JPH0657651A - 捺染方法及び該方法により得られる捺染物 - Google Patents

捺染方法及び該方法により得られる捺染物

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JPH0657651A
JPH0657651A JP21268992A JP21268992A JPH0657651A JP H0657651 A JPH0657651 A JP H0657651A JP 21268992 A JP21268992 A JP 21268992A JP 21268992 A JP21268992 A JP 21268992A JP H0657651 A JPH0657651 A JP H0657651A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 インクジェット記録に適し、打ち込み順序、
染色条件が多少変化しても安定な黒画像が得られ、様々
な黒表現ができる染色法を得る。 【構成】 ブラックインクと、イエロー、オレンジ、レ
ッド、及びブルーの少なくとも1種のインクとで混色し
てポリアミド系繊維をインクジェット捺染する場合、ブ
ラックインク中にC.I.アシッドブラック24,2
6,52:1,109,155,172,222,C.
I.ダイレクトブラック 19,62,113、一般式
(1)と(2)の色素、 (Mはアルカリ金属、アンモニウムまたはアミン類を表
す。) (Xは水素原子、低級アルキル基またはSOM基で置
換されてもよいフェニル基、mは0または1、Mはアル
カリ金属、アンモニウムまたはアミン類、A,B,Cは
置換基を有してもよいベンゼン環またはナフタレン環を
表す。但しB,Cが同時にナフタレン環ではない。)か
ら選ばれる一種以上の色素、イエローインク中にC.
I.アシッドイエロー 246、オレンジインク中に
C.I.アシッドオレジ 94、レッドインク中にC.
I.ダイレクトレッド 80、ブルーインク中にC.
I.アシッドブルー 112を含有する捺染方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット法により
布帛に染色、捺染を行う方法、捺染インクセット、及び
同方法で得られる捺染物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、捺染の主流はスクリーン捺染、ロ
ーラー捺染である。しかしながら、これらの方式は、多
品種少量生産に不向きであり、流行への迅速な対応も困
難であることから最近では、無製版の電子捺染システム
の確立が要望されている。
【0003】この要望に対してインクジェット記録によ
る捺染方法が数多く提案されており各方面からの期待も
大きくなっている。
【0004】インクジェット捺染の課題としては、
(1)発色に十分な濃度を与えること、(2)色素の布
帛に対する染着率が高く洗浄工程後の、廃水処理が容易
であること、(3)布帛上で異色間の混色による不規則
なにじみが目立たないこと、(4)色再現の範囲が広い
こと、(5)常に安定した生産が可能であること、等が
挙げられる。
【0005】これらの課題を満足させるために、従来に
おいては、主としてインクに様々な添加剤を加えたり、
インクの打込量を操作したり、布帛に前もって処理を施
す等の対応を行ってきたが、これらの方法だけでは、特
に前記(4)及び(5)に記載の問題を解決することは
不可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたもので、その目的とする所は、インクジェッ
ト捺染に好適で、打ち込み順序、染色条件が変化しても
安定な黒画像が得られると共に、様々な黒表現のできる
捺染方法、及び同方法で得られる捺染物、捺染インクセ
ットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の発明に
より達成される。即ち、本発明は、下記3工程、即ち、
(a)ブラックとイエロー、オレンジ、レッド、及びブ
ルーからなる群より選ばれる少なくとも1種の捺染イン
ク小滴をポリアミド繊維を含有する布帛に順次着滴させ
て、少なくとも2色以上の該インクによる混色部を布帛
に形成する工程、(b)前記混色部を形成した布帛を熱
処理することにより色素を布帛に染着させる工程、
(c)染着させた布帛を洗浄することにより未染着の色
素を布帛から除去する工程、を少なくとも有するインク
ジェット捺染方法において、前記ブラックインク中に色
素として C.I.アシッドブラック 24,26,52,52:
1,109,155,172,222, C.I.ダイレクト ブラック 19,62,113、 下記一般式(1)及び(2)で表される色素、
【0008】
【化5】 (式中、Mはアルカリ金属、アンモニウムまたはアミン
類を表す。)
【0009】
【化6】 (式中、Xは水素原子、低級アルキル基またはSO3
基で置換されていてもよいフェニル基を表し、mは0ま
たは1を表し、Mはアルカリ金属、アンモニウムまたは
アミン類を表し、A、B、Cは置換基を有していてもよ
いベンゼン環またはナフタレン環を表す。但し、B、C
が同時にナフタレン環を表すことはない。)からなる群
より選ばれる少なくとも一種の色素を含有し、 前記イエローインク中に色素としてC.I.アシッドイ
エロー 246 前記オレンジインク中に色素としてC.I.アシッドオ
レンジ 94 前記レッドインク中に色素としてC.I.ダイレクトレ
ッド 80 前記ブルーインク中に色素としてC.I.アシッドブル
ー 112 を含有することを特徴とする捺染方法であり、インクジ
ェット方式が熱エネルギーを利用したインクジェット方
式であること、及び、インクの吐出速度が5〜20m/
secであることを含む。
【0010】また本発明は、上記方法で製造した捺染物
である。
【0011】更に本発明は、ブラックインクとイエロ
ー、オレンジ、レッド、及びブルーからなる群より選ば
れる少なくとも1種の捺染インクとからなる捺染用カラ
ーインクセットにおいて、前記ブラックインク中に色素
として C.I.アシッドブラック 24,26,52,52:
1,109,155,172,222, C.I.ダイレクト ブラック 19,62,113、 下記一般式(1)及び(2)で表される色素、
