JPH11180033A - インクジェット用受像体 - Google Patents

インクジェット用受像体

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Publication number
JPH11180033A
JPH11180033A JP9352809A JP35280997A JPH11180033A JP H11180033 A JPH11180033 A JP H11180033A JP 9352809 A JP9352809 A JP 9352809A JP 35280997 A JP35280997 A JP 35280997A JP H11180033 A JPH11180033 A JP H11180033A
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JP
Japan
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ink
graft copolymer
gelatin
vinylformamide
component
Prior art date
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JP9352809A
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English (en)
Inventor
Katsumitsu Suzaki
活光 須崎
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、インクジェット記録方式を利用した
プリンターやプロッターに使用される受像体に関するも
のであり、特にカラー記録での要望が高い写真の印画紙
調の光沢を有するインクジェット用受像体、OHPシー
トとして使用可能な透明性が高い受像体に関するもので
ある。特には色材に顔料を用いたインクインクジェット
記録方式に対応するものである。 【解決手段】支持体上の少なくとも片面にインク受像層
を設けたインクジェット用受像体において、該インク受
像層が少なくともN−ビニルホルムアミドを構成単位と
して含むグラフト共重合体を含有することを特徴とする
インクジェット用受像体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方式を利用したプリンターやプロッターに使用される
受像体に関するものであり、特にカラー記録での要望が
高い写真の印画紙調の光沢を有するインクジェット用受
像体、OHPシートとして使用可能な透明性が高い受像
体に関するものである。特には色材に顔料を用いたイン
クジェット記録方式に対応するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の受像体
に付着させ、画像・文字等の記録を行うものである。イ
ンクジェットプリンターやインクジェットプロッター
は、高速印字性や低騒音性に優れ、記録パターンの融通
性が大きく、現像−定着が不要等の特長があり、複雑な
画像を正確、かつ迅速に形成することができる点で注目
されている。特にコンピューターにより作製した文字や
各種図形等の画像情報のハードコピー作製装置として、
種々の用途において、近年急速に普及している。又、複
数個のインクノズルを使用することにより、多色記録を
行うことも容易である。多色インクジェット方式によ
り、形成されるカラー画像は、製版方式による多色印刷
やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記
録を得ることが可能であり、更に作製部数が少ない用途
においては、印刷技術や写真技術によるよりも安価で済
むことから広く応用されつつある。
【0003】最近では、銀塩写真の画像に匹敵する高精
細な画像を出力できるインクジェットプリンター等が安
価で市販されている。インクジェット用受像体は、銀塩
写真方式と比べ同品質の画像が得られながら非常に安価
であることから、大面積の画像が必要な電飾看板や商品
見本等で表示画像を頻繁に取り替える利用者にとって経
済的に大きなメリットがある。また、最近一般的になっ
てきたパーソナルコンピューター上で画像を作成し、こ
れをプリントアウトを見ながら配色やレイアウトを訂正
することは従来の銀塩写真方式では、全く無理であった
がインクジェット記録では、このような操作が気軽にで
きるという長所もある。
【0004】特に最近のパーソナル向けインクジェット
プリンターの進歩は目覚ましく、インクジェットプリン
ターの欠点である画像の粒状感や階調性の少なさを解決
するために、濃度の薄いインクを同じ位置へ複数回打ち
込みによる階調性向上の方法や、色材濃度の濃いインク
と薄いインクの併用による粒状感の軽減や階調性の向上
が図られている。
【0005】また、パーソナルコンピューターの出力機
としてのインクジェットプリンターが普及したのに続
き、近年では安価で高性能な画像の入力機が普及し始め
ている。例えば、フラットヘッドスキャナー、フィルム
スキャナー等の各種のスキャナーやデジタルカメラなど
が普及している。特にデジタルカメラは近年、安価で高
性能なものが次々と登場し、爆発的な普及を見せてい
る。これらの入力機の普及に伴い、画像入力(デジタル
カメラ等)-画像処理(パソコン)-画像出力(インクジ
ェットプリンター)が手軽に出来るようになった。
【0006】インクジェットプリンターやプロッターの
利用分野として、また、写真に近い画質が要求される印
刷分野におけるカラー版下の作製や、デザイン部門での
デザインイメージのアウトプット等のフルカラー画像記
録等や、コンピューターで作成した画像情報をインクジ
ェットプリンターにより透明な受像体に記録し、会議の
プレゼンテーション等でOHP(オーバーヘッドプロジ
ェクター)で利用する等がある。
【0007】前記した、インクジェットプリンターやプ
ロッターの利用分野からの要望や、インクジェットプリ
ンターやプロッターの普及に伴い、被記録材に対する要
望が多様化し、例えば、銀塩カラー写真並の高い光沢表
面を有する、優れた外観適性を備えた受像体、OHPシ
ートとして使用可能な透明性の高い受像体などが要望さ
れている。
【0008】また、インクジェットプリンターやプロッ
ターのインクに使用される色材は、染料や顔料などが用
いられている。中でも、大判のカラー出力のできるイン
クジェットプロッターは少量部数の屋外ディスプレイに
用いられ、ポスター等の出力等に使用されるため、色材
としては染料より耐光性の優れる顔料を用いたインクが
用いられる場合が多い。
【0009】インクジェット記録方式で使用される受像
体としては、通常の印刷、或は筆記用上質紙やコーテッ
ド紙を用いることができる様に、装置やインク組成の面
から努力がなされてきた。しかし、高速化・高精細化、
或はフルカラー化等インクジェット記録装置の性能の向
上や用途の拡大に伴い、受像体に対しても、より高度な
特性が要求されるようになった。即ち、当該受像体とし
ては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかで
あること、インクの吸収が速くて、印字ドットが重なっ
た場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしない
こと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きく
なく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと等が要求され
る。特に、カラー記録の場合は、イエロー・マゼンタ・
シアン・ブラックの単色記録だけでなく、これらの色を
重ねる重色記録がなされ、インク付着量が更に多くなる
ために極めて厳しい性能が要求される。
【0010】特に最近普及している顔料を色材に用いた
インクジェット記録方式は色材が受像体の内部まで浸透
することなく、受像体表面近傍に存在するので、印字部
の光沢が大幅に低下する。そのため、色材に染料を用い
たインクジェット記録方式の受像体とは異なった特性が
求められる。
【0011】従来インクジェット用受像体としては、例
えば特開昭55−51583号、同56−157号、同
57−107879号、同57−107880号、同5
9−230787号、同62−160277号、同62
−184879号、同62−183382号、同64−
11877号公報等に見られるシリカ等含珪素顔料を水
系バインダーとともに紙表面に塗工して得られる被記録
材が提案されているが、これらの例で用いられているシ
リカ等の顔料微粒子は吸油量が大きく、これらを使用し
た受像体は一般にインクの吸収容量および吸収速度の点
ではある程度のレベルに達するものであるが、シリカ等
の無機顔料を多量に塗工層中に導入する必要があること
から被記録材自体の表面光沢が低下するという欠点を有
する。光沢性を改善する目的でシリカに替えてコロイダ
ルシリカを使用すると先の特開昭56−157号公報に
