。イ
ンクカートリッジ6xと6x’は共に同色ではあるが、
種類の異なるインクのカートリッジである。
【0115】具体的には、例えば、インクカートリッジ
6xにはポリエステル用の分散性染料インクが入ってお
り、インクカートリッジ6x’には木綿用の反応性染料
インクが入っている。分散性染料インクは、本発明にお
ける水に不溶または難溶性の染料もしくは顔料を用いた
インクの実施の形態の一例である。反応性染料インク
は、本発明における水溶解性染料を用いたインクの実施
の形態の一例である。これらのインクがそれぞれ管路9
x1,9x2を通じて切換弁8xに供給されるようにな
っている。
【0116】管路9x3の他端は洗浄液容器100に接
続されている。管路9x4の他端は洗浄液容器100’
に接続されている。洗浄液容器100には例えば水を主
体とする洗浄液が入っている。水を主体とする洗浄液
は、本発明における水を主体とする洗浄液の実施の形態
の一例である。洗浄液容器100’には例えば染料を溶
解する有機溶剤を主体とする洗浄液が入っている。有機
溶剤を主体とする洗浄液は、本発明における有機溶剤を
主体とする洗浄液の実施の形態の一例である。また、洗
浄液は本発明における処理液の実施の形態の一例であ
る。これらの洗浄液がそれぞれ管路9x3,9x4を通
じて切換弁8xに供給されるようになっている。
【0117】なお、インクカートリッジ61〜64,6
1’〜64’および洗浄液容器100,100’は作図
の都合で上下に並べて示したが、実際は、インクヘッド
5xのノズル面より所定距離だけ下がった、共通の水平
位置に並列配置されている。これによって、インクヘッ
ド5xに所定の負の静圧が印加されるようになってい
る。
【0118】切換弁8xは、制御部80による制御の下
で、管路9x1〜9x4を切り換えてそのうちの1つを
管路7xに接続する。これによって、所望の液が選択的
にインクヘッド5xに供給されるようになる。
【0119】インクヘッド51〜54に対応して廃液受
け101〜104がそれぞれ設けられている。廃液受け
101〜104は例えばゴム等によってカップ状に構成
される。すなわち、廃液受け101〜104は上部が開
口になっており、下部が底になっている。廃液受け10
1〜104の開口はインクヘッド51〜54のノズル面
に対向している。開口の形状および寸法は、ノズル面の
形状および寸法に適合している。なお、廃液受け101
〜104は、ノズルから液を吸い出すための、もしくは
ノズル先端の乾燥を防止するためのキャップをも兼ねて
いる。
【0120】廃液受け101〜104は支持部材110
によって支持されている。支持部材110は、例えばエ
アシリンダー、リンク機構またはバネ機構等のような1
対の駆動機構111,111’で駆動されて上下に移動
するようになっている。駆動機構111,111’の不
動側はフレーム001に固定されている。駆動機構11
1,111’の動作は制御部80によって制御される。
【0121】図では、支持部材110を最上位置に移動
させた状態が示されている。この状態では、廃液受け1
01〜104がインクヘッド51〜54のノズル面にそ
れぞれ被さるようになっている。最下位置に移動した状
態では、廃液受け101〜104がそれぞれインクヘッ
ド51〜54のノズル面から離れるようになっている。
【0122】廃液受け101〜104は底に穴を有し、
この穴に管路121〜124がそれぞれ接続されてい
る。管路121〜124はそれぞれポンプ131〜13
4を経由して廃液溜140に導かれている。廃液溜14
0は、上側が開口した有底の容器となっている。廃液溜
140は廃液回収部003の内部に配設されている。
【0123】廃液溜140は、外容器141と内容器1
42との二重構造になっている。外容器141は把手1
43を有する。外容器141と内容器142は分離可能
な構造になっている。内容器142は、ディスポーザブ
ルタイプのものである。これは、例えば柔軟な袋状のも
のであっても良い。外容器141と内容器142は、い
ずれも、全体的にまたは少なくとも部分的に透明ないし
半透明になっている。これによって、廃液の溜まり具合
を外部から目視確認することができる。内容器142に
は吸収剤144が入っている。
【0124】図5に、切換弁8xの配設位置の他の例を
示す。同図に示すように、切換弁8xは、インクヘッド
5xの上流で、ダンパDPの下流に配設されている。ダ
ンパDPは管路TBによって液容器TKに連通してい
る。ダンパDPは管路TBごとに設けられる。管路TB
は図4における管路911〜944のうちの1つに相当
する。液容器TKはインクカートリッジ61〜洗浄液容
器100’のうちの1つに相当する。
【0125】切換弁8xをこのような位置に配設するこ
とは、ダンパDPの容積が切換弁8xの下流の容積に含
まれなくなり、インク切換または洗浄液切換に当たって
のインクまたは洗浄液の消費量を少なくする点で好まし
い。
【0126】図6に、切換弁8xの具体例の1つを示
す。図6の(a)は平面図、(b)はA−A断面図であ
る。同図に示すように、貫通孔HOL60にパイプPI
P60が取り付けられた円板状の回転部材ROT6と、
貫通孔HOL61〜64にパイプPIP61〜64がそ
れぞれ取り付けられた円板状の固定部材STN6とが、
互いの板面を密接させ連結部材FSNによって連結され
ている。連結部材FSNは、回転部材ROT6と固定部
材STN6の中心を貫通している。
【0127】回転部材ROT6は、連結部材FSNを軸
として固定部材STN6に関し相対的に回転できるよう
になっている。固定部材STN6の貫通孔HOL61〜
64は、貫通孔HOL60の回転軌道に沿って配置され
ている。
【0128】これによって、回転部材ROT6を回転さ
せることにより、貫通孔HOL60を貫通孔HOL61
〜64のいずれか1つと連通させることができる。すな
わち、パイプPIP61〜64を通じて入力される4つ
の液体のうちの1つを選択的にパイプPIP60から出
力することができる。
【0129】図7に、切換弁8xの他の具体例を示す。
図7の(a)はC−C断面図、(b)はB−B断面図で
ある。同図に示すように、回転部材ROT7が固定部材
STN7に同軸的に嵌合している。
【0130】回転部材ROT7はその内部に管路TBB
7を有する。管路TBB7の一端は回転部材ROT7の
外周に開口し、他端は回転部材ROT7の軸方向の一端
に開口している。この開口端にはパイプPIP70が取
り付けられている。パイプPIP70は鍔部FRNを有
する。鍔部FRNは固定部材STN7に接する。
【0131】パイプPIP70の先端にチューブコネク
タCNNが取り付けられている。パイプPIP70への
チューブコネクタCNNの取付部は、パイプPIP70
の回転を許容しかつ液漏れを防ぐ構造になっている。
【0132】固定部材STN7は、回転部材ROT7の
中心軸に向かう5つの放射状の貫通孔HOL71〜75
を有する。貫通孔HOL71〜75には外側にぞれぞれ
パイプPIP71〜75が取り付けられている。貫通孔
HOL71〜75の内側の開口は、回転部材ROT7内
の管路TBB7の開口端の回転軌道に沿って配列されて
いる。
【0133】これによって、回転部材ROT7を回転さ
せることにより、貫通孔HOL71〜75のいずれか1
つに管路TBB7を連通させることができる。すなわ
ち、パイプPIP71〜75を通じて入力される5つの
液体のうちの1つを選択的にパイプPIP70から出力
することができる。
【0134】PIP71〜75のいずれか2つに同一の
液体を供給するようにすると、4つの液体のうちの1つ
を選択することができる。例えば、パイプPIP71に
分散性染料インクを供給し、パイプPIP75に反応性
染料インクを供給し、パイプPIP72,74に水を主
体とする洗浄液を供給し、パイプPIP73に有機溶剤
を主体とする洗浄液を供給するようにすることができ
る。
【0135】このようにすると、回転部材ROT7の反
時計回りの回転によって、順次、分散性染料インク→水
を主体とする洗浄液→有機溶剤を主体とする洗浄液→水
を主体とする洗浄液→反応性染料インク、というシーケ
ンスで液体の切換を行うことができる。また、その位置
から時計回りの回転によって、反応性染料インク→水を
主体とする洗浄液→有機溶剤を主体とする洗浄液→水を
主体とする洗浄液→分散性染料インク、というシーケン
スで切換を行うことができる。
【0136】すなわち、いずれの場合も、有機溶剤を主
体とする洗浄液の流通の前後で、水を主体とする洗浄液
の流通を行う液体切換を行うことができる。これによっ