【0012】
【化7】 (式中、Mはアルカリ金属、アンモニウムまたはアミン
類を表す。)
【0013】
【化8】 (式中、Xは水素原子、低級アルキル基またはSO3
基で置換されていてもよいフェニル基を表し、mは0ま
たは1を表し、Mはアルカリ金属、アンモニウムまたは
アミン類を表し、A、B、Cは置換基を有していてもよ
いベンゼン環またはナフタレン環を表す。但し、B、C
が同時にナフタレン環を表すことはない。)からなる群
より選ばれる少なくとも一種の色素と、前記イエローイ
ンク中に色素としてC.I.アシッドイエロー 246
と、前記オレンジインク中に色素としてC.I.アシッ
ドオレンジ 94と、前記レッドインク中に色素として
C.I.ダイレクトレッド 80と、及び前記ブルーイ
ンク中に色素としてC.I.アシッドブルー 112と
を含有することを特徴とする捺染用カラーインクセット
である。
【0014】また本発明は、インクを収容したインク収
容部、該インクをインク滴として吐出させる為のヘッド
部を備えた記録ユニットにおいて、インクが前記のイン
クであることを特徴とする記録ユニットであり、ヘッド
部がインクに熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出
させるヘッドを含む記録ユニットであることを含む。ま
た、本発明は、インクを収容したインク収容部を備えた
インクカートリッジにおいて、インクが前記インクであ
ることを特徴とするインクカートリッジである。
【0015】また、本発明は、インクを収容したインク
収容部と、該インクをインク滴として吐出させる為のヘ
ッド部とを有する記録ユニットを備えたインクジェット
記録装置において、インクが前記インクであることを特
徴とするインクジェット記録装置であり、ヘッド部が、
インクに熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出させ
るヘッドを含むインクジェット記録装置を含む。
【0016】また、本発明は、インク滴を吐出するため
の記録ヘッド、インクを収容したインク収容部を有する
インクカートリッジ及び該インクカートリッジから記録
ヘッドにインクを供給するためのインク供給部を備えた
インクジェット記録装置において、インクが前記インク
であり、記録ヘッドがインクに熱エネルギーを作用させ
てインク滴を吐出させるヘッドでインクジェット記録装
置を含む。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明において使用する布帛を構成する素
材としては、ポリアミド繊維を含有するものである。中
でもナイロン、絹、羊毛が好ましい。上記繊維は織物、
編物、不織布等いずれの形態でも使用できる。
【0019】布帛は、勿論、ポリアミド繊維100%の
ものが好適であるが、混紡率30%以上、好ましくは、
50%以上であれば、ポリアミド繊維と他の素材、例え
ばレーヨン、綿、アセテ−ト、ポリウレタン、アクリル
等との混紡織布又は混紡不織布等も本発明の捺染用布帛
として使用することができる。
【0020】布帛を構成するポリアミド繊維及び該繊維
からなる糸の物理特性としては、好適な範囲があり、例
えばナイロンの場合、ナイロン繊維の平均太さが1〜1
0d(デニール)、更に好ましくは、2〜6dに制御さ
れ、該ナイロン繊維から構成されるナイロン糸の平均太
さが20〜100d、更に好ましくは、25〜80d、
更に好ましくは、30〜70dに制御されたものが好ま
しく用いられる。
【0021】又、絹の場合は、繊維自体の特性として、
絹繊維の平均太さが2.5〜3.5d、更に好ましくは
2.7〜3.3dに制御され、該絹繊維から構成される
絹糸の平均太さが14〜147d、更に好ましくは14
〜105dに制御され、公知の方法により布帛としたも
のが好ましく用いられる。
【0022】上記のような本発明において使用する捺染
用布帛は、必要に応じて従来の前処理方法を併用するこ
とができる。特に、尿素、水溶性金属塩、水溶性高分子
等を、0.01〜20重量%含有させたものがより好ま
しい。
【0023】水溶性高分子の例としては、トウモロコ
シ、小麦等のデンプン物質、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等
のセルロース系物質、アルギン酸ナトリウム、アラビヤ
ゴム、ローカストビーンガム、トラントガム、グアーガ
ム、タマリンド種子等の多糖類、ゼラチン、カゼイン等
のタンパク質物質、タンニン系物質、リグニン系物質等
の公知の天然水溶性高分子が挙げられる。又、合成高分
子としては、例えば、公知のポリビニルアルコール系化
合物、ポリエチレンオキサイド系化合物、アクリル酸系
水溶性高分子、無水マレイン酸系水溶性高分子等が挙げ
られる。これらの中でも多糖類系高分子やセルロース系
高分子が好ましい。
【0024】水溶性金属塩としては、例えば、アルカリ
金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物のように、典型
的なイオン結晶を形成するものであって、pH4〜10
である化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例
としては、例えば、アルカリ金属では、NaCl、Na
2SO4、KCl、CH3COONa 等が挙げられ、アル
カリ土類金属としては、CaCl2、MgCl2等が挙げ
られる。中でも、Na、K、Caの塩類が好ましい。
【0025】本発明において使用する捺染インクは、色
素、水、有機溶剤、添加剤等からなる。
【0026】色素としては、酸性染料、直接染料に分類
されるものが好ましく、色相、染色特性、吐出特性等の
観点から、極めて限定されたものである。更に本発明に
使用するインクは、黒を必須とする2色以上の混色部を
安定して布帛上に形成するために、色素についても、混
色を形成する他インク中の色素との特別な相性が要求さ
れる。
【0027】これらの色素は、インク中に1種以上含有
されるものである。その使用量としては、一般的にはイ
ンク全量に対して合計で1〜20重量%、好ましくは
1.5〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%の
