JPH10286833A - タイヤ成形用金型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セクターのパターン総幅の大きさ如何に拘ら
ず、どのような大きさのタイヤでも自由に成形すること
が可能なタイヤ成形用金型を提供する。 【解決手段】 上下の金型１１，１２間の外周にトレッ
ドパターンを成形する複数のセクター１３をそれぞれ水
平に半径方向に開閉自在に設けたセクショナル型のタイ
ヤ成形用金型１において、各セクター１３に水平方向に
ストロークする開閉シリンダ５をそれぞれ連結する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、セクショナル型の
タイヤ成形用金型に関し、更に詳しくは、セクターのパ
ターン総幅を自由に設定できるようにしたタイヤ成形用
金型に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、セクショナル型のタイヤ成形用金
型は、タイヤのサイドウォール部を成形する上下の金型
間の外周に、トレッド部にパターンを成形する複数のセ
クターを備えた構成になっている。各セクターはその外
周に配設された各セグメントに保持され、そのセグメン
トがその外周側の傾斜面を介してコンテナリングに接続
されている。案内棒とＴ型ガイドを介してセグメントと
コンテナリングとが係合し、コンテナリングの昇降によ
り、セグメントの移動を介して各セクターが離型位置と
加硫位置とに開閉するようになっている。そのため、セ
クターの最大開ストローク量が、コンテナリングの係合
位置の径寸法で決まることから、上限がある。

【０００３】しかし、最近のタイヤ性能の向上のために
パターン総幅（トレッド総幅）を拡大することが行われ
るようになっているが、パターン総幅が拡大するとトレ
ッド両端部からトレッドセンターまでの半径方向高さが
大きくなる。そのため、このようにパターン総幅を大き
くしたタイヤは、従来のセクショナル型タイヤ成形用金
型では対応できないため、径を大きくした新たなコンテ
ナリングをその付属品と共に製作する必要があり、コス
ト高になっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、セク
ターのパターン総幅の大きさ如何に拘らず、どのような
大きさのタイヤでも自由に成形することが可能なタイヤ
成形用金型を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、上下の金型間の外周にトレッドパターンを成形す
る複数のセクターをそれぞれ水平に半径方向に開閉自在
に設けたセクショナル型のタイヤ成形用金型において、
前記各セクターに水平方向にストロークする開閉シリン
ダをそれぞれ連結したことを特徴とする。

【０００６】このように各セクターを開閉シリンダにそ
れぞれ連結したので、各セクターをコンテナリングとは
無関係に開閉することができる。そのため、セクターの
ストローク量に制約がないので、新たなコンテナリング
を製作するような問題もなく、セクターのパターン総幅
を自由に変更することができる。また、セクターの開閉
をセグメントとコンテナリングとの係合によらず、開閉
シリンダで行うため、従来のように案内棒やＴ型ガイ
ド、更にコンテナリング内周面に設けた摺動メタルが不
要となり、それによって、特に離型時にかかる大きな力
のために損耗が著しいそれら案内棒やＴ型ガイド等の部
品を交換する必要がないので、部品交換周期を大幅に長
くして、メンテナンスコストを削減することができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付
の図面を参照しながら詳細に説明する。図１は本発明の
タイヤ成形用金型の一例について要部を半断面で示す。
１はセクショナル型のタイヤ成形用金型、２，３は上型
プレート１１と上型ベースプレート１５を昇降する昇降
シリンダ、５はセクター１３を水平方向に開閉するよう
にストロークする開閉シリンダである。

【０００８】セクショナル型のタイヤ成形用金型１は、
タイヤの一方のサイドウォール部を成形する環状の上型
プレート１１と他方のサイドウォール部を成形する環状
の下型プレート１２、及びトレッド部にトレッドパター
ンを成形するセクター１３とを備えている。上下一対の
環状の上型プレート１１と下型プレート１２とがそのサ
イドウォール部成形面１１ａ，１２ａとを互いに対向さ
せて上下に配設され、その外周側に、トレッド部成形面
３ａを内周側にもち、周方向に沿って分割された複数の
セクター１３が配置されている。

