以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1〜図5を用いて説明する。本実施形態に係る冷媒蒸発器は、車室内の温度を調整する車両用空調装置の蒸気圧縮式の冷凍サイクルに適用され、車室内へ送風する送風空気から吸熱して冷媒(液相冷媒)を蒸発させることで、送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。なお、本実施形態では、送風空気が特許請求の範囲における「外部を流れる被冷却流体」に相当する。
冷凍サイクルは、周知の如く、冷媒蒸発器1以外に、図示しない圧縮機、放熱器(凝縮器)、膨張弁等を備えおり、本実施形態では、放熱器と膨張弁との間に受液器を配置するレシーバサイクルとして構成されている。また、冷凍サイクルの冷媒には、圧縮機を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
図1および図2に示すように、本実施形態の冷媒蒸発器1は、送風空気の流れ方向(被冷却流体の流れ方向)Xに対して直列に配置された2つの蒸発部10、20を備えて構成されている。ここで、本実施形態では、2つの蒸発部10、20のうち、送風空気の流れ方向Xの風上側(上流側)に配置される蒸発部を風上側蒸発部10と称し、送風空気の流れ方向Xの風下側(下流側)に配置される蒸発部を風下側蒸発部20と称する。なお、本実施形態における風上側蒸発部10が、特許請求の範囲の「第2蒸発部」を構成し、風下側蒸発部20が、特許請求の範囲の「第1蒸発部」を構成している。
風上側蒸発部10および風下側蒸発部20の基本的構成は同一であり、それぞれ熱交換コア部11、21と、熱交換コア部11、21の上下両側に配置された一対のタンク部12、13、22、23を有して構成されている。
なお、本実施形態では、風上側蒸発部10における熱交換コア部を風上側熱交換コア部11と称し、風下側蒸発部20における熱交換コア部を風下側熱交換コア部21と称する。また、風上側蒸発部10における一対のタンク部12、13のうち、上方側に配置されるタンク部を第1風上側タンク部12と称し、下方側に配置されるタンク部を第2風上側タンク部13と称する。同様に、風下側蒸発部20における一対のタンク部22、23のうち、上方側に配置されるタンク部を第1風下側タンク部22と称し、下方側に配置されるタンク部を第2風下側タンク部23と称する。
本実施形態の風上側熱交換コア部11および風下側熱交換コア部21それぞれは、上下方向に延びる複数のチューブ111、211と、隣り合うチューブ111、211の間に接合されるフィン112とが交互に積層配置された積層体で構成されている。なお、以下、複数のチューブ111、211および複数のフィン112の積層体における積層方向をチューブ積層方向と称する。
ここで、風上側熱交換コア部11は、複数のチューブ111のうち、一部のチューブ群で構成される第1風上側熱交換コア部11a、および残部のチューブ群で構成される第2風上側熱交換コア部11bを有している。なお、本実施形態における第1風上側熱交換コア部11aが、特許請求の範囲における「第3コア部」を構成し、第2風上側熱交換コア部11bが、特許請求の範囲における「第4コア部」を構成する。
本実施形態では、風上側熱交換コア部11を送風空気の流れ方向Xから見たときに、チューブ積層方向の右側に存するチューブ群で第1風上側熱交換コア部11aが構成され、チューブ積層方向の左側に存するチューブ群で第2風上側熱交換コア部11bが構成されている。
また、風下側熱交換コア部21は、複数のチューブ211のうち、一部のチューブ群で構成される第1風下側熱交換コア部21a、および残部のチューブ群で構成される第2風下側熱交換コア部21bを有している。なお、本実施形態における第1風下側熱交換コア部21aが、特許請求の範囲における「第1コア部」を構成し、第2風下側熱交換コア部21bが、特許請求の範囲における「第2コア部」を構成する。
本実施形態では、風下側熱交換コア部21を送風空気の流れ方向Xから見たときに、チューブ積層方向の右側に存するチューブ群で第1風下側熱交換コア部21aが構成され、チューブ積層方向の左側に存するチューブ群で第2風下側熱交換コア部21bが構成されている。なお、本実施形態では、送風空気の流れ方向Xから見たときに、第1風上側熱交換コア部11aおよび第1風下側熱交換コア部21aそれぞれが重合(対向)するように配置されると共に、第2風上側熱交換コア部11bおよび第2風下側熱交換コア部21bそれぞれが重合(対向)するように配置されている。
各チューブ111、211は、内部に冷媒が流れる冷媒通路が形成されると共に、その断面形状が送風空気の流れ方向Xに沿って延びる扁平形状となる扁平チューブで構成されている。
風上側熱交換コア部11のチューブ111は、長手方向の一端側(上端側)が第1風上側タンク部12に接続されると共に、長手方向の他端側(下端側)が第2風上側タンク部13に接続されている。また、風下側熱交換コア部21のチューブ211は、長手方向の一端側(上端側)が第1風下側タンク部22に接続されると共に、長手方向の他端側(下端側)が第2風下側タンク部23に接続されている。
各フィン112は、薄板材を波上に曲げて成形したコルゲートフィンであり、チューブ111、211における平坦な外面側に接合され、送風空気と冷媒との伝熱面積を拡大させるための熱交換促進手段として機能する。
