JPH1027886A - 高誘電体素子とその製造方法 - Google Patents

高誘電体素子とその製造方法

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JPH1027886A
JPH1027886A JP8178949A JP17894996A JPH1027886A JP H1027886 A JPH1027886 A JP H1027886A JP 8178949 A JP8178949 A JP 8178949A JP 17894996 A JP17894996 A JP 17894996A JP H1027886 A JPH1027886 A JP H1027886A
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high dielectric
thin film
dielectric thin
lower electrode
orientation
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JP8178949A
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Toshihide Namatame
俊秀 生田目
Takaaki Suzuki
孝明 鈴木
Kazuhisa Higashiyama
和寿 東山
Tomoji Oishi
知司 大石
Ken Takahashi
高橋  研
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発明の技術分野及び技術課題を簡明に記載す
る。ペロブスカイト構造の高誘電体薄膜を用いて、高い
誘電率および小さなリーク電流密度を持つ集積度の高い
高誘電体素子を提供することを目的とする。 【解決手段】ペロブスカイト構造の高誘電体薄膜で、結
晶格子を構成するA,Bサイト、分極を発生するCサイ
トにイオン半径の異なる元素を組み合わせることで結晶
格子に任意の大きな歪みを与え、その結果高い誘電率お
よび小さなリーク電流密度を有する高誘電体薄膜を電極
で挟んだ構造の高誘電体素子として活用することができ
る。 【効果】読み出しおよび書き込みを検出する高集積度な
高誘電体素子,メモリーセルを実現できること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高誘電率,低リー
ク電流密度を利用したDRAM等の高誘電体素子、その
メモリーセルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体メモリーとしては、データの高速
書き換えに特徴を持っているDRAM(Dynamic Random
Access Memory)がある。このDRAMは、高密度,高
集積技術の進歩に伴い16M,64Mビットの大容量化
時代を迎えている。このために、回路構成素子の微細化
が要求され、特に情報を蓄積するコンデンサーの微細化
が行われている。このうち、コンデンサーの微細化に
は、誘電体材料の薄膜化,誘電率の高い材料の選択,上
下電極と誘電体からなる構造の平坦化から立体化などが
挙げられる。このうち、結晶構造がペロブスカイト構造
の単一格子であるBST((Ba/Sr)TiO3)は、S
iO2/Si34 に比べて大きな誘電率(ε)を有する
ことが知られている。この高誘電体材料を使用する例
が、インターナショナル・エレクトロン・デバイス・ミ
ィーティング・テクニカル・ダイジェスト1991年8
23頁(IEDM Tech. Dig. :823,1961)で報告
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
技術においては、更に集積度を上昇させる上で必要不可
欠な大きな誘電率(ε)、低いリーク電流密度を有する
耐電圧特性に優れた高誘電体材料が提供されていなかっ
た。上記結晶構造がペロブスカイト構造の単一格子であ
るBST((Ba/Sr)TiO3)を用いたメモリーで
は、高集積化に伴い動作電圧の低下が目標とされてい
る。メモリーの動作電圧の低下には、小さな電圧で充分
なキャパシタンスが要求される。このために、キャパシ
タンスの増加には、高誘電率な材料,電極面積の増大,
高誘電体の薄膜化が検討されている。ただし、上記誘電
体材料は、誘電率が金属元素組成に敏感であるために、
構成元素,結晶構造に大きく制限されている。
【0004】また、従来の単一格子が複数個重なった結
晶構造であるBi層状誘電体の場合には、誘電率の大き
さが結晶の方向で異なる結晶の異方性を強く持つ問題点
があった。上記従来技術の上部電極/強誘電体/下部電
極の構造では、無配向な下部電極に非晶質のBi層状誘
電体を作製し、急速加熱プロセスを経ることで結晶方位
のランダムな結晶を成長させる(配向度60%以下)。
このことで、誘電率の大きなc軸に垂直な成分を利用し
ているが、実際に有効な結晶が50%と非効率であっ
た。
【0005】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであって、ペロブスカイト構造で誘電率の
大きさを抑制する二層のブロッキング層のない結晶構造
を有する結晶の異方性のない高誘電体薄膜、この高誘電
体薄膜を上下の電極で挟んだ高誘電体素子およびその高
誘電体メモリーセル、該高誘電体素子の製造方法を提供
することにある。
【0006】本発明の他の目的は、二層のブロッキング
層を含むペロブスカイト構造において、イオン半径の異
なる元素を置換することで任意に格子歪みを与えて大き
な誘電率を有し、かつ低いリーク電流密度の高誘電体薄
膜、この高誘電体薄膜を上下の電極で挟んだ高誘電体素
子、該高誘電体素子の製造方法を提供することを目的と
する。
【0007】さらに本発明においては、上記高誘電体薄
膜と接する電極には導電性酸化物を用いることで遷移層
を抑制した高誘電体素子、該高誘電体素子の製造方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の高誘電体素子は、上部電極と高誘電体薄膜と
下部電極からなる構成であり、高誘電体薄膜がペロブス
カイト構造の単一格子が複数個重なった層状の結晶構造
であり、かつブロッキング層が一層である (AO)2+(By-1y3y+1)2- A=Tl,Hg,Ce,Y,Pr,Nd,Pm,Eu,
Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu B=Bi,Pb,Ca,Sr,Baからなる少なくとも
1種以上 C=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,
Zrからなる少なくとも1種以上 y=2,3,4,5 なる化学構造式で表わされていることを特徴とする。
【0009】また上記層状ペロブスカイト構造であり、
かつブロッキング層が一層である高誘電体薄膜が、 (AO)2+(By-1y3y+1)2- A=La,Sm B=Bi,Ca,Sr,Baからなる少なくとも1種以
上 C=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,
Zrからなる少なくとも1種以上 y=2,3,4,5 なる化学構造式で表わされていることを特徴とする。
【0010】さらに上記層状ペロブスカイト構造であ
り、かつブロッキング層が一層である高誘電体薄膜が、 (PbO)2+(By-1y3y+1)2- B=Ca,Sr,Baからなる少なくとも1種以上 C=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,
Zrからなる少なくとも1種以上 y=2,3,4,5 なる化学構造式で表わされていることを特徴とする。
【0011】また本発明においては、上記高誘電体薄膜
で高い誘電率を得るために、下部電極に対して(10
0)配向、または(010)配向、または(110)配
向、または(001)配向、またはc軸が45°傾いた
配向をしていることを特徴とする。
【0012】また本発明においては、高誘電体素子とし
て有効な誘電率を得るために、上記下部電極に対して
(100)配向、または(010)配向の高誘電体薄膜
の割合が70%以上であることを特徴とする。
