JPH10273913A - パイルスぺーサ - Google Patents

パイルスぺーサ

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JPH10273913A
JPH10273913A JP7966297A JP7966297A JPH10273913A JP H10273913 A JPH10273913 A JP H10273913A JP 7966297 A JP7966297 A JP 7966297A JP 7966297 A JP7966297 A JP 7966297A JP H10273913 A JPH10273913 A JP H10273913A
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JP
Japan
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main body
pile
pull
concrete
support plate
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Application number
JP7966297A
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English (en)
Inventor
Keijiro Murakami
啓次郎 村上
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空パイル内面の凹凸や径の大小に拘わらず
中空パイル内面にフィットさせることができ、しかも現
場での挿設作業及びコンクリート硬化後の除去作業が容
易かつ確実なパイルスぺーサとする。 【解決手段】 横方向に丸めて中空パイル内に挿入され
る合成樹脂発泡板製本体2の縦方向に、引き抜き時に牽
引される引き抜き支持板3を取り付ける一方、本体2の
内面側に多数の縦溝4を並列して形成し、しかもこの縦
溝4の間隔を、両側部に比して中央部を広くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーガマシン等で
掘削(通常は拡底掘削)され、根固め用のコンクリート
が注入された竪杭内に中空パイルを沈設するに際し、中
空パイルの上部に予め挿設しておくパイルスぺーサであ
って、沈設された中空パイル内を上昇して中空パイル内
を埋めて硬化するコンクリートを、その硬化後、中空パ
イル上端から所定の長さ分だけ除去するために用いるパ
イルスぺーサに関する。
【0002】
【従来の技術】建物等の基礎工事の施工法として、オー
ガマシン等で掘削した竪杭内に根固め用のコンクリート
を注入した後、当該竪杭に中空パイルを沈設して、当該
コンクリートを硬化させる工法が知られている。この工
法における中空パイルの沈設時には、竪杭に注入された
コンクリートが中空パイル内を上昇して満たし、更に余
剰のコンクリートは中空パイルから溢れ出ることにな
る。
【0003】ところで、竪杭内に沈設された中空パイル
の上部には、この中空パイルと地中梁を一体に連結して
形成するため、かご状の鉄筋が挿設されるので、養生
後、当該上部を満たして硬化したコンクリートを除去
し、このかご状の鉄筋を入れる空間を中空パイル上部に
形成し直す必要がある。
【0004】上記中空パイルの上部を満たして硬化した
コンクリートの除去をしやすくするために使用されるの
がパイルスぺーサである。
【0005】このパイルスぺーサとしては、間隔保持部
材を介して組み合わせた内外二重の厚紙製の円筒状スぺ
ーサと、合成樹脂発泡体製の円筒状で、縦方向に切欠部
が形成されたスぺーサとが知られている(特開平4−3
71610号公報)。いずれもかご状の支持材を、その
上部を露出させて内包した状態で中空パイルの上部に挿
設されるもので、スぺーサ内で硬化したコンクリート
を、露出した支持材の上部を介してパワーショベルやク
レーン等の牽引手段で上方に引きながら左右に振ること
で、その下方で中空パイルと一体化して硬化したコンク
リートから分断して除去できるようにするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、厚紙製の円
筒状スぺーサは、上記公開公報でも指摘されているよう
に、固い厚紙製でしかも円筒状であるので、外筒を中空
パイル内にぴったり挿入しにくい問題がある。特に中空
パイルの内面は不規則な凹凸が付いていることが多く、
その内径精度もさほど高くないので、内面の凹凸や多少
の内径の相違によらず挿入を可能にするためには、外筒
の径をやや小さめにしておく必要があり、外筒と中空パ
イル内面間にある程度の隙間を生じるのが避けられな
い。このため、外筒と中空パイル内面間にコンクリート
が浸入し、外筒を強固に中空パイル内面に付着させてし
まい、外筒が中空パイル内に残留しがちである。また、
外筒が除去できたとしても、外筒と中空パイル内面との
間に浸入したコンクリートが残留することになる。厳格
に工事を行うためにはその除去が必要となり、除去作業
に多大な手間がかかる問題がある。
【0007】一方、合成樹脂発泡体製の円筒状で、縦方
向に切欠部が形成されたスぺーサは、材質的にある程度
の柔軟性を有し、切欠部を狭めることで縮径できるの
で、やや大きめの径としておくことで、内面の凹凸や多
少の内径の相違によらず中空パイル内面にフィットさせ
得る利点がある。
【0008】しかしながら、上記利点を有するものの、
縮径はできても拡径はできないので、中空パイルの内径
が予想以上に大きい場合には対応することができないば
