JP2005207615A - 蒸発器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造コストを削減しつつ、冷媒の液相とガス相とをほぼ均一に各チューブに分配して、熱交換効率を向上させることができる蒸発器を提供することを目的とする。
【解決手段】 インナーパイプ部12に設けられた冷媒用孔14は、冷媒における液相冷媒Rを導出する液相冷媒導出孔14b、14cと、冷媒におけるガス相冷媒を導出するガス相冷媒導出孔14aとを備え、液相冷媒導出孔14aが、インナーパイプ部12の周方向における下方位置で、かつ、軸方向L1における各チューブ2とチューブ2との間に対応する位置に穿設され、ガス相冷媒導出孔14b、14cが、インナーパイプ部12の周方向における上方位置で、かつ、軸方向L1における各チューブ2と対応する位置に穿設されるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は蒸発器に関し、詳細には、複数のチューブ内に冷媒を供給する入口側タンク内に挿入されたインナーパイプ部の構造に関するものである。
従来、この種の蒸発器としては、図5〜図7に示すようなものがある(例えば、特許文献1参照)。
この蒸発器100は、図5に示すように、積層された複数のチューブ101と、このチューブ101間に配置された複数の波形フィン102と、複数のチューブ101の上端に固定された入口側タンク103及び出口側タンク104と、入口側タンク103の一端側に接続された冷媒入口パイプ105と、出口側タンク104の一端側に接続された冷媒出口パイプ106とを備えている。
各チューブ101内にはチューブ101の長手方向に配置されたU字状の冷媒通路(図示せず)が形成され、この冷媒通路の一端が入口側タンク103内に、冷媒通路の他端側が出口側タンク104内にそれぞれ連通されている。
入口側タンク103内は、図7に示すように、2枚の仕切り壁107によって3つの室108a、108b、108c(A、B、Cの領域)に分割されている。また、冷媒入口パイプ105は、入口側タンク103内の全域に亘って挿入されたインナーパイプ部109を有している。このインナーパイプ部109は、A、B、Cの各室108a、108b、108cを貫通している。そして、インナーパイプ部109には、A、B、Cの各室108a、108b、108cに開口するよう3箇所に冷媒用孔109a、109b、109cが形成されている。
次に、前記蒸発器100の冷媒流れを説明する。図6には冷媒の流れの概略が示され、冷媒入口パイプ105から流入する冷媒(この場合、気液2相でなる)は、インナーパイプ部109の冷媒用孔109a、109b、109cより入口側タンク103内に流入し、入口側タンク103より各チューブ101の冷媒通路(図示せず)に流入される。
冷媒通路に流入した冷媒は、U字状の経路に沿って流れ、ここを流れる過程で外部の流体との間で熱交換が行われる。冷媒通路を流れた冷媒は、出口側タンク104内に流入し、ここで他のチューブ101の冷媒通路を循環して来た冷媒と合流し、その後に冷媒出口パイプ106より流出される。
前記蒸発器100によれば、冷媒入口パイプ105から入口側タンク103内への冷媒供給が、インナーパイプ部109の複数の冷媒吐出孔109a、109b、109cを利用して1箇所ではなく複数箇所より分割して供給され、これにより各チューブ101内に供給される冷媒の液相と気相(ガス相)の偏在を極力解消して熱交換効率の向上を図っている。
つまり、インナーパイプ部109を用いることなく冷媒入口パイプ105を入口側タンク103の一端側に単純に接続して冷媒を1箇所より供給する構造では、冷媒の内で比重の大きい液相が下方に滞留するため、冷媒入口パイプ105に近い位置に設けられたチューブ101の冷媒通路に冷媒の液相が多く、冷媒入口パイプ105より遠い位置に設けられた奥側のチューブ101の冷媒通路に冷媒のガス相が多く流入することになる。
また、前記とは逆に、チューブ101の下端側に冷媒入口パイプ105が配置されている場合には、冷媒の内で比重の小さいガス相が上方に滞留するため、冷媒入口パイプ105に近いチューブ101の冷媒通路に冷媒のガス相が多く、冷媒入口パイプ105より遠いチューブ101の冷媒通路に冷媒の液相が多く流入することになる。このように複数のチューブ101内に液相とガス相の比率の異なる冷媒が流れると、蒸発器100の全域において効率的な熱交換を行うのが困難になる。
そこで、この蒸発器100では、インナーパイプ部109を設けることによって、冷媒入口パイプ105から入口側タンク103内への冷媒の流出箇所を複数設けることにより、各チューブ101内に供給される冷媒の液相とガス相の偏在を極力解消するようにしたものである。