て、切換時にインクに接する洗浄液は、どちらのインク
についても、必ず水を主体とする洗浄液となり、インク
の凝集等を起こしやすい有機溶剤を主体とする洗浄液は
インクに接触しないようにすることができる。
【0137】本切換弁はそれを容易に実行できる点で好
ましい。また、回転部材ROT7が回転しても出力側の
チューブが動かない点でも好ましい。これに対して、図
6の構成の切換弁は構成が簡素な点で好ましい。
【0138】次に、インク切換動作について説明する。
以下に述べる動作は制御部80による制御の下で行われ
る。インク切換は、図4に示すように、プリントヘッド
500がホームポジションにあるときに行われる。
【0139】先ず、駆動機構111,111’によって
支持部材110が上に押し上げられ、廃液受け101〜
104がそれぞれ対応するインクヘッド51〜54のノ
ズル面に被せられる。
【0140】次いで、切換弁81〜84の切換が行われ
る。いま、例えば、インクヘッド51〜54にそれぞれ
インクカートリッジ61〜64からインク供給が行われ
ているとし、これをインクカートリッジ61’〜64’
からのインク供給状態に切り換えるものとする。
【0141】最初に、切換弁81〜84はそれぞれ管路
913〜943を選択するように切り換えられる。管路
913〜943は洗浄液容器100に入っている洗浄
液、すなわち水を主体とする洗浄液を供給する管であ
る。したがって、インクヘッド51〜54には水を主体
とする洗浄液の供給経路が形成される。
【0142】この状態でインクヘッド51〜54を駆動
してインク噴射を所定時間行わせる。この噴射に伴って
インクヘッド51〜54およびその上流の管路71〜7
4(およびダンパ等)に残留していた前のインクが排出
され、水を主体とする洗浄液に置き換る。
【0143】置換の過程で残留インクと洗浄液との接触
が生じるが、洗浄液が水を主体とする洗浄液であること
により、インクの凝集等は発生しない。この洗浄液の噴
射を暫く続けることにより、インクヘッド51〜54と
管路71〜74等の中が洗浄される。洗浄液の噴射は、
例えば残留インクの1倍ないし5倍程度の量の洗浄液を
噴射する間続けられる。十分な洗浄を行うには、5倍を
越える量の洗浄液を噴射するのが好ましい。
【0144】このようにインクヘッド51〜54から排
出される廃出液(廃液)は、それぞれ廃液受け101〜
104によって受けられる。廃液受け101〜104が
受けた廃液はそれぞれポンプ131〜134によって吸
引され、管路121〜124を通じて廃液溜140に集
められる。なお、インクヘッド51〜54を駆動して廃
液を排出する代わりに、ポンプ131〜134によって
インクヘッド51〜54から廃液を吸い出すようにして
も良い。以下、同様である。
【0145】廃液溜140においては廃液が吸収剤14
4に吸収される。廃液を吸収した吸収剤144は、廃液
量とほぼ同じ体積の寒天状固形物となる。これによっ
て、廃液は流動性を持たない固形物となって廃液溜14
0に溜められる。寒天状固形物の体積は廃液の吸収量に
応じて漸次増大する。
【0146】所定時間の洗浄液通しが終わると、次に、
切換弁81〜84はそれぞれ管路914〜944を選択
するように切り換えられる。管路914〜944は洗浄
液容器100’に入っている洗浄液、すなわち有機溶剤
を主体とする洗浄液を供給する管である。したがって、
インクヘッド51〜54には有機溶剤を主体とする洗浄
液の供給経路が形成される。
【0147】この状態でインクヘッド51〜54を駆動
して液体の噴射を行わせ、有機溶剤を主体とする洗浄液
をインクヘッド51〜54のノズルの先まで行き渡らせ
る。これによって、切換弁8xの下流の液体が有機溶剤
を主体とする洗浄液に置換される。その後、噴射を停止
して例えば5間分ないし30分間程度静置する。
【0148】噴射期間および静置期間中に、有機溶剤を
主体とする洗浄液により、インクヘッド51〜54のノ
ズルの内壁やノズル先端および管路71〜74中に、稼
働の長期化等により付着固化していた分散性染料染料の
溶解が行われる。静置時間が長いほど付着染料の溶解度
が向上する。
【0149】洗浄液の流通に伴う廃液が、上述の場合と
同様に、廃液受け101〜104−管路121〜124
(ポンプ131〜134)の系統によって廃液溜140
に集められ、吸収剤144に吸収される。
【0150】次に、切換弁81〜84はそれぞれ管路9
13〜943を選択するように切り換えられる。管路9
13〜943は洗浄液容器100に入っている洗浄液、
すなわち水を主体とする洗浄液を供給する管である。し
たがって、インクヘッド51〜54には、再び水を主体
とする洗浄液の供給経路が形成される。
【0151】この状態でインクヘッド51〜54を駆動
して液体噴射を所定時間行わせる。この噴射に伴って、
インクヘッド51〜54およびその上流の管路71〜7
4(およびダンパ等)に残留していた有機溶剤を主体と
する洗浄液が排出される。このとき、洗浄液に溶解した
染料も一緒に排出される。これによって、インクヘッド
51〜54の目詰まり等の原因物質が除去される。この
洗浄液の噴射を所定時間続けることにより、インクヘッ
ド51〜54と管路71〜74等の中から有機溶剤を主
体とする洗浄液完全に除去され、水を主体とする洗浄液
に置き換る。
【0152】次に、切換弁81〜84は、それぞれ管路
912〜942を選択するように切り換えられる。管路
912〜942は、インクカートリッジ61’〜64’
に入っているインクすなわち反応性染料インクを供給す
る管である。したがって、インクヘッド51〜54には
反応性染料インクを供給する経路が形成される。
【0153】この状態でインクヘッド51〜54を駆動
して液噴射を所定時間行わせる。この噴射に伴ってイン
クヘッド51〜54およびその上流の管路71〜74に
残留していた洗浄液が排出され、新たなインクに置き換
る。置換の過程で残留洗浄液とインクとの接触が生じる
が、洗浄液が水を主体とする洗浄液であることにより、
新たに注入されたインクの凝集等は発生しない。この洗
浄液の噴射を所定時間続けて新たなインクへの置換を完
璧なものにする。
【0154】その間の廃液が、上述の場合と同様に、廃
液受け101〜104−管路121〜124(ポンプ1
31〜134)の系統によって廃液溜140に集めら
れ、吸収剤144に吸収される。
【0155】以上によって分散性染料のインクから反応
性染料のインクへの切換が完了する。上記は、分散性染
料インクから反応性染料インクへ切り換える場合の動作
例であるが、反応性染料インクから分散性染料インクへ
の切換は、上記のシーケンスを逆に辿って行われる。例
えば、元巻きロール10の布種の変更等のつど、上記に
準じたインク切換が行われる。
【0156】いずれの場合も、有機溶剤を主体とする洗
浄液の流通の前後で、水を主体とする洗浄液の流通を行
う液体切換が行われる。これによって、切り換えの過程
でインクに接する洗浄液は、どちらのインクについて
も、必ず水を主体とする洗浄液となり、インクの凝集等
を起こしやすい有機溶剤を主体とする洗浄液はインクに
接触することがない。
【0157】また、インクヘッド51〜54等の洗浄
は、インク切換時以外にも、同一インクの使用中にも適
宜行うことができる。その場合は、上記のシーケンスを
有機溶剤を主体とする洗浄液による洗浄の段階から折り
返し、元のインクの流通状態に戻るようにすればよい、
この場合も、有機溶剤を主体とする洗浄液の流通の前後
で水を主体とする洗浄液の流通が行われる。
【0158】あるいは、比較的短期間の稼働で、染料の
凝集、沈澱等の心配がないときは、水を主体とする洗浄
液による洗浄の段階から折り返し、有機溶剤を主体とす
る洗浄液による洗浄を省略するようにしても良い。
【0159】インク切換後もしくは洗浄後のインク再充
填後、駆動機構111,111’を作動させて支持部材
110を下に降ろし、廃液受け101〜104をインク
ヘッド51〜54のノズル面から離す。これでプリント
ヘッド500は新たなインクによるプリントができる状
態になる。以後、プリント開始指令に応じてプリントヘ
ッド500の走査が行われ、新たなインクによるインク
ジェットプリントが実行される。
【0160】1日の就業の終わり等により、インクジェ
ットプリンタの稼働停止が行われると、それに連動する
自動シーケンスあるいは操作者の手動操作により、上記
の流通切換シーケンスが、有機溶剤を主体とする洗浄液
をインクヘッド51〜54に充填させるところまで行わ
れる。これによって、稼働停止中はインクヘッド51〜
54等の中が有機溶剤を主体とする洗浄液で満たされ
る。
