JPH10279513A - 水素化ビスフェノールa−ジビニルエーテルおよびその製造方法 - Google Patents

水素化ビスフェノールa−ジビニルエーテルおよびその製造方法

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JPH10279513A
JPH10279513A JP9088032A JP8803297A JPH10279513A JP H10279513 A JPH10279513 A JP H10279513A JP 9088032 A JP9088032 A JP 9088032A JP 8803297 A JP8803297 A JP 8803297A JP H10279513 A JPH10279513 A JP H10279513A
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JP
Japan
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hydrogenated bisphenol
divinyl ether
reaction
acetylene
compound
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JP9088032A
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English (en)
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Shigeharu Yoshii
茂晴 吉井
Kazumasa Matsuoto
一正 松音
Eiji Takahashi
栄治 高橋
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Denka Co Ltd
Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
Denki Kagaku Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臭気が小さく着色が生じにくいとともに、硬
化物の物性に優れ、硬化性組成物の主剤としても使用可
能である新規ビニールエーテル化合物を提供すること。 【解決手段】 次式I: で表される水素化ビスフェノールA−ジビニルエーテ
ル。該化合物は水素化ビスフェノールAを、ジメチルス
ルホキシド中でアルカリ触媒を用い、アセチレンにより
ジビニル化することにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な化合物である
水素化ビスフェノールA−ジビニルエーテルおよびその
製造方法に関するものである。同化合物を含有する硬化
性組成物は優れた物性を有するため、塗料、接着剤、フ
ォトレジスト等として好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】ビニルエーテル化合物はエポキシ化合物
やアクリル化合物に比べ、高希釈性、低毒性であること
が知られている。カチオン硬化系においてはエポキシ化
合物に比較し硬化速度が速く、また、硬化の際、酸素の
影響を受けないことから、その応用がいろいろと試みら
れている。一方、ラジカル硬化系においてはマレイン酸
やその誘導体、不飽和ポリエステル化合物、アクリル化
合物との配合やチオール化合物との配合により幅広く使
用されている。しかし、例えば、ジエチレングリコール
ジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエ
ーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニル
エーテル、4−ヒドロキシジブチルエーテル等のこれま
でのビニルエーテル化合物では高希釈性ではあるが、臭
気が大きく硬化物の毒性も劣ることから主剤とはなりえ
ないのが一般的である。また、カチオン硬化系において
は、着色を生じ易いという欠点が見られるものが多かっ
た。一方、これらの欠点を補うべくビニルエーテルのウ
レタンオリゴマーが一部で開発されているが、ウレタン
結合は、カチオン硬化を阻害しやすいため、使用量が限
定されるという問題点が解決されていない。このよう
に、現状では使用できるビニルエーテル化合物の種類も
限られているばかりでなく、満足のいくものは見出され
ていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの事
情からみてなされたもので、臭気が小さく着色を生じに
くいとともに、硬化物の物性に優れ、硬化性組成物の主
剤としても使用可能であるビニルエーテル化合物を提供
することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記目的
