JPH10278544A - 自動車用空気調和装置のドア機構 - Google Patents

自動車用空気調和装置のドア機構

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JPH10278544A
JPH10278544A JP5369897A JP5369897A JPH10278544A JP H10278544 A JPH10278544 A JP H10278544A JP 5369897 A JP5369897 A JP 5369897A JP 5369897 A JP5369897 A JP 5369897A JP H10278544 A JPH10278544 A JP H10278544A
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air
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俊也 内田
Masaharu Onda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユニットのコンパクト化を図りつつ、円滑に
操作でき、シール性や温調特性も優れた、異音も生じな
い快適な「自動車用空気調和装置のドア機構」を提供す
る。 【解決手段】 ドア作動を規制する規制部材Kが存在す
る上流側風路10と下流側風路11との間で作動するド
アDをスライド式とするとともに当該ドア本体12に貼
着されたシール部材15をドア本体12が閉鎖時のみに
当接部材13との間で加圧されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、狭小なスペース内
でスライド移動し、空気流を制御する自動車用空気調和
装置のドア機構に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用空気調和装置は、内外
気を導入するインテークユニット、この導入空気を冷却
するクーラユニット、導入空気を加熱するヒータユニッ
トを有し、これら3つのユニットを直列的に合体し、車
室内のインストルメントパネルの下部という狭小な空間
に設置されていることは周知である。
【0003】しかし、この自動車用空気調和装置は、3
つのユニットを直列的に連結するため、装置全体が大型
化し、小型の車両に搭載すると、狭小な車室内空間をよ
り狭小にすることから好ましくない。
【0004】したがって、図11に示すように、クーラ
ユニット1とヒータユニット2とを極めて近接して配置
し、この両ユニット1,2を車両の前後方向に位置する
ように連結配置し、車両の前後方向の寸法Lを小さくす
るとともに車幅方向も小さな寸法としたものもある。こ
のユニットは、エバポレータ3とヒータコア4との間の
寸法を小さくするとともに冷風と温風を作り出すための
ミックスドア(以下単にドア)5の大きさも小さくする
ことによりコンパクト化を図っている。
【0005】ここに、エバポレータ3とは、周知のよう
に冷房サイクル中を流れる低温低圧の冷媒が内部を流通
しており、ここに導入された空気を冷媒との熱交換によ
り冷却し冷風とするものである。また、ヒータコア4と
は、高温のエンジン冷却水が内部を流通しており、ここ
に導入された空気を高温のエンジン冷却水との熱交換に
より加熱し温風とするものである。
【0006】なお、図中の符号「6」は窓の曇りを晴ら
すデフロストモード時にデフ口6aを開放するデフド
ア、「7」は乗員の上半身に冷風を吹き出すベントモー
ド時にベント口7aを開放するベントドア、「8」は乗
員の下半身に温風を吹き出すフットモード時にフット口
8aを開放するフットドアである。
【0007】このように構成されたユニットは、ドア5
を小形化した結果、冷風と温風の配風制御が難しく、場
合によっては図中破線で示す補助ドア5aを設け、ヒー
タコア4に流入する空気の量を制御する必要が生じるこ
ともあるが、このようにすれば、構成が複雑化し、コス
ト的にも好ましくない。
【0008】このため、最近では、図12に示すよう
な、さらにコンパクトな構造とした自動車用空気調和装
置が提案されいる(実開平6−71222号公報参
照)。
【0009】この装置は、クーラユニット1とヒータユ
ニット2とを一体化し、エバポレータ3とヒータコア4
とをさらに近接して配置することによりコンパクトなも
のとしている。つまり、前記ミックスドア5のように回
転軸5bを中心として回動するドア5ではスペース的に
大きくなることから、これを偏平な板状ドア9(図示の
ものは2枚のドア9a,9bからなりピンpa ,pb を
介してリンク機構からなるドア作動機構と連結されてい
る)とし、これをレール9cに沿って上下にスライドさ
せることにより温調制御を行なうようにしたものであ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上下に
スライド式のドア機構は、作動性とシール性の点で問題
を有するものとなっている。つまり、ドア9の周辺部分
からの空気漏れを防止するためには、レール9cとドア
9との間は隙間が生じないようにしなければならない