【0161】このようにすることにより、稼働停止期間
が長期にわたっても、インクヘッド51〜54等の中で
染料の凝集や沈澱が生じることがない。したがって、長
期稼働停止後に稼働を再開する場合でも、内部液の置換
により速やかに動作を立ち上げることができる。
【0162】また、有機溶剤を主体とする洗浄液とし
て、低温まで凝固しないものを用いれば、稼働停止中に
氷点下の低温を経験しても、内部液の凍結等によるノズ
ルの破損が生じることがない。
【0163】また、インクジェットプリンタの出荷前に
上記の処置をすれば、インクの抜取等をしなくても、運
送途中での低温のよるノズルの破損を防止することがで
きる。インクを抜き取って出荷すると、納入先でのイン
クの再充填に時間がかかり、稼働の立ち上げが遅くなる
が、上記の処置をすればこの問題も解決できる。
【0164】次に、洗浄液について説明する。本発明の
洗浄液とは水を主成分とする洗浄液と有機溶剤を主成分
とする洗浄液とを示す。それぞれ、主成分の含有量は8
0重量%を示すが、好ましくは90重量%さらに好まし
くは95重量%以上が好ましい例である。
【0165】〔使用可能な有機溶剤〕水に可溶な有機溶
剤であり、後述の実施例で説明する特性を有する材料が
使用可能であるが、水系のインクとの置換が十分に迅速
に行われることが必要なため、水との混合比率が無限大
となるものが好ましい。例えば <ケトン類>アセトン、アセトニルアセトン,ジアセト
ンアルコール等の溶剤 <エーテル類>テトラヒドロフラン、ジオキサン、テト
ラヒドロピラン,メチラールや、エチレングリコールジ
エチルエーテル,エチレングルコールジメチルエーテ
ル、ポリエチレングリコールのジアルキルエーテル等の
溶剤 <エステル類>リン酸トリエチル,エチレングリコール
モノメチルエーテルアセテート等の溶剤 <エーテルーアルコール類>グリコールモノメチルエー
テル、グリコールモノエチルエーテル、2−(メトキシ
メトキシ)エタノール,2−イソプロポキシエタノー
ル,グリコールモノブチルエーテル、フルフリルアルコ
ール,テトラヒドロフルフリルアルコール,ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレング
リコール等のポリエチレングリコールや、ジエチレング
ルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテル, ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル,やポリエチレングリコールのモノアルキルエー
テル等の溶剤 <アルコール類>メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、1−ペンタノール、2−メチ
ル−2−ブタノール,アリルアルコール,ベンジルアル
コール,ネオペンチルアルコール,シクロヘキサノー
ル,エチレングリコール,1,3−プロパンジオール、
1,3−ブタンジオール,1,4−ブタンジオール,
1,5−ペンタンジオール,2−ブテン−1,4−ジオ
ール,2−メチル−2,4−ペンタンジオール,やポリ
エチレングリコール,グリセリン,1,2,6−ヘキサ
ントリオール等のアルコール溶剤 <その他>ホルムアミド,ジメチルホルムアミド、ジエ
チルホルムアミド,ジメチルアセトアミド、2−ピロリ
ドン,N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン等の窒素含有溶剤やジメチルス
ルホキシド、スルホラン,1,3−プロパンスルトン,
チオジグリコール,2,2’−チオジエタノール等の硫
黄含有溶剤やアセトニトリル等の溶剤を挙げることがで
きるが、可能な溶剤の総てを例示しているわけではな
い。
【0166】必要な特性により例示以外の溶剤を選択す
ることができるが、そのためには下記特性を満足させる
溶剤であれば本発明に使用可能である。 〔有機溶剤に必要な他の性質〕 1)凝固温度 上記の水との混合性以外に必要な性質として、凝固点が
−5℃以下であることが重要である。この性質は寒冷地
においてインク供給系路やヘッド内で凍結することによ
る破壊や融解させるための時間をとらないために重要な
特性である。
【0167】本特性は長期間の装置の休止や装置の移
送,輸送時にインク供給系やヘッド部に保湿と異物を析
出させないための洗浄を目的とした場合には必要である
が、一時的な洗浄を目的とした場合には必ずしも必要で
はないが、洗浄液を多数準備する煩雑さを防止するため
には好ましい特性である。
【0168】2)溶剤の粘度 溶剤の粘度は溶剤自身を主成分とする場合には、使用環
境下での流動抵抗を低くするために10cp以下である
ことが好ましく、さらに好ましくは5cp以下である溶
剤を選択することが好ましい。
【0169】3)溶剤の表面張力 インクの供給系路及びヘッドノズル部の材料との濡れ性
(接触角)が重要な特性であり、必ずしも表面張力の値
だけで規定できる特性ではないが、使用される一般的な
材料の特性から50dyn/cm以下であることが好ま
しく、さらに好ましくは45dyn/cm以下であるこ
とが好ましい。
【0170】この結果として、本特性を有する溶剤と接
触する材料の接触角は90°以下となることが好まし
く、さらに好ましくは70°以下さらには40°以下と
なる組み合わせとすることが材料の表面を良く濡らすた
めに洗浄及びインク置換を速くする目的の達成に効果的
である。
【0171】4)溶剤の溶解性 インク構成材料の溶解性はあった方が良いが、洗浄目的
ではない装置の休止及び移送,輸送中の保湿等の目的で
は必ずしも必要な特性ではない。
【0172】洗浄を目的とする場合、特に水不溶性の染
料,顔料を使用するインクを洗浄するためには、当該染
料,顔料の溶剤への溶解性が0.1wt%以上さらに好
ましくは0.5wt%以上の溶剤であることが好まし
い。
【0173】5)その他の必要とされる特性 使用する溶剤はインク供給系路を構成する材料を腐食さ
せたり、溶解させたりしない溶剤であることが必要であ
る。
【0174】本特性は、特に長期間充填する使用法の場
合には必須の特性である。また構成材料中の可塑剤等の
溶解にも留意する事が必要である。但し、短期間の接触
で問題ない溶剤は使用可能であり、場合によっては水と
混合して溶解性を低下させて使用することもできる。
【0175】さらに、水を主成分とする洗浄液としては
以下に述べる特性を満足するものが使用できる。 〔水を主体とする洗浄液に必要な特性〕 1)表面張力 インク供給系路及びヘッド構成材料への濡れ性から表面
張力は50dyn/cm以下が好ましく、さらに好まし
くは45dyn/cm以下がより好ましい。
【0176】そのためには、水単独では表面張力は70
dyn/cm以上であるため、表面張力を低下させるた
めに通常使用される界面活性剤により、表面張力を低下
させることが必要となる。
【0177】他の方法として、低表面張力溶剤を混入し
て使用することもできるが、インク種によっては凝集を
発生させる場合があるため少量の添加で表面張力を低下
できる界面活性剤を添加することが好ましい。
【0178】<好ましい界面活性剤>使用可能な界面活
性剤としては、例えば下記に挙げる界面活性剤が挙げら
れるが、使用するインクの特性により適宜界面活性剤を
選択することが好ましい。
【0179】特に、種々のインク総てに対して使用可能
な活性剤としては分岐もしくは直鎖の飽和,不飽和の長
鎖炭化水素のカルボン酸,スルホン酸,リン酸のナトリ
ウム等のアルカリ金属塩からなるアニオン系界面活性剤
や飽和,不飽和のエチレングリコールまたはプロピレン
グリコール鎖を含有するノニオン系界面活性剤もしくは
そのOH基にスルホン酸ソーダを置換させたアニオン界
面活性剤が使用できる。
【0180】さらにアクリル基を重合させた高分子界面
活性剤も使用可能である。界面活性剤の具体例として
は、脂肪酸塩,アルキル硫酸エステル塩,アルキルベン
ゼンスルホン酸塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,
ジアルキルスルホコハク酸塩,アルキルリン酸エステル
塩,ナフタレンスルホン酸ホリマリン縮合物,ポリオキ
シエチレンアルキル硫酸エステル塩,脂肪族アミン及び
脂肪族アミドの硫酸塩類等のアニオン系界面活性剤、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル,ポリオキシエチレン脂肪
酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン
アルキルアミン,グリセリン脂肪酸エステル,オキシエ