範囲である。
【0028】本発明に使用するブラックインク中に含有
させる色素であって、特に好ましいものを以下に例示す
る。
【0029】必須であるブラックインク中の色素として
は、 C.I.アシッドブラック 24,52,52:1,1
72, C.I.ダイレクト ブラック 113、 次式で表される化合物(4)及び(5)、
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】 (但し、式中SはSO3Li基を表す。) インク小滴を布帛上に順次着滴させるインクジェット捺
染方法においては、打ち込み順序、加熱定着条件の微妙
な違いによって混色部の発色性が変化してしまうため、
様々な黒表現を安定して達成するためには黒染料と繊維
への親和力、染着性等の発色特性が極めて類似している
インクセットを用いることが要求される。
【0032】本発明による色素群は上記要求に基づい
て、鋭意検討して得られたものである。
【0033】インクの主成分として好ましい水について
は、インク全量に対して10〜93重量%、好ましくは
25〜87重量%、より好ましくは30〜80重量%の
範囲である。
【0034】有機溶剤については、例えば、アセトン、
ジアセトンアルコールなどのケトン又はケトアルコール
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプ
ロピレン付加重合体;エチレングリコール、プロピレン
グリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコ
ール、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシレング
リコール等のアルキレン基が2乃至6個の炭素原子を含
むアルキレングリコール類;チオジグリコール;グリセ
リン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチ
ル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又
はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキル
エーテル類;トリエチレングリコールジメチル(又はエ
チル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル
(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジア
ルキルエーテル類;スルホラン、N−メチル−2−ピロ
リドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が
挙げられる。
【0035】上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般には
インクの全重量に対して重量%で5〜60%、好ましく
は5〜50%の範囲である。
【0036】本発明におけるインクは、上記の色素を溶
剤、水、その他の添加物とともに公知の方法で混合して
製造するものであるが、この場合、色素以外の成分であ
る(液)媒体について述べると、上記の如き媒体を併用
する場合は単独でも混合物としても使用できるが、もっ
とも好ましい液媒体組成は、該溶剤が少なくとも1種の
多価アルコールを含有するものである。中でも、チオジ
グリコール、ジエチレングリコールの単独もしくはジエ
チレングリコール、チオジグリコール混合系は特に良好
なものである。
【0037】その他の含有物質については、塩素イオン
及び/又は硫酸イオンをインク中に含有される色素に対
して、10〜20000ppm程度添加することによっ
て、均染性、染着率等の発色特性がさらに改善でき、好
ましいものである。
【0038】又、上記インクが更に珪素、鉄、ニッケル
及び亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の物質
を、インク中に合計量で0.1〜30ppm、好ましく
は0.2〜20ppm、より好ましくは0.3〜10p
pmの範囲の量で含有することが好ましい。
【0039】更に、インクは、上記金属類に併用してカ
ルシウム及び/又はマグネシウムをインク中に合計量で
0.1〜30ppm、好ましくは0.2〜20ppm、
より好ましくは0.3〜10ppmの範囲で含有するこ
とが好ましく、特に染着率のより一層の向上が図られ
る。
【0040】本発明に使用するインクの主要成分は上記
の通りであるが、その他公知の各種の分散剤、界面活性
剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、蛍光増白剤等を必要
に応じて添加することができる。
【0041】例えば、ポリビニルアルコール、セルロー
ス類、水溶性樹脂等の粘度調整剤;カチオンあるいはノ
ニオン形の各種界面活性剤;ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等の表面張力調整剤;緩衝液によるp
H調整剤、防カビ剤等を挙げることができる。
【0042】本発明においては、上記布帛に複数の捺染
インクの小滴をインクジェット法で順次着滴させて、少
なくとも2色以上のインクによる混色部を形成するもの
である。この場合、混色部の各色素の付着量の合計は、
0.025〜1mg/cm2、好ましくは0.04〜
0.7mg/cm2 、より好ましくは0.05〜0.5
mg/cm2 とするものである。この値は、インクの吐
出量とインク中の色素濃度を実測することにより求める
ことができる。色素の付着量が0.025mg/cm2
未満では、高濃度の発色が難しいので本発明の効果が明
確にならない。1mg/cm2 を超える場合は、染着率
向上の顕著な効果が認められない。
【0043】上記インクは、以下にその一態様を述べる
記録装置に用いられ、これにより好ましい捺染物を製造
できる。
【0044】又、以上の様にして形成した本発明の捺染
用インクは、上記の様な布帛上に付与されるが、この状
態では単に付着しているに過ぎないので、引続き繊維へ
の色素の定着及び未定着の色素の除去工程を施すのが好
ましい。この様な定着及び未定着の色素の除去方法は、
従来公知の方法でよく、例えば、スチーミング法、HT
