JPH10278415A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

Info

Publication number
JPH10278415A
JPH10278415A JP9089447A JP8944797A JPH10278415A JP H10278415 A JPH10278415 A JP H10278415A JP 9089447 A JP9089447 A JP 9089447A JP 8944797 A JP8944797 A JP 8944797A JP H10278415 A JPH10278415 A JP H10278415A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
gelatin
recording sheet
jet recording
receiving layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9089447A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Kaneko
智 金子
Takayuki Nakamura
隆之 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP9089447A priority Critical patent/JPH10278415A/ja
Publication of JPH10278415A publication Critical patent/JPH10278415A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、顔料インクを用いたインクジェット
記録方式において、プリンターやプロッターに使用され
る受像体に関するものであり、特にカラー記録での要望
が高い写真の印画紙調の光沢を有するインクジェット記
録用シートを提供するものである。 【解決手段】支持体上の少なくとも片面にインク受像層
を設けたインクジェット用受像体において、該インク受
像層がゼラチンを幹ポリマーとするグラフト共重合体か
ら形成されることを特徴とするインクジェット記録用シ
ート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐光性等の印字堅
牢性が優れている顔料インクを用いたインクジェット記
録方式においてプリンターやプロッターに使用される受
像体に関し、特にカラー記録での要望が高い写真の印画
紙調の光沢を有するインクジェット用受像体として使用
可能な受像体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の受像体
に付着させ、画像・文字等の記録を行なうものである。
インクジェットプリンターやプロッターは、高速印字性
や低騒音性に優れ、記録パターンの融通性が大きく、現
像−定着が不要等の特長があり、複雑な画像を正確、且
つ迅速に形成することができる点で注目されている。特
にコンピューターにより作成した文字や各種図形等の画
像情報のハードコピー作成装置として、種々の用途にお
いて、近年急速に普及している。又、複数個のインクノ
ズルを使用することにより、多色記録を行うことも容易
である。多色インクジェット方式により、形成されるカ
ラー画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式
による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可
能であり、更に作成部数が少ない用途においては、印刷
技術や写真技術によるよりも安価で済むことから広く応
用されつつある。
【0003】最近では、銀塩写真の画像に匹敵する高精
細な画像を出力できるインクジェットプリンター等が安
価で市販されている。インクジェット用受像体は、銀塩
写真方式と比べ同品質の画像が得られながら非常に安価
であることから、大面積の画像が必要な電飾看板や商品
見本等で表示画像を頻繁に取り替える利用者にとって経
済的に大きなメリットがある。また、最近一般的になっ
てきたパーソナルコンピューター上で画像を作成し、こ
れをプリントアウトを見ながら配色やレイアウトを訂正
することは従来の銀塩写真方式では全く無理であったが
インクジェット記録ではこのような操作が気軽にできる
という長所もある。
【0004】インクジェットプリンターやプロッターの
利用分野として、最近、特に注目されているものとして
は、写真に近い画質が要求される印刷分野におけるカラ
ー版下の作製やデザイン部門でのデザインイメージのア
ウトプット等のフルカラー画像記録等や、コンピュータ
ーで作成した画像情報をインクジェットプリンターによ
り透明な受像体に記録し、会議のプレゼンテーション等
でOHP(オーバーヘッドプロジェクター)で利用する
等がある。
【0005】前記した、インクジェットプリンターやプ
ロッターの利用分野からの要望や、インクジェットプリ
ンターやプロッターの普及に伴い、被記録材に対する要
望が多様化し、例えば、銀塩カラー写真並の高い光沢表
面を有する、優れた外観適性を備えた受像体などが要望
されている。
【0006】インクジェット記録方式で使用される受像
体としては、通常の印刷、或は筆記用上質紙やコーテッ
ド紙を用いることができる様に、装置やインク組成の面
から努力がなされてきた。しかし、高速化・高精細化、
或はフルカラー化等インクジェット記録装置の性能の向
上や用途の拡大に伴い、受像体に対しても、より高度な
特性が要求されるようになった。即ち、当該受像体とし
ては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかで
あること、インクの吸収が早くて、印字ドットが重なっ
た場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしない
こと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きく
なく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと等が要求され
る。特に、カラー記録の場合は、イエロー・マゼンタ・
シアン・ブラックの単色記録だけでなく、これらの色を
重ねる重色記録がなされ、インク付着量が更に多くなる
ために極めて厳しい性能が要求される。
【0007】従来インクジェット用受像体としては、例
えば特開昭55−51583号、同56−157号、同
57−107879号、同57−107880号、同5
9−230787号、同62−160277号、同62
−184879号、同62−183382号、同64−
11877号公報等に見られるシリカ等含珪素顔料を水
系バインダーとともに紙表面に塗工して得られる被記録
材が提案されているが、これらの例で用いられているシ
リカ等の顔料微粒子は吸油量が大きく、これらを使用し
た受像体は一般にインクの吸収容量および吸収速度の点
ではある程度のレベルに達するものであるが、シリカ等
の無機顔料を多量に塗工層中に導入する必要があること
から被記録材自体の表面光沢が低下するという欠点を有
する。光沢性を改善する目的でシリカに替えてコロイダ
ルシリカを使用すると先の特開昭56−157号公報に
記載されているようにインクの吸収性を悪くするため好
ましくない。
【0008】あるいは、特開平3−215082号、同
4−67986号、同5−32037号公報等に記載さ
れているように微細なアルミナゾルを水溶性バインダー
とともに支持体表面に塗工することで透明性を有する受
像体を形成する方法が記載されているが、塗層中におけ
るアルミナゾル(擬ベーマイト)のバインダーに対する
比率を高めないとインク吸収性が劣る問題があり、こう
した顔料比率の高い塗工層は塗布乾燥の際塗膜のひび割
れが非常に発生しやすく、かつ塗工量も20g/m2程度
以上でなければインク吸収容量が充分でないため厚膜塗
布が必要であることからさらに実製造における乾燥条件
のコントロール等が困難となる問題がある。さらに塗膜
強度が弱いためインクジェット記録した表面が擦られる
ことで容易に画像が剥離する問題や、印字後にカールが
発生しやすいという種々の問題があることに加え、塗膜
の透明性が劣る為、高光沢表面を有する支持体を用いた
場合でさえも、光沢表面が得られないという欠点を有す
る。また、光沢表面を備えたインクジェット用受像体と
しては、塗層が湿潤状態にある間にキャスト仕上げして
得られるキャスト塗被紙が特開平6−320857号公
報などに記載されているが、銀塩写真と比較するとその
表面光沢は極めて低く、銀塩写真の質感が得られるもの
ではない。
【0009】透明性あるいは光沢性を高めたインク受像
層を形成するためには上記のような種々の無機顔料は使
用しないか使用しても添加量は少量に限られてくること
から、インク吸収性は支持体表面に形成される樹脂層に
委ねられることが多い。従来こうした用途に使用される
樹脂の例としては、例えば特開昭57−38185号、
同62−184879号公報等に記載されるようなポリ
ビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重
合体、特開昭60−168651号、同60−1711
43号、同61−134290号公報に記載されるよう
なポリビニルアルコールを主体とする樹脂組成物、特開
昭60−234879号公報に示されるビニルアルコー
ルとオレフィンまたはスチレンと無水マレイン酸との共
重合体、特開昭61−74879号公報に示されるポリ
エチレンオキサイドとイソシアネートとの架橋物、特開
昭61−181679号公報に示されるカルボキシメチ
ルセルロースとポリエチレンオキサイドとの混合物、特
開昭61−132377号公報に示されるポリビニルア
ルコールにメタクリルアミドをグラフト化したポリマ
ー、特開昭62−220383号公報に示されるカルボ
キシル基を有するアクリル系ポリマー、特開平4−21
4382号公報等に示されるポリビニルアセタール系ポ
リマー、特開平4−282282号、同4−28565
0号公報に記載されるような架橋性アクリル系ポリマー
等種々のインク吸収性ポリマーが提案されている。
【0010】また、天然高分子であるゼラチンなどを受
像層として用いる場合、通常に得られるゼラチン皮膜で
はインク吸収性(速度)が悪いため、特開昭62−26
3084号公報記載などに見られるように、ゼラチンは
インク保持層として2層化構成の下層として使用されて
いる場合が多い。更には、特開平2−001359号公
報記載のようにゼラチンのアミノ基を不活性化したフタ
ル化ゼラチン誘導体を用いたOHP用受像体が提案され
ているが、ゼラチン中のアミノ基を完全に塞いでしまっ