記載されているようにインクの吸収性を悪くするため好
ましくない。あるいは、特開平3−215082号、同
4−67986号、同5−32037号公報等に記載さ
れているように微細なアルミナゾルを水溶性バインダー
とともに支持体表面に塗工することで透明性を有する受
像体を形成する方法が記載されているが、塗層中におけ
るアルミナゾル(擬ベーマイト)のバインダーに対する
比率を高めないとインク吸収性が劣る問題があり、こう
した顔料比率の高い塗工層は塗布乾燥の際塗膜のひび割
れが非常に発生しやすく、かつ塗工量も20g/m2
度以上でなければインク吸収容量が充分でないため厚膜
塗布が必要である。さらに塗膜強度が弱いためインクジ
ェット記録した表面が擦られることで容易に画像が剥離
する問題や、印字後にカールが発生しやすいという種々
の問題があることに加え、塗膜の透明性が劣る為、高光
沢表面を有する支持体を用いた場合でさえも、光沢表面
が得られないという欠点を有する。また、光沢表面を備
えたインクジェット用受像体としては、塗層が湿潤状態
にある間にキャスト仕上げして得られるキャスト塗被紙
が特開平6−320857号公報などに記載されている
が、銀塩写真と比較するとその表面光沢は極めて低く、
銀塩写真の質感が得られるものではない。
【0012】一方、透明性および/または光沢性を高め
たインク受像層を形成するためには上記のような種々の
無機顔料は使用しないか使用しても添加量は少量に限ら
れてくることから、インク吸収性は支持体表面に形成さ
れる樹脂層に委ねられることが多い。従来こうした用途
に使用される樹脂の例としては、例えば特開昭57−3
8185号、同62−184879号公報等に記載され
るようなポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢
酸ビニル共重合体、特開昭60−168651号、同6
0−171143号、同61−134290号公報に記
載されるようなポリビニルアルコールを主体とする樹脂
組成物、特開昭60−234879号公報に示されるビ
ニルアルコールとオレフィンまたはスチレンと無水マレ
イン酸との共重合体、特開昭61−74879号公報に
示されるポリエチレンオキサイドとイソシアネートとの
架橋物、特開昭61−181679号公報に示されるカ
ルボキシメチルセルロースとポリエチレンオキサイドと
の混合物、特開昭61−132377号公報に示される
ポリビニルアルコールにメタクリルアミドをグラフト化
したポリマー、特開昭62−220383号公報に示さ
れるカルボキシル基を有するアクリル系ポリマー、特開
平4−214382号公報等に示されるポリビニルアセ
タール系ポリマー、特開平4−282282号、同4−
285650号公報に記載されるような架橋性アクリル
系ポリマー等種々のインク吸収性ポリマーが提案されて
いる。
【0013】また、印字した部分はインク中の水によっ
て表面が侵されるため、たとえ高光沢表面を有する支持
体を用いても、印字した部分の表面光沢が低下するのを
避けることはできなかった。支持体が透明なOHP用途
の場合も同じで、印字部分は表面が侵されて、曇ってし
まい、光透過性が悪化する。
【0014】さらに、特開平1−24784号公報に示
されるポリN−ビニルホルムアミドやその部分加水分解
物からなる皮膜を形成したインクジェット用受像体は、
インク噴出量が多く、印字速度の速い、最近のインクジ
ェットプリンターでは、インク吸収速度、インク吸収容
量が不十分である。また、顔料インクでは全く印字不可
能である。
【0015】特開平8−216502号公報に示される
ようにポリビニルアミン共重合を含有するインクジェッ
ト用受像体はインク定着剤としては有効であるが、それ
自身のインク吸収性は不十分である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】染料インクおよび/ま
たは顔料インクを用いたインクジェット記録方式におい
て、インク吸収性能が優れており、光沢があり、べたつ
きの少ないインクジェット用受像体を提供することであ
る。特には顔料インクを用いたインクジェット記録方式
において、インク吸収性能が優れており、光沢があり、
べたつきの少ない顔料インク用インクジェット用受像体
を提供することである。
【0017】特にカラー記録での要望が高い写真調の光
沢を有するインクジェット用受像体、OHPシートとし
て使用可能な透明性が高い被記録材に適したインクジェ
ット用受像体を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は以下の方
法で解決することができた。すなわち、支持体上の少な
くとも片面にインク受像層を設けたインクジェット用受
像体において、該インク受像層が少なくともN−ビニル
ホルムアミドを構成単位として含むグラフト共重合体を
含有することにより、インク吸収性能が優れており、光
沢があり、べたつきの少ないインクジェット用受像体を
提供することができた。
【0019】本発明において、N−ビニルホルムアミド
は水以外にもアルコール類、酢酸エチル、アセトン、ク
ロロホルム、メチルイソブチルケトン等種々の有機溶媒
に可溶である。また、N−ビニルホルムアミドのホモポ
リマーは水溶性であり、共重合性が高く、アクリル系モ
ノマーをはじめ、他のビニルモノマーとの共重合が可能
である。水溶液中もしくは種々の有機溶媒中にて共重合
させるモノマーを選ぶことにより、水溶性や疎水性の共
重合体を得ることができる。
【0020】ここで、本発明における、共重合体とグラ
フト共重合体の違いについて説明する。共重合体とグラ
フト共重合体の大きな違いはそのポリマー鎖の形態の違
いによる。共重合体は直線鎖状、グラフト共重合体はた
とえるなら木の幹と枝からなる形態をしている。この形
態の違いにより、同じ構成要素でも、種々の特性におい
て大きな違いが生じる。共重合体は基本的には構成要素
が均一的に分散されるので、その構成要素の総和となっ
た特性を示す。反対にグラフトポリマーは各幹、枝成分
毎に各構成要素を機能分離して発現することができる。
例を挙げるなら、高分子界面活性剤などは親水性部分と
疎水性部分を枝や幹成分に割り当てることにより、親水
性部分と疎水性部分の機能が分かれたものとなり、優れ
た界面活性機能を発現するのはよく知られている。反対
に、親水性部分と疎水性部分を持つ通常の共重合体は親
水性と疎水性の平均化された特性しか示さない。
【0021】本発明において、インク受像層が特開平1
−24784号公報に示されるポリN−ビニルホルムア
ミドまたはその部分加水分解物から構成されるインクジ
ェット用受像体は、現在の高性能インクジェットプリン
ターにおいては、インク吸収速度、インク吸収容量等が
不十分である。しかし、少なくともN−ビニルホルムア
ミドを構成単位として含むグラフト共重合体を含有する
インク受像層は、インク速度が速く、インク量の多い高
性能インクジェットプリンターにも十分に対応出来るだ
けのインクジェット用受像体を提供することができる。
【0022】本発明において、N−ビニルホルムアミド
の含有量、グラフト共重合させるモノマーの種類の選択
や含有量によって、親水性から水溶性の具合をコントロ
ールしたグラフト共重合体を得ることができる。よっ
て、色材、水、不揮発性有機溶媒(エチレングリコール
やグリセリン)等を含有するインクを速やかに吸収する
こができる。また、理由はよく分からないがN−ビニル
ホルムアミドを含有することにより、印字部および未印
字部の光沢があり、べたつきの少ないインクジェット用
受像体を得ることができる。
【0023】我々は、さらに鋭意検討した結果、通常イ
ンクジェット記録方式の色材に使われている染料以外に
顔料を使用した顔料インクのインクジェット記録方式に
おいても、該インクジェット用受像体が良い特性を示す
ことが分かった。
【0024】色材に顔料を用いる場合、インク受像層が
インクを吸収するときには、インク受像層内部までは顔
料は浸透せず、表面近傍に顔料が残る。反対に、色材に
インク溶媒可溶の染料を用いた場合、染料はインク溶媒
の吸収、拡散と共に運ばれて、インク受像層内部まで浸
透する。
【0025】顔料インクはインク受像層に着弾した瞬
間、顔料とインク溶媒の分離が起こり、インク溶媒だけ
がインク受像層に吸収されてゆき、顔料はインク受像層
の表層に残り定着すると考えられる。このため、通常の
インクジェット用受像体では印字部に顔料が堆積、定着
するので、いくら未印字が光沢があっても、印字部の光
沢が無くなってしまう。
【0026】本発明において、該インク受像層が少なく
ともN−ビニルホルムアミドを構成単位として含むグラ
フト共重合体を含有することにより、インク受像層表面
でインクを均一に吸収し、かつ顔料も均一に定着するこ
とができていると考えられる。実際、顔料インクでベタ
印字したところは、光学反射濃度を測定すると均一の濃
度分布を示し、光沢があった。また、インク溶媒などは
先に説明した染料インクの場合と、ほとんど同じ成分な
ので、インク吸収性能に優れた、べたつきの少ないイン
ク受像層が得られる。
【0027】即ち、本発明において該インク受像層が、
