JP2000096558A - パイルスペーサ - Google Patents

パイルスペーサ

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JP2000096558A
JP2000096558A JP10268593A JP26859398A JP2000096558A JP 2000096558 A JP2000096558 A JP 2000096558A JP 10268593 A JP10268593 A JP 10268593A JP 26859398 A JP26859398 A JP 26859398A JP 2000096558 A JP2000096558 A JP 2000096558A
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JP
Japan
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pile
hollow pile
pull
support plate
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JP10268593A
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English (en)
Inventor
Keijiro Murakami
啓次郎 村上
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空パイル内面の径の大小等に拘わらずパイ
ル内面にフイツトでき、挿設作業やコンクリート硬化後
の除去作業も容易なパイルスペーサの提供。 【解決手段】 横方向に丸めて中空パイル内に挿入可能
な合成樹脂発泡体製の板状の本体に対して、その外面側
縦方向に引き抜き支持板が取り付けられている一方、本
体の内面側には多数の縦溝が並列して形成され、この縦
溝の間隔が両側部に比して中央部が広くなっており、各
引き抜き支持板の下端部が本体側に屈曲されて、本体の
下端面に当接された受け片となっているパイルスペー
サ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーガマシン等で
掘削(通常は拡底掘削)され、根固め用のコンクリート
が注入された掘削孔に中空パイルを沈設するに際し、中
空パイルの上部に予め挿設しておくパイルスペーサであ
って、沈設された中空パイル内を上昇して中空パイル内
を埋めて硬化するコンクリートを、その硬化後、中空パ
イル上端から所定の長さ分だけ除去するために用いるパ
イルスペーサに関する。
【0002】
【従来の技術】建物等の基礎工事の施工法として、オー
ガマシン等で掘削した掘削孔に根固め用のコンクリート
を注入した後、当該掘削孔に中空パイルを沈設して、当
該コンクリートを硬化させる工法が知られている。この
工法における中空パイルの沈設時には、掘削孔に注入さ
れたコンクリートが中空パイル内を上昇して満たし、更
に余剰のコンクリートは中空パイルから溢れ出ることに
なる。
【0003】ところで、掘削孔に沈設された中空パイル
の上部には、この中空パイルと地中梁を一体に連結して
形成するため、かご状の鉄筋が挿設されるので、養生
後、当該上部を満たして硬化したコンクリートを除去
し、このかご状の鉄筋を入れる空間を中空パイル上部に
形成し直す必要がある。上記中空パイルの上部を満たし
て硬化したコンクリートの除去をしやすくするために使
用されるのがパイルスペーサである。
【0004】このパイルスペーサとしては、間隔保持部
材を介して組み合わせた内外二重の厚紙製の円筒状スペ
ーサや、合成樹脂発泡体製の円筒状で、縦方向に切欠部
が形成されたスペーサ(特開平4−371610号公
報)等が知られている。これらは、いずれもかご状の支
持材を、その上部を露出させて内包した状態で中空パイ
ルの上部に挿設されるもので、スペーサ内で硬化したコ
ンクリートを、露出した支持材の上部を介してパワーシ
ョベルやクレーン等の牽引手段で上方に引きながら左右
に振ることで、その下方で中空パイルと一体化して硬化
したコンクリートから分断して除去できるようにするも
のである。
【0005】しかしながら、上記従来技術のうち厚紙製
の円筒状スペーサは、特開平4−371610号公報で
も指摘されているように、硬い厚紙製でしかも円筒状で
あるので、外筒を中空パイル内にぴったり挿入しにくい
問題がある。特に中空パイルの内面は不規則な凹凸が付
いていることが多く、その内径精度もさほど高くないの
で、内面の凹凸やノロの付着などで多少の内径の相違に
よらず挿入を可能にするためには、外筒の径をやや小さ
めにしておく必要があり、外筒と中空パイル内面間にあ
る程度の隙間を生じるのが避けられない。このため、外
筒と中空パイル内面間にコンクリートが侵入し、外筒を
強固に中空パイル内面に付着させてしまい、外筒が中空
パイル内に残留しがちである。また、外筒が除去できた
としても外筒と中空パイル内面との間に侵入したコンク
リートが残留することになる。厳格に工事を行うために
はその除去が必要となり、除去作業に多大な手間がかか
る問題がある。
【0006】一方、合成樹脂発泡体製の円筒状で、縦方
向に切欠部が形成されたスペーサ(特開平4−3716
10号公報)は、材質的にある程度の柔軟性を有し、切
欠部を狭めることで縮径できるので、やや大きめの径と
しておくことで、内面の凹凸や多少の内径の相違によら
ず中空パイル内面にフイツトさせ得る利点がある。しか
しながら、上記利点を有するものの、縮径はできても拡
径はできないので中空パイルの内径が予想以上に大きい
場合には対応することができないばかりか異なる径の中
空パイル毎に対応する径のスペーサを用意しなければな