かりか、異なる径の中空パイル毎に対応する径のスぺー
サを用意しなければならず、異なる径の中空パイルへの
融通性に欠ける問題がある。また、縦方向に切欠部を有
するので、そのままでは、スぺーサ内を上昇したコンク
リートがこの切欠部を介して中空パイル内面と一体化し
てしまい、このスぺーサ内の硬化コンクリートを分断除
去する妨げとなる。従って、外周又は内周に合成樹脂フ
ィルム等を巻き付けて挿設するか、切欠部の位置をずら
せて内外二重に組み合わせて挿設する必要があり、現場
での作業が煩わしい問題もある。
【0009】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、中空パイル内面の凹凸や径の大小に拘わら
ず中空パイル内面にフィットさせることができ、しかも
現場での挿設作業及びコンクリート硬化後の除去作業が
容易かつ確実なパイルスぺーサを提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】このために本発明は、図
1及び図11に示されるように、横方向に丸めて中空パ
イル1内に挿入可能な合成樹脂発泡体製の板状の本体2
に対して、その縦方向に、引き抜き時に牽引される引き
抜き支持板3が取り付けられている一方、本体2の内面
側には多数の縦溝4が並列して形成されており、しかも
この縦溝4の間隔が、両側部に比して中央部が広くなっ
ていることを特徴とするパイルスぺーサを提供するもの
である。
【0011】
【発明の実施の形態】図1ないし図13に基づいて、本
発明のパイルスぺーサの第1の例を説明する。
【0012】本例のパイルスぺーサは、図1に示される
ように、片面に多数の縦溝4が並列して形成された本体
2を有するもので、この本体2は合成樹脂発泡体製の板
状体で構成されている。
【0013】図1に明示される縦溝4は、本体2を中空
パイル1(図11参照)内面に沿った円筒形に丸めやす
くするためのもので、図3からも明らかなように、本体
2の内面側(本体2を丸めた時の内側)に設けられてい
る。
【0014】上記縦溝4間の間隔は、両側部に比して中
央部が広くなっている。好ましくは中央部の溝の間隔が
両側部の溝の間隔の1.5〜2倍である。具体的には、
後述する2本の引き抜き支持板3の外側は間隔が狭く、
内側は間隔が広くなっている。縦溝4の間隔が本体2の
中央部で広くなっているのは、本体2の中央部に適度な
弾性復帰力を維持させておくことで、本体2を丸めて仮
止めした状態で、本パイルスぺーサを俵積みして保管又
は輸送する際に、その潰れを防止しやすくするためであ
る。また、縦溝4の間隔が本体2の両側部で狭くなって
いるのは、湾曲させにくい本体2の両側部を弧状に湾曲
させやすくするためである。
【0015】上記縦溝4の深さ、幅、間隔は、本体2の
厚さ、材質、発泡倍率等に応じて定めればよい。また、
縦溝4の断面形状は、方形や半円形でもよいが、丸めや
すくなることから、図1に示されるような逆三角形状で
あることが好ましい。
【0016】本体2を構成する合成樹脂発泡体として
は、ポリスチレン系合成樹脂やポリオレフィン系合成樹
脂等の発泡体が挙げられるが、ポリオレフィン系合成樹
脂発泡体の場合、例えばポリスチレン発泡体等に比して
腰が強くかつ可撓性及び弾性に優れ、割れや欠けを生じ
ることなく中空パイル1(図11参照)の内面に密着さ
せやすいと共に、コンクリートが付着しにくい利点があ
るので好ましい。ポリオレフィン系合成樹脂としては、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、これらを50重
量%以上含む共重合体を挙げることができ、好ましくは
ポリエチレンである。本体2をポリオレフィン系合成樹
脂発泡体製とする場合、その発泡倍率は、必要な強度、
弾性等を得る上で、5〜100倍であることが好まし
く、更に好ましくは20〜50倍である。また、このポ
リオレフィン系合成樹脂発泡体で構成される本体2の厚
みは、後述する硬化コンクリートの分断除去時に、その
弾性を利用して左右に揺すりやすいよう、20〜50m
mであることが好ましい。
【0017】本体2の外面側(本体2を丸めた時の外
側)には、図2に示されるような引き抜き支持板3が、
本体2を貫通するボルト5によって縦方向に取り付けら
れている。また、引き抜き支持板3は、図1及び図3に
示されるように、本体2を丸めた時に径方向にほぼ相対
向する2箇所に位置している。
【0018】引き抜き支持板3は、図示されるような位
置に2本設けなければならないものではなく、1本のみ
としたり、3本以上とすることもできるが、引き抜く時
の安定性と本体2の丸めやすさの点から、図示されるよ
うな位置に2本設けることが好ましい。この引き抜き支
持板3の取り付けは、取り付け位置となる本体2の外面
に浅い溝を形成しておき、本体2の外面に対して引き抜
き支持板3の表面ができるだけ平らに納まるように行う
ことが好ましい。また、ボルト5の締め付けは、本体2
の内面との間に当て板6を介在させて行うことが好まし
い。当て板6としては、ポリオレフィン系樹脂の低発泡
板が好ましい。尚、図2において7は、ボルト5(図1
及び図3参照)を通すためのボルト孔である。
【0019】上記引き抜き支持板3は、例えば鉄板等の
強固な材料で構成されているもので、丸めた本体2内で
硬化したコンクリートと共に本体2を中空パイル1から
引き抜く際に、パワーショベルやクレーン等の牽引手段
で牽引する部材である。従って、引き抜き支持板3の上
端部(中空パイル1内挿入時の上側)には、そこにワイ
ヤーやフック等を掛けてパワーショベルやクレーン等の
牽引手段を接続しやすくするための掛け部8を設けてお