ているので、ゼラチン分子内の水素結合による現れる皮
膜強度がなく、水などにすぐに溶解してしまう。
【0011】一方、従来よりインクジェット記録方法に
使用するインクとしては、染料を水に溶解し更に必要に
応じて高沸点水溶性有機溶剤を添加したインクが主流で
ある(以下水性染料インクと称する)。水性染料インク
は色材として染料を使用しているため発色性には優れて
いるものの耐光性等の印字堅牢性が悪いという欠点があ
り色材として顔料を使用するインクが種々提案されてい
る。前述した記録用シートの開示はそれらの実施例から
明らかなように水性染料インク用として提案されている
記録用シートであり、例えば特開昭60−56587
号、同60−168651号、同60−220750
号、同60−262685号、同61−41585号、
同61−132376号、同61−193879号、同
61−287782号、特開平5−24336号、同8
−132725号等を顔料インクを用いたインクジェッ
トプリンターで使用した場合、印字面のベタツキが時間
経過しても解消されない、印字面の光沢や透明性が悪
い、細線の再現性が悪いという欠点があった。ベタツキ
や細線の再現性が良化しても印字面が完全に乾燥した状
態になるとひび割れたり手で触れると顔料の粉がチョー
クの粉のように広がる所謂チョーキングと称する状態に
なり高い光沢を得ることができず実用に供さないという
欠点は解決されないのが実状である。また、上記のイン
ク吸収性ポリマーとフッ素系界面活性剤を組み合わせて
印字特性を良化する方法も特開昭63−252779
号、特開平1―146784号、同1−146785号
で開示されているが、実施例から明らかなようにこれら
特許は水性染料インク用のインクジェット記録用シート
に対するもので顔料インクに対しても同様の効果を期待
することは難しい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、顔料
インクを使用するインクジェットプリンターに対応する
受像体であり、光沢が高く、高画質で、インクの乾燥が
速くべたつきのないインクジェット記録シートを提供す
ることである。更に詳しくは単位面積当たりの顔料イン
ク量の多い高精細インクジェットプリンターにおいて、
インクを素早く吸収し、印字部がすぐに乾燥し、受像体
を手にしたとき、印字部や非印字部がべたつく問題を解
決し、ブロッキングによって印字した部分の記録画像や
インクの皮膜が破壊されることのないインクジェット用
受像体を提供することである。特にカラー記録での要望
が高い写真調の光沢を有する顔料用インクジェット記録
用シートを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は以下に述
べる手段によって解決することができた。即ち、顔料イ
ンクを用いて印字を行うインクジェット記録方法におけ
る記録用シートに関して、支持体上に顔料インク吸収層
を設けたインクジェット記録用シートの該インク吸収層
がゼラチンを幹ポリマーとするグラフト共重合体を含有
することにより、印画紙調の光沢及び透明性を有し、且
つ顔料インク吸収性が早い高画質のインクジェット記録
用シートを提供することができた。
【0014】ゼラチンとグラフト共重合体を構成するモ
ノマーとしてはN−ビニル−2−ピロリドン、アクリル
アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジ
エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミ
ド、アクリロイルモルホリンから選ばれる少なくとも1
つのモノマーを含むものが顔料インク吸収性及び印字部
光沢の点から特に好ましい。
【0015】また、支持体上に顔料インク吸収層を設け
たインクジェット記録用シートにおいて、該インク吸収
層がゼラチンを幹ポリマーとするグラフト共重合体の他
に構成単位がビニル化合物である親水性ポリマーを少な
くとも1種含有することにより、更にインク吸収性に優
れたインクジェット記録用シートを提供することができ
た。該親水性ポリマーとしては構成単位としてN−ビニ
ル−2−ピロリドン、アクリルアミド誘導体から選ばれ
る少なくとも1つのモノマーを含む親水性ポリマーが顔
料インク吸収性及び画質の点から更に好ましい。
【0016】更に、顔料インク吸収層にフッ素系界面活
性剤を含有することにより、印字した顔料インクが層中
で適度に広がり印字濃度が高い線画像を与え、結果とし
て色再現性の優れた該インクジェット記録用シートを提
供することができた。
【0017】一方、屈折率が1.7以下の樹脂からなる
有機高分子微粒子をインク吸収層に含有せしめることに
より、光沢や透明性をあまり損なわずに、ブロッキング
による記録の破壊を効果的に防いだインクジェット用被
記録材を提供することができた。
【0018】また、屈折率が1.7以下の無機顔料微粒
子をインク吸収層に含有せしめることによっても、光沢
や透明性をあまり損なわずに、他の物との接触による記
録の破壊を防いだインクジェット用被記録材を提供する
ことができた。無機顔料微粒子としては平均凝集粒子径
が2μm以上20μm以下の範囲の無定型シリカが光沢
や透明性を損なうことが少ない為に特に好ましい。
【0019】更に、該インク受像層が塗液を支持体上に
塗布した後、ゲル化させずに70℃以下で乾燥し形成さ
れたインク受像層またはゲル化させた後乾燥し形成され
たインク受像層とすることで印字部光沢を低下させるこ
となくインク吸収性の優れたインクジェット記録用シー
トを提供する事ができた。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】我々は鋭意検討した結果、顔料インクに対
するインク受像層をゼラチンを幹ポリマーとするグラフ
ト共重合体から形成させることにより、銀塩写真並の光
沢があり、インク吸収速度、インク乾燥速度が速く、べ
たつきの少ない受像体を開発することができた。これは
以下の理由によるものと考えられる。
【0022】本発明における、インクジェット用受像体
はインク受像層がゼラチンを幹ポリマーとするグラフト
共重合体から形成される。このインク受像層は幹ポリマ
ーとしてゼラチンを含んでいるため種々の特徴ある特性
を示す。まず第一にゼラチンを含む受像層は未印字部、
印字部を問わず表面がべたつかない。通常、他の天然ポ
リマーや合成ポリマーなどで構成されたインクジェット
用受像体はインクを吸収した印字部は、乾燥により水分
は蒸発してなくなるが、インク成分中の高沸点溶剤であ
るグリセリンやジエチレングリコールなどが表面に残っ
たり、ポリマー受像層の低分子量体がインクに溶け出し
たりして、べたつく場合が多い。しかし、他の天然ポリ
マーや合成ポリマーなどと比べゼラチンは疎水性基と親
水性基がバランスよく含まれておりグリセリンやジエチ
レングリコールのような不揮発性成分も吸収、保持でき
るため、インク成分などには膨潤はするが、溶け出した
りはしないので、印字表面がほとんど、べたつきがない
のが特徴である。その他、ゼラチンはその皮膜強度が非
常に強く、水分を吸収して膨潤はするが、通常の温度で
は水に溶け出したりはしない。
【0023】我々が鋭意検討した結果、ゼラチンを幹ポ
リマーとし、第二、第三成分として種々のポリマーをグ
ラフト化することにより、ゼラチンの優れた特性を残し
つつインク受像層に更に高いインク吸収性能を付与した
受像体が得られることが分かった。
【0024】通常、グラフト共重合体を得る方法として
は公知の種々の方法により得ることができ、以下の方法
が挙げられる。連鎖移動法、セリウム塩を開始剤とする
グラフト重合法、各種レドックス系開始剤によるグラフ
ト重合法または官能基を有するポリマーによるグラフト
重合法として、二重結合を持つポリマー(マクロモノマ
ー)やメルカプト基を含有するポリマー、パーエステル
基を含有するポリマー、ジアゾ基を含有するポリマー、
アゾニトリル基を含有するポリマー、ハロゲン基を含有
するポリマーによるグラフト重合、アニオングラフト重
合法、カチオングラフト重合法等が挙げられる。
【0025】本発明における、ゼラチンを幹ポリマーと
するグラフト共重合体を得る方法としては以下の種々の
方法が用いることができる。連鎖移動法、セリウム塩を
開始剤とするグラフト重合法、各種レドックス系開始剤
によるグラフト重合法などである。中でも、水または水
/アルコール溶媒中での溶媒や連鎖移動物質によるラジ
カルの連鎖移動による方法が好ましい。更には、種々の
ラジカル開始剤による連鎖移動法が最も簡便で好まし
い。このようなゼラチンへのグラフト化は以前からさま
ざまに研究がなされており、例として参考文献European
Polymer Journal,21(2),195-199(1985)、Journal
of Applied Polymer Science,55,1291-1299(1995)な
どが挙げられる。ゼラチンがグラフト化される理由はゼ
ラチンの組成が18種類の種々のアミノ酸から構成さ
れ、その分子中にアミノ基、グアニジノ基、カルボキシ
ル基、フェノール性OH、メルカプト基等、種々の活性
な官能基が多数存在しているため、開始剤による連鎖移
動以外にもゼラチンによる連鎖移動が起こりグラフト化
されると考えられる。
【0026】更に鋭意検討した結果、本発明におけるゼ
ラチンを幹ポリマーとするグラフト共重合体において共
重合モノマー成分として、N−ビニル−2−ピロリド
ン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピ
ルアクリルアミド、アクリロイルモルホリンなどが非常
に良いことが分かった。これらのモノマーから得られる
ホモポリマーを受像層としたインクジェット受像体のイ
ンクジェット適性は優れており、特にインク吸収性に関
しては非常に優れている。しかし、これらのホモポリマ
ーは皮膜強度が弱い、インクを吸収した印字部がべたつ
く、インクの乾燥が遅いなど種々の問題も抱えている。
よって、ゼラチンに前記のモノマーをグラフト化するこ
とにより、それぞれの有利な特徴を残しつつ、それぞれ
の欠点を補い合い、インク吸収性、インク速乾性がよ
く、べたつきがほとんどない受像体ができた。
【0027】本発明のグラフト共重合体は、同じ組成で
構成されたブレンド(混合)ポリマーに比較しても、非
常に特性が良いことが分かった。特に受像体の光沢度に
関してはグラフト共重合体の方が光沢度が高く、さらに
は、グラフト化により皮膜及び画像の耐水性も良くなっ
ている。また、ブレンドポリマーはもともと混ざらない
物質同士を混合しているため、高温高湿下など様々な環
境下においての相分離などの保存性が懸念されるが、本
発明のようにゼラチンを幹とするグラフトポリマーにす
ることにより、このような懸念も解消することができ