らず、異なる径の中空パイルへの融通性に欠ける問題が
ある。また、縦方向に切欠部を有するので、そのままで
は、スベーサ内を上昇したコンクリートがこの切欠部を
介して中空パイル内面と一体化してしまい、このスペー
サ内の硬化コンクリートを分断除去する妨げとなる 従
って、外周又は内周に合成樹脂フイルム等を巻き付けて
挿設するか、切欠部の位置をずらせて内外二重に組み合
わせて挿設する必要があり、現場での作業が煩わしい問
題もある。
【0007】これらの欠点を克服するために、本発明者
は、先に、横方向に丸めて中空パイル内に挿入可能な合
成樹脂発泡体製の板状の本体に対して、その縦方向に、
引き抜き時に牽引される引き抜き支持板が取り付けられ
ている一方、本体の内面側には多数の縦溝が並列して形
成されているパイルスペーサ(特開平10−1943号
公報等)を提案した。しかしながら、このパイルスペー
サは、中空パイル内面の凹凸や径の大小に拘わらず中空
パイル内面にフイツトさせることができ、しかも現場で
の挿設作業及びコンクリート硬化後の除去作業が容易で
あるものの、パイルの径が大きくなった場合や、施工時
のスペーサの取り扱いが雑な場合等には引き抜き性やコ
ンクリートミルクの注入性等の点から、構造上更なる改
良が要求される場合がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点に鑑みてなされたもので、パイルの径が大きい場
合や、パイル沈設時の取り扱いが多少雑な場合でも、中
空パイル内面の凹凸や径の大小に拘わらず中空パイル内
面にフイツトさせることができ、しかも現場での挿設作
業及びコンクリート硬化後の除去作業が容易なパイルス
ペーサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術を克服するために鋭意検討した結果、本発明をなすに
至った。すなわち、本発明は、横方向に丸めて中空パイ
ル内に挿入可能な合成樹脂発泡体製の板状の本体に対し
て、その外面側縦方向に、引き抜き時に牽引される引き
抜き支持板が取り付けられている一方、本体の内面側に
は多数の縦溝が並列して形成されており、しかもこの縦
溝の間隔が、両側部に比して中央部が広くなっているパ
イルスペーサであって、各引き抜き支持板の下端部が本
体側に屈曲されて、本体の下端面に当接された受け片と
なっていることを特徴とするパイルスペーサである。
【0010】本発明は、図1に示されるように、横方向
に丸めて中空パイル1内に挿入可能な合成樹脂発泡体製
の板状の本体2に対して、その縦方向に、引き抜き時に
牽引される引き抜き支持板3が取り付けられている一
方、本体2の内面側には多数の縦溝4が並列して形成さ
れており、しかもこの縦溝4の間隔が両側部に比して中
央部が広くなっていることを特徴とするパイルスペーサ
を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1ないし図13に基づいて、本
発明のパイルスペーサの第1の例を説明する本例のパイ
ルスペーサは、図1に示されるように、片面に多数の縦
溝4が並列して形成された本体2を有するもので、この
本体2は合成樹脂発泡体製の板状体で構成されている。
【0012】図1に明示される縦溝4は、本体2を中空
パイル1(図11参照)内面に沿った円筒形に丸めやす
くするためのもので、図3からも明らかなように、本体
2の内面側(本体2を丸めた時の内側)に設けられてい
る。上記縦溝4間の間隔は、両側部に比して中央部が広
くなっていること、更には中央部の溝の間隔が両側部の
溝の間隔の1.5〜2倍であることが好ましい。具体的
には、後述する2本の引き抜き支持板3の外側は間隔が
狭く、内側は間隔が広くなっているものは、本体2の中
央部で広くなっていることにより、縦本体2の中央部に
適度な弾性復帰力を維持させることができ、本体2を丸
めて仮止めした状態で、本パイルスペーサを俵積みして
保管又は輸送する際の潰れを防止できる点で、また、縦
溝4の問隔を本体2の両側部で狭いことにより、湾曲さ
せにくい本体2の両側部を弧状に湾曲させやすい点で好
ましい。
【0013】上記縦溝4の深さ、幅、間隔は、本体2の
厚さ、材質、発泡倍率等に応じて定めればよい。また、
縦溝4の断面形状は、方形や半円形でもよいが、丸めや
すくなることから、図1に示されるような逆三角形状で
あることが好ましい。本体2を構成する合成樹脂発泡体
としては、ポリスチレン系合成樹脂やポリオレフイン系
合成樹脂等の発泡体が挙げられるが、ポリオレフイン系
合成樹脂発泡体の場合、例えばポリスチレン発泡体等に
比して腰が強くかつ可撓性及び弾性に優れ、割れや欠け
を生じることなく中空パイル1(図11参照)の内面に
密着させやすいと共に、コンクリートが付着しにくい利
点があるので好ましい。ポリオレフイン系合成樹脂とし
ては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、これらを
50重量%以上含む共重合体を挙げることができ、好ま
しくはポリエチレンである。本体2をポリオレフイン系
合成樹脂発泡体製とする場合、その発泡倍率は、必要な
強度、弾性等を得る上で、5〜100倍であることが好
ましく、更に好ましくは20〜50倍である。
【0014】また、このポリオレフイン系合成樹脂発泡
体で構成される本体2の厚みは、後述する硬化コンクリ
ートの分断除去時に、その弾性を利用して左右に揺すり
やすいよう、20〜50mmであることが好ましい。本
体2の外面側(本体2を丸めた時の外側)には、図2に
示されるような引き抜き支持板3が、本体2を貫通する
ボルト5によって縦方向に取り付けられている。
【0015】また、引き抜き支持板3は、図1及び図3
に示されるように、本体2を丸めた時に径方向にほぼ相