チューブ111、211およびフィン112の積層体には、チューブ積層方向の両端部に、各熱交換コア部11、12を補強するサイドプレート113が配置されている。なお、サイドプレート113は、チューブ積層方向の最も外側に配置されたフィン112に接合されている。
第1風上側タンク部12は、一端側(送風空気の流れ方向Xから見たときの左側端部)が閉塞されると共に、他端側(送風空気の流れ方向Xから見たときの右側端部)にタンク内部から圧縮機(図示略)の吸入側に冷媒を導出するための冷媒導出部12aが形成された筒状の部材で構成されている。この第1風上側タンク部12は、底部に各チューブ111の一端側(上端側)が挿入接合される貫通穴(図示略)が形成されている。つまり、第1風上側タンク部12は、その内部空間が風上側熱交換コア部11の各チューブ111に連通するように構成されており、風上側熱交換コア部11の各熱交換コア部11a、11bからの冷媒を集合させる冷媒集合部として機能する。
冷媒導出部12aは、第1風上側タンク部12における、チューブ積層方向における後述する冷媒導入部22aと同一側の端部に設けられている。また、第1風上側熱交換コア部11aは、第2風上側熱交換コア部11bよりも冷媒導出部12aに近い側に配置されている。換言すると、冷媒導出部12aは、第1風上側タンク部12における、チューブ積層方向の第1風上側熱交換コア部11a側の端部に設けられている。
第1風下側タンク部22は、一端側が閉塞されると共に、他端側にタンク内部に膨張弁(図示略)にて減圧された低圧冷媒を導入するための冷媒導入部22aが形成された筒状の部材で構成されている。この第1風下側タンク部22は、底部に各チューブ211の一端側(上端側)が挿入接合される貫通穴(図示略)が形成されている。つまり、第1風下側タンク部22は、その内部空間が風下側熱交換コア部21の各チューブ211に連通するように構成されており、風下側熱交換コア部21の各熱交換コア部21a、21bへ冷媒を分配する冷媒分配部として機能する。
冷媒導入部22aは、第1風下側タンク部22における、チューブ積層方向の一端側に設けられている。第1風下側熱交換コア部21aは、第2風下側熱交換コア部21bよりも冷媒導入部22aに近い側に配置されている。換言すると、冷媒導入部22aは、第1風下側タンク部22における、チューブ積層方向の第1風下側熱交換コア部21a側の端部に設けられている。
第2風上側タンク部13は、両端側が閉塞された筒状の部材で構成されている。この第2風上側タンク部13は、天井部に各チューブ111の他端側(下端側)が挿入接合される貫通穴(図示略)が形成されている。つまり、第2風上側タンク部13は、その内部空間が各チューブ111に連通するように構成されている。
また、第2風上側タンク部13の内部には、長手方向の中央位置に仕切部材131が配置されており、この仕切部材131によって、タンク内部空間が第1風上側熱交換コア部11aを構成する各チューブ111が連通する空間と、第2風上側熱交換コア部11bを構成する各チューブ111が連通する空間とに仕切られている。
ここで、第2風上側タンク部13の内部のうち、第1風上側熱交換コア部11aを構成する各チューブ111に連通する空間が、第1風上側熱交換コア部11aに冷媒を分配する第1冷媒分配部13aを構成し、第2風上側熱交換コア部11bを構成する各チューブ111に連通する空間が、第2風上側熱交換コア部11bに冷媒を分配する第2冷媒分配部13bを構成する。
第2風下側タンク部23は、両端側が閉塞された筒状の部材で構成されている。この第2風下側タンク部23は、天井部に各チューブ211の他端側(下端側)が挿入接合される貫通穴(図示略)が形成されている。つまり、第2風下側タンク部23は、その内部空間が各チューブ211に連通するように構成されている。
第2風下側タンク部23の内部には、長手方向の中央位置に仕切部材231が配置されており、この仕切部材231によって、タンク内部空間が第1風下側熱交換コア部21aを構成する各チューブ211が連通する空間と、第2風下側熱交換コア部21bを構成する各チューブ211が連通する空間とに仕切られている。
ここで、第2風下側タンク部23の内部のうち、第1風下側熱交換コア部21aを構成する各チューブ211に連通する空間が、第1風下側熱交換コア部21aからの冷媒を集合させる第1冷媒集合部23aを構成し、第2風下側熱交換コア部21bを構成する各チューブ211が連通する空間が、第2風下側熱交換コア部21bからの冷媒を集合させる第2冷媒集合部23bを構成する。
第2風上側タンク部13、および第2風下側タンク部23それぞれは、冷媒入替部30を介して連結されている。この冷媒入替部30は、第2風下側タンク部23における第1冷媒集合部23a内の冷媒を第2風上側タンク部13における第2冷媒分配部13bに導くと共に、第2風下側タンク部23における第2冷媒集合部23b内の冷媒を第2風上側タンク部13における第1冷媒分配部13aに導くように構成されている。すなわち、冷媒入替部30は、冷媒の流れを各熱交換コア部11、21においてコア幅方向に入れ替えるように構成されている。
具体的には、冷媒入替部30は、2つの中間タンク部31、32を有して構成されている。2つの中間タンク部31、32は、それぞれ、内部に冷媒が流通する冷媒流通路が形成された筒状の部材で構成されている。