が、あまりに隙間を狭くするとドアの摺動抵抗が大きく
なり、ドア9が円滑に作動しなくなる。ドア9とレール
9cとの間にシール材を設けたとしても同様である。ま
た、ドア作動を円滑化するために隙間をとると、風漏れ
を起こす虞れがあるという二律背反的な問題を有してい
る。
【0011】前記公報に記載されたドア9のみならず、
一般的に板状のドアをスライド移動させるスライド式の
ドア機構は、シールしくいという特質を有している。例
えば、直線的に作動するドアが終端位置になったときの
シールは、ドアと当該ドアが当接する当接部材との間に
シール部材を介在させれば良いが、このようにすれば、
ドア作動の度に偏平なシール部材が薄い板状ドアの端部
により加圧されるので、シール部材はへたり易く、所望
のシール性を長期にわたり維持することが難しい。この
結果、ドアが終端位置にセットされると、風漏れ等を起
こすという事態が比較的短期間の内に生じ、これを前述
のミックスドアに使用した場合には、シール性の低下か
ら温調特性が低下する可能性がある。
【0012】さらに、前記ドア9のようにスライド機構
をリンク機構により構成すれば、ドア作動時にピンとリ
ンクとの間の連結にガタが生じやすく、風圧がドアに加
わると、ガタに起因する異音が生じ、これが車室内に伝
播する、乗員に不快感を与える虞れもある。
【0013】本発明は、上記従来技術の課題を解決する
ためになされたものであり、ユニットのコンパクト化を
図りつつ、円滑に操作でき、シール性や温調特性も優れ
た、異音も生じない快適な自動車用空気調和装置のドア
機構を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するための請求項1に記載の発明に係る自動車用空気調
和装置のドア機構は、1つの上流側風路から流下した空
気流を、分岐された2つの下流側風路に選択的に流すか
あるいは各下流側風路に所定の比率で空気を流すように
配置された所定の大きさのドアを有し、当該ドアの上流
側と下流側にそれぞれドア作動を規制する規制部材がド
アに近接して存在する自動車用空気調和装置において、
前記ドアは、前記規制部材間で上流側風路からの空気流
を遮断する方向に伸延されたドア本体と、当該ドア本体
の一面に設けられたシール部材とを有し、当該ドア本体
はスライド機構により空気流を遮断する方向にスライド
可能とされ、当該スライド機構は、前記ドア本体に形成
された歯部に歯車を噛合し、当該歯車を駆動する駆動部
により前記ドア本体が前記スライドの終端位置で当該ス
ライドの方向と交差する方向に移動し、前記シール部材
が前記風路を形成するケースに形成された当接部材に当
接し押圧されるようにしたことを特徴とする。
【0015】このようにすれば、例えば、ドアを、冷風
をヒータコア側と当該ヒータコアをバイパスするバイパ
ス通路側に分岐して流すようにしたミックスドアとして
使用した場合に、ドア本体は、1つの上流側風路と分岐
された2つの下流側風路の、規制部材間で空気流を遮断
する方向にスライド移動するので、風の流れ方向の寸法
が小さくなり、ユニットのコンパクト化を図ることがで
きる。また、スライドの終端位置でスライドの方向と交
差する方向に移動するので、シール部材を加圧しつつシ
ールを行なうことができ、ドア終端位置でのシール性
や、ドア中間位置での温調特性も優れたものとなる。さ
らに、スライド機構は、歯車駆動であるため、作動が円
滑になり、ドアの操作性も向上し、異音が生じない快適
なドア制御が可能となる。
【0016】請求項2に記載の発明に係る自動車用空気
調和装置のドア機構は、2つの上流側風路からの空気流
を選択して1つの下流側風路に流すように配置された所
定の大きさのドアを有し、当該ドアの上流側と下流側に
それぞれドア作動を規制する規制部材がドアに近接して
存在する自動車用空気調和装置において、前記ドアは、
前記規制部材間で上流側風路からの空気流を遮断する方
向に伸延されたドア本体と、当該ドア本体の一面に設け
られたシール部材とを有し、当該ドア本体はスライド機
構により空気流を遮断する方向にスライド可能とされ、
当該スライド機構は、前記ドア本体に形成された歯部に
歯車を噛合し、当該歯車を駆動する駆動部により前記ド
ア本体が前記スライドの終端位置で当該スライドの方向
と交差する方向に移動し、前記シール部材が前記風路を
形成するケースに形成された当接部材に当接し押圧され
るようにしたことを特徴とする。
【0017】このようにすれば、例えば、ドアを、車室
内空気(以下内気)と車室外空気(以下外気)とを選択
的に導入するためのインテークドアとして使用した場合
に、ドア本体は、2つの上流側風路と1つの下流側風路
の、規制部材間で空気流を遮断する方向にスライド移動
するので、風の流れ方向の寸法が小さくなり、ユニット
のコンパクト化を図ることができる。また、スライドの
終端位置でスライドの方向と交差する方向に移動するの
で、シール部材を加圧しつつシールを行なうことがで
き、ドア終端位置でのシール性が向上する。さらに、ス
ライド機構は、歯車駆動であるため、作動が円滑にな
り、ドアの操作性も向上し、異音が生じない快適なドア
制御が可能となる。
【0018】請求項3に記載の発明では、スライド機構
は、前記風路を形成するケースの両側に、前記ドア本体