【０００９】上型プレート１１はその上側に配設された
環状の上型プレートホルダー１４に保持され、この上型
プレートホルダー１４に上記昇降シリンダ２のピストン
ロッド２ａが連結され、上型プレートホルダー１４と共
に昇降可能になっている。

【００１０】この上型プレートホルダー１４の上方には
環状の上型べースプレート１５が設置され、その外周側
下面には下方に向けて突出するコンテナリング１６が固
定されている。コンテナリング１６の下部側には、図２
に示すように下端から縦長に延びる貫通凹部１６ａが各
セクター１３に対応する位置にそれぞれ形成され、閉止
時にコンテナリング１６が降下した際に、上記開閉シリ
ンダ５のピストンロッド５ａに接触しないようになって
いる。上記昇降シリンダ３のシリンダロット３ａが上型
べースプレート１５に連結され、コンテナリング１６は
上型べースプレート１５と共に昇降するようになってい
る。

【００１１】各セクター１３はその外周に配設されたセ
グメント１７により保持され、このセグメント１７が下
型プレート１２を保持する下型ベースプレート１８上
に、セクター３の開閉方向（半径方向）に延設されたガ
イドバー１９に沿って摺動自在に設けられている。各セ
クター１３毎に設けた複数のガイドバー１９はコンテナ
リング１６より外周側まで放射状に延在し、セクター１
３を保持したセグメント１７がコンテナリング１６より
外周側まで移動可能にしてある。

【００１２】ガイドバー１９より外周側の下型ベースプ
レート１８上には、各セクター１３を開閉する開閉シリ
ンダ５がそれぞれ設置されている。各開閉シリンダ５の
ピストンロッド５ａが各セグメント１７の外周部にそれ
ぞれ着脱自在に連結され、この開閉シリンダ５の作動に
より、各セグメント１７の移動を介して各セクター１３
を開閉するようになっている。なお、図中、Ｒ１，Ｒ２
は上下のビードリング、ＣＬは金型１のセンターライン
である。

【００１３】上記のようなセクショナル型のタイヤ成形
用金型によりグリーンタイヤを加硫する時には、図３
（ａ）に示すように、開放状態の下型プレート１２にブ
ラダーＢにより形状保持されたグリーンタイヤＴがセッ
トされると、各開閉シリンダ５の作動によりピストンロ
ッド５ａが伸長して、各セクター１３が矢印のように内
側に向けて移動する。セクター１３が図３（ｂ）に示す
所定の芯あわせ開始位置（閉位置まで略５０mm程の位
置）まで前進して停止すると、昇降シリンダ２の作動に
より上型プレート１１が降下し、続いて昇降シリンダ３
のピストンロッド３ａが伸長してコンテナリング１６が
降下する。

【００１４】上型プレート１１が図３（ａ）のように下
端の閉位置まで降下して停止すると、開閉シリンダ５の
作動によりセクター１３が再び内側に向けて移動し、図
３（ｃ）に示す閉位置で停止して、グリーンタイヤＴを
型締めする。次いで、コンテナリング１６の内周傾斜面
１６ｂがセグメント１７の外周傾斜面１７ａに当接して
セクター３を押圧固定する。この状態で通常の方法によ
り加硫成形が行われる。

【００１５】加硫後、上記とは逆に作動させ、セクター
１３を図３（ａ）のように、開位置まで後退させた後、
加硫済みのタイヤが取り出される。このように本発明で
は、各セクター１３を水平方向にストロークする開閉シ
リンダ５によりそれぞれ開閉するので、セクター１３の
ストローク量がコンテナリング１６に規制されることが
なく、そのため、上下の金型プレート１１，１２に当接
するセクター１３の内周面１３ｂからのトレッド部成形
面１３ａの深さＸを変えることでセクター１３のパター
ン総幅Ｗを自由に設定することができる。従って、コン
テナリング１６の寸法を越えるようなストロール量を有
するパターン総幅にセクターを変更しても、新たなコン
テナリングを製作する必要がないので、コスト高となる
のを回避することができる。