た。
【0028】本発明のグラフト共重合体の幹ポリマーで
あるゼラチンと枝ポリマーとなる成分の比率は、ゼラチ
ンがグラフト共重合体全体に対して30〜80重量%が
好ましい。30重量%より少ないと、べたつきが生じた
り、皮膜が弱くなったり、インク乾燥性が遅いなど種々
の問題が生じてくる。反対に80重量%より多いと非常
にインク量が多い所において若干、画質が悪化する傾向
にある。
【0029】本発明のインク吸収層としてのゼラチンを
幹ポリマーとするグラフト共重合体の含有量は1〜30
g/m2の範囲が好ましく、特に好ましくは3〜15g/
m2である。
【0030】また、受像層には上記ゼラチンを幹ポリマ
ーとするグラフト共重合体の他に構成単位がビニル化合
物である親水性ポリマーを少なくとも1種含有すること
によって、インク吸収性を更に良化させることができる
ことが分かった。親水性ポリマーとして染料インクのイ
ンク吸収剤として良く知られているカルボキシメチルセ
ルロースのナトリウム塩等のセルロースエーテル類やグ
ルコース等の糖類やアラビアゴム等のガム類は顔料イン
ク中の溶媒を吸収しドット再現性を良化するものの光沢
を大きく損ない、印字後ひび割れたり、取り扱い時に粉
っぽくなる所謂チョーキングを起こすものもあり好まし
くない。しかしながら、親水性ポリマーを選択すること
により上記欠点を起こさないものが見出せた。構成単位
としてアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、 N,N−ジエチルアクリルアミド、 N−イソプロ
ピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のアク
リルアミド誘導体、N−ビニル−2−ピロリドンから選
ばれる少なくとも1種のモノマーを含む親水性ポリマー
が、インクジェット記録用顔料インクに含有されている
高沸点溶剤を効果的に吸収させ且つ、光沢を損なうこと
なくチョーキングも見られないことがわかった。特に好
ましくは、アクリルアミド及びN−ビニル−2−ピロリ
ドンを構成単位とする親水性ポリマーである。
【0031】インク吸収層中のこれらの親水性ポリマー
の含有量としては、あまり多すぎると皮膜がべとつき、
逆に少なすぎると高沸点溶剤を吸収する効果が小さくな
り、それ故ゼラチンを幹ポリマーとするグラフト共重合
体に対して5重量%以上200重量%以下の範囲である
ことが好ましく、特に好ましくは10重量%以上100
重量%以下である。
【0032】本発明に用いられるフッ素系界面活性剤
は、アニオン系、カチオン系、ノニオン、ベタイン系の
いずれのタイプのものでもよく、また低分子のものでも
高分子のものでもよい。即ち、本発明におけるフッ素系
界面活性剤はその分子中にフッ素原子を含有する界面活
性剤であればよく、低分子のものの化合物例としては、
米国特許第3,775,126号、同3,589,90
6号、同3,798,265号、同3,779,768
号、同4,407,937号、西独特許第1,293,
139号、英国特許第1,259,398号、特開昭4
8−87826号、同49−10722号、同49−4
6733号、同50−16525号、同50−1132
21号、同50−161236号、同50−99525
号、同51−7917号、同51−32322号、同5
1−151125号、同51−151126号、同51
−151127号、同51−129229号、同52−
127974号、同53−84712号、同53−14
6622号、同54−14224号、同54−4852
0号、同55−7762号に記載のフッ素系界面活性剤
が挙げられる。また、高分子のものとしては、米国特許
第3,676,123号、同3,679,411号、同
4,087,394号、同4,016,125号、同
4,175,969号、同4,304,852号、特開
昭52−129520号、同54−158222号、同
55−57842号、同57−11342号、同57−
19735号、同57―179837号、「化学総説N
o.27、新しいフッ素化学」(日本化学会編、198
0年)、「機能性含フッ素高分子」(日刊工業新聞社
編、1982年)等に記載のフッ素界面活性剤を挙げる
ことができる。これらのフッ素系界面活性剤は、上記関
係文献に記載の方法で合成できる他、更に一般的には、
相当する炭化水素基のフッ素化により合成できる。炭化
水素基のフッ素化については「新実験化学講座」Vo
l.14(I)(丸善、1977年)、308〜331
頁に詳しい記載がある。
【0033】本発明において、フッ素系界面活性剤と共
に通常のアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイ
ン系界面活性剤を併用してもよいが、これらを多量に添
加すると、フッ素系界面活性剤の効力を減じるので好ま
しくない。フッ素系界面活性剤で好ましくは、アニオン
系、ノニオン系であり、アニオン系の例として、パーフ
ルオロアルキルカルボン酸塩等、ノニオン系としては例
えば、パーフルオロアルキル−エチレンオキシド付加物
等があげられる。
【0034】フッ素系界面活性剤の添加量は顔料インク
吸収層を構成するゼラチンを幹ポリマーとするグラフト
共重合体の量に対して0.05重量%〜5重量%が好ま
しく、より好ましくは0.1重量%〜2重量%である。
一方、インクジェット記録用シートは印字部、非印字部
に関わらずインク吸収層の破壊は水滴等だけでなくブロ
ッキングを起こした場合にも発生する。ブロッキングと
は、例えばインク吸収層の皮膜が紙やフィルム等の他の
物と接触することにより、皮膜が他の物に貼り付く現象
を言う。ブロッキングが発生するとインク吸収層の皮膜
強度が剥離強度以上に強くない限り、一旦ブロッキング
した皮膜を剥がした時にインク吸収層が破壊される。ま
た、場合によっては支持体が破れること等がある。
【0035】この様なブロッキングを防ぐ為には、微粒
子をインク吸収層に含有させることによってインク吸収
層表面に突起をつくり、紙やフィルムとの接触面積を小
さくすることが効果的である。しかしながら、微粒子を
インク吸収層に含有させるとインク吸収層の光沢や透明
性が損なわれる為、写真の印画紙調の光沢を有する被記
録材や、OHPフィルムとして使用可能な透明性が高い
被記録材等では、光沢や透明性を維持する為に微粒子を
インク吸収層に含有させないことが望ましいが、逆にブ
ロッキングを防ぐ為にはインク吸収層に微粒子を含有さ
せることが望ましい。
【0036】微粒子が含有されていないインク吸収層の
屈折率は通常1.45〜1.65の範囲にある。微粒子
が含有されていないインク吸収層の屈折率と微粒子の屈
折率とが近いと、インク吸収層に微粒子を含有させても
光の散乱が小さくなり、インクジェット用被記録材の光
沢や透明性の低下は少ない。
【0037】一方、屈折率が1.7より大きな微粒子は
光の散乱が大きくなるために、インク吸収層の光沢や透
明性の低下が大きくなるので好ましくない。
【0038】従って、皮膜の光沢や透明性の低下を少な
くする為には、屈折率が1.7以下、特に1.45以上
1.65以下の範囲の樹脂からなる有機高分子微粒子を
インク吸収層に添加することが望ましい。
【0039】ブロッキングを防ぐ為の有機高分子微粒子
の大きさは、インク吸収層の厚みより大きくなければイ
ンク吸収層表面に突起をつくることができず、紙やフィ
ルム等の他の物との接触面積を小さくすることが出来な
い。
【0040】インク吸収層は通常5μm以上でなけれ
ば、インクを十分に吸収することが出来ない。従って、
微粒子は5μmを越える大きさであり、且つインク吸収
層の厚みより大きいことが必要である。また、インク吸
収層が厚すぎてもインク吸収性はあまり変わらず、むし
ろ厚すぎるとカールの発生等を生ずることがある。従っ
て、インク吸収層の厚みは30μm以下であることが好
ましく、特に20μm以下であることが好ましい。一
方、微粒子はあまり大きすぎるとインク吸収層表面にザ
ラツキ感を与える為、40μm以下であることが好まし
い。
【0041】また、有機高分子微粒子の場合と同様の理
由により、屈折率が1.7以下の無機顔料微粒子をイン
ク吸収層に含有せしめることによっても、光沢や透明性
をあまり損なわずに、ブロッキングによる記録の破壊を
効果的に防ぐことができる。
【0042】なお、無定型シリカの微粒子は有機高分子
微粒子と異なり、塗液を支持体上に塗布し、乾燥させて
インク吸収層を形成させる課程において、無定型シリカ
は形成されたインク吸収層と気層との界面付近にマイグ
レートし易い。それ故、無機顔料微粒子として無定型シ
リカを用いると、インク吸収層の厚みより必ずしも大き
い微粒子を使用しなくともインク吸収層表面に突起を作
ることができ、ブロッキングを防ぐことができる。しか
しながら、あまり小さ過ぎると紙やフィルム等の他の物
との接触面積を小さくすることができないので、無定型
シリカの微粒子は2μm以上の大きさであることが好ま
しい。また、無定型シリカの微粒子はあまり大きすぎる
とインク吸収層表面にザラツキ感を与える為、20μm
以下であることが好ましい。
【0043】また、無定型シリカは水等の媒体に分散し
ている状態では、一般に単粒子ではなく凝集状態で存在
する。それ故、本発明では無定型シリカの微粒子の大き
さは平均凝集粒子径で表すことにする。
【0044】なお、平均凝集粒子径は小孔通過法(コー
ルターカウンター法)によって測定することが一般的で
ある。
【0045】有機高分子微粒子や無機顔料微粒子の添加
量は、多すぎると光沢や透明性の低下が大きくなるので
好ましくなく、少な過ぎると耐ブロッキング性が小さく
なるので好ましくない。それ故、有機高分子微粒子や無
機顔料微粒子の添加量は1mg/m2以上1g/m2以下の
範囲、特に10mg/m2以上200mg/m2以下の範囲がイ
ンク吸収層の光沢や透明性の低下が小さく、耐ブロッキ
ング性が良好であり好ましい。
【0046】このような屈折率が1.7以下の有機高分
子微粒子および無機顔料微粒子としては、種々のものを
使うことができる。例えば、尿素−ホルマリン樹脂(屈
折率1.54〜1.56)、尿素−チオ尿素−ホルマリ
ン樹脂(同1.66)、メラミン−ホルマリン樹脂(同
1.57)、ベンゾグアナミン−ホルマリン樹脂(同
1.57)、メラミン−ベンゾグアナミン−ホルマリン
樹脂(同1.57)、ポリスチレン樹脂(同1.5
9)、ポリメチルメタクリレート樹脂(同1.49)や
ポリエチレン樹脂(同1.55)等の有機高分子微粒
子、
【0047】重質および軽質炭酸カルシウム(屈折率
1.49〜1.66)、炭酸マグネシウム(同1.5
0)、カオリン(同1.55)、焼成クレー(同1.6
0)、タルク(同1.57)、ケイ酸カルシウム(同
1.5〜1.6)、シリカ(同1.4〜1.5)、水酸
化アルミニウム(同1.53)、硫酸バリウム(同1.