【0013】さらに本発明においては、高誘電体素子と
して有効な誘電率を得るために、上記下部電極に対して
(110)配向の高誘電体薄膜の割合が80%以上であ
ることを特徴とする。
【0014】さらに本発明においては、高誘電体素子と
して有効な誘電率を得るために、上記下部電極に対して
(001)配向の高誘電体薄膜の割合が70%以上であ
ることを特徴とする。
【0015】さらに本発明においては、高誘電体素子と
して有効な誘電率を得るために、上記下部電極に対して
c軸が45°傾いた配向の高誘電体薄膜の割合が90%
以上であることを特徴とする。
【0016】本発明の第2の高誘電体素子は、上部電極
と高誘電体薄膜と下部電極からなる構成であり、高誘電
体薄膜がペロブスカイト構造であり、かつ二層のブロッ
キング層であるBi−O層のBiサイトをイオン半径の
異なる元素(Tl,Hg,Sb,As)で必ず置換した (Bi2-xx2)2+(By-1y3y+1)2- A=Tl,Hg,Sb,As B=Bi,Pb,Ca,Sr,Ba,Y,希土類元素か
らなる少なくとも1種以上 C=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,
Zrからなる少なくとも1種以上 0<x<2 y=1,2,3,4,5 なる化学構造式で表わされていることを特徴とする。
【0017】また上記ペロブスカイト構造である高誘電
体薄膜において、ブロッキング層であるBi−O層のB
iサイトをイオン半径の異なるPb元素を必ず置換した (Bi2-xPbx2)2+(By-1y3y+1)2- B=Bi,Pb,Ca,Sr,Ba,Y,希土類元素か
らなる少なくとも1種以上 C=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,
Zrからなる少なくとも1種あるいはTi,Nb,T
a,W,Mo,Co,Crからなる少なくとも2種以上 0<x<2 y=1,2,3,4,5 なる化学構造式で表わされていることを特徴とする。
【0018】また本発明においては、上記高誘電率が結
晶の異方性を有することを考え、高い誘電率を得るため
に、下部電極に対して高誘電体薄膜を(100)配向、
または(010)配向、または(110)配向、または
c軸が45°傾いた配向をさせることを特徴とする。
【0019】また本発明においては、高誘電体素子とし
て有効な誘電率を得るために、上記下部電極に対して
(100)配向、または(010)配向の高誘電体薄膜
の割合が70%以上であることを特徴とする。
【0020】さらに本発明においては、高誘電体素子と
して有効な誘電率を得るために、上記下部電極に対して
(110)配向の高誘電体薄膜の割合が80%以上であ
ることを特徴とする。
【0021】さらに本発明においては、高誘電体素子と
して有効な誘電率を得るために、上記下部電極に対して
c軸が45°傾いた配向の高誘電体薄膜の割合が90%
以上であることを特徴とする。
【0022】本発明においては、高誘電体薄膜から電極
への酸素の拡散を抑制するために高誘電体薄膜と接する
電極材に酸化物が有効と考え、下部電極が、下地基板か
ら金属,単一元素の導電性酸化物,ペロブスカイト構造
の導電性酸化物で構成されており、かつ前記下部電極上
に形成される高誘電体薄膜の配向性を向上させるために
前記導電性酸化物が特定の面で配向していることを特徴
とする。
【0023】また本発明の上部電極は、高誘電体薄膜か
ら電極への酸素の拡散を抑制するために高誘電体薄膜と
接する層からペロブスカイト構造の導電性酸化物,金属
またはペロブスカイト構造の導電性酸化物,単一元素か
らなる導電性酸化物,金属の順で構成されているもので
ある。
【0024】そして本発明の電極に用いられる金属は、
Pt,Au,Al,Ni,Cr,Ti,Mo,Wからな
る群から選択される1種である。また電極材としての働
きを実現するために、抵抗率が<1mΩ・cmである単一
元素、またはペロブスカイト構造の導電性酸化物を電極
に用いることを特徴とする。なお単一元素の導電性酸化
物は、Ti,V,Eu,Cr,Mo,W,Ph,Os,
Ir,Pt,Re,Ru,Snからなる群から選択され
る1種である。ペロブスカイト構造の導電性酸化物は、
ReO3,SrReO3,BaReO3,LaTiO3,S
rVO3, CaCrO3,SrCrO3,SrFeO3
La1-xSrxCoO3(0<x<0.5),LaNiO3,C
aRuO3,SrRuO3,SrTiO3,BaPbO3
からなる群から選択される1種である。
【0025】すなわち、本発明の高誘電体薄膜の製造方
法は、スパッタリング法により酸素と不活性ガスの混合
ガスとした雰囲気で、かつ電極との反応を抑制するため
に形成する温度を650℃以下として強誘電体薄膜を作
製する方法である。さらに、上記スパッタリング法に代
えてレーザ蒸着法、あるいはMOCVD法を用い、酸素
あるいは励起した酸素の雰囲気として、形成する温度を
650℃以下で高誘電体薄膜を作製してもよい。
【0026】また本発明の高誘電体薄膜の製造方法は、
金属アルコキシドあるいは有機酸塩を出発原料としたス
ピンコート法、あるいはディップコート法により、常圧
で、かつ電極との反応を抑制するために形成する温度が
650℃以下で高誘電体薄膜を作製する方法である。
【0027】さらに上記金属アルコキシドあるいは有機
酸塩を出発原料としたスピンコート法、あるいはディッ
プコート法による高誘電体薄膜の製造方法において、光
照射による原料の分解反応を利用することが、形成する
温度の低温化に有効であると考え、紫外領域の光を照射
しながら高誘電体薄膜を製造することを特徴とする方法
である。なお導電性酸化物の製造方法においても、上記
と同様に紫外領域の光を照射しながら導電性酸化物を作
製することができる。
【0028】本発明の高誘電体メモリセルは、上記で得
られた上部電極と高誘電体薄膜と下部電極からなる構造
が、半導体MOS部のキャパシターとして作製されてい
ることを特徴とするものである。
【0029】本発明は、さらに詳述すると、集積度の高
い高誘電体素子を得るために、(AO)2+(By-1y
3y+1)2-(但しy=2,3,4,5)の化学構造式で表わ
されるペロブスカイト構造の高誘電体薄膜を用いること
である。図1にy=3の場合の本発明にかかるペロブス
カイト構造の単一格子が6個重なった層状構造の高誘電
体薄膜の結晶構造を示す。ここで、AサイトにBi元
素,BサイトにSr元素,CサイトにTa元素を用いた
場合が一般によく知られているSrBi2Ta29(Y
1)材料であり、この材料に類似した結晶構造を図2に
示す。ペロブスカイト構造の単一格子が4個重なった層
状構造であり、図2に示すようにBi−O層は二層構造
で、しかもBi−O層で半周期結晶構造がずれる特徴を
有している。この材料は、電圧の+−反転に伴う膜疲労
特性が小さい強誘電体材料として知られている。しか
し、二層のBi−O層のために強誘電特性の結晶の異方
性が大きく、c軸に平行方向でほぼ0μC/cm2 ,垂直
方向で20μC/cm2 である。誘電率も結晶の異方性を
有しており、c軸に平行方向で約100,垂直方向で約
250を示している。誘電率は、単一ペロブスカイト構
造のBST((Ba/Sr)TiO3)薄膜で200〜23
0と上記材料と同程度の大きさである。また、BST薄
膜の印加電圧1Vにおけるリーク電流密度は、0.3 〜
4×10-6A/cm2と大きくなっている。
【0030】本発明では、AサイトにTl,Hg,P
b,Y,希土類元素を用いることで、Bi−O層のよう
な二層の代わりに一層のブロッキング層からなる結晶構
造を持つ異方性のない高誘電体薄膜を形成させたもので
ある。また、結晶構造がペロブスカイトの単一格子を複
数個重ねた層状構造とすることで、単一格子であるBST
より大きな誘電率を持つ高誘電体薄膜を形成させたもの
である。また、リーク電流密度1×10-6A/cm2 以下
で印加電圧5V以上の耐圧特性に優れた高誘電体薄膜を
形成させたものである。さらに、結晶に大きな歪みを与
えるためにはイオン半径の異なる元素の組み合わせが好
ましく、AサイトにTl(1.06Å),Hg(1.16
Å),Pb(1.32Å),Y(1.06Å),希土類元素
のLa(1.22Å),Ce(1.18Å),Pr(1.16
Å),Nd(1.15Å),Sm(1.13Å),Eu(1.