特開平9−166368号公報(第3頁及び第4頁、第1図〜第3図など参照)
しかしながら、かかる特許文献1の蒸発器100では、間隔を置いた各位置に単一の冷媒用孔109a、109b、109cを設けた構造であり、同一の冷媒用孔109a、109b、109cから冷媒の液相とガス相が同時に噴出されるので、ガス相の動圧を液相が受けてガス圧の強さに応じて液相が吐出される。従って、冷媒流動条件(冷媒流量の大小)により分配が不均一になり熱交換効率の低下をもたらすという問題がある。
かかる問題を解決する1つの手法として、例えば、図8に示すような蒸発器200が考案されている。この蒸発器200は、積層された複数のチューブ201と、このチューブ201間に配置された複数のアウターフィン202と、複数のチューブ201の下端側に接続された入口側タンク203に接続された冷媒入口パイプ205と、出口側タンク204に接続された冷媒出口パイプ206とを備えている。
各チューブ201は、図8の蒸発器200におけるX−X線断面を表す図9にも示すように、入口側タンク203と出口側タンク204間にインナーフィン200eが配置されるストレート状の冷媒通路200cが設けられている。
入口パイプ205は、入口側タンク203内の全域に亘って挿入されたインナーパイプ部207を備えている。このインナーパイプ部207の外径は入口側タンク203の内径よりも小さく設定されており、また、その先端が閉塞キャップ208で閉塞されている。
そして、インナーパイプ部207には、下方孔209a、中間孔209b、上方孔209cから構成される冷媒吐出孔209が、インナーパイプ部207の左右対称位置に、それぞれ設けられている。
従って、インナーパイプ部207内に流入した冷媒は、その液相Rがインナーパイプ部207内の下方の全域に貯留され、ガス相Gがインナーパイプ部207内の上方の全域に貯留される。液相Rの液位が下方孔209aに達すると、液相Rがオーバーフローにより等間隔に設けられた各下方孔209aより流出されるため、ガス相Gの動圧に基本的に影響されることなく、等間隔に設けられた下方の各冷媒用孔209aから、ほぼ均等な量の液相Rが流出されることになる。
一方、インナーパイプ部207内に貯留されたガス相Gは、ガス圧によって各冷媒用孔209より流出される。ここで、各冷媒用孔209はガス流に対してフィルタの役目をするため、等間隔に設けられた各上方孔209cからほぼ均等に流出されることになる。また、中間孔209bからは、インナーパイプ部207内のガス相Gの圧力や液相Rの液量に応じて液相Rまたはガス相Gの何れか或いは混在したものが流出される。
このようにして、この技術では、冷媒流動条件に拘わらず複数のチューブ200に冷媒の液相Rとガス相Gとがほぼ均一に分配され、熱交換効率の向上を図ることができるものの、インナーパイプ部207に穿設された冷媒用孔209の数が多いことから、製造時、穿孔工程が増して製造工数および製造コストを増加させてしまう問題がある。
また、このように冷媒用孔209の数が多い場合、各冷媒用孔209をそれぞれ対応するチューブ200の位置と対応させるための加工管理が精密になり、その分、製造コストが割高になってしまう問題もある。
これに加えて、冷媒用孔209の数が多くなると、その冷媒用孔209を加工した時の切りくずが生じて歩留まりが悪化するとともに、ごみの量が増すことから、ごみ処理問題、ひいては環境問題に発展しかねないおそれもある。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、製造コストを削減しつつ、冷媒の液相とガス相とをほぼ均一に複数のチューブに分配して、熱交換効率を格段と向上させることができる蒸発器を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、複数の積層されたチューブと、上記複数のチューブの一端側がそれぞれ連通された入口側タンクと、上記複数のチューブの他端側がそれぞれ連通された出口側タンクと、上記入口側タンク内の全域に亘り挿入されたインナーパイプ部を有し、このインナーパイプ部の冷媒用孔より冷媒を上記入口側タンク内に供給する冷媒入口パイプと、上記出口側タンク内に接続された冷媒出口パイプとを備え、上記入口側タンクが上記複数のチューブの下方に配置される蒸発器において、上記インナーパイプ部に設けられた上記冷媒用孔は、冷媒における液相冷媒を導出する液相冷媒導出孔と、上記冷媒におけるガス相冷媒を導出するガス相冷媒導出孔とを備え、上記液相冷媒導出孔が、上記インナーパイプ部の周方向における下方位置で、かつ、軸方向における上記チューブとチューブとの間に対応する位置に穿設され、上記