少なくともN−ビニルホルムアミドを構成単位として含
むグラフト共重合体を含有することにより、顔料インク
を用いたインクジェット記録方式において、インク吸収
性能が優れており、光沢があり、べたつきの少ないイン
クジェット用受像体を得ることができた。
【0028】本発明の該インク受像層に少なくともN−
ビニルホルムアミドを含む成分を枝成分、ゼラチンを幹
成分とするグラフト共重合体を含有させることにより、
インク吸収性能、光沢をさらに向上させることができ
た。
【0029】ゼラチン単体の皮膜はその膨潤性のため、
インク吸収性能に優れており、インクを吸収しても、形
態を保持したまま膨潤するだけで、インク溶媒に侵され
て溶解しないので、印字部に光沢のある皮膜が得られ
る。このゼラチンにN−ビニルホルムアミドをグラフト
化させることにより、さらにインク吸収性能と光沢とべ
たつきが向上した。また、その皮膜は均一な光沢あるも
のを与える。
【0030】また、ゼラチンは種々の官能基を持った、
種々のアミノ酸から構成されるタンパク質である。この
ゼラチン存在下で、N−ビニルホルムアミドを構成単位
として重合することにより、ゼラチンを幹成分、N−ビ
ニルホルムアミドを構成単位として含むポリマーが枝成
分となるグラフト共重合体を得ることができる。このポ
リマーは先のグラフト共重合体の説明の様に、ゼラチン
部分とN−ビニルホルムアミドを構成単位として含む部
分が一つの分子の中で分かれており、機能分離されてい
る。そのため、それぞれの成分の特徴を最大限発揮する
ことができて、インク吸収性能、光沢、べたつきの少な
さがさらに向上したと考えられる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明は支持体上の少なくとも片
面にインク受像層を設けたインクジェット用受像体にお
いて、該インク受像層が少なくともN−ビニルホルムア
ミドを構成単位として含むグラフト共重合体を含有する
ことにより、インク吸収性能、光沢、べたつきなどの課
題を解決したインクジェット用受像体を提供する。
【0032】本発明において、少なくともN−ビニルホ
ルムアミドを構成単位として含むグラフト共重合体の場
合、N−ビニルホルムアミドとグラフト共重合できるモ
ノマーなら、種々のものが使用できる。具体的には以下
のものが挙げられる。アクリルアミド、N−ビニル−2
−ピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,
N−ジエチルアクリルアミド、N−ビニル−N−メチル
アセトアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アク
リロイルモルホリン 、N−2−ヒドロキシエチルメタ
クリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、酢酸
ビニル、アクリル酸、メタクリ酸、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、スチレンスルホン酸ソー
ダなどが挙げられる。中でもアクリルアミド、N−ビニ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、アクリロイルモルホリンはさらに好ましく用いられ
る。
【0033】本発明において、N−ビニルホルムアミド
を構成単位として含むグラフト共重合体としては、N−
ビニルホルムアミド成分が幹成分または枝成分のどちら
を構成してもよいが、N−ビニルホルムアミド成分が枝
成分となるのがより好ましい。
【0034】本発明において、該インク受像層が少なく
ともN−ビニルホルムアミドを構成単位として含むグラ
フト共重合体を得るには種々の方法が考えられる。通
常、グラフト共重合体を得る方法としては、公知の種々
の方法により得ることができる。以下にその方法の幾つ
かを挙げる。連鎖移動法、セリウム塩を開始剤とするグ
ラフト重合法、各種レドックス系開始剤によるグラフト
重合法または官能基を有するポリマーによるグラフト重
合法として、二重結合を持つポリマー(マクロモノマ
ー)やメルカプト基を含有するポリマー、パーエステル
基を含有するポリマー、ジアゾ基を含有するポリマー、
アゾニトリル基を含有するポリマー、ハロゲン基を含有
するポリマーによるグラフト重合法、アニオングラフト
重合法、カチオングラフト重合法等が挙げられる。
【0035】本発明において、少なくともN−ビニルホ
ルムアミドを構成単位として含むグラフト共重合体を得
る好ましい方法としては、官能基を有するポリマーによ
るグラフト重合法であり、前記した二重結合を持つポリ
マー(マクロモノマー)やメルカプト基を含有するポリ
マー、パーエステル基を含有するポリマー、ジアゾ基を
含有するポリマー、アゾニトリル基を含有するポリマ
ー、ハロゲン基を含有するポリマーによるグラフト重合
法、アニオングラフト重合法、カチオングラフト重合法
等が好ましく用いられる。
【0036】本発明において、該グラフト共重合体にお
けるN−ビニルホルムアミドの割合は10〜80重量%
が好ましく、さらに好ましくは20〜60重量%であ
る。インク受像層において、該グラフト共重合が占める
割合は10〜100重量%が好ましい。さらに好ましく
は30〜100重量%である。
【0037】また、本発明に係るN−ビニルホルムアミ
ドを構成単位として含むグラフト共重合体においてN−
ビニルホルムアミドを少し加水分解してビニルアミンの
形にするのも好ましい。ビニルアミンは染料定着性を向
上させたり、皮膜を架橋させる場合の架橋点として使用
できるので、加水分解してビニルアミンの形にする量と
しては、インク受像層全体の0.5〜10重量%が好ま
しく、さらに好ましくは1〜5重量%である。
【0038】本発明において、支持体上の少なくとも片
面にインク受像層を設けたインクジェット用受像体にお
いて、少なくともN−ビニルホルムアミドを含む成分を
枝成分、ゼラチンを幹成分とするグラフト共重合体を含
有することにより、さらにインクジェット適性に優れた
インクジェット用受像体が得ることができた。
【0039】本発明において、少なくともN−ビニルホ
ルムアミドを含む成分を枝成分、ゼラチンを幹成分とす
るグラフト共重合体を得るには種々の方法が考えられ
る。例えば、連鎖移動法、セリウム塩を開始剤とするグ
ラフト重合法、各種レドックス系開始剤によるグラフト
重合法などである。中でも、水または水/アルコール溶
媒中での溶媒や連鎖移動物質によるラジカルの連鎖移動
による方法が好ましい。更には、種々のラジカル開始剤
による連鎖移動法が最も簡便で好ましい。このようなゼ
ラチンへのグラフト化は以前からさまざまに研究がなさ
れており、例として参考文献European Polymer Journa
l,21(2),195-199(1985)、Journal ofApplied Poly
mer Science,55,1291-1299(1995)などが挙げられる。
ゼラチンがグラフト化される理由はゼラチンの組成が1
8種類の種々のアミノ酸から構成され、その分子中にア
ミノ基、グアニジノ基、カルボキシル基、フェノール性
OH、−SH基等、種々の活性な官能基が多数存在して
いるため、開始剤による連鎖移動以外にもゼラチンによ
る連鎖移動が起こりグラフト化されると考えられる。
【0040】本発明において、少なくともN−ビニルホ
ルムアミドを含む成分を枝成分、ゼラチンを幹成分とす
るグラフト共重合体と共重合させるモノマーとしては、
水溶性モノマーであることが好ましい。
【0041】本発明において、少なくともN−ビニルホ
ルムアミドを含む成分を枝成分、ゼラチンを幹成分とす
るグラフト共重合体に於いて、ゼラチンの幹成分はグラ
フト共重合体全体の20〜50重量%が好ましい。ま
た、N−ビニルホルムアミドのグラフト共重合体全体に
対する含有量としては10〜70重量%が好ましく、さ
らに好ましくは20〜50重量%である。また、インク
受像層において、該グラフト共重合が占める割合は10
〜100重量%が好ましい。さらに好ましくは30〜1
00重量%である。
【0042】本発明において、好ましく用いられるゼラ
チンは動物の不溶性コラーゲンを原料としたゼラチンで
あれば何れでも使用できるが、豚皮、牛皮、牛骨あるい
は腱から得られるコラーゲンを原料としたゼラチンが好
ましい。更にゼラチンの種類としては、特に制限はない
が、アルカリ法(石灰処理)ゼラチン、酸性法ゼラチ
ン、またそれらをイオン交換にて脱塩したもの、フタル
化されたゼラチンなどが使用できる。
【0043】中でも、牛骨あるは腱から得られるアルカ
リ法ゼラチンはインク吸収性が優れている。その中で
も、ゼラチン製造の際に低温で1番初めに抽出される不
純物の少ないゼラチンが好ましい。前記のゼラチンから
さらに高分子量の不純物を除いた清澄化ゼラチンがさら
に好ましい。
【0044】本発明において、該インク受像層に少なく
ともN−ビニルホルムアミドを含む成分を枝成分、ゼラ
チンを幹成分とするグラフト共重合体を含有する場合、
ゼラチン成分を硬膜させることにより、該インク受像層
の耐水性を高めることができる。この、硬膜に使用する