13Å),Gd(1.11Å),Tb(1.09Å),Dy
(1.07Å),Ho(1.05Å),Er(1.04Å),
Tm(1.04Å),Yb(1.00Å),Lu(0.99
Å),Bサイトに2−3価のBi(1.20Å),Pb(1.
32Å),Ca(1.06Å),Sr(1.27Å),Ba
(1.43Å),CサイトにTi(0.75Å),Nb(0.8
3Å),Ta(0.80Å),W(0.79Å),Mo(0.7
9Å),Fe(0.69Å),Co(0.67Å),Cr
(0.69Å),Zr(0.86Å)を組み合わせること
で、高い誘電率を持ち、かつ異方性の小さな耐圧特性に
優れた高誘電体薄膜を作製できる。Aサイトに価数が+
4以外の元素が用いられた場合にはAサイトの酸素ある
いはBサイトの真上の酸素が一部空隙となって結晶の安
定性を保つ。なお層状構造での安定性を得るには、y=
2,3,4,5の場合が好ましい。さらに、Aサイトに
入る元素を2種類以上組み合わせた場合でも同様に高い
誘電率を持ち、かつ異方性の小さな耐圧特性に優れた高
誘電体薄膜を作製できる。
【0031】また、図3に示した上下電極に高誘電体薄
膜が挟まれた構造においては、高い誘電率と低いリーク
電流密度を得るために、結晶軸方向を揃えた配向制御が
必要である。高誘電体薄膜の結晶構造が層状構造より、
配向性を図4に示したように(100)配向または(0
10)配向、または(110)配向、または結晶のc軸
が45°傾いた配向、または(001)配向にすること
で、高い誘電率と低いリーク電流密度を持つ高誘電体薄
膜を作製できる。
【0032】さらに、高誘電体薄膜の誘電率は結晶の配
向性に大きく支配されており、以下の順で大きな値を示
している。
【0033】(100)配向または(010)配向=
(001)配向>(110)配向>結晶のc軸が45°
傾いた配向。また、リーク電流密度は、上記の順で小さ
くなっている。このために、高誘電体素子の特性として
必要な高い誘電率と低いリーク電流密度を得るために、
少なくとも(100)配向または(010)配向の配向
度の割合が70%以上の高誘電体薄膜が好ましい。同様
に(001)配向では70%以上、(110)配向では
80%以上、結晶のc軸が45°傾いた配向では90%
以上の配向度を有する高誘電体薄膜が好ましい。
【0034】また、(AO)2+(By-1y3y+1)2-(但し
y=2,3,4,5)の化学構造式で、AサイトにBi
元素を用いた場合代表例が前述のY1である。この材料
は大きな結晶異方性を有するものの、5Vで10-6A/
cm2 とBSTに比べて小さなリーク電流密度の特徴を持
っている。しかし、誘電率が、無配向な薄膜で250,
c軸配向で100程度と小さな値となっており、高集積
化メモリには不利な点となっている。本発明では、Aサ
イトにBi元素を用いた(AO)2+(By-1y3y+1)
2-(但しy=2,3,4,5)の化学構造式では、必ず
Bi−O層のBiサイトをイオン半径の異なる元素Aで
置換することと、Bサイトの元素と、Cサイトの元素と
を組み合わせることで結晶格子に任意の歪みを与えて誘
電率を高くするようにしたものである。そこで、イオン
半径が1.20ÅのBiサイトにイオン半径の異なる元
素であるTl(1.06Å),Hg(1.16Å),Pb
(1.32Å),Sb(0.90Å),As(0.69Å)を
置換することで結晶格子に任意の歪みを与え、その結果
誘電率の大きな高誘電体薄膜を形成させたものである。
Pb元素の場合には結晶が膨張する歪みが、他のHg,
Tl,Sb,As元素の場合には収縮する歪みが結晶に
導入される。さらに、上述のようなイオン半径を持つB
サイトにBi,Pb,Ca,Sr,Ba,Y,希土類元
素のLa,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,T
b,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,LuとCサイトに
Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,Zr
のそれぞれイオン半径の異なる元素を組み合わせること
で、大きな歪みを有する結晶構造となるために、高い誘
電率を有する高誘電体薄膜の形成が可能である。なお、
Biサイトの置換量は結晶の安定性のために0<x<2
の範囲が、そしてその層状構造はy=1,2,3,4,
5の範囲が好ましい。また、上記の高誘電体薄膜の誘電
率が結晶異方性を有しており、図3に示した構造におい
ては、高い誘電率を得るために結晶軸を揃えた配向制御
が必要である。図5に示したように、高誘電体薄膜を
(100)配向、または(010)配向、または(11
0)配向、または結晶のc軸が45°傾いた配向を薄膜
の形成段階で得ることで高い誘電率を持つ高誘電体薄膜
を作製できる。
【0035】さらに、高誘電体薄膜の誘電率は結晶の配
向性に大きく支配されており、以下の順で大きな値を示
している。
【0036】(100)配向または(010)配向>
(110)配向>結晶のc軸が45°傾いた配向。ま
た、リーク電流密度は、上記の順で小さくなっている。
このために、高誘電体素子の特性として必要な誘電率を
得るために、少なくとも(100)配向または(010)
配向の配向度の割合が70%以上の高誘電体薄膜が好ま
しい。同様に(110)配向では80%以上、結晶のc
軸が45°傾いた配向では90%以上の配向度を有する
高誘電体薄膜が好ましい。
【0037】次に、これまで一般に用いられているBS
Tの高誘電体薄膜とPt,Au,Alの下部電極の構成
では、BSTと電極の界面を介してBSTの酸素が電極
へ拡散し、その結果界面部に遷移層が形成される。通
常、この遷移層は誘電率が小さく、しかも電流のリーク
するサイトとして働く。このために、電圧を充分に印加
できなく、高集積度のメモリーに不可欠なキャパシタン
スを得ることができなかった。本発明では、高誘電体薄
膜の誘電率および耐圧特性の劣化を抑制するために、図
6に示したよう構造をとる。つまり高誘電体薄膜と接す
る側から順に、下部電極材をペロブスカイト構造の導電
性酸化物,単一元素の導電性酸化物,金属とすること
で、高誘電体薄膜からの酸素の拡散を抑制して遷移層を
形成させないために、耐圧特性に優れた高誘電体素子を
作製できる。
【0038】また、図7に本発明にかかる上部電極の構
成図を示す。上記下部電極の場合と同様に高誘電体から
電極への酸素の拡散に伴う遷移層の抑制のために、高誘
電体に接する側から順に、ペロブスカイト構造の導電性
酸化物,単一元素の導電性酸化物,金属あるいはペロブ
スカイト構造の導電性酸化物,金属のいずれかにするこ
とで、耐圧特性に優れた高誘電体素子の形成が可能とな
る。
【0039】上記上部,下部電極に用いる金属は、P
t,Au,Al,Ni,Cr,Ti,Mo,Wからなる
群から選択される1種である。また、上部,下部電極に
用いる単一元素の導電性酸化物は、Ti,V,Eu,C
r,Mo,W,Ph,Os,Ir,Pt,Re,Ru,S
nからなる群から選択される1種の酸化物であり、かつ
電極材としての働きを円滑にするために抵抗率が<1m
Ω・cmであることが好ましい。さらに、ペロブスカイト
構造の導電性酸化物は、ReO3,SrReO3,BaR
eO3,LaTiO3,SrVO3,CaCrO3,SrC
rO3,SrFeO3,La1-xSrxCoO3(0<x<0.