64)等の無機顔料微粒子等が挙げられるが本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0048】ところで、ゼラチンを水に溶解したゾル
は、一般に1重量%以上の濃度ならば、10℃の温度に
保つと凝固してゲルとなる。本発明におけるインクジェ
ット用被記録材料を製造する方法としては、ゼラチンを
幹ポリマーとするグラフト共重合体をゲル化させずに乾
燥温度を70℃以下で乾燥させて形成(ホットドライセ
ットフィルム)した皮膜、またはゲル化させた後乾燥さ
せて形成(コールドドライセットフィルム)した皮膜の
方が、良好な顔料インク吸収性を保ちつつ印字部光沢も
高く保てることが分かった。
【0049】なお、ここでセットとは、成膜時に溶剤等
が蒸発することに先だって、膜の流動、変形等が起こら
ない状態のことを意味している。従って、ホットドライ
セットフィルムとは、セットの状態を経由しないで形成
された皮膜を意味しており、ホットドライセットフィル
ムと言う表現は、厳密には正しくはない。しかしなが
ら、コールドドライセットフィルム、ホットドライセッ
トフィム共に慣用的に使用されている表現であり、本発
明でもこれらの表現を使用することにする。
【0050】本発明の、「ゲル化させずに乾燥し形成さ
れたインク受像層」とは、本発明で言うホットドライセ
ットフィルムのことを表す。
【0051】ホットドライセットフィルムがインク吸収
性が良好である理由は、以下の理由によるものと考えら
れる。
【0052】即ち、ゲル形成の際には親水性基が相互に
結合するため、親油性的な影響が顕著になる。実際、水
分を含んでいるゼラチンのゲルの表面やゲル化の後に乾
燥して得られた皮膜表面は、撥水性になる。反対にゼラ
チンをゲル化せずに形成させた皮膜表面は、親水性基に
よる相互の結合がないので、ゲル化させてから得られた
皮膜表面より撥水性は低く、より親水性の表面が形成さ
れる。よって、ホットドライセットフィルムの方が、濡
れ性の良い表面を形成する。これをインク吸収層として
使用した場合、その表面の濡れの良さのため、インク液
滴が適度に広がり、更に吸収性の良い被記録材料が得ら
れるものと考えられる。
【0053】しかしながら、上記はインク吸収性のみに
関しての推論である。ホットトドライセットでは乾燥温
度が高ければ高いほど製造効率は良くなるのは当然であ
るものの、理由は定かではないが本発明においては乾燥
温度が70℃を超えると、顔料インク吸収性はよいもの
の印字部の光沢低下をきたし描画性が悪化することが分
かった。
【0054】本発明に於いて、ホットドライセットフィ
ルムを得るには、種々の方法が用いられる。即ち、ゲル
化を起こすために働く力は主に水素結合、ファンデアワ
ールス力等が考えられるから、これらの結合力を排除も
しくは弱めれば良い。この結合力を排除もしくは弱める
方法として、尿素、サリチル酸、チオシアン酸カリウム
等の水素結合阻害剤を添加する方法がある。また、皮膜
の結晶化部を減少させる簡単な方法は、塗布前のゾル状
態の塗液にアルコール系溶媒を加える方法が考えられ
る。
【0055】また、本発明に於いて、最も簡便で確実に
ホットドライセットフィルムを得る方法は、ゲル化温度
以下の温度に下げることなく、より好ましくはゲル化温
度より5℃以上高い温度で乾燥させることである。従っ
て、本発明に於いて、ホットドライセットフィルムの得
られる乾燥温度は、一般的なゼラチンのゲル化温度であ
る35℃より5〜8℃以上の、40〜70℃が好まし
く、更には50〜65℃が好ましい。また、インク吸収
層形成用塗液を支持体上に塗布する場合、塗液がゲル化
しない温度以上に温度を保持しなければならない。その
温度は35℃以上が好適で、塗布中は塗液温度をこの温
度以上にしておく必要がある。
【0056】本発明の、「ゲル化さた後に乾燥し形成さ
れたインク受像層」とは、本発明で言うコールドドライ
セットフィルムのことを表す。ゼラチンで一般的に言わ
れている前記のコールドドライセットフィルムでは、染
料インクについては確かに吸収性はホットドライフィル
ムに比べて劣るものの本発明のゼラチンを幹ポリマーと
するグラフト共重合体では顔料インクについては、顕著
な差は認められない。更に、コールドドライセットフィ
ルムでは、ホットドライセットフィルムと比べ乾燥温度
に関係なく光沢が高く、描画性が良いことが分かった。
従って、描画性の点から、本発明のゼラチンを幹ポリマ
ーとするグラフト共重合体を用いた顔料インク適性を有
するインク受像層を乾燥し形成する方法として、ホット
ドライセットフィルムでは乾燥温度を70℃以下に保つ
かコールドドライセットフィルムする方が良い。
【0057】また、本発明に於いて、最も簡便で確実に
コールドドライセットフィルムを得る方法は、ゲル化温
度以下の温度に下げ、より好ましくはゲル化温度より5
℃以下の低い温度で一端ゲル化させた後乾燥させること
である。ゲル化させた後の乾燥温度は支持体が熱的に変
形をきたさない温度であればよく、好ましくは40〜1
00℃、より好ましくは45〜80℃である。
【0058】本発明のゼラチンを幹ポリマーとするグラ
フト共重合体に使用されるゼラチンとしては種々のゼラ
チンを使用することができる。基本的に本発明に用いら
れるゼラチンとしては、動物の不溶性コラーゲンを原料
としたゼラチンであれば何れでも使用できるが、豚皮、
牛皮、牛骨あるいは腱から得られるコラーゲンを原料と
したゼラチンが好ましい。更にゼラチンの種類として
は、特に制限はないが、アルカリ法(石灰処理)ゼラチ
ン、酸性法ゼラチン、またそれらをイオン交換にて脱塩
したもの、しないもの、さらにゼラチン誘導体(例え
ば、特公昭38−4854号公報、同昭39−5514
号公報、同昭40−12237号公報、同昭42−26
345号公報、米国特許第2525753号公報、同第
2594293号公報、同第2614928号公報、同
第2763639号公報、同第3118766号公報、
同第3132945号公報、同第3186846号公
報、同第3312553号公報、英国特許第86141
4号公報、同第1033189号公報等に記載のゼラチ
ン誘導体)を単独又はそれらを組み合わせて用いること
ができる。特に好ましくはゼラチンの分子量分布中にα
鎖成分の割合が40%以上のゼラチンである。
【0059】本発明において、ゼラチンの種類に関して
も詳細に比較検討した結果、好ましく使用されるゼラチ
ンはアルカリ法ゼラチンであり、グラフトポリマーの透
明性において他のゼラチンに比べて優れていることが明
らかになった。通常、染料インク用インクジェット受像
体には、染料の定着性及び耐水性等を考慮して酸性法ゼ
ラチンが好ましいが、顔料用インクジェット用受像体に
はアルカリ法ゼラチンが好適であることがわかった。こ
の理由としては以下のことが考えられる。
【0060】通常、ゼラチンは動物の不溶性コラーゲン
をアルカリ処理や酸処理をして得られる。コラーゲン中
ではカルボキシル残基の約37%がアミド化されている
が、アルカリ処理では強く加水分解を受けるため、遊離
のカルボキシル基が生じる。一方、酸処理ではアミドの
加水分解を受けることが少なく、ほとんどコラーゲンと
同じ程度のアミドが残っている。そのため、酸性法ゼラ
チンはアルカリ法ゼラチンに比べてカチオン型ポリマー
となっているため、グラフト共重合体を合成する際にN
−ビニル−2−ピロリドンやアクリルアミドとの相溶性
が低く透明性が得られず支持体上に塗布した場合も光沢
が低くなるものと思われる。また、通常、インクジェッ
トプリンターのインクの着色剤は水溶性染料が用いられ
ており、その染料とは一般にスルホン酸基やカルボン酸
基を染料分子内に導入して水溶性を付与させている酸性
染料、分散染料である。そのため、前記カチオン型のゼ
ラチンにアニオン型の染料が定着する。一方、顔料イン
クには水溶性を付与するような官能基はなく定着性を考
慮する必要はない。
【0061】よって、本発明において好ましく用いられ
るゼラチンは以上の様な特性を持つものでありアルカリ
法ゼラチンが好ましい。
【0062】本発明において湿度における経時変化を防
ぎ、更に皮膜強度を強くし、水に対して完全に不溶化の
皮膜を得るために、ゼラチンを幹ポリマーとするグラフ
ト共重合体を硬膜してもよい。硬膜の方法は銀塩写真な
どで使われている、種々の硬膜方法が使用できる。
【0063】この様な硬膜反応に使われる硬膜剤として
は種々の硬膜剤が使用できる。まず、有機系硬膜剤とて
は以下のものが挙げられる。アルデヒド型硬膜剤、具体
的にはホルムアルデヒド、グリオキザル、サクシンアル