くことが好ましい。図示される掛け部8は、引き抜き支
持板3の上端部を本体2の上端よりも突出させて、当該
突出した部分に形成した孔として設けられている。しか
し、ワイヤーやフックは容易に本体2を貫通させること
ができるので、引き抜き支持板3の本体2と当接した部
分に形成した孔として設けることもできる。
【0020】引き抜き支持板3の下端部(中空パイル1
内挿入時の下側)は、本体2側に屈曲されており、本体
2の下端面に当接した受け片9となっている。この受け
片9は、掛け部8にパワーショベルやクレーン等の牽引
手段を接続して引き抜き支持板3を上方に引っ張った際
に、本体2の下端面を押し上げて、確実に本体2を引き
抜き支持板3と共に引き抜くことができるようにするた
めのもので、設けておくことが好ましい。
【0021】受け片9の先端部は、更に本体2の内面側
に立ち上げられて立ち上げ片10としておくことが好ま
しい。この立ち上げ片10は、例えば図4に示されるよ
うな仕切板11付の環状支持具12を取り付けるための
もので、そのための取り付け孔13が形成されている。
仕切板11は、環状支持具12によらずに設けることも
できるが、この環状支持具12を用いて取り付けると、
安定した取り付け状態が得やすく、また環状支持具12
は丸めた本体2の潰れ防止にも有効であることから、環
状支持具12を用いることが好ましい。
【0022】環状支持具12は、例えば鉄棒等で形成さ
れているもので、予め仕切板11が取り付けられてい
る。仕切板11は、中空パイル1(図11参照)内に挿
設された本体2内にその下方から上昇して入り込むコン
クリートの流入口を狭め、本体2内で硬化するコンクリ
ートと、その下方で硬化するコンクリートとの間を仕切
って、両者を分断しやすくするためのものである。図4
に示される仕切板11は、例えばゴムや合成樹脂(ポリ
オレフィン系合成樹脂が好ましい)等の可撓性を有する
材料で構成された円盤の中央部に十字形もしくは放射状
に切れ目14を入れて複数の舌片15を形成し、この舌
片15がまくれ上がることでコンクリートの流入を許容
するものとなっている。また、環状支持具12は、内周
径方向に突出した掛け突起14を有しており、この掛け
突起16を、図5に示すように、立ち上げ片10の取り
付け孔13に差し込むことで取り付けられるものであ
る。図4に示される仕切板11において、環状支持具1
2の掛け突起16付近が切り欠かれているのは、掛け突
起16を取り付け孔13に差し込む際に仕切板11が邪
魔にならないようにするためのものである。
【0023】環状支持具12に取り付けておく仕切板1
1は、図6に示されるように、環状支持具12の掛け突
起付近から外方に延出した延出片17を有するものとし
てもよい。この延出片17は、図7に示されるように、
受け片9の外面を覆うもので、これによって受け片9の
外面へのコンクリートの密着を防止することができる。
【0024】更に環状支持具12及び仕切板11につい
て説明すると、環状支持具12は、図8や図9に示され
るように、補強バー18を有するものとすることができ
る。この補強バー18は、丸めた本体2の径が大きくな
る場合には、環状支持具12を補強する意味から設ける
ことが好ましい。また、仕切板11は、図10に示され
るように、スリット状開口19を有するものとすること
もできる。
【0025】図1及び図2に示されるように、引き抜き
支持板3の中間部には突起部20が突出している。この
突起部20は本体2を貫通して、本体2の内面側に突出
している。突起部20は、必須のものではないが、引き
抜き支持板3と本体2の一体性、及び、引き抜き支持板
3と丸めた本体2内で硬化したコンクリートとの一体性
を高めることができるので、設けることが好ましい。ま
た、突起部20は、図示されるような2箇所に設けるだ
けでなく、1箇所のみに設けたり、3箇所以上に設ける
こともできる。
【0026】本体2の一側には、本体2を丸めた時に他
側に重ねられる薄肉の重ね合わせ片21が設けられてい
る。重ね合わせ片21は本体2と一体に形成もしくは本
体2に溶着又は接着で設けられたものである。この重ね
合わせ片21は必須のものではないが、重ね合わせ片2
1を設けておくと、本体2を丸めた時の両側縁部を、外
面側に大きな段差を発生させることなく重ね合わせるこ
とができ、本体2の全外周を中空パイル1(図11参
照)の内面に密着させやすくなる。
【0027】前記重ね合わせ片21も、本体2と同様に
ポリオレフィン系合成樹脂製であることが好ましい。ま
た、この重ね合わせ片21は、薄く形成されているもの
の、腰が強いと、本体2を丸めた時の重ね合わせ作業が
行いやすいので、非発泡のポリオレフィン系合成樹脂若
しくは発泡倍率が50倍以下のポリオレフィン系合成樹
脂発泡体であることが好ましい。ポリオレフィン系合成
樹脂発泡体とする場合、特に発泡倍率が5〜50倍であ
ることが好ましい。
【0028】次に、上述のパイルスぺーサの使用方法を
説明する。
【0029】まず、本体2を図3に示されるように丸め
る。この時、丸めた本体2の下部開口部に仕切板11を
取り付ける。この仕切板11の取り付けは、例えば針金
や粘着テープ等を用いて本体2や引き抜き支持板3に対
して行ってもよいが、図4〜図7で説明したように、立
ち上げ片10と環状支持具12を用いて行うと、取り付
け状態が安定するので好ましい。
【0030】上述のような仕切板11を取り付け、本体
2を丸めた後、図6に示されるようにこれを中空パイル
1内に挿設する。また、根固め用のコンクリートを注入
した竪杭内に当該中空パイル1を沈設した時に、中空パ
イル1内を上昇するコンクリートによって本パイルスぺ