5),LaNiO3,CaRuO3,SrRuO3,Sr
TiO3,BaPbO3 からなる群から選択される1種
のペロブスカイトであり、かつ電極材として用いるため
に抵抗率が<1mΩ・cmが好ましい。
【0040】次に本発明にかかる高誘電体薄膜の製造方
法であるスパッタリング法では、必ず酸素ガスを含んだ
減圧の雰囲気において、電極材との反応を抑制するため
に650℃以下の形成温度で作製することが好ましい。
このスパッタリング法によれば、酸素ガス雰囲気によっ
て酸素欠損のない、しかも均一な特性を持つ高誘電体薄
膜を8インチ以上の大きさで作製できる利点を持ってい
る。さらに、上記スパッタリング法の代わりにレーザ蒸
着法を用いた場合においても、酸素ガスあるいは励起し
た酸素雰囲気で、650℃以下の形成温度で行えば、均
一な特性を持つ高誘電体薄膜を作製できる。このレーザ
蒸着法によれば、ターゲットと同一組成の薄膜を形成で
きるために、複雑な組成の高誘電体薄膜を形成しやすい
利点がある。また、上記スパッタリング法の代わりに有
機金属化学気相蒸着法(MOCVD)を用いた場合において
も、上記と同様の優れた特性を持つ高誘電体薄膜が得ら
れ、かつ凹凸部へのカバーリッジ特性に優れた利点を持
つ。
【0041】また、金属アルコキシドまたは有機酸塩を
出発原料とした高誘電体薄膜のスピンコート法、または
ディップコート法においても、上記と同様に電極材との
反応を抑制するために650℃以下の形成温度で作製す
れば、均一な特性を持つ高誘電体薄膜を得ることができ
る。このスピンコート法、またはディップコート法によ
れば、常圧の合成のためにプロセスを簡便化できる利点
がある。
【0042】さらに、金属アルコキシドまたは有機酸塩
を出発原料とした高誘電体薄膜の光照射を用いたスピン
コート法、またはディップコート法による製造方法にお
いては、光照射による錯体の分解反応を酸化物の結晶化
エネルギーに活用できるために、形成する温度を低温化
できる利点がある。
【0043】単一元素、あるいはペロブスカイト構造の
導電性酸化物の場合においても、上記と同様の種々の製
造方法を用いることで、均一でしかも抵抗率が<1mΩ
・cmと高い導電性を有する導電性酸化物の形成が可能で
ある。
【0044】また図8は高誘電体メモリーセルの構造を
示す図で、上記半導体電界トランジスタ構造上に酸化物
層,金属層、そして絶縁体層を形成したMOS−トラン
ジスタとキャパシタに図3に示した上記の高誘電体素子
を形成した構造をとる。これにより、電界反転に伴うキ
ャパシタンスの差を2倍の大きさで検出できる利点があ
る。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明するが、本発明は何らこれに限定するも
のではない。
【0046】(実施の形態1)本発明に使用した(A
O)2+(B2310)2- の化学構造式からなる高誘電体薄
膜の結晶構造を図1に示す。この化学構造式で、A=N
d元素,B=Sr元素,C=Ta元素の場合の作製方法
を以下に示す。図3に示した高誘電体素子の断面図にお
いて、参照数字34は下地基板を示す。まず、下地基板
には、800℃に加熱しながら形成した厚み2000Å
のTiN層のバリア層を含むSiを用いた。次に、この
下地基板34上に下部電極33を作製した。下部電極
は、図6に示したように金属64,単一元素の導電性酸
化物63,ペロブスカイト構造の導電性酸化物62で構
成されている。前記下地基板34上に600℃に加熱し
ながらスパッタリング法により厚み1000Åの金属
(Ru)64を形成し、さらに酸素ガス雰囲気中、その
上に450℃に加熱しながらスパッタリング法により厚
み1000Åの単一元素の導電性酸化物(RuO)6
3,最後に650℃の温度でスパッタリング法により厚
み1000Åのペロブスカイト構造の導電性酸化物(S
rRuO3)62を作製した。この下部電極33上に、高
誘電体薄膜32を形成するために、Nd,Sr,Ta元
素の金属アルコキシド溶液を1500rpm で30sスピ
ンコートした。その後、150℃で5min 乾燥、さらに
空気中または酸素中、高誘電体薄膜の結晶化温度580
℃より低い温度200℃〜550℃の範囲で10〜30
min 前熱処理を行った。以上の操作を1サイクルとし
て、サイクルを2〜5回繰り返すことで厚み2500Å
の前駆体薄膜を作製した。そして最後に580℃〜65
0℃の熱処理をすることで高誘電体薄膜((NdO)
2+(Sr2Ta310)2-)を得た。この高誘電体薄膜の
配向性は、X線回折の結果c軸が45°傾いた配向であ
ることが分かった。また、(105)面の回折ピークを
用いたポールフィギュア測定より配向度は、93%であ
ることが分かった。次に、高誘電体薄膜32の上に上部
電極31を作製した。上部電極31は、図7(a)に示
すペロブスカイト構造の導電性酸化物72,単一元素の
導電性酸化物73,金属74から構成されている。前記
高誘電体薄膜(NdO)2+(Sr2Ta310)2-32上に、
酸素ガス雰囲気中スパッタリング法により650℃の温
度で厚み1000Åのペロブスカイト構造の導電性酸化
物(SrRuO3)72を作製した。さらにその上に酸素
ガス雰囲気中450℃に加熱しながらスパッタリング法
により厚み1000Åの単一元素の導電性酸化物(Ru
O)73、そして600℃に加熱しながらスパッタリン
グ法により厚み1000Åの金属(Ru)74を作製し
た。この得られた高誘電体素子の誘電率(ε)を室温で
測定したところ、560の値を示した。また、電圧とリ
ーク電流密度の関係を調べた結果を図9に示す。15V
で1×10-7A/cm2 以下と非常に耐圧特性に優れてい
ることが分かった。
【0047】なお、このようにして得られた下部電極の
Ru,RuO,SrRuO3 は、スパッタリング方法の
成膜過程を工夫することによって、特にSrRuO3
a軸配向させることができる。この配向した面を利用す
ることおよびスピンコート,乾燥,熱処理の過程の工夫
により、図4に示したような(a)(100)または
(010)配向,(b)(110)配向,(c)c軸が4
5°傾いた配向,(d)(001)配向をさせることがで
きる。配向度とε,5Vにおけるリーク電流密度(J)
の関係は、配向度70%で比較すると(a)(100)
または(010)配向でε=550〜750,J=0.1
〜2×10-6A/cm2,(b)(110)配向でε=55
0〜700,J=0.2〜5×10-6A/cm2,(c)c
軸が45°傾いた配向でε=500〜720、J=0.