デヒド、グルタルデヒド、ジアルデヒドスターチ、ポリ
アクロレイン、N−メチロール及びアセタール系硬膜剤
としてはエチレングリコールとグリオキザールの縮合
物、サクシンアルデヒドとエタノールとの縮合物、エポ
キシ系硬膜剤、アジリジン系硬膜剤、ジクロロ-S-トリ
アジン系硬膜剤、ムコハロゲン酸系硬膜剤のムコクロリ
ックアシド、活性ハロゲン系硬膜剤の酸ハライド型、ベ
ンジルハライド型、α位の炭素にハロゲンを有するアシ
ル化合物、活性オレフィン系硬膜剤のビニルスルホン
型、アクリロイル型、ビスマレイミド型、カルボジイミ
ド系硬膜剤、イソオキサゾリューム系硬膜剤、メタスル
ホン酸エステル系硬膜剤、活性エステル系硬膜剤などを
使うことができる。
【0064】中でもエポキシ系硬膜剤等は硬膜性やポッ
トライフなどの性能面、その他に安価で、一般的に入手
し易くポピュラーな硬膜剤として好ましく、以下に挙げ
る化合物が好ましく使用できる。ソルビトールポリグリ
シジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、
ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロ
ルポリグリシジルエーテル、グリセロルポリグリシジル
エーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアネート、トリメチロールプロパンポリグリ
シジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−
ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジル
エーテル、アジピン酸ジグリシジルエーテル、オルト−
フタル酸ジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリ
シジルエーテル、ビスフェノール S ジグリシジルエー
テル、テレフタル酸ジグリシジルエーテル、ジブロモネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル等である。
【0065】また、アジリジン系硬膜剤もpH依存性が
少なく、好ましく使用でき以下の化合物が挙げられる。
トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロ
ピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジ
リジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタン
−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボクサミド)、
N,N’−ヘキサメチレン−1,6’−ビス(1−アジ
リジンカルボクサミド)、N,N’−トルエン−2,
4’−ビス(1−アジリジンカルボクサミド)、トリエ
チレンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メチ
ルアジリジン)等である。
【0066】また、無機系の硬膜剤としては多数ある
が、一般的にミョウバンやクロムミョウバンなどの多価
の金属塩類はよくゼラチンを硬化させる。また、重クロ
ム酸塩を含んだゼラチンが光により硬化する事は古くか
ら知られており、この方法も用いることができる。
【0067】この様にゼラチンを硬膜させるには様々な
方法がある。これは全部で18種類の様々なアミノ酸か
ら構成されているゼラチンの反応点の種類及びその多さ
に起因していると考えられる。
【0068】本発明において実際に、最も好ましく使用
される硬膜剤はアジリジン系硬膜剤やエポキシ系硬膜剤
であり、その添加量は皮膜の耐水性と膨潤度よりグラフ
ト共重合体に対して0.01重量%から7重量%の添加
量が好ましい。さらには0.05重量%から5重量%の
添加量がもっと好ましい。
【0069】本発明においてインクジェット用被記録材
を製造する場合に、用いられる支持体としては、例えば
ポリエステルフィルム、樹脂被覆紙、コート紙等が主に
用いられるが、ガラス、アルミニウム箔、布、不織布、
蒸着紙、蒸着フィルム等インク吸収層を設けることがで
きる支持体であれば特に限定されるものではない。
【0070】また、インク吸収層は、支持体の少なくと
も片面に設けられるが、カールを防止する等の目的で、
支持体の両面に設けてもよい。
【0071】本発明に用いる支持体として、ポリエステ
ルフィルムを用いる際には、その厚さは特に制限する必
要はないが、ハンドリング性とプリンターの通紙適性か
ら10〜200μm程度のものが好ましい。
【0072】本発明において、ポリエステルフィルムと
は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸等の芳香族ジカルボン酸またはそのエステルと、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコ
ールとを重縮合させて得られるポリエステルをフィルム
化したものであり、通常はロール延伸、テンター延伸、
インフレーション延伸等の処理により、配向処理される
ことが多い。
【0073】ポリエステルの具体例としてはポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレートおよびこれら
に他成分を共重合したもの等が挙げられるが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【0074】また、白色ポリエステルフィルムを支持体
として用いる場合には、ポリエステルフィルムの白色度
を高める方法として、硫酸バリウム、二酸化チタン、炭
酸カルシウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、カオリ
ン、タルク等の無機微粒子をポリエステルフィルム内部
に含有させる方法や、白色塗料を表面に塗布する方法等
がある。
【0075】また、クッション性や隠蔽性を付与する為
に、フィルム内部に多数の空洞を含有する空洞含有フィ
ルム、例えば発泡ポリエステルフィルム等も用いること
ができる。
【0076】本発明に用いる支持体として、樹脂被覆紙
を用いる際にも、厚さについては特に制限する必要はな
いが、ハンドリング性とプリンターの通紙適性から、5
0〜300μm程度のものが好ましい。また、写真の印
画紙の風合いを得るためには200〜300μm程度の
ものが好ましい。
【0077】樹脂被覆紙用の原紙は、特に制限はなく、
一般に用いられている紙が使用できるが、好ましくは、
例えば、写真用支持体に用いられているような平滑な原
紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては、天然パ
ルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以
上混合して用いられる。この原紙には、一般に製紙で用
いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止
剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。更に、
表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、
染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
【0078】また、樹脂被覆紙用の原紙は、抄造中また
は抄造後、カレンダー等にて圧力を印加して圧縮する等
した表面平滑性の良いものが好ましく、JIS−P−8
119で測定したベックの平滑度が200秒以上のもの
が特に好ましい。また、その坪量は30〜250g/m2
が好ましい。
【0079】樹脂被覆紙用の原紙の白色度は、JIS−
P−8123で測定したハンター白色度が65%以上で
あると白色度が高く、高級感のある被記録材が得られる
が、目的により求める白色度は異なり、天然パルプとし
て未晒しパルプを用いた茶褐色の原紙を併用して用いて
もよい。また、染料等の着色剤を用いて着色した原紙を
用いてもよい。
【0080】樹脂被覆紙用の被覆樹脂としては、ポリオ
レフィン樹脂が好ましく、特にポリエチレン樹脂が好ま
しい。また、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレンまたはこれらの混合物が使用で
きる。ここで言う低密度ポリエチレンとは、密度が0.