2つの中間タンク部31のうち、一方の中間タンク部(以下、第1中間タンク部31と称する)は、第2風下側タンク部23の第1冷媒集合部23aと、第2風上側タンク部13の第2冷媒分配部13bとを連通させる第1冷媒流通路31aを形成している。2つの中間タンク部31のうち、他方の中間タンク部(以下、第2中間タンク部32と称する)は、第2風下側タンク部23の第2冷媒集合部23bと、第2風上側タンク部13の第1冷媒分配部13aとを連通させる第2冷媒流通路32aを形成している。
ここで、本実施形態では、第1中間タンク部31における第1冷媒流通路31aが、特許請求の範囲に記載の「第1連通部」を構成している。また、第2中間タンク部32における第2冷媒流通路32aが、特許請求の範囲に記載の「第2連通部」を構成している。
ところで、第2風上側タンク部13における仕切部材131よりも冷媒導出部12a側の部分には、その表裏を貫通する第1風上側貫通穴13cが形成されている。また、第2風上側タンク部13における仕切部材131よりも冷媒導出部12aと反対側の部分には、その表裏を貫通する第2風上側貫通穴13dが形成されている。
第2風下側タンク部23における仕切部材231よりも冷媒導入部22a側の部分には、その表裏を貫通する第1風下側貫通穴23cが形成されている。また、第2風下側タンク部23における仕切部材231よりも冷媒導入部22aと反対側の部分には、その表裏を貫通する第2風下側貫通穴23dが形成されている。
第1中間タンク部31における第1風下側貫通穴23cと対応する部位には、その表裏を貫通する第1中間タンク部側貫通穴31bが形成されている。第1中間タンク部側貫通穴31bは、第1風下側貫通穴23cと直接または他の連通部材(流路形成部材)を介して連通している。
第1中間タンク部31における第2風上側貫通穴13dと対応する部位には、その表裏を貫通する第2中間タンク部側貫通穴31cが形成されている。第2中間タンク部側貫通穴31cは、第2風上側貫通穴13dと直接または他の連通部材(流路形成部材)を介して連通している。
第2中間タンク部32における第2風下側貫通穴23dと対応する部位には、その表裏を貫通する第3中間タンク部側貫通穴32bが形成されている。第3中間タンク部側貫通穴32bは、第2風下側貫通穴23dと直接または他の連通部材(流路形成部材)を介して連通している。
第2中間タンク部32における第1風上側貫通穴13cと対応する部位には、その表裏を貫通する第4中間タンク部側貫通穴32cが形成されている。第4中間タンク部側貫通穴32cは、第1風上側貫通穴13cと直接または他の連通部材(流路形成部材)を介して連通している。
第1風下側タンク部22内部には、冷媒導入部22aから導入された冷媒の一部を、第2風下側熱交換コア部21b側に導くガイド部40が設けられている。ガイド部40は、チューブ積層方向に延びる円筒状に形成されている。ガイド部40の一端部は、冷媒導入部22aに接続されている。ガイド部40の他端部は、第1風下側タンク部22におけるチューブ積層方向の略中央部に位置している。
このように構成されたガイド部40を設けることにより、冷媒導入部22aから導入された冷媒の多くは、ガイド部40を介して第2風下側熱交換コア部21b側に導かれて、第2風下側熱交換コア部21bに流入する。また、冷媒導入部22aから導入された冷媒の一部は、ガイド部40から流出した後、第1風上側コア部21a側に流れて、第1風下側熱交換コア部21aに流入する。
次に、本実施形態に係る冷媒蒸発器1における冷媒の流れについて、図3を用いて説明する。
図3に示すように、膨張弁(図示略)にて減圧された低圧冷媒は、矢印Aの如く第1風下側タンク部22の一端側に形成された冷媒導入部22aから、ガイド部40を介してタンク内部に導入される。第1風下側タンク部22の内部に導入された冷媒は、矢印Bの如く風下側熱交換コア部21の第1風下側熱交換コア部21aを下降するとともに、矢印Cの如く風下側熱交換コア部21の第2風下側熱交換コア部21bを下降する。
第1風下側熱交換コア部21aを下降した冷媒は、矢印Dの如く第2風下側タンク部23の第1冷媒集合部23aに流入する。一方、第2風下側熱交換コア部21bを下降した冷媒は、矢印Eの如く第2風下側タンク部23の第2冷媒集合部23bに流入する。
第1冷媒集合部23aに流入した冷媒は、矢印Fの如く、第1風下側貫通穴23cおよび第1中間タンク部側貫通穴31bを介して第1中間タンク部31の第1冷媒流通路31aに流入する。また、第2冷媒集合部23bに流入した冷媒は、矢印Gの如く、第2風下側貫通穴23dおよび第3中間タンク部側貫通穴32bを介して第2中間タンク部32の第2冷媒流通路32aに流入する。
第1冷媒流通路31aに流入した冷媒は、矢印Hの如く、第2中間タンク部側貫通穴31cおよび第2風上側貫通穴13dを介して第2風上側タンク部13の第2冷媒分配部13bに流入する。また、第2冷媒流通路32aに流入した冷媒は、矢印Iの如く、第4中間タンク部側貫通穴32cおよび第1風上側貫通穴13cを介して第2風上側タンク部13の第1冷媒分配部13aに流入する。
第2風上側タンク部13の第2冷媒分配部13bに流入した冷媒は、矢印Jの如く風上側熱交換コア部11の第2風上側熱交換コア部11bを上昇する。一方、第1冷媒分配部13aに流入した冷媒は、矢印Kの如く風上側熱交換コア部11の第1風上側熱交換コア部11aを上昇する。