チレンオキシプロピレンブロックポリマー等の非イオン
系界面活性剤、脂肪族アミン及び4級アンモニウム塩,
芳香族4級アンモニウム塩,複素環4級アンモニウム塩
等のカチオン系界面活性剤、ベタイン,アミノカルボン
酸塩,イミダゾリン誘導体等の両性界面活性剤、さらに
上記構造の中にフッ素を導入置換させたフッ素系界面活
性剤やアクリルまたはメタアクリル酸の誘導体を単独も
しくは共重合させたポリマー型の界面活性剤も本発明の
条件を満たすものが使用できる。
【0181】これらの代表的な界面活性剤の内でもカチ
オン界面活性剤及びベタイン含有の両性界面活性剤は顔
料や分散染料粒子を分散させた系では凝集を引き起こす
場合があるため使用には注意が必要である。
【0182】さらに、特に分散染料、顔料を使用する粒
子分散系のインクでは低表面張力の溶剤を混入させた水
を主体とする洗浄液ではインクと洗浄液との混合により
染料または顔料粒子の凝集を発生して洗浄目的を達成で
きない場合が生じる。
【0183】さらに、界面活性剤の種類によっても同様
な凝集を発生させる場合があるため分岐または直鎖アル
キルのスルホン酸金属塩型のアニオン活性剤の添加が最
も好ましい。
【0184】その添加量としては0.001から1重量
%の範囲で表面張力が所定の値となるものが最も好まし
い。さらに、洗浄液による洗浄方法に関して説明する
と、 〔洗浄法に関して〕インクの洗浄時には本発明の洗浄液
をヘッド上部のインク供給口よりヘッドの内部の微細な
インク供給路に浸透させるために上記で説明した粘度と
表面張力が好ましい特性となる。これらの特性はインク
供給路の形成材料と洗浄液との濡れ性も関連するため、
表面張力は適宜使用するヘッドの構成材料との関係で選
択する必要があるが、およそ本発明で規定する範囲であ
れば使用可能である。
【0185】洗浄液はヘッドのすぐ近くのインク供給口
もしくはインク供給路が長い場合はそのインク供給経路
のインク入口から流すことが好ましい。特に粒子を分散
させたインクと水溶解性インクとの切り換えではインク
供給系路の総てを洗浄液で洗浄するべきである。水溶解
性のインクで種類、例えば直接染料,酸性染料,反応性
染料等のインクの交換においてはヘッド近傍のみの洗浄
で残りは流出させる等の手段も可能である。
【0186】インクの流出方法には特に限定はないが、
既に存在するインクを効率よく稀釈、流出させる方法で
あればいかなる方法でも良い。その方法として例えば、
インク射出ノズル口もしくはノズル面と密着するゴム等
の素材で密着させてポンプで吸引する方法や洗浄液をヘ
ッド面より高くして圧力差で流出させる方法もしくはポ
ンプで圧力をかけて送液する方法さらに、洗浄液が通常
のインクと同様に出射可能であれば空出射する方法が挙
げられる。この時の送液もしくは吸引圧力はヘッド構造
を破壊させない範囲としなければならない。中でも好ま
しいのはヘッド面から吸引する方法と空出射する方法が
安定してインクを洗浄できる方法である。
【0187】〔洗浄液をヘッドに充填する理由〕プリン
ターの調整や場所を移動する時にヘッドが必ずしもイン
クを使用したことがない状態ばかりとは限らず、何らか
のインクもしくは溶液が使用された状態である場合があ
る。
【0188】また、プリンターを使用後に長期間の休止
が必要な場合に上記の洗浄液で洗浄する等の処置をとる
ことがある。これらのような場合、ヘッドに入れられた
インク等の溶液が乾燥等により固形分が析出するとヘッ
ド内のインク供給経路を閉塞する等の問題を起こすこと
がある。そのためには、乾燥しにくい有機溶剤を主体と
した洗浄液をヘッド内に充填することで乾燥を防止する
ことができ、さらにインク中に添加されている染料等の
固形物質を溶解する洗浄液を充填することでヘッド内部
を清浄に保つことが可能となる。
【0189】さらに、充填する溶液は寒冷地で温度制御
されない状態となる場合には凍結しないことが装置を安
定に保持するために必要であり、凝固点は−5℃以下で
あることが好ましい。この処置により水主体とする洗浄
液で洗浄後にインクを供給すれば装置の立ち上がりを効
率よく実施できる。
【0190】〔実施例〕以下に実施例により本発明の特
徴とその効果を具体的に説明する。本発明は下記実施例
に限定されるものではなく、効果を示す1例に過ぎない
ことは言うまでもない。
【0191】洗浄液として下記の2種を代表的な例とし
て調整した。 <洗浄液A>水を主成分とした本文記載の洗浄液A a-1)イオン交換水 98部 に2−エチルヘキシルスル
ホコハク酸ナトリウム(略称;DES) 2部 を十分
に攪拌して、その後にイオン交換水で1000倍に稀釈
した溶液を洗浄液Aとした。
【0192】この液の25℃における粘度(η)はおよ
そ1cpであり、表面張力(σ)はおよそ40dyn/
cmであった。またこの洗浄液の凝固点は0℃であり−
5℃の環境下では凍結した。
【0193】a-2)イオン交換水 99部 に日信化学株
式会社製のアセチレングリコール系ノニオン界面活性剤
サーフィノール465 1部 を溶解して洗浄液とし
た。この液の25℃における粘度(η)はおよそ1cp
であり、表面張力(σ)はおよそ35dyn/cmであ
った。
【0194】またこの洗浄液の凝固点は0℃であり−5
℃の環境下では凍結した。 <洗浄液B>有機溶剤を主成分とした本文記載の洗浄液
B b-1)有機溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエ
ーテルを使用した。凝固点は−10℃以下であった。
【0195】b-2)有機溶剤としてN−メチルイミダゾー
ルを使用した。凝固点はー6℃であった。 b-3)有機溶剤としてジエチレングリコールを使用した。
凝固点はー6.5℃であった。
【0196】 <水溶性インクI-a> 反応性染料 C.I.Reactive Blue 15 13部 イオン交換水 70部 ジエチレングリコール 10部 トリエチレングリコールモノブチルエーテル 8部 アセチレン構造含有のノニオン界面活性剤 (日信化学株式会社製サーフィノール465) 0.6部 を攪拌機を取り付けた容器内で充分に溶解し、NaOH
でPHを7から8に調整後、5μm及び3μmの公証排除
径を有するフィルターを通過して、ゴミ等の不要物を除
去した。
【0197】このインクは表面張力32dyn/cmで
粘度2.1cpsであった。 <水溶性インクI- b> 反応性染料 C.I.Reactive Red 226 10部 イオン交換水 70部 ジエチレングリコール 10部 トリエチレングリコールモノブチルエーテル 8部 アセチレン構造含有のノニオン界面活性剤 (日信化学株式会社製サーフィノール465) 0.6部 をI-aインクと同様に処理してインクを作製した。この
ようにして作製されたインクは表面張力34dyn/c
mで粘度2,2cpsであった。
【0198】 <粒子分散系インクII-a> 分散染料 C.I.Disperse Red 302 6部 分散剤 花王株式会社製ナフタレンスルホン酸ソーダの ホルマリン縮合物 6部 イオン交換水 70部 ジエチレングリコール 18部 2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム(DES) 0.1部 を0.3mmのセラミックビーズで分散液と等体積添加
して、通常のサンドミルにて平均粒径200nm以下及び最
大粒径500nm以下となるまで約24時間分散した。
【0199】得られたインクはレーザー散乱方式の粒度
分布測定装置により平均粒径193nm,最大粒径410nm で
あり、25℃の測定値で表面張力38dyn/cm,粘
度2.6cpsの粒子を分散させたタイプの分散染料イ
ンクを得た。
【0200】<粒子分散系インクII−b>分散染料イン
クII−aの分散染料をC.I.Disperse Blue 60 に変更
した以外は同様に処理してインクを作製した。
【0201】得られたインクは表面張力35dyn/c
m、粘度3.4cpsであり、平均粒径178nm、最大粒
径388nmの粒度分布を持つインクであった。 〔実施例1〕出射ノズル数として64個のノズルを有す
るピエゾ駆動タイプのインクジェットヘッドを使用して
分散染料インクII-aをヘッド部にいれインクを出射印字
させた。総てのノズルがインクを噴射していることを確
認後に、洗浄液Aのa-1洗浄液をヘッド上部のインク供
給口から供給し、分散染料の赤い色が薄くなるまで吸引
により洗浄した。その後に水溶性インクI-aをヘッド上
部の供給口から供給して、市販のインクジェット用紙に
印字しながら、ノズルからのインク滴の出射状態を観察