915〜0.930g/cm3のものであり、通常高圧法
で製造されるものである。一方、高密度ポリエチレンと
は、密度が0.950g/cm3以上のものであり、通常
低圧法或は中圧法で製造されるものである。これらのポ
リエチレン樹脂は、各種の密度及びメルトフローレート
を有するものを単独にまたはそれらの二種以上を混合し
て用いることができる。
【0081】樹脂被覆紙の樹脂層の構成は、単層、二層
以上の多層のいずれであっても良い。この場合にも、上
記のポリオレフィン樹脂を単独にまたは二種以上を混合
して用いることができる。また、多層の各層を互いに異
なる組成とすることも同一の組成とすることもできる。
多層からなる樹脂層を形成する方法としては、共押出コ
ーティング法と逐次コーティング法のいずれを採用して
も良い。
【0082】一方、樹脂被覆紙の樹脂層は膜形成能のあ
るラテックスをコーテイングすることによって形成する
ことができる。例えば、最低成膜温度(MFT)の低い
ラテックスを、樹脂被覆紙用の原紙にコーテイングした
後、最低成膜温度以上の温度に過熱することによっても
形成することができる。
【0083】樹脂被覆紙の被覆樹脂層の厚みとしては特
に制限はないが、一般に5〜50μmの厚みに表面の
み、または表裏両面にコーティングされる。
【0084】樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸
化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム等の白色顔料、ステア
リン酸アミド、アラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪
酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1
076等の酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリ
アンブルー、フタロシアニンブルー等のブルーの顔料や
染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、
マンガン紫等のマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫
外線吸収剤等の各種の添加剤を適宜組み合わせて加える
ことができる。
【0085】本発明において支持体として用いられる樹
脂被覆紙は、走行する原紙上に、加熱溶融したポリオレ
フィン樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法に
より製造される。また、樹脂と原紙との接着性を向上さ
せるために、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ
放電処理、火炎処理等の活性化処理を施すことが好まし
い。支持体のインク吸収層が塗布される面(表面)は、
その用途に応じて、光沢面、マット面等を有し、特に光
沢面が好ましく用いられる。必ずしも裏面に樹脂を被覆
する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほ
うが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面或は必
要に応じて表裏両面にも、コロナ放電処理、火炎処理等
の活性処理を施すことができる。
【0086】本発明においてインクジェット用被記録材
を製造する場合には、界面活性剤を添加しなくても良好
な塗布性を得ることができる場合が多いが、より塗布性
を改善するため、あるいはインクがインク吸収層に付着
した時のドット径を調整することを目的として、界面活
性剤を添加することができる。用いられる界面活性剤
は、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系
のいずれのタイプでもよく、また、低分子のものでも高
分子のものでもよい。1種もしくは2種以上の界面活性
剤を組み合わせて用いてもよい。界面活性剤の添加量
は、固形分量でインク吸収層を構成するバインダー10
0gに対して0.001g〜5gが好ましく、より好ま
しくは0.01〜3gである。
【0087】更に、インク吸収層には、上記の界面活性
剤の他に、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レ
ベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調
節剤等の公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0088】また、画像の解像性を向上させる為に、イ
ンク吸収層にフッ素樹脂系、シリコーン樹脂系またはア
ルキルケテンダイマー系の撥水剤またはサイズ剤を含有
することにより、印字ドット径をコントロールして画像
の解像性を向上させることができる。これらのフッ素樹
脂系、シリコーン樹脂系またはアルキルケテンダイマー
系の撥水剤またはサイズ剤としては一般に市販されてい
るものを使用することができる。また、これらの溶液ま
たは水系エマルジョンのどちらでも使用可能である。イ
ンク吸収層へのこれらの撥水剤の添加量により印字ドッ
ト径をコントロールすることができる。その添加量は各
成分や濃度および希望する印字ドット径によって異なる
が、通常有効固形成分としてインク吸収層の全固形分に
対して0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜
5重量%である。
【0089】本発明におけるインク吸収層塗液の塗布方
法としては、例えば、スライドホッパー方式、カーテン
方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロー
ルコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等の
通常用いられている塗布方法が用いられる。
【0090】本発明における支持体には、インク吸収層
と支持体との接着性向上等の目的でアンカー層を設けて
もよい。アンカー層にはゼラチン等の親水性バインダ
ー、ブチラール等の溶剤可溶性バインダー、ラテック
ス、架橋剤、顔料、界面活性剤等を適宜組み合わせて添
加せしめることができる。
【0091】本発明における支持体には、帯電防止性、
搬送性、カール防止性、筆記性、糊付け性等のために、
各種のバックコート層を塗設することができる。バック
コート層には、無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水
性バインダー、ラテックス、架橋剤、顔料、滑剤、界面
活性剤等を適宜組み合わせて添加せしめることができ
る。
【0092】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限定されるものではない。
なお、部とあるのは重量部を意味する。
【0093】(合成例)以下に本発明のグラフト化され
たゼラチンの合成例を記すが、本発明はこれに限定され
るものではない。
【0094】合成例−1 グラフト化されたゼラチン{(Gel)50−(NVP)
50}の合成:ゼラチン(PAGI法によるゼリー強度:
350ブルーム、等電点:7.8)100gとイオン交
換水800gとを混合して約30分間放置し、ゼラチン
を十分に膨潤させた。次に、膨潤したゼラチン分散液中
にN−ビニル−2−ピロリドン100gを添加後、これ
らの入った容器を温水浴(60℃設定)中で加温し、撹
拌しながら乾燥窒素ガスで10分間脱酸素操作を行っ
た。液温が60℃に達したところで、重合開始剤として
V−50(和光純薬製、水溶性アゾ系重合開始剤)を
0.5g加えて重合を開始した。約1時間後、反応温度
のピーク(70℃前後)を過ぎたところで液温の設定を
70℃とし、重合開始から計約6時間重合を行った。そ
の後、重合を停止し、ゼラチングラフト共重合体水性液
を得た。
【0095】その後、この共重合体水性液をアセトンに
投入し、未重合のN−ビニル−2−ピロリドンやグラフ
ト化していないポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)を
溶解させた後に濾過し、濾別されたアセトン不溶物を真
空乾燥した。この乾燥物をGPC及びIRで分析したと
ころ、ゼラチンにN−ビニル−2−ピロリドンがグラフ
ト化したことを確認した。
【0096】合成例−2 グラフト化されたゼラチン{(Gel)60−(NVP)
40}の合成:ゼラチン(PAGI法によるゼリー強度:
350ブルーム、等電点:7.8)120gとイオン交
換水800gとを混合して約30分間放置し、ゼラチン
を十分に膨潤させた。次に、膨潤したゼラチン分散液中
にN−ビニル−2−ピロリドン80gを添加後、これら
の入った容器を温水浴(60℃設定)中で加温し、撹拌
しながら乾燥窒素ガスで10分間脱酸素操作を行った。
液温が60℃に達したところで、重合開始剤としてV−
50(和光純薬製、水溶性アゾ系重合開始剤)を0.5
g加えて重合を開始した。約1時間後、反応温度のピー
ク(70℃前後)を過ぎたところで液温の設定を70℃
とし、重合開始から計約6時間重合を行った。その後、
重合を停止し、ゼラチングラフト共重合体水性液を得
た。
【0097】合成例−3 グラフト化されたゼラチン{(Gel)50−(AAm)
50}の合成:グラフト重合成分としてN−ビニル−2−ピ
ロリドンの代わりにアクリルアミドを用いた以外は合成
例−1と全く同様の方法にてゼラチングラフト共重合体
水性液を得た。
【0098】合成例−4 グラフト化されたゼラチン{(Gel)50−(NDMA
Am)50}の合成:グラフト重合成分としてN−ビニル
−2−ピロリドンの代わりにN,N−ジメチルアクリル
アミドを用いた以外は合成例−1と全く同様の方法にて
ゼラチングラフト共重合体水性液を得た。
【0099】合成例−5 グラフト化されたゼラチン{(Gel)50−(NDEA
Am)50}の合成:グラフト重合成分としてN−ビニル
−2−ピロリドンの代わりにN,N−ジエチルアクリル
アミドを用いた以外は合成例−1と全く同様の方法にて
ゼラチングラフト共重合体水性液を得た。
【0100】合成例−6 グラフト化されたゼラチン{(Gel)50−(NIPA
Am)50}の合成:グラフト重合成分としてN−ビニル
−2−ピロリドンの代わりにN−イソプロピルアクリル
アミドを用いた以外は合成例−1と全く同様の方法にて
ゼラチングラフト共重合体水性液を得た。
【0101】合成例−7 グラフト化されたゼラチン{(Gel)50−(AM)5
0}の合成:グラフト重合成分としてN−ビニル−2−ピ
ロリドンの代わりにアクリロイルモルホリンを用いた以
外は合成例−1と全く同様の方法にてゼラチングラフト
共重合体水性液を得た。
【0102】その後、合成例−2〜合成例−7の共重合
体水性液を合成例−1と同様にGPC及びIRでグラフ
ト化を確認した。
【0103】以下に比較例で用いたポリマーの合成例を
記す。
【0104】合成例−8 ポリアクリルアミド(PAAm)の合成:アクリルアミ
ド100gとイオン交換水500gと2−プロパノール
50mlを混合し、これらの入った容器を温水浴(60
℃設定)中で加温し、撹拌しながら乾燥窒素ガスで10
