JPH1028508A

JPH1028508A - 蒸散剤収納用収納体

Info

Publication number: JPH1028508A
Application number: JP18340596A
Authority: JP
Inventors: Keiko Hayashi; 慶子林; Masae Matsuoka; 正栄松岡
Original assignee: Earth Chemical Co Ltd
Current assignee: Earth Corp
Priority date: 1996-07-12
Filing date: 1996-07-12
Publication date: 1998-02-03
Anticipated expiration: 2016-07-12
Also published as: JP3722386B2

Abstract

(57)【要約】【課題】パック内に収納した粒状保持体の偏りを防止
すると共に、パック自体の横擦れや縦擦れを防止し、防
虫成分や芳香成分の効率揮散や揮散方向の偏りを防止す
ること。【解決手段】蒸散液を含浸させた粒状物を封入したパ
ックを収納保持するための収納体であって、ヒンジ２を
介して開閉する側面板３、４を設け、側面板３、４の少
なくとも一方の内面に複数の線状挟持部材１２を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は揮散性の防虫成分や
芳香成分を含有する蒸散剤を収納する蒸散剤収納用収納
体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、蒸散剤は蒸散液を含浸させた粒状
の多数の保持体を、通気性のよいパックに収納させたも
ので、このパックを外気と接触しやすいように多数の細
かい通気孔を有する筐体内に収納し、例えば衣料の収納
容器内に置いていた。しかしながら、前記筐体状の容器
を衣料等の収納容器内に置いたのでは、少なくとも筐体
状容器の一面が収納容器に接触するため、蒸散剤の効力
を十分に発揮できないため、前記筐体状容器の一部にフ
ックを設け、例えば洋服タンスのパイプ状ハンガーに懸
下しておき、筐体状容器の全面から蒸散剤を揮散させる
べく、多くの蒸散剤収納用収納体が使用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の蒸散剤収納用収納体では、収納体を懸下するためにパ
ックに収納した粒状の保持体が一方に偏るため、防虫成
分や芳香成分の効率揮散や揮散方向の偏りを発生すると
いう問題がある。本発明は上記事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところはパック内に収納した粒状
保持体の偏りを防止すると共に、パック自体の横擦れや
縦擦れを防止し、防虫成分や芳香成分の効率揮散や揮散
方向の偏りを防止する蒸散剤収納用収納体を提案しよう
とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の蒸散剤収納用収納体は、ヒンジを介して開
閉する側面板の少なくとも一方の内面に、パック内の粒
状保持体の偏り、パック自体のズレを防止するよう複数
の線状挟持部材を設けたことを特徴とするもので、前記
線状挟持部材は連続、不連続を問わず連なったもので、
縦横あるいは斜め方向の突起を組み合わせたものであ
る。

【０００５】本発明に係る蒸散剤収納用収納体によれ
ば、収納体の内側面に複数の線状挟持部材が設けられて
いるので、該線状挟持部材がパックの粒状保持体の間に
食い込み、保持体とパックを抑えてズレを防止して防虫
成分や芳香成分の効率揮散および揮散方向の偏りを防止
することができる。また、使用に際しては、収納体を開
いた状態でパックを装填し、線状挟持部材に合わせて保
持体を均等にならしておき、収納体を閉じることができ
るので保持体はパックと共に確実に固定することがで
き、取り扱いも簡単である。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。図１は本発明の一実施例を
示す蒸散剤収納用収納体の開いた状態における斜視図、
図２は本発明の他の実施例を示す蒸散剤収納用収納体の
開いた状態における斜視図、図３は蒸散剤収納用収納体
に用いられるパックの斜視図、図４はパック内に収納さ
れる保持体の形状を示す斜視図である。

【０００７】図１において、蒸散剤収納用収納体（以下
収納体と称す）１は、ヒンジ２を介して２枚の側面板
３，４より構成されている。ヒンジ２は側面板３，４の
両端部分に各１個、中央部分に１個の計３個よりなり、
これらのヒンジ２，２の間は空間部分５が設けてある。
前記２枚の側面板３，４は同形同大の平皿形の部材で、
外周には僅かな立上り部６が設けてあって、側面板３，
４をＡ矢印方向に閉じると、前記立上り部６の端部は互
に重なり合うように形成されている。