対向する2箇所に位置している。引き抜き支持板3は、
図示されるような位置に2本設けなければならないもの
ではなく、1本のみとしたり、3本以上とすることもで
きるが、引き抜く時の安定性と本体2の丸めやすさの点
から、図示されるような位置に2本設けることが好まし
い。
【0016】この引き抜き支持板3の取り付けは、取り
付け位置となる本体2の外面に浅い溝を形成しておき、
本体2の外面に対して引き抜き支持板3の表面ができる
だけ平らに納まるように行うことが好ましい。また、ボ
ルト5の締め付けは、本体2の内面との間に当て板6を
介在させて行うことが好ましい。当て板6としては、ポ
リオレフイン系樹脂の低発泡板が好ましい。尚、図2に
おいて7は、ボルト5(図1及び図3参照)を通すため
のボルト孔である。
【0017】上記引き抜き支持板3は、例えば鉄板等の
強固な材料で構成されているもので丸めた本体2内で硬
化したコンクリートと共に本体2を中空パイル1から引
き抜く際に、パワーショベルやクレーン等の牽引手段で
牽引する部材である。なお、中空パイル沈設時の取り扱
いが雑である場合、コンクリートミルクの上昇によっ
て、引き抜き支持板3が下部からめくれあがってしま
い、後述するコンクリートの仕切りがうまくいかず問題
となることがある。この場合、パイル引き抜き支持板3
の断面は図示されているような四角形のものに代えて、
コの字型、T字型、L字型等にしたり、引き抜き支持板
3を2枚以上重ねて使用することが考えられる。また、
引き抜き支持板3の上端部(特にパワーショベルやクレ
ーン等の牽引手段の力がかかる部分)や下端部(特に、
後述する受け片の部分)等を部分的に補強することも考
えられる。
【0018】引き抜き支持板3の上端部(中空パイル1
内挿入時の上側)には、そこにワイヤーやフック等を掛
けてパワーショベルやクレーン等の牽引手段を接続しや
すくするための掛け部8を設けておくことが好ましい。
図示される掛け部8は、引き抜き支持板3の上端部を本
体2の上端よりも突出させて、当該突出した部分に形成
した孔として設けられている。しかし、ワイヤーやフッ
クは容易に本体2を貫通させることができるので、引き
抜き支持板3の本体2と当接した部分に形成した孔とし
て設けることもできる。
【0019】引き抜き支持板3の下端部(中空パイル1
内挿入時の下側)は、本体2側に屈曲されており、本体
2の下端面に当接した受け片9となっている。この受け
片9は、掛け部8にパワーショベルやクレーン等の牽引
手段を接続して引き抜き支持板3を上方に引っ張った際
に、本体2の下端面を押し上げて、確実に本体2を引き
抜き支持板3と共に引き抜くことができるようにするた
めのものである。
【0020】更に、受け片9の先端部は、更に本体2の
内面側に立ち上げられて立ち上げ片10としておくこと
が好ましい。この立ち上げ片10は、例えば図4に示さ
れるような仕切板11付の環状支持具12を取り付ける
ためのもので、そのための取り付け孔13が形成されて
いる。取り付け孔13の形状は図2に示すように丸でも
よいが、中空パイルへの挿設時等のがたつき防止のため
に、四角等にすることが好ましい。
【0021】仕切板11は、環状支持具12によらずに
設けることもできるが、この環状支持具12を用いて取
り付けると、安定した取り付け状態が得やすく、また環
状支持具12は丸めた本体2の潰れ防止にも有効である
ことから、環状支持具12を用いることが好ましい。環
状支持具12は、例えば鉄棒等で形成されているもの
で、予め仕切板11が取り付けられている。
【0022】仕切板11は、中空パイル1(図11参
照)内に挿設された本体2内にその下方から上昇して入
り込むコンクリートの流入口を狭め、本体2内で硬化す
るコンクリートと、その下方で硬化するコンクリートと
の間を仕切って、両者を分断しやすくするためのもので
ある。図4に示される仕切板11は、例えばゴムや合成
樹脂(ポリオレフイン系合成樹脂が好ましい)等の可撓
性を有する材料で構成された円盤の中央部に十字形もし
くは放射状に切れ目14を入れて複数の舌片15を形成
し、この舌片15がまくれ上がることでコンクリートの
流入を許容するものとなっている。仕切板11として
は、合成樹脂の低発泡体を用いることも可能であるが、
強度等の点から、厚手のシート、フィルム、ゴム等を用
いることが好ましい。
【0023】また、環状支持具12は、内周径方向に突
出した掛け突起16を有しており、この掛け突起16
を、図5に示すように、立ち上げ片10の取り付け孔1
3に差し込むことで取り付けられるものである。掛け突
起16の断面形状は図5に示すように丸であってもよい
が、中空パイルへの挿設時等のがたつき防止のために、
四角等にすることが好ましい。掛け突起16を環状支持
具12の円周部材に接着して行う場合には、環状支持具
12の円周部材の内側につけてもよいが、接着性を向上
するために円周部材の上部につけることが好ましい。更
に、この場合環状支持具12の上面(すなわち掛け突起
16と接する面)及び掛け突起16の底面(すなわち環
状支持具12と接する面)を平らにすることにより、両
者の接着性は一層向上する。図4に示される仕切板11
において、環状支持具12の掛け突起16付近が切り欠
かれているのは、掛け突起16を取り付け孔13に差し
込む際に仕切板11が邪魔にならないようにするための
ものである。また、このような切り欠きを設けた場合、
上記掛け突起16や取り付け孔13を設けず、環状支持
具12の円周部分を直接立ち上げ片10にひっかけるこ
とも可能である。環状支持具12は図4に示すもの以外
に、平板をドーナツ状にくりぬいたものや鍔部を有する
円柱状等でも良い。更に、上記切り欠きや掛け突起1
6、立ち上げ片10を設けず、環状支持具12及び受け
片9に孔を開けておき、ボルトナットにより両者を固定