分間脱酸素操作を行った。液温が60℃に達したところ
で、重合開始剤としてV−50(和光純薬製、水溶性ア
ゾ系重合開始剤)を0.5g加えて重合を開始した。約
1時間後、反応温度のピーク(75℃前後)を過ぎたと
ころで液温の設定を70℃とし、重合開始から計約6時
間重合を行った。その後、重合を停止し、粘性のあるポ
リマー水性液を得た。
【0105】合成例−9 ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド(PNDMAA
m)の合成:重合成分としてアクリルアミドの代わりに
N,N−ジメチルアクリルアミドを用いた以外は合成例
−8と全く同様の方法にてポリマー水性液を得た。
【0106】合成例−10 ポリ−N,N−ジエチルアクリルアミド(PNDEAA
m)の合成:重合成分としてアクリルアミドの代わりに
N,N−ジエチルアクリルアミドを用いた以外は合成例
−8と全く同様の方法にてポリマー水性液を得た。
【0107】合成例−11 ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(PNIPAA
m)の合成:重合成分としてアクリルアミドの代わりに
N−イソプロピルアクリルアミドを用いた以外は合成例
−8と全く同様の方法にてポリマー水性液を得た。
【0108】合成例−12 ポリアクリロイルモルホリン(PAM)の合成:重合成
分としてアクリルアミドの代わりにN,N−ジメチルア
クリルアミドを用いた以外は合成例−8と全く同様の方
法にてポリマー水性液を得た。
【0109】実施例1 LBKP(50部)とLBSP(50部)のパルプ配合
からなる100g/m2の基紙の表面に低密度ポリエチレ
ン(70部)と高密度ポリエチ レン(20部)と酸化
チタン(10部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布
し、裏面に高密ポリエチレン(50部)と低密度ポリエ
チレン(50部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布
してなる樹脂被覆紙支持体上に、インク受容層塗液を乾
燥後の重量が9g/m2になるようにエクストルージョン
法により塗布した後、直ちに10秒間冷却セットし、そ
れから徐々に温度が高い乾燥ゾーンを通過させ、表面湿
球温度が20℃以下になるように乾燥ゾーンの温湿度を
コントロールしてインクジェット記録用シートを作製し
た。インク受容層塗液組成物は、下記のとおりである。
【0110】 実施例1−1 (Gel)50−(NVP)50(合成例−1) 500部 純水 500部
【0111】 実施例1−2 (Gel)60−(NVP)40(合成例−2) 500部 純水 500部
【0112】 実施例1−3 (Gel)50−(AAm)50(合成例−3) 500部 純水 500部
【0113】 実施例1−4 (Gel)50−(NDMAAm)50(合成例−4) 500部 純水 500部
【0114】 実施例1−5 (Gel)50−(NDEAAm)50(合成例−5) 500部 純水 500部
【0115】 実施例1−6 (Gel)50−(NIPAAm)50(合成例−6) 500部 純水 500部
【0116】 実施例1−7 (Gel)50−(AM)50(合成例−7) 500部 純水 500部
【0117】 実施例1−8 (Gel)50−(NVP)50(合成例−1) 400部 10%ポリビニルピロリドン(K−90;BASF製)水溶液 100部 純水 500部
【0118】 実施例1−9 (Gel)60−(NVP)40(合成例−2) 400部 10%ポリビニルピロリドン(K−90;BASF製)水溶液 100部 純水 500部
【0119】 実施例1−10 (Gel)50−(AAm)50(合成例−3) 400部 10%ポリビニルピロリドン(K−90;BASF製)水溶液 100部 純水 500部
【0120】 実施例1−11 (Gel)50−(NVP)50(合成例−1) 400部 10%ポリアクリルアミド水溶液(合成例−8) 100部 純水 500部
【0121】実施例1−12 実施例1−1で用いた溶液にパーフルオロアルキルカル
ボン酸塩(S−113、アニオンタイプ:旭硝子社製)
0.01部を添加した他は同じ条件で塗布、乾燥してイ
ンクジェット記録用シートを得た。
【0122】実施例1−13 実施例1−1で用いた溶液にパーフルオロ−アルキルエ
チレンオキシド付加物(S−145、ノニオンタイプ:
旭硝子社製)0.01部を添加した他は同じ条件で塗
布、乾燥してインクジェット記録用シートを得た。
【0123】実施例1−14 実施例1−1で用いた溶液にパーフルオロアルキルベタ
イン(DS−301、両性タイプ:ダイキン工業社製)
0.01部を添加した他は同じ条件で塗布、乾燥してイ
ンクジェット記録用シートを得た。
【0124】実施例1−15 実施例1−3で用いた溶液にパーフルオロ−アルキルエ
チレンオキシド付加物(S−145、ノニオンタイプ:
旭硝子社製)0.01部を添加した他は同じ条件で塗
布、乾燥してインクジェット記録用シートを得た。
【0125】実施例−16 実施例1−3で用いた溶液にパーフルオロアルキルベタ
イン(DS−301、両性タイプ:ダイキン工業社製)
0.01部を添加した他は同じ条件で塗布、乾燥して塗
液インクジェット記録用シートを得た。
【0126】実施例1−17 実施例1−8で用いた溶液にパーフルオロ−アルキルエ
チレンオキシド付加物(S−145、ノニオンタイプ:
旭硝子社製)0.01部を添加した他は同じ条件で塗
布、乾燥してインクジェット記録用シートを得た。
【0127】実施例1−18 実施例1−9で用いた溶液にパーフルオロ−アルキルエ
チレンオキシド付加物(S−145、ノニオンタイプ:
旭硝子社製)0.01部を添加した他は同じ条件で塗
布、乾燥してインクジェット記録用シートを得た。
【0128】 比較例1−1 10%ゼラチン(合成例で用いたものと同じ)水溶液 500部 10%ポリビニルピロリドン(K−90;BASF製)水溶液 500部
【0129】 比較例1−2 10%ゼラチン(合成例で用いたものと同じ)水溶液 600部 10%ポリビニルピロリドン(K−90;BASF製)水溶液 400部
【0130】 比較例1−3 10%ゼラチン(合成例で用いたものと同じ)水溶液 500部 10%ポリアクリルアミド水溶液(合成例−8) 500部
【0131】 比較例1−4 10%ゼラチン(合成例で用いたものと同じ)水溶液 500部 10%ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド水溶液(合成例−9)500部
【0132】 比較例1−5 10%ゼラチン(合成例で用いたものと同じ)水溶液 500部 10%ポリ−N,N−ジエチルアクリルアミド水溶液(合成例−10)500部
【0133】 比較例1−6 10%ゼラチン(合成例で用いたものと同じ)水溶液 500部 10%ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド水溶液(合成例−11)500部
【0134】 比較例1−7 10%ゼラチン(合成例で用いたものと同じ)水溶液 500部 10%ポリアクリロイルモルホリン水溶液(合成例−12) 500部
【0135】 比較例1−8 (Gel)50−(AAm)50(合成例−3) 400部 10%カルホ゛キシメチルセルロースNa塩(セロケ゛ン7A;第一工業製薬製)水溶液 100部 純水 500部
【0136】比較例1−9 比較例1−1で用いた溶液にパーフルオロアルキルカル
ボン酸塩(S−113、アニオンタイプ:旭硝子社製)
0.01部を添加した他は同じ条件で塗布、乾燥してイ
ンクジェット記録用シートを得た。
【0137】比較例1−10 比較例1−1で用いた溶液にパーフルオロ−アルキルエ
チレンオキシド付加物(S−145、ノニオンタイプ:
旭硝子社製)0.01部を添加した他は同じ条件で塗
布、乾燥してインクジェット記録用シートを得た。
【0138】比較例1−11 実施例1−1で用いた溶液にp−ドデシルベンゼンスル
ホン酸ソーダ0.01部を添加した他は同じ条件で塗
布、乾燥してインクジェット記録用シートを得た。
【0139】比較例1−12 実施例1−1で用いた溶液にポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル(ノイゲンEA−50:第一工業製薬
社製)0.01部を添加した他は同じ条件で塗布、乾燥
してインクジェット記録用シートを得た。
【0140】比較例1−13 実施例1−8で用いた溶液にp−ドデシルベンゼンスル
ホン酸ソーダ0.01部を添加した他は同じ条件で塗
布、乾燥してインクジェット記録用シートを得た。
【0141】比較例1−14 実施例1−8で用いた溶液にポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル(ノイゲンEA−50:第一工業製薬
社製)0.01部を添加した他は同じ条件で塗布、乾燥
してインクジェット記録用シートを得た。
【0142】上記の如くして得られた各シートについ
て、Novajet Pro(ENCAD社製)インク
ジェットプロッターで顔料インク(GOインク:ENC
AD社製)を用いて評価画像を印字し、乾燥した後、下
記の品質試験を行った。結果を表1〜表4に各色の光沢
を示しベタ印字ムラ、にじみ及び文字描画性を表2に示
した。
【0143】光沢:非印字部の光沢とイエロー、マゼン
タ、シアン及びブラックを各々100%で印字した時の
各単色の光沢とイエロー、マゼンタ、シアン及びブラッ
クの各100%で印字した時の混色黒の光沢を鏡面光沢
度測定方法(JIS−Z8741)による60度鏡面光
沢を光沢計(日本電色工業(株)製VGS−1D)を用
いて測定した。
【0144】ベタ印字部ムラ:イエロー、マゼンタ、シ
アン、ブラック、赤、青、緑各色のベタ印字部を目視で
観察し、その印字部に認められるムラの有無を判定し
た。
【0145】にじみ:単色もしくは重色を連続で記録し
て、隣接する印字部が相互もしくは片方に流れ出しが生
じていないかを目視判定した。
【0146】文字描画性:記録された文字の描画性に関
して高濃度で鮮明か否かを目視判定した。
【0147】ベタ印字部ムラ、にじみ、文字描画性評価
の基準は以下の通りである。
【0148】 ◎:問題点がなく非常に優れている。 ○:優れている。 △:使用が可能である。 ×:劣る。
【0149】
【表1】
【0150】
【表2】
【0151】
【表3】
【0152】
【表4】
【0153】実施例2 実施例2−1 実施例1−1で用いた溶液に架橋ポリスチレンの有機高
分子微粒子(SBX−8、平均粒径8ミクロン、屈折率1.
59:積水化成工業製)0.01部を分散した分散液を
添加した他は同じ条件で塗布、乾燥して塗液インクジェ
ット記録用シートを得た。
【0154】実施例2−2 実施例1−2で用いた溶液に架橋ポリスチレンの有機高
分子微粒子(SBX−8、平均粒径8ミクロン、屈折率1.
59:積水化成工業製)0.01部を分散した分散液を
添加した他は同じ条件で塗布、乾燥して塗液インクジェ
ット記録用シートを得た。
【0155】実施例2−3 実施例1−3で用いた溶液に架橋ポリスチレンの有機高
分子微粒子(SBX−8、平均粒径8ミクロン、屈折率1.