第2風上側熱交換コア部11bを上昇した冷媒、および第1風上側熱交換コア部11aを上昇した冷媒は、それぞれ矢印L、Mの如く第1風上側タンク部12のタンク内部に流入し、矢印Nの如く第1風上側タンク部12の一端側に形成された冷媒導出部12aから圧縮機(図示略)吸入側に導出される。
以上説明した本実施形態に係る冷媒蒸発器1では、風下側蒸発部20における第1風下側タンク部22の内部に、冷媒導入部22aから導入された冷媒の一部を第2風下側熱交換コア部21b側に導くガイド部40を設けている。これにより、図4に示すように、冷凍サイクルを流れる冷媒流量が低流量の場合であっても、冷媒導入部22aから導入された液相冷媒を第2風下側熱交換コア部21bに確実に流入させることができる。
その結果、図5に示すように、風上側蒸発部10の第1風上側熱交換コア部11aに、液相冷媒を確実に流通させることができる。これにより、風上側蒸発部10の第2風上側熱交換コア部11bから第1風上側タンク部12に流入した冷媒が、冷媒導出部12aに向かって流れる際に第1風上側熱交換コア部11aに逆流することを抑制できる。このため、冷媒蒸発器1の内部に冷凍機油が停滞することを抑制できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図6に基づいて説明する。本第2実施形態は、上記第1実施形態と比較して、ガイド部40の構成が異なるものである。
図6に示すように、本実施形態のガイド部40における下方側の部位、すなわちチューブ211の長手方向における第2風下側タンク部23に近い側の部位には、複数の貫通孔41が設けられている。この貫通孔41により、冷媒導入部22aから導入された冷媒の一部が第1風下側熱交換コア部21a側に導かれる。したがって、本実施形態の貫通孔41が、特許請求の範囲における「開口部」に相当している。
本実施形態によれば、冷媒導入部22aからガイド部40に流入した液相冷媒の一部を、貫通孔41を介して第1風下側熱交換コア部21aに流入させることができる。このため、第2風上側熱交換コア部11bに流れる液相冷媒の流量を増加させることができるので、冷媒蒸発器1を送風空気の流れ方向Xから見たときに、風上側熱交換コア部11および風下側熱交換コア部21における重合する部位の全域に液相冷媒を流しやすくすることができる。したがって、冷媒蒸発器1を通過する送風空気に温度分布が生じることを抑制できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図7に基づいて説明する。本第3実施形態は、上記第1実施形態と比較して、ガイド部40の構成が異なるものである。
図7に示すように、本実施形態のガイド部40は、チューブ211の長手方向に直交する平板状に形成されている。ガイド部40は、冷媒導入部22aから導入された液相冷媒が当該ガイド部40の上面を流れるように、冷媒導入部22aに接続されている。また、ガイド部40は、第1風下側タンク部22の内壁面に接合されている。
これによれば、冷凍サイクルを流れる冷媒流量が低流量の場合であっても、冷媒導入部22aから導入された液相冷媒を第2風下側熱交換コア部21bに確実に流入させることができるので、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図8に基づいて説明する。本第4実施形態は、上記第1実施形態と比較して、ガイド部40の構成が異なるものである。
図8に示すように、本実施形態のガイド部40は、第1風下側タンク部22内の空間を、冷媒導入部22aおよび第2風下側熱交換コア部21bと連通する第1空間221と、第1風下側熱交換コア部21aと連通する第2空間222とに仕切るように構成されている。第1空間221は、送風空気の流れ方向Xから見た断面が略L字状に形成されている。第2空間222は、第1空間221と第1風下側熱交換コア部21aとの間に配置されている。
具体的には、ガイド部40は、チューブ211の長手方向に直交する平板状に形成された第1平板部42と、チューブ積層方向に直交する平板状に形成された第2平板部43とを有して構成されている。第1平板部42におけるチューブ積層方向の一端部は、冷媒導入部22aの下端部に接続されている。第1平板部42におけるチューブ積層方向の他端部は、第1風下側タンク部22におけるチューブ積層方向の略中央部に位置している。第2平板部43は、第1平板部42におけるチューブ積層方向の他端部に接続されている。第1平板部42および第2平板部43は、第1風下側タンク部22の内壁面に接合されている。
ガイド部40における第1平板部42には、複数の貫通孔41が設けられている。この貫通孔41により、冷媒導入部22aから導入された冷媒の一部が第1風下側熱交換コア部21a側に導かれる。すなわち、第1空間221と第2空間222とが、貫通孔41を介して連通している。ここで、本実施形態の貫通孔41が、特許請求の範囲における「開口部」に相当している。