した。同時に不出射ノズル数と連続噴射10分ごとに不
出射ノズルが噴射するようになるかを観察した。また、
印字後の色が安定する時間を目で比較した。
【0202】〔実施例2〕実施例1の使用するインクの
順番を換えた以外は同様に観察評価した。 〔実施例3〕反応性染料インクI−aで出射後に洗浄液
Aのa−2洗浄液を使用し、反応性染料Iーbに交換し
た以外は実施例1と同様に観察評価した。
【0203】〔実施例4〕分散染料II−aから洗浄液A
のa−1洗浄液を使用し、分散染料インクII−bに切り
替える以外は実施例1と同様に観察評価した。
【0204】〔実施例5〕実施例4において洗浄液Bの
b−1洗浄液を使用した以外は同様に観察評価した。
【0205】〔比較例1〕実施例1において、いずれの
洗浄液も使用せずにインクを切り換えた。 〔比較例2〕実施例2において、いずれの洗浄液も使用
せずにインクを切り換えた。
【0206】〔比較例3〕実施例4において、いずれの
洗浄液も使用せずに切り替えた。 〔実施例6〕分散染料インクII−aで出射確認後、有機
溶剤を主成分とする洗浄液Bのb−1洗浄液で洗浄し、
次に洗浄液Aのa−1洗浄液でさらに洗浄し、再度洗浄
液Bのb−1により洗浄後に反応性染料インクI−aに
インクを切り換え実施例1と同様に観察評価した。
【0207】〔実施例7〕実施例6において、洗浄液の
使用順序を洗浄液Aのa-1で洗浄後に洗浄液Bのb−1
で洗浄し、洗浄液Aのa−1で洗浄した以外は同様に処
理して観察評価した。
【0208】〔実施例8〕実施例6のインク切り替えの
順序を換えた以外は同様に処理し、観察評価した。
【0209】〔実施例9〕実施例7のインク切り替えの
順序を換えた以外は同様に処理し、観察評価した。
【0210】〔実施例10〕分散染料インクII−aを印
字後、洗浄液Aのa−1で洗浄後に洗浄液Bのb−1を
ヘッド内部に満たして1か月休止させた。その後吸引に
より洗浄液を廃棄後、洗浄液a−1で洗浄後に分散染料
インクII−aをヘッドの供給部から供給して印字させ
た。観察評価は他の場合と同様にした。
【0211】〔比較例4〕分散染料インクII−aをヘッ
ド内部に満たしたまま1か月休止後、そのまま吸引操作
をして印字させた。
【0212】結果は下記の通りである。
【0213】
【表1】
【0214】〔実施例11〕分散染料インクII−aを印
字後、洗浄液Aのa−1で洗浄後に洗浄液Bのb−1を
ヘッド内部に満たして−7°Cの冷凍室に2日間保持
し、取り出して洗浄液の流出状態を観察した。さらにそ
の後洗浄液Aのa−1で洗浄後、分散染料インクII−a
をヘッドに供給して1時間連続して出射状態を観察し
た。
【0215】〔比較例5〕分散染料インクII−aを印字
後、洗浄液Aのa−1で洗浄後に洗浄液Bのb−1で洗
浄し、洗浄液Aのa−1ヘッド内部に満たして−7°C
の冷凍室に2日間保持し、取り出して洗浄液の流出状態
を観察した。さらにその後洗浄液Aのa−1で洗浄後、
分散染料インクII−aをヘッドに供給して1時間連続し
て出射状態を観察した。
【0216】結果は下記の通りである。
【0217】
【表2】
【0218】〔本発明の効果〕以上の実施例の結果か
ら、 1)種類の異なるインク種の切り換え操作が簡単でトラ
ブルなく装置の立ち上げが可能である。
【0219】2)インクの出射安定性が向上して、装置
の立ち上げが速く装置の移送,輸送時のトラブルを減少
できる。 3)濃色の分散染料インクでは特にその効果が顕著であ
ることがわかる。
【0220】以上、布用のインクジェットプリンタに適
用した液体置換装置について説明したが、本発明の液体
置換装置は、布用のインクジェットプリンタに限らず、
他の用途のインジェットプリンタに一般的に適用するこ
とができる。
【0221】また、洗浄液の切換の順序については、前
述の切換弁によるのみでなく、市販の3方弁または2方
弁の組み合わせにより実現しても、効果は同様であるこ
とは明らかである。
【0222】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の
発明では、少なくとも1種類以上の洗浄液流通を、異種
類のインク間でのインク切換を行う途中で行い、1種類
以上の洗浄液の使い分けにより、残留インクの洗い流し
はインクと反応しない洗浄液で行い、付着染料の溶解除
去は溶解性を有する洗浄液で行う。これによって、プリ
ントヘッドの目詰まり等が生じない液体置換方法を実現
することができる。
【0223】また、請求項2の発明では、水を主体とす
る洗浄液で残留インクを洗い流し、有機溶剤を主体とす
る洗浄液で付着染料を溶解除去する。これによって、プ
リントヘッドの目詰まり等が生じない液体置換方法を実
現することができる。
【0224】また、請求項3の発明では、水に不溶また
は難溶性の染料もしくは顔料を用いたインクをインクと
反応しない洗浄液で洗い流し、付着染料は溶解性を有す
る洗浄液での溶解除去する。これによって、プリントヘ
ッドの目詰まり等が生じない液体置換方法を実現するこ
とができる。
【0225】また、請求項4の発明では、染料の種類が
異なるインクを、インクと反応しない洗浄液で洗い流
し、付着染料は溶解性を有する洗浄液での溶解除去す
る。これによって、プリントヘッドの目詰まり等が生じ
ない液体置換方法を実現することができる。
【0226】また、請求項5の発明では、染料の種類が
異なるインクを、インクと反応しない洗浄液で洗い流
し、付着染料は溶解性を有する洗浄液での溶解除去す
る。これによって、プリントヘッドの目詰まり等が生じ
ない液体置換方法を実現することができる。
【0227】また、請求項6の発明では、有機溶剤を主
体とする洗浄液で前記プリントヘッド内の液体を置換す
るとき、その前後においてそれぞれ水を主体とする洗浄
液をプリントヘッドに流通させ、有機溶剤を主体とする
洗浄液がインクと混じらないようにする。これによっ
て、洗浄液によるインク凝集の発生を防止することがで
きる。
【0228】また、請求項7の発明では、プリントヘッ
ドに残留するインクを洗い流すとき、1種類以上の洗浄
液のうち水を主体とする洗浄液を先にプリントヘッドに
流通させ、有機溶剤を主体とする洗浄液がインクと混じ
らないようにする。これによって、洗浄液によるインク
凝集を防止することができる。
【0229】また、請求項8の発明では、プリントヘッ
ドに新たなインクを流通させるとき、それに先立って1
種類以上の洗浄液のうち水を主体とする洗浄液をプリン
トヘッドに流通させ、新たなインクに接する洗浄液が水
を主体とする洗浄液となるようにする。これによって、
洗浄液によるインク凝集を防止することができる。
【0230】また、請求項9の発明では、有機溶剤を主
体とする洗浄液をプリントヘッドに流通させることによ
り、インクジェットプリンタの長期の稼働停止中は、プ
リントヘッドのノズルを有機溶剤を主体とする洗浄液で
充填し、ノズルにインクを滞留させない。これによっ
て、長期の稼働停止中のインクの凝集や沈澱等によるプ
リントヘッドの目詰まり等を防止することができる。ま
た、これによって、稼働の立ち上げを速やかに行うこと
ができる。
【0231】また、請求項10の発明では、洗浄液が、
水を主成分とし界面活性剤を添加して表面張力を50d
yn/cm以下としたものであることにより、プリント
ヘッドに対する濡れ性が良く、効果的な洗浄を行うこと
ができる。
【0232】また、請求項11の発明では、洗浄液が、
水に可溶な有機溶剤を主成分とし表面張力が45dyn
/cm以下であることにより、プリントヘッドに対する
濡れ性が良く、効果的な洗浄を行うことができる。ま
た、凝固点が−5°C以下であることにより、洗浄液を
ノズルに充填した状態での長期稼働停止中に低温を経験
しても、凍結によるノズル破損のおそれが少ない。
【0233】また、請求項12の発明では、洗浄液が、
インクの染料もしくは顔料を0.1wt%以上溶解させ
る溶解度を有することにより、プリントヘッドに付着し
た染料を効果的に溶解することができる。
【0234】また、請求項13の発明では、洗浄液の流
通をプリントヘッドのホームポジションにてプリントヘ
ッドの液噴射機構または吸引機構を利用して行うことに
より、能率の良い洗浄を行うことができる。
【0235】また、請求項14の発明では、インクジェ
ットプリンタが布帛印捺用のインクジェットプリンタで
あることにより、布帛印捺用のインクジェットプリンタ
のプリントヘッドを効果的に洗浄することができる。
【0236】また、請求項15の発明では、液体置換手
段により、少なくとも1種類以上の洗浄液流通を、異種
類のインク間でのインク切換を行う途中で行い、1種類