【００１６】また、従来は、案内棒とＴ型ガイドを介し
てセグメントとコンテナリングとを係合させ、かつコン
テナリングの内周面に摺動メタルを設けて、セグメント
をコンテナリングに対して摺動移動させていたので、特
に離型時にかかる大きな力によりこれらの部品の損耗が
著しく、定期的に交換する必要があったが、セクター１
３の開閉をセグメントとコンテナリングとの係合によら
ずに開閉シリンダ５により行うことで、案内棒やＴ型ガ
イド、摺動メタルのような部品が不要となって、部品の
損耗が大きく軽減されるため、部品交換の周期を大幅に
長くして、メンテナンスコストの低減を図ることができ
る。

【００１７】本発明において、開閉シリンダ５は、７０
mm以上のストローク量を有するように構成するのが望ま
しく、これにより一般に使用されるセクショナル型のタ
イヤ成形用金型のコンテナリングに制限されたパターン
総幅以上の総幅Ｗをもつセクターに対応させることがで
きる。

【００１８】また、タイヤ成形用金型１の開閉動作は、
上記実施形態において、セクター１３を移動させた後、
上型プレート１を降下させるようにしたが、図３（ｂ）
に示すように、上型プレート１１が下端の閉位置まで降
下し、セクター１３が芯あわせ開始位置に至るまでは、
いずれを先に移動させてもよく、また、コンテナリング
１６も上型プレート１１及びセクター１３の移動を妨げ
ない範囲で任意に降下させるように制御することができ
る。

【００１９】上述した実施形態では、その一例について
説明したが、本発明は、それに限定されず、上下の金型
間にセクターを水平に半径方向に開閉自在に設けたセク
ショナル型のタイヤ成形用金型であれば、いずれの形態
であってもよい。

【００２０】

【発明の効果】上述したように本発明は、上下の金型間
の外周にトレッドパターンを成形する複数のセクターを
それぞれ水平に半径方向に開閉自在に設けたセクショナ
ル型のタイヤ成形用金型において、各セクターに水平方
向にストロークする開閉シリンダをそれぞれ連結したの
で、セクターのパターン総幅の大きさ如何に拘らず、ど
のような大きさのタイヤでも自由に成形することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のタイヤ成形用金型の一例について要部
を示す半断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図である。

【図３】（ａ），（ｂ），（ｃ）は、本発明のタイヤ成
形用金型の閉動作をそれぞれ示す作用説明図である。

【符号の説明】

１ タイヤ成形用金型 ２ ，３ 昇降シリ
ンダ ５ 開閉シリンダ ５ａ ピストンロッ
ド １１ 上型プレート（上型） １２ 下型プレート
（下型） １３ セクター １４ 上型プレート
ホルダー １５ 上型ベースプレート １６ コンテナリン
グ １６ａ 貫通凹部 １７ セグメント １８ 下型ベースプレート １９ ガイドバー Ｂ ブラダー Ｔ グリーンタイヤ Ｒ１ 上型ビードリング Ｒ２ 下型ビードリ
ング

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下の金型間の外周にトレッドパターン
   を成形する複数のセクターをそれぞれ水平に半径方向に
   開閉自在に設けたセクショナル型のタイヤ成形用金型に
   おいて、前記各セクターに水平方向にストロークする開
   閉シリンダをそれぞれ連結したタイヤ成形用金型。
2. 【請求項２】 前記各開閉シリンダのピストンロッドを
   前記各セクターにそれぞれ着脱自在に連結した請求項１
   に記載のタイヤ成形用金型。