の一側より複数個突設された案内部材が嵌挿される溝カ
ムが形成され、当該溝カムは前記案内部材を終端位置で
スライド方向と交差する方向に案内する部分を有し、ド
ア本体の終端位置でシール部材を当接部材に押圧するよ
うにしたことを特徴とする。
【0019】このようにすれば、ケースの両側に形成さ
れた溝カムに沿ってドア本体を作動するので、ドア本体
が風圧を受けてもガタつくことなく作動し、溝カムによ
りドア本体を介してシール部材を当接部材に押圧するこ
とになるので、長期にわたりシール性の低下が防止さ
れ、シール性が向上する。
【0020】請求項4に記載の発明では、スライド機構
は、前記歯車に形成された歯の一部を他の歯よりも歯丈
が高い高歯としてなり、前記駆動部が前記歯車を回動す
ることにより当該高歯が前記ドア本体に形成された歯部
を介してドア本体のシール部材を当接部材に押圧するよ
うにしたことを特徴とする。
【0021】このようにすれば、歯車に形成された高歯
によりドア本体を押圧し、シール部材を当接部材に押圧
することになるので、長期にわたりシール性の低下が防
止され、シール性が向上する。
【0022】請求項5に記載の発明では、ドア本体は、
幅方向の中心に設けられかつドア本体に弾性的に当接さ
れる位置固定の支持ローラにより支持するようにしたこ
とを特徴とする。
【0023】このようにすれば、ドア本体が近接して設
けられたエバポレータやヒータコアからの熱的影響によ
り多少変形しても、またドア本体に大きな風圧が掛かっ
てもドア本体の変形を予防あるいは修正し、所定のドア
作動が可能となり、スライド機構を歯車式としても、歯
車作動時に歯飛び作動等の異常もなく、円滑に作動す
る。
【0024】請求項6に記載の発明では、ドア本体は、
前記駆動部が回動する前記歯車と接する円弧状としたこ
とを特徴とする。
【0025】このようにすれば、歯車に追随し作動が円
滑になり、しかも、空気流を遮断するように設けられた
ドア本体であっても、空気の流れ方向に向かって凸とす
れば、空気流の分配特性や、ガイド特性が向上するとと
もに空気抵抗の少ないものとなり、空気の流れ方向に向
かって凹とすれば、空気流のガイド特性が向上する。
【0026】請求項7に記載の発明では、前記風路は、
前記ドア本体を挟持するように一対のケース部材を合体
することにより形成したものであり、当該ドア本体の空
気の流れ方向後流側であってかつこのドア本体のスライ
ド方向中央部に前記一対のケース部材を連結する連結部
を有することを特徴とする。
【0027】前記ドアにおいては、スライド方向中央部
がデッドスペースになるが、このようにすれば、このデ
ッドスペースを利用して一対のケース部材を連結するこ
とができ、ケース自体の強度剛性を高めることができ、
しかも別途連結部を設ける場合に比し、通気抵抗の低減
を図ることができ、さらには流通する空気流の風向性も
維持することができ、温調特性も向上する。
【0028】請求項8に記載の発明では、前記支持ロー
ラは、前記連結部に取り付けたことを特徴とする。
【0029】このようにすれば、一対のケース部材を合
体して風路を形成する場合に、支持ローラも一緒に取り
付けることができ、また、ドアのスライド方向中央部に
生じるデッドスペースを利用して支持ローラを設置でき
るので、スペースの有効利用を図ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。 《実施の形態1》図1は本発明の実施の形態1に係る自
動車用空気調和装置を示すもので、図2の1−1線に沿
う断面図、図2は図1の平面図、図3はドア機構を示す
水平断面図、図4はドアを一部破断して示す概略斜視
図、図5は図3の5−5線に沿う端面図、図6はドア要
部を拡大して示す説明図、図7は溝カム部分を示す説明
図、図8は支持ローラを示すもので、図7の8−8線に
沿う断面図である。なお、図11,12に示す部材と共
通するものには同一符号を付している。
【0031】図1に示すように、本実施の形態1に係る
自動車用空気調和装置のドア機構は、ミックスドアに適
用したものである。
【0032】この自動車用空気調和装置は、図1に示す
ように、クーラユニット1とヒータユニット2とを車両
の前後方向に並べて一体化し、車両の前後方向の寸法L
を短くしたケースCを有し、このケースCの上流側風路
10内にはエバポレータ3が設けられ、下流側風路11
内にはヒータコア4が設けられている。
【0033】これら風路10,11は、一対のケース部
材C1 ,C2 を最中合わせすることにより形成し、この
最中合わせのときに内部に、後述するドア本体12や前
記エバポレータ3あるいはヒータコア4等が挟持され、
保持されている。
【0034】そして、この風路10,11では、上流側
風路10から流下した空気流は、エバポレータ3とヒー
タコア4との間に設けられたドアDをスライド機構Mに
よりスライド移動することにより、ヒータコア4側と、
当該ヒータコア4をバイパスするバイパス通路B側に選
択的に流したり、あるいはヒータコア4側とバイパス通
路B側という各風路に所定の比率で分岐して空気を流す
ようになっている。
【0035】ここに、ドアDの上流側と下流側には、エ