ーサが浮き上がらないよう、掛け部8に通した押え棒2
2(一般にかんざし筋という)を中空パイル1上端の鉄
枠23に熔接等で止め、本パイルスぺーサを押えておく
ことが好ましい。
【0031】本パイルスぺーサは、本体2を単に丸めた
状態で挿設されるもので、丸め方によって径を自在に調
整できるので、中空パイル1内面の凹凸や内径の誤差は
もとより、同じ本パイルスぺーサを径の異なる異種類の
中空パイル1に対して使用することが可能である。ま
た、中空パイル1内に挿入された本体2は弾性復帰して
拡径するので、中空パイル1内面の凹凸や内径の相違に
拘わらず、中空パイル1の内面に密着しやすく、本体2
と中空パイル1の内面との間にほとんど隙間を残さな
い。従って、中空パイル1内を上昇するコンクリート
が、中空パイル1の内面と本体2の間にほとんど侵入し
ないことに加え、本体2をコンクリートが付着しにくい
ポリオレフィン系合成樹脂発泡体製とすると、養生後に
行われる、本体2を含めた本パイルスぺーサの除去がよ
り容易となる。
【0032】本体2を丸めて中空パイル1内に挿入する
に際しては、丸めた本体2を、例えば紐、テープ、テー
プファスナー付テープ等で仮止めし、ある程度挿入した
後にこの仮止めを外すようにすると、挿入作業が容易と
なる。また、紐やテープ(例えばポリプロピレン製テー
プ)等を巻き付けて本止めし、そのまま中空パイル1内
に挿入しても、丸めた本体2は、内部に流入するコンク
リートによって、紐やテープを巻き付けた部分がくびれ
てしまう程に拡径する。従って、中空パイル1の内径に
比して丸めた本体2の外径が極端に小さくならなけれ
ば、このような止め方をした本パイルスぺーサでも本体
2を十分中空パイル1の内面に密着させることが可能
で、しかも中空パイル1内への挿入作業性も向上する上
記のように本体2を予め丸めておく場合、この丸める作
業は工場で行うのが効率的で、本体2を丸められたパイ
ルスぺーサは俵積みして輸送・保管されることになる。
本発明のパイルスぺーサの場合、前述のように、本体2
の中央部の縦溝4の間隔が両側部の縦溝4の間隔より広
くなっており、潰れにくくなっていることから、この輸
送・保管時に潰れて変形し、中空パイル1内に挿入しに
くくなることが防止できる。また、本パイルスペーサは
予め中空パイル1内に挿入し、仮熔接しておくことも可
能である。
【0033】ところで、本体2が図1及び図3に示され
るような重ね合わせ片21を有する場合、中空パイル1
の内径が小さいと、丸めた本体2の側端部がこの重ね合
わせ片21を越えて重ね合わされる場合がある。このよ
うな場合、本体2を適宜切断して長さ調節すればよい。
この場合、本体2が多数の縦溝4を有するので、適宜の
位置の縦溝4を介して手で引き裂いて長さ調節すること
ができ、現場での作業が容易である。
【0034】本パイルスぺーサを図11に示されるよう
に中空パイル1内にセットした後、中空パイル1を建て
込み、図12に示されるように、根固め用のコンクリー
トを注入した竪杭内に沈設する。沈設は、クレーン等で
中空パイル1を釣り下げて行うが、適当な速度で垂直に
中空パイル1を降下させるのは必ずしも容易ではなく、
中空パイル1の下端が竪杭の側壁をこすりながら沈設さ
れたり、中空パイルが急速に降下されてしまう場合もあ
る。このようなことから、中空パイル1内を上昇してく
るコンクリートと共に大きな石や瓦礫が押し上げられ、
これが丸めて挿設した本体2内に嵌り込んでしまうこと
も生じる。大きな石や瓦礫が本体2内に強固に嵌り込ん
でしまうと、養生後の本パイルスぺーサの引き抜きが困
難になる。図8や図9に示されるような補強バー18付
の環状支持具12を用いて仕切板11を取り付けておく
と、このような大きな石や瓦礫が本体2内に入り込むの
を防止しやすい利点もある。
【0035】養生の後、図13に示されるように、本体
2内の硬化コンクリートをその下方の硬化コンクリート
から分断して、本パイルスぺーサごと抜き取り除去す
る。この分断除去は、引き抜き支持板3を、その掛け部
8にワイヤーやフックを掛けてパワーショベルやクレー
ン等の牽引手段に接続して牽引し、必要なら更に左右に
揺することで行う。本体2の外面側に引き抜き支持板3
を位置させておくと、その上部を中空パイル1の中心方
向に傾けることで、本体2と中空パイル1内面との剥離
を促進することができる。特に図13に示されるよう
に、逆Y字形にワイヤー等を掛けて上方に引くと、矢印
で示すように、引き抜き支持板3の上部を中空パイル1
の中心方向へ傾ける力が自動的に加わるので、本パイル
スぺーサの引き抜きが一層容易となる。
【0036】上記硬化コンクリートの分断は、前述の仕
切板11を設けておかなくても可能ではあるが、前述し
た通り、この仕切板11を設けておくと、本体2内の硬
化コンクリートとその下方の硬化コンクリート間がこれ
で仕切られ、分断しやすくなるので好ましい。また、本
パイルスぺーサは、前述のように本体2と中空パイル1
の内面との間にコンクリートが侵入しにくく、しかも本
体2はコンクリートが付着しにくい材質であるので、本
体2と中空パイル1が強く接合されにくい。仮に本体2
と中空パイル1内面との間に多少コンクリートが侵入し
たとしても、上述のように引き抜き支持板3の上部を中
空パイル1の中心方向へ傾けることで、本体2と中空パ
イル1内面との剥離を促進できるので、引き抜きが容易
である。更に、引き抜きを容易にするためには、通常コ
ンクリートが付着しやすい鉄で構成され、しかも本体2
の外面側に位置する引き抜き支持板3の表面に粘着テー
プを付設しておいたり、離型剤を塗布しておくことも有
効である。