することも可能であり、この場合、孔を楕円形状にして
おけば、スペーサの径の縮小や拡大に応じて調整可能と
なる。
【0024】環状支持具12に取り付けておく仕切板1
1は、図6に示されるように、環状支持具12の掛け突
起付近から外方に延出した延出片17を有するものとし
てもよい。この廷出片17は、図7に示されるように、
受け片9の外面を覆うもので、これによって受け片9の
外面へのコンクリートの密着を防止することができる。
【0025】更に環状支持具12及び仕切板11につい
て説明すると、環状支持具12は、図8や図9に示され
るように、補強バー18を有するものとすることができ
る。この補強バー18は、丸めた本体2の径が大きくな
る場合には、環状支持具12を補強する意味から設ける
ことが好ましい。また、仕切板11は、図10に示され
るように、スリット状開口19を有するものとすること
もできる。
【0026】図1及び図2に示されるように、引き抜き
支持板3の中間部には突起部20が突出している。この
突起部20は本体2を貫通して、本体2の内面側に突出
している。突起部20は、必須のものではないが、引き
抜き支持板3と本体2の一体性、及び、引き抜き支持板
3と丸めた本体2内で硬化したコンクリートとの一体性
を高めることができるので、設けることが好ましい。突
起部20は、図示されるような2箇所に設けるだけでな
く、1箇所のみに設けたり、3箇所以上に設けることも
できる。また、突起部20の設け方は引き抜き支持板3
に対し垂直なものに限られず、斜めであってもよい。特
に引き抜き支持板3の上端部と突起部20のなす角度が
鋭角の場合、引き抜き時に抵抗が少ない等の利点がある
一方、運搬時には本体2からは分離しにくいので、本体
2に取り付ける際に、ボルトを必要としない等の利点も
ある。
【0027】本体2の一側には、本体2を丸めた時に他
側に重ねられる薄肉の重ね合わせ片21が設けられてい
る。重ね合わせ片21は本体2と一体に形成もしくは本
体2に溶着又は接着で設けられたものである。この重ね
合わせ片21は必須のものではないが、重ね合わせ片2
1を設けておくと、本体2を丸めた時の両側縁部を、外
面側に大きな段差を発生させることなく重ね合わせるこ
とができ、本体2の全外周を中空パイル1(図12参
照)の内面に密着させやすくなる。前記重ね合わせ片2
1も本体2と同様にポリオレフイン系合成樹脂製である
ことが好ましい。また、この重ね合わせ片21は、薄く
形成されているものの、腰が強いと、本体2を丸めた時
の重ね合わせ作業が行いやすいので、非発泡のポリオレ
フイン系合成樹脂若しくは発泡侶率が50倍以下のポリ
オレフイン系合成樹脂発泡体であることが好ましい。ポ
リオレフイン系合成樹脂発泡体とする場合、特に発泡倍
率が5〜50倍であることが好ましい。
【0028】また、本発明のパイルスペーサは、図11
に示されるように、本体の両側部に一対の重ね合わせ部
33a、33bを設けることも可能である。なお、この
重ね合わせ部は図示されるような重なり合う斜面を有す
るもののみではなく、肉厚を段差をもって約1/2に削
り落とし、重なり合う平面を有するものとして形成する
こともできる。また、図中、34は本体を重ね合わせた
時に重ね合わせ部33aの先端が当接されるストッパー
である。次に、上述のパイルスペーサの使用方法を説明
する。
【0029】まず、本体2を図3に示されるように丸め
る。この時、丸めた本体2の下部開口部に仕切板11を
取り付ける。この仕切板11の取り付けは、例えば針金
や粘着テープ等を用いて本体2や引き抜き支持板3に対
して行ってもよいが、図4〜図7で説明したように、立
ち上げ片10と環状支持具12を用いて行うと、取り付
け状態が安定するので好ましい。
【0030】上述のような仕切板11を取り付け、本体
2を丸めた後、図12に示されるようにこれを中空パイ
ル1内に挿設する。また、根固め用のコンクリートを注
入した掘削孔に当該中空パイル1を沈設した時に、中空
パイル1内を上昇するコンクリートによって本パイルス
ペーサが浮き上がらないよう、掛け部8に通した押え棒
22(一般にかんざし筋という)を中空パイル1上端の
鉄枠23に溶接等で止め、本パイルスペーサを押えてお
くことが好ましい。
【0031】本パイルスペーサは、本体2を単に丸めた
状態で挿設されるもので、丸め方によって径を自在に調
整できるので、中空パイル1内面の凹凸や内径の誤差は
もとより、同じ本パイルスベーサを径の異なる異種類の
中空パイル1に対して使用することが可能である。ま
た、中空パイル1内に挿入された本体2は弾性復帰して
拡径するので、中空パイル1内面の凹凸や内径の相違に
拘わらず、中空パイル1の内面に密着しやすく、本体2
と中空パイル1の内面との間に隙間を残し難い。従っ
て、中空パイル1内を上昇するコンクリートが、中空パ
イル1の内面と本体2の間にほとんど侵入しないことに
加え、本体2をコンクリートが付着しにくいポリオレフ
イン系合成樹脂発泡体製とすると、養生後に行われる、
本体2を含めた本パイルスペーサの除去がより容易とな
る。
【0032】本体2を丸めて中空パイル1内に挿入する
に際しては、丸めた本体2を、例えば紐、テープ、テー
プフアスナー付テープ等で仮止めし、ある程度挿入した
後にこの仮止めを外すようにすると、挿入作業が容易と
なる。また、紐やテープ(例えばポリプロピレン製テー
プ)等を巻き付けて本止めし、そのまま中空パイル1内
に挿入しても、丸めた本体2は、内部に流入するコンク
リートによって、紐やテープを巻き付けた部分がくびれ
てしまう程に拡径する。従って、中空パイル1の内径に
比して丸めた本体2の外径が極端に小さくならなけれ
ば、このような止め方をした本パイルスペーサでも本体
2を十分中空パイル1の内面に密着させるこことが可能
で、しかも中空パイル1内への挿入作業性も向上するの