59:積水化成工業製)0.01部を分散した分散液を
添加した他は同じ条件で塗布、乾燥して塗液インクジェ
ット記録用シートを得た。
【0156】実施例2−4 実施例1−1で用いた溶液に無機酸化物微粒子(ファイ
ンシールX37、平均粒径2.6ミクロン、屈折率1.4
6:トクヤマ社製)0.01部を分散した分散液を添加
した他は同じ条件で塗布、乾燥して塗液インクジェット
記録用シートを得た。
【0157】実施例2−5 実施例1−2で用いた溶液に無機酸化物微粒子(ファイ
ンシールX37、平均粒径2.6ミクロン、屈折率1.4
6:トクヤマ社製)0.01部を分散した分散液を添加
した他は同じ条件で塗布、乾燥して塗液インクジェット
記録用シートを得た。
【0158】実施例2−5 実施例1−3で用いた溶液に無機酸化物微粒子(ファイ
ンシールX37、平均粒径2.6ミクロン、屈折率1.4
6:トクヤマ社製)0.01部を分散した分散液を添加
した他は同じ条件で塗布、乾燥して塗液インクジェット
記録用シートを得た。
【0159】比較例2−1 実施例1−1を比較とした。
【0160】比較例2−2 実施例1−2を比較とした。
【0161】比較例2−3 実施例1−3を比較とした。
【0162】上記の如くして得られた各シートについ
て、Novajet Pro(ENCAD社製)インク
ジェットプロッターで顔料インク(GOインク:ENC
AD社製)を用いて評価画像を印字し、乾燥した後、下
記の品質試験を行った。結果を表5に示した。
【0163】画質:実施例1で評価した項目(光沢、べ
た印字部ムラ、にじみ、文字描画性)を総合して実用的
な評価を行い、◎:問題点がなく非常に優れている、
○:優れている、△:使用が可能である、×:劣るとし
た。 ブロッキング:マゼンタのベタ印字部に普通紙(三菱P
PC用紙、三菱製紙製)を重ね、普通紙の上に10cm
×10cmの面積に5kgの重りをのせた。30秒後に
普通紙を剥がし、ブロッキングの状態を判定した。普通
紙を剥がす時にブロッキングの認められない、またはブ
ロッキングするものの、インク吸収層の皮膜にはブロッ
キング痕が残らないものを○、インク吸収層の皮膜にブ
ロッキング痕の残るものを△、普通紙を剥がした時に普
通紙が破れてしまう、またはインク吸収層が普通紙に転
写してしまうものを×とした。
【0164】
【表5】
【0165】実施例3 実施例3−1 実施例1−1と全く同じ塗液及び乾燥条件でインクジェ
ット記録用シートを得た。
【0166】実施例3−2 実施例1−3と全く同じ塗液及び乾燥条件でインクジェ
ット記録用シートを得た。
【0167】実施例3−3 実施例1−8と全く同じ塗液及び乾燥条件でインクジェ
ット記録用シートを得た。
【0168】実施例3−4 実施例1−9と全く同じ塗液及び乾燥条件でインクジェ
ット記録用シートを得た。
【0169】実施例3−5 実施例1−1と全く同じ塗液を用いてゲル化させずに乾
燥温度を70℃に調整した条件でインクジェット記録用
シートを得た。
【0170】実施例3−6 実施例1−3と全く同じ塗液を用いてゲル化させずに乾
燥温度を70℃に調整した条件でインクジェット記録用
シートを得た。
【0171】実施例3−7 実施例1−8と全く同じ塗液を用いてゲル化させずに乾
燥温度を70℃に調整した条件でインクジェット記録用
シートを得た。
【0172】比較例3−1 比較例1−1と全く同じ塗液を用いてゲル化させずに乾
燥温度を80℃に調整した条件でインクジェット記録用
シートを得た。
【0173】比較例3−2 比較例1−3と全く同じ塗液を用いてゲル化させずに乾
燥温度を80℃に調整した条件でインクジェット記録用
シートを得た。
【0174】比較例3−3 実施例1−15と全く同じ塗液を用いてゲル化させずに
乾燥温度を80℃に調整した条件でインクジェット記録
用シートを得た。
【0175】比較例3−4 実施例1−3と全く同じ塗液を用いてゲル化させずに乾
燥温度を80℃に調整した条件でインクジェット記録用
シートを得た。
【0176】比較例3−5 実施例1−8と全く同じ塗液を用いてゲル化させずに乾
燥温度を80℃に調整した条件でインクジェット記録用
シートを得た。
【0177】比較例3−6 実施例1−9と全く同じ塗液を用いてゲル化させずに乾
燥温度を80℃に調整した条件でインクジェット記録用
シートを得た。
【0178】上記の如くして得られた各シートについ
て、Novajet Pro(ENCAD社製)インク
ジェットプロッターで顔料インク(GOインク:ENC
AD社製)を用いて評価画像を印字し、乾燥した後、実
施例1と全く同じ品質試験を行った。結果を表6に示
す。但し、光沢については、各試料の差がでやすい混色
黒のみを示す。
【0179】
【表6】
【0180】
【発明の効果】実施例から明らかなように、近年、要望
の高い高画質、高精細で耐光性の優れた顔料インクを用
いたインクジェットプリンターにおいて、特にカラー記
録での要望が高い写真調の光沢を持ち、高画質で、べた
つきが少ない等の特性を持ったインクジェット用受像体
の被記録材に適したインクジェット用受像体を提供する
ことができた。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料インクを用いて印字を行うインクジ
    ェット記録方法に用いられるシートにおいて、支持体上
    の少なくとも片面にインク受像層を設けたインクジェッ
    ト記録シートの該インク受像層がゼラチンを幹ポリマー
    とするグラフト共重合体を含有することを特徴とするイ
    ンクジェット記録用シート。
  2. 【請求項2】 該インク受像層を形成するゼラチンに対
    するグラフト鎖の主成分モノマーがN−ビニル−2−ピ
    ロリドン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
    アミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプ
    ロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリンの群か
    ら選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求
    項1記載のインクジェット記録用シート。
  3. 【請求項3】 該インク吸収層がゼラチンを幹ポリマー
    とするグラフト共重合体の他に構成単位がビニル化合物
    である親水性ポリマーを少なくとも1種含有することを
    特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記
    録用シート。
  4. 【請求項4】 該親水性ポリマーの構成単位としてN−
    ビニル−2−ピロリドンまたはアクリルアミド誘導体で
    あることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット
    記録用シート。
  5. 【請求項5】 フッ素系界面活性剤をインク吸収層に含
    有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    のインクジェット記録用シート。
  6. 【請求項6】 屈折率が1.7以下の樹脂からなる有機
    高分子微粒子をインク吸収層に含有することを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録
    用シート。
  7. 【請求項7】 屈折率が1.7以下の無機顔料微粒子を
    インク吸収層に含有せしめることを特徴とする請求項1
    〜4に記載のインクジェット記録用シート。
  8. 【請求項8】 該無機顔料微粒子の平均凝集粒子径が2
    μm以上20μm以下の範囲の無定型シリカであること
    を特徴とする請求項1及び7記載のインクジェット記録
    用シート。
  9. 【請求項9】 該インク受像層が塗液を支持体上に塗布
    したのち、ゲル化させずに70℃以下で乾燥し形成され
    たインク受像層であることを特徴とする請求項1〜8の
    いずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  10. 【請求項10】 該インク受像層が塗液を支持体上に塗
    布したのち、ゲル化させた後に乾燥し形成されたインク
    受像層であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    に記載のインクジェット記録用シート。
JP9089447A 1997-04-08 1997-04-08 インクジェット記録用シート Pending JPH10278415A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9089447A JPH10278415A (ja) 1997-04-08 1997-04-08 インクジェット記録用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9089447A JPH10278415A (ja) 1997-04-08 1997-04-08 インクジェット記録用シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10278415A true JPH10278415A (ja) 1998-10-20

Family

ID=13970947

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9089447A Pending JPH10278415A (ja) 1997-04-08 1997-04-08 インクジェット記録用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10278415A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07101142A (ja) インクジェット記録シート
EP0829375B1 (en) Recording material for ink jet printing
JPH07117335A (ja) インクジェット記録シート及びその製造方法
EP1705027A1 (en) Recording medium
EP1633571A1 (en) Ink-jet recording medium
JPH11198520A (ja) インクジェット用被記録材および画像形成方法
JPH10278415A (ja) インクジェット記録用シート
JPH0930112A (ja) インクジェット被記録材
JP2003108007A (ja) インクジェット記録用ラベル
JPH11129609A (ja) インクジェット用受像体
JP2005280311A (ja) インクジェット記録媒体及びその記録物
JP3704527B2 (ja) インクジェット記録シート
JPH11180033A (ja) インクジェット用受像体
JP2003205676A (ja) インクジェット記録シート及びその製造方法
JPH1158936A (ja) インクジェット用受像体及びその製造方法
JPH09254531A (ja) インクジェット記録シート
JPH10258481A (ja) 紙加工品
JPH11277882A (ja) バックリット用インクジェット記録シート及びその製造方法
JP2006256020A (ja) インクジェット記録媒体
JPH10287036A (ja) インクジェット記録用シート
JP2001205927A (ja) インクジェット記録シート、その製造方法及び記録物の作成方法
JP2000127609A (ja) インクジェット記録シート及びその記録シートを使った記録物の作成方法
JP3112642B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP2000238417A (ja) 記録シート
JP2000108505A (ja) インクジェット記録シート