以上説明したように、第1風下側タンク部22の内部にガイド部40を設けることにより、冷凍サイクルを流れる冷媒流量が低流量の場合であっても、冷媒導入部22aから導入された液相冷媒を第2風下側熱交換コア部21bに確実に流入させることができる。これにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、ガイド部40の第1平板部42に貫通孔41を設けることにより、冷媒導入部22aからガイド部40(第1平板部42)の上面に流入した液相冷媒の一部を、貫通孔41を介して第1風下側熱交換コア部21aに流入させることができる。このため、第2風上側熱交換コア部11bに流れる液相冷媒の流量を増加させることができるので、冷媒蒸発器1を送風空気の流れ方向Xから見たときに、風上側熱交換コア部11および風下側熱交換コア部21における重合する部位の全域に液相冷媒を流しやすくすることができる。したがって、冷媒蒸発器1を通過する送風空気に温度分布が生じることを抑制できる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図9に基づいて説明する。本第5実施形態は、上記第1実施形態と比較して、風上側熱交換コア部11および風下側熱交換コア部21の構成が異なるものである。
図9は、風上側熱交換コア部11から風下側熱交換コア部21への冷媒流れを説明する図であり、図示の都合上、風下側熱交換コア部21を上下逆に図示している。すなわち、図9のように冷媒が流れる冷媒蒸発器1において、第1風下側タンク部22は上方に、第2風下側タンク部23は下方に配されている。
図9に示すように、風上側熱交換コア部11は、複数のチューブ111のうち、一部のチューブ群で構成される第1風上側熱交換コア部11aを有している。さらに、風上側熱交換コア部11は、第1風上側熱交換コア部11aを構成するチューブ郡を除いた残部のチューブ郡のうち、一部のチューブ郡で構成される第2風上側熱交換コア部11b、および残部のチューブ群で構成される第3風上側熱交換コア部11bを有している。
なお、本実施形態における第1風上側熱交換コア部11aが、特許請求の範囲における「第3コア部」を構成し、第2風上側熱交換コア部11bが、特許請求の範囲における「第4コア部」を構成する。
本実施形態では、風上側熱交換コア部11を送風空気の流れ方向Xから見たときに、チューブ積層方向の右側に存するチューブ群で第1風上側熱交換コア部11aが構成され、チューブ積層方向の左側に存するチューブ群で第2風上側熱交換コア部11bが構成されている。また、風上側熱交換コア部11を送風空気の流れ方向Xから見たときに、チューブ積層方向の中央部に存するチューブ群で第3風上側熱交換コア部11cが構成されている。
また、風下側熱交換コア部21は、複数のチューブ211のうち、一部のチューブ群で構成される第1風下側熱交換コア部21aを有している。さらに、風下側熱交換コア部21は、第1風下側熱交換コア部21aを構成するチューブ郡を除いた残部のチューブ郡のうち、一部のチューブ群で構成される第2風下側熱交換コア部21b、および残部のチューブ群で構成される第3風下側熱交換コア部21cを有している。
なお、本実施形態における第1風下側熱交換コア部21aが、特許請求の範囲における「第1コア部」を構成し、第2風下側熱交換コア部21bが、特許請求の範囲における「第2コア部」を構成する。
本実施形態では、風下側熱交換コア部21を送風空気の流れ方向Xから見たときに、チューブ積層方向の右側に存するチューブ群で第1風下側熱交換コア部21aが構成され、チューブ積層方向の左側に存するチューブ群で第2風下側熱交換コア部21bが構成されている。また、風下側熱交換コア部21を送風空気の流れ方向Xから見たときに、チューブ積層方向の中央部に存するチューブ群で第3風下側熱交換コア部21cが構成されている。
なお、本実施形態では、送風空気の流れ方向Xから見たときに、第1風上側熱交換コア部11aおよび第1風下側熱交換コア部21aそれぞれが重合(対向)するように配置されると共に、第2風上側熱交換コア部11bおよび第2風下側熱交換コア部21bそれぞれが重合(対向)するように配置されている。さらに、送風空気の流れ方向Xから見たときに、第3風上側熱交換コア部11cおよび第3風下側熱交換コア部21cそれぞれが重合(対向)するように配置されている。
第1風上側熱交換コア部11aは、第2風上側熱交換コア部11bおよび第3風上側熱交換コア部11cの双方よりも冷媒導出部12aに近い側に配置されている。また、第3風上側熱交換コア部11cは、第2風上側熱交換コア部11bよりも冷媒導出部12aに近い側に配置されている。つまり、第1風上側熱交換コア部11a、第3風上側熱交換コア部11cおよび第2風上側熱交換コア部11bは、冷媒導出部12aに近い側からこの順に配置されている。
第1風下側熱交換コア部21aは、第2風下側熱交換コア部21bおよび第3風下側熱交換コア部21cの双方よりも冷媒導入部22aに近い側に配置されている。また、第3風下側熱交換コア部21cは、第2風下側熱交換コア部21bよりも冷媒導入部22aに近い側に配置されている。つまり、第1風下側熱交換コア部21a、第3風下側熱交換コア部21cおよび第2風下側熱交換コア部21bは、冷媒導入部22aに近い側からこの順に配置されている。
下方に配される第2風上側タンク部13の内部には、2枚の仕切部材131が等間隔に配置されている。この2枚の仕切部材131によって、タンク内部空間が第1風上側熱交換コア部11aを構成する各チューブ111が連通する空間と、第2風上側熱交換コア部11bを構成する各チューブ111が連通する空間と、第3風上側熱交換コア部11cを構成する各チューブ111が連通する空間とに仕切られている。