バポレータ3とヒータコア4が近接して設けられている
が、これらは、ドアDを作動させる場合にドアDの動き
の自由を規制する部材となるので、以下これらを総称し
て規制部材Kと称する。
【0036】さらに、ドアDとスライド機構Mについて
詳述する。
【0037】まず、ドアDは、前記規制部材Kであるエ
バポレータ3とヒータコア4間で上流側風路10からの
空気流を遮断する方向に伸延されたドア本体12を有し
ている。
【0038】このドア本体12は、図1に示すように、
上下方向が上流側風路10と下流側風路11との開口部
14のほぼ半分程度であり、幅方向が図2に示すよう
に、ケースCの一側から他側まで設けられたものであ
る。
【0039】このドア本体12は、図4に示すように、
概して外周の平坦部12aと、内部のドーム状の膨出部
12bとを有し、平坦部12aの外面には発泡ウレタン
などからなるシール部材15が貼着されている。ただ
し、このシール部材15は、膨出部12bの背面側のみ
でなく、腹面側に設けても良い。
【0040】また、当該ドア本体12の側端部位には、
ドア本体12の補強と空気流のガイド機能を有する一対
の補強プレート16が設けられている。これら補強プレ
ート16とドア本体12の側端との間は断面円弧状とさ
れ、ここには後に詳述する駆動部23における部分歯車
20と噛合される歯部17が上端から下端まで連続して
形成されている。
【0041】ドア本体12の上下4つの側端部には、後
に詳述するケースCの内側壁より突出したガイド用の溝
カム19内に転動自在に嵌挿される案内ローラ18が突
出されている。この案内ローラ18は、場合によっては
転動しない円柱状のピンであっても良い。
【0042】なお、ドア本体12は、駆動部23が回動
する歯車20と接するような円弧状としているが、この
円弧状は、図示するように、空気の流れ方向に向かって
「凹」のみでなく「凸」でもよい。例えば、「凸」とす
れば、空気流の分配特性が向上し、またヒータコア4や
バイパス通路Bへ導くガイド特性も向上するとともに空
気抵抗の少ないものとなり、「凹」とすれば、空気流を
ヒータコア4に導く場合やバイパス通路Bへ導くときの
ガイドとなり、通気抵抗なくガイド機能を発揮するの
で、空気流のガイド特性がより一層向上する。
【0043】特に、スライド式のドアDの場合、ユニッ
トの小形化を図ることができることはいうまでもない
が、当該ドアDがどのような開度状態であっても、流れ
る空気流の軸(風軸)が変化せず、風軸を一定にするこ
とができるという特徴もある。
【0044】つまり、従来のように回動軸を中心として
回動されるドアの場合には、ドアの開度により当該とド
ア自体により空気の流れ方向が大幅に変動し、その風軸
が変化することになり、結果的に冷風と温風とのミック
ス状態が予期しない状態になり、往々にして温調リブを
設けたり、ケース自体の形状を変えたりして、所望の温
調状態が得られるようにする必要が生じるが、スライド
式ドアDの場合には、スムーズに空気の流れを変更する
ので、風軸が変化せず一定にできる。
【0045】風軸が一定にできれば、各吹出口への空気
の流れを考慮したレイアウトが可能となり、またこれを
ミックスドアに用いれば、温風と冷風が一定の角度で衝
突させることができるので、安定したミックス性が可能
となる。さらに一方向の風軸に基づいて配風やミックス
性の対策を取れば良いので、円滑な配風ができ、温調特
性も所期の設計通りのものとすることができ、温調リブ
の設置や、ケース形状の変更も行なうことなく、配風や
ミックス性を向上させることができる。
【0046】次に、このドアDを作動するためのスライ
ド機構Mは、図3に示すように、ケースCの内側壁に形
成された溝カム19と、前記ドア本体12の一面に形成
された歯部17に噛合する一対の部分歯車20と、この
部分歯車20を相互に連結する軸21と、この軸21の
端部に固着された駆動歯車22と、当該駆動歯車22を
駆動するモータあるいはモータアクチュエータ等の駆動
部23(図1,2参照)とを有している。なお、この駆
動部23は、場合によってはコントローラとワイヤーケ
ーブルを介して連結された手動操作機構としても良い。
【0047】ここに、溝カム19は、図7に示すよう
に、ドアDの曲率半径とほぼ同じ曲率半径rを有するよ
うに形成され、ドア本体12の4つの案内ローラ18を
支持し、ドア本体12が風圧を受けてもガタつくことな
く作動するようにしたものである。この溝カム19は、
各内側壁に円弧状に形成されたものが上下一対形成さ
れ、上部の案内ローラ18は上部の溝カム19に、下部
の案内ローラ18は下部の溝カム19にそれぞれ嵌挿さ
れているが、各溝カム19の終端部19aは、ドア本体
12がスライドの終端位置で当該スライドの方向と交差
する方向、つまり図示実施の形態では所定の円弧状のス
ライド方向から斜め後方に移動するように形成されてい
る。
【0048】これにより前記シール部材15が当接部材
である仕切壁13に当接し、加圧され、シール性の向上
を図るようにしている。つまり、シール部材15は、常
時当接部材である仕切壁13と当接せず、必要な時にの
み当接することになるので、長期にわたりシール性の低
下が防止され、シール性が向上する。しかも、ドアを作