で、好ましい。
【0033】上記のように本体2を予め丸めておく場
合、この丸める作業は工場で行うのが効率的で、本体2
を丸められたパイルスペーサは俵積みして輪送・保管さ
れることになる。特に、前述のように、本体2の中央部
の縦溝4の間隔を両側部の縦溝4の間隔より広くしてお
くと、潰れにくくすることができ、輸送・保管時に潰れ
て変形し、中空パイル1内に挿入しにくくなることが防
止できる。また、本パイルスペーサは予め中空パイル1
内に挿入し、仮溶接しておくことも可能である。
【0034】ところで、本体2が図1及び図3に示され
るような重ね合わせ片21を有する場合、中空パイル1
の内径が小さいと、丸めた本体2の側端部がこの重ね合
わせ片21を越えて重ね合わされる場合がある。このよ
うな場合、本体2を適宜切断して円周調節することも可
能であり、この場合、本体2が多数の縦溝4を有するの
で、適宜の位置の縦溝4を介して手で引き裂いて長さ調
節することができ、現場での作業が容易である。
【0035】本パイルスペーサを図12に示されるよう
に中空パイル1内にセットした後、中空パイル1を建て
込み、図13に示されるように、根固め用のコンクリー
トを注入した掘削孔に沈設する。沈設は、クレーン等で
中空パイル1を釣り下げて行うが、適当な速度で垂直に
中空パイル1を降下させるのは必ずしも容易ではなく、
中空パイル1の下端が掘削孔の側壁をこすりながら沈設
されたり、中空パイルが急速に降下されてしまう場合も
ある。このようなことから、中空パイル1内を上昇して
くるコンクリートと共に大きな石や瓦礫が押し上げら
れ、これが丸めて挿設した本体2内にはまり込んでしま
うことも生じる。大きな石や瓦礫が本体2内に強固には
まり込んでしまうと、養生後の本パイルスペーサの引き
抜きが困難になる。図8や図9に示されるような補強バ
ー18付の環状支持具12を用いて仕切板11を取り付
けておくと、このような大きな石や瓦礫が本体2内に入
り込むのを防止しやすい利点もある。
【0036】養生の後、図14に示されるように、本体
2内の硬化コンクリートをその下方の硬化コンクリート
から分断して、本パイルスペーサごと抜き取り除去す
る。この分断除去は、引き抜き支持板3を、その掛け部
8にワイヤーやフックを掛けてパワーショベルやクレー
ン等の牽引手段に接続して牽引し、必要なら更に左右に
揺することで行う。本体2の外面側に引き抜き支持板3
を位置させておくと、その上部を中空パイル1の中心方
向に傾けることで、本体2と中空パイル1内面との剥離
を促進することができる。特に図14に示されるよう
に、逆Y字形にワイヤー等を掛けて上方に引くと、矢印
で示すように、引き抜き支持板3の上部を中空パイル1
の中心方向へ傾ける力が自動的に加わるので、本パイル
スペーサの引き抜きが一層容易となる。
【0037】上記硬化コンクリートの分断は、前述の仕
切板11を設けておかなくても可能ではあるが、前述し
た通り、この仕切板11を設けておくと、本体2内の硬
化コンクリートとその下方の硬化コンクリート問がこれ
で仕切られ、分断しやすくなるので好ましい。また、仕
切板11を設けていた場合にも、中空パイルの沈設作業
が雑な場合等には、仕切板11がコンクリートミルクの
圧力で破壊されてしまう場合がある。このような場合に
は、引き抜き支持板3のうちの1本のみを引き上げるこ
とにより、環状支持具12の一部を持ち上げ、それによ
って、てこの原理により上下間にひびを入れ、パイルス
ペーサ内の硬化コンクリートを下方のコンクリートから
分離することが可能である。
【0038】また、本パイルスペーサは、前述のように
本体2と中空パイル1の内面との間にコンクリートが侵
入しにくく、しかも本体2はコンクリートが付着しにく
い材質であるので、本体2と中空パイル1が強く接合さ
れにくい。仮に本体2と中空パイル1内面との間に多少
コンクリートが侵入したとしても、上述のように引き抜
き支持板3の上部を中空パイル1の中心方向へ傾けるこ
とで、本体2と中空パイル1内面との剥離を促進できる
ので、引き抜きが容易である。更に、引き抜きを容易に
するためには、通常コンクリートが付着しやすい鉄で構
成され、しかも本体2の外面側に位置する引き抜き支持
板3の表面に粘着テープを付設しておいたり、離型剤を
塗布しておくことも有効である。
【0039】ところで、中空パイル1を埋め込む位置の
地質や施工状態によっては、中空パイル1の上部までコ
ンクリートが上昇せず、これに代わって土砂が押し上げ
られてしまうことがある。この場合、本体2内は土砂で
満たされた状態となるが、土砂はコンクリートのように
硬化しないことから、引き抜き支持板3に加えられる引
き抜き力が分散せず、引き抜き支持板3部分に集中的に
加わりやすくなる。このような状態となると、引き抜き
支持板3のみが本体2から外れて引き抜かれてしまい、
土砂と本体2が残留してしまいやすくなる。受け片9を
設けておくと、受け片9で確実に引き抜き力を本体2に
加えられることから、上記のような状態においても土砂
と共に全体を容易に引き抜くことができる。更に、受け
片9は鉄板を2枚以上重ね合わせるなどして、補強する
ことも可能である。
【0040】このようにして、本パイルスペーサ及び本
体2内の硬化コンクリート若しくは土砂を除去した後
は、これによって開けられた中空パイル1上部の空間に
かご状の鉄筋を挿設し、地中梁の構築が進められること
になる。図15は、支持棒24を利用して仕切板11を
取り付ける場合を示すもので、立ち上げ片10の取り付
け孔13に支持棒24を差し込み、この支持棒24に対
して針金や紐等で仕切板11を取り付けたものとなって
いる。前記環状支持具12を用いた取り付け構造に比し
て簡略化できる利点がある。尚、図15に示される仕切
板11は、周囲に切れ目14による舌片15が形成され