ガス相冷媒導出孔が、上記インナーパイプ部の周方向における上方位置で、かつ、軸方向における各上記チューブと対応する位置に穿設されたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の蒸発器であって、上記ガス相冷媒導出孔が、上記インナーパイプ部を上記軸方向と垂直に分割した際の左右非対称となる位置に、各上記チューブ毎に順次左右交互に設けられたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の蒸発器であって、上記ガス相冷媒導出孔が設けられる上記軸方向の間隔は、上記チューブのピッチ間隔の整数倍の間隔であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、少なくとも請求項1から請求項3の何れか一つに記載の蒸発器であって、上記液相冷媒導出孔が設けられる軸方向の間隔は、上記チューブのピッチ間隔の2倍のピッチの間隔であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、インナーパイプ部内に流入した冷媒のうち、液相冷媒がインナーパイプ部内の下方の全域に貯留され、ガス相冷媒がインナーパイプ部内の上方の全域に貯留される。そして、液相冷媒が下方の液相冷媒導出孔より入口側タンク内へ流出するので、ガス相の動圧に基本的に影響されることなく、等間隔に設けられた下方の各液相冷媒導出孔からほぼ均等な量の液相冷媒が流出される。
一方、インナーパイプ部内に貯留されたガス相冷媒は、ガス圧によって上方の各ガス相冷媒導出孔より流出するが、各ガス相冷媒導出孔がガス流に対してフィルタの役目をすることによって等間隔に設けられた上方の各ガス相冷媒導出孔よりほぼ均等に流出される。従って、冷媒流動条件に拘わらず各々のチューブに冷媒の液相とガス相とがほぼ均一に分配され、熱交換効率の向上を図ることができる。
しかも、このとき、液相冷媒導出孔が、インナーパイプ部の周方向における下方位置で、かつ、軸方向における各チューブとチューブとの間に対応する位置に穿設され、ガス相冷媒導出孔が、インナーパイプ部の周方向における上方位置で、かつ、軸方向における各チューブと対応する位置に穿設されているので、冷媒用孔の数を全体的に削減することができる。
かくして、製造コストを削減しつつ、冷媒の液相とガス相とをほぼ均一に複数のチューブに分配して、熱交換効率を格段と向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、ガス相冷媒導出孔が、インナーパイプ部を軸方向に垂直に分割した際の左右非対称となる位置に、各チューブ毎に順次左右交互に設けられているため、インナーパイプ全体に穿設する冷媒用孔の数を、従来と比較して大幅に削減することができ、その分、製造コストの削減を図ることができる。また、インナーパイプ部内と入口側タンク内の左右位置で圧力格差が発生することを防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、チューブの数に対応した間隔でガス相冷媒導出孔が配置されるため、各チューブへのガス相冷媒分配の均一化を図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、チューブの数に対応した間隔で液相冷媒導出孔が配置されるため、各チューブへの液相冷媒分配の均一化を図ることができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施の形態は、本発明の蒸発器を、自動車用空気調和装置の蒸発器に適用した例である。
「蒸発器の構成」
図1は本実施の形態における蒸発器の概略構成を示す断面図、図2は図1の蒸発器におけるインナーパイプ部を拡大して示す要部拡大斜視図、図3は図1における蒸発器の一部を拡大して示し、(a)はガス相冷媒用孔を示すX−X線断面図、(b)は液相冷媒用孔を示すY−Y線断面図である。
図1に示すように、蒸発器1は、積層された複数のチューブ2と、このチューブ2間に配置された複数のアウターフィン5と、複数のチューブ2の上端側に接続された入口側タンク10に接続された冷媒入口パイプ3と、出口側タンク11に接続された冷媒出口パイプ4とを備えている。
各チューブ2は、入口側タンク10と出口側タンク11間にインナーフィン2eが配置されるストレート状の冷媒通路2cを有している。この冷媒通路2cの下端側は入口側タンク10と、上端側は出口側タンク11に連通している。
入口パイプ3は、図1及び図2に示すように、入口側タンク10内の全域に亘って挿入されたインナーパイプ部12を備えている。このインナーパイプ部12の外径は入口側タンク10の内径よりも小さく設定されており、また、その先端が閉塞キャップ13で閉塞されている。