【0037】ところで、中空パイル1を埋め込む位置の
地質や施工状態によっては、中空パイル1の上部までコ
ンクリートが上昇せず、これに代わって土砂が押し上げ
られてしまうことがある。この場合、本体2内は土砂で
満たされた状態となるが、土砂はコンクリートのように
硬化しないことから、引き抜き支持板3に加えられる引
き抜き力が分散せず、引き抜き支持板3部分に集中的に
加わりやすくなる。このような状態となると、引き抜き
支持板3のみが本体2から外れて引き抜かれてしまい、
土砂と本体2が残留してしまいやすくなる。受け片9を
設けておくと、受け片9で確実に引き抜き力を本体2に
加えられることから、上記のような状態においても土砂
と共に全体を容易に引き抜くことができる。
【0038】このようにして、本パイルスぺーサ及び本
体2内の硬化コンクリート若しくは土砂を除去した後
は、これによって開けられた中空パイル1上部の空間に
かご状の鉄筋を挿設し、地中梁の構築が進められること
になる。
【0039】図14は本パイルスぺーサの第2の例を示
すもので、引き抜き支持板3が本体2の内面に取り付け
られたものとなっている。また、引き抜き支持板3は突
起部20を有していないが、図中点線で示されるように
突起部20を設けることもできる。
【0040】本例の場合、通常コンクリートが付着しや
すい鉄で構成される引き抜き支持板3が外面側に露出し
ない利点がある。
【0041】図15は本パイルスぺーサの第3の例を示
すもので、本体2が重ね合わせた2枚の合成樹脂発泡体
製の板材で構成されており、引き抜き支持板3がこの2
枚の合成樹脂発泡体製の板材間に挟まれている。
【0042】このようにすると、図14の第2の例と同
様に、通常コンクリートが付着しやすい鉄で構成される
引き抜き支持板3が外面側に露出しない利点がある。ま
た、本体2の全体厚みが厚いものであっても、2枚の合
成樹脂発泡体製の板材に分かれているので、縦溝4の本
数が少なくても丸めやすくなる利点がある。尚、本体を
構成する合成樹脂発泡体製の板材は、2枚に限られるも
のではなく、3枚以上とすることができる。
【0043】図16は、支持棒24を利用して仕切板1
1を取り付ける場合を示すもので、立ち上げ片10の取
り付け孔13に支持棒24を差し込み、この支持棒24
に対して針金や紐等で仕切板11を取り付けたものとな
っている。前記環状支持具12を用いた取り付け構造に
比して簡略化できる利点がある。
【0044】尚、図16に示される仕切板11は、周囲
に切れ目14による舌片15が形成されており、この周
囲の舌片15がまくれ上がることでコンクリートの流入
を許容するものとなっている。
【0045】図17及び図18は、立ち上げ片を省略し
た場合を示すもので、受け片9の先端が本体2の内側に
突出し、本体2を丸めた時に両受け片9が相互に重なり
合うものとなっている。
【0046】上記のような受け片9としておくと、本体
2の内側に突出した部分に容易に仕切板11を取り付け
ることができる。また、このように受け部9の先端を本
体2の内側に突出させておくと、前述の補強バー18
(図8及び図9参照)と同様に、大きな石や瓦礫が本体
2内に入り込むのを防止できる利点もある。
【0047】尚、図18に示される仕切板11は、丸め
た本体2の内径より小さな径のものとなっており、本体
2の内面との間に残される隙間からコンクリートの侵入
を許容するものとなっている。
【0048】上記大きな石や瓦礫の侵入防止の観点から
すれば、図19及び図20に示されるように、本体内2
の内面側へ突出した受け片9の先端部分にクロスバー2
5を設けることも好ましい。このようにすると、本体2
を丸めた時の下端側の開口部に受け片9とクロスバー2
5が十文字に位置することになり、前述した大きな石や
瓦礫の侵入防止が一層確実となる。
【0049】尚、図19及び図20においては一方の引
き抜き支持板3側の受け片9にのみクロスバー25が取
り付けられているが、両方の引き抜き支持板3の受け片
9に取り付けてもよい。
【0050】引き抜き支持板3に受け片9を設ける場
合、図12に示されるように、引き抜き支持板3の下端
部を、本体2のか端面から内面に接する状態でU字形に
屈曲させ、本体2の下端部をU字形に把持する状態で受
け片8を形成することもできる。この場合、別途補助片
26を受け片9に接合して、受け片8の先端部を本体2
の内面側に突出させた場合と同様の状態を構成すること
もできる。また、この補助片26を上方に立ち上げて、
前述の立ち上げ片10として機能させることもできる。
【0051】図22は本体2に引き抜き支持板3を取り
付ける際の他の例を示すもので、ボルト5で引き抜き支
持板3を本体2に取り付けるのは図1で説明したのと同
じであるが、突起部20が溶接等で直接引き抜き支持板
3に一体化されておらず、引き抜き支持板3を本体2へ
取り付ける際にボルト5で一体化されるものとなってい
る。突起部20は、断面L字形の板材として形成されて
おり、本体2の内面側に、本体2との間に当て板6を挟
んで、ボルト5によって一体に固定されるもとなってい
る。このようにすると、本パイルスぺーサを組み立て前
の状態で輸送する際に、引き抜き支持板3に突起部20
が突出していないので、抜き支持板3をまとめて搬送し
やすい利点がある。当て板6は、図22におけるナット
と突起部20の間に介在させてもよい。
【0052】図23及び図24は、中間リング27を取
り付ける場合を示すもので、本体2の縦方向中間部に、
本体2との間に当て板6を挟んで、ボルト5によってフ
ック部28が取り付けられている。このフック部28
は、中間リング27を通して取り付けるためのものであ
る。中間リング27は、丸めた時の本体2の内径とほぼ