ここで、第2風上側タンク部13の内部のうち、第3風上側熱交換コア部11cを構成する各チューブ111に連通する空間が、第3風上側熱交換コア部11cに冷媒を分配する第3冷媒分配部13cを構成する。
下方に配される第2風下側タンク部23の内部には、2枚の仕切部材231が等間隔に配置されている。この2枚の仕切部材231によって、タンク内部空間が第1風下側熱交換コア部21aを構成する各チューブ211が連通する空間と、第2風下側熱交換コア部21bを構成する各チューブ211が連通する空間と、第3風下側熱交換コア部21cを構成する各チューブ211が連通する空間とに仕切られている。
ここで、第2風下側タンク部23の内部のうち、第3風下側熱交換コア部21cを構成する各チューブ211が連通する空間が、第3風下側熱交換コア部21bからの冷媒を集合させる第3冷媒集合部23cを構成する。
本実施形態の冷媒入替部30は、第2風下側タンク部23における第1冷媒集合部23a内の冷媒を第2風上側タンク部13における第2冷媒分配部13bに導くと共に、第2風下側タンク部23における第2冷媒集合部23b内の冷媒を第2風上側タンク部13における第3冷媒分配部13cに導くように構成されている。さらに、本実施形態の冷媒入替部30は、第2風下側タンク部23における第3冷媒集合部23c内の冷媒を第2風上側タンク部13における第1冷媒分配部13aに導くように構成されている。
上方に配される第1風下側タンク部22内部には、ガイド部40が設けられている。ガイド部40の一端部は、冷媒導入部22aに接続されている。本実施形態では、ガイド部40の他端部は、第1風下側タンク部22における第2風下側熱交換コア部21bと第3風下側熱交換コア部21cとの境界部に対応する部位に位置している。
以上説明したように、第1風下側タンク部22の内部にガイド部40を設けることにより、冷凍サイクルを流れる冷媒流量が低流量の場合であっても、冷媒導入部22aから導入された液相冷媒を第2風下側熱交換コア部21bに確実に流入させることができる。また、冷媒導入部22aから導入された液相冷媒を、第3風下側熱交換コア部21cにも流入させ易くできる。これにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図10に基づいて説明する。本第6実施形態は、上記第1実施形態と比較して、風上側熱交換コア部11および風下側熱交換コア部21の構成が異なるものである。
図10は、風上側熱交換コア部11から風下側熱交換コア部21への冷媒流れを説明する図であり、図示の都合上、風下側熱交換コア部21を上下逆に図示している。すなわち、図10のように冷媒が流れる冷媒蒸発器1において、第1風下側タンク部22は上方に、第2風下側タンク部23は下方に配されている。
図10に示すように、風上側熱交換コア部11は、複数のチューブ111のうち、一部のチューブ群で構成される第1風上側熱交換コア部11a、および残部のチューブ郡のうち一部のチューブ群で構成される第2風上側熱交換コア部11bを有している。さらに、風上側熱交換コア部11は、第1風上側熱交換コア部11aおよび第2風上側熱交換コア部11bを構成するチューブ郡を除いた残部のチューブ郡のうち、一部のチューブ郡で構成される第3風上側熱交換コア部11c、および残部のチューブ群で構成される第4風上側熱交換コア部11dを有している。
なお、本実施形態における第1風上側熱交換コア部11aが、特許請求の範囲における「第3コア部」を構成し、第2風上側熱交換コア部11bが、特許請求の範囲における「第4コア部」を構成する。
本実施形態では、風上側熱交換コア部11を送風空気の流れ方向Xから見たときに、チューブ積層方向の右端側に存するチューブ群で第1風上側熱交換コア部11aが構成され、チューブ積層方向の左端側に存するチューブ群で第2風上側熱交換コア部11bが構成されている。また、風上側熱交換コア部11を送風空気の流れ方向Xから見たときに、チューブ積層方向の中央右側に存するチューブ群で第3風上側熱交換コア部11cが構成され、チューブ積層方向の中央左側に存するチューブ群で第4風上側熱交換コア部11dが構成されている。
また、風下側熱交換コア部21は、複数のチューブ211のうち、一部のチューブ群で構成される第1風下側熱交換コア部21a、および残部のうち一部のチューブ群で構成される第2風下側熱交換コア部21bを有している。さらに、風下側熱交換コア部21は、第1風下側熱交換コア部21aおよび第2風下側熱交換コア部21bを構成するチューブ郡を除いた残部のチューブ郡のうち、一部のチューブ群で構成される第3風下側熱交換コア部21c、および残部のチューブ群で構成される第4風下側熱交換コア部21dを有している。
なお、本実施形態における第1風下側熱交換コア部21aが、特許請求の範囲における「第1コア部」を構成し、第2風下側熱交換コア部21bが、特許請求の範囲における「第2コア部」を構成する。
本実施形態では、風下側熱交換コア部21を送風空気の流れ方向Xから見たときに、チューブ積層方向の右端側に存するチューブ群で第1風下側熱交換コア部21aが構成され、チューブ積層方向の左端側に存するチューブ群で第2風下側熱交換コア部21bが構成されている。また、風下側熱交換コア部21を送風空気の流れ方向Xから見たときに、チューブ積層方向の中央右側に存するチューブ群で第3風下側熱交換コア部21cが構成され、チューブ積層方向の中央左側に存するチューブ群で第4風下側熱交換コア部21dが構成されている。