インナーパイプ部12には、その径が好ましくは0.5〔mm〕〜数〔mm〕程度(本実施の形態の場合、1〔mm〕)の大きさの冷媒用孔14が多数設けられている。この多数の冷媒用孔14は、インナーパイプ部12の下方に設けられる液相冷媒導出孔14aと、インナーパイプ部12の上方に設けられるガス相冷媒導出孔14b、14cとからなる。
液相冷媒導出孔14aは、チューブ2の積層方向である軸方向L1における各チューブ2とチューブ2との間の位置で、且つ、隣の液相冷媒導出孔14aとの距離は2倍のピッチで、周方向(軸方向L1の直交方向)に対して下側の下端部に設けられている。
また、ガス相冷媒導出孔14b、14cは、前記軸方向L1に対して等間隔(すなわち、チューブ2のピッチPの間隔)の位置で、且つ、周方向(軸方向L1の直交方向)に対して上側の上端部に設けられている。具体的には、このガス相冷媒導出孔14b、14cは、それぞれインナーパイプ部12に対して左右非対称となる位置に設けられ、各チューブ2毎に順次左右交互に穿設されている。換言すれば、ガス相冷媒導出孔14b、14cは、インナーパイプ部12の中心を境とする左右両側において、各チューブ2の2ピッチPに1個として形成されており、一方の面側に形成される各ガス相冷媒導出孔14bの間に、他方の面側に形成されるガス相冷媒導出孔14cが配置されるように設けられている。
[実験による考察]
ここで、上記蒸発器1の冷媒流れを説明する。入口パイプ3から流入する冷媒は、インナーパイプ部12の冷媒用孔14より入口側タンク10内に流入し、各チューブ2の冷媒通路2cに流入される。各冷媒通路2cに流入した冷媒は、各冷媒通路2cを上方に向かって流れ、出口側タンク11に入り他のチューブ2の冷媒通路2cを循環して来た冷媒と合流し、出口パイプ4より流出される。そして、前記冷媒通路2cを流れる過程で外部の流体との間で熱交換が行われる。
次に、前記冷媒流通過程中にあって、インナーパイプ部12内から入口側タンク10内に冷媒が供給される動作を詳しく説明する。
インナーパイプ部12内に流入した冷媒は、そのうちの液相冷媒Rが比重が重いことからインナーパイプ部12内の下方の全域に滞留し、ガス相冷媒Gが比重が軽いことからインナーパイプ部12内の上方の全域に滞留する。このとき、液相冷媒Rはインナーパイプ部12の下部に等間隔で設けられた液相冷媒導出孔14aより流出される。
このように、液相冷媒Rは、下方の液相冷媒導出孔14aより流出されるが、このとき、各チューブ2における液相冷媒Rの流量の平均値を表すグラフである図4に示すように、インナーパイプ部12全体に亘って圧力が均一になるため、当該インナーパイプ部12全域に亘って液位が維持されて、液相冷媒Rは入口側タンク10内に均等に分配される。従って、液相冷媒Rは、ガス相の動圧に基本的に影響されることなく、等間隔に設けられた当該液相冷媒導出孔14aからほぼ均等な量で流出されることになる。
なお、図4中横軸は、蒸発器1における各チューブ2の番号を示しており、この場合、冷媒の導入方向に向かって順に1、2、3・・・28、29、30番としている。
一方、インナーパイプ部12内に貯留されたガス相Gは、ガス圧によって各ガス相冷媒導出孔14b、14cより流出される。このとき、インナーパイプ部12全体に亘って圧力が均一になるため、当該インナーパイプ部12全域に亘ってガス圧が維持されて、ガス相Gは各チューブ2に均等に分配される。従って、各ガス相冷媒導出孔14b、14cはガス流に対してフィルタの役目をするため、等間隔に設けられた各ガス相冷媒導出孔14b、14cからほぼ均等に流出されることになる。
このようにして、本実施の形態における蒸発器1では、冷媒流動条件に拘わらず各チューブ2に冷媒の液相Rとガス相Gがほぼ均一に分配され、熱交換効率の向上を図ることができる。
以上、説明したように、かかる本実施の形態では、冷媒用孔14は、インナーパイプ部12の周方向に対して下部と上部のそれぞれ1箇所に設けられた液相冷媒導出孔14a、ガス相冷媒導出孔14b、14cから構成されているので、液相冷媒導出孔14aからは主に冷媒の液相Rが流出し、ガス相冷媒導出孔14b、14cからは主に冷媒のガス相Gが流出することになる。従って、液相Rがガス相Gの動圧の影響をほとんど受けることがなく、各チューブ2への均一な分配に寄与することとなる。
また、上述の本実施の形態では、ガス相冷媒導出孔14b、14cが設けられる軸方向L1の間隔は、チューブ2のピッチP間隔であり、液相冷媒導出孔14aが設けられる軸方向L1の間隔は、チューブ2のピッチP間隔の2倍のピッチ間隔であるので、チューブ2の数に対応した間隔で冷媒用孔14が配置されるため、各チューブ2への冷媒分配の均一化を図ることができる。