等しい径(通常は本体2の内径より若干小さな径)の割
環状をなすもので、本体2を丸めて仮止めした本パイル
スぺーサを俵積みして保管又は輸送する際に、その潰れ
を防止するためのものである。従って、大径で潰れやす
いパイルスぺーサについてはこの中間リング27を設け
ることが好ましい。また、中間リング27は割環状で弾
性的に縮径できることから、丸めた時の本体2の内径よ
りやや大きな径として、本体2を丸める時に弾性的に縮
径させておき、中空パイル1への挿入後に中間リング2
7の弾性復帰力を利用して、本体2の外面を中空パイル
1の内面へ密着させることもできる。
【0053】図25は、引き抜き支持板3の上端部に掛
け部8を設ける場合の他の例を示すもので、引き抜き支
持板3の上端部を本体2の上端より上方に突出させ、こ
の突出した引き抜き支持板3の上端部に設けた孔として
掛け部8が形成されているのは図1〜図3に示されるも
のと同様である。本例の場合、この引き抜き支持板7の
上端部に断面L字形の板材を固着して、本体2の外面側
に突出する掛け板29を形成すると共に、掛け部8をこ
の掛け板29を構成する断面L字形の板材と引き抜き支
持板3の両者を貫通する孔として形成してある。このよ
うにすると、掛け部8が補強されると共に、本パイルス
ぺーサを丸めて中空パイル1内に挿入したときに、上記
掛け板29が中空パイル1の上端面に引っ掛かるので、
掛け板29を鉄枠23に溶接することで、押え棒22
(図11参照)を用いることなく本パイルスぺーサを中
空パイル1内に押さえ付けることができる。
【0054】ところで、上記のように引き抜き支持板3
の上端部が本体2よりも上方に突出していると、パイル
スぺーサを中空パイル1内に挿設した時に、引き抜き支
持板3の上端部が中空パイル1の上端から上方に突出し
た状態となる。一方、竪杭内への中空パイル1の沈設
は、チャックで中空パイル1の上端部を掴持して建て込
むことで行われるが、工法によってチャックによる掴持
形式が異なり、引き抜き支持板3が中空パイル1から突
出していると、このチャックによる掴持が妨げられる場
合がある。これを防止するためには、図26や図27に
示されるようにして掛け部8を構成することが好まし
い。
【0055】図27に示される掛け部8は、引き抜き支
持板3の上端部を本体2の外面側にL字形に屈曲倒伏さ
せ、この倒伏した部分に設けた孔として形成されてい
る。このようにすると、倒伏して外方に突き出た引き抜
き支持板3の上端部を図25で説明した掛け板29とし
て用いることができる。加えて、引き抜き時には、この
倒伏した引き抜き支持板3の上端部を引き起こせば、容
易に掛け部8に牽引手段を接続することができ、特にチ
ャックで中空パイル1の上端部を掴持する時に、中空パ
イル1の上端から引き抜き支持板3が突出していないの
で、このチャックによる掴持が妨げられることがない。
尚、図26においては、引き抜き支持板3が中空パイル
1の上端面途中までの長さで屈曲されているが、更に延
在させて、中空パイル1の側面部まで屈曲当接させても
よい。
【0056】図27に示される掛け部8は、引き抜き支
持板3の上端部を本体2の内面側にL字形に屈曲倒伏さ
せ、この倒伏した部分に設けた孔として形成されてい
る。また、この倒伏部分と背中合わせに、図25で説明
したものと同様の掛け板29が設けられている。このよ
うにすると、図25のものと同様に押え棒22(図11
参照)を用いることなく本パイルスぺーサを中空パイル
1内に押さえ付けることができる。一方、図26のもの
と同様に倒伏した引き抜き支持板3の上端部を引き起こ
せば、容易に掛け部8に牽引手段を接続することができ
ると共に、チャックで中空パイル1の上端部を掴持する
時に、中空パイル1の上端から引き抜き支持板3が突出
していないので、このチャックによる掴持が妨げられる
ことがない。
【0057】図26及び図27に示されるような引き抜
き支持板3の上端部の倒伏は、引き抜き支持板3の上端
部に蝶板部を介在させることで行ってもよい。この場
合、引き抜き支持板3の上端部は、本体2の外面側と内
面側のいずれに倒伏させてもよい。
【0058】図28は本体2の他の例を示すもので、本
体2の下端部内縁がテーパ面30となっている。このよ
うにすると、根固め用のコンクリートが注入された竪杭
内に中空パイル1を沈設した時に上昇してくるコンクリ
ートは、図28中矢印で示されるように、テーパ面30
に沿って流れ、本体2の下端部を中空パイル1の内面に
押し付けることになる。従って、本体2と中空パイル1
の内面間にコンクリートが侵入しにくくなる。次に、図
29に基づいて、本発明の第1の応用例を説明する。
【0059】図29に示されるパイルスぺーサは、ほぼ
図1に示されるものと同様であるが、本体2の内面側
に、上下2箇所、横方向に弾性帯板31が取り付けられ
ている点が相違している。この弾性帯板31は、例えば
鉄板等、コンクリートが付着しやすく、しかも強固で弾
性的に湾曲可能な帯板で、本体2を丸めた時に共に弾性
的に丸まり、本体2が広がって復帰しようとする力を高
める働きをなす。また、引き抜き支持板3と本体2の接
合を補強すると共に、丸めた本体2内で硬化したコンク
リートと一体化して、当該コンクリートを引き抜き支持
板3及び本体2と共に引き抜きやすくするものでもあ
る。弾性帯板31は、図29に示されるように2条設け
なければならないものではなく、1条のみとしたり、3
条以上とすることもできる。
【0060】弾性帯板31の取り付け面である本体2の
内面側は、本体2を丸めた時に圧縮されることから、弾
性帯板31の長さは本体2の横方向長さに比して短くて