硬膜剤としては銀塩写真のゼラチンの硬膜に用いられる
種々の硬膜剤を用いることができる。ゼラチンを硬膜さ
せる有機系硬膜剤とては以下のものが挙げられる。アル
デヒド型硬膜剤、具体的にはホルムアルデヒド、グリオ
キザール、サクシンアルデヒド、グルタルデヒド、ジア
ルデヒドスターチ、ポリアクロレイン、N−メチロール
及びアセタール系硬膜剤としてはエチレングリコールと
グリオキザールの縮合物、サクシンアルデヒドとエタノ
ールとの縮合物、エポキシ系硬膜剤、アジリジン系硬膜
剤、ジクロロ−S−トリアジン系硬膜剤、ムコハロゲン
酸系硬膜剤のムコクロリックアシッド、活性ハロゲン系
硬膜剤の酸ハライド型、ベンジルハライド型、α位の炭
素にハロゲンを有するアシル化合物、活性オレフィン系
硬膜剤のビニルスルホン型、アクリロイル型、ビスマレ
イミド型、カルボジイミド系硬膜剤、イソオキサゾリュ
ーム系硬膜剤、メタスルホン酸エステル系硬膜剤、活性
エステル系硬膜剤、ブロック化多官能イソシアネート等
を使うことができる。
【0045】中でもエポキシ系硬膜剤等は硬膜性やポッ
トライフ等の性能面、その他に安価で、一般的に入手し
易くポピュラーな硬膜剤として好ましく、以下に挙げる
化合物が好ましく使用できる。ソルビトールポリグリシ
ジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポ
リグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロー
ルポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジ
ルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエ
チル)イソシアネート、トリメチロールプロパンポリグ
リシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6
−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエーテル、オルト
−フタル酸ジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグ
リシジルエーテル、ビスフェノール S ジグリシジルエ
ーテル、テレフタル酸ジグリシジルエーテル、ジブロモ
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等であ
る。このエポキシ系硬膜剤の添加量は、ゼラチン皮膜の
インク吸収性と耐水性を考慮して、ゼラチンに対して
0.2〜5重量%が好ましい。更に好ましくは、0.5
〜3重量%がよい。
【0046】また、アジリジン系硬膜剤もpH依存性が
少なく、好ましく使用できる。以下に化合物を挙げる。
トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロ
ピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジ
リジニルプロピオネート、N,N´−ジフェニルメタン
−4,4´−ビス(1−アジリジンカルボクサミド)、
N,N´−ヘキサメチレン−1,6´−ビス(1−アジ
リジンカルボクサミド)、N,N´−トルエン−2,4
´−ビス(1−アジリジンカルボクサミド)、トリエチ
レンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メチル
アジリジン)等が好ましく用いられる。このアジリジン
系硬膜剤もエポキシ系硬膜剤と同様にゼラチン皮膜のイ
ンク吸収性と耐水性を考慮して、ゼラチンに対して0.
2〜8重量%が好ましい。更に好ましくは、0.5〜5
重量%がよい。
【0047】また、無機系の硬膜剤としては多数ある
が、一般的にミョウバンやクロムミョウバン等の多価の
金属塩類はよくゼラチンを硬化させる。また、重クロム
酸塩を含んだゼラチンが光により硬化することは古くか
ら知られており、この方法も用いることができる。
【0048】本発明において、少なくともN−ビニルホ
ルムアミドを含む成分を枝成分、ゼラチンを幹成分とす
るグラフト共重合体を、含有する塗液を支持体上に塗布
してインクジェット用受像体を製造する場合、ゼラチン
成分を含有する塗液を支持体上で一旦ゲル化させた後、
乾燥することが好ましい。この製造方法により製造する
にはゼラチン成分をゲル化していない塗液状態から、塗
布後にゲル化させる工程が必要となる。塗液はゼラチン
成分がゲル化しないように、塗液温度を30℃以上に常
に保っておくのが好ましい。次に、塗液を支持体上に塗
布した後、ゼラチンをゲル化させるには、0〜20℃の
冷風を当てることにより、ゲル化させることができる。
冷風の温度、湿度、風量、工程の長さなどは、それぞれ
の強さや長さ、あるいは塗布の速度により種々異なる。
【0049】ゲル化させる工程の次の乾燥工程では高温
で急激に乾燥するのは好ましくない。好ましくはゲル化
工程から徐々に温度を上げながら乾燥させるのが好まし
い。高温で急激に乾燥させると、ゲル化した水分含有ゼ
ラチンが、水分が蒸発する前に、ゲル化温度以上にな
り、ゾル化してしまうからである。
【0050】本発明において、ゼラチン成分をゲル化さ
せて得られるインク受像層は、さらにインク速乾性が良
くなり、印字部のべたつきがさらに少なくなる。また、
ゲル化させる温度は低い方が好ましい。ゼラチンのゲル
化のために当てる冷風は15℃以下が好ましく、さらに
は10℃以下が好ましい。
【0051】本発明において、少なくともN−ビニルホ
ルムアミドを構成単位として含むグラフト共重合体にお
いて、N−ビニルホルムアミド以外に種々のモノマー成
分を導入してもよい。種々のモノマー成分として、染料
定着用の3級アミン化合物モノマー、4級アンモニウム
塩化合物モノマーなどが好ましく用いられる。更に、架
橋点としてカルボン酸含有化合物モノマー、酸無水物含
有化合物モノマー、水酸基含有化合物モノマー等も好ま
しく用いられる。
【0052】本発明において、少なくともN−ビニルホ
ルムアミドを構成単位として含むグラフト共重合体を含
有するインク受像層は、該グラフト共重合体以外に種々
のものが含まれていてもよい。具体的にはインク吸収性
を更に向上させたり、べたつきをさらに軽減させるため
の水溶性高分子や、皮膜の耐水性を向上させたり、ブロ
ッキング防止のために用いられるラテックス粒子やシリ
カ、アルミナ、スチレン樹脂などの無機あるいは有機の
顔料や、微粒子などがある。さらには、インク中の染料
定着用の4級アンモニウム塩含有化合物やアミン含有化
合物などがある。また、製造時の塗布性などをよくする
ために種々の界面活性剤の添加も好ましい。
【0053】本発明において、該インク受像層に含有さ
せることができる水溶性高分子としては以下のものが挙
げられるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリ
アクリル酸、ポリビニルエーテル、ポリマレイン酸共重
合体、ポリエチレンイミン、水溶性アルキッド、カゼイ
ン、にかわ、アルギン酸ソーダ、アラビアゴム、トラガ
ントゴム、デキストラン、プルラン、可溶性デンプン、
カルボキシルデンプン、デキストリン、ブリテッシュゴ
ムなどが挙げられる。また、インクジェットプリンター
ヘッドの目詰まり防止のためにインク中に含まれるトリ
エチレングリコールやジエチレングリコールなどべたつ
きの原因となる不揮発性成分を吸収保持する成分とし
て、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース
等も好ましく用いられる。さらには、インク吸収性を更
に向上させる成分として構成単位がN−ビニル−2−ピ
ロリドン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ビニル
−N−メチルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、
N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホ
リンの群から選ばれる少なくとも1種を含む高分子も好
ましく用いられる。
【0054】本発明において、該インク受像層に含有さ
せることができる水分散のラテックスとしては該グラフ
ト共重合体と混合できるものなら種々のものが使用で
き、以下のものが挙げられる。スチレン−ブタジエンラ
テックス、アクリレート系ラテックス、酢酸ビニル系ラ
テックス、架橋して不溶化したラテックス、ソープフリ
ー重合による各種ラテックスなどが好ましく用いられ
る。これら、ラテックスのうちガラス転移温度が低いも
のは、塗布乾燥時に水不溶の皮膜を形成し、該グラフト
共重合体を含有する層の耐水化に寄与する。この添加量
としては該グラフト共重合体を含有する層全体に対して
3〜30重量%添加することが好ましい。更には5〜2
0重量%が好ましい。
【0055】また、ガラス転移温度の高いラテックスや
架橋されたラテックスは溶融して皮膜を形成することは