さらに、上述の本実施の形態では、ガス相冷媒導出孔14b、14cは、インナーパイプ部12の左右非対称位置にそれぞれ設けられているので、インナーパイプ部12の左右位置から冷媒のガス相Gをそれぞれ流出できるため、インナーパイプ部12内から冷媒のガス相Gがスムーズに流出される。また、インナーパイプ部12内や入口側タンク10内の左右位置で圧力格差が発生することを防止することができる。
「その他の実施の形態」
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に制限されることなく種々の変更が可能である。
例えば、上述した実施の形態では、図2に示したように、前記液相冷媒導出孔14aをチューブ2つ置きに形成したが、各チューブ間毎に液相冷媒導出孔14aを形成しても同様の効果がある。
また、上述した実施の形態では、各チューブ2、2間にアウターフィン5が配設される蒸発器1について述べたが、本発明はこれに限らず、蒸発器としては、例えば、前記アウターフィン5を設けない蒸発器においても広く適用することができる。なお、この場合においても、上述の蒸発器1とほぼ同様の効果を得ることができる。
本発明の一実施の形態における蒸発器の断面図である。 図1における蒸発器のインナーパイプ部を拡大して示す斜視図である。 図1における蒸発器の一部を拡大して示し、(a)はガス相冷媒用孔を示すX−X線断面図、(b)は液相冷媒用孔を示すY−Y線断面図である。 各チューブにおける液相冷媒Rの流量の平均値を表すグラフである。 従来の蒸発器の概略構成を示す斜視図である。 従来の蒸発器における冷媒流れを示す概念図である。 図5の蒸発器におけるC−C線断面図である。 従来の他の蒸発器における概略構成を示す断面図である。 図8における蒸発器のX−X線断面図である。
符号の説明
1…蒸発器
2…チューブ
3…冷媒入口パイプ
4…冷媒出口パイプ
5…アウターフィン
10…入口側タンク
11…出口側タンク
12…インナーパイプ部
14…冷媒用孔
14a…液相冷媒導出孔
14b、14c…ガス相冷媒導出孔
L1…軸方向
P…ピッチ
R…液相冷媒
G…ガス相冷媒

Claims (4)

  1. 複数の積層されたチューブ(2)と、上記複数のチューブ(2)の一端側がそれぞれ連通された入口側タンク(10)と、上記複数のチューブ(2)の他端側がそれぞれ連通された出口側タンク(11)と、上記入口側タンク(10)内の全域に亘り挿入されたインナーパイプ部(12)を有し、このインナーパイプ部(12)の冷媒用孔(14)より冷媒を上記入口側タンク(10)内に供給する冷媒入口パイプ(3)と、上記出口側タンク(11)内に接続された冷媒出口パイプ(4)とを備え、上記入口側タンク(10)が上記複数のチューブ(2)の下方に配置される蒸発器(1)において、
    上記インナーパイプ部(12)に設けられた上記冷媒用孔(14)は、上記冷媒における液相冷媒(R)を導出する液相冷媒導出孔(14a)と、上記冷媒におけるガス相冷媒(G)を導出するガス相冷媒導出孔(14b、14c)とを備え、
    上記液相冷媒導出孔(14a)が、上記インナーパイプ部(12)の周方向における下方位置で、かつ、軸方向(L1)における上記チューブ(2)とチューブ(2)との間に対応する位置に穿設され、
    上記ガス相冷媒導出孔(14b、14c)が、上記インナーパイプ部(12)の周方向における上方位置で、かつ、軸方向(L1)における各上記チューブ(2)と対応する位置に穿設された
    ことを特徴とする蒸発器。
  2. 請求項1に記載の蒸発器(1)であって、
    上記ガス相冷媒導出孔(14b、14c)が、上記インナーパイプ部(12)を上記軸方向(L1)と垂直に分割した際の左右非対称となる位置に、各上記チューブ(2)毎に順次左右交互に設けられた
    ことを特徴とする蒸発器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の蒸発器(1)であって、
    上記ガス相冷媒導出孔(14b、14c)が設けられる上記軸方向(L1)の間隔は、上記チューブ(2)のピッチ(P)間隔の整数倍の間隔である
    ことを特徴とする蒸発器。
  4. 少なくとも請求項1から請求項3の何れか一つに記載の蒸発器(1)であって、
    上記液相冷媒導出孔(14a)が設けられる軸方向(L1)の間隔は、上記チューブ(2)のピッチ(P)間隔の2倍のピッチの間隔である
    ことを特徴とする蒸発器。
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