【０００８】前記立上り部６の内側で側面板３には複数
個所にピン状突起７，７，……が設けてあり、これに対
応する側面板４側には中央に小孔を設けたボスフック
８，８，……が設けてあって、２枚の側面板３と４とを
閉じ合わせたときにピン状突起７はボスフック８に嵌合
締着され、側面板３と４とが要時着脱自在となるように
なっている。側面板３と４との長手方向の中央で自由端
となっている外方には、ハンガー等に吊すための吊下げ
部９が一対で設けてある。この一対の吊下げ部９を側面
板３と４とが互に嵌合されたとき合体され、吊下げ部９
の先端に設けたピン状突起７が相手側のボスフック８に
係止され、吊り下げ部９、９が要時着脱自在となるよう
になっている。

【０００９】前記吊下げ部９を設けた側面板３と４との
内側には、半円形状の基板１０がヒンジ２の方向に突設
してある。これは側面板３と一体的なもので薄板状に形
成されている。

【００１０】前記基板１０と側面板３との間には、曲線
で張設された複数本の線状挟持部材１２が設けてある。
これらの線状挟持部材１２のあるものは他の線状挟持部
材と交差したりしても、その起点または終点は基板１０
または側面板３に接続されている。この線状挟持部材１
２は側面板３と４とに設けてあって、２枚の側面板３と
４を閉じても互の上面は接触することなく僅かな空間を
持つように形成されている。

【００１１】なお、図２に示すように、基板１０の中央
にヒンジ２側の側面板３に達する基準突起１１を設ける
ようにしても良い。この基準突起１１は直線的なもの
で、その高さは前記立上り部６の高さと等しく形成され
ており、その上端面は２枚の側面板３と４とを閉じた時
に互に重なり合うようになっている。したがって、側面
板３と４とを閉じた際には、前記周囲の立上り部６と、
上記基準突起１１とによって側面板３と４との接触は防
止され、収納体１は内部に所定の空間部を保てるように
なっている。

【００１２】図１及び図２に示した構成をなす収納体１
は、合成樹脂による一体成型品であって、上記した側面
板３と４の基板１０、基準突起１１、線状挟持部材１２
以外は全て空間部となっている。

【００１３】この収納体１に収納される蒸散剤４０は、
図１に示すような通気性のよいフレキシブルなパック４
１に収納してある。このパック４１の中には蒸散液を含
浸させた粒形状の多数の保持体４２が内蔵されている。
パック４１は、例えば、天然繊維（和紙）、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリウレタン、アクリ
ル、ポリプロピレン、セルロースなどの合成繊維を、単
独であるいは組み合わせて不織布や微多孔性フィルムや
ラミネートフィルムとした蒸散成分が透過するものを袋
状に成形したものであり、保持体４２を内部に収納した
後に、その開口をヒートシールなどにより接着して塞ぐ
ようにされている。特に、収納体１に用いられるパック
４１は図２に示すように、収納体１の長手方向の長さを
有する袋体の中央を予めヒートシールし、保持体４２を
両端側よりそれぞれ封入したものを用いている。

【００１４】保持体４２は、吸油性の素材であれば良
く、例えば紙、不織布、布、木材、ベニア、木粉、パル
プ、無機高分子物質、無機多孔性物質（ケイ酸塩、シリ
カ、ゼオライト等）、有機高分子物質（セルロース、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリビ
ニルアルコール、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体等）、ゲル化物質
（寒天、カラギーナン、澱粉、ゼラチン、アルギン酸
等）、昇華性物質（アダマンタン、シクロドデカン、ノ
ルボルナン、トリメチルノルボルナン、エンドートリメ
チルノルボルナン、パラジクロルベンゼン、ナフタリ
ン、樟脳等）を使用することができる。