スチーミング法、サーモフィクッス法等による処理の
後、洗浄する従来公知の方法に準じて行うことが出来
る。
【0045】上記インクは、以下のその1態様を述べる
記録装置に用いられ、これにより好ましい捺染物を製造
できる。
【0046】本発明のインクジェット捺染方法は、上記
の本発明のインクを使用する方法であり、使用するイン
クジェット記録方式は、従来公知のいずれのインクジェ
ット記録方式でもよいが、例えば、特開昭54−599
36号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作
用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変
化による作用力によって、インクをノズルから吐出させ
る方式が最も有効である。その理由としては、上記方式
はインクの吐出速度が5〜20m/secの範囲に集約
されており、着滴時の液滴の拡がりがポリアミド繊維を
含有する布帛に対して、特に最適なためと思われる。こ
の様な方式において本発明のインクを使用すると、長時
間連続的に記録を行ってもそのヒーター上の異物の沈着
や断線が発生せず、安定した印捺が可能となる。
【0047】特に本発明のインクを使用し、特に効果の
高い捺染方法が得られる条件としては、吐出液滴が20
〜200pl、インク打込量が4〜40nl/mm2
駆動周波数1.5KHz以上、及びヘッド温度35〜6
0℃の条件が好ましい。
【0048】本発明のインクを用いて捺染を行うのに好
適な装置の一例としては、記録ヘッドの室内のインクに
記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネルギ
ーにより液滴を発生させる装置が挙げられるが、以下こ
れについて説明する。
【0049】その装置の主要部であるヘッド構成例を図
1、図2及び図3に示す。
【0050】ヘッド13はインクを通す溝14を有する
ガラス、セラミックス又はプラスチック板等と、感熱記
録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示され
ているが、これに限定されるものではない)とを接着し
て得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成さ
れる保護膜16、アルミニウム電極17−1、17−
2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層
19、アルミナ等の放熱性のよい基板20よりなってい
る。
【0051】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成し
ている。
【0052】今、電極17−1、17−2に電気信号が
加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に
発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、
その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出
し、オリフィス22より記録小滴24となり、ポリアミ
ド繊維を含有する布帛25に向かって飛翔する。図3に
は図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図
を示す。該マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス
板27と、図1に説明したものと同様な発熱ヘッド28
を密着して製作されている。尚、図1は、インク流路に
沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B
線での切断面である。
【0053】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の一例を示す。
【0054】図4において、61はワイピング部材とし
てのブレードであり、その一端はブレード保持部材によ
って保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をな
す。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接し
た位置に配設され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動
経路中に突出した形態で保持される。62はキャップで
あり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設
され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐
出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更
に63はブレード61に隣接して設けられる吸収体であ
り、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突
出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ
62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、
ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面に
水分、塵埃等の除去が行われる。65は吐出エネルギー
発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向するポ
リアミド繊維を含有する布帛にインク滴を吐出して記録
を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記
録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジである。キャ
リッジ66はガイド軸67と慴動可能に係合し、キャリ
ッジ66の一部はモータ68によって駆動されるベルト
69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ
66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘ
ッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が
可能となる。
【0055】51はポリアミド繊維を含有する布帛を挿
入する為の給布部、52は不図示のモータにより駆動さ
れる布送りローラである。これらの構成によって記録ヘ
ッドの吐出口面と対向する位置へポリアミド繊維を含有
する布帛が給布され、記録が進行するにつれて排布ロー
ラ53を配した排布部へ排布される。
【0056】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0057】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。
【0058】上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で
記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移
動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0059】図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば
チューブを介して供給されるインクを収容したインクカ
ートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用
インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であ
り、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。こ
の栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク
袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44
は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部とし
ては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエ
チレンで形成されているものが本発明にとって好まし
い。本発明で使用されるインクジェット記録装置として
は、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体と
なったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体にな
ったものにも好適に用いられる。
【0060】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタンを用いることが
本発明にとって好ましい。72は記録ユニット内部を大
気に連通させる為の大気連通口である。この記録ユニッ
ト70は、図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるも
のであって、キャリッジ66に対し着脱自在になってい
る。
【0061】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。尚、実施例中特に断わりのない限り「部」及び
「%」は重量基準である。
【0062】実施例1インクAの製造 ・酸性染料(C.I.Acid Black 24) 6部 ・チオジグリコール 22部 ・ジエチレングリコール 11部 ・水 61部 上記の全成分を混合し、該混合液を水酸化ナトリウムで
pH7.5に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフ
ィルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて
濾過し、インクジェット捺染ブラックインクAを得た。
【0063】インクBの製造 ・直接染料(C.I.Direct Yellow 246) 5部 ・ジエチレングリコール 30部 ・水 65部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H7.5に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて濾
過し、インクジェット捺染イエローインクBを得た。
【0064】インクCの製造 ・酸性染料(C.I.Acid Orange 94) 7部 ・ジエチレングリコール 29部 ・水 64部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H7.5に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて濾
過し、インクジェット捺染オレンジインクCを得た。
【0065】インクDの製造 ・直接染料(C.I.Direct Red 80) 5部 ・ジエチレングリコール 31部 ・水 64部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H7.5に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて濾
過し、インクジェット捺染レッドインクDを得た。
【0066】インクEの製造 ・酸性染料(C.I.Acid Blue 112) 6部 ・ジエチレングリコール 33部 ・水 61部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H7.7に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて濾
過し、インクジェット捺染ブルーインクEを得た。
【0067】インクFの製造 ・化合物(4) 3部 ・化合物(5) 2部 ・ジエチレングリコール 33部 ・水 62部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H7.7に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて濾