動する時の摩擦もなく、操作力も少なく好ましいものと
なる。なお、シール部材15が当接する当接部材13
は、本実施の形態では、ケースCの仕切壁13を利用し
たものであるが、別途設けても良い。
【0049】本実施の形態の溝カム19は、個々別々に
上下一対形成されているが、本発明は、これのみに限定
されるものではなく、前記案内ローラ18が終端位置で
スライド方向と交差する方向に移動するものであればど
のようなものでも良く、例えば、上下一対の溝カム19
の終端部19aを相互に連続した形状でも良い。このよ
うにすれば、合成樹脂によりケースCを成形する場合に
成形性が向上する。
【0050】また、前記スライド機構Mは、溝カム1
9、一対の部分歯車20、軸21及び駆動歯車22から
なるが、これらと前記ドアDとを1つのユニットとし、
当該ユニットをケースCの側壁に形成された開口部から
挿入し取り付けるようにしても良い。このようにした場
合には、各機種により種々異なるユニットを形成でき、
主たる部分を共用しつつ自動車用空気調和装置の組み付
けが可能となる。
【0051】前記部分歯車20は、図5に示すように、
前記ドア本体12がスライドの終端位置で当該スライド
の方向と交差する方向に移動させるために、端部に形成
された歯若しくはその近傍の歯を他の歯20bよりも歯
丈が高い高歯20aとし、前記駆動部23が前記部分歯
車20を回動することにより当該高歯20aが前記ドア
本体12に形成された歯部17を介してドア本体12を
押圧し前記溝カム19に沿って移動するようにしてい
る。
【0052】一方、ドア本体12に形成された歯部17
は、図5,6に示すように、上下端部若しくはその近傍
の歯部が他の歯17bよりも歯丈が高い高歯17aとし
ている。つまり、歯部17の端部の高歯17aの歯先
が、回動中心Oからの半径が、図6に示すように、r1
,r2 ,r3 ,r4 と徐々に変化するようにし、前記
部分歯車20の高歯部分20aと確実に噛合し、ドア本
体12を溝カム19に沿うようにしている。なお、図中
「rp 」は、ピッチ円である。
【0053】このようにドア本体12は、一対の部分歯
車20により回動されるが、当該ドア本体12が幅方向
に比較的長尺な場合には、幅方向で風圧により変形する
虞れがある。
【0054】この変形は、歯車との噛み合いからも、ま
たドア本体12が行なう温調の制御性からしても好まし
くないので、図8に示すように、前記ドア本体12の幅
方向の中央部分を支持ローラ24により支持し、当該支
持ローラ24によりドア本体12の変形を防止すること
が好ましい。
【0055】この場合、支持ローラ24は、太鼓状部分
24aと、当該太鼓状部分24aより軸方向に突出した
弾性を有する一対の支持アーム24bとから構成し、例
えば、ヒータコア4の上方支持壁と一体形成された中央
連結部25に形成した凹部26内に支持アーム24bを
取り付けると共に太鼓状部分24aが中央連結部25よ
り僅かに突出するように配置し、この太鼓状部分24a
が弾性的にドア本体12に当接することが好ましい。
【0056】ここに、中央連結部25とは、前記ドア本
体12の空気の流れ方向後流側、つまりケースCのほぼ
中央に形成され、ケース部材C1 ,C2 の側壁から風路
10,11の中心に向かって突出した有底筒状をした柱
状部分をいい、ケース部材C1 ,C2 を最中合わせした
ときに、この柱状部分の両底部をビスあるいは凹凸嵌合
等により相互に連結し、両ケース部材C1 ,C2 を連結
する部分をいう。
【0057】前記ドア本体12は、4つの案内ローラ1
8を有し、これらはそれぞれ上下の溝カム19に嵌挿さ
れているので、ドア本体12が上下にスライド移動する
場合、スライド方向中央部は常にドア本体12により空
気の流れが遮断されているデッドスペースが生じる。こ
のデッドスペースの部分に前記中央連結部25を設ける
と、ケースCの強度剛性を高めることができるのみでな
く、この部分以外の所に別途中央連結部25を設ける場
合に比し、通気抵抗の低減を図ることができ、流通する
空気流の風向性も維持でき、これにより温調特性も向上
することになる。
【0058】特に、前記支持ローラ24も、このデッド
スペースを利用して取り付けると一層好ましい。例え
ば、ケース部材C1 ,C2 を最中合わせして連結する場
合に、支持ローラ24の一対の支持アーム24bをケー
ス部材C1 ,C2 により挟持すれば、一対のケース部材
を合体して風路を形成する場合に、支持ローラも一緒に
取り付けることができ、支持ローラ24の取り付けも簡
単にでき、デッドスペースの一層の有効利用を図ること
ができる。
【0059】次に、実施の形態の作用を説明する。 (フルホットモード)暖房モードにおいて、冷風を全量
加熱して車室内に吹き出すフルホットモードの場合に
は、ドア本体12を図1において上端に位置させ、イン
テークユニットから取り込まれ、クーラユニットにおい
て冷却された空気を全量ヒータコア4内を通過させる。
【0060】この場合、図外のコントローラからの信号
により駆動部23を動作し、部分歯車20を回動する。
これによりドア本体12に形成された歯部17と噛合し
ている部分歯車20は、ドア本体12を溝カム19に沿
って上昇させる。