を達成するため鋭意検討したところ、水素化ビスフェノ
ールA−ジビニルエーテル化合物は臭気が小さく着色を
生じにくいとともに、硬化物の物性に優れ、硬化性組成
物の主剤としても使用可能であることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明の水素化ビスフェノールA−
ジビニルエーテルは、次式I: で表される新規化合物である。
【0006】本発明はまた上記水素化ビスフェノールA
−ジビニルエーテルの製造方法に関するものであり、該
当方法は、次式 II : で表される水素化ビスフェノールAを、溶剤としてジメ
チルスルホキシドを用い、アセチレンの存在化、アルカ
リ触媒を用いてジビニル化させる事を特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】原料として使用する水素化ビスフ
ェノールAは、ポリエステル、ポリウレタン等の原料と
して市販されているものを使用することが出来る。また
これら市販の材料を更に精製して使用することもでき
る。
【0008】水素化ビスフェノールAをアセチレンの存
在化ジビニル化するにあたり、溶剤を使用する必要があ
る。水素化ビスフェノールAは常温で白色の固体であ
り、その融点は約170℃と高いため溶剤に溶解し反応
させる必要がある。溶剤としては水素化ビスフェノール
Aおよびアセチレンの溶解度が高いものが反応性の点で
好ましく、ジメチルスルホキシドがこの目的にもっとも
適合する。n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエンは
殆ど水素化ビスフェノールAを溶解せず好ましくない。
酢酸エチル、メチルイソブチルケトンには若干溶解する
が十分ではない。エチレングリコール、ジグライム、ト
リグライム、メタノール、イソプロパノール、ブタノー
ルには比較的よく溶解する。特にジグライムには110
℃で約20%の濃度で水素化ビスフェノールAは溶解す
る。しかし、ジメチルスルホキシドに対する水素化ビス
フェノールAの溶解性は更に高く70℃で約40%の濃
度でも十分溶解する。また、ジメチルスルホキシドに対
するアセチレンの溶解性は他の溶剤に比較して高く、こ
れらの点よりジメチルスルホキシドが溶剤として好適で
ある。
【0009】ジメチルスルホキシド中の水素化ビスフェ
ノールAの濃度は反応温度において水素化ビスフェノー
ルAが溶解する事のできる範囲であればよい。温度70
℃における水素化ビスフェノールAのジメチルスルホキ
シドに対する溶解度は約40%、110℃では約50%
である。
【0010】反応には、アルカリ化合物が触媒として用
いられる。その種類には特に限定されず、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物およびア
ルカリ金属アルコラート等を用いる事ができるが、水酸
化カリウムが好ましい。触媒の使用量はその種類、反応
温度、反応圧力により異なり、必ずしも特定されないが
水酸化カリウムの場合水素化ビスフェノールAに対して
モル比で0.05〜5、好ましくは0.1〜1である。
【0011】アセチレンは反応液中に連続的に供給する
事が好ましい。供給速度は触媒の種類および量により異
なるが、供給速度を調整することにより反応速度を変え
る事が可能である。すなわち、供給速度が早すぎると反
応の進行が進みタール分等の副生物や不純物の発生を助
長するので好ましくない。また、供給速度が小さすぎる
と反応速度が遅くなりすぎる。
【0012】アセチレンの供給量は反応中に反応の状況
をみながら変更する事もできる。また、不活性ガス、例
えばアルゴン、ヘリウム、窒素等と同時に或いは希釈し
て供給することもできる。
【0013】反応温度は50〜160℃であるが、好ま
しくは100〜150℃である。
【0014】反応応力は常圧から30kg/cm2であるが、
アセチレンの安全な取り扱いが可能な常圧から2kg/cm2
で実施可能である。
【0015】反応時間は特に限定されない。反応終了点
はアセチレンの消費量により知る事ができる。反応が進
んでいる間アセチレンは消費されるが、反応終点に近づ
くと消費量が減少するので、反応終点を知る事ができ
る。
【0016】反応液は二層に分離し生成物の水素化ビス
フェノールA−ジビニルエーテルは上層に溶媒のジメチ
ルスルホキシドと共に存在する。水素化ビスフェノール
A−ジビニルエーテルのジメチルスルホキシドに対する
溶解性は水素化ビスフェノールAより小さく、上層は生
成物である水素化ビスフェノールA−ジビニルエーテル
に少量のジメチルスルホキシドが溶解している状態とな
る。従って、反応液を静置、分離させる事により粗製の
水素化ビスフェノールA−ジビニルエーテルを得る事が
できる。更に精製するためには粗製の水素化ビスフェノ
ールA−ジビニルエーテルを通常の精製方法すなわち抽
出、分液、蒸留、吸着、晶析等の操作により行う事がで
きる。例えばn−ヘキサンを抽出溶剤とすると上層にn