過し、インクジェット捺染ブラックインクFを得た。
【0068】インクaの製造 ・酸性染料(C.I.Acid Black 194) 6部 ・チオジグリコール 22部 ・ジエチレングリコール 11部 ・水 61部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H7.7に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて濾
過し、インクジェットブラックインクaを得た。
【0069】インクbの製造 ・直接染料(C.I.Direct Black 154) 5部 ・ジエチレングリコール 33部 ・水 62部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H7.7に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて濾
過し、インクジェットブラックインクbを得た。
【0070】インクcの製造 ・直接染料(C.I.Direct Yellow 106) 5部 ・ジエチレングリコール 30部 ・水 65部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H7.5に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて濾
過し、インクジェットイエローインクcを得た。
【0071】インクdの製造 ・直接染料(C.I.Direct Orange 102) 7部 ・ジエチレングリコール 29部 ・水 64部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H7.5に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて濾
過し、インクジェットオレンジインクdを得た。
【0072】インクeの製造 ・酸性染料(C.I.Acid Red 336) 5部 ・ジエチレングリコール 31部 ・水 64部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H7.5に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて濾
過し、インクジェットレッドインクeを得た。
【0073】インクfの製造 ・直接染料(C.I.Direct blue 160) 6部 ・ジエチレングリコール 33部 ・水 61部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H7.7に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて濾
過し、インクジェットブルーインクfを得た。
【0074】実施例2 ナイロン100%の織布を予め濃度15%の尿素水溶液
に浸し、絞り率30%で脱水後、乾燥して水分率が10
%になるようにした。
【0075】この織布に実施例1にて製造したインクジ
ェット捺染インクA、B、C及びDを吐出速度12m/
secのカラーバブルジェットプリンターBJC820
J(キャノン社製品の商品名)に搭載し、各色2、4、
6及び8nl/mm2のインク打ち込み量で、ブラック
と他色とのあらゆる組合せの2色の混色の黒色パッチ
(2×4cm)をインクの打ち込み順序を変えて捺染を
行い、同一の捺染物を2枚重ねて100℃で30分間の
蒸熱処理による定着を行った。その後、これを中性洗剤
で洗浄して、捺染物のエッジのシャープさ及び打ち込み
順序を変えた時の発色性、更に2枚の捺染物の発色の差
について評価した。その結果を表1に示す。
【0076】実施例3 ナイロン85%及びレーヨン15%からなる織布を予め
濃度30%の尿素水溶液に浸し、絞り率30%で脱水
後、乾燥して水分率が25%になるようにした。この織
布を用い、実施例2と同様にして捺染を行い、得られた
捺染物のエッジのシャープさ及び打ち込み順序を変えた
時の発色性、更に2枚の捺染物の発色の差について評価
した。その結果を表1に示す。
【0077】実施例4 絹100%の織布を、予めポリビニルアルコール3%及
び塩化カルシウム5%の水溶液に浸し、絞り率30%で
脱水後、乾燥して水分率が21%になるようにした。
【0078】この織布に実施例1にて製造したインクジ
ェット捺染インクC、D、E及びFを吐出速度12m/
secのカラーバブルジェットプリンターBJC820
J(キャノン社製品の商品名)に搭載し、各色2、4、
6及び8nl/mm2のインク打ち込み量で、ブラック
と他色とのあらゆる組合せの2色の混色の黒色パッチ
(2×4cm)をインクの打ち込み順序を変えて捺染を
行い、同一の捺染物を2枚重ねて100℃で30分間の
蒸熱処理による定着を行った。その後、これを中性洗剤
で洗浄して、捺染物のエッジのシャープさ及び打ち込み
順序を変えた時の発色性、更に2枚の捺染物の発色の差
について評価した。その結果を表1に示す。
【0079】実施例5 羊毛100%の織布を、予め濃度10%のアルギン酸ナ
トリウム水溶液に浸し、絞り率30%で脱水後、乾燥し
て水分率が30%になるようにした。
【0080】この織布を用い、実施例4と同様にして捺
染を行い、得られた捺染物のエッジのシャープさ及び打
ち込み順序を変えた時の発色性、更に2枚の捺染物の発
色の差について評価した。その結果を表1に示す。
【0081】実施例6 ナイロン70%及びポリウレタン30%の混合織布を、
予め濃度30%の尿素水溶液に浸し、絞り率30%で脱
水後、乾燥して水分率が25%になるようにした。
【0082】この織布を用い、実施例4と同様にして捺
染を行い、得られた捺染物のエッジのシャープさ及び打
ち込み順序を変えた時の発色性、更に2枚の捺染物の発
色の差について評価した。その結果を表1に示す。
【0083】比較例1 実施例2で使用した布帛と同様のナイロン100%の織
布を予め濃度15%の尿素水溶液に浸し、絞り率30%
で脱水後、乾燥して水分率が10%になるようにした。
【0084】この織布に実施例1にて製造したインクジ
ェット捺染インクB、C、D及びインクジェットインク
aを吐出速度12m/secのカラーバブルジェットプ