2〜7×10-6A/cm2,(d)(001)配向でε=
550〜740,J=0.1〜1×10-6A/cm2であっ
た。
【0048】なお、(NdO)2+(Sr2310)2- の化
学構造式において、Cサイトの元素をTi,Nb,W,
Mo,Fe,Co,Cr,Zrのうちいずれか1種を用
いた場合においても、上記と同様の作製を行って得られ
たc軸が45°傾いた配向の高誘電体素子のε,5Vに
おけるリーク電流密度(J)を表1(a)に示す。
【0049】
【表1】
【0050】また、(TlO)2+(Sr2310)2- の化
学構造式において、Cサイトの元素をTi,Nb,T
a,W,Mo,Fe,Co,Cr,Zrのうちいずれか
を用いた場合においても、上記と同様の作製を行って得
られたc軸が45°傾いた配向の高誘電体素子のε,5
Vにおけるリーク電流密度(J)を表1(b)に示す。
また、(HgO)2+(Sr2310)2- の化学構造式にお
いて、Cサイトの元素をTi,Nb,Ta,W,Mo,
Fe,Co,Cr,Zrのうちいずれかを用いた場合に
おいても、上記と同様の作製を行って得られたc軸が4
5°傾いた配向の高誘電体素子のε,5Vにおけるリー
ク電流密度(J)を表1(c)に示す。また、(YO)
2+(Sr2310)2- の化学構造式において、Cサイト
の元素をTi,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,C
r,Zrのうちいずれかを用いた場合においても、上記
と同様の作製を行って得られたc軸が45°傾いた配向
の高誘電体素子のε,5Vにおけるリーク電流密度
(J)を表1(d)に示す。
【0051】また、(CeO)2+(Sr2310)2- の化
学構造式において、Cサイトの元素をTi,Nb,T
a,W,Mo,Fe,Co,Cr,Zrのうちいずれか
を用いた場合においても、上記と同様の作製を行って得
られたc軸が45°傾いた配向の高誘電体素子のε,5
Vにおけるリーク電流密度(J)を表1(e)に示す。
さらに、(AO)2+(B2310)2- の化学構造式におい
て、AサイトをTl,Hg,Y,Ce,Pr,Nd,P
m,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Y
b,Lu元素のうちいずれか1種、BサイトをBi,P
b,Ca,Sr,Ba元素からなる少なくとも1種以
上、CサイトをTi,Nb,Ta,W,Mo,Fe,C
o,Cr,Zr元素からなる少なくとも1種以上、を用
いた場合においても、上記と同様の作製を行って、ε=
520〜750,J=0.1 〜3×10-6A/cm2 (5
V)の高誘電体素子を得ることができる。
【0052】また、(AO)2+(B2310)2- の化学構
造式において、AサイトをLa,Sm元素のうちいずれ
か1種、BサイトをBi,Ca,Sr,Ba元素からな
る少なくとも1種以上、CサイトをTi,Nb,Ta,
W,Mo,Fe,Co,Cr,Zr元素からなる少なくと
も1種以上、を用いた場合においても、上記と同様の作
製を行って、ε=530〜760,J=0.4〜2×1
-6A/cm2(5V)の高誘電体素子を得ることができ
る。
【0053】また、(PbO)2+(B2310)2- の化学
構造式において、BサイトをCa,Sr,Ba元素から
なる少なくとも1種以上、CサイトをTi,Nb,T
a,W,Mo,Fe,Co,Cr,Zr元素からなる少
なくとも1種以上、を用いた場合においても、上記と同
様の作製を行って、ε=520〜750,J=0.1 〜
5×10-6A/cm2 (5V)の高誘電体素子を得ること
ができる。
【0054】また、(AO)2+(B127)2- 系,(A
O)2+(B3413)2- 系, (AO)2+(B45
16)2- 系の化学構造式の場合においても、Aサイト,B
サイト,Cサイトに上記と同様の元素を用いて同様の作
製を行えば、ε=500〜770,J=0.1〜5×1
-6A/cm2(5V)の高誘電体素子を得ることができ
る。
【0055】なお、表1には(c)c軸が45°傾いた
配向の場合のデータを示したが、他の配向性において
も、上述の通り、(a)(100)または(010)配向
の場合は(c)に比べてεが約1.1 倍増加、(b)(1
10)配向の場合は(c)に比べてεが約1.05 倍増
加、(d)(001)配向の場合は(c)に比べてεが約
1.1倍増加した高誘電体素子を得ることができる。
【0056】(実施の形態2)本発明に使用した(Bi
2-xx2)2+(B2310)2-の化学構造式からなる高誘
電体薄膜の結晶構造を図2に示す。この化学構造式で、
A=Sb元素,B=Sr元素,C=Ta元素,x=0.
4 の場合も実施の形態1と同様の方法で下部電極を形
成した。この下部電極上に、高誘電体薄膜を形成するた
めに、Bi,Sb,Sr,Ta元素の金属アルコキシド
溶液を1500rpm で30sスピンコートした。その
後、150℃で5min 乾燥、さらに空気中または酸素
中、高誘電体薄膜の結晶化温度580℃より低い温度3
50℃〜550℃の範囲で10〜30min 前熱処理を行
った。以上の操作を1サイクルとして、サイクルを2〜
5回繰り返すことで厚み2500Åの前駆体薄膜を作製
した。そして最後に580℃〜650℃の加熱をするこ
とで高誘電体薄膜(Bi1.6Sb0.42)2+(Sr2Ta3
10)2-を得た。この高誘電体薄膜の配向性は、X線回
折の結果c軸が45°傾いた配向であることが分かっ
た。また、(105)面の回折ピークを用いたポールフ
ィギュア測定より配向度は、90%であることが分かっ
た。次に、この高誘電体薄膜の上に実施の形態1と同様
の方法で上部電極を作製した。この得られた高誘電体素
子のε=530〜760,J=0.1〜2×10-6A/c
m2(5V)の値を示した(表2(a))。また、Biサ
イトへのA元素の置換量を0<x<2の範囲で変化させ
た場合でも、上記と同様の方法で行えば、ε=520〜
780,J=0.1〜2×10-6A/cm2(5V)の高誘電
体素子を得ることができる。
【0057】なお、このようにして得られた下部電極の
Ru,RuO,SrRuO3 は、スパッタリング方法の
成膜過程を工夫することによって、特にSrRuO3
a軸配向させることができる。この配向した面を利用す
ることおよびスピンコート,乾燥,熱処理の過程の工夫
により、図5に示したような(a)(100)または(0
10)配向,(b)(110)配向,(c)c軸が45°
傾いた配向をさせることができる。配向度とε,J(5
V)の関係は、配向度70%で比較すると(a)(10
0)または(010)配向でε=530〜780,J=
0.1 〜2×10-6A/cm2(5V),(b)(110)配
向でε=530〜700,J=0.1〜2×10-6A/c
m2(5V),(c)c軸が45°傾いた配向でε=500
〜700、J=0.3〜5×10-6A/cm2(5V)であ
った。
【0058】(Bi2-xSbx2)2+(Sr2310)2-
化学構造式において、Cサイトの元素をTi,Nb,
W,Mo,Fe,Co,Cr,Zrのうちいずれかを用
いた場合においても、上記と同様の作製を行って得られ
た高誘電体素子のε,J(5V)を表2(a)に示す。
【0059】
【表2】
【0060】また、(Bi2-xSbx2)2+(Sr23
10)2-の化学構造式において、Cサイトの元素をTi,
Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,Zrからな
る少なくとも2種以上の組み合わせを用いた場合におい
ても、上記と同様の作製を行えば、ε=530〜76
0,J=0.1〜2×10-6A/cm2(5V)の高誘電体
素子を得ることができる。
【0061】また、(Bi2-xHgx2)2+(Sr23