【0061】ドア本体12が上昇し、終端位置まで到達
すると、部分歯車20の高歯部分20aがドア本体12
の高歯部分17aを噛合するので、ドア本体12は部分
歯車20により後方に押圧されると共に溝カム19に沿
って後方に移動し、シール部材15がケースCの側壁に
形成された仕切壁13に当接し、加圧される。
【0062】この結果、ドア本体12のシール性が向上
し、風漏れが生じないので温調特性も優れたものとな
る。しかも、歯車駆動によりドア移動が行なわれるの
で、作動が円滑になり、ドアの操作性も向上し、異音が
生じない快適なドア制御が可能となる。
【0063】(温調モード)冷暖房モードにおいて、冷
風と温風とをミックスし所定温度にして車室内に吹き出
す温調モードの場合には、ドア本体12を図1において
上下方向中間位置にセットし、クーラユニット1からの
冷風の一部をドア本体12の上部空間域を通過させ、残
りの冷風をドア本体12の下部空間域を通過させてヒー
タコア4に導く。
【0064】この場合も、コントローラにより駆動部2
3が動作され、部分歯車20の回動によりドア本体12
の案内ローラ18が溝カム19に沿って移動し、上下方
向中間位置となるが、この状態は、案内ローラ18と溝
カム19との接触のみであるため、摺動抵抗は極めて小
さく、作動は円滑に行なわれる。また、この状態では、
部分歯車20とドア本体12側の歯部17との噛合によ
り保持され、位置ずれを起こす可能性は少ない。仮に位
置ずれを起こすとしても、部分歯車20とドア本体12
側の歯部17との間のバックラッシュ分程度であり、極
めて正確にドア位置がセットされる。
【0065】そして、前記冷風と温風とは、合流してミ
ックスされ、所定の温度となって車室内に吹き出され
る。
【0066】(フルクールモード)冷房モード時に、冷
風を全量加熱せず車室内に吹き出すフルクールモードの
場合には、前記ドア本体12の位置を上下方向最下端に
位置する以外は、実質的にドア本体12の作動はフルホ
ットモードの場合と同様であるが、このフルクールモー
ドの場合には、時として乗員が多量の冷風を望むことが
ある。この場合には、多量の冷風がドア本体12に衝突
し、比較的幅方向に長尺なドア本体12が後方に変形す
る可能性もある。
【0067】しかし、本実施の形態1では、ドア本体1
2の幅方向の中央部分に弾性的に支持された支持ローラ
24が設けられているので、ドア本体12に大きな風圧
が掛かってもドア本体12の変形を予防し、歯車式のス
ライド機構であっても、歯飛び作動等の異常もなく、円
滑に作動し、またドア本体12の変形に伴なう温調特性
の低下もない。
【0068】また、ドア本体12が近接して設けられた
エバポレータ3やヒータコア4からの熱的影響により多
少変形しても、ドア本体12の変形を修正することがで
きる。
【0069】なお、この支持ローラ24は、常にドア本
体12を支持しているので、フルクールモードのみでな
く如何なるモード状態であっても、ドア本体12の上下
円弧状作動も極めて円滑なものとなる。
【0070】《実施の形態2》図9は本発明の実施の形
態2に係る自動車用空気調和装置を示す要部断面図であ
る。なお、図1〜8に示す部材と共通するものには同一
符号を付している。
【0071】図9に示すように、本実施の形態2に係る
自動車用空気調和装置のドア機構は、インテークドアに
適用したものである。
【0072】この実施の形態2に係るインテークユニッ
ト30は、車室外空気(外気)と車室内空気(内気)と
を選択的に取り込んで空気調和装置の下流へ送風し、調
和して車室内に吹出すためのものであるが、このユニッ
ト内に設けられるインテークドアDも、高さ方向の寸法
Hを小さくし、偏平でスペースを取らないようにするこ
とが好ましい。
【0073】このインテークユニット30では、ファン
31をモータ32により回転することにより上流側風路
10から空気を取り込むことになるが、この上流側風路
10には外気導入用通路10aと内気導入用通路10b
という2つの風路がある。この上流側風路10から流下
した空気流は、前記実施の形態1のクーラユニット1と
連通された下流側風路11に導かれるが、このクーラユ
ニット1がないヒータユニットのみのものであっても良
い。
【0074】このインテークドアDの上流側と下流側に
は、仕切壁33とベルマウス34が近接して設けられて
いるが、これらは、ドアの動きを規制する規制部材Kと
なる。
【0075】したがって、インテークユニット30に前
述したドアD及びスライド機構Mを適用し、ユニットの
コンパクト化を図りつつ、円滑に操作でき、シール性や
温調特性も優れた、異音も生じない快適なドア機構とす
ることができる。
【0076】なお、ドアD及びスライド機構Mは、前記
実施の形態と同様であるため説明は省略する。
【0077】本発明は、上述した実施の形態1,2に限
定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにお
いて種々変形することができる。例えば、本発明に係る
ドア機構が適用されるドアは、インテークドアやミック
スドアに限らず、他のドアであってもよい。一般に自動
車用空気調和装置ではデフ口6aとベント口7aとを近