【００１５】また、保持体４２の形状は特に限定するも
のではなく図３に示すように例えば、（ａ）略球形状、
（ｂ）円柱錠剤形状、（ｃ）矩形錠剤形状など任意の剤
型で使用することができる。また、本発明において使用
する薬液は、常温状態において蒸散性を有する液状の各
種薬剤を使用することができる。この例を挙げると、例
えば、（Ｒ，Ｓ）−１−エチニル−２−メチルペント−
２−エニル（ＩＲ）−シス、トランスクリサンテマー
ト、１−エチニル−２−メチル−２−ペンテニル−２，
２−ジメチル−３−（２′，２′−ジクロルビニル）−
シクロプロパン−１−カルボキシレート、１−エチニル
−２−メチル−２−ペンテニル−２，２−ジメチル−３
−（２′−メチル−１′−プロペニル）−シクロプロパ
ン−１−カルボキシレート、１−エチニル−２−メチル
−２−ペンテニル−２，２，３，３−テトラメチルシク
ロプロパンカルボキシレート、ベンフルスリン、フェン
フルスリン等のピレスロイド系化合物、ＤＤＶＰ、スミ
チオン等の有機リン系化合物、フタル酸ジメチル、フタ
ル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フマル酸ジエチル、
Ｎ，Ｎ−ジエチル−ｍ−トルアミド等の防虫、忌避剤、
安息香酸エチル、サフロール、インサフロール、オイゲ
ノール、シトロネロール、アネトール、１−カルボン酸
等の防虫性香料、シトラール、シトロネラール、ネロー
ル、ゲラニオール、酢酸リナシル、アセトフェノン、テ
ルピネオール、メントン、安息香酸ベンジル、フェニル
酢酸エチル、酢酸イソアミル、ユーカリブトール等の香
料、ケイ皮アルデヒド、ベンズアルデヒド等の防虫・防
黴剤、などが挙げられる。上述の各種薬剤は、周知のご
とく単独であるいは２種以上組み合わせて使用すること
ができるものであり、防虫剤、殺虫剤、防殺虫剤、防虫
芳香剤、防虫・防黴剤として使用することができるもの
である。

【００１６】上記蒸散剤４０のパック４１を、予め開い
ておいた収納体１の一方の側面板４上に載せ、側面板４
に設けた基準突起１１にパック４１の中央部分（図１の
Ｂ−Ｂ線）を合わせて載せ、保持体４２を入れた袋部分
を平均的な厚さとなるよう抑えて置き、他方の側面板３
をＡ矢印の方向に回動して被せると、側面板３と４に設
けた基準突起１１がパック４１の中央部分を挟み、袋部
分を線状挟持部材１２が互に挟み合ってパック４１や保
持体４２をズレなく固定するので、蒸散剤４０の防虫成
分や芳香成分の効率揮散および揮散方向の偏りを防止す
ることができる。なお、上記固定は側面板３と４とに設
けたピン状突起７，……と、ボスフック８，……との嵌
合により固着され安易に剥れることはない。

【００１７】以上説明した収納体１は、側面板３と４と
の内側に曲線状の線状挟持部材１２を配した例を示した
が、この線状挟持部材１２は基板１０より側面板３側に
放射状に設けたものであっても同様の効果を得ることが
できる。また、線状挟持部材１２を一方の側面板─例え
ば４側に設け、他方の側面板３側をフラット面として
も、線状挟持部材１２の高さを高くしておくことにより
同様の効果を得ることができる。本発明に適用される粒
状保持体には、インジケータ機能を粒状保持体に間接・
直接に付加してもよい。このインジケータとしては、電
子供与性呈色有機化合物、顕色剤、揮発性減感性薬剤の
組成からなるもの（特開昭６２−７６３９６５号公報参
照）、水筆の原理を応用し発色紙を用いたもの（特開昭
６１−５６１０９号公報参照）等が挙げられる。

【００１８】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の蒸
散剤収納用収納体は、ヒンジを介して開閉する側面板の
少なくとも一方の内面に、パック内の粒状保持体の偏
り、パック自体のズレを防止するよう複数の線状挟持部
材を設けたので、パック内に収納した粒状保持体の偏り
を防止し、防虫成分や芳香成分の効率揮散や揮散方向の
偏りを防止できる特長があり、取扱いも極く簡単で確実
性のある利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す蒸散剤収納用収納体の
内側面の斜視図である。

【図２】本発明の他の実施例を示す蒸散剤収納用収納体
の内側面の斜視図である。

【図３】収納体に収納されるパットの外観斜視図であ
る。

【図４】図３のパットに挿入される蒸散剤の保持体の斜
視図で、（ａ）は略球形状、（ｂ）は円柱錠剤形状、
（ｃ）は矩形錠剤形状のものを示す。

【符号の説明】

１蒸散剤収納用収納体２ヒンジ３側面板４側面板１２線状挟持部材４１パック

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】蒸散液を含浸させた粒状物を封入したパ
ックを収納保持するための収納体であって、ヒンジを介
して開閉する側面板を設け、該側面板の少なくとも一方
の内面にパック内の粒状保持体の偏り、パック自体のズ
レを防止するよう複数の線状挟持部材を設けたことを特
徴とする蒸散剤収納用収納体。
【請求項２】前記線状挟持部材は連続、不連続を問わ
ず連なっているもので、縦向きと横向きあるいは斜め方
向のものを組み合わせたものであることを特徴とする請
求項１記載の蒸散剤収納用収納体。