なお、本実施形態では、送風空気の流れ方向Xから見たときに、第1風上側熱交換コア部11aおよび第1風下側熱交換コア部21aそれぞれが重合(対向)するように配置されると共に、第2風上側熱交換コア部11bおよび第2風下側熱交換コア部21bそれぞれが重合(対向)するように配置されている。さらに、送風空気の流れ方向Xから見たときに、第3風上側熱交換コア部11cおよび第3風下側熱交換コア部21cそれぞれが重合(対向)するように配置されるとともに、第4風上側熱交換コア部11dおよび第4風下側熱交換コア部21dそれぞれが重合(対向)するように配置されている。
第1風上側熱交換コア部11aは、第2風上側熱交換コア部11b、第3風上側熱交換コア部11cおよび第4風上側熱交換コア部11dのいずれよりも冷媒導出部12aに近い側に配置されている。また、第3風上側熱交換コア部11cは、第2風上側熱交換コア部11bおよび第4風上側熱交換コア部11dの双方よりも冷媒導出部12aに近い側に配置されている。また、第4風上側熱交換コア部11dは、第2風上側熱交換コア部11bよりも冷媒導出部12aに近い側に配置されている。
つまり、第1風上側熱交換コア部11a、第3風上側熱交換コア部11c、第4風上側熱交換コア部11dおよび第2風上側熱交換コア部11bは、冷媒導出部12aに近い側からこの順に配置されている。
第1風下側熱交換コア部21aは、第2風下側熱交換コア部21b、第3風下側熱交換コア部21cおよび第4風下側熱交換コア部21dのいずれよりも冷媒導入部22aに近い側に配置されている。また、第3風下側熱交換コア部21cは、第2風下側熱交換コア部21bおよび第4風下側熱交換コア部21dの双方よりも冷媒導入部22aに近い側に配置されている。また、第4風下側熱交換コア部21dは、第2風下側熱交換コア部21bよりも冷媒導入部22aに近い側に配置されている。
つまり、第1風下側熱交換コア部21a、第3風下側熱交換コア部21c、第4風下側熱交換コア部21dおよび第2風下側熱交換コア部21bは、冷媒導入部22aに近い側からこの順に配置されている。
第2風上側タンク部13の内部には、3枚の仕切部材131が等間隔に配置されている。この3枚の仕切部材131によって、タンク内部空間が第1風上側熱交換コア部11aを構成する各チューブ111が連通する空間と、第2風上側熱交換コア部11bを構成する各チューブ111が連通する空間と、第3風上側熱交換コア部11cを構成する各チューブ111が連通する空間と、第4風上側熱交換コア部11dを構成する各チューブ111が連通する空間とに仕切られている。
ここで、第2風上側タンク部13の内部のうち、第3風上側熱交換コア部11cを構成する各チューブ111に連通する空間が、第3風上側熱交換コア部11cに冷媒を分配する第3冷媒分配部13cを構成する。第2風上側タンク部13の内部のうち、第4風上側熱交換コア部11dを構成する各チューブ111に連通する空間が、第4風上側熱交換コア部11dに冷媒を分配する第4冷媒分配部13dを構成する。
第2風下側タンク部23の内部には、3枚の仕切部材231が等間隔に配置されている。この3枚の仕切部材231によって、タンク内部空間が第1風下側熱交換コア部21aを構成する各チューブ211が連通する空間と、第2風下側熱交換コア部21bを構成する各チューブ211が連通する空間と、第3風下側熱交換コア部21cを構成する各チューブ211が連通する空間と、第4風下側熱交換コア部21dを構成する各チューブ211が連通する空間とに仕切られている。
ここで、第2風下側タンク部23の内部のうち、第3風下側熱交換コア部21cを構成する各チューブ211が連通する空間が、第3風下側熱交換コア部21bからの冷媒を集合させる第3冷媒集合部23cを構成する。第2風下側タンク部23の内部のうち、第4風下側熱交換コア部21dを構成する各チューブ211が連通する空間が、第4風下側熱交換コア部21dからの冷媒を集合させる第4冷媒集合部23dを構成する。
本実施形態の冷媒入替部30は、第2風下側タンク部23における第1冷媒集合部23a内の冷媒を第2風上側タンク部13における第2冷媒分配部13bに導くと共に、第2風下側タンク部23における第2冷媒集合部23b内の冷媒を第2風上側タンク部13における第4冷媒分配部13dに導くように構成されている。さらに、本実施形態の冷媒入替部30は、第2風下側タンク部23における第3冷媒集合部23c内の冷媒を第2風上側タンク部13における第1冷媒分配部13aに導くと共に、第2風下側タンク部23における第4冷媒集合部23d内の冷媒を第2風上側タンク部13における第3冷媒分配部13cに導くように構成されている。
第1風下側タンク部22内部には、ガイド部40が設けられている。ガイド部40の一端部は、冷媒導入部22aに接続されている。本実施形態では、ガイド部40の他端部は、第1風下側タンク部22における第2風下側熱交換コア部21bと第4風下側熱交換コア部21dとの境界部に対応する部位に位置している。