以上の洗浄液使い分けにより、残留インクの洗い流しは
インクと反応しない洗浄液で行い、付着染料の溶解除去
は溶解性を有する洗浄液で行う。これによって、プリン
トヘッドの目詰まり等が生じない液体置換装置を実現す
ることができる。
【0237】また、請求項16の発明では、液体置換手
段により、水を主体とする洗浄液で残留インクを洗い流
し、有機溶剤を主体とする洗浄液で付着染料を溶解除去
する。これによって、プリントヘッドの目詰まり等が生
じない液体置換装置を実現することができる。
【0238】また、請求項17の発明では、液体置換手
段により、水に不溶または難溶性の染料もしくは顔料を
用いたインクをインクと反応しない洗浄液で洗い流し、
付着染料は溶解性を有する洗浄液での溶解除去する。こ
れによって、プリントヘッドの目詰まり等が生じない液
体置換装置を実現することができる。
【0239】また、請求項18の発明では、液体置換手
段により、有機溶剤を主体とする洗浄液で前記プリント
ヘッド内の液体を置換するとき、その前後においてそれ
ぞれ水を主体とする洗浄液をプリントヘッドに流通さ
せ、有機溶剤を主体とする洗浄液がインクと混じらない
ようにする。これによって、洗浄液によるインク凝集の
発生を防止することができる。
【0240】また、請求項19の発明では、液体置換手
段により、プリントヘッドに残留するインクを洗い流す
とき、1種類以上の洗浄液のうち水を主体とする洗浄液
を先に用いて前記プリントヘッド内の液体を置換し、有
機溶剤を主体とする洗浄液がインクと混じらないように
する。これによって、洗浄液によるインク凝集を防止す
ることができる。
【0241】また、請求項20の発明では、液体置換手
段により、プリントヘッドに新たなインクを流通させる
とき、それに先立って1種類以上の洗浄液のうち水を主
体とする洗浄液をプリントヘッドに流通させ、新たなイ
ンクに接する洗浄液が水を主体とする洗浄液となるよう
にする。これによって、洗浄液によるインク凝集を防止
することができる。
【0242】また、請求項21の発明では、液体置換手
段により、有機溶剤を主体とする洗浄液をプリントヘッ
ドに流通させることにより、インクジェットプリンタの
長期の稼働停止中は、プリントヘッドのノズルを有機溶
剤を主体とする洗浄液で充填し、ノズルにインクを滞留
させない。これによって、長期の稼働停止中のインクの
凝集や沈澱等によるプリントヘッドの目詰まり等を防止
することができる。また、これによって、稼働の立ち上
げを速やかに行うことができる。
【0243】また、請求項22の発明では、切換手段に
より、少なくとも1種類以上の洗浄液と異種類のインク
のうちの1つを選択的にプリントヘッドに供給し、異種
類のインクを切り換える間に少なくとも1種類以上の洗
浄液の流通を切り換える。これによって、効率の良い流
通切換を行うことができる。
【0244】また、請求項23の発明では、切換手段
が、前記プリントヘッドとその上流のダンパとの間に配
設されたことにより、切換時に流通させる液体量がダン
パの容積に無関係になる。これによって、効率の良い液
体置換を行うことができる。
【0245】また、請求項24の発明では、切換手段
が、出力管路に連通する開口を担持する回転部材と、複
数の入力管路にそれぞれ連通し回転部材の回転によって
前記開口との接続が切り換えられる複数の開口を担持す
る固定部材とを備えることにより、簡素な構成の切換手
段を実現することができる。
【0246】また、請求項25の発明では、回転部材
が、その回転軸を通って前記開口と前記出力管路に連通
する内部管路を有することにより、切換によって出力管
路の位置が変わらない切換手段を実現することができ
る。
【0247】また、請求項26の発明では、洗浄液の流
通をプリントヘッドのホームポジションにてプリントヘ
ッドの液噴射機構または吸引機構を利用して行うことに
より、能率の良い洗浄を行うことができる。
【0248】また、請求項27の発明では、インクジェ
ットプリンタが布帛印捺用のインクジェットプリンタで
あることにより、布帛印捺用のインクジェットプリンタ
のプリントヘッドを効果的に洗浄することができる。
【0249】また、請求項28の発明では、液体置換手
段により、少なくとも1種類以上の洗浄液流通を、異種
類のインク間でのインク切換を行う途中で行い、1種類
以上の洗浄液使い分けにより、残留インクの洗い流しは
インクと反応しない洗浄液で行い、付着染料の溶解除去
は溶解性を有する洗浄液で行う。これによって、プリン
トヘッドの目詰まり等が生じないインクジェットプリン
タを実現することができる。
【0250】また、請求項29の発明では、液体置換手
段により、水を主体とする洗浄液で残留インクを洗い流
し、有機溶剤を主体とする洗浄液で付着染料を溶解除去
する。これによって、プリントヘッドの目詰まり等が生
じないインクジェットプリンタを実現することができ
る。
【0251】また、請求項30の発明では、液体置換手
段により、水に不溶または難溶性の染料もしくは顔料を
用いたインクをインクと反応しない洗浄液で洗い流し、
付着染料は溶解性を有する洗浄液での溶解除去する。こ
れによって、プリントヘッドの目詰まり等が生じないイ
ンクジェットプリンタを実現することができる。
【0252】また、請求項31の発明では、液体置換手
段により、有機溶剤を主体とする洗浄液で前記プリント
ヘッド内の液体を置換するとき、その前後においてそれ
ぞれ水を主体とする洗浄液で前記プリントヘッド内の液
体を置換し、有機溶剤を主体とする洗浄液がインクと混
じらないようにする。これによって、洗浄液によるイン
ク凝集の発生を防止することができるインクジェットプ
リンタを実現することができる。
【0253】また、請求項32の発明では、液体置換手
段により、プリントヘッドに残留するインクを洗い流す
とき、1種類以上の洗浄液のうち水を主体とする洗浄液
を先に用いて前記プリントヘッド内の液体を置換し、有
機溶剤を主体とする洗浄液がインクと混じらないように
する。これによって、洗浄液によるインク凝集を防止す
ることができるインクジェットプリンタを実現すること
ができる。
【0254】また、 請求項33の発明では、液体置換
手段により、プリントヘッドに新たなインクを流通させ
るとき、それに先立って1種類以上の洗浄液のうち水を
主体とする洗浄液で前記プリントヘッド内の液体を置換
し、新たなインクに接する洗浄液が水を主体とする洗浄
液となるようにする。これによって、洗浄液によるイン
ク凝集を防止することができるインクジェットプリンタ
を実現することができる。
【0255】また、請求項34の発明では、液体置換手
段により、有機溶剤を主体とする洗浄液をプリントヘッ
ドに流通させることにより、インクジェットプリンタの
長期の稼働停止中は、プリントヘッドのノズルを有機溶
剤を主体とする洗浄液で充填し、ノズルにインクを滞留
させない。これによって、長期の稼働停止中のインクの
凝集や沈澱等によるプリントヘッドの目詰まり等を防止
することができるインクジェットプリンタを実現するこ
とができる。また、これによって、稼働の立ち上げを速
やかに行うことができるインクジェットプリンタを実現
することができる。
【0256】また、請求項35の発明では、切換手段に
より、少なくとも1種類以上の洗浄液と異種類のインク
のうちの1つを選択的にプリントヘッドに供給し、少な
くとも異種類のインクを切り換える間に少なくとも1種
類以上の洗浄液流通を切り換える。これによって、効率
の良い流通切換を行うことができるインクジェットプリ
ンタを実現することができる。
【0257】また、請求項36の発明では、切換手段
が、前記プリントヘッドとその上流のダンパとの間に配
設されたことにより、切換時に流通させる液体量がダン
パの容積に無関係になる。これによって、効率の良い液
体置換を行うことができるインクジェットプリンタを実
現することができる。
【0258】また、請求項37の発明では、切換手段
が、出力管路に連通する開口を担持する回転部材と、複
数の入力管路にそれぞれ連通し回転部材の回転によって
前記開口との接続が切り換えられる複数の開口を担持す
る固定部材とを備えることにより、簡素な構成の切換手
段を備えたインクジェットプリンタを実現することがで
きる。
【0259】また、請求項38の発明では、回転部材
が、その回転軸を通って前記開口と前記出力管路に連通
する内部管路を有することにより、切換によって出力管
路の位置が変わらない切換手段を備えたインクジェット
プリンタを実現することができる。
【0260】また、請求項39の発明では、洗浄液の流