足る。また、この本体2を丸めた時の内面側の圧縮を許
容するよう、弾性帯板31は本体2に対して全体を固着
せずに、弾性帯板31が、本体2に対して横方向にずれ
ることができる状態で取り付けられていることが好まし
い。
【0061】引き抜き支持板3と弾性帯板31は表裏に
分かれて交差しており、この交差部においてボルト5に
よって本体2、弾性帯板31及び引き抜き支持板3の一
体化が図られている。但し、弾性帯板31は、上記のよ
うに、本体2に対して横方向にずれることができる状態
で取り付けられていることが好ましいことから、ボルト
5の貫通箇所に長溝32が形成されており、この長溝3
2を介して横方向への自由度が維持されている。尚、図
29においては、左右の引き抜き支持板3と弾性帯板3
1の夫々の交差部に長溝29が形成されているが、左右
のいずれか一方の引き抜き支持板3(一般的には重ね合
わせ片21とは反対側の引き抜き支持板3)と弾性帯板
31の交差部にだけ長溝32を形成してもよい。また、
引き抜き支持板3に設けられている突起部20と同様の
突起を弾性帯板31の表面に設けることもできる。
【0062】上記のような弾性帯板31を備えたパイル
スぺーサにおいて、本体2に設ける縦溝4の間隔を両側
部に比して中央部を広くすると、本体2の丸めやすさと
本体2の弾性復帰力の調整をよりきめ細かく行うことが
可能となる。
【0063】図30は本発明の第2の応用例を示すもの
で、図29で説明した弾性帯板31を図14で説明した
パイルスぺーサに設けたものとなっている。即ち、図2
9においては引き抜き支持板3が本体2の外面側に位置
しているが、本第2の応用例においては引き抜き支持板
3が弾性帯板31と共に本体2の内面側に位置してい
る。
【0064】この第2の応用例においては、図14で説
明した利点の他に、上記図29で説明した利点をも得る
ことができる。
【0065】図31及び図32は本発明の第3の応用例
を示すもので、本体2とは別体の支持材33に本体2を
巻き付けてパイルスぺーサを構成するものとなってい
る。
【0066】ここで支持材33について説明すると、支
持材33は、図32に示されるように、本体2に内包さ
れた状態で中空パイル1内に挿入されるもので、通常鉄
筋材料で構成され、略長円形状に屈曲させて端部同士を
熔接した縦材34と、縦材34の周囲に取り付けられた
環状の横材35とからなるかご状をなす部材である。支
持材33は、その上部が重機で上方に引っ張るための掛
け部8を構成しており、この掛け部付近には、中空パイ
ル1の端面に掛けられる支持環38が取り付けられてい
る。22は図11で説明した押え棒である。
【0067】仕切板11は、図中点線で示されるように
支持材33下端部に取り付けてもよいが、支持材33に
下方に環状支持具12を設け、そこに取り付けるように
することもできる。
【0068】本体2は、図31に示されるように、内面
側に縦溝4を有し、この縦溝4の間隔が、両側部に比し
て中央部が広くなっている点は図1で説明した本体2と
同様である。また、本体2の内面には、支持材33の縦
材34を収容して保持する縦材保持溝36と、支持材3
3の横材35を収容して保持する横材保持溝37が設け
られている。この縦材保持溝36と横材保持溝37は、
本体2内の一定位置に支持材33を包み込みやすくする
もので、省略することも可能である。
【0069】上記のような本体2とは別体の支持材33
に本体2を巻き付けて構成するパイルスぺーサパイルス
ぺーサにおいて、本体2に設ける縦溝4の間隔を両側部
に比して中央部を広くすると、本体2の丸めやすさと本
体2の弾性復帰力の調整を容易に行うことができる。
【0070】
【発明の効果】本発明は、以上説明した通りのものであ
り、次の効果を奏するものである。
【0071】(1)本体2の縮径及び拡径が可能である
ので、中空パイル1内面の凹凸や、中空パイル1の内径
誤差に拘わらず、中空パイル1への挿入密着が容易であ
る。
【0072】(2)上記と同じ理由から、径の異なる異
種の中空パイル1に対して同じパイルスぺーサを使用で
き、汎用性が高い。
【0073】(3)本体2が弾性的に中空パイル1の内
面に密着するので、本体2と中空パイル1の内面間にコ
ンクリートが侵入しにくいと共に、本体2がポリオレフ
ィン系合成樹脂発泡体製の場合には特にコンクリートが
付着しにくいポリオレフィン系合成樹脂発泡体製である
ので、除去が容易で、はつり等の後処理の手間を省略で
きる。
【0074】(4)本体2の中央部分の縦溝4間の間隔
が大きく、この領域の弾性回復力が比較的大きく維持さ
れているので、予め本体2を丸めて仮止めしておいて
も、保管や輸送時に潰れて変形しにくい。
【0075】(5)本体2の中央部分の縦溝4間の間隔
が小さいので、本体2を丸めやすい。
【0076】(6)中間リング27を取り付けておく
と、予め本体2を丸めて仮止めしておいた場合の潰れを
一層確実に防止できる。
【0077】(7)仕切板11の取付に環状支持具12
を用いると、仕切板11の取り付け状態を安定させやす
く、上記潰れ防止にも役立つ。
【0078】(8)引き抜き支持板3を本体2の外面側
に位置させておくと、引き抜き支持板3の上部を中空パ
イル1の中心方向に傾けることで、本体2と中空パイル
1内面との剥離を促進することができる。従って、本体
2と中空パイル1の内面間に多少コンクリートが侵入し
ても引き抜きが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパイルスぺーサの第1の例を示す
展開状態の斜視図である。
【図2】引き抜き支持板の斜視図である。
【図3】図1のパイルスぺーサを丸めた状態を示す斜視