ており、この周囲の舌片15がまくれ上がることでコン
クリートの流入を許容するものとなっている。
【0041】図16及び図17は、立ち上げ片を省略し
た場合を示すもので、受け片9の先端が本体2の内側に
突出し、本体2を丸めた時に両受け片9が相互に重なり
合うものとなっている。このような受け片9としておく
と、本体2の内側に突出した部分に容易に仕切板11を
取り付けることができる。また、このように受け部9の
先端を本体2の内側に突出させておくと、前述の補強バ
ー18(図8及び図9参照)と同様に、大きな石や瓦礫
が本体2内に入り込むのを防止できる利点もある。尚、
図17に示される仕切板11は、丸めた本体2の内径よ
り小さな径のものとなっており、本体2の内面との間に
残される隙間からコンクリートの侵入を許容するものと
なっている。
【0042】上記大きな石や瓦礫の侵入防止の観点から
すれば、図18及び図19に示されるように、本体内2
の内面側へ突出した受け片9の先端部分にクロスバー2
5を設けることも好ましい。このようにすると、本体2
を丸めた時の下端側の開口部に受け片9とクロスバー2
5が十文字に位置することになり、前述した大きな石や
瓦礫の侵入防止が一層確実となる。尚、図18及び図1
9においては一方の引き抜き支持板3側の受け片9にの
みクロスバー25が取り付けられているが、両方の引き
抜き支持板3の受け片9に取り付けてもよい。
【0043】引き抜き支持板3に受け片9を設ける場
合、図13に示されるように、引き抜き支持板3の下端
部を、本体2の下端面から内面に接する状態でU字形に
屈曲させ本体2の下端部をU字形に把持する状態で受け
片9を形成することもできる。この場合、図21に示す
ように別途補助片26を受け片9に接合して、受け片9
の先端部を本体2の内面側に突出させた場合と同様の状
態を構成することもできる。また、この補助片26を上
方に立ち上げて、前述の立ち上げ片10として機能させ
ることもできる。
【0044】図21は本体2に引き抜き支持板3を取り
付ける際の他の例を示すもので、ボルト5で引き抜き支
持板3を本体2に取り付けるのは図1で説明したのと同
じであるが、突起部20が溶接等で直接引き抜き支持板
3に一体化されておらず、引き抜き支持板3を本体2へ
取り付ける際にボルト5で一体化されるものとなってい
る。突起部20は、断面L字形の板材として形成されて
おり、本体2の内面側に、本体2との間に当て板6を挟
んで、ボルト5によって一体に固定されるもとなってい
る。このようにすると、本パイルスペーサを組み立て前
の状態で輸送する際に、引き抜き支持板3に突起部20
が突出していないので、抜き支持板3をまとめて搬送し
やすい利点がある。当て板6は、図21におけるナット
と突起部20の間に介在させてもよい。
【0045】図22及び図23は、中間リング27を取
り付ける場合を示すもので、本体2の縦方向中間部に、
本体2との間に当て板6を挟んで、ボルト5によってフ
ック部28が取り付けられている。このフック部28
は、中間リング27を通して取り付けるためのものであ
る。中間リング27は、丸めた時の本体2の内径とほぼ
等しい径(通常は本体2の内径より若干小さな径)の割
環状をなすもので、本体2を丸めて仮止めした本パイル
スペーサを俵積みして保管又は輸送する際に、その潰れ
を防止するためのものである。従って、大径で潰れやす
いパイルスベーサについてはこの中間リング27を設け
ることが好ましい。
【0046】また、中間リング27は割環状で弾性的に
縮径できることから、丸めた時の本体2の内径よりやや
大きな径として、本体2を丸める時に弾性的に縮径させ
ておき、中空パイル1への挿入後に中間リング27の弾
性復帰力を利用して、本体2の外面を中空パイル1の内
面へ密着させることもできる。図24(a)、(b)
は、引き抜き支持板3の上端部に掛け部8を設ける場合
の他の例を示すもので、引き抜き支持板3の上端部を本
体2の上端より上方に突出させ、この突出した引き抜き
支持板3の上端部に設けた孔として掛け部8が形成され
ているのは図1〜図3に示されるものと同様である。本
例の場合、この引き抜き支持板3の上端部に断面L字形
の板材を固着して、本体2の外面側に突出する掛け板2
9を形成すると共に、掛け部8をこの掛け板29を構成
する断面L字形の板材と引き抜き支持板3の両者を貫通
する孔として形成してある。このようにすると、掛け部
8が補強されると共に、本パイルスペーサを丸めて中空
パイル1内に挿入したときに、上記掛け板29が中空パ
イル1の上端面に引っ掛かるので、掛け板29を鉄枠2
3に溶接することで、押え棒22(図12参照)を用い
ることなく本パイルスペーサを中空パイル1内に装着す
ることができる。また掛け部として、図に示したような
L字形タイプに代えて、引き抜き支持板3の上端部に、
略真っ直ぐな鉄板状体を引き抜き支持板3の長手方向に
垂直或いは角度をもたせて設けることも可能である。
【0047】図25は、図24に示される掛け部8を備
えた本パイルスペーサを中空パイル1から引き抜く状態
を示す断面図で、図示されるように、掛け板29と棒枠
23間の溶接は引き剥がされることになる。この溶接の
引き剥がしを容易にするためには、図24(b)に示さ
れるように、掛け板29の先端縁に溶接部35を突出さ
せておくことが好ましい。この溶接部35を設けておい
てこれを鉄枠23に溶接すると、溶接範囲を狭めること
ができ、過剰に強固に溶接してしまうことを防止でき
る。その際、更にスポット溶接等により部分的に溶接す
ることも可能である。
【0048】ところで、上記のように引き抜き支持板3
の上端部が本体2よりも上方に突出していると、パイル
スペーサを中空パイル1内に挿設した時に、引き抜き支
持板3の上端部が中空パイル1の上端から上方に突出し