接して設けることがあるが、この場合のデフドア6とベ
ントドア7にも適用することができる。
【0078】前記ドアは、円弧状にしたものであるが、
場合によっては直状としても良く、また、前記部分歯車
やドア側の歯部の形状、特に高歯部分は、図示する実施
の形態のみに限定されるものではなく、ドアとの関係で
適宜変更することができるものである。
【0079】上述した実施の形態のドア本体12は、一
対の部分歯車20により回動されるようになっている
が、図10に示すように、当該ドア本体12の中央部分
に1つの歯車20を設け、これにより作動するようにし
てもよい。このようにすれば、部品点数が低減し、組み
付けも容易となるので、コスト的に有利となり、しかも
支持ローラ24との協同によりドア本体12を挟持する
ことになるので、ドア自体が多少変形しても温調特性に
は悪影響がない。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明は、ドア作動を規制する規制部材が存在する1つの
上流側風路と分岐された2つの下流側風路との間で作動
するドアをスライド式とするとともに当該ドア本体に貼
着されたシール部材をドア本体が閉鎖時のみに当接部材
との間で加圧されるようにしたので、ユニットのコンパ
クト化を図ることができ、またシール性や温調特性も優
れたものとなり、さらに作動が円滑になり、ドアの操作
性も向上し、異音が生じない快適なドア制御が可能とな
る。
【0081】請求項2に記載の発明は、ドア作動を規制
する規制部材が存在する2つの上流側風路と1つの下流
側風路との間で作動するドアをスライド式とするととも
に当該ドア本体に貼着されたシール部材をドア本体が閉
鎖時のみに当接部材との間で加圧されるようにしたの
で、ユニットのコンパクト化を図ることができ、またシ
ール性が優れたものとなり、さらに作動が円滑になり、
ドアの操作性も向上し、異音が生じない快適なドア制御
が可能となる。
【0082】請求項3に記載の発明では、溝カムに沿っ
てドア本体を作動するので、ドア本体が風圧を受けても
ガタつくことがなく、また、溝カムによりドア本体を介
してシール部材を当接部材に押圧することになるので、
長期にわたりシール性の低下が防止され、シール性が向
上する。
【0083】請求項4に記載の発明では、歯車の高歯部
分でドア本体を押圧し、シール部材を当接部材に押圧す
ることになるので、長期にわたりシール性の低下が防止
され、シール性が向上する。
【0084】請求項5に記載の発明では、ドア本体に大
きな風圧が掛かってもドア本体が変形することもなく、
スライド機構を歯車式としても、歯車作動時に歯飛び作
動等の異常もなく、円滑に作動する。
【0085】請求項6に記載の発明では、作動が円滑
で、空気流の分配特性、ガイド特性が向上し、場合によ
っては空気抵抗も低減する。
【0086】請求項7に記載の発明では、ドアのデッド
スペースを利用して一対のケース部材を連結するので、
ケース自体の強度を高めることができるのみでなく、通
気抵抗の低減を図ることができ、しかも流通する空気流
の風向性の維持により温調特性も向上する。
【0087】請求項8に記載の発明では、一対のケース
部材を合体して風路を形成する場合に、支持ローラも一
緒に取り付けることができ、また、ドアのスライド方向
中央部に生じるデッドスペースを利用して支持ローラを
設置できるので、スペースの有効利用を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1を示す断面図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 ドア機構を示す水平断面図である。
【図4】 ドアを一部破断して示す概略斜視図である。
【図5】 図3の5−5線に沿う端面図である。
【図6】 ドア要部を拡大して示す説明図である。
【図7】 溝カム部分を示す説明図である。
【図8】 支持ローラを示す断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態2を示す断面図である。
【図10】 本発明に係るドアの他の実施の形態を示す
概略斜視図である。
【図11】 従来の自動車用空気調和装置を示す断面図
である。
【図12】 従来の他の例の自動車用空気調和装置を示
す断面図である。
【符号の説明】
10…上流側風路、 11…下流側風路、 12…ドア本体、 13…当接部材(仕切壁)、 15…シール部材、 17…歯部、 18…案内ローラ、 19…溝カム、 20…歯車、 20a…高歯、 23…駆動部、 24…支持ローラ、 25…中央連結部 C…ケース、 C1 ,C2 …ケース部材、 D…ドア、 K…規制部材、 M…スライド機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 恩田 正治 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの上流側風路(10)から流下した空気
    流を、分岐された2つの下流側風路(11)に選択的に流す
    かあるいは各下流側風路(11)に所定の比率で空気を流す
    ように配置された所定の大きさのドア(D)を有し、当該