通をプリントヘッドのホームポジションにてプリントヘ
ッドの液噴射機構または吸引機構を利用して行うことに
より、能率の良い洗浄が行えるインクジェットプリンタ
を実現することができる。
【0261】また、請求項40の発明では、インクジェ
ットプリンタが布帛印捺用のインクジェットプリンタで
あることにより、布帛印捺用のインクジェットプリンタ
のプリントヘッドを効果的に洗浄することができる。
【0262】また、請求項41の発明では、処理液が、
水を主成分とし界面活性剤を添加して表面張力を50d
yn/cm以下としたものであることにより、プリント
ヘッドに対する濡れ性が良く、効果的な洗浄処理を行う
ことができる。
【0263】また、請求項42の発明では、処理液が、
水に可溶な有機溶剤を主成分とし表面張力が45dyn
/cm以下であることにより、プリントヘッドに対する
濡れ性が良く、効果的な洗浄処理を行うことができる。
また、凝固点が−5°C以下であることにより、処理液
をノズルに充填した状態での長期稼働停止中に低温を経
験しても、凍結によるノズル破損のおそれが少ない。
【0264】また、請求項43の発明では、有機溶剤
が、インクの染料もしくは顔料を0.1wt%以上溶解
させる溶解度を有することにより、プリントヘッドに付
着した染料を効果的に溶解することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置の正面図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置の平面図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態の一例の装置の側面図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態の一例の液体置換装置の模
式的構成図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例の液体置換装置の模
式的構成図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例の装置における切換
弁の一例を示す模式的構成図である。
【図7】本発明の実施の形態の一例の装置における切換
弁の一例を示す模式的構成図である。
【符号の説明】
001 フレーム 002 カバー 003 廃液回収部 10 元巻きロール 11 軸 20 元巻きロール装填部 30 プラテンローラ 31 軸 32 プラテンローラ支持部 40 ニップローラ 50 ヘッドキャリッジ 60 インクカートリッジ 70 ガイド 80 制御部 90 操作部 500 プリントヘッド 51〜54 インクヘッド 71〜74 管路 81〜84 切換弁 911〜944 管路 61〜64,61’〜64’ インクカートリッジ 100,100’ 洗浄液容器 101〜104 廃液受け 110 支持部材 111,111’ 駆動機構 121〜124 管路 131〜134 ポンプ 140 廃液溜 141 外容器 142 内容器 144 吸収剤 5x インクヘッド 8x 切換弁 DP ダンパ TB 管路 TK 液容器 ROT6,7 回転部材 STN6,7 固定部材 HOL60〜75 貫通孔 PIP60〜75 パイプ FSN 連結部材 CNN チューブコネクタ TBB 管路

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットプリンタのプリントヘッ
    ド内の液体を置換する液体置換方法であって、 前記プリントヘッドについて少なくとも1種類以上の洗
    浄液による置換を異種類のインク間でのインク切換の途
    中で行う、ことを特徴とする液体置換方法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄液は、水を主体とする洗浄液も
    しくは有機溶剤を主体とする洗浄液である、ことを特徴
    とする請求項1に記載の液体置換方法。
  3. 【請求項3】 前記異種類のインクは、一方が水溶解性
    染料を用いたインクであり、他方が水に不溶または難溶
    性の染料もしくは顔料を用いたインクである、ことを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の液体置換方
    法。
  4. 【請求項4】 前記異種類のインクは、いずれも水溶解
    染料であるが染料の種類が異なる、ことを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の液体置換方法。
  5. 【請求項5】 前記異種類のインクの一方が反応性染料
    を用いたインクであり、他方が酸性染料を用いたインク
    である、ことを特徴とする請求項4に記載の液体置換方
    法。
  6. 【請求項6】 前記有機溶剤を主体とする洗浄液で前記
    プリントヘッド内の液体を置換するとき、その前後にお
    いてそれぞれ前記水を主体とする洗浄液で前記プリント
    ヘッド内の液体を置換する、ことを特徴とする請求項2
    〜請求項5のいずれか1つに記載の液体置換方法。
  7. 【請求項7】 前記プリントヘッドに残留するインクを
    洗い流すとき、前記1種類以上の洗浄液のうち前記水を
    主体とする洗浄液を先に用いて前記プリントヘッド内の
    液体を置換する、ことを特徴とする請求項2〜請求項5
    のいずれか1つに記載の液体置換方法。
  8. 【請求項8】 前記プリントヘッドに新たなインクを流
    通させるとき、それに先立って前記1種類以上の洗浄液
    のうち前記水を主体とする洗浄液で前記プリントヘッド
    内の液体を置換する、ことを特徴とする請求項2〜請求
    項5のいずれか1つに記載の液体置換方法。
  9. 【請求項9】 インクジェットプリンタのプリントヘッ
    ド内の液体を置換する液体置換方法であって、インクジ
    ェットプリンタの稼働停止が長期におよぶとき、それに
    先立って有機溶剤を主体とする洗浄液を前記プリントヘ
    ッドに流通させて、少なくともそのノズルを前記有機溶
    剤を主体とする洗浄液で充填する、ことを特徴とする液
    体置換方法。
  10. 【請求項10】 前記水を主体とする洗浄液が、水を主
    成分とし界面活性剤を添加して表面張力を50dyn/
    cm以下としたものである、ことを特徴とする請求項2
    〜請求項8のいずれか1つに記載の液体置換方法。
  11. 【請求項11】 前記有機溶剤を主体とする洗浄液が、
    水に可溶な有機溶剤を主成分とし表面張力が45dyn
    /cm以下であり凝固点が−5°C以下である、ことを
    特徴とする請求項2〜請求項9のいずれか1つに記載の
    液体置換方法。
  12. 【請求項12】 前記有機溶剤を主体とする洗浄液が、
    前記インクの染料もしくは顔料を0.1wt%以上溶解
    させる溶解度を有する、ことを特徴とする請求項2〜請
    求項9のいずれか1つまたは請求項11に記載の液体置
    換方法。
  13. 【請求項13】 前記洗浄液による置換を前記プリント
    ヘッドのホームポジションにて前記プリントヘッドの液
    噴射機構または吸引機構を利用して行う、ことを特徴と
    する請求項1〜請求項12のいずれか1つに記載の液体
    置換方法。
  14. 【請求項14】 前記インクジェットプリンタが布帛印
    捺用のインクジェットプリンタである、ことを特徴とす
    る請求項1〜請求項13のいずれか1つに記載の液体置
    換方法。
  15. 【請求項15】 インクジェットプリンタのプリントヘ
    ッド内の液体を置換する液体置換装置であって、 前記プリントヘッドについて少なくとも1種類以上の洗
    浄液による置換を異種類のインク間でのインク切換の途
    中で行う液体置換手段、を具備することを特徴とする液
    体置換装置。
  16. 【請求項16】 前記液体置換手段が、水を主体とする
    洗浄液もしくは有機溶剤を主体とする洗浄液で置換する
    ものである、ことを特徴とする請求項15に記載の液体
    置換装置。
  17. 【請求項17】 前記液体置換手段が、前記1種類以上
    の洗浄液による置換を、一方が水溶解性染料を用いたイ
    ンクであり、他方が水に不溶または難溶性の染料もしく
    は顔料を用いたインクである2種類のインク間でのイン
    ク切換を行う途中で行うものである、ことを特徴とする