た状態となる。一方、掘削孔への中空パイル1の沈設
は、チヤツクで中空パイル1の上端部を掴持して建て込
むことで行われるが、工法によってチヤツクによる掴持
形式が異なり、引き抜き支持板3が中空パイル1から突
出していると、このチヤツクによる掴持が妨げられる場
合がある。これを防止するためには、図26〜図28に
示されるようにして掛け部8を構成することが好まし
い。
【0049】図26に示される掛け部8は、基本的には
図24で説明した掛け部8と同じであるが、引き抜き支
持板3の上端部側が本体2側に倒伏されたものとなって
いる。特に、図26(a)のものはほぼ水平に倒伏され
ているが、図26(b)のように傾斜した状態でも良
い。このように倒伏させておくと、チャックによる掴持
が妨げられないと共に、倒伏している引き抜き支持板3
の上端部側を引き起こすことで、容易に掛け部8に索引
手段を接続することができる。
【0050】図27に示される掛け部8は、引き抜き支
持板3の上端部側を本体2の外面側にL字形に屈曲倒伏
させ、この倒伏した部分に設けた孔として形成されてい
る。このようにすると、倒伏して外方に突き出た引き抜
き支持板3の上端部を図24で説明した掛け板29とし
て用いることができる。加えて、引き抜き時には、この
倒伏した引き抜き支持板3の上端部を引き起こせば、容
易に掛け部8に牽引手段を接続することができ、特にチ
ヤツクで中空パイル1の上端部を掴持する時に中空パイ
ル1の上端から引き抜き支持板3が突出していないの
で、このチヤツクによる掴持が妨げられることがない。
尚、図27においては、引き抜き支持板3が中空パイル
1の上端面途中までの長さで屈曲されているが、更に延
出させて、中空パイル1の側面部まで屈曲当接させても
よい。
【0051】図28に示される掛け部8は、引き抜き支
持板3の上端部を本体2の内面側にL字形に屈曲倒伏さ
せ、この倒伏した部分に設けた孔として形成されてい
る。また、この倒伏部分と背中合わせに図24で説明し
たものと同様の掛け板29が設けられている。このよう
にすると、図24のものと同様に押え棒22(図12参
照)を用いることなく本パイルスペーサを中空パイル1
内に押さえ付けることができる。一方、図26のものと
同様に倒伏した引き抜き支持板3の上端部を引き起こせ
ば、容易に掛け部8に牽引手段を接統することができる
と共に、チヤツクで中空パイル1の上端部を掴持する時
に、中空パイル1の上端から引き抜き支持板3が突出し
ていないので、このチヤツクによる掴持が妨げられるこ
とがない。
【0052】図26〜図28に示されるような引き抜き
支持板3の上端部の倒伏は、引き抜き支持板3の上端部
に蝶板部を介在させることで行ってもよい。この場合、
引き抜き支持板3の上端部は本体2の外面側と内面側の
いずれに倒伏させてもよい。図29は本体2の他の例を
示すもので、本体2の下端部内縁がテーパ面30となっ
ている。このようにすると、根固め用のコンクリートが
注入された掘削孔に中空パイル1を沈設した時に上昇し
てくるコンクリートは、図29中矢印で示されるよう
に、テーパ面30に沿って流れ、本体2の下端部を中空
パイル1の内面入に押し付けることになる。従って、本
体2と中空パイル1の内面間にコンクリートが侵入しに
くくなる。
【0053】次に、図30に基づいて、本発明の第1の
応用例を説明する。図30に示されるパイルスペーサ
は、ほぼ図1に示されるものと同様であるが本体2の内
面側に、上下2筒所、横方向に弾性帯板31が取り付け
られている点が相違している。この弾性帯板31は、例
えば鉄板等、コンクリートが付着しやすく、しかも強固
で弾性的に湾曲可能な帯板で、本体2を丸めた時に共に
弾性的に丸まり、本体2が広がって復帰しようとする力
を高める働きをなす。また、引き抜き支持板3と本体2
の接合を補強すると共に、丸めた本体2内で硬化したコ
ンクリートと一体化して、当該コンクリートを引き抜き
支持板3及び本体2と共に引き抜きやすくするものでも
ある。弾性帯板31は、図29に示されるように2条設
けなければならないものではなく、1条のみとしたり、
3条以上とすることもできる。
【0054】弾性帯板31の取り付け面である本体2の
内面側は、本体2を丸めた時に圧縮されることから弾性
帯板31の長さは本体2の横方向長さに比して短くて足
る。また、この本体2を丸めた時の内面側の圧縮を許容
するよう、弾性帯板31は本体2に対して全体を固着せ
ずに、弾性帯板31が、本体2に対して横方向にずれる
ことができる状態で取り付けられていることが好まし
い。
【0055】引き抜き支持板3と弾性帯板31は表裏に
分かれて交差しており、この交差部においてボルト5に
よって本体2、弾性帯板31及び引き抜き支持板3の一
体化が図られている。但し、弾性帯板31は、上記のよ
うに、本体2に対して横方向にずれることができる状態
で取り付けられていることが好ましいことから、ボルト
5の貫通箇所に長孔32が形成されており、この長孔3
2を介して横方向への自由度が維持されている。尚、図
30においては、左右の引き抜き支持板3と弾性帯板3
1の夫々の交差部に長孔32が形成されているが、左右
のいずれか一方の引き抜き支持板3(一般的には重ね合
わせ片21とは反対側の引き抜き支持板)と弾性帯板3
1の交差部にだけ長孔32を形成してもよい。また、引
き抜き支持板3に設けられている突起部20と同様の突
起を弾性帯板31の表面に設けることもできる。
【0056】上記のような弾性帯板31を備えたパイル
スペーサにおいて、本体2に設ける縦溝4の間隔を両側
部に比して中央部を広くすると、本体2の丸めやすさと
本体2の弾性復帰力の調整をよりきめ細かく行うことが
可能となる。
【0057】
【発明の効果】本発明は、以上説明した通りのものであ
り、次の効果を奏するものである。 (1)本体2の縮径及び拡径が可能であるので、中空パ