    ドア(D)の上流側と下流側にそれぞれドア作動を規制す
    る規制部材(K)がドア(D)に近接して存在する自動車用
    空気調和装置において、 前記ドア(D)は、前記規制部材(K)間で上流側風路(10)
    からの空気流を遮断する方向に伸延されたドア本体(12)
    と、当該ドア本体(12)の一面に設けられたシール部材(1
    5)とを有し、当該ドア本体(12)はスライド機構(M)によ
    り空気流を遮断する方向にスライド可能とされ、当該ス
    ライド機構(M)は、前記ドア本体(12)に形成された歯部
    (17)に歯車(20)を噛合し、当該歯車(20)を駆動する駆動
    部(23)により前記ドア本体(12)が前記スライドの終端位
    置で当該スライドの方向と交差する方向に移動し、前記
    シール部材(15)が前記風路(10,11)を形成するケース
    (C)に形成された当接部材(13)に当接し押圧されるよう
    にしたことを特徴とする自動車用空気調和装置のドア機
    構。
  2. 【請求項2】 2つの上流側風路(10)からの空気流を選
    択して1つの下流側風路(11)に流すように配置された所
    定の大きさのドア(D)を有し、当該ドア(D)の上流側と
    下流側にそれぞれドア作動を規制する規制部材(K)がド
    ア(D)に近接して存在する自動車用空気調和装置におい
    て、 前記ドア(D)は、前記規制部材(K)間で上流側風路(10)
    からの空気流を遮断する方向に伸延されたドア本体(12)
    と、当該ドア本体(12)の一面に設けられたシール部材(1
    5)とを有し、当該ドア本体(12)はスライド機構(M)によ
    り空気流を遮断する方向にスライド可能とされ、当該ス
    ライド機構(M)は、前記ドア本体(12)に形成された歯部
    (17)に歯車(20)を噛合し、当該歯車(20)を駆動する駆動
    部(23)により前記ドア本体(12)が前記スライドの終端位
    置で当該スライドの方向と交差する方向に移動し、前記
    シール部材(15)が前記風路(10,11)を形成するケース
    (C)に形成された当接部材(13)に当接し押圧されるよう
    にしたことを特徴とする自動車用空気調和装置のドア機
    構。
  3. 【請求項3】 前記スライド機構(M)は、前記風路(10,
    11)を形成するケース(C)の両側に、前記ドア本体(12)
    の一側より複数個突設された案内部材(18)が嵌挿される
    溝カム(19)が形成され、当該溝カム(19)は前記案内部材
    (18)を終端位置でスライド方向と交差する方向に案内す
    る部分を有し、前記ドア本体(12)の終端位置で前記シー
    ル部材(15)を前記当接部材(13)に押圧するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用空気調
    和装置のドア機構。
  4. 【請求項4】 前記スライド機構(M)は、前記歯車(20)
    に形成された歯の一部を他の歯よりも歯丈が高い高歯(2
    0a)としてなり、前記駆動部(23)が前記歯車(20)を回動
    することにより当該高歯(20a)が前記ドア本体(12)に形
    成された歯部(17)を介してドア本体(12)の前記シール部
    材(15)を前記当接部材(13)に押圧するようにしたことを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用空
    気調和装置のドア機構。
  5. 【請求項5】 前記ドア本体(12)は、幅方向の中心に設
    けられかつ当該ドア本体(12)に弾性的に当接される位置
    固定の支持ローラ(24)により支持するようにしたことを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用空
    気調和装置のドア機構。
  6. 【請求項6】 前記ドア本体(12)は、前記駆動部(23)が
    回動する前記歯車(20)と接する円弧状としたことを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載の自動車用空気調
    和装置のドア機構。
  7. 【請求項7】 前記風路(10,11)は、前記ドア本体(12)
    を挟持するように一対のケース部材(C1,C2)を合体する
    ことにより形成したものであり、当該ドア本体(12)の空
    気の流れ方向後流側であってかつこのドア本体(12)のス
    ライド方向中央部に前記一対のケース部材(C1,C2)を連
    結する中央連結部(25)を有することを特徴とする請求項
    1〜6のいずれかに記載の自動車用空気調和装置のドア
    機構。
  8. 【請求項8】 前記支持ローラ(24)は、前記中央連結部
    (25)に取り付けたことを特徴とする請求項5又は7に記
    載の自動車用空気調和装置のドア機構。
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