JPH10281684A

JPH10281684A - 熱交換器

Info

Publication number: JPH10281684A
Application number: JP10382497A
Authority: JP
Inventors: Toshihiro Yamaguchi; 智弘山口
Original assignee: Sanden Corp
Current assignee: Sanden Corp
Priority date: 1997-04-07
Filing date: 1997-04-07
Publication date: 1998-10-23

Abstract

(57)【要約】【課題】回路圧損の増大を防止しつつ熱交換媒体の分
流状態を改善し、優れた熱交換性能を発揮できる熱交換
器を提供する。【解決手段】連通穴を有する仕切板によって区画され
たタンク室のうち、仕切板下流側のタンク室に、仕切板
から熱交換媒体の流れ方向下流側に向かって延び、該仕
切板の下流側領域を、前記連通穴に直接連通する部分
と、該直接連通する部分を通して連通する部分とに区画
する案内板を設けたことを特徴とする熱交換器。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、タンク内部が複数
の室に区画される熱交換器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、タンク内部が、連通穴を有す
る仕切板によって複数のタンク室に区画される熱交換器
はよく知られている。たとえば、図７に示す多管式熱交
換器のタンク５０の内部は、連通穴５１を有する仕切板
５２によりタンク室５３とタンク室５４とに区画されて
いる。また、タンク５０には複数の伝熱管５５が接続さ
れており、該伝熱管５５を介してタンク５０は他のタン
ク（図示略）と連通されている。

【０００３】上記熱交換器においては、熱交換媒体（た
とえば、冷媒）の流れ方向上流側のタンク室５３に連通
する伝熱管５５ａからタンク室５３内に流入した熱交換
媒体は、仕切板５２の連通穴５１を介して熱交換媒体流
れ方向下流側のタンク室５４内に流入し、さらに、該タ
ンク室５４に連通する伝熱管５５ｂ内へ流入するように
なっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような熱交換器においては、タンク室５３からタンク室
５４内へ流入した熱交換媒体は、仕切板５２の近傍の伝
熱管５５ｂ内へ短絡的に流入し易く、タンク室５４の全
域にいきわたりにくい。このため、仕切板５２の近傍の
伝熱管５５ｂには多量の熱交換媒体が流入するのに対
し、仕切板５２から離れた伝熱管５５ｂに流入する熱交
換媒体の量が減少し、各伝熱管５５ｂ間に温度分布が発
生するおそれがある。該温度分布の発生は、熱交換器の
熱交換性能の低下を招くおそれがある。

【０００５】上記のような問題を解消すべく、連通穴５
１の径を小さく絞ることにより熱交換媒体をタンク室５
４の全体にいきわたらせようとする方法もあるが、該方
法では回路圧損が増大するおそれがある。

【０００６】本発明の課題は、回路圧損の増大を防止し
つつ、熱交換媒体の分流状態を改善し、優れた熱交換性
能を発揮できる熱交換器を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の熱交換器は、連通穴を有する仕切板によっ
て区画されたタンク室のうち、仕切板下流側のタンク室
に、仕切板から熱交換媒体の流れ方向下流側に向かって
延び、該仕切板の下流側領域を、前記連通穴に直接連通
する部分と、該直接連通する部分を通して連通する部分
とに区画する案内板を設けたことを特徴とするものから
なる。

【０００８】また、前記案内板の一部には、傾斜部を形
成することが望ましい。また、案内板には、上記連通穴
に直接連通する部分と、該直接連通する部分を通して連
通する部（以下、単に「間接的に連通する部分」と言う
こともある。）とを貫通する穴を設けることが望まし
い。