−ヘキサンとの混合液として抽出され、該混合液を蒸留
しn−ヘキサンを分離することにより精製された常温で
液体である水素化ビスフェノールA−ジビニルエーテル
を得る事ができる。
【0017】本発明の化合物は、図1の赤外スペクト
ル、図2 1H−NMRスペクトル、図3の13C−NMR
スペクトル等の手段により同定することができる。
【0018】
【実施例】次に実施例及び参考例により本発明を更に詳
細に説明する。 (実施例)温度計、攪拌機、還流装置、アセチレンガス
導入管、窒素導入管、アセチレンガス流量積算計を備え
たガラス製オートクレーブに、水素化ビスフェノールA
を289グラム、ジメチルスルホキシドを289グラ
ム、水酸化カリウムを21グラムを仕込み、装置の漏れ
がないことを確認後、オートクレーブ内の温度を120
℃まで昇温しながら、窒素バブリングにより装置内を窒
素置換した。添加した水酸化カリウムはこの間に完溶し
た。内温が120℃に安定後、アセチレンを30リット
ル/時間の速度で供給を開始し、同時に窒素13リット
ル/時間の速度で供給した。反応圧力は1.5kg/cm2
あった。
【0019】アセチレンの供給を開始してから2時間後
に反応液は黒色状態となった。5時間後にアセチレンの
消費は減少しはじめ、6時間後には殆どなくなった。7
時間目に反応を終了した。
【0020】反応液を静置したところ3層に分離した。
生成物である水素化ビスフェノールA−ジビニルエーテ
ルは上層にあるため、上層を分液し、更に溶剤抽出のた
めn−ヘキサン316グラムを加え十分攪拌した後、静
置した。水素化ビスフェノールA−ジビニルエーテルが
存在する上層を減圧下蒸留しn−ヘキサン、少量のジメ
チルスルホキシドを分離、除去し生成物である水素化ビ
スフェノールA−ジビニルエーテル276グラムを得
た。
【0021】生成物の純度はガスクロマトグラフを用い
面積百分率によると94.2%であった。図1に赤外ス
ペクトルを、図2に 1H−NMRスペクトルを、および
図3に13C−NMRスペクトルを示す。また、表1に赤
外スペクトルの、表2に 1H−NMRスペクトルの、お
よび表3に13C−NMRスペクトルのそれぞれの帰属を
示す。 1H−NMRスペクトルおよび13C−NMRスペ
クトルの帰属に関しては次式 IIIを参照。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】(参考例)反応溶媒をジメチルスルホキシ
ドからジグライムに変更した以外は実施例と同様に行っ
た。しかし、アセチレンの吹き込み口に水素化ビスフェ
ノールAと思われる析出物が発生し、閉塞を起こす状況
となった。析出を取り除いても同じ状況が発生し、その
ため反応を進行させる事はできなかった。
【0026】
【発明の効果】本発明の化合物は、臭気が小さく着色が
生じにくいとともに、硬化物の物性に優れ、硬化性組成
物の主剤として使用可能であり、塗料、接着剤、フォト
レジスト等の用途に使用することができ、特にカチオン
型紫外線硬化塗料の反応性希釈剤として好適に使用する
ことができる。また、本発明の製造方法においては、反
応原料である水素化ビスフェノールAおよびアセチレン
の溶解度が高いジメチルスルホキシドを使用しているの
で反応性が大きく、高い収率で水素化ビスフェノールA
−ジビニルエーテルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物の赤外スペクトルである。
【図2】本発明の化合物の 1H−NMRスペクトルであ
る。
【図3】本発明の化合物のC13−NMRスペクトルであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式I: で表される水素化ビスフェノールA−ジビニルエーテ
    ル。
  2. 【請求項2】 次式 II : で表される水素化ビスフェノールAを、溶剤としてジメ
    チルスルホキシドを用い、アセチレンの存在化、アルカ
    リ触媒を用いてジビニル化させる事を特徴とする請求項
    1記載の水素化ビスフェノールA−ジビニルエーテルの
    製造方法。
JP9088032A 1997-04-07 1997-04-07 水素化ビスフェノールa−ジビニルエーテルおよびその製造方法 Pending JPH10279513A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7078158B2 (en) * 2001-09-11 2006-07-18 Kansai Paint Co., Ltd. Composition for activation energy rays and method of forming pattern
WO2010137742A1 (ja) * 2009-05-29 2010-12-02 日本カーバイド工業株式会社 ビニルエーテルの製造方法

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