図である。
【図4】仕切板を取り付けた環状支持具を示す斜視図で
ある。
【図5】図4の環状支持具を取り付けた本体の下端付近
の断面図である。
【図6】他の仕切板を取り付けた環状支持具を示す斜視
図である。
【図7】図6の環状支持具を取り付けた本体の下端付近
の断面図である。
【図8】補強バー付の環状支持具の一例を示す斜視図で
ある。
【図9】補強バー付の環状支持具の他の例を示す斜視図
である。
【図10】仕切板の他の例を示す斜視図である。
【図11】図1のパイルスぺーサを中空パイル上部にセ
ットした状態を示す断面図である。
【図12】図1のパイルスぺーサをセットした中空パイ
ルを、根固めコンクリートを注入した竪杭に沈設した状
態の断面図である。
【図13】パイルスぺーサ内の硬化コンクリートをその
下方の硬化コンクリートから分断して抜き出す途中状態
の断面図である。
【図14】本発明に係るパイルスぺーサの第2の例を示
す展開状態の斜視図である。
【図15】本発明に係るパイルスぺーサの第3の例を示
す展開状態の斜視図である。
【図16】仕切板を取り付ける場合の他の例を示す本体
の下端付近の断面斜視図である。
【図17】引き抜き支持板の他の例を示す斜視図であ
る。
【図18】図17の引き抜き支持板を備えたパイルスぺ
ーサを丸めた状態の下端付近の斜視図である。
【図19】引き抜き支持板の更に他の例を示す斜視図で
ある。
【図20】図19の引き抜き支持板を備えたパイルスぺ
ーサを丸めた状態の下端付近の斜視図である。
【図21】受け片を設ける場合の他の例を示す断面図で
ある。
【図22】本体に突起部と別体の引き抜き支持板を取り
付ける場合の例を示す断面図である。
【図23】本体の縦方向中間部にフック部を設ける場合
を示す断面図である。
【図24】図23のフック部に中間リングを取り付けた
状態を示す本体中間部の断面斜視図である。
【図25】引き抜き支持板の上端部に掛け部を形成する
場合の他の例を示す断面図である。
【図26】引き抜き支持板の上端部を倒伏させて掛け部
を形成する場合を示す断面図である。
【図27】引き抜き支持板の上端部を倒伏させて掛け部
を形成する場合の他の例を示す断面図である。
【図28】本体の他の例を示す断面図である。
【図29】本発明の第1の応用例を示す斜視図である。
【図30】本発明の第2の応用例を示す斜視図である。
【図31】本発明の第3の応用例に係る本体の斜視図で
ある。
【図32】支持材に図31の本体を巻き付けて中空パイ
ルに挿入した状態の断面図である。
【符号の説明】
1 中空パイル 2 本体 3 引き抜き支持板 4 縦溝 5 ボルト 6 当て板 7 ボルト孔 8 掛け部 9 受け片 10 立ち上げ片 11 仕切板 12 環状支持具 13 取り付け孔 14 切れ目 15 舌片 16 掛け突起 17 延出片 18 補強バー 19 スリット状開口 20 突起部 21 重ね合わせ片 22 押え棒 23 鉄枠 24 支持棒 25 クロスバー 26 補助片 27 中間リング 28 フック部 29 掛け板 30 テーパ面 31 弾性帯板 32 長孔 33 支持材 34 縦材 35 横材 36 縦材保持溝 37 横材保持溝 38 支持環

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横方向に丸めて中空パイル内に挿入可能
    な合成樹脂発泡体製の板状の本体に対して、その縦方向
    に、引き抜き時に牽引される引き抜き支持板が取り付け
    られている一方、本体の内面側には多数の縦溝が並列し
    て形成されており、しかもこの縦溝の間隔が、両側部に
    比して中央部が広くなっていることを特徴とするパイル
    スぺーサ。
  2. 【請求項2】 合成樹脂がポリオレフィン系合成樹脂で
    あることを特徴とする請求項1のパイルスぺーサ。
  3. 【請求項3】 本体の一側に、本体を丸めた時に他側に
    重ねられる薄肉の重ね合わせ片が設けられていることを
    特徴とする請求項1又は2のパイルスぺーサ。
  4. 【請求項4】 2本の引き抜き支持板が、本体を丸めた
    時に径方向にほぼ相対向する位置でかつ本体の外面側に
    取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3いず
    れかのパイルスぺーサ。
  5. 【請求項5】 各引き抜き支持板の下端部が本体側に屈
    曲されて、本体の下端面に当接された受け片となってお
    り、各引き抜き支持板の受け片の先端部が本体の内面側
    に立ち上げられて立ち上げ片となっており、この立ち上
    げ片間に保持される環状支持具に仕切板が取り付けられ
    ていることを特徴とする請求項4のパイルスぺーサ。
  6. 【請求項6】 仕切板が、受け片外面を覆う延出片を有
    することを特徴とする請求項5のパイルスぺーサ。
  7. 【請求項7】 環状支持具に補強バーが取り付けられて
    いることを特徴とする請求項5又は6のパイルスぺー
    サ。
  8. 【請求項8】 本体の内面側の縦方向中間部に、本体を
    丸めた時の内径とほぼ一致する径の中間リングを取り付
    けるためのフック部が設けられていることを特徴とする
    請求項1〜7いずれかのパイルスぺーサ。
  9. 【請求項9】 引き抜き支持板の上端部に、引き抜き時
    に牽引手段を接続するための牽引用掛け部が設けられて
    いることを特徴とする請求項1〜8いずれかのパイルス
    ぺーサ。
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