イル1内面の凹凸や、中空パイル1の内径誤差に拘わら
ず、中空パイル1への挿入密着が容易である。 (2)上記と同じ理由から、径の異なる異種の中空パイ
ル1に対して同じパイルスペーサを使用でき、汎用性が
高い。 (3)本体2が弾性的に中空パイル1の内面に密着する
ので、本体2と中空パイル1の内面間にコンクリートが
侵入しにくいと共に、本体2がポリオレフイン系合成樹
脂発泡体製の場合には特にコンクリートが付着しにくい
ポリオレフイン系合成樹脂発泡体製であるので、除去が
容易で、はつり等の後処理の手間を省略できる。 (4)本体2の中央部分の縦溝4間の間隔が大きく、こ
の領域の弾性回復力が比較的大きく維持されているの
で、予め本体2を丸めて仮止めしておいても、保管や輸
送時に潰れて変形しにくい。 (5)本体2の中央部分の縦溝4間の間隔が小さいの
で、本体2を丸めやすい(6)中間リング27を取り付
けておくと、予め本体2を丸めて仮止めしておいた場合
の潰れを一層確実に防止できる。 (7)仕切板11の取付に環状支持具12を用いると、
仕切板11の取り付け状態を安定させやすく、上記潰れ
防止にも役立つ。 (8)引き抜き支持板3を本体2の外面側に位置させて
おくと、引き抜き支持板3の上部を中空パイル1の中心
方向に傾けることで、本体2と中空パイル1内面との剥
離を促進することができる。従って、本体2と中空パイ
ル1の内面間に多少コンクリートが侵入しても引き抜き
が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパイルスペーサの第1の例を示す
展開状態の斜視図である。
【図2】引き抜き支持板の斜視図である。
【図3】図1のパイルスベーサを丸めた状態を示す斜視
図である。
【図4】仕切板を取り付けた環状支持具を示す斜視図で
ある。
【図5】図4の環状支持具を取り付けた本体の下端付近
の断面図である。
【図6】他の仕切板を取り付けた環状支持具を示す斜視
図である。
【図7】図6の環状支持具を取り付けた本体の下端付近
の断面図である。
【図8】補強バー付の環状支持具の一例を示す斜視図で
ある。
【図9】補強バー付の環状支持具の他の例を示す斜視図
である。
【図10】仕切板の他の例を示す斜視図である。
【図11】本発明に係るパイルスペーサの他の例を示す
展開状態の斜視図である。
【図12】図1のパイルスペーサを中空パイル上部にセ
ットした状態を示す断面図である。
【図13】図1のパイルスペーサをセットした中空パイ
ルを、根固めコンクリートを注入した掘削孔に沈設した
状態の断面図である。
【図14】パイルスペーサ内の硬化コンクリートをその
下方の硬化コンクリートから分断して抜き出す途中状態
の断面図である。
【図15】仕切板を取り付ける場合の他の例を示す本体
の下端付近の断面斜視図である。
【図16】引き抜き支持板の他の例を示す斜視図であ
る。
【図17】図16の引き抜き支持板を備えたパイルスペ
ーサを丸めた状態の下端付近の斜視図である。
【図18】引き抜き支持板の更に他の例を示す斜視図で
ある。
【図19】図18の引き抜き支持板を備えたパイルスペ
ーサを丸めた状態の下端付近の斜視図である。
【図20】受け片を設ける場合の他の例を示す断面図で
ある。
【図21】本体に突起部と別体の引き抜き支持板を取り
付ける場合の例を示す断面図である。
【図22】本体の縦方向中間部にフック部を設ける場合
を示す断面図である。
【図23】図23のフック部に中間リングを取り付けた
状態を示す本体中間部の断面斜視図である。
【図24】引き抜き支持板の上端部に掛け部を形成する
場合の他の例を示す図である。
【図25】図25の掛け部を有するパイルスペーサを中
空パイルから引き抜く状態を示す断面図である。
【図26】引き抜き支持板の上端部を倒伏させて掛け部
を形成する場合の他の例を示す断面図である。
【図27】引き抜き支持板の上端部を倒伏させて掛け部
を形成する場合の他の例を示す断面図である。
【図28】引き抜き支持板の上端部を倒伏させて掛け部
を形成する場合の更に他の例を示す断面図である。
【図29】本体の他の例を示す断面図である。
【図30】本発明の応用例に係る本体の斜視図である。
【符号の説明】
1 中空パイル 2 本体 3 引き抜き支持板 4 縦溝 5 ボルト 6 当て板 7 ボルト孔 8 掛け部 9 受け片 10 立ち上げ片 11 仕切板 12 環状支持具 13 取り付け孔 14 切れ目 15 舌片 16 掛け突起 17 延出片 18 補強バー 19 スリット状開口 20 突起部 21 重ね合わせ片 22 押え棒 23 鉄枠 24 支持棒 25 クロスバー 26 補助片 27 中間リング 28 フック部 29 掛け板 30 テーパ面 31 弾性帯板 32 長孔 33a重ね合わせ部 33b重ね合わせ部 34 ストッパー 35 溶接部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横方向に丸めて中空パイル内に挿入可能
    な合成樹脂発泡体製の板状の本体に対して、その外面側
    縦方向に、引き抜き時に牽引される引き抜き支持板が取
    り付けられている一方、本体の内面側には多数の縦溝が
    並列して形成されており、しかもこの縦溝の間隔が両側
    部に比して中央部が広くなっているパイルスペーサであ
    って、各引き抜き支持板の下端部が本体側に屈曲され
    て、本体の下端面に当接された受け片となっていること
    を特徴とするパイルスペーサ。
JP10268593A 1998-09-22 1998-09-22 パイルスペーサ Pending JP2000096558A (ja)

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