10)2-の化学構造式において、Cサイトの元素をTi,
Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,Zrのうち
いずれかを用いた場合においても、上記と同様の作製を
行って得られた高誘電体素子のε,J(5V)を表2
(b)に示す。
【0062】また、(Bi2-xHgx2)2+(Sr23
10)2-の化学構造式において、Cサイトの元素をTi,
Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,Zrからな
る少なくとも2種以上の組み合わせを用いた場合におい
ても、上記と同様の作製を行えば、ε=530〜76
0,J=0.1〜2×10-6A/cm2(5V)の高誘電体
素子を得ることができる。
【0063】また、(Bi2-xAsx2)2+(Sr23
10)2-の化学構造式において、Cサイトの元素をTi,
Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,Zrのうち
いずれかを用いた場合においても、上記と同様の作製を
行って得られた高誘電体素子のε,J(5V)を表2
(c)に示す。
【0064】また、(Bi2-xAsx2)2+(Sr23
10)2-の化学構造式において、Cサイトの元素をTi,
Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,Zrからな
る少なくとも2種以上の組み合わせを用いた場合におい
ても、上記と同様の作製を行えば、ε=530〜77
0,J=0.2〜2×10-6A/cm2(5V)の高誘電体
素子を得ることができる。
【0065】また、(Bi2-xTlx2)2+(Sr23
10)2-の化学構造式において、Cサイトの元素をTi,
Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,Zrのうち
いずれかを用いた場合においても、上記と同様の作製を
行って得られた高誘電体素子のε,J(5V)を表2
(d)に示す。
【0066】また、(Bi2-xTlx2)2+(Sr23
10)2-の化学構造式において、Cサイトの元素をTi,
Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,Zrからな
る少なくとも2種以上の組み合わせを用いた場合におい
ても、上記と同様の作製を行えば、ε=510〜78
0,J=0.3〜2×10-6A/cm2(5V)の高誘電体
素子を得ることができる。
【0067】さらに、(Bi2-xx2)2+(B2310)
2-の化学構造式において、AサイトをTl,Hg,S
b,Asのうちいずれか1種、BサイトをBi,Pb,
Ca,Sr,Ba,Y,希土類元素からなる少なくとも
1種以上、CサイトをTi,Nb,Ta,W,Mo,F
e,Co,Cr,Zr元素からなる少なくとも1種以
上、を用いた場合においても、上記と同様の作製を行っ
て、ε=530〜770,J=0.1〜4×10-6A/c
m2(5V)の高誘電体素子を得ることができる。また、
(Bi2-xPbx2)2+(Sr2310)2-の化学構造式に
おいて、Cサイトの元素をTi,Nb,Ta,W,M
o,Fe,Co,Cr,Zrのうちいずれか1種を用い
た場合においても、上記と同様の作製を行って得られた
高誘電体素子のε,J(5V)を表2(e)に示す。
【0068】また、(Bi2-xPbx2)2+(Sr23
10)2-の化学構造式において、Cサイトの元素をTi,
Nb,Ta,W,Mo,Co,Crからなる少なくとも
2種以上の組み合わせを用いた場合においても、上記と
同様の作製を行えば、ε=530〜770,J=0.1〜4
×10-6A/cm2(5V)の高誘電体素子を得ることが
できる。
【0069】さらに、(Bi2-xPbx2)2+(B23
10)2-の化学構造式において、BサイトをBi,Pb,
Ca,Sr,Ba,Y,希土類元素からなる少なくとも
1種以上、CサイトをTi,Nb,Ta,W,Mo,F
e,Co,Cr,Zrのうちいずれか1種、を用いた場
合においても、上記と同様の作製を行って、ε=530
〜760,J=0.1〜2×10-6A/cm2(5V)の高
誘電体素子を得ることができる。
【0070】さらに、(Bi2-xPbx2)2+(B23
10)2-の化学構造式において、BサイトをBi,Pb,
Ca,Sr,Ba,Y,希土類元素からなる少なくとも
1種以上、CサイトをTi,Nb,Ta,W,Mo,C
o,Crからなる少なくとも2種以上の組み合わせ、を
用いた場合においても、上記と同様の作製を行って、ε
=530〜780,J=0.1〜3×10-6A/cm2(5
V)の高誘電体素子を得ることができる。
【0071】また、(Bi2-xx2)2+(C14)2-系,
(Bi2-xx2)2+(B127)2-系,(Bi2-x
x2)2+(B3413)2-系,(Bi2-xx2)2+(B45
16)2-系の化学構造式に場合においても、Aサイト,
Bサイト,Cサイトに上記と同様の元素の組み合わせを
用いて同様の作製を行えば、ε=500〜780,J=
0.2〜5×10-6A/cm2(5V)の高誘電体素子を得
ることができる。
【0072】なお、表2には(c)c軸が45°傾いた
配向の場合のデータを示したが、他の配向性において
も、上述の通り、(a)(100)または(010)配向
の場合は(c)に比べてεが約1.1倍増加,(b)(11
0)配向の場合は(c)に比べてεが約1.05 倍増加
した高誘電体素子を得ることができる。
【0073】(実施の形態3)図6は、本発明にかかる
下部電極の内部構成を表わしており、まず実施の形態1
と同様に下地基板65上に、600℃に加熱しながらス
パッタリング法により厚み1000ÅのPt,Au,A
l,Ni,Cr,Ti,Mo,Wのうちのいずれかの金
属64を作製した。次に、酸素ガス雰囲気中、その上に
450℃に加熱しながらスパッタリング法により厚み1
000ÅのTiOx,VOx,EuO,CrO2,Mo
2,WO2,PhO,OsO,IrO,PtO,ReO
2,RuO2,SnO2 のうちのいずれかの単一元素の導
電性酸化物63、最後に650℃の温度でスパッタリン
グ法により厚み1000ÅのReO3,SrReO3,B
aReO3,LaTiO3,SrVO3,CaCrO3,S
rCrO3,SrFeO3,La1-xSrxCoO3(0<x
<0.5),LaNiO3,CaRuO3,SrRuO3
SrTiO3,BaPbO3 のうちのいずれかのペロブ
スカイト構造の導電性酸化物62を作製した。次にこの
得られた下部電極上に、実施の形態1で得られた高誘電
体薄膜を作製した。
【0074】さらに、本発明にかかる図7(a)の上部
電極を以下の方法で作製した。実施の形態1と同様に酸
素ガス雰囲気中スパッタリング法により650℃の温度
で厚み1000ÅのReO3,SrReO3,BaReO
3,LaTiO3,SrVO3,CaCrO3,SrCr
3,SrFeO3,La1-xSrxCoO3(0<x<0.
5),LaNiO3,CaRuO3,SrRuO3,SrT
iO3,BaPbO3 のうちのいずれかのペロブスカイ
ト構造の導電性酸化物72、その上に酸素ガス雰囲気中
450℃に加熱しながらスパッタリング法により厚み1
000ÅのTiOx,VOx,EuO,CrO2,Mo
2,WO2,PhO,OsO,IrO,PtO,ReO
2,RuO2,SnO2 のうちのいずれかの単一元素の導
電性酸化物73、そして600℃に加熱しながらスパッ
タリング法により厚み1000ÅのPt,Au,Al,
Ni,Cr,Ti,Mo,Wのうちのいずれかの74金
属の上部電極を形成して、高誘電体素子が得られた。得
られた高誘電体素子は、ε=530〜780,J=0.