    請求項15または請求項16に記載の液体置換装置。
  18. 【請求項18】 前記液体置換手段が、前記有機溶剤を
    主体とする洗浄液で前記プリントヘッド内の液体を置換
    するとき、その前後においてそれぞれ前記水を主体とす
    る洗浄液で前記プリントヘッド内の液体を置換するもの
    である、ことを特徴とする請求項16または請求項17
    に記載の液体置換装置。
  19. 【請求項19】 前記液体置換手段が、前記プリントヘ
    ッドに残留するインクを洗い流すとき、前記1種類以上
    の洗浄液のうち前記水を主体とする洗浄液を先に用いて
    前記プリントヘッド内の液体を置換するものである、こ
    とを特徴とする請求項16または請求項17に記載の液
    体置換装置。
  20. 【請求項20】 前記液体置換手段が、前記プリントヘ
    ッドに新たなインクを流通させるとき、それに先立って
    前記1種類以上の洗浄液のうち前記水を主体とする洗浄
    液で前記プリントヘッド内の液体を置換するものであ
    る、ことを特徴とする請求項16または請求項17に記
    載の液体置換装置。
  21. 【請求項21】 インクジェットプリンタのプリントヘ
    ッド内の液体を置換する液体置換装置であって、 前記液体置換装置が、前記インクジェットプリンタの稼
    働停止が長期におよぶとき、それに先立って有機溶剤を
    主体とする洗浄液を前記プリントヘッドに流通させて、
    少なくともそのノズルを前記有機溶剤を主体とする洗浄
    液で充填する液体置換手段、を具備することを特徴とす
    る液体置換装置。
  22. 【請求項22】 前記液体置換手段が、前記少なくとも
    1種類以上の洗浄液と前記異種類のインクのうちの1つ
    を選択的に前記プリントヘッドに流通させる切換手段を
    備える、ことを特徴とする請求項15〜請求項21のい
    ずれか1つに記載の液体置換装置。
  23. 【請求項23】 前記切換手段が、前記プリントヘッド
    とその上流のダンパとの間に配設された、ことを特徴と
    する請求項22に記載の液体置換装置。
  24. 【請求項24】 前記切換手段が、出力管路に連通する
    開口を担持する回転部材と、複数の入力管路にそれぞれ
    連通し前記回転部材の回転によって前記開口との接続が
    切り換えられる複数の開口を担持する固定部材とを備え
    る、ことを特徴とする請求項22または請求項23に記
    載の液体置換装置。
  25. 【請求項25】 前記回転部材が、その回転軸を通って
    前記開口と前記出力管路に連通する内部管路を有する、
    ことを特徴とする請求項24に記載の液体置換装置。
  26. 【請求項26】 前記液体置換手段が、前記洗浄液の流
    通を前記プリントヘッドのホームポジションにて前記プ
    リントヘッドの液噴射機構または吸引機構を利用して行
    うものである、ことを特徴とする請求項15〜請求項2
    5のいずれか1つに記載の液体置換装置。
  27. 【請求項27】 前記インクジェットプリンタが布帛印
    捺用のインクジェットプリンタである、ことを特徴とす
    る請求項15〜請求項26のいずれか1つに記載の液体
    置換装置。
  28. 【請求項28】 プリントヘッド内の液体を置換する液
    体置換装置を備えたインクジェットプリンタであって、
    前記液体置換装置が、前記プリントヘッドについて少な
    くとも1種類以上の洗浄液による置換を異種類のインク
    間でのインク切換の途中で行う液体置換手段を具備す
    る、ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  29. 【請求項29】 前記液体置換手段が、水を主体とする
    洗浄液もしくは有機溶剤を主体とする洗浄液で置換する
    ものである、ことを特徴とする請求項28に記載のイン
    クジェットプリンタ。
  30. 【請求項30】 前記液体置換手段が、前記1種類以上
    の洗浄液による置換を、一方が水溶解性染料を用いたイ
    ンクであり、他方が水に不溶または難溶性の染料もしく
    は顔料を用いたインクである2種類のインク間でのイン
    ク切換を行う途中で行うものである、ことを特徴とする
    請求項28または請求項29に記載のインクジェットプ
    リンタ。
  31. 【請求項31】 前記液体置換手段が、前記有機溶剤を
    主体とする洗浄液で前記プリントヘッド内の液体を置換
    するとき、その前後においてそれぞれ前記水を主体とす
    る洗浄液で前記プリントヘッド内の液体を置換するもの
    である、ことを特徴とする請求項29または請求項30
    に記載のインクジェットプリンタ。
  32. 【請求項32】 前記液体置換手段が、前記プリントヘ
    ッドに残留するインクを洗い流すとき、前記1種類以上
    の洗浄液のうち前記水を主体とする洗浄液を先に用いて
    前記プリントヘッド内の液体を置換するものである、こ
    とを特徴とする請求項29または請求項30に記載のイ
    ンクジェットプリンタ。
  33. 【請求項33】 前記液体置換手段が、前記プリントヘ
    ッドに新たなインクを流通させるとき、それに先立って
    前記1種類以上の洗浄液のうち前記水を主体とする洗浄
    液で前記プリントヘッド内の液体を置換するものであ
    る、ことを特徴とする請求項29または請求項30に記
    載のインクジェットプリンタ。
  34. 【請求項34】 プリントヘッド内の液体を置換する液
    体置換装置を備えたインクジェットプリンタであって、 前記液体置換装置が、前記インクジェットプリンタの稼
    働停止が長期におよぶとき、それに先立って有機溶剤を
    主体とする洗浄液を前記プリントヘッドに流通させて、
    少なくともそのノズルを前記有機溶剤を主体とする洗浄
    液で充填する液体置換手段を具備する、ことを特徴とす
    るインクジェットプリンタ。
  35. 【請求項35】 前記液体置換手段が、前記少なくとも
    1種類以上の洗浄液と前記異種類のインクのうちの1つ
    を選択的に前記プリントヘッドに流通させる切換手段を
    備える、ことを特徴とする請求項28〜請求項34のい
    ずれか1つに記載のインクジェットプリンタ。
  36. 【請求項36】 前記切換手段が、前記プリントヘッド
    とその上流のダンパとの間に配設された、ことを特徴と
    する請求項35に記載のインクジェットプリンタ。
  37. 【請求項37】 前記切換手段が、出力管路に連通する
    開口を担持する回転部材と、複数の入力管路にそれぞれ
    連通し前記回転部材の回転によって前記開口との接続が
    切り換えられる複数の開口を担持する固定部材とを備え
    る、ことを特徴とする請求項35または請求項36に記
    載のインクジェットプリンタ。
  38. 【請求項38】 前記回転部材が、その回転軸を通って
    前記開口と前記出力管路に連通する内部管路を有する、
    ことを特徴とする請求項37に記載のインクジェットプ
    リンタ。
  39. 【請求項39】 前記液体置換手段が、前記洗浄液の流
    通を前記プリントヘッドのホームポジションにて前記プ
    リントヘッドの液噴射機構または吸引機構を利用して行
    うものである、ことを特徴とする請求項28〜請求項3
    8のいずれか1つに記載のインクジェットプリンタ。
  40. 【請求項40】 前記インクジェットプリンタが布帛印
    捺用のインクジェットプリンタである、ことを特徴とす
    る請求項28〜請求項39のいずれか1つに記載のイン
    クジェットプリンタ。
  41. 【請求項41】 水を主成分とし界面活性剤を添加して
    表面張力を50dyn/cm以下としたことを特徴とす
    る処理液。
  42. 【請求項42】 水に可溶な有機溶剤を主成分とし表面
    張力が45dyn/cm以下であり凝固点が−5°C以
    下であることを特徴とする処理液。
  43. 【請求項43】 前記有機溶剤が、インクの染料もしく
    は顔料を0.1wt%以上溶解させる溶解度を有する、
    ことを特徴とする請求項42に記載の処理液。
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