ないので、主にブロッキング防止剤として用いられる。
このラテックスの好ましい粒子径としては、インク受像
層全体の光沢度や光透過度が低下しない程度の粒子径お
よび量を導入することができる。よって、好ましいラテ
ックスの粒子径としては0.1〜数十μmである。更に
は1〜10μmの間がさらに好ましい。塗布量としては
10〜500mg/m2の間が好ましい。更には、30
〜150mg/m2が好ましい。
【0056】本発明に用いられるブロッキング防止用の
無機あるいは有機の顔料、微粒子などは、種々のものが
使用できる。大粒径コロイダルシリカ、シリカ微粒子、
酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、シリコーン微
粒子、ポリスチレン微粒子、ポリメタクリレート系微粒
子などが挙げられる。これら、ブロッキング防止剤は受
像体の光沢や透過性が低下しない程度添加するのが好ま
しい。その粒子径としては0.1〜20μmが好まし
く。更には0.1〜10μmの間がさらに好ましい。塗
布量としては10〜300mg/m2の間が好ましい。
更には、30〜150mg/m2が好ましい。
【0057】本発明において、少なくともN−ビニルホ
ルムアミドを構成単位として含むグラフト共重合体を含
有するインク受像層に、混合して用いられる染料定着剤
の4級アンモニウム塩含有化合物やアミン含有化合物な
どのカチオン性化合物としては市販されている種々のも
のが使用できる。特に4級アンモニウム塩含有化合物や
アミン含有化合物を含有したオリゴマーやポリマーなど
が好ましく用いられる。具体的な市販例としては以下の
ものが挙げられる。ニッカダイン400(日華化学
(株)製)、ポリフックス3000(昭和高分子(株)
製)、ポリフックスP601(昭和高分子(株)製)、
コーフロックK−300(昭和高分子(株)製)、スミ
レーズレジン636(住友化学(株)製)、スミレーズ
レジン639(住友化学(株)製)、スミレーズレジン
1001(住友化学(株)製)、アキュラック135
(三井サイテック(株)製)、アキュラック202(三
井サイテック(株)製)、アキュラック202A(三井
サイテック(株)製)、アキュラック205(三井サイ
テック(株)製)などが好ましく用いられる。
【0058】本発明に使用する界面活性剤としては、ア
ニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン
系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤などが好ましく用
いられる。なかでも、疎水性基にフッ素化合物を導入し
たフッ素系界面活性剤がさらに好ましく用いられる。添
加量としてはインク受像層の固形分全体に対して0.0
01〜3重量%が好ましい。さらに好ましくは、0.0
01〜1重量%が好ましい。
【0059】本発明において、該インク受像層は少なく
ともN−ビニルホルムアミドを構成単位として含むグラ
フト共重合体を含有する層があれば、他にインク受像層
構成層と積層化されてもよい。
【0060】本発明において用いられる支持体として
は、市販のインクジェットプリンターに通紙できる柔軟
性を持つ支持体なら、種々のものが使用できる。例えば
サイズ度を調整した非塗工紙や塗工紙、パルプ、合成樹
脂素材から作られたものの内、外観が紙に似ている合成
紙、ガラス繊維やセラミック繊維から成る無機繊維紙、
不織布や透明あるいは着色された樹脂シート等が挙げら
れる。
【0061】しかし、本発明において好ましく用いられ
る支持体のうちインクジェット用受像体として反射光で
画像を観察するために用いる場合は、白色の不透明支持
体が好ましく、写真用印画紙のようにカラー写真の質感
を出すためには、樹脂被覆紙あるいは白色のプラスチッ
クフィルムが好ましく用いられる。インクジェット用受
像体は表面に高い平滑性が求められるため、支持体も平
滑性の高いものがより好適である。
【0062】本発明において反射光で画像を観察する場
合に好適に使用される支持体は、前記した白色のポリエ
ステルフィルムまたは樹脂被覆紙であるが、カラー印画
紙と同等の質感(手触り感覚)に適しているのは、印画
紙と同じ支持体である樹脂被覆紙である。この樹脂被覆
紙の坪量は30〜250g/m2が好ましい。更に好ま
しくは100〜250g/m2である。
【0063】本発明における樹脂被覆紙の被覆樹脂層の
厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの
厚みに、表面のみまたは表裏両面にコーティングされ
る。
【0064】本発明における樹脂被覆紙の樹脂中には、
酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム等の白
色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミド等の
脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネ
シウム等の脂肪酸金属塩、酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルー等
のブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファス
トバイオレット、マンガン紫等のマゼンタの顔料や染
料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を適宜
組み合わせて加えることができる。
【0065】本発明における樹脂被覆紙支持体には、帯
電防止剤、搬送性、カール防止剤等のために、各種のバ
ックコート層を塗設することができる。バックコート層
には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダ
ー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組
み合わせて添加せしめることができる。
【0066】次に、もう一つの好適な不透明支持体であ
る白色のプラスチックシートとしては、以下の素材から
成るものが使用できる。例えばポリエステル、ポリオレ
フィン、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテ
ル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、ポリ−パラ−フェニレンスルフィド、
ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)
アクリル酸エステル等から成るフィルムが好ましく、こ
れらの共重合体やブレンド、更には架橋したものを用い
ることができる。更に好ましくは、ポリエステルが良
く、その中でもポリエチレンテレフタレート(以下PE
Tと呼ぶ)は平滑性、寸法安定性、耐熱性、強度、高剛
性、耐薬品性、耐湿耐水性等の点から優れており、非常
に好ましい。
【0067】不透明支持体としては、上記のPETフィ
ルムに白色顔料、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、タル
ク、炭酸カルシウム等を練り込んだ白色PETフィルム
を支持体として用いることができる。また、PETフィ
ルムを発泡し、白化させた発泡PETフィルムを支持体
として用いることもできる。
【0068】本発明は、OHPシートとして使用可能
な、透明性の高いインクジェット用受像体にも関するも
のでもあるが、OHPシート等の透光性を要求される受
像体においても、インク受像層の組成だけでなく、支持
体の特性も重要である。OHPシートとして使用する際
の光透過性は、全光線透過率よりも、ヘーズ(曇価)の
方が、人の感覚に近く、本発明のインク受像層を、JI
S−K−7105によるヘーズ(曇価)が3.0%以下
の透明支持体の少なくとも片面に設けることにより、透
明性の高いインクジェット用受像体を提供することがで
きる。
【0069】また、OHPシートとして使用する際のイ
ンクジェット用受像体のヘーズは、支持体上にインク受
像層を設けたインクジェット用受像体において、該イン
クジェット用受像体のJIS−K−7105によるヘー
ズ(曇価)が5.0%以下であることが好ましい。
【0070】なお、ヘーズ(曇価)は、積分球式光線透
過率測定装置を用いて、拡散透過率及び全光線透過率を
測定し、その比によって表すことが、JIS−K−71
05に定められている。
【0071】本発明に使用される、OHP用の好適な透
明支持体であるプラスチックシートとしては、不透明支
持体の白色のプラスチックシートと同様の素材からな
る、種々の透明シートが使用できる。また、白色のプラ
スチックシート同様、ポリエチレンテレフタレートは前
記のヘーズ(曇価)の点から非常に好適であり、平滑
性、寸法安定性、耐熱性、強度、高剛性、耐薬品性、耐
湿耐水性等の点も優れており、非常に好ましい。OHP
シート等の透光性を要求される受像体において、用いる
支持体の厚さは特に制限されないが、ハンドリング性と
プリンターの通紙適性から50〜200μm程度のもの