リンターBJC820J(キャノン社製品の商品名)に
搭載し、各色2、4、6及び8nl/mm2のインク打
ち込み量で、ブラックと他色とのあらゆる組合せの2色
の混色の黒色パッチ(2×4cm)をインクの打ち込み
順序を変えて捺染を行い、同一の捺染物を2枚重ねて1
00℃で30分間の蒸熱処理による定着を行った。その
後、これを中性洗剤で洗浄して、捺染物のエッジのシャ
ープさ及び打ち込み順序を変えた時の発色性、更に2枚
の捺染物の発色の差について評価した。その結果を表1
に示すが、実施例2に比較してエッジのシャープさ及び
打ち込み順序を変えたときの発色性が悪くなり、更に2
枚の捺染物の発色性に差が生じた。
【0085】比較例2 実施例2で使用した布帛と同様のナイロン100%の織
布を予め濃度15%の尿素水溶液に浸し、絞り率30%
で脱水後、乾燥して水分率が10%になるようにした。
【0086】この織布に実施例1にて製造したインクジ
ェット捺染インクA、C、D及びインクジェットインク
cを吐出速度12m/secのカラーバブルジェットプ
リンターBJC820J(キャノン社製品の商品名)に
搭載し、各色2、4、6及び8nl/mm2のインク打
ち込み量で、ブラックと他色とのあらゆる組合せの2色
の混色の黒色パッチ(2×4cm)をインクの打ち込み
順序を変えて捺染を行い、同一の捺染物を2枚重ねて1
00℃で30分間の蒸熱処理による定着を行った。その
後、これを中性洗剤で洗浄して、捺染物のエッジのシャ
ープさ及び打ち込み順序を変えた時の発色性、更に2枚
の捺染物の発色の差について評価した。その結果を表1
に示すが、実施例2に比較してエッジのシャープさ及び
打ち込み順序を変えたときの発色性が悪くなり、更に2
枚の捺染物の発色性に差が生じた。
【0087】比較例3 実施例2で使用した布帛と同様のナイロン100%の織
布を予め濃度15%の尿素水溶液に浸し、絞り率30%
で脱水後、乾燥して水分率が10%になるようにした。
【0088】この織布に実施例1にて製造したインクジ
ェット捺染インクA、B、D及びインクジェットインク
dを吐出速度12m/secのカラーバブルジェットプ
リンターBJC820J(キャノン社製品の商品名)に
搭載し、各色2、4、6及び8nl/mm2のインク打
ち込み量で、ブラックと他色とのあらゆる組合せの2色
の混色の黒色パッチ(2×4cm)をインクの打ち込み
順序を変えて捺染を行い、同一の捺染物を2枚重ねて1
00℃で30分間の蒸熱処理による定着を行った。その
後、これを中性洗剤で洗浄して、捺染物のエッジのシャ
ープさ及び打ち込み順序を変えた時の発色性、更に2枚
の捺染物の発色の差について評価した。その結果を表1
に示すが、実施例2に比較してエッジのシャープさ及び
打ち込み順序を変えたときの発色性が悪くなり、更に2
枚の捺染物の発色性に差が生じた。
【0089】比較例4 実施例2で使用した布帛と同様のナイロン100%の織
布を予め濃度15%の尿素水溶液に浸し、絞り率30%
で脱水後、乾燥して水分率が10%になるようにした。
【0090】この織布に実施例1にて製造したインクジ
ェットインクa、c、d及びeを吐出速度12m/se
cのカラーバブルジェットプリンターBJC820J
(キャノン社製品の商品名)に搭載し、各色2、4、6
及び8nl/mm2のインク打ち込み量で、ブラックと
他色とのあらゆる組合せの2色の混色の黒色パッチ(2
×4cm)をインクの打ち込み順序を変えて捺染を行
い、同一の捺染物を2枚重ねて100℃で30分間の蒸
熱処理による定着を行った。その後、これを中性洗剤で
洗浄して、捺染物のエッジのシャープさ及び打ち込み順
序を変えた時の発色性、更に2枚の捺染物の発色の差に
ついて評価した。その結果を表1に示すが、実施例2に
比較してエッジのシャープさ及び打ち込み順序を変えた
ときの発色性が悪くなり、更に2枚の捺染物の発色性に
差が生じた。
【0091】比較例5 実施例4で使用した布帛と同様の絹100%の織布を、
予めポリビニルアルコール3%及び塩化カルシウム5%
の水溶液に浸し、絞り率30%で脱水後、乾燥して水分
率が21%になるようにした。
【0092】この織布に実施例1にて製造したインクジ
ェットインクb、d、e及びfを吐出速度12m/se
cのカラーバブルジェットプリンターBJC820J
(キャノン社製品の商品名)に搭載し、各色2、4、6
及び8nl/mm2のインク打ち込み量で、ブラックと
他色とのあらゆる組合せの2色の混色の黒色パッチ(2
×4cm)をインクの打ち込み順序を変えて捺染を行
い、同一の捺染物を2枚重ねて100℃で30分間の蒸
熱処理による定着を行った。その後、これを中性洗剤で
洗浄して、捺染物のエッジのシャープさ及び打ち込み順
序を変えた時の発色性、更に2枚の捺染物の発色の差に
ついて評価した。その結果を表1に示すが、実施例2に
比較してエッジのシャープさ及び打ち込み順序を変えた
ときの発色性が悪くなり、更に2枚の捺染物の発色性に
差が生じた。
【0093】
【表1】 *1 肉眼で観察したときのシャープさを判定した。 ○:良好 △:やや劣る ×:劣る *2 打ち込み順序を変えたときの混色部の発色性の差を
観察した。 ○:変化なし △:若干変化あり ×:非常に変化
あり *3 蒸熱処理時に同一の捺染物2枚を重ねて定着を行
い、それぞれの発色性の差について観察した。 ○:変化なし △:若干変化あり ×:非常に変化
あり
【0094】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成したので、
インクジェット記録方式に好適で、打ち込み順序や染色
条件が多少変化しても安定な黒画像を得ることができ、
様々な黒表現を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面
図。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面
図。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。
【図5】インクカートリッジの縦断面図。
【図6】記録ユニットの斜視図。
【符号の説明】
61:ワイピング部材 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/00 A 9221−2H C09D 11/00 PSZ 7415−4J D06P 3/24 Z 7306−4H