【０００９】上記のような熱交換器においては、流れ方
向下流側へと延びる案内板が設けられているので、仕切
板下流側のタンク室内に流入する熱交換媒体は、まず、
直接連通する部分へ流入し、案内板に沿ってタンク室全
域に拡がりながら、該直接連通する部分を通して連通す
る部分へと流入する。つまり、仕切板下流側のタンク室
内に流入した熱交換媒体は、短絡的に仕切板の近傍の伝
熱部（たとえば、伝熱管）へと流入するのではなく、タ
ンク室全域に均一に拡散しながら間接的に連通する部分
へ流入する。したがって、従来機構における熱交換媒体
の短絡的な流れの発生が防止され、仕切板下流側のタン
ク室に連通する伝熱管全体にわたって熱交換媒体を均一
に分配することが可能となる。その結果、仕切板の連通
穴は実質的に絞らず、したがって、回路圧損の増大を防
止しつつ、熱交換器の温度分布の発生を抑制することが
できる。

【００１０】また、案内板の一部に傾斜部を設ければ、
タンクが薄型等であって仕切板下流側のタンク室内の高
さ方向寸法が小さい場合であっても、直接連通する部分
と間接的に連通する部分とに無理なく区画することが可
能となる。

【００１１】また、案内板に、直接連通する部分と間接
的に連通する部分とを貫通する穴を設けておけば、直接
連通する部分から間接的に連通する部分へ効率よく熱交
換媒体を流入させることができ、一層均一な分配を可能
にすることができる。なお、貫通する穴の形状、個数は
とくに限定されるものではない。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の熱交換器の望ま
しい実施の形態を、図面を参照して説明する。図１ない
し図４は、本発明の第１実施態様に係る熱交換器を示し
ている。図において１は、多管式熱交換器を示してい
る。多管式熱交換器１の、上タンク２と下タンク３とは
複数の伝熱管４（円管）により互いに連通されている。
また、上タンク２には、冷媒を熱交換器１内部へと導入
する導入パイプ５と、熱交換器１内部を循環した冷媒を
外部へと導出する導出パイプ６とが接続されている。

【００１３】上タンク２の内部には、タンク２の長手方
向に延びる長仕切板７と、タンク２の幅方向に延びる短
仕切板８とが設けられている。上タンク２の内部は両仕
切板７、８により４つのタンク室９、１０、１１、１２
に区画されている。また、各タンク室９、１０、１１、
１２内には、穴１３を有する壁１４により２つに分割さ
れている。

【００１４】また、タンク室１０とタンク室１１とを区
画する短仕切板８には、タンク室１０、１１を連通する
連通穴１５が設けられている。そして、タンク室１０内
に流入した冷媒は、仕切板８の連通穴１５を介してタン
ク室１１内へと流入するようになっている。

【００１５】タンク室１１内には、案内板１６が設けら
れている。案内板１６は、連通穴１５が設けられた短仕
切板８から冷媒の流れ方向に向かって延びている。そし
て、タンク室１１内の、短仕切板８の下流側領域は、案
内板１６により、連通穴１５に直接連通する部分１７
と、該直接連通する部分１７を通して連通する、間接的
に連通する部分１８とに区画されている。また、本実施
態様においては、案内板１６には切り込み１９が設けら
れており、壁１４には切り込み２０が設けられている。
そして、切り込み１９内に壁１４が、切り込み２０内に
案内板１６の切り込み１９以外の部分（切り込み１９間
部分）が挿入されて、案内板１６が上記所定の位置関係
に固定されるようになっている。

【００１６】上記のような熱交換器１においては、導入
パイプ５から上タンク２のタンク室９内に流入した冷媒
は、図１の矢印で示すように熱交換器１内部を循環した
後、導出パイプ６から外部へと導出するようになってい
る。

【００１７】上記冷媒回路中においては、タンク室１０
内へ流入した冷媒は、短仕切板８の連通穴１５を介して
タンク室１１内に流入し、該タンク室１１の長手方向に
沿って流れながら、伝熱管４内へと流入するようになっ
ている。このため、タンク室１１に連通する伝熱管４の
うち短仕切板８から離れているものには冷媒が流入しに
くくなるおそれがる。