1〜3×10-6A/cm2(5V)の値を示した。
【0075】また、上記と同様の方法で下部電極,高誘
電体薄膜を形成した上に、本発明にかかる図7(b)の
上部電極を以下の方法で作製した。実施の形態1と同様
に酸素ガス雰囲気中スパッタリング法により650℃の
温度で厚み1000ÅのReO3,SrReO3,BaR
eO3,LaTiO3,SrVO3,CaCrO3,SrC
rO3,SrFeO3,La1-xSrxCoO3(0<x<
0.5),LaNiO3,CaRuO3,SrRuO3,Sr
TiO3,BaPbO3のうちのいずれかのペロブスカイ
ト構造の導電性酸化物72、その上に600℃に加熱し
ながらスパッタリング法により厚み1000ÅのPt,
Au,Al,Ni,Cr,Ti,Mo,Wのうちのいず
れかの金属74の上部電極を形成して、強誘電体素子が
得られた。得られた高誘電体素子は、ε=530〜76
0,J=0.1〜2×10-6A/cm2(5V)の値を示し
た。
【0076】さらに、上記と同様の方法で下部電極を形
成した上に、実施の形態2で得られた高誘電体薄膜を形
成し、さらにその上に上記と同様の方法で上部電極を形
成して高誘電体素子が得られた。得られた高誘電体素子
は、ε=530〜760,J=0.1〜3×10-6A/c
m2(5V)の値を示した。
【0077】(実施の形態4)実施の形態1〜3での高
誘電体薄膜の作製には、スピンコート用出発原料として
金属アルコキシドを用いたが、アセチルアセトン金属
塩,カルボン酸金属塩,酢酸塩およびナフテン酸または
オクチル酸金属石鹸を出発液としてスピンコートして
も、同様に高誘電体薄膜を作製することができる。
【0078】また、上記と同様に高誘電体薄膜の作製方
法として、金属アルコキシド,アセチルアセトン金属
塩,カルボン酸金属塩,酢酸塩およびナフテン酸または
オクチル酸金属石鹸を出発液としたディップコート法を
用いた場合も上記と同様のプロセスを行えば、同様の高
誘電体薄膜を作製することができる。
【0079】さらに、実施の形態1〜3での高誘電体薄
膜の作製において、酸素ガスを含んだ圧力0.02 〜1
-4torrの雰囲気で、スパッタリング法により、形成す
る温度530℃から650℃の範囲で、成膜時間1h行
うことで、膜厚2500Åの高誘電体薄膜を得た。
【0080】また、実施の形態1〜3での高誘電体薄膜
の作製において、酸素ガスを含んだ圧力0.3 〜10-4
torrの雰囲気で、上記高誘電体薄膜と同一な組成の焼結
体を用いたレーザ蒸着法により、形成する温度530℃
から650℃の範囲で、成膜時間1h行うことで、膜厚
2500Åの高誘電体薄膜を得た。
【0081】また、実施の形態1〜3での高誘電体薄膜
の作製において、β−ジケトン錯体化合物,フェニル基
またはo−トリル基の化合物を出発原料としたMOCV
D法を用いた場合も、酸素ガスを含んだ圧力0.3 〜1
-4torrの雰囲気で、形成する温度530℃から650
℃の範囲で、成膜時間2h行うことで、膜厚2500Å
の高誘電体薄膜を得た。
【0082】なお、上記のレーザ蒸着法およびMOCV
D法においては、励起した酸素(オゾン,ECRまたは
マイクロ波プラズマ)を含んだ圧力0.3 〜10-4torr
の雰囲気で、形成する温度500℃から620℃の範囲
で、成膜時間1−2h行うことで、膜厚2500Åの高
誘電体薄膜を得た。
【0083】さらに、実施の形態1〜3での金属、単一
元素の導電性酸化物,ペロブスカイト構造の導電性酸化
物のいずれの作製においても、上記と同様のプロセスを
行えば、同様の金属,単一元素の導電性酸化物,ペロブ
スカイト構造の導電性酸化物を作製することができる。
【0084】(実施の形態5)図8は、本発明にかかる
高誘電体メモリーセルの断面図であり、作製方法を以下
に示す。まず、ソース部86およびドレイン部87を持
つSi85を基板に用い、これを表面酸化して膜厚25
0ÅのSiO2 膜を形成した。マスク−パターニングし
て基板中央に凸部SiO2 89を作製した。次に、得ら
れた凸部をCVD法により膜厚4500Åのポリクリスタ
ルSiの金属管810を形成し、さらに表面酸化して膜
厚250ÅのSiO2 88を形成してMOS部トランジ
スタを作製した。得られた半導体MOS部に対抗したキ
ャパシター部に、まず800℃に加熱しながら厚み20
00Åの84TiN層のバリア層を作製した。この上
に、実施の形態1〜4で作製された上部電極81,高誘
電体薄膜82,下部電極83からなる構造の高誘電体素
子を形成することで、高誘電体メモリーセルを得た。得
られた高誘電体メモリーセルは、3Vの電圧で得られた
蓄積電化容量の変化で検出できるメモリーセルである。
【0085】
【発明の効果】以上のように、集積度の高い高誘電体素
子を得るために、自発分極の結晶異方性のないブロッキ
ング層が一層の(AO)2+(By-1y3y+1)2- (但しy
=2,3,4,5)の化学構造式で表わされるペロブス
カイト構造の高誘電体薄膜で、Aサイト、および結晶格
子を構成するBサイト、分極を発生するCサイトにイオ
ン半径の異なる元素を組み合わせることで結晶格子に任
意の大きな歪みを与えた高い誘電率および小さなリーク
電流密度を有する高誘電体薄膜を電極で挟んだ構造の高
誘電体素子を提供することができた。また、二層のBi
−O層を含むペロブスカイト構造の高誘電体薄膜では、
Biサイト、および結晶格子を構成するBサイト、分極
を発生するCサイトにイオン半径の異なる元素を組み合
わせることで結晶格子に任意の大きな歪みを与え、その
結果高い誘電率および小さなリーク電流密度を有する高
誘電体薄膜を電極で挟んだ構造の高誘電体素子を提供す
ることができた。
【0086】さらに、上記高誘電体素子を半導体MOS
構造に組み込むことで、読み出しおよび書き込みを検出
する高誘電体メモリセルを形成できた。
【0087】以上、高集積度な高誘電体素子,メモリー
セルへの応用を図れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高誘電体薄膜の結晶構造図である。
【図2】本発明の高誘電体薄膜の結晶構造図である。
【図3】本発明の高誘電体素子を示す断面図である。
【図4】本発明の高誘電体薄膜の結晶配向の模式図であ
る。
【図5】本発明の高誘電体薄膜の結晶配向の模式図であ
る。
【図6】本発明の下部電極の内部構成を示す断面図であ
る。
【図7】本発明の上部電極の内部構成を示す断面図であ
る。
【図8】本発明の高誘電体メモリを示す断面図である。
【図9】本発明の高誘電体薄膜のリーク電流密度のデー
タである。
【符号の説明】
31,81…上部電極、32,41,51,61,7
1,82…高誘電体薄膜、33,83…下部電極、3
4,42,52,65…下地基板、62,72…ペロブ
スカイト構造の導電性酸化物、63,73…単一元素の
導電性酸化物、64,74…金属、84…TiN、85
…Si、86…ソース部、87…ドレイン部、88、8
9…SiO2 、810…金属層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 11/02 H01L 27/04 C H01L 27/04 21/822 (72)発明者 大石 知司 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 高橋 研 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部電極と高誘電体薄膜と下部電極からな
    る高誘電体素子において、前記高誘電体薄膜がペロブス
    カイト構造であり、かつ (AO)2+(By-1y3y+1)2- A=Tl,Hg,Ce,Y,Pr,Nd,Pm,Eu,
    Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu B=Bi,Pb,Ca,Sr,Baからなる少なくとも
    1種以上 C=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,
    Zrからなる少なくとも1種以上 y=2,3,4,5 なる化学構造式で表わされていることを特徴とする高誘
    電体素子。
  2. 【請求項2】上部電極と高誘電体薄膜と下部電極からな
    る高誘電体素子において、前記高誘電体薄膜がペロブス
    カイト構造であり、かつ (AO)2+(By-1y3y+1)2- A=La,Sm B=Bi,Ca,Sr,Baからなる少なくとも1種以
    上 C=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,