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記3工程、即ち、(a)ブラックと、
    イエロー、オレンジ、レッド、及びブルーからなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種の捺染インク小滴をポリアミ
    ド繊維を含有する布帛に順次着滴させて、少なくとも2
    色以上の該インクによる混色部を布帛に形成する工程、
    (b)前記混色部を形成した布帛を熱処理することによ
    り色素を布帛に染着させる工程、(c)染着させた布帛
    を洗浄することにより未染着の色素を布帛から除去する
    工程、を少なくとも有するインクジェット捺染方法にお
    いて、前記ブラックインク中に色素として C.I.アシッドブラック 24,26,52,52:
    1,109,155,172,222, C.I.ダイレクト ブラック 19,62,113、 下記一般式(1)及び(2)で表される色素、 【化1】 (式中、Mはアルカリ金属、アンモニウムまたはアミン
    類を表す。) 【化2】 (式中、Xは水素原子、低級アルキル基またはSO3
    基で置換されていてもよいフェニル基を表し、mは0ま
    たは1を表し、Mはアルカリ金属、アンモニウムまたは
    アミン類を表し、A、B、Cは置換基を有していてもよ
    いベンゼン環またはナフタレン環を表す。但し、B、C
    が同時にナフタレン環を表すことはない。)からなる群
    より選ばれる少なくとも一種の色素を含有し、 前記イエローインク中に色素としてC.I.アシッドイ
    エロー 246 前記オレンジインク中に色素としてC.I.アシッドオ
    レンジ 94 前記レッドインク中に色素としてC.I.ダイレクトレ
    ッド 80 前記ブルーインク中に色素としてC.I.アシッドブル
    ー 112 を含有することを特徴とする捺染方法。
  2. 【請求項2】 インクジェット方式が熱エネルギーを利
    用したインクジェット方式である請求項1記載の捺染方
    法。
  3. 【請求項3】 インクの吐出速度が5〜20m/sec
    である請求項1記載の捺染方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3いずれかの捺染方法で製
    造した捺染物。
  5. 【請求項5】 ブラックインクとイエロー、オレンジ、
    レッド、及びブルーからなる群より選ばれる少なくとも
    1種の捺染インクとからなる捺染用カラーインクセット
    において、前記ブラックインク中に色素として C.I.アシッドブラック 24,26,52,52:
    1,109,155,172,222, C.I.ダイレクト ブラック 19,62,113、 下記一般式(1)及び(2)で表される色素、 【化3】 (式中、Mはアルカリ金属、アンモニウムまたはアミン
    類を表す。) 【化4】 (式中、Xは水素原子、低級アルキル基またはSO3
    基で置換されていてもよいフェニル基を表し、mは0ま
    たは1を表し、Mはアルカリ金属、アンモニウムまたは
    アミン類を表し、A、B、Cは置換基を有していてもよ
    いベンゼン環またはナフタレン環を表す。但し、B、C
    が同時にナフタレン環を表すことはない。)からなる群
    より選ばれる少なくとも一種の色素を含有し、前記イエ
    ローインク中に色素としてC.I.アシッドイエロー
    246と、前記オレンジインク中に色素としてC.I.
    アシッドオレンジ 94と、前記レッドインク中に色素
    としてC.I.ダイレクトレッド 80と、及び前記ブ
    ルーインク中に色素としてC.I.アシッドブルー 1
    12とを含有することを特徴とする捺染用カラーインク
    セット。
  6. 【請求項6】 インクを収容したインク収容部、該イン
    クをインク滴として吐出させる為のヘッド部を備えた記
    録ユニットにおいて、前記インクが請求項1に記載のイ
    ンクであることを特徴とする記録ユニット。
  7. 【請求項7】 ヘッド部がインクに熱エネルギーを作用
    させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項6に記
    載の記録ユニット。
  8. 【請求項8】 インクを収容したインク収容部を備えた
    インクカートリッジにおいて、前記インクが請求項1に
    記載のインクであることを特徴とするインクカートリッ
    ジ。
  9. 【請求項9】 インクを収容したインク収容部と、該イ
    ンクをインク滴として吐出させる為のヘッド部とを有す
    る記録ユニットを備えたインクジェット記録装置におい
    て、前記インクが請求項1に記載のインクであることを
    特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 ヘッド部が、インクに熱エネルギーを
    作用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項9
    に記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 インク滴を吐出するための記録ヘッ
    ド、インクを収容したインク収容部を有するインクカー
    トリッジ及び該インクカートリッジから記録ヘッドにイ
    ンクを供給するためのインク供給部を備えたインクジェ
    ット記録装置において、前記インクが請求項1に記載の
    インクであることを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  12. 【請求項12】 記録ヘッドがインクに熱エネルギーを
    作用させてインク滴を吐出させるヘッドである請求項1
    1に記載のインクジェット記録装置。
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