が好ましい。
【0072】本発明における透明支持体には、インク受
像層と支持体との接着性向上等の目的でアンカー層を設
けてもよい。アンカー層には親水性バインダー、ブチラ
ール等の溶剤可溶性バインダー、ラテックス、硬化剤、
顔料、界面活性剤等を適宜組み合わせて添加せしめるこ
とができる。
【0073】透明支持体には、帯電防止性、搬送性、カ
ール防止性、筆記性、糊付け性等のために、ヘーズ(曇
価)を上昇させない範囲で各種のバックコート層を塗設
することができる。バックコート層には、無機帯電防止
剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、
硬化剤、顔料、滑剤、界面活性剤等を適宜組み合わせて
添加せしめることができる。
【0074】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これに限定されるものではない。また%等は重量
%のことを示す。
【0075】グラフト共重合体及び共重合体の合成 〈グラフト共重合体A〉1Lの四つ口フラスコにイオン
交換水800gを仕込んだ。次に、イオン交換水を撹拌
しながらアルカリ法ゼラチン(JIS法による粘度35
cp、ゼリー強度275bloom、pH6.01)6
0gを仕込んだ。投入後約30分ゼラチンを膨潤させ
た。その後、N−ビニルホルムアミド60g、N−ビニ
ル−2−ピロリドン80gを仕込んだ。混合溶液を、窒
素置換しながら加温、撹拌した。窒素置換を30分以上
行った後、混合溶液の温度が60℃になったら、2,2
´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸
塩2g投入して重合を開始させた。その後、70℃で5
時間重合して、ゼラチンが幹成分、N−ビニルホルムア
ミドとN−ビニル−2−ピロリドンの共重合体が枝成分
である、グラフト共重合体を得て、グラフト共重合体A
とした。
【0076】〈グラフト共重合体B〉1Lの四つ口フラ
スコにイオン交換水800gを仕込んだ。次に、イオン
交換水を撹拌しながらアルカリ法ゼラチン(JIS法に
よる粘度35cp、ゼリー強度275bloom、pH
6.01)60gを仕込んだ。投入後約30分ゼラチン
を膨潤させた。その後、N−ビニルホルムアミド60
g、N,N−ジメチルアクリルアミド80gを仕込ん
だ。混合溶液を、窒素置換しながら加温、撹拌した。窒
素置換を30分以上行った後、混合溶液の温度が60℃
になったら、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオ
ンアミジン)二塩酸塩2g投入して重合を開始させた。
その後、70℃で5時間重合して、ゼラチンが幹成分、
N−ビニルホルムアミドとN,N−ジメチルアクリルア
ミドの共重合体が枝成分である、グラフト共重合体を得
て、グラフト共重合体Bとした。
【0077】〈グラフト共重合体C〉1Lの四つ口フラ
スコにイオン交換水800gを仕込んだ。次に、イオン
交換水を撹拌しながらアルカリ法ゼラチン(JIS法に
よる粘度35cp、ゼリー強度275bloom、pH
6.01)60gを仕込んだ。投入後約30分ゼラチン
を膨潤させた。その後、N−ビニルホルムアミド60
g、N−ビニル−2−ピロリドン60g、アクリルアミ
ド20gを仕込んだ。混合溶液を、窒素置換しながら加
温、撹拌した。窒素置換を30分以上行った後、混合溶
液の温度が60℃になったら、2,2´−アゾビス(2
−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩2g投入して重
合を開始させた。その後、70℃で5時間重合して、ゼ
ラチンが幹成分、N−ビニルホルムアミドとN−ビニル
−2−ピロリドンとアクリルアミドの共重合体が枝成分
である、グラフト共重合体を得て、グラフト共重合体C
とした。
【0078】〈グラフト共重合体D〉1Lの四つ口フラ
スコにN,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム
三水和物250g、メタノールを400gを仕込んだ。
四つ口フラスコの内容物を撹拌しながら、そこへパラ−
クロロメチルスチレン150gを滴下ロートでゆっくり
と滴下する。滴下終了後、1時間ほど撹拌、反応させ
る。反応溶液をゆっくりと冷却して、生成物を結晶化さ
せて取り出し、ビニル基と連鎖移動基のついたモノマー
Iを得た。次に、1Lの四つ口フラスコにN−ビニル−
2−ピロリドン194g、先に合成したモノマーI6
g、エタノール800g仕込んだ。混合溶液を、窒素置
換しながら加温、撹拌した。窒素置換を30分以上行っ
たのち、混合溶液の温度が60℃になったら、2,2´
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2gを
投入して重合を開始させた。その後、70℃で5時間重
合して、ポリN−ビニル−2−ピロリドンに連鎖移動基
がついた共重合体を得て、プレポリマーとした。次に、
1Lの四つ口フラスコにN−ビニルホルムアミド100
g、先のプレポリマー溶液500g、イオン交換水20
0gを仕込んだ。混合溶液を、窒素置換しながら加温、
撹拌した。窒素置換を30分以上行ったのち、混合溶液
の温度が60℃になったら、2,2´−アゾビス(2−
メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩2g投入して重合
を開始させた。その後、70℃で5時間重合して、幹成
分にポリN−ビニル−2−ピロリドン、枝成分にポリN
−ビニルホルムアミドが導入されたグラフト共重合体を
得て、グラフト共重合体Dとした。
【0079】〈グラフト共重合体E〉1Lの四つ口フラ
スコにN−ビニルホルムアミド60g、アクリルアミド
40g、グラフト共重合体Dで使用したプレポリマー溶
液500g、イオン交換水200gを仕込んだ。混合溶
液を、窒素置換しながら加温、撹拌した。窒素置換を3
0分以上行ったのち、混合溶液の温度が60℃になった
ら2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジ
ン)二塩酸塩2g投入して重合を開始させた。その後、
70℃で5時間重合して、幹成分にポリN−ビニル−2
−ピロリドン、枝成分にポリN−ビニルホルムアミドと
アクリルアミドが導入されたグラフト共重合体を得て、
グラフト共重合体Eとした。
【0080】〈共重合体F〉1Lの四つ口フラスコにN
−ビニルホルムアミド200g、イオン交換水800g
仕込んだ。次に、混合溶液を、窒素置換しながら加温、
撹拌した。窒素置換を30分以上行ったのち、混合溶液
の温度が70℃になったら、2,2´−アゾビス(2−
メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩2g投入して重合
を開始させた。その後、80℃で3時間重合して、ポリ
N−ビニルホルムアミドを得て、重合体Fとした。
【0081】〈共重合体G〉1Lの四つ口フラスコにN
−ビニルホルムアミド200g、イオン交換水800g
仕込んだ。次に、混合溶液を、窒素置換しながら加温、
撹拌した。窒素置換を30分以上行ったのち、混合溶液
の温度が70℃になったら、2,2´−アゾビス(2−
メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩2g投入して重合
を開始させた。その後、80℃で3時間重合して、ポリ
N−ビニルホルムアミドを得た。次に35%の塩酸水溶
液190.8g(塩酸;対N−ビニルホルムアミド換算
0.65等量)を加えた後、撹拌しながら75℃で9時
間保持して、重合物を加水分解した。反応液を大量のメ
タノール中に注ぎ、重合物を再沈殿して、加水分解率6
0%のN−ビニルホルムアミド−ビニルアミン共重合体
を得て、共重合体Gとした。
【0082】〈共重合体H〉1Lの四つ口フラスコにN
−ビニルホルムアミド50g、アクリロニトリル50
g、イオン交換水900g仕込んだ。次に、混合溶液
を、窒素置換しながら加温、撹拌した。窒素置換を30
分以上行ったのち、混合溶液の温度が70℃になった
ら、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジ
ン)二塩酸塩1g投入して重合を開始させた。その後、
80℃で3時間重合して、N−ビニルホルムアミド−ア
クリロニトリル共重合体を得て、共重合体Hとした。
【0083】〈共重合体I〉1Lの四つ口フラスコにN
−ビニルホルムアミド50g、アクリロニトリル50
g、イオン交換水900g仕込んだ。次に、混合溶液
を、窒素置換しながら加温、撹拌した。窒素置換を30
分以上行ったのち、混合溶液の温度が70℃になった
ら、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジ
ン)二塩酸塩1g投入して重合を開始させた。その後、
80℃で3時間重合して、ポリN−ビニルホルムアミド
−アクリロニトリルを得た。次に35%の塩酸水溶液1
47.7g(塩酸;対N−ビニルホルムアミド換算0.