【００１８】しかし、本実施態様においては、タンク室
１１の短仕切板８の下流側には、案内板１６が設けられ
ている。したがって、連通穴１５を介してタンク室１１
内に流入した冷媒は、直ちに短仕切板８の近傍に接続さ
れる伝熱管４へと流入するのではなく、図２に示したよ
うに、直接連通する部分１７を通ってタンク室１１内に
均一に拡散しつつ、間接的に連通する部分１８へと流入
する。つまり、従来のように、仕切板８の近傍の伝熱管
４へと流入する冷媒の短絡的な流れを防止することがで
きるので、タンク室１１に連通する伝熱管４全体に対し
て冷媒が均等に流入するようになり、温度分布の発生を
抑制することができる。

【００１９】図５および図６は、本発明の第２実施態様
に係る熱交換器を示している。本実施態様においては、
案内板１６には、傾斜部２１が設けられている。傾斜部
２１は、短仕切板８側から直接連通する部分１７側へと
傾斜している。また、案内板１６には、部分１７と部分
１８とを貫通する穴２２が穿設されている。

【００２０】本実施態様においても、短仕切板８の連通
穴１５からタンク室１１内に流入した冷媒の短絡的な流
れが防止され、タンク室１１に連通する伝熱管４に対し
て冷媒を均一に分配することができるので、温度分布の
発生を抑制することができる。

【００２１】また、案内板１６に傾斜部２１を設けるこ
とにより、タンク２が薄型の場合、あるいはタンク２内
への伝熱管４の突出代が比較的大きい場合であっても、
連通穴１５を所望の大きさに確保しつつ、タンク室１１
の仕切板８の下流領域を容易に部分１７、１８に区画す
ることができる。したがって、とくに連通穴１５の大き
さ確保により、圧力損失の増大を抑えることができる。
なお、案内板１６の一部に傾斜部２１を設ける代わり
に、案内板１６全体を湾曲させても同様の効果を得るこ
とができる。

【００２２】また、本実施態様においては、案内板１６
に穴２２が設けられているので、直接連通する部分１７
内へ流入した冷媒の一部は穴２２を通って間接的に連通
する部分１８へと流入する。したがって、部分１８側へ
より円滑に流体を流入させることができ、流量の一層の
均一化をはかることができる。

【００２３】なお、上記実施態様は、本発明を多管式熱
交換器に適用した場合を示したがこれに限定されるもの
ではなく、他の熱交換器（たとえば、積層型熱交換器
等）へも広く適用することができる。また、上記実施態
様においては、伝熱管４がタンク内に突出して接続され
ているものを示しているが、伝熱管４の端部がタンクの
内壁と面一になるように接続される熱交換器に対しても
当然に本発明を適用することができる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱交換器
によるときは、回路圧損の増大を防止しつつ、熱交換媒
体の分流状態を改善することができるので、優れた熱交
換性能を有する熱交換器を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施態様に係る熱交換器の斜視図
である。

【図２】図１の熱交換器のタンクの縦断面図である。

【図３】図１の熱交換器のタンクの横断面図である。

【図４】図１の熱交換器のタンクのタンク室内における
案内板の設置状態を示す部分縦断面図である。

【図５】本発明の第２実施態様に係る熱交換器のタンク
の縦断面図である。

【図６】本発明の第２実施態様に係る熱交換器のタンク
の横断面図である。

【図７】従来の熱交換器のタンクの縦断面図である。

【符号の説明】

１多管式熱交換器２上タンク３下タンク４伝熱管５導入パイプ６導出パイプ７長仕切板８短仕切板９、１０、１１、１２タンク室１３穴１４壁１５連通穴１６案内板１７直接連通する部分１８間接的に連通する部分１９、２０切り込み２１傾斜部２２穴

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】連通穴を有する仕切板によって区画され
たタンク室のうち、仕切板下流側のタンク室に、仕切板
から熱交換媒体の流れ方向下流側に向かって延び、該仕
切板の下流側領域を、前記連通穴に直接連通する部分
と、該直接連通する部分を通して連通する部分とに区画
する案内板を設けたことを特徴とする熱交換器。
【請求項２】前記案内板の一部に、傾斜部が形成され
ている、請求項１の熱交換器。
【請求項３】前記案内板に、前記直接連通する部分
と、該直接連通する部分を通って連通する部分とを貫通
する穴が設けられている、請求項１または２の熱交換
器。