以上説明したように、第1風下側タンク部22の内部にガイド部40を設けることにより、冷凍サイクルを流れる冷媒流量が低流量の場合であっても、冷媒導入部22aから導入された液相冷媒を第2風下側熱交換コア部21bに確実に流入させることができる。また、冷媒導入部22aから導入された液相冷媒を、第3風下側熱交換コア部21cおよび第4風下側熱交換コア部21dにも流入させ易くできる。これにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、例えば以下のように種々変形可能である。また、上記各実施形態に開示された手段は、実施可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。
(1)上述の実施形態では、冷媒入替部30を第1中間タンク部31および第2中間タンク部32で構成する例を説明したが、冷媒入替部30の構成はこれに限定されない。例えば、冷媒入替部30の第1、第2中間タンク部31、32を廃し、第2風下側タンク部23の第1冷媒集合部23a内の冷媒を第2風上側タンク部13の第2冷媒分配部13bに導く連通部材、および、第2風下側タンク部23の第2冷媒集合部23b内の冷媒を第2風上側タンク部13の第1冷媒分配部13aに導く連通部材を設けてもよい。なお、この連通部材としては、例えば配管等を採用してもよい。
(2)上述の実施形態では、冷媒蒸発器1として、送風空気の流れ方向から見たときに、第1風上側熱交換コア部11aおよび第1風下側熱交換コア部21aが重合するように配置されると共に、第2風上側熱交換コア部11bおよび第2風下側熱交換コア部21bが重合するように配置される例について説明したが、冷媒蒸発器1の構成はこれに限定されない。例えば、冷媒蒸発器1としては、送風空気の流れ方向から見たときに、第1風上側熱交換コア部11aおよび第1風下側熱交換コア部21aの少なくとも一部が重合するように配置したり、第2風上側熱交換コア部11bおよび第2風下側熱交換コア部21bの少なくとも一部が重合するように配置したりしてもよい。
(3)上述の実施形態の如く、冷媒蒸発器1における風上側蒸発部10を風下側蒸発部20よりも送風空気の流れ方向Xにおける上流側に配置することが望ましいが、これに限らず、風上側蒸発部10を風下側蒸発部20よりも送風空気の流れ方向Xにおける下流側に配置するようにしてもよい。
(4)上述の実施形態では、各熱交換コア部11、21を複数のチューブ111、211とフィン112、212で構成する例を説明したが、これに限らず、複数のチューブ111、211だけで各熱交換コア部11、21を構成するようにしてもよい。また、各熱交換コア部11、21を複数のチューブ111、211とフィン112、212で構成する場合、フィン112、212は、コルゲートフィンに限らずプレートフィンを採用してもよい。
(5)上述の実施形態では、冷媒蒸発器1を車両用空調装置の冷凍サイクルに適用する例について説明したが、これに限らず、例えば、給湯機等に用いられる冷凍サイクルに適用してもよい。
(6)上述の第1〜第4実施形態では、ガイド部40の一端部を冷媒導入部22aに接続するとともに、ガイド部40の他端部を第1風下側タンク部22におけるチューブ積層方向の略中央部に位置させた例について説明したが、ガイド部40の他端部の位置はこれに限定されない。例えば、ガイド部40の他端部を、第1風下側タンク部22におけるチューブ積層方向の略中央部よりも冷媒導入部22aに近い側に位置させてもよいし、第1風下側タンク部22におけるチューブ積層方向の略中央部よりも冷媒導入部22aから遠い側に位置させてもよい。
また、上述の第5実施形態では、ガイド部40の他端部を、第1風下側タンク部22における第2風下側熱交換コア部21bと第3風下側熱交換コア部21cとの境界部に対応する部位に位置させた例について説明したが、ガイド部40の他端部の位置はこれに限定されない。例えば、ガイド部40の他端部を、第1風下側タンク部22における第1風下側熱交換コア部21aと第3風下側熱交換コア部21cとの境界部に対応する部位に位置させてもよい。
また、上述の第6実施形態では、ガイド部40の他端部を、第1風下側タンク部22における第2風下側熱交換コア部21bと第4風下側熱交換コア部21dとの境界部に対応する部位に位置させた例について説明したが、ガイド部40の他端部の位置はこれに限定されない。例えば、ガイド部40の他端部を、第1風下側タンク部22における第3風下側熱交換コア部21cと第4風下側熱交換コア部21dとの境界部に対応する部位に位置させてもよい。
(7)上述の実施形態では、風上側熱交換コア部11および風下側熱交換コア部21を、2〜4個の熱交換コア部11a〜11d、21a〜21dに分割した例について説明したが、これに限らず、5個以上の熱交換コア部に分割してもよい。
(8)上述の実施形態では、風上側熱交換コア部11および風下23側熱交換コア部21を、互いに同一個数の熱交換コア部11a〜11d、21a〜21dに分割した例について説明したが、風上側熱交換コア部11および風下側熱交換コア部21の構成はこれに限定されない。例えば、図11に示すように、風上側熱交換コア部11を2個の熱交換コア部11a、11bに分割するとともに、風下側熱交換コア部21を3個の熱交換コア部21a〜21cに分割してもよい。
なお、図11は、風上側熱交換コア部11から風下側熱交換コア部21への冷媒流れを説明する図であり、図示の都合上、風下側熱交換コア部21を上下逆に図示している。すなわち、図11のように冷媒が流れる冷媒蒸発器1において、第1風下側タンク部22は上方に、第2風下側タンク部23は下方に配されている。