65等量)を加えた後、撹拌しながら75℃で9時間保
持して、重合物を加水分解した。反応液を大量のアセト
ン中に注ぎ、重合物を再沈殿して、加水分解率60%の
N−ビニルホルムアミド−アクリロニトリル−ビニルア
ミン共重合体を得て、共重合体Iとした。
【0084】次に、上記記載の合成したグラフト共重合
体或いは共重合体を用いて支持体上にインク受像層を形
成させインクジェット用受像体として、以下に実施例お
よび比較例を示した。
【0085】実施例1 グラフト共重合体Aを40℃に加温して、イオン交換水
にて固形分濃度10%に希釈した。フッ素系界面活性剤
(旭硝子(株)社製サーフロン113)を固形分に対し
て0.01%になるように添加して、塗液とした。この
塗液を40℃に加温しながら、厚さ200μmの樹脂被
覆紙上に塗布した後、0〜10℃の冷風を約1分間当て
て、ゼラチン成分をゲル化させた。その後20℃、30
℃、40℃、50℃とゼラチン成分のゾル化が生じない
ように、ゆっくりと乾燥させて、塗布量10g/m2
インクジェット用受像体を得た。
【0086】実施例2 実施例1におけるグラフト共重合体Aの代わりにグラフ
ト共重合体Bを用いた以外は、実施例1と全く同様の方
法で塗布量10g/m2のインクジェット用受像体を得
た。
【0087】実施例3 実施例1におけるグラフト共重合体Aの代わりにグラフ
ト共重合体Cを用いた以外は、実施例1と全く同様の方
法で塗布量10g/m2のインクジェット用受像体を得
た。
【0088】実施例4 グラフト共重合体Dをイオン交換水にて固形分濃度10
%に希釈した。フッ素系界面活性剤(旭硝子(株)社製
サーフロン113)を固形分に対して0.01%になる
ように添加して、塗液とした。この塗液を厚さ200μ
mの樹脂被覆紙上に塗布した後、70℃の熱風乾燥機に
て、乾燥して塗布量10g/m2のインクジェット用受
像体を得た。
【0089】実施例5 実施例4におけるグラフト共重合体Dの代わりにグラフ
ト共重合体Eを用いた以外は、実施例4と全く同様の方
法で塗布量10g/m2のインクジェット用受像体を得
た。
【0090】実施例6 グラフト共重合体Aを40℃に加温して、イオン交換水
にて固形分濃度10%に希釈した。次に、カルボキシメ
チルセルロース(第一工業製薬(株)社製セロゲン6
A)50gをイオン交換水450gに撹拌溶解させて、
固形分濃度10%の水溶液を得た。固形分濃度10%の
グラフト共重合体A80gと先のカルボキシメチルセル
ロース水溶液20gを混合し、フッ素系界面活性剤(旭
硝子(株)社製サーフロン113)を固形分に対して
0.01%になるように添加して、塗液とした。この塗
液を40℃に加温しながら、厚さ200μmの樹脂被覆
紙上に塗布した後、0〜10℃の冷風を約1分間当て
て、ゼラチン成分をゲル化させた。その後20℃、30
℃、40℃、50℃とゼラチン成分のゾル化が生じない
ように、ゆっくりと乾燥させて、塗布量10g/m2
インクジェット用受像体を得た。
【0091】実施例7 グラフト共重合体Aを40℃に加温して、イオン交換水
にて固形分濃度10%に希釈した。次に、ポリビニルア
ルコール(クラレ(株)社製、PVA117)50gを
イオン交換水450gに撹拌溶解させて、固形分濃度1
0%の水溶液を得た。固形分濃度10%のグラフト共重
合体A80gと先のポリビニルアルコール水溶液20g
を混合し、フッ素系界面活性剤(旭硝子(株)社製サー
フロン113)を固形分に対して100ppmになるよ
うに添加して、塗液とした。この塗液を40℃に加温し
ながら、厚さ200μmの樹脂被覆紙上に塗布した後、
0〜10℃の冷風を約1分間当てて、ゼラチン成分をゲ
ル化させた。その後20℃、30℃、40℃、50℃と
ゼラチン成分のゾル化が生じないように、ゆっくりと乾
燥させて、塗布量10g/m2のインクジェット用受像
体を得た。
【0092】実施例8 グラフト共重合体Dをイオン交換水にて固形分濃度10
%に希釈した。次に、アルカリ法ゼラチン(JIS法に
よる粘度35cp、ゼリー強度275bloom、pH
6.01)50gをイオン交換水450gに分散して約
30分ゼラチンを膨潤させた。その後、分散液を45℃
以上に加温してゼラチンを溶解して、均一な固形分濃度
10%のゼラチン溶液を得た。固形分濃度10%のグラ
フト共重合体D70gと先のゼラチン溶液30gを混合
し、フッ素系界面活性剤(旭硝子(株)社製サーフロン
113)を固形分に対して0.01%になるように添加
して、塗液とした。この塗液を40℃に加温しながら、
厚さ200μmの樹脂被覆紙上に塗布した後、0〜10
℃の冷風を約1分間当てて、ゼラチン成分をゲル化させ
た。その後20℃、30℃、40℃、50℃とゼラチン
成分のゾル化が生じないように、ゆっくりと乾燥させ
て、塗布量10g/m2のインクジェット用受像体を得
た。
【0093】実施例9 グラフト共重合体Eをイオン交換水にて固形分濃度10
%に希釈した。次に、アルカリ法ゼラチン(JIS法に
よる粘度35cp、ゼリー強度275bloom、pH
6.01)50gをイオン交換水450gに分散して約
30分ゼラチンを膨潤させた。その後、分散液を45℃
以上に加温してゼラチンを溶解して、均一な固形分濃度
10%のゼラチン溶液を得た。固形分濃度10%のグラ
フト共重合体E70gと先のゼラチン溶液30gを混合
し、フッ素系界面活性剤(旭硝子(株)社製サーフロン
113)を固形分に対して0.01になるように添加し
て、塗液とした。この塗液を40℃に加温しながら、厚
さ200μmの樹脂被覆紙上に塗布した後、0〜10℃
の冷風を約1分間当てて、ゼラチン成分をゲル化させ
た。その後20℃、30℃、40℃、50℃とゼラチン
成分のゾル化が生じないように、ゆっくりと乾燥させ
て、塗布量10g/m2のインクジェット用受像体を得
た。
【0094】実施例10 支持体を100μmの透明PETに変更した以外は、実
施例1と全く同様の方法で塗布量10g/m2のOHP
シート用のインクジェット用受像体を得た。
【0095】比較例1 重合体Fをイオン交換水にて固形分濃度10%に希釈
し、この塗液を厚さ200μmの樹脂被覆紙上に塗布し
た後、70℃の熱風乾燥機にて、乾燥して塗布量10g
/m2のインクジェット用受像体を得た。
【0096】比較例2 比較例1における重合体Fの代わりに共重合体Gを用い
た以外は、比較例1と全く同様の方法で塗布量10g/
2のインクジェット用受像体を得た。
【0097】比較例3 比較例1における重合体Fの代わりに共重合体Hを用い
た以外は、比較例1と全く同様の方法で塗布量10g/
2のインクジェット用受像体を得た。
【0098】比較例4 比較例1における重合体Fの代わりに共重合体Iを用い
た以外は、比較例1と全く同様の方法で塗布量10g/
2のインクジェット用受像体を得た。
【0099】比較例5 重合体Fをイオン交換水にて固形分濃度10%に希釈し
た。ポリビニルアルコール(クラレ(株)社製、PVA
117)をイオン交換水に溶解して、10%水溶液を作
製した。次に、10%の重合体F水溶液と10%のポリ
ビニルアルコール水溶液を5:5の重量比で混合して、