    Zrからなる少なくとも1種以上 y=2,3,4,5 なる化学構造式で表わされていることを特徴とする高誘
    電体素子。
  3. 【請求項3】上部電極と高誘電体薄膜と下部電極からな
    る高誘電体素子において、前記高誘電体薄膜がペロブス
    カイト構造であり、かつ (PbO)2+(By-1y3y+1)2- B=Ca,Sr,Baからなる少なくとも1種以上 C=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,
    Zrからなる少なくとも1種以上 y=2,3,4,5 なる化学構造式で表わされていることを特徴とする高誘
    電体素子。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれかに記載の高誘電
    体薄膜が、下部電極に対して(100)配向、または(01
    0)配向をしていることを特徴とする高誘電体薄膜。
  5. 【請求項5】請求項1から3のいずれかに記載の該高誘
    電体薄膜が、下部電極に対して(110)配向をしてい
    ることを特徴とする高誘電体薄膜。
  6. 【請求項6】請求項1から3のいずれかに記載の該高誘
    電体薄膜が、下部電極に対して(001)配向をしてい
    ることを特徴とする高誘電体薄膜。
  7. 【請求項7】請求項1から3のいずれかに記載の該高誘
    電体薄膜が、下部電極に対してc軸が45°傾いた配向
    をしていることを特徴とする高誘電体薄膜。
  8. 【請求項8】請求項4に記載の該下部電極に対して(1
    00)配向、または(010)配向の高誘電体薄膜の割
    合が70%以上であることを特徴とする高誘電体薄膜。
  9. 【請求項9】請求項5記載の該下部電極に対して(11
    0)配向の高誘電体薄膜の割合が80%以上であること
    を特徴とする高誘電体薄膜。
  10. 【請求項10】請求項6記載の該下部電極に対して(0
    01)配向の高誘電体薄膜の割合が70%以上であるこ
    とを特徴とする高誘電体薄膜。
  11. 【請求項11】請求項7記載の該下部電極に対してc軸
    が45°傾いた配向の高誘電体薄膜の割合が90%以上
    であることを特徴とする高誘電体薄膜。
  12. 【請求項12】上部電極と高誘電体薄膜と下部電極から
    なる高誘電体素子において、該高誘電体薄膜がペロブス
    カイト構造であり、かつ (Bi2-xx2)2+(By-1y3y+1)2- A=Tl,Hg,Sb,As B=Bi,Pb,Ca,Sr,Ba,Y,希土類元素か
    らなる少なくとも1種以上 C=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,
    Zrからなる少なくとも1種以上 0<x<2 y=1,2,3,4,5 なる化学構造式で表わされていることを特徴とする高誘
    電体素子。
  13. 【請求項13】上部電極と高誘電体薄膜と下部電極から
    なる高誘電体素子において、該高誘電体薄膜がペロブス
    カイト構造であり、かつ (Bi2-xPbx2)2+(By-1y3y+1)2- B=Bi,Pb,Ca,Sr,Ba,Y,希土類元素か
    らなる少なくとも1種以上 C=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,Co,Cr,
    Zrからなる少なくとも1種あるいはTi,Nb,T
    a,W,Mo,Co,Crからなる少なくとも2種以上 0<x<2 y=1,2,3,4,5 なる化学構造式で表わされていることを特徴とする高誘
    電体素子。
  14. 【請求項14】請求項12あるいは13に記載の該高誘
    電体薄膜が、下部電極に対して(100)配向、または(0
    10)配向をしていることを特徴とする高誘電体薄膜。
  15. 【請求項15】請求項12あるいは13記載の該高誘電
    体薄膜が、下部電極に対して(110)配向をしている
    ことを特徴とする高誘電体薄膜。
  16. 【請求項16】請求項12あるいは13記載の該高誘電
    体薄膜が、下部電極に対してc軸が45°傾いた配向を
    していることを特徴とする高誘電体薄膜。
  17. 【請求項17】請求項14記載の該下部電極に対して
    (100)配向、または(010)配向の高誘電体薄膜
    の割合が70%以上であることを特徴とする高誘電体薄
    膜。
  18. 【請求項18】請求項15記載の該下部電極に対して
    (110)配向の高誘電体薄膜の割合が80%以上であ
    ることを特徴とする高誘電体薄膜。
  19. 【請求項19】請求項16記載の該下部電極に対してc
    軸が45°傾いた配向の高誘電体薄膜の割合が90%以
    上であることを特徴とする高誘電体薄膜。
  20. 【請求項20】請求項1,2,3,12あるいは13の
    いずれかに記載の該下部電極が、下地基板から金属,単
    一元素の導電性酸化物,ペロブスカイト構造の導電性酸
    化物で構成されており、かつ前記導電性酸化物が特定の
    面で配向していることを特徴とする下部電極。
  21. 【請求項21】請求項1,2,3,12あるいは13の
    いずれかに記載の該上部電極が、高誘電体薄膜と接する
    層からペロブスカイト構造の導電性酸化物,金属または
    ペロブスカイト構造の導電性酸化物,単一元素からなる
    導電性酸化物,金属の順で構成されていることを特徴と
    する上部電極。
  22. 【請求項22】請求項20あるいは21に記載の該金属
    が、Pt,Au,Al,Ni,Cr,Ti,Mo,Wの
    少なくとも1種の金属であることを特徴とする金属。
  23. 【請求項23】請求項20あるいは21に記載の単一元
    素からなる導電性酸化物が、Ti,V,Eu,Cr,M
    o,W,Ph,Os,Ir,Pt,Re,Ru,Snの
    少なくとも1種の酸化物であり、かつ抵抗率が1mΩ・
    cm以下であることを特徴とする導電性酸化物。
  24. 【請求項24】請求項20あるいは21に記載のペロブ
    スカイト構造の導電性酸化物が、ReO3,SrRe
    3,BaReO3,LaTiO3,SrVO3,CaCr
    3,SrCrO3,SrFeO3,La1-xSrxCoO3
    (0<x<0.5),LaNiO3,CaRuO3,SrRu
    3,SrTiO3,BaPbO3の少なくとも1種のペ
    ロブスカイトであり、かつ抵抗率が1mΩ・cm以下であ
    ることを特徴とする導電性酸化物。
  25. 【請求項25】スパッタリング法により雰囲気を酸素と
    不活性ガスの混合ガスとして、かつ形成する温度が65
    0℃以下で高誘電体薄膜を形成することを特徴とする高
    誘電体薄膜の形成方法。
  26. 【請求項26】レーザ蒸着法により雰囲気を酸素あるい
    は励起した酸素として、かつ形成する温度が650℃以
    下で高誘電体薄膜を形成することを特徴とする高誘電体
    薄膜の形成方法。
  27. 【請求項27】MOCVD法により雰囲気を酸素あるい
    は励起した酸素として、かつ形成する温度が650℃以
    下で高誘電体薄膜を形成することを特徴とする高誘電体
    薄膜の形成方法。
  28. 【請求項28】金属アルコキシドあるいは有機酸塩を出
    発原料としたスピンコート法により、常圧で、かつ形成
    する温度が650℃以下で高誘電体薄膜を形成すること
    を特徴とする高誘電体薄膜の形成方法。
  29. 【請求項29】金属アルコキシドあるいは有機酸塩を出
    発原料としたディップコート法により、常圧で、かつ形
    成する温度が650℃以下で高誘電体薄膜を形成するこ
    とを特徴とする高誘電体薄膜の形成方法。
  30. 【請求項30】請求項28あるいは29に記載の金属ア
    ルコキシドあるいは有機酸塩を出発原料としたスピンコ
    ート法あるいはディップコート法による高誘電体薄膜の
    形成方法において、紫外領域の光を照射しながら高誘電
    体薄膜を形成することを特徴とする高誘電体薄膜の形成
    方法。
  31. 【請求項31】請求項1,2,3,12あるいは13の
    いずれかに記載の該高誘電体素子が、半導体MOS部の
    キャパシターとして形成されていることを特徴とする高
    誘電体メモリーセル。
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