塗液とした。この塗液を厚さ200μmの樹脂被覆紙上
に塗布した後、70℃の熱風乾燥機にて、乾燥して塗布
量10g/m2のインクジェット用受像体を得た。
【0100】比較例6 比較例5における重合体Fの代わりに共重合体Gを用い
た以外は、比較例5と全く同様の方法で塗布量10g/
2のインクジェット用受像体を得た。
【0101】比較例7 比較例5における重合体Fの代わりに共重合体Iを用い
た以外は、比較例5と全く同様の方法で塗布量10g/
2のインクジェット用受像体を得た。
【0102】比較例8 ポリビニルアルコール(クラレ(株)社製、PVA11
7)をイオン交換水に溶解して、10%水溶液を作製し
た。これを、厚さ200μmの樹脂被覆紙に塗布して、
塗布量10g/m2のインクジェット用受像体を得た。
【0103】比較例9 ポリビニルピロリドン(GAF社製K−90)をイオン
交換水に溶解して、10%水溶液を作製した。これを、
厚さ200μmの樹脂被覆紙に塗布して、塗布量10g
/m2のインクジェット用受像体を得た。
【0104】比較例10 支持体を100μmの透明PETに変更した以外は、比
較例6と全く同様の方法で塗布量10g/m2のOHP
シート用のインクジェット用受像体を得た。
【0105】評価 次に得られたインクジェット用受像体を印字評価、及び
その他の評価を行った。色材が染料の場合の印字評価
は、6色インクを用いたインクジェットプリンター、セ
イコーエプソン(株)製PM−700Cを用いて行っ
た。色材に顔料を用いた顔料インクの印字評価はインク
ジェットプロッターGRAPHTEC(株)製Mast
erJet JC2008−50にて、GOインク(顔
料インク)を用いて行った。どちらの機種とも種々のパ
ターン(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各
色、及びブルー、グリーン、レッドの各混色のベタ等)
を印字記録を行った。
【0106】評価項目の評価方法及び評価結果の定義は
以下の通りである。
【0107】・画質(インク吸収性) イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブ
ラック(BK)の各インクの単色及びそれらの混色R
(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)についての
ベタ部の目視判断。 ◎:3K(300%、Y、M、Cの混色)のベタにイン
クの寄れ(インクの多い部分と少ない部分ができるこ
と)やあふれがない均一ベタ。 ○:混色(200%、R、G、B)のベタにインクの寄
れやあふれがない均一ベタ。実用上何ら問題はない。 △:単色(100%、Y、M、C、BK)のベタにイン
クの寄れやあふれがない均一ベタ。しかし、混色部では
インクの寄れやあふれが生じている。実用上問題があ
る。 ×:単色(100%、Y、M、C、BK)のベタにイン
クの寄れやあふれがある。実用上問題がある。
【0108】・光沢度 変角光沢度計(日本電色工業(株)製VGS−300
A)にて、非印字部及びグリーン(Y、Cの混色)混色
ベタ部(200%)を、JIS−Z−8741の鏡面光
沢度測定法に準じて、入射角60度及び受光角60度に
て鏡面光沢度を求めた。
【0109】・べたつき 手の油分を石鹸でよく落とした状態にして、印字してい
ないインクジェット用受像体(白地)表面と印字後10
分経過した印字部を指で触り、そのべたつき感を評価し
た。 ◎:3K(300%、Y、M、Cの混色)のベタ印字
部、非印字部共にべたつき感がない。 ○:混色(200%、R、G、B)のベタ印字部、非印
字部はべたつき感がない。実用上何ら問題はない。 △:単色(100%、Y、M、C、BK)のベタ印字
部、非印字部共にべたつき感がないが、混色部ではべた
つきを感じる。実用上問題がある。 ×:単色(100%、Y、M、C、BK)のベタ印字
部、非印字部共にべたつき感がある。実用上、問題があ
る。
【0110】・ヘーズ(曇価):日本電色工業製の光沢
度、NDH−300Aを用い、JIS−K−7105の
方法に従い、非印字部のヘーズ(曇価)を測定した。O
HPシートとして用いる際には、未印字部のヘーズは
5.0%以下が好ましく、5.0%を越えると、投影画
像が暗くなる。
【0111】色材が染料の場合の実施例1〜10、比較
例1〜10について、評価結果を表1に示す。
【0112】
【表1】
【0113】色材が顔料の場合の実施例1〜9、比較例
1〜9について、評価結果を表2に示す。なお、顔料イ
ンクのため、隠蔽性が強く、OHPシートでの評価は行
っていない。
【0114】
【表2】
【0115】
【発明の効果】本発明は実施例から明らかなように、課
題は、近年、要望の高い高画質、高精細のインク量が非
常に多いインジェットプリンターにおいて、従来のポリ
マーを使用した受像体の問題点である、インク吸収性能
や印字部の光沢、印字部のべたつき等の問題を高次元で
バランスよく解決することができた。そして、OHPシ
ートとして使用可能な透明性が高い被記録材に適したイ
ンクジェット用受像体を提供することができた。また、
最近普及しつつある顔料インクを用いた大判のカラー出
力のできるインクジェットプロッターにおいて、インク
吸収性能が高く、印字部の光沢があり、印字部のべたつ
き少ない、耐光性のあるポスター出力に適したインクジ
ェット用受像体を提供することができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の少なくとも片面にインク受像
    層を設けたインクジェット用受像体において、該インク
    受像層が少なくともN−ビニルホルムアミドを構成単位
    として含むグラフト共重合体を含有することを特徴とす
    るインクジェット用受像体。
  2. 【請求項2】 該グラフト共重合体が少なくともN−ビ
    ニルホルムアミドを含む枝成分、ゼラチンを幹成分とす
    るグラフト共重合体であることを特徴とする請求項1記
    載のインクジェット用受像体。
JP9352809A 1997-12-22 1997-12-22 インクジェット用受像体 Pending JPH11180033A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002307755A (ja) * 2001-04-13 2002-10-23 Seiko Epson Corp 顔料系インクを用いるプリントシステム、プリント方法及び印刷物
WO2002068549A3 (de) * 2001-02-23 2002-12-12 Basf Ag Streichmassen für ink-jet-aufzeichnung

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002068549A3 (de) * 2001-02-23 2002-12-12 Basf Ag Streichmassen für ink